JP3268893B2 - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子の製造方法

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JP3268893B2 JP15846793A JP15846793A JP3268893B2 JP 3268893 B2 JP3268893 B2 JP 3268893B2 JP 15846793 A JP15846793 A JP 15846793A JP 15846793 A JP15846793 A JP 15846793A JP 3268893 B2 JP3268893 B2 JP 3268893B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子に係わ
り、特に、導電性基体上に光変換部材としての半導体光
活性層と透明導電層が形成された光起電力素子の表面処
理に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーへの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待の持てるもの
だということができる。
【0003】太陽電池には様々な形態がある。代表的な
ものとしては、 (1)結晶シリコン太陽電池 (2)多結晶シリコン太陽電池 (3)アモルファスシリコン太陽電池 (4)銅インジウムセレナイド太陽電池 (5)化合物半導体太陽電池 などがある。この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、化
合物半導体太陽電池及びアモルファスシリコン太陽電池
は比較的低コストで大面積化が可能なため、最近では各
方面で活発に研究開発が進められている。
【0004】更に、これらの太陽電池の中でも、導体金
属基板上にシリコンを堆積し、その上に導電性を有する
透明な金属酸化物薄膜である透明導電層を形成したアモ
ルファスシリコン太陽電池を代表とする薄膜太陽電池
は、軽量でかつ耐衝撃性、フレキシブル性に富んでいる
ので、将来のモジュール形態として有望視されている。
ただ、ガラス基板上にシリコンを堆積する場合とは異な
り、光入射側表面を透明な被覆材で覆い太陽電池を保護
する必要がある。そのために光起電力素子と接する表面
被覆材として従来から種々の熱可塑性・熱硬化性透明有
機高分子樹脂、フッ素樹脂、あるいは無機質の膜を形成
することができるハードコート材等が提案されてきた。
その理由としては、第1に熱可塑性・熱硬化性樹脂の場
合は安価であるために低コストで光起電力素子を保護す
るのに十分な厚みを持った被覆材となり得ること、第2
にフッ素樹脂の場合は耐候性に優れているため長期間の
屋外暴露に対しても劣化が極めて少なく光起電力素子の
性能低下を最小限にできること、第3にハードコート材
の場合は無機質の膜になるが故に耐候性・防湿性に優れ
る極めて硬い被覆を実現できることが挙げられる。
【0005】また、光起電力素子上には電流を効率よく
集めるために、導電性の微粉末をバインダーポリマー中
に分散させた導電性ペーストにより集電電極が形成され
る。
【0006】図9は、このような太陽電池モジュールの
従来例である。図9に於いて、1001はフッ化物重合
体薄膜層、1002は熱可塑性透明有機樹脂、1003
は光起電力素子、1004は絶縁体層、1005は集電
電極である。この例では光受光面の有機樹脂と同じもの
を裏面にも用いている。より具体的には、フッ化物重合
体薄膜層1001はETFE(エチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビ
ニル)フィルム等のフッ素樹脂フィルムであり、熱可塑
性透明有機樹脂1002はEVA(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)、ブチラール樹脂等であり、集電電極10
05は従来公知の樹脂をバインダーポリマーとする導電
性ペーストであり、絶縁体層1004にはナイロンフィ
ルム、アルミラミネートテドラーフィルムをはじめとす
る種々の有機樹脂フィルムが用いられる。この例に於い
て熱可塑性透明有機樹脂1002は光起電力素子100
3とフッ素樹脂フィルム1001及び絶縁体層1004
との接着剤としての役割と、外部からの引っかき、衝撃
から太陽電池を保護する充填材の役割をはたしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記表面被覆材構成に於いては無機物層である光起電力
素子と有機物層である透明有機高分子樹脂との間に無機
物/有機物界面が存在し、お互いの物性、即ち熱膨張係
数、ガラス転移温度、親水・疎水性、吸水性等の違いに
よりその層間密着力は十分なものとは言い難かった。
【0008】そのため、光起電力素子に被覆を施して屋
外で太陽電池として長期間使用する場合では、光起電力
素子と被覆材とのあいだの不十分な密着力と過酷な温湿
度変化による熱ストレスにより光起電力素子と透明有機
高分子樹脂との間の剥離が発生し、太陽電池としての品
質を保証する上で重大な問題であった。
【0009】また、無機質の塗膜を形成できるハードコ
ート材を用いた被覆を施したとしても、完全に無機物の
塗膜が形成できるわけではなく、光起電力素子との密着
性は不十分であった。したがって硬度の大きいハードコ
ートによる被覆では、ハードコート材と光起電力素子と
の熱膨張係数の僅かな違いでも、高温環境下で容易にク
ラックや剥離を生ずることがあった。
【0010】上述の問題を解決するために従来から光起
電力素子と直接接する表面被覆材中に種々のシランカッ
プリング剤や有機チタネート化合物等のカップリング剤
を添加するいわゆるインテグラルブレンド法が行われて
きたが、この方法では、1)カップリング剤の添加量が
1重量%以上と多くなってしまう、2)塗料で被覆する
場合には、予め添加されているレベリング剤と競争して
しまい界面にシランカップリング剤が十分に供給されな
い、3)熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂に添加しておく
と熱成形・熱硬化の際の加熱によりカップリング剤が分
解してしまう、4)添加して長時間放置しておくと徐々
に被覆材樹脂とカップリング剤の反応が進み樹脂のゲル
化が進行するので、添加後なるべく早く被覆を形成しな
ければならない、5)被覆材樹脂中にカップリング剤が
均一に分散してしまい、最も密着力の要求されるとこ
ろ、即ち光起電力素子/被覆材界面での密着力は添加し
た量の割にはそれほど向上しない、などの問題があっ
た。更に光起電力素子上にカップリング剤を塗布してカ
ップリング剤の皮膜を形成した後、被覆を施すことも提
案されてきたが、十分な密着力を得るには至らなかっ
た。原因としては図5に示すように、界面でカップリン
グ剤分子が何層にも重なっており、カップリング剤層の
破壊による光起電力素子と被覆材の剥離機構が推測され
る。
【0011】一方、半導体光活性層において生じた電流
を効率よく集電するために有機高分子樹脂をバインダー
ポリマーとする導電性ペーストを用いて櫛形の集電電極
を光起電力素子上に形成することがしばしば行われる。
ところが、従来のこのような集電電極の形成法では、バ
インダーポリマーと光起電力素子との間の密着力不足と
バインダーポリマーと光起電力素子の熱膨張係数の違い
を原因とする集電電極の光起電力素子からの剥離が生じ
易かった。またこれは、集電電極と光起電力素子との間
の接触抵抗の増加を招き、光起電力素子の性能低下の一
因になっていた。太陽電池として屋外で長期間使用する
ような場合にはこの問題は特に深刻で、温度変化による
接触抵抗の増大が起こり易く、変換効率に代表される太
陽電池の性能を長期間にわたって保証することを困難に
していた。このような導電性ペーストと無機材料との間
の密着性を向上させるため、例えば特開平2−1704
73号公報では、透光性基板上に形成された非晶質シリ
コン太陽電池の透過光面側のシリコン膜と導電性ペース
トよりなる厚膜電極の境界面にシランカップリング剤を
介在させることによりオーミック抵抗の保存安定性を向
上させることが提案されている。
【0012】しかしながら前記の公報に、光起電力素子
受光面側/導電性ペースト界面への適用あるいはシラン
カップリング剤分子の単分子層の形成、余剰のシランカ
ップリング剤の溶剤洗浄による除去については全く開示
されていない。
【0013】本発明は前記欠点を解決するために、光起
電力素子の表面とそれに直接接する被覆材との密着性を
向上させ、太陽電池として屋外の過酷な環境下で長期間
使用しても被覆材と光起電力素子受光面側との剥離を最
小限に抑えることが可能な光起電力素子および光起電力
素子の製造方法を提供することを目的とする。より好適
には、光起電力素子に透明電極かつ/あるいは集電電極
が形成された構造を有する光起電力素子である。集電電
極、透明導電層との密着力を向上させることで温度変化
を主因とする集電電極と透明導電層との間の接触抵抗の
増加を抑え長期間の屋外使用でも安定した性能を発揮で
きる光起電力素子および光起電力素子製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、本発明の光起電力素子の製造方法は、
半導体光活性層上に透明導電層を設けた光起電力素子の
製造方法において、前記光起電力素子をシランカップリ
ング剤を溶媒へ加え溶解させた液に浸漬する浸漬工程
と、前記浸漬工程後に前記溶媒により洗浄する洗浄工程
と、前記洗浄工程後に前記光起電力素子を乾燥させる乾
燥工程とにより透明導電層の表面処理を施すことを特徴
とする。
【0015】
【0016】
【作用】本発明によれば、透明導電層上にシランカップ
リング剤分子による単分子層を形成することにより、光
起電力素子に直接接する表面被覆材との密着力が向上す
る。これにより光起電力素子に被覆を施し太陽電池とす
るような場合には、屋外に於ける長期間の過酷な環境下
における使用でも、被覆材の剥がれにくい信頼性に優れ
た太陽電池を提供できる。
【0017】また、集電電極あるいは透明電極が併用さ
れた前記光起電力素子に於いては、シランカップリング
剤処理を施した透明導電層上に有機高分子樹脂をバイン
ダーポリマーとする導電性ペーストを用いて集電電極を
形成すれば、集電電極と透明導電層との間の密着力が向
上し、太陽電池として温度変化の激しい屋外で使用して
も集電電極と透明導電層との間の接触抵抗の増大及び集
電電極の剥離を抑えることができ、長期間にわたって安
定した性能を発揮できる太陽電池を提供することができ
るようになる。
【0018】
【実施態様例】図1に本発明の光起電力素子の概略構成
図を示す。図1の光起電力素子は導電性基体101、裏
面反射層102、半導体光活性層103、シランカップ
リング剤で表面処理した透明導電層104により構成さ
れる。シランカップリング剤による処理は導電性基体1
01上に裏面反射層102、pnもしくはpin接合を
有する半導体光活性層103、透明導電層104を順に
積層した後に行う。そこでまず、透明導電層までの作製
の方法を説明する。
【0019】導電性基体101は光起電力素子の基体に
なると同時に、下部電極の役割も果たす。しかしなが
ら、半導体光活性層自身が機械的強度および電気伝導性
に優れる場合には導電性基体はなくても良い。材料とし
ては、例えば、シリコン、タンタル、モリブデン、タン
グステン、ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カ
ーボンシート、鉛メッキ鋼板、導電層が形成してある樹
脂フィルムやセラミックスなどがある。上記導電性基体
101上には裏面反射層102として、金属層、あるい
は金属酸化物層、あるいは金属層と金属酸化物層を形成
しても良い。金属層には、例えば、Ti,Cr,Mo,
W,Al,Ag,Niなどが用いられ、金属酸化物層に
は、例えば、ZnO,TiO2,SnO2などが用いられ
る。上記金属層及び金属酸化物層の形成方法としては、
抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法
などがある。
【0020】半導体光活性層103は光電変換を行う部
分で、具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリコ
ン、pin接合型アモルファスシリコン、あるいはCu
InSe2,CuInS2,GaAs,CdS/Cu
2S,CdS/CdTe,CdS/InP,CdTe/
Cu2Teをはじめとする化合物半導体などが挙げられ
る。上記半導体光活性層の形成方法としては、多結晶シ
リコンの場合は溶融シリコンのシート化か非晶質シリコ
ンの熱処理、アモルファスシリコンの場合はシランガス
などを原料とするプラズマCVD、化合物半導体の場合
はイオンプレーティング、イオンビームデポジション、
真空蒸着法、スパッタ法、電析法などがある。
【0021】透明導電層104は光起電力素子の受光面
側電極の役目を果たしている。用いる材料としては、例
えば、In23,SnO2,In23−SnO2(IT
O),ZnO,TiO2,Cd2SnO4,高濃度不純物
ドープした結晶性半導体層などがある。形成方法として
は抵抗加熱蒸着、スパッタ法、スプレー法、CVD法、
不純物拡散法などがある。
【0022】次に、この様にして得られた光起電力素子
の表面をシランカップリング剤で処理する。シランカッ
プリング剤は、分子中に有機材料と反応して結合するビ
ニル基、エポキシ基、アクリル基、アミノ基、クロル基
などの有機官能性基と無機材料と反応して結合するアル
コキシシランのような加水分解性基を有しており、有機
材料と無機材料の橋渡しをして有機/無機界面の密着力
を高める働きがあり、工業的に広く応用されている。こ
こで用いるシランカップリング剤としては、例えば図7
に示すような構造を有するものがある。すなわち、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン(701)、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン(702)、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン(703)、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・塩酸塩(704)、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン(705)、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(70
6)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(7
07)、メチルトリメトキシシラン(708)、メチル
トリエトキシシラン(709)、ビニルトリアセトキシ
シラン(710)、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン(711)、ヘキサメチルジシラザン(712)、
γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン(713)、
ビニルトリメトキシシラン(714)、ビニルトリエト
キシシラン(715)、オクタデシルジメチル〔3−
(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロラ
イド(716)、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン(717)、γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン(718)、メチルトリクロロシラン(7
19)、ジメチルジクロロシラン(720)、トリメチ
ルクロロシラン(721)、ビニルトリクロロシラン
(722)、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラ
ン(723)、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン(724)、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン(725)、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(726)であ
る。これらのシランカップリング剤は水、アルコール、
トルエン、ベンゼン、アセトン、テトラヒドロフラン
(THF)、メチルセルソルブ等の溶剤によって希釈さ
れて用いられる。勿論、これらのうち2種類以上を混合
したものを溶剤としても構わない。ただ望ましくは、洗
浄による本発明の効果を最大限に発揮するために水を5
0重量%以上含む方がよい。具体的にはシランカップリ
ング剤の濃度が溶液全体を100重量部として0.1〜
10重量部であることが望ましく、0.1〜1.0重量
部であることがより望ましい。
【0023】まず上述の方法で作製した光起電力素子の
透明導電層表面に上記シランカップリング剤溶液を塗布
する。塗布の方法としては、浸漬法、スプレー法などが
ある。また、光起電力素子裏面へのシランカップリング
剤の付着を避けるために、裏面を予めフィルム等でマス
キングしておいてもよい。次にシランカップリング剤溶
液の付着した光起電力素子を溶剤にて洗浄し、乾燥する
ことにより光起電力素子の表面処理は完了する。洗浄方
法としては、溶剤槽中で光起電力素子を濯ぐ方法やシャ
ワーによる方法がある。この様な処理をすることによっ
て光起電力素子の透明導電層上には図6に示すようなシ
ランカップリング剤分子の単分子層が形成される。
【0024】この様にして透明導電層の表面処理を施し
た光起電力素子から太陽電池を作成する工程を次に図2
と図3及び図4を用いて説明する。
【0025】透明導電層204の上には電流を効率よく
集電するために、櫛形の集電電極206を設ける。集電
電極206の具体的な材料としては、例えば、Ti,C
r,Mo,W,Al,Ag,Ni,Cu,Sn、あるい
は銀ペーストをはじめとする導電性ペーストなどが挙げ
られる。集電電極206の形成方法としては、マスクパ
ターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、CVD法
や、全面に金属膜を蒸着した後で不必要な部分をエッチ
ングで取り除きパターニングする方法、光CVDにより
直接グリッド電極パターンを形成する方法、グリッド電
極パターンのネガパターンのマスクを形成した後にメッ
キする方法、導電性ペーストを印刷する方法などがあ
る。導電性ペーストは、通常微粉末状の銀、金、銅、ニ
ッケル、カーボンなどをバインダーポリマーに分散させ
たものが用いられる。バインダーポリマーとしては、例
えば、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アルキド、
ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタン、フェノールな
どの樹脂が挙げられる。
【0026】最後に起電力を取り出すために出力端子2
07を導電性基体と集電電極に取り付ける。導電性基体
へは銅タブ等の金属体をスポット溶接や半田で接合する
方法が取られ、集電電極へは金属体を導電性接着剤や半
田によって電気的に接続する方法が取られる。なお集電
電極に取り付ける際、出力端子が基体や半導体層と接触
して短絡するのを防ぐために絶縁体層209を設けるこ
とが望ましい。
【0027】上記の手法で作成した光起電力素子は、所
望する電圧あるいは電流に応じて直列か並列に接続され
る。また、絶縁化した基板上に光起電力素子を集積化し
て所望の電圧あるいは電流を得ることもできる。
【0028】光起電力素子に被覆を施し、太陽電池とす
る方法について以下に述ベる。図3で示された被覆を施
された太陽電池は、表面保護フィルム301、透明有機
高分子樹脂層302、光起電力素子303、絶縁性裏面
材304によって構成される。
【0029】光起電力素子303の裏面側には接着剤を
兼ねる透明有機高分子樹脂302を介して絶縁性の裏面
材304をはりつけてある。受光面側すなわち透明導電
層上には表面保護フィルムが透明有機高分子樹脂302
によって接着されている。
【0030】表面保護フィルム301は太陽電池最表面
の部材であり、優れた耐候性と透明性、さらには強靱性
を兼ね備えたものが要求される。例えばETFE(エチ
レン−四フッ化エチレン共重合体)、PCTFE(三フ
ッ化塩化エチレン樹脂)、PFA(四フッ化エチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FE
P(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
体)、PVDF(フッ化ビニリデン樹脂)、PVF(フ
ッ化ビニル樹脂)をはじめとする種々のフッ化物重合体
フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹
脂フィルムなどがこのような用途に適した材料として挙
げられる。なお、表面保護フィルムの有機高分子層と接
する面を予めコロナ放電等で処理しておき、有機高分子
層との接着性を高めることもしばしば行われる。
【0031】透明有機高分子樹脂層302は表面保護フ
ィルム及び裏面材を光起電力素子に接着するとともに、
外部からの衝撃や引っかきから光起電力素子を保護する
充填剤としての役目をはたしている。材料としては、例
えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、PVB
(ポリビニルブチラール)、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン
樹脂、アクリル樹脂などの透明な樹脂を主成分とする接
着剤が用いられる。これらの樹脂には耐熱性を高めるた
めの架橋剤や熱酸化防止剤、光劣化を抑えるために紫外
線吸収剤や光酸化防止剤を添加することが望ましい。
【0032】更に、太陽電池に到達する光量の減少をな
るべく抑えるために、透明有機高分子樹脂の光透過率
は、400nm以上800nm以下の可視光領域に於い
て80%以上であることが望ましく、大気からの光の入
射を容易にするために、屈折率が1.1から2.0であ
ることが好ましく、1.1から1.6であることがより
好ましい。
【0033】図3の太陽電池の作成方法は真空ラミネー
ターによるラミネーションが一般的である。すなわち、
透明な有機高分子樹脂をシート状に成型したものを接着
シートとして用い、裏面材/接着シート/光起電力素子
/接着シート/表面保護フィルムの順に重ねたものを減
圧下で1kg/cm2程度の圧力を加えながら所定時間
加熱し、ラミネートモジュールを得る。
【0034】絶縁性の裏面材304としては、例えば種
々の絶縁性樹脂、セラミックス、ガラス、絶縁被覆した
金属基板、アルミラミネートフィルム、ガラス繊維強化
プラスチック(FRP)などが用いられる。
【0035】図4はもう一つの被覆形態の一例を示して
いる。この図が示す被覆を施した太陽電池は、透明樹脂
層401、ハードコート材層402、光起電力素子40
3、絶縁体層404により構成される。
【0036】ハードコート材層402は光起電力素子表
面が傷つくのを防いだり、湿度によって性能低下が起こ
り易い素子を守るための防湿層としての役目を果たす。
ハードコート材は傷防止のために硬い材料である必要が
あり、鉛筆硬度で3H以上でなければならず、より好ま
しくは5H以上である。ここでいう鉛筆硬度とは、ハー
ドコート表面を鉛筆引っかき試験機を用いて引っかき、
JIS K−5410に規定された測定法により求めた
値である。ハードコート材の材料としては、アルコキシ
シラン、アルコキシチタン、アルコキシアルミニウム、
アルコキシマグネシウム、アルコキシジルコニウムや、
これらの分子が数個から数十個重合したものなどのよう
な金属アルコキシド化合物を主成分とする塗料の、塗布
と焼き付けによって形成される透明な無機質の塗膜があ
る。またこの他にも金属アセチルアセトナートやシラノ
ール化合物を主成分とする塗料によっても同様な皮膜を
形成できる。この時のハードコート材層の厚さは曲げ応
力や温度変化でクラック、剥離等を生じ難くするため薄
い方がよいが、傷防止のためにある程度の厚みが必要で
あり、自ずとその範囲が限定される。具体的には1μm
以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以
下であることがより好ましい。また、ハードコート材層
の形成方法としては、浸漬法、スプレー法などがある。
【0037】透明樹脂層401は光起電力素子を屋外の
過酷な環境から保護するために必要である。材料として
は、透明な耐候性に優れた樹脂の中から選定される。例
えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、あるいはフッ化ビニ
リデン樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂などの種々のフッ
素化樹脂がこのような樹脂に該当する。形成方法として
は、1)溶融した上記樹脂を素子上に押し出し、成形、
冷却硬化する方法、2)上記樹脂を主成分とする塗料を
素子上に塗布し、乾燥、硬化する方法、などがある。
【0038】絶縁体層404は光起電力素子裏面の導電
性基体と外部を電気的に絶縁するために設ける。材料と
しては、導電性基体と充分な密着性を確保できしかも長
期耐久性に優れ、熱収縮・熱膨張に耐えられる柔軟性が
ある絶縁材であることが望ましい。従来公知の種々の有
機樹脂はこのような目的には都合がよい。絶縁体層の具
体的な形成方法としては、熱可塑性有機樹脂のシートの
加熱融着、熱可塑性有機樹脂の押し出しコーティング、
反応硬化性接着剤の塗布、有機樹脂塗料の塗布などがあ
り、充分な絶縁性を確保するためにこれらの外側に樹脂
フィルムをはりつけることもしばしば行われる。また前
記透明樹脂層で絶縁体層を兼ねることもできる。
【0039】絶縁体層404の外側には、太陽電池モジ
ュールの機械的強度を増すために補強板をはりつけても
よい。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス
繊維強化プラスチック)板等がこのような目的で用いら
れる。補強板と絶縁体層との接着剤としては、例えばエ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂をはじめとす
る反応硬化型接着剤や、EVA(エチレン−酢酸ビニル
共重合体)、ポリビニルブチラール等のホットメルト型
接着剤、あるいは両面粘着テープなどが用いられる。
【0040】なお、以上述ベた実施態様例は本発明の応
用の一端を示したにすぎず、必要に応じて構成、材料な
どを種々変更できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)〔光起電力素子〕アモルファスシリコン
(a−Si)太陽電池(光起電力素子)を製作する。作
製手順を図2を用いて説明する。
【0042】洗浄したステンレス基板201上に、スパ
ッタ法で裏面反射層202としてAl層(膜厚5000
Å)とZnO層(膜厚5000Å)を順次形成した。つ
いで、プラズマCVD法により、SiH4とPH3とH2
の混合ガスからn型a−Si層を、SiH4とH2の混合
ガスからi型a−Si層を、SiH4とBF3とH2の混
合ガスからp型微結晶μc−Si層を形成し、n層膜厚
150Å/i層膜厚4000Å/p層膜厚100Å/n
層膜厚100Å/i層膜厚800Å/p層膜厚100Å
の層構成のタンデム型a−Si光電変換半導体層203
を形成した。次に、透明導電層204として、In23
薄膜(膜厚700Å)を、O2雰囲気下でInを抵抗加
熱法で蒸着する事によって形成した。
【0043】〔シランカップリング剤処理〕シランカッ
プリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、
品番SZ6030)をpH4の酢酸−酢酸ナトリウム緩
衝液に0.3重量部加え、15分攪拌することにより溶
解させた。この溶液に裏面をフィルムでマスクした光起
電力素子を浸漬し、すぐに引き上げた後、前緩衝液のシ
ャワーを用いて十分に洗浄した。そして、マスクを取り
外してから120℃のオーブンで乾燥させ、透明導電層
表面をシランカップリング剤処理した光起電力素子を得
た。
【0044】〔集電電極、出力端子〕集電用の櫛形グリ
ッド電極206は、エポキシ樹脂をバインダーポリマー
とする銀ペースト(日本エイブルスティック社製、品番
959−1)を透明導電層上にスクリーン印刷し、15
0℃で1時間硬化させることにより形成した。最後にマ
イナス側端子として銅タブをステンレス基板にステンレ
ス用フラックスと半田を用いて取り付け、プラス側端子
としては錫箔のテープを銀ペースト208にて集電電極
に接続して出力端子207とした。
【0045】〔太陽電池〕直並列接続して所望の出力を
取り出せるようにした光起電力素子を図3の構成でラミ
ネートした。裏面材304としてはアルミラミネートテ
ドラーフィルムを、透明有機高分子樹脂302としては
架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤を予め添加して成型
したシート状EVA(モーベイ社製、厚さ460μm)
を、表面保護フィルム301としては有機高分子との接
着面をコロナ放電処理したETFEフィルム(デュポン
社製、商品名テフゼルT2フィルム、一軸延伸、厚さЗ
8μm)を用いた。ラミネートは真空ラミネーターで1
Torr程度に排気して大気圧をかけ150℃で30分
間加熱することによって行った。出力端子はあらかじめ
被覆材の端面よりはみ出させておいてラミネートするこ
とにより外部に取りだした。
【0046】〔評価方法〕上記方法にて作製した太陽電
池について以下の項目について評価を行った。 (1)被覆剤の剥離強度 透明導電層と表面被覆材との間の密着力を評価するため
に、図8に示すような素子と被覆材の180°剥離強度
試験を行い、被覆材の剥離に要する引っ張り力を測定し
た。なお、このときのサンプル幅は25mm、引っ張り
速度は50mm/minとした。
【0047】(2)温度サイクル −40℃/1時間、90℃/1時間の温度サイクル試験
を200サイクル行った後、太陽電池の外観を観察し
た。また、上記剥離強度測定により試験後における被覆
材と素子の間の密着力を評価した。さらに、試験前後の
太陽電池のAM1.5,100mW/cm2の光照射下
でのI−V特性を測定し、10サンプル平均の変換効率
の相対低下率とシリーズ抵抗の相対上昇率を求めた。
【0048】(比較例1−1)実施例1に於いて、透明
導電層表面のシランカップリング剤処理を行わなかった
以外は全く同様にして太陽電池を作製し、評価した。
【0049】(比較例1−2)実施例1に於いて、透明
導電層表面のシランカップリング剤処理を行わない代わ
りに、予めシランカップリング剤γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン社製、品番SZ6030)を1重量%添加した
銀ペーストで集電電極を形成し、さらに同シランカップ
リング剤を予め1重量%添加して成型したシート状EV
Aを用いてラミネートした。それ以外は全く同様にして
太陽電池を作製し、評価した。
【0050】(実施例2)実施例1に於いてシランカッ
プリング剤水溶液をγ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン社製、品番SH6020)0.3重量部を水に
溶解させたものとし、余剰のカップリング剤は水で洗浄
して除去した。また集電電極をフェノール樹脂をバイン
ダーポリマーとする銅ペースト(タツタ電線社製、品番
SP6646)とした。それ以外は同様にして太陽電池
を作製し、評価を行った。
【0051】(比較例2−1)実施例2に於いて、透明
導電層表面のシランカップリング剤処理を行わなかった
以外は全く同様にして太陽電池を作製し、評価した。
【0052】(比較例2−2)実施例2に於いて、透明
導電層表面をシランカップリング剤処理する際に水洗工
程を行わず、シランカップリング剤水溶液の塗布と乾燥
のみによって処理した。それ以外は全く同様にして太陽
電池を作製し、評価した。
【0053】(実施例3)実施例1に於いてシランカッ
プリング剤水溶液をγ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン(信越シリコーン社製、品番KBM403)
0.2重量部を水に溶解させたものとし、洗浄を水によ
って行った。また、集電電極をエポキシ樹脂をバインダ
ーポリマーとする銀ペースト(福田金属箔粉工業社製、
商品名シルコート)とした。それ以外は全く同様にして
太陽電池を作製し、評価を行った。
【0054】(比較例3)実施例3に於いて、透明導電
層表面のシランカップリング剤処理を行わなかった以外
は全く同様にして太陽電池を作製し、評価した。
【0055】(実施例4)光起電力素子の作製、シラン
カップリング剤処理、集電電極の形成及び出力端子の取
り付けまでは実施例1と同様にして行った。その後の被
覆形成工程を図4を用いて説明する。
【0056】作成した光起電力素子403の裏面にエポ
キシ樹脂−液硬化型接着剤404(横浜ゴム社製、商品
名ハマタイトY3800)を塗布し、補強板としてガル
バリウム鋼板(0.3mm厚)を接着した。次に出力端
子をテープによりマスクし、太陽電池の受光面側にエア
レススプレー(岩田塗装機製)を用いてフッ素樹脂塗料
(日本油脂社製、商品名ベルフロン)を全面均一になる
ように塗布した。この後、オーブンにて150℃の雰囲
気中で20分加熱して塗料を乾燥、硬化させた。この塗
装工程を二回行い、膜厚が約100μmのフッ素樹脂層
401を形成した。最後に出力端子のマスクを取り去
り、太陽電池とした。
【0057】〔評価方法〕 (1)碁盤目剥離試験(クロスハッチテスト) カッターナイフで2mm角の100個の碁盤目状の傷を
透明導電層に届くようにつけ、セロハンテープを貼った
後、再びはがして100個の升目のうちの塗膜の残った
升目の数で塗膜の透明導電層への密着性を評価した。 (2)温度サイクル 実施例1と同様である。但し、密着性の評価は(1)の
碁盤目剥離試験によった。
【0058】(比較例4)実施例4に於いて、透明導電
層表面のシランカップリング剤処理を行わなかった以外
は全く同様にして太陽電池を作製し、評価した。
【0059】(実施例5)実施例4に於いて、補強板を
貼り付ける前に光起電力素子受光面側にアルコキシシラ
ンを主成分とする金属アルコキシド系塗料(日板研究所
製、商品名セラミカG90)を浸漬法にて塗布・硬化
(120℃、30分)し、厚さ10μm、表面の鉛筆硬
度6Hの無機質のハードコート層402を透明導電層表
面に形成した。この後は実施例4と同様にして補強板を
接着剤で貼り付け、フッ素樹脂塗料で表面被覆を施し、
太陽電池を得た。評価は実施例4に従った。
【0060】(比較例5)実施例5に於いて、透明導電
層表面のシランカップリング剤処理を行わなかった以外
は全く同様にして太陽電池を作製し、評価した。このよ
うにして得られた各太陽電池について評価を行った結果
を表1と表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1に示す結果から明らかなように、本発
明に係わる光起電力素子は被覆直後の被覆材の透明導電
層への密着力が優れているのは勿論のこと、温度サイク
ル試験後に於いても被覆材の剥がれは全く認められず、
密着力の低下をシランカップリング剤処理を施していな
いものに比べ大幅に抑制することができた。また、被覆
材との密着力の向上と同時に導電性ペーストで形成した
集電電極の透明導電層への密着力が著しく改善された。
その結果、表2に示されるように、温度サイクル試験で
は集電電極と透明導電層との間の接触抵抗の増加が抑え
られ、シリーズ抵抗の増加による変換効率の低下のほと
んどない優れた太陽電池を得ることができた。一方、実
施例2と比較例2−2との比較から、シランカップリン
グ剤塗布後の溶剤による洗浄処理が被覆材及び集電電極
の密着強度の向上に極めて有効な方法であることが分か
った。更に、実施例1と比較例1−2との比較から、透
明導電層表面を直接処理することにより、被覆材中ある
いは導電性ペースト中に予め添加しておくのに比べシラ
ンカップリング剤の効果がより顕著になることが確かめ
られた。
【0064】なお、本発明に係わる光起電力素子を用い
た太陽電池の形態・作製法は以上の実施例に何等限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更するこ
とができる。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、光起電力素子
をシランカップリング剤で表面処理し、シランカップリ
ング剤分子によって単分子層を形成することにより、光
起電力素子と被覆材かつ/あるいは集電電極との間の密
着強度が優れた光起電力素子を得ることができる。請求
項7の製造方法の発明によっても同様の結果を得ること
ができる。
【0066】したがって、長期にわたる屋外での使用で
も被覆材の剥離がなく、集電電極の光起電力素子への良
好なオーミック接触が得られ安定した光電変換効率を維
持できる信頼性の高い太陽電池を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の一実施例の概略断面図
である。
【図2】図1の光起電力素子を用いて作製した太陽電池
の概略断面図である。
【図3】被覆を施した図2の太陽電池の概略断面図であ
る。
【図4】被覆を施した図2の太陽電池の概略断面図であ
る。
【図5】シランカップリング剤層中での推定される剥離
機構を示す模式図である。
【図6】水洗工程によって形成されると考えられるシラ
ンカップリング剤の単分子層を示す模式図である。
【図7】シランカップリング剤の分子構造式である。
【図8】180℃剥離試験の概略図である。
【図9】従来の太陽電池の一例を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
101、201 導電性基体、 102、202 裏面反射層、 103、203 半導体光活性層、 104、204 透明導電層、 105、205 シランカップリング剤処理面、 206 集電電極、 207 出力端子、 208 導電性ペースト、 209 絶縁体、 301、801 表面保護フィルム、 302、802 透明有機高分子樹脂、 303、403、803 光起電力素子、 304 絶縁性裏面材、 401 透明樹脂、 402 ハードコート材層、 404 絶縁体層、 501、601 被覆材、 502、602 透明導電層、 503、603 シランカップリング剤分子、 504、604 有機官能性基、 505、605 加水分解性基、 1001 フッ化物重合体薄膜、 1002 熱可塑性透明有機樹脂、 1003 光起電力素子、 1004 絶縁体層、 1005 集電電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸山 誠紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−170473(JP,A) 特開 昭64−54768(JP,A) 特開 平4−249349(JP,A) 特開 昭59−94469(JP,A) 特開 平2−117177(JP,A) 特開 平4−265939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体光活性層上に透明導電層を設けた
    光起電力素子の製造方法において、前記光起電力素子を
    シランカップリング剤を溶媒へ加え溶解させた液に浸漬
    する浸漬工程と、前記浸漬工程後に前記溶媒により洗浄
    する洗浄工程と、前記洗浄工程後に前記光起電力素子を
    乾燥させる乾燥工程とにより透明導電層の表面処理を施
    すことを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶媒が50重量%以上の水を含有す
    ることを特徴とする請求項記載の光起電力素子の製造
    方法。
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