JPH0992848A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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Publication number
JPH0992848A
JPH0992848A JP7242186A JP24218695A JPH0992848A JP H0992848 A JPH0992848 A JP H0992848A JP 7242186 A JP7242186 A JP 7242186A JP 24218695 A JP24218695 A JP 24218695A JP H0992848 A JPH0992848 A JP H0992848A
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JP
Japan
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solar cell
surface coating
cell module
coating material
filler
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Application number
JP7242186A
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English (en)
Inventor
Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Kimitoshi Fukae
公俊 深江
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱気不良がなく、外観がきれいに仕上げるこ
とができ、優れた量産性を有する太陽電池モジュールを
提供する。 【解決手段】 本発明の太陽電池モジュールは、少なく
とも表面被覆材、太陽電池素子、裏面被覆材、前記表面
被覆材と前記裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋
設するための充填材、及び前記充填材を保持するための
充填材保持材からなり、かつ、前記太陽電池素子間に光
透過部を設けた太陽電池モジュールにおいて、前記充填
材保持材は、前記太陽電池素子が配置された領域にあ
り、かつ、前記領域が前記太陽電池モジュールの端部ま
で達していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュールに
係る。より詳細には、太陽電池素子が配置された領域に
あり、かつ、前記領域が太陽電池モジュールの端部まで
達している充填材保持材を設けた太陽電池モジュールに
関する。特に、太陽電池モジュール内に光透過部を有す
るシースルー型太陽電池モジュールに好適に用いられ
る。
【0002】
【従来の枝術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーヘの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待されている。
【0003】このような太陽電池には様々な形態があ
る。代表的なものとしては、以下に示すものが挙げられ
る。 (1)結晶シリコン太陽電池 (2)多結晶シリコン太陽電池 (3)アモルファスシリコン太陽電池 (4)銅インジウムセレナイド太陽電池 (5)化合物半導体太陽電池
【0004】この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、化
合物半導体太陽電池及びアモルファスシリコン太陽電池
は比較的低コストで大面積化が可能なため、最近では各
方面で活発に研究開発が進められている。そしてこれら
の太陽電池の中でも、特に導電性基体上にシリコンを堆
積し、その上に透明導電層を形成したアモルファスシリ
コン太陽電池を代表とする薄膜太陽電池は、軽量でかつ
耐衝撃性、フレキシブル性に富んでいるので、将来のモ
ジュール形態として有望視されている。
【0005】また、太陽電池には様々な使用形態が考案
されている。その中の一つとしてシースルー型太陽電池
モジュールがある。これは太陽電池により発電して、さ
らに太陽電池モジュールの一部に光透過部を設けること
により、太陽電池モジュールを通して光を取り入れるこ
とが出来るものである。また光透過部を通して反対側の
景色をみることが出来るという利点も兼ね備えることが
できる。このようなシースルー型太陽電池モジュール
は、主に高速道路の防音壁や、自家用車の駐車場屋根に
使用されている。
【0006】図5は従来のシースルー型太陽電池モジュ
ールの概略図である。図5(a)は斜視図であり、図5
(b)は(a)のZ−Z’部分における断面図である。
【0007】501は表面被覆材、502は充填材保持
材、503は太陽電池素子、504は裏面被覆材、50
5は充填材、506は光透過部である。従来、上記構成
のシースルー型太陽電池モジュールを作製した場合、気
泡が残りやすいために製造時の歩留が低く、量産性が悪
いという問題があった。
【0008】また、表面被覆材あるいは裏面被覆材にポ
リカーボネートを使用する時、ポリカーボネートの光劣
化を抑制するために、光入射側の面に紫外線吸収剤を多
く含む耐候性塗料を塗布したポリカーボネートを使用す
る場合があった。この場合、太陽電池のラミネート処理
時、熱(約140〜160℃)で耐候性塗料膜に亀裂が
入り易く、耐候性を維持することが難しいという問題も
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気泡が残り
がなく、耐候性塗料膜に亀裂が発生しないため、外観仕
上がりが良く、量産性に優れるシースルー型の太陽電池
モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような太
陽電池モジュールが最良であることを見いだした。
【0011】すなわち本発明は、少なくとも表面被覆
材、太陽電池素子、裏面被覆材、前記表面被覆材と前記
裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための
充填材、及び前記充填材を保持するための充填材保持材
からなり、かつ、前記太陽電池素子間に光透過部を設け
た太陽電池モジュールにおいて、前記充填材保持材は、
前記太陽電池素子が配置された領域にあり、かつ、前記
領域が前記太陽電池モジュールの端部まで達しているこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、前記光透過部が配置された領域に
は、少なくとも前記充填材保持材が無いことを特徴とす
るものであり、前記表面被覆材又は/及び前記裏面被覆
材が、ポリカーボネートであることが望ましい。
【0013】さらに、前記太陽電池素子が、導電性基体
上に形成された薄膜太陽電池であることが好ましい。
【0014】また、前記表面被覆材又は/及び前記裏面
被覆材は、光入射側に紫外線吸収剤を多く含む層を設け
たことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1に係る発明では、少なくとも表面被覆
材、太陽電池素子、裏面被覆材、前記表面被覆材と前記
裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための
充填材、及び前記充填材を保持するための充填材保持材
からなり、かつ、前記太陽電池素子間に光透過部を設け
た太陽電池モジュールにおいて、前記充填材保持材は、
前記太陽電池素子が配置された領域にあり、かつ、前記
領域が前記太陽電池モジュールの端部まで達しているた
め、脱気不良がなくなり、外観がきれいに仕上げること
ができる。その結果、脱気不良および外観不良を修正す
る工程が不用となるため、優れた量産性が得られる。
【0016】請求項2に係る発明では、前記光透過部が
配置された領域には、少なくとも前記充填材保持材が無
いため、シースルー機能を維持することができる。
【0017】請求項3に係る発明では、前記表面被覆材
又は/及び前記裏面被覆材が、ポリカーボネートである
ため、衝撃に強く軽量で、しかも曲面設置が可能とな
る。
【0018】請求項4に係る発明では、前記太陽電池素
子が、導電性基体上に形成された薄膜太陽電池であるた
め、衝撃に強く軽量で、しかも曲面設置が可能となる。
【0019】請求項5に係る発明では、前記表面被覆材
又は/及び前記裏面被覆材は、光入射側に紫外線吸収剤
を多く含む層を設けたため、生産時の品質が安定し、長
期信頼性を得ることが可能となる。
【0020】
【実施態様例】
(太陽電池モジュール)本発明に係る太陽電池モジュー
ルとしては、例えば、図1に示すものが挙げられる。図
1(a)は斜視図であり、図1(b)は図1(a)のX
−X’部分における断面図である。101は表面被覆
材、102は充填材保持材、103は太陽電池素子、1
04は裏面被覆材、105は光透過部、106は充填材
である。
【0021】図1に示すとおり、充填材保持材102
は、太陽電池素子が配置された領域にあり、かつ、前記
領域が太陽電池モジュールの端部まで達している構造を
有する。
【0022】また、本発明の太陽電池モジュールでは、
光透過部が配置された領域には、少なくとも前記充填材
保持材が無いため、シースルー機能を有している。
【0023】(太陽電池素子)本発明に係る太陽電池素
子は、特に限定はないが、可とう性を有する太陽電池が
好ましい。例えば、導電性基体上に、光変換部材として
の半導体光活性層が形成されたものの一例として、図2
に示した模式的断面図からなる太陽電池素子が挙げられ
る。
【0024】図2において、201は導電性基体、20
2は反射層、203は半導体光活性層、204は透明導
電層、205は集電電極である。
【0025】導電性基体201は太陽電池素子の基体に
なると同時に、下部電極の役割も果たす。材料として
は、シリコン、タンタル、モリブデン、タングステン、
ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カーボンシー
ト、鉛メッキ鋼板、導電層が形成してある樹脂フィルム
やセラミックスなどがある。上記導電性基体201上に
は反射層202として、金属層、あるいは金属酸化物
層、あるいは金属層と金属酸化物層を形成しても良い。
金属層には、例えば、Ti,Cr,Mo,W,Al,A
g,Niなどが用いられ、金属酸化物層には、例えば、
ZnO,TiO2,SnO2などが用いられる。
【0026】上記金属層及び金属酸化物層の形成方法と
しては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ
リング法などがある。
【0027】半導体光活性層203は光電変換を行う部
分で、具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリコ
ン、pin接合型アモルファスシリコン、あるいはCu
InSe2,CuInS2,GaAs,CdS/Cu
2S,CdS/CdTe,CdS/InP,CdTe/
Cu2Teをはじめとする化合物半導体などが挙げられ
る。上記半導体光活性層の形成方法としては、多結晶シ
リコンの場合は溶融シリコンのシート化か非晶質シリコ
ンの熱処理、アモルファスシリコンの場合はシランガス
などを原料とするプラズマCVD、化合物半導体の場合
はイオンプレーティング、イオンビームデポジション、
真空蒸着法、スパッタ法、電析法などがある。
【0028】透明導電層204は太陽電池の上部電極の
役目を果たしている。用いる材料としては、例えば、I
23,SnO2,In23−SnO2(ITO),Zn
O,TiO2,Cd2SnO4,高濃度不純物ドープした
結晶性半導体層などがある。形成方法としては抵抗加熱
蒸着、スパッタ法、スプレー法、CVD法、不純物拡散
法などがある。
【0029】透明導電層204の上には電流を効率よく
集電するために、格子状の集電電極205(グリッド)
を設けてもよい。集電電極205の具体的な材料として
は、例えば、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,N
i,Cu,Sn,あるいは銀ペーストをはじめとする導
電性ペーストなどが挙げられる。集電電極205の形成
方法としては、マスクパターンを用いたスパッタリン
グ、抵抗加熱、CVD法や、全面に金属膜を蒸着した後
で不必要な部分をエッチングで取り除きパターニングす
る方法、光CVDにより直接グリッド電極パターンを形
成する方法、グリッド電極パターンのネガパターンのマ
スクを形成した後にメッキする方法、導電性べーストを
印刷する方法などがある。導電性ぺーストは、通常微粉
末状の銀、金、銅、ニッケル、カーボンなどをバインダ
ーポリマーに分散させたものが用いられる。バインダー
ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、エポキシ、
アクリル、アルキド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウ
レタン、フェノールなどの樹脂が挙げられる。
【0030】一般的に、シースルー型太陽電池モジュー
ルは高速道路の防音壁や自家用車の駐車場屋根等に使用
されるが、設置する上で作業性の面から軽量であること
が望ましい。また屋外設置される以上、太陽電池モジュ
ールは風などにより、常にたわみが発生し応力を受けて
いるものである。そのような環境下において、導電性基
体上に形成された薄膜太陽電池素子を使用した太陽電池
モジュールは好ましい形態である。
【0031】導電性基体上に形成された薄膜太陽電池は
かなり薄くすることができる。特に薄膜太陽電池の中で
もアモルファスシリコン系太陽電池は0.1mm程度の
厚みまで薄くすることができる。その結果、太陽電池の
充填材の量を少なくすることができ、太陽電池ジュール
の軽量化が図れ、厚みを減らすことができる。厚みを減
らすことができれば、太陽電池モジュールが振動や曲げ
の力を受けた時の、モジュール内部の応力を少なくし、
さらには表面被覆材や裏面被覆材に対する応力を少なく
することができる。また導電性基体(おもにステンレ
ス)上に形成されているので可曲性があるため、太陽電
池モジュールに必要以上の剛性を要求しないため、モジ
ュールの厚みを減らすことができる。
【0032】よって、本発明で使用する太陽電池は、導
電性基体上に形成された薄膜太陽電池が最適であること
がわかる。
【0033】(表面被覆材)本発明に係る表面被覆材に
要求される特性としては、透光性および耐候性に加え
て、汚れが付着しにくいことが挙げられる。その材料と
してガラスを使用した場合は、充填材が厚くなければ充
填不良が起きるという問題、及び重量が大きくなるほか
に外部からの衝撃や振動により割れやすいという問題も
あるため好ましくない。したがって、表面被覆材の材料
としては、耐候性透明樹脂フィルムや耐候性透明樹脂板
が好適に用いられる。このような材料の採用によって、
軽量化が図れ、衝撃により割れない太陽電池モジュール
を作製することができる。表面被覆材に耐候性透明樹脂
板を使用した場合、太陽電池モジュールの機械的強度を
増すこともできる。
【0034】より具体的には、耐候性透明樹脂フィルム
としては、例えばポリエチレンテトラフルオロエチレン
(ETFE)、ポリ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニ
ルなどのフッ素樹脂フィルムが挙げられる。これらの耐
候性透明樹臆フィルムの場合、充填剤との接着面には、
充填剤が接着しやすいように表面被覆材上にコロナ放電
処理してもよい。一方、耐候性透明樹脂としては例えば
ポリカーボネートがある。この場合も、充填剤との接着
面には、充填剤が接着しやすいように表面被覆材上にコ
ロナ放電処理してもよい。
【0035】また、樹脂の光劣化を抑えるために紫外線
吸収剤を樹脂中に含有していることが望ましい。この場
合紫外線吸収剤を含むシリコン系の耐候性塗料を塗布し
たものを使用することが考えられるが、太陽電池モジュ
ールのラミネート処理時の熱(約140〜160℃)に
より耐候性塗料の膜は亀裂が発生しやすいために長期信
頼性が得られないという問題がある。これに対し、ポリ
カーボネートの樹脂中に紫外線吸収剤を多く含む層を有
するポリカーボネートを使用することができる。この場
合、太陽電池モジュールのラミネート処理時の熱(約1
40〜160℃)により影響を受けることがなく、長期
信頼性を維持することができる。
【0036】(充填材)本発明に係る充填材に要求され
る特性としては、光透過性、耐候性、熱可塑性、熱接着
性が挙げられる。その材料としては、例えばEVA(酢
酸ビニル−エチレン共重合体)、ブチラール樹脂、シリ
コン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂など
の透明な樹脂が好適に使用される。上記充填材に架橋剤
を添加することにより、架橋することも可能である。ま
た光劣化を抑制するために、紫外線吸収剤が含有されて
いることが望ましい。
【0037】(充填材保持材)本発明に係る充填材保持
材に要求される特性としては、充墳材を保持出来るこ
と、充填材を保持した時に透明であること、そして耐ス
クラッチ性があることが拳げられる。特に、太陽電池モ
ジュールの表面被覆材あるいは裏面被覆材に耐候性フィ
ルムを用いた場合に、外部環境による引っ掻きや衝撃か
ら太陽電池素子をガードするために使用している。その
材料としては、例えば、ガラス不織布やガラス織布、あ
るいはポリプロピレン等の繊維による有機不織布や有機
織布がある。ガラス不織布のバインダーとしては、ポリ
ビニルアルコール系やアクリル系等を使用する。
【0038】本発明において、充填材保持材は太陽電池
モジュールを作製する時の脱気性促進に対して大きな効
果を発揮する。一般的に太陽電池モジュールを作製する
手順は、表面被覆材、充填材、充填材保持材、太陽電池
素子、充墳材保持材、充填材、裏面被覆材の順に積層す
る。次に、積層材料間の残留空気を脱気するために真空
引きして、その状態で高温オーブンに投入する。そし
て、一定時間保持した後、高温オーブンから取り出して
冷却する。そして、真空引きを止めて大気圧に戻す。
【0039】以上の様にして太陽電池モジュールを作製
するが、このとき充填材保持材が太陽電池モジュールの
端部にまで達していると、積層材料間の空気残りがなく
なり、気抱残りのない太陽電池モジュールを作製でき
る。これは充填材保持材が、ガラスあるいは有機繊維に
よる織布あるいは不織布になっているために、この充填
材保持材間を通って空気が抜けていくためと考えられ
る。
【0040】(裏面被覆材)本発明に係る裏面被覆材
は、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために使用
する。要求される品質としては、光透過性、耐候性、剛
性、可とう性が挙げられる。その形状としては、板状の
ものが好適に用いられる。その材質としては、例えばポ
リカーボネートなどの耐候性透明樹脂板を使用する。こ
の時充填剤との接着面には、充填剤が接着しやすいよう
に表面被覆材上にコロナ放電処理してもよい。
【0041】また、樹脂の光劣化を抑えるために紫外線
吸収剤を樹脂中に含有していることが望ましい。表面被
覆材と同様に裏面被覆材においても、紫外線吸収剤を含
むシリコン系の耐候性塗料を塗布したものを使用するこ
とが考えられるが、太陽電池モジュールのラミネート処
理時の熱(約140〜160℃)により耐候性塗料の膜
は亀裂が発生しやすいために長期信頼性が得られないと
いう問題がある。これに対し、ポリカーボネートの樹脂
中に紫外線吸収剤を多く含む層を有するポリカーボネー
トを使用することができる。この場合、太陽電池モジュ
ールのラミネート処理時の熱(約140〜160℃)に
より影響を受けることがなく、長期信頼性を維持するこ
とができる。
【0042】また表面被覆材に耐候性透明樹脂板を使用
した場合、太陽電池モジュールの機械的強度を増すこと
を表面被覆材で図ることができるので、その場合には裏
面被覆材に耐候性透明樹脂フィルムを使用することも可
能である。耐候性透明樹脂フィルムとしてはポリエチレ
ンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリ3フッ化
エチレン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂フィルム
を使用できる。これらの耐候性透明樹脂フィルムの場
合、充填剤との接着面には、充填剤が接着しやすいよう
に表面被覆材上にコロナ放電処理してもよい。
【0043】(光透過部)本発明に係る光透過部とは、
太陽電池モジュールの受光面側から反対側へ光を通す部
分を指す。このような光透過部を設けることによって、
シースルー型太陽電池モジュールは得られる。シースル
ー型太陽電池モジュールでは、この光透過部を通して光
を透過し、また外部の景色を確認することができる。こ
の光透過部はおもに、表面被覆材、充填材、裏面被覆材
で構成される。また、透視性を高めるために、充填材保
持材を有していないことが望ましい。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明に係る太陽電池
モジュールを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例により限定されるものではない。
【0045】(実施例1)本例では、図2に示したアモ
ルファスシリコン(a−Si)系太陽電池素子を作製
し、図1に示した太陽電池モジュールを形成する方法を
述べる。
【0046】以下では、工程手順に従って説明する。 (1)洗浄したステンレス基板201の上に、スパッタ
法で裏面反射層202としてAl層(膜厚500nm)
とZnO層(膜厚500nm)を順次形成した。
【0047】(2)上記裏面反射層202の上に、半導
体光活性層203として、プラズマCVD法により、S
iH4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層を、
SiH4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、SiH
4とBF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−Si層
を形成した。
【0048】作製した半導体光活性層203はタンデム
型であり、その層構成は、n層(15nm)/i層(4
00nm)/p層(10nm)/n層(10nm)/i
層(80nm)/p層(10nm)とした。但し、括弧
内の数字は、各層の膜厚を示す。
【0049】(3)上記半導体光活性層203の上に、
透明導電層204として、In23薄膜(膜厚70n
m)を、O2雰囲気下でInを抵抗加熱法で蒸着して形
成した。 (4)上記透明導電層204には、集電電極205を、
銀ペーストをスクリーン印刷機によりパターン印刷し、
乾燥を行うことにより形成した。
【0050】次に、上記(1)〜(4)の工程により作
製した太陽電池素子を、被覆材を用いてラミネートする
ことにより作製した太陽電池モジュールの構造に関して
説明する。
【0051】図1は、本発明の実施例1に係る太陽電池
モジュールの概略図である。図1(a)は斜視図であ
り、図1(b)は(a)のX−X’部分の断面図であ
る。
【0052】図1において、101は表面被覆材、10
2は充填材保持材、103は太陽電池素子、104は裏
面被覆材、105は光透過部、106は充填材である。
図1に示すとおり、太陽電池素子103のない部分、す
なわち光透過部105は、表面被覆材101、充填材1
06、裏面披覆材104で構成されており、光透過性の
あるもので構成されているので、受光面側から反対側へ
光を通すことができる。
【0053】以下では、上述した太陽電池モジュールの
作製方法について説明する。 (5)裏面被覆材104、充填材106、充填材保持材
102、太陽電池素子103、充填材保持材102、充
填材106、表面被覆材101の順に積層した。
【0054】この時、充填材保持材は太陽電池素子10
3よりも大きいサイズとし、積層時には長手方向の2辺
が完全にはみ出しているようにした。表面被覆材には5
mm厚のポリカーボネート(ユーピロン NF2000
U、三菱ガス化学製)、充填材には460μm厚のEV
A(エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー、耐候性グレ
ード、Mobay社製)裏面被覆材には5mm厚のポリ
カーボネート(ユーピロン NF2000U、三菱ガス
化学製)、充填材保持材には127μm厚のガラス不織
布(クレーンガラス230 グレードコード50−3
0、クレーンガラス社製)を使用した。
【0055】(6)120℃のオーブンに4時間放置し
たポリカーボネートをオーブンから取り出し、すぐに上
記(5)のように積層した。 (7)この積層した材料を真空引きし、そして真空引き
した状態で150℃のオーブンに投入した。この状態を
30分間保持した後、冷却し、シースルー型太陽電池モ
ジュールを作製した。
【0056】その結果、本例の太陽電池モジュールは、
気泡残りがなく、外観が良いことが分かった。
【0057】(実施例2)本例では、裏面披覆材として
耐候性樹脂板を、表面被覆材として耐候性透朋フィルム
を用いた点が実施例1と異なる。他の点は、実施例1と
同様とした。
【0058】図3は、本発明の実施例2に係る太陽電池
モジュールの概略図である。図3(a)は斜視図であ
り、図3(b)は図3(a)のY−Y’部分の断面図で
ある。また、図3(c)は、ラミネート処理するときの
積層状態を説明するための概略図である。
【0059】図3において、301は表面被覆材、30
2は充填材保持材、303は太陽電池素子、304は裏
面被覆材、305は充填材、306は光透過部、307
はシースルー用部材、308はラミネート治具台であ
る。特に、表面被覆材としては、光透過部での透視性が
良くなるような処理を施したものを用いた。
【0060】以下では、上述した太陽電池モジュールの
作製方法について説明する。 (1)図3(c)に示すとおり、ラミネート治具台30
8上に、シースルー用部材307を置き、表面被覆材を
積層した。
【0061】(2)次に、シースルー用部材のないとこ
ろ(太陽電池素子の存在する部分)に充填材305、太
陽電池素子303、充填材保持材302を積層した。 (3)太陽電池モジュール全面を覆うように、充填材3
05’、裏面被覆材304を順に積層しラミネート処理
を終えた。
【0062】上記(1)〜(3)の工程により、図3
(a)及び(b)に示したシースルー型の太陽電池モジ
ュールを作製した。
【0063】本例では、裏面被覆材には5mm厚のポリ
カーボネート(ユーピロン NF2000U、三菱ガス
化学製)、充填材には460μm厚さのEVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合ポリマー、耐候性グレード、Mo
bay社製)、表面被覆材には50μm厚のETFE
(エチレンテトラフルオロエチレン、商品名:アフレッ
クス、旭硝子社製)、シースルー用部材には1mm厚の
表面鏡面仕上げの汎用硝子板を使用した。真空引き、オ
ーブンの温度、時間条件は実施例1と同様とした。
【0064】その結果、本例の太陽電池モジュールは、
光透過部における透視性が良好であることが分かった。
【0065】(実施例3)本例では、作製後の太陽電池
モジュールから、光透過部の充填材および表面被覆材を
最後に取り除いた点が実施例2と異なる。他の点は、実
施例2と同様とした。
【0066】図4は、本発明の実施例3に係る太陽電池
モジュールの概略図である。図4において、401は表
面被覆材、402は充填材保持材、403は太陽電池素
子、404は裏面被覆材、405は充填材、406は光
透過部である。
【0067】以下では、上述した太陽電池モジュールの
作製方法について説明する。 (1)裏面被覆材404、充填材405、充填材保持材
402、太陽電池素子403、充填材保持材402、充
填材405、表面被覆材401の順に積層した。材料、
真空引き、オーブンの温度、時間条件は、実施例1と同
様とした。
【0068】(2)上記(1)で作製した太陽電池モジ
ュールの光透過部から、表面被覆材401および充填材
405をカッター等を用いて除去した。
【0069】その結果、本例の太陽電池モジュールは、
光透過部の構成は裏面被覆材のみの構成としたため、光
透過部の透視性がさらに良く、しかも気泡残りがなく、
外観が良好であることが分かった。
【0070】(実施例4)本例では、表面被覆材および
前記裏面被覆材として、光入射側に紫外線吸収剤を多く
含む層を設けたポリカーボネート(厚さ5mm、三菱ガ
ス化学製)を用いた点が実施例1と異なる。他の点は、
実施例1と同様とした。
【0071】その結果、本例の太陽電池モジュールは、
作成後外観がよくしかも長期信頼性に優れていることが
分かった。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
脱気不良がなく、外観がきれいに仕上げることができ、
優れた量産性を有する太陽電池モジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る太陽電池モジュールの
概略図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールにおいて用い
た太陽電池素子の模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る太陽電池モジュールの
概略図である。
【図4】本発明の実施例3に係る太陽電池モジュールの
概略図である。
【図5】従来例に係る太陽電池モジュールの概略図であ
る。
【符号の説明】
101、301、401、501 表面被覆材、 102、302、402、502 充填材保持材、 103、303、403、503 太陽電池素子、 104、304、404、504 裏面被覆材、 105、306、406、506 光透過部、 106、305、305’、405、505 充填材、 201 導電性基体、 202 反射層、 203 半導体光活性層、 204 透明導電層、 205 集電電極、 307 シースルー用部材、 308 ラミネート治具台。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面被覆材、太陽電池素子、
    裏面被覆材、前記表面被覆材と前記裏面被覆材との間に
    前記太陽電池素子を埋設するための充填材、及び前記充
    填材を保持するための充填材保持材からなり、かつ、前
    記太陽電池素子間に光透過部を設けた太陽電池モジュー
    ルにおいて、 前記充填材保持材は、前記太陽電池素子が配置された領
    域にあり、かつ、前記領域が前記太陽電池モジュールの
    端部まで達していることを特徴とする太陽電池モジュー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記光透過部が配置された領域には、少
    なくとも前記充填材保持材が無いことを特徴とする請求
    項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記表面被覆材又は/及び前記裏面被覆
    材が、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記太陽電池素子が、導電性基体上に形
    成された薄膜太陽電池であることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記表面被覆材又は/及び前記裏面被覆
    材は、光入射側に紫外線吸収剤を多く含む層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    太陽電池モジュール。
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