JPH11312819A - 太陽電池モジュールの設置構造および設置方法 - Google Patents

太陽電池モジュールの設置構造および設置方法

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JPH11312819A
JPH11312819A JP10118101A JP11810198A JPH11312819A JP H11312819 A JPH11312819 A JP H11312819A JP 10118101 A JP10118101 A JP 10118101A JP 11810198 A JP11810198 A JP 11810198A JP H11312819 A JPH11312819 A JP H11312819A
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solar cell
cell module
installation
cover member
installation surface
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JP10118101A
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English (en)
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Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Tatsuo Fujisaki
達雄 藤崎
Satoru Shiomi
哲 塩見
Makoto Sasaoka
誠 笹岡
Hidehisa Makita
英久 牧田
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Original Assignee
Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体にさらされる設置面での長期間の使用に
よっても太陽電池モジュールの端部に剥離が発生せず、
かつ太陽電池モジュールの端部に汚れが堆積しないで、
良好な外観を維持し、太陽電池モジュールの発電性能の
低下を抑制できる太陽電池モジュールの設置構造を提供
する。 【解決手段】 流体にさらされる設置面106に固定さ
れる太陽電池モジュールの設置構造であって、太陽電池
モジュール107と設置面106とが、流体抵抗低減手
段105により固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体にさらされる
設置面に固定される太陽電池モジュールの設置構造およ
び設置方法に係り、特に自動車等の高速移動体の表面に
設置する太陽電池モジュールの設置構造および設置方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーへの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待のもてるもの
だということができる。
【0003】太陽電池には様々な形態があり、代表的な
ものとしては、結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン
太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、銅インジウ
ムセレナイド太陽電池および化合物半導体太陽電池など
がある。
【0004】この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、化
合物半導体太陽電池およびアモルファスシリコン太陽電
池は、比較的低コストで大面積化が可能であるため、最
近では各方面で活発に研究開発が進められている。そし
て、これらの太陽電池の中でも、特に導電性基体上にシ
リコンを堆積し、その上に透明導電層を形成したアモル
ファスシリコン太陽電池を代表とする薄膜太陽電池は、
軽量でかつ耐衝撃性、フレキシブル性に富んでいるの
で、将来のモジュール形態として有望視されている。
【0005】このような薄膜太陽電池は、その特徴を活
かした様々な用途への応用が可能である。例えば、自動
車の屋根へ貼り付けるタイプがある。
【0006】図9は、自動車の屋根に太陽電池モジュー
ルを貼り付け固定した状態を示す概略図である。図9に
おいて、901は自動車900の屋根に沿って貼り付け
られた太陽電池モジュールである。このように、薄膜太
陽電池は軽量かつフレキシブルであるので、車上設置が
可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10は、太陽電池モ
ジュールの車上への貼り付け部の拡大図であり、(a)
は断面図、(b)は高速移動時の風を受けている様子を
表す断面図、(c)は経年劣化後の様子を表わす断面図
である。図10において、1001は光起電力素子、1
002は最表面被覆材、1003は充填材、1004は
最裏面被覆材、1005は設置面、1006は風であ
る。
【0008】図10(b)に示すように、走行する車上
では、太陽電池モジュールは常に風1006を受け続け
ることになる。太陽電池モジュールを構成している材
料、特に最表面被覆材1002は、進行方向側における
風の直接の打ち付け、進行方向反対側における風の巻き
込みにより、常に剥離する方向に風の力を受け続けるこ
とになる。この結果、図10(c)に示すように、長期
間使用していると太陽電池モジュール端部の最表面被覆
材1002に剥離が発生することになる。
【0009】このままの状態で更に走行を続けると、剥
離した部分がさらに進行して外観上問題になり、また剥
離した部分より水分が侵入して光起電力素子に水分が到
達し、太陽電池の発電性能の低下を招くおそれがある。
【0010】図11は、太陽電池モジュールの車上への
貼り付け部を拡大して示す断面図であり、太陽電池モジ
ュール端部の汚れを説明するための図である。図11に
おいて、1101は太陽電池モジュールの端部に堆積し
た汚れである。
【0011】太陽電池モジュールを車上へそのまま貼り
付けて固定した場合、太陽電池モジュールの端部と設置
面との間に段差があるため、その段差部に泥や砂や粉麈
などの汚れ1101がこびり付いてしまい、外観上好ま
しくない。また、太陽電池モジュールの端部に汚れがこ
びり付くと、太陽電池モジュールを構成している材料の
劣化を招くおそれがある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑み、流体にさらさ
れる設置面での長期間の使用によっても太陽電池モジュ
ールの端部に剥離が発生せず、かつ太陽電池モジュール
の端部に汚れが堆積しないで、良好な外観を維持するこ
とができ、太陽電池モジュールの構成材料の寿命を長期
化して発電性能の低下を防止することができる太陽電池
モジュールの設置構造および設置方法を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の太陽電池モジュールの設置構造は、流体にさら
される設置面に固定される太陽電池モジュールの設置構
造において、太陽電池モジュールと設置面とが、流体抵
抗低減手段により固定されているものである。
【0014】上記設置構造の構成において、流体抵抗低
減手段が、少なくとも太陽電池モジュールの端部の一部
を覆っていることが好ましい。
【0015】また、流体抵抗低減手段がカバー部材であ
り、カバー部材が太陽電池モジュールの端部の段差をテ
ーパ状に覆っていることが好ましい。
【0016】さらに、流体抵抗低減手段がカバー部材で
あり、設置面に形成された開口部に太陽電池モジュール
が嵌め込まれ、太陽電池モジュールの端部および設置面
側がカバー部材により挟まれた状態で覆われていること
が好ましい。
【0017】もしくは、流体抵抗低減手段が、少なくと
も流体の流れ方向に対して、設置面と太陽電池モジュー
ルの最表面とを連続した面で形成していることが好まし
い。
【0018】さらに、設置面に形成された凹部に太陽電
池モジュールが固定され、太陽電池モジュールと設置面
の凹部との隙間にシーラント材が充填されていることが
好ましい。
【0019】または、太陽電池モジュールが、流体に対
して流線形状を呈するように形成されていることが好ま
しい。
【0020】また、設置面が、高速移動体の外表面であ
ることが好ましい。
【0021】さらに、太陽電池モジュールの最表面被覆
材料が、ガラスもしくは耐候性透明プラスチックである
ことが好ましい。
【0022】そして、太陽電池モジュールが、可撓性を
有していることが好ましい。
【0023】加えて、太陽電池モジュールは、少なくと
も光起電力素子を最表面被覆材と最裏面被覆材との間に
充填材により封止して形成されていることが好ましい。
【0024】一方、本発明の太陽電池モジュールの設置
方法は、流体にさらされる設置面に太陽電池モジュール
を固定する太陽電池モジュールの設置方法において、太
陽電池モジュールと設置面とを、流体抵抗低減手段によ
り固定するものである。
【0025】上記設置方法の構成において、流体抵抗低
減手段が、少なくとも太陽電池モジュールの端部の一部
を覆うことが好ましい。
【0026】また、流体抵抗低減手段がカバー部材であ
り、カバー部材が太陽電池モジュールの端部の段差をテ
ーパ状に覆うことが好ましい。
【0027】さらに、流体抵抗低減手段がカバー部材で
あり、設置面に形成された開口部に太陽電池モジュール
を嵌め込み、太陽電池モジュールの端部および設置面側
をカバー部材により挟んだ状態で覆うことが好ましい。
【0028】もしくは、流体抵抗低減手段が、少なくと
も流体の流れ方向に対して、設置面と太陽電池モジュー
ルの最表面とを連続した面で形成することが好ましい。
【0029】そして、設置面に形成された凹部に太陽電
池モジュールを固定し、太陽電池モジュールと設置面の
凹部との隙間にシーラント材を充填することが好まし
い。
【0030】または、太陽電池モジュールが、流体に対
して流線形状を呈するように形成することが好ましい。
【0031】また、設置面が、高速移動体の外表面であ
ることが好ましい。
【0032】さらに、太陽電池モジュールの最表面被覆
材料が、ガラスもしくは耐候性透明プラスチックである
ことが好ましい。
【0033】そして、太陽電池モジュールが、可撓性を
有していることが好ましい。
【0034】加えて、太陽電池モジュールは、少なくと
も光起電力素子を最表面被覆材と最裏面被覆材との間に
充填材により封止して形成することが好ましい。
【0035】本発明によれば、流体にさらされる設置面
に太陽電池モジュールを固定する場合に、太陽電池モジ
ュールと設置面とが、流体抵抗低減手段により固定され
ている。
【0036】この流体抵抗低減手段は、少なくとも太陽
電池モジュールの端部の一部を覆っている。もしくは、
流体抵抗低減手段は、少なくとも流体の流れ方向に対し
て、設置面と太陽電池モジュールの最表面とを連続した
面で形成している。または、太陽電池モジュールが、流
体に対して流線形状を呈するように形成されている。
【0037】したがって、流体抵抗低減手段により太陽
電池モジュールの端部の構成材料の剥離が防止され、ま
た太陽電池モジュール端部の段差が少なくなり、経年使
用によっても太陽電池モジュール端部に汚れが溜まりに
くくなり、良好な外観が維持され、太陽電池モジュール
の性能低下が抑制されるものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を添付図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は本
実施の形態に限るものではない。
【0039】図1は、本発明の太陽電池モジュールの設
置構造の一実施形態を示しており、(a)は太陽電池モ
ジュールの概略断面図、(b)は流体抵抗低減手段であ
るカバー部材の概略図、(c)は太陽電池モジュールを
流体抵抗低減手段であるカバー部材を使用して設置した
ところを表す概略断面図である。
【0040】図1において、101は光起電力素子、1
02は最表面被覆材、103は充填材、104は最裏面
被覆材、105はカバー部材、106は設置面、107
は太陽電池モジュール、108は切り欠き、109は接
着剤である。
【0041】図示するように一体成形した太陽電池モジ
ュール107の端部を押さえるようにして、流体抵抗低
減手段としてのカバー部材105により太陽電池モジュ
ール107を設置面106に固定する。カバー部材10
5の太陽電池モジュールを押える部分には切り欠き10
8があり、その切り欠きの段差が太陽電池モジュールの
端部の厚みと同じになるようにして、カバー部材105
を作製する。また、カバー部材105の太陽電池モジュ
ールを押さえる部分、および設置面と接触する部分には
接着剤109あるいは両面テープ等を介して、これによ
り設置面に固定されるようになっている。
【0042】このように流体抵抗低減手段としてのカバ
ー部材105を使用することで、太陽電池モジュール端
部の最表面被覆材102を押さえることができ、太陽電
池モジュールを接着固定することができる。
【0043】また、流体抵抗低減手段により太陽電池モ
ジュールを固定することで、風等の流体の抵抗を低減す
るようにして、太陽電池モジュールを設置面上に固定す
ることができる。
【0044】図5は、本発明の太陽電池モジュールの設
置構造における他の実施形態を示しており、(a)はそ
の概略断面図、(b)はその(a)の要部拡大図であ
る。図5において、501は光起電力素子、502は最
表面被覆材、503は充填材、504は最裏面被覆材、
505は設置面、506はシーラント材、507は両面
テープである。
【0045】図示するように、設置面505における太
陽電池モジュールを設置する部分に予め凹部を形成して
おき、この凹部へ一体成形した太陽電池モジュールを挿
入し、両面テープ507により接着固定することができ
る。
【0046】このときの設置面505の凹部の深さは、
太陽電池モジュールの厚さと両面テープ507の厚さの
略合計分になるようにしておく必要がある。また、凹部
と太陽電池モジュールとの隙間には、シーラント材50
6を介在させる。
【0047】このような流体抵抗低減手段、すなわち、
設置面に凹部を形成しておき、この凹部へ太陽電池モジ
ュールを接着固定することにより、太陽電池モジュール
の最表面と設置面とを連続した面として形成することが
でき、砂や粉麈が侵入するのを抑制することができる。
【0048】以下に、本発明の太陽電池モジュールの設
置構造を構成する各材料について説明する。
【0049】〔光起電力素子〕本発明における光起電力
素子は、特に限定はないが、可撓性を有する光起電力素
子であることが好ましい。例えば、導電性基体上に、光
変換部材としての半導体光活性層が形成されたものが挙
げられる。
【0050】図2は、本発明に使用する光起電力素子の
一構成例を示す概略図である。図2において、201は
導電性基体、202は金属電極層、203は半導体光活
性層、204は透明導電層、205は集電電極である。
【0051】導電性基体201は、光起電力素子の基体
になると同時に、下部電極の役割を果たす。導電性基体
201の材料としては、シリコン、タンタル、モリブデ
ン、タングステン、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、
チタン、カーボンシート、鉛メッキ鋼板、導電層が形成
してある樹脂フィルムやセラミックスなどが挙げられ
る。
【0052】導電性基体201上には、金属電極層20
2として、金属層、金属酸化物層、あるいは金属層と金
属酸化物層を形成してもよい。金属層には、例えば、T
i、Cr、Mo、W、Al、Ag、Niなどが用いら
れ、金属酸化物層には、例えば、ZnO、TiO2、S
nO2などが用いられる。
【0053】金属層および金属酸化物層の形成方法とし
ては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリ
ング法などがある。
【0054】半導体光活性層203は光電変換を行う部
分で、具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリコ
ン、pin接合型非結晶シリコン、あるいはCuInS
2、CuInS2、GaAs、CdS/Cu2S、Cd
S/CdTe、CdS/InP、CdTe/Cu2Te
をはじめとする化合物半導体などが挙げられる。
【0055】半導体光活性層203の形成方法として
は、多結晶シリコンの場合は溶融シリコンのシート化か
非結晶シリコンの熱処理、非結晶シリコンの場合はシラ
ンガスなどを原料とするプラズマCVD、化合物半導体
の場合はイオンプレーティング、イオンビームデポジシ
ョン、真空蒸着法、スパッタ法、電析法などがある。
【0056】透明導電層204は、光起電力素子の上部
電極の役目を果たしている。透明導電層204の材料と
しては、例えば、In23、SnO2、In23−Sn
2(ITO)、ZnO、TiO2、Cd2SnO4、高濃
度不純物ドープした結晶性半導体層などがある。
【0057】透明導電層204の形成方法としては抵抗
加熱蒸着、スパッタ法、スプレー法、CVD法、不純物
拡散法などがある。
【0058】透明導電層204の上には、電流を効率よ
く集電するために、格子状の集電電極205(グリッ
ド)を設けてもよい。集電電極205の具体的な材料と
しては、例えば、Ti、Cr、Mo、W、Al、Ag、
Ni、Cu、Sn、あるいは銀ペーストをはじめとする
導電性ペーストなどが挙げられる。
【0059】集電電極205の形成方法としては、マス
クパターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、CVD
法や、全面に金属膜を蒸着した後で不必要な部分をエッ
チングで取り除きパターニングする方法、光CVDによ
り直接集電電極パターンを形成する方法、集電電極パタ
ーンのネガパターンのマスクを形成した後にメッキする
方法、導電性ペーストを印刷する方法などがある。
【0060】導電性ペーストは、通常、微粉末状の銀、
金、銅、ニッケル、カーボンなどをバインダーポリマー
に分散させたものが用いられる。バインダーポリマーと
しては、例えば、ポリエステル、エポキシ、アクリル、
アルキド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタン、フ
ェノールなどの樹脂が挙げられる。
【0061】一般的に太陽電池モジュールを扱う場合、
作業性の面から軽量であることが望まれている。また、
屋根材一体型や建物の外壁あるいは自動車の屋根等へ設
置するタイプの太陽電池モジュールのニーズが高まって
きており、太陽電池モジュールを曲げ加工したり、曲面
へ設置するため、光起電力素子をフレキシブルにするこ
とが求められてきている。
【0062】これらに対して、薄板基体上に形成された
非結晶シリコンの光起電力素子は非常に適している。そ
れは、光起電力素子自体をかなり薄くすることができ、
基板を含めて0.1mm程度の厚みまで薄くすることが
できるため、光起電力素子を充填する充填材の量を減少
することができるからである。
【0063】その結果、太陽電池モジュールの軽量化を
図ることができ、厚みを減らすことができる。厚みを減
らすことができれば、太陽電池モジュールを折り曲げた
ときの、表面被覆材に対する応力を少なくすることがで
きる。すなわち、引っ張りに対して被覆材の亀裂を抑制
し、収縮に対しては被覆材のよりを抑制することができ
る。
【0064】また、薄板基板上に形成されているので可
曲性があり、太陽電池モジュールに必要以上の剛性を要
求しないため、モジュールの厚みを減らすことができ
る。
【0065】よって、光起電力素子は、薄板基板上に形
成されたアモルファスシリコン型光起電力素子が最適で
ある。
【0066】次に、本発明の太陽電池モジュールの設置
構造に採用される各被覆材について説明する。
【0067】〔最表面被覆材〕最表面被覆材に要求され
る特性としては、透光性、耐候性があり、汚れが付着し
にくいことである。最表面被覆の材料としてガラスを使
用した場合、充填材を厚くなければ充填不良が起きると
いう問題がある。またガラスを使用した場合、重量が大
きくなるだけでなく、外部からの衝撃により割れやすい
という問題も考えられる。
【0068】そのため、最表面被覆材には、耐候性透明
プラスチックが好的に用いられる。そうすることによ
り、充填性が良くなり、軽量化が図れ、衝撃により割れ
ない上に、プラスチック表面にエンボス処理を施すこと
で、太陽光の表面反射が眩しくないという効果も生まれ
る。
【0069】耐候性透明プラスチックの材料としては、
ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポ
リ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹
脂フィルムなどを用いることができるが、これに限るも
のではない。
【0070】充填材との接着面には、充填材が接着し易
いようにコロナ放電処理などの表面処理を施すこともで
きる。
【0071】〔充填材〕充填材に要求される特性として
は、耐候性、熱可塑性、熱接着性、光透過性が挙げられ
る。本発明で好適に使用できるものとしては、ホットメ
ルトがある。ホットメルト材を使用すれば、一体成形加
工時に、真空中で加熱することによりホットメルト材は
流れ出し、太陽電池モジュール端部周緑の厚みをテーパ
状とすることができる。
【0072】ホットメルト材としては、EVA(酢酸ビ
ニル−エチレン共重合体)、EEA、ブチラール樹脂等
がある。また、ホットメルト材以外では、シリコン樹
脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂などの透明
な樹脂を使用することができるが、これに限るものでは
ない。
【0073】上記充填材に架橋剤を添加することによ
り、架橋することも可能である。また光劣化を抑制する
ために、紫外線吸収剤が含有されていることが望まし
い。
【0074】〔最裏面被覆材〕最裏面被覆材は、太陽電
池モジュールの裏面側を被覆して、光起電力素子と外部
の間の電気的絶縁性を保つために使用する。最裏面被覆
材に要求される品質は、充分な電気絶縁性を確保するこ
とができ、しかも長期耐久性に優れ、衝撃、引っ掻き、
熱膨張、熱収縮に耐え得る柔軟性を兼ね備えた材料が好
ましい。
【0075】最裏面被覆材に好適に用いられる材料とし
ては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、PVEフィルム、PVDFフィルム等のプラスチ
ックフィルムなどが挙げられる。
【0076】充填材だけでも電気的絶縁性を保つことが
できるが、充填材には厚さにばらつきが起きやすいた
め、膜厚の薄い部分あるいはピンホール部分において
は、光起電力素子と外部との間でショートが発生するお
それがある。最裏面被覆材はそれを防止するために使用
する。
【0077】また、最裏面被覆材には、金属板を使用す
ることも可能である。金属板としては、例えば、ステン
レス板、メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板などを使用する
が、これに限るものではない。
【0078】この場合、光起電力素子と外部との間の電
気的絶縁性を保つのは困難であるため、光起電力素子と
金属板との間に絶縁フィルムを介在させることにより、
裏面側の被覆材を構成する。このときの絶縁フィルムと
しては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のプラスチックフィルムを使用することができ
る。
【0079】〔カバー部材〕カバー部材は、流体抵抗低
減手段として、太陽電池モジュールを固定するために使
用する。カバー部材として要求される品質は、太陽電池
モジュールの端部を押さえ込むことが可能な形状を有し
ており、長期耐久性に優れ、熱膨張、熱収縮、紫外線照
射に耐えられる材料を使用していることが好ましい。
【0080】図3は、カバー部材の概略図示しており、
(a)、(b)はそれぞれ違った形状のカバー部材を表
わす概略図である。
【0081】図3(a)のカバー部材を使用して太陽電
池モジュールを固定したところを図1(c)に示してい
る。図1(c)においては、カバー部材の切り吹き10
8に太陽電池モジュールの端部を付き当てて、太陽電池
モジュール107を設置面106に接着固定している。
このとき、図3(a)の切り吹き部の段差部d1は、太
陽電池モジュールの端部の厚さと等しくなるようにカバ
ー部材を作製しておく。
【0082】図3(b)のカバー部材を使用して太陽電
池モジュールを固定したところを図6に示している。図
6において、601は光起電力素子、602は最表面被
覆材、603は充填材、604は最裏面被覆材、605
は設置面、606はカバー部材である。
【0083】図示するように、カバー部材606は、設
置面605の開口部の端部と太陽電池モジュールとの双
方を挟み込むようにして太陽電池モジュールを設置面に
固定している。このとき、図3(b)の段差部d2、d
3はそれぞれ太陽電池モジュールの端部の厚さ、および
設置面の開口部の端部の厚さとを等しくなるようにカバ
ー部材を作製しておく必要がある。
【0084】また、太陽電池モジュールのコーナー部等
において、カーブを描くようにして太陽電池モジュール
を挟持してもカバー部材の断面形状が変化しにくいよう
にするために、カバー部材の内部に金属製のインサート
部材を含浸することが可能である。
【0085】図7は、インサート材を説明するための図
であり、図中の701はインサート材である。図7に示
すように、カバー部材の内部には一定間隔でインサート
材が含浸されている。カーブを描くようにしてカバー部
材を使用すると、カバー部材のはめ込み部(図3(b)
のd2あるいはd3)が広がったりあるいは狭くなった
りするが、このインサート材が含浸されているとカバー
部材のはめ込み部は影響を受け難くなる。
【0086】カバー部材の材質としては、例えば、PV
C、EPDMゴム等を使用することができる。またイン
サート材には、鉄、アルミニウムなどの金属材を使用す
ることができる。
【0087】カバー部材は、太陽電池モジュールを固定
した状態で太陽電池モジュールの最表面と設置面とが連
続的になるように形成されているか、あるいは太陽電池
モジュールを設置している状態で流体に対して抵抗を低
減することができる形状であれば、インサート材の有無
や、材質は特に限定されない。
【0088】一方、本実施形態の太陽電池モジュールの
設置方法は、流体にさらされる設置面に太陽電池モジュ
ールを固定する場合に、太陽電池モジュールと設置面と
を、流体抵抗低減手段により固定する。この流体抵抗低
減手段は、少なくとも太陽電池モジュールの端部の一部
を覆う。
【0089】具体的には、図1(c)に示すように、流
体抵抗低減手段はカバー部材105であり、カバー部材
105が太陽電池モジュール107の端部の段差をテー
パ状に覆うように形成する。この場合には、図1(b)
および図3(a)に示すようなカバー部材を使用し、こ
のカバー部材で一体成形した太陽電池モジュール107
の端部を押さえるようにして設置面106に固定する。
【0090】カバー部材105の太陽電池モジュールを
押える部分には切り欠き108があり、その切り欠きの
段差(図3(a)のd1)が太陽電池モジュールの端部
の厚みと同じになるようにして、カバー部材105を作
製する。また、カバー部材105の太陽電池モジュール
を押さえる部分、および設置面と接触する部分には接着
剤109あるいは両面テープ等が塗布等され、これによ
り設置面に固定される。
【0091】また、図6に示すように、流体抵抗低減手
段として図3(b)のカバー部材606を採用し、設置
面605に予め形成した開口部に太陽電池モジュールを
嵌め込み、太陽電池モジュールの端部および設置面の開
口部の端部をカバー部材606により挟んだ状態で覆う
ようにしてもよい。
【0092】すなわち、カバー部材606は、設置面6
05の開口部の端部と太陽電池モジュールの端部との双
方を挟み込むようにして太陽電池モジュールを設置面に
固定している。このとき、図3(b)の段差部d2、d
3はそれぞれ太陽電池モジュールの端部の厚さ、および
設置面の開口部の端部の厚さとを等しくなるようにカバ
ー部材を作製しておく必要がある。
【0093】もしくは、流体抵抗低減手段が、少なくと
も流体の流れ方向に対して、設置面と太陽電池モジュー
ルの最表面とを連続した面で形成するようにしてもよ
い。具体的には、図5(a)に示すように、設置面50
5に形成された凹部に太陽電池モジュールを固定し、太
陽電池モジュールと設置面505の凹部との隙間にシー
ラント材を充填する。
【0094】すなわち、設置面505における太陽電池
モジュールを設置する部分に予め凹部を形成しておき、
この凹部へ一体成形した太陽電池モジュールを挿入し、
両面テープ507により接着固定する。
【0095】このときの設置面505の凹部の深さは、
太陽電池モジュールの厚さと両面テープ507の厚さの
略合計分になるようにしておく必要がある。また、凹部
と太陽電池モジュールとの隙間には、シーラント材50
6を介在させる。これにより、設置面と太陽電池モジュ
ールの最表面とは、略連続した面を形成できる。
【0096】または、図8(b)に示すように、太陽電
池モジュールが、流体に対して流線形状を呈するように
形成してもよい。図8(a)において、トリミングライ
ンaは通常のトリミング位置であるが、本実施形態では
トリミングラインbの位置でトリミングを行うものであ
る。
【0097】このように流体にさらされる設置面として
は、自動車等の高速移動体の屋根面が想定される。ま
た、太陽電池モジュールの最表面被覆材料としては、既
述のようにガラスもしくは耐候性透明プラスチックであ
ることが好ましく、太陽電池モジュールは可撓性を有し
ていることが好ましい。さらに、太陽電池モジュール
は、少なくとも光起電力素子を最表面被覆材と最裏面被
覆材との間に充填材により封止して形成することが好ま
しい。
【0098】
【実施例】以下、本発明の太陽電池モジュールの設置構
造における好適な実施例を詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例に限るものではない。
【0099】(実施例1)まず、非結晶シリコン(a−
Si)系の光起電力素子を作製した。この作製手順を図
2を用いて説明する。
【0100】図2において、201は導電性基体である
ステンレス鋼製の基板、202は金属電極層、203は
半導体層光発生層、204は透明導電層、205は集電
電極である。
【0101】洗浄したステンレス鋼製の基板201上
に、スパッタリング法により裏面金属電極層202とし
てAl層(膜厚5000Å)とZnO層(膜厚5000
Å)を順次形成する。
【0102】次いで、プラズマCVD法により、SiH
4とPH3とH2との混合ガスからn型a−Si層を、S
iH4とH2との混合ガスからi型a−Si層を、SiH
4とBF3とH2との混合ガスからp型微結晶μc−Si
層を形成し、n層膜厚150Å/i層膜厚4000Å/
p層膜厚100Å/n層膜厚100Å/i層膜厚800
Å/p層膜厚100Åの層構成のタンデム型a−Si系
光電変換半導体層203を形成した。
【0103】次に、透明導電層204として、In23
薄膜(膜厚700Å)を、O2雰囲気下でInを抵抗加
熱法で蒸着することによって形成した。
【0104】この上に、集電電極205を、銀ペースト
をスクリーン印刷機によりパターン印刷し、乾燥を行う
ことにより形成した。
【0105】そして、上記作製済の光起電力素子を被覆
材にてラミネートする工程を図4を用いて説明する。
【0106】図4において、401は光起電力素子、4
02は最表面被覆材、403は充填材、404は最裏面
被覆材である。まず、最裏面被覆材404、充填材40
3、光起電力素子401、充填材403、最表面被覆材
402の順に積層し、真空引きした状態で160℃で加
熱し、充填材を溶融させることによりラミネート処理
(一体成形処理)した。
【0107】最裏面被覆材404はPVFフィルム(デ
ュポン社製、商品名:テドラー#TCC15BL3、3
8μm厚)、充填材はEVA(エチレン−酢酸ビニル共
重合ポリマー耐候性グレード、ブリジストン社製、46
0μm)、最表面被覆材はフッ素樹脂フィルム(エチレ
ンテトラフルオロエチレン、50μm厚、ダイキン社
製、商品名:ネオフロンEF−0050SB1、50μ
m厚)を使用した。そして、ラミネート処理後にトリミ
ングを行い、太陽電池モジュールを作製した。
【0108】次に、カバー部材を作製した。形状は図1
(b)に示すもので、切り欠き部の厚さは太陽電池モジ
ュール端部の厚さに等しくなるようにして作製した。な
お、カバー部材の材質にはEPDMゴムを採用した。
【0109】最後に、上記のように作製した太陽電池モ
ジュールを、カバー部材により図1(c)に示すように
自動車の屋根に接着固定した。
【0110】本実施例の太陽電池モジュールによると、
太陽電池モジュールの端部がカバー部材により設置面に
対して傾斜することにより流体抵抗の低減を図ってお
り、かつカバー部材の一部が太陽電池モジュールのを押
えている状態で太陽電池モジュールを固定している。
【0111】そのため、高速走行時の風の影響により太
陽電池モジュールを構成する材料が剥離するのを抑制す
ることができる。また、太陽電池モジュールの端部の段
差が少なくなるので、長期間使用した時の段差部での汚
れが少なくなり外観が良くなる。
【0112】このようにして実施例1は、太陽電池モジ
ュールの端部の汚れや材料の剥離が抑えられるため、太
陽電池モジュールの出力低下を軽減することができるも
のである。
【0113】(実施例2)実施例2は、実施例1とカバ
ー部材の形状の違うタイプを使用して、太陽電池モジュ
ールを自動車にはめ込み固定したものであり、それ以外
の作製方法は実施例1と同様にして行なった。
【0114】図6は、実施例2の太陽電池モジュールの
設置構造を示す概略図である。図6において、601は
光起電力素子、602は最表面被覆材、603は充填
材、604は最裏面被覆材、605は設置面、606は
カバー部材である。カバー部材606は、設置面605
の開口部の端部と太陽電池モジュールとの双方を挟み込
むようにして太陽電池モジュールを設置面に固定してい
る。
【0115】まず、カバー部材を作製した。図3
(b)、図7は本実施例で使用するカバー部材の概略図
である。カバー部材にはインサート材が含浸されてお
り、カバー部材の嵌め込み部の厚さd2、d3(図3
(b))は太陽電池モジュールの端部の厚さ、および設
置面(自動車の屋根)の開口部の端部の厚さと等しくな
るようにして作製した。カバー部材の材質には、EPD
Mゴムを使用した。
【0116】このカバー部材を使用して、実施例1と同
様にして作製した太陽電池モジュールを自動車の屋根に
嵌め込み固定した。自動車の屋根には、予め、太陽電池
モジュールを嵌め込み固定する開口部を設けておいた。
【0117】本実施例の太陽電池モジュールによると、
太陽電池モジュールの端部はカバー部材により挟まれた
状態で覆われており、かつ設置面側も同様にしてカバー
部材により挟まれた状態で覆われている。またカバー部
材は設置面に対して傾斜することにより流体抵抗の低減
を図っており、かつカバー部材の一部が太陽電池モジュ
ールの端部を押えている状態で太陽電池モジュールを固
定している。
【0118】そのため、高速走行時の風の影響により太
陽電池モジュールを構成する材料が剥離するのを抑制す
ることができ、太陽電池モジュールの端部の段差、すな
わち太陽電池モジュール/カバー部材とカバー部材/設
置面での段差が少なくなるので、長期間使用した時の段
差部の汚れが少なくなり外観が良くなる。
【0119】このようにして実施例2は、太陽電池モジ
ュールの端部の汚れや材料の剥離が抑えられるため、太
陽電池モジュールの出力低下を軽減することができるも
のである。
【0120】(実施例3)実施例3は、実施例1により
作製した太陽電池モジュールを、自動車屋根上の予め凹
部処理を施した部分に接着固定したもので、かつカバー
部材を使用せず接着固定したものであり、それ以外の作
製方法は実施例1と同様にして行った。
【0121】図5は、実施例3の太陽電池モジュールの
設置構造を示す概略図である。図5において、501は
光起電力素子、502は最表面被覆材、503は充填
材、504は最裏面被覆材、505は設置面、506は
シーラント材、507は両面テープである。
【0122】まず、自動車の屋根に凹部の加工を行っ
た。この凹部は、太陽電池モジュールの厚さと太陽電池
モジュールを接着固定するための両面テープ507の厚
さの略合計分の深さのものとした。また、凹部の面積
は、太陽電池モジュールの面積と略同じとした。
【0123】この凹部に、実施例1と同様にして作製し
た太陽電池モジュールを、両面テープ507により接着
固定した。そして、太陽電池モジュールの端部と設置面
の凹部の間の隙間にシーラント材506を注入して、太
陽電池モジュールの受光面と設置面とが略同一面になる
ようにした。
【0124】本実施例の太陽電池モジュールによると、
太陽電池モジュールは、凹部加工された設置面に接着固
定されているために、太陽電池モジュールの最表面被覆
材表面は設置面と連続した面を形成することができる。
【0125】そのため、太陽電池モジュールを構成する
材料は、高速走行時の風の影響を受け難くなり、剥離す
るのを抑制することができる。また、太陽電池モジュー
ルの端部の段差、すなわち太陽電池モジュール/シーラ
ント材/設置面での段差が少なくなり、連続した面を形
成しているので、長期間使用した時の段差部の汚れが少
なくなり外観が良くなる。
【0126】このようにして実施例3は、太陽電池モジ
ュールの端部の汚れや材料の剥離が抑えられるため、太
陽電池モジュールの出力低下を軽減することができるも
のである。
【0127】(実施例4)実施例4は、実施例1におい
て作製した太陽電池モジュールの一体成形後における太
陽電池モジュールのトリミング位置を変更することによ
り、太陽電池モジュールの端部の厚さをテーパ状とし、
その太陽電池モジュールをカバー部材を使用せずに自動
車の屋根上へ接着固定したものである。それ以外の作製
方法は、実施例1と同様にして行った。
【0128】図8は、実施例4の太陽電池モジールの設
置構造を示しており、(a)は太陽電池モジュールのト
リミング位置を説明するための概略図、(b)は設置面
に接着固定したところ表す概略図である。
【0129】図8において、801は光起電力素子、8
02は最表面被覆材、803は充填材、804は最裏面
被覆材、805は設置面、806は接着剤、807は充
填材のはみ出し、a、bはトリミングラインである。
【0130】まず、太陽電池モジュールの一体成形処理
(ラミネート処理)を実施例1と同様にして行った。図
8(a)において、トリミングラインaは実施例1〜3
で行なったトリミング位置であるが、本実施例ではトリ
ミングラインbの位置でトリミングを行なった。
【0131】太陽電池モジュールの充填材803はホッ
トメルト材であるため、真空中で加熱処理する時に流れ
出し、その状態で真空引きされているので、太陽電池モ
ジュールの末端部の充填材は押し出されて充填材のはみ
出し807ができ、太陽電池モジュールの端部周縁の厚
さはテーパ状になる。トリミングラインbは、最表面被
覆材802、最裏面被覆材804の双方が存在している
部分で、一番薄い部分のことを表わしている。
【0132】最後に、図8(a)のトリミングラインb
で処理した太陽電池モジュールを、接着剤806により
設置面に接着固定した。
【0133】本実施例の太陽電池モジュールによると、
太陽電池モジュールは、トリミングラインbでカットし
た後に設置面に接着固定されているので、太陽電池モジ
ュールの末端部の厚さはかなり薄くなっている。すなわ
ち、トリミングラインbにおける厚みは、最表面被覆材
802と最裏面被覆材804の双方の合計分の厚さ程度
である。
【0134】そのため、太陽電池モジュールを流体
(風)に対して流線形状に構成することができる。そう
することにより、太陽電池モジュールを構成する材料、
特に最表面被覆材は、高速走行時の風の影響を受け難く
なり、剥離するのを抑制することができる。また、太陽
電池モジュールの端部の段差、すなわち太陽電池モジュ
ール/設置面電気接合の段差が小さくなるので、長期間
使用した時の段差部の汚れが少なくなり、外観が良くな
る。
【0135】このようにして実施例4は、太陽電池モジ
ュールの端部の汚れや材料の剥離が抑えられるため、太
陽電池モジュールの出力低下を軽減することができるも
のである。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
流体にされされる設置面に固定される太陽電池モジュー
ルであって、太陽電池モジュールと設置面とが流体抵抗
低減手段により固定されているので、太陽電池モジュー
ルの端部の太陽電池モジュール構成材料の剥離を防止
し、水分の侵入等を防いで太陽電池モジュールの性能低
下を抑制することができる。
【0137】また、太陽電池モジュール端部の段差が少
なくなるので、経年使用によっても段差部に汚れが溜り
にくくなり、汚れによる太陽電池モジュールの性能低下
を抑制することができ、かつ外観も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの設置構造一実施
形態及び実施例1の概略図を示しており、(a)は太陽
電池モジュールの概略断面図、(b)は流体抵抗低減手
段であるカバー部材の概略図、(c)は太陽電池モジュ
ールを流体抵抗低減手段であるカバー部材を使用して設
置したところを表す概略断面図である。
【図2】本発明に使用する光起電力素子の一構成例を示
す概略図である。
【図3】本発明におけるカバー部材の概略図示してお
り、(a)、(b)はそれぞれ違った形状のカバー部材
を表わす概略図である。
【図4】光起電力素子を被覆材によりラミネートする工
程を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例3の太陽電池モジュールの設置
構造における形態を示しており、(a)はその概略断面
図、(b)はその(a)の要部拡大図である。
【図6】実施例2の太陽電池モジュールの設置構造を示
す概略図である。
【図7】カバー部材のインサート材を説明するための概
略図である。
【図8】実施例4の太陽電池モジールの設置構造を示し
ており、(a)は太陽電池モジュールのトリミング位置
を説明するための概略図、(b)は設置面に接着固定し
たところ表す概略図である。
【図9】従来において、自動車の屋根に太陽電池モジュ
ールを貼り付け固定した状態を示す概略図である。
【図10】従来において、太陽電池モジュールの車上へ
の貼り付け部の拡大図であり、(a)は断面図、(b)
は高速移動時の風を受けている様子を表す断面図、
(c)は経年劣化後の様子を表わす断面図である。
【図11】従来において、太陽電池モジュールの車上へ
の貼り付け部を拡大して示す断面図であり、太陽電池モ
ジュール端部の汚れを説明するための図である。
【符号の説明】
101、401、501、601、801、1001
光起電力素子 102、402、502、602、802、1002
最表面被覆材 103、403、503、603、803、1003
充填材 104、404、504、604、804、1004
最裏面被覆材 105、606 カバー部材 106、505、605、805、1005 設置面 107、901 太陽電池モジュール 108 切り吹き 109、806 接着剤 201 導電性基体 202 金属電極層 203 半導体光活性層 204 透明導電層 205 集電電極 506 シーラント材 507 両面テープ 701 インサート材 807 充填材のはみ出し 900 自動車 1006 風 1101 汚れ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体にさらされる
設置面に固定される太陽電池モジュールの設置構造およ
び設置方法に係り、特に自動車等の高速移動体の表面
に設置する太陽電池モジュールの設置構造および設置方
法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明は、上記課題に鑑み、流体にさらさ
れる設置面での長期間の使用によっても太陽電池モジュ
ールの端部に剥離が発生せず、かつ太陽電池モジュール
の端部に汚れが堆積しないで、良好な外観を維持するこ
とができ、太陽電池モジュールの構成材料の寿命を長期
化して発電性能の低下を抑制することができる太陽電池
モジュールの設置構造および設置方法を提供することを
目的とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正内容】
【0134】そのため、太陽電池モジュールを流体
(風)に対して流線形状に構成することができる。そう
することにより、太陽電池モジュールを構成する材料、
特に最表面被覆材は、高速走行時の風の影響を受け難く
なり、剥離するのを抑制することができる。また、太陽
電池モジュールの端部の段差、すなわち太陽電池モジュ
ール/設置面の段差が小さくなるので、長期間使用した
時の段差部の汚れが少なくなり、外観が良くなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹岡 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 牧田 英久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体にさらされる設置面に固定される太
    陽電池モジュールの設置構造において、 太陽電池モジュールと設置面とが、流体抵抗低減手段に
    より固定されていることを特徴とする太陽電池モジュー
    ルの設置構造。
  2. 【請求項2】 流体抵抗低減手段が、少なくとも太陽電
    池モジュールの端部の一部を覆っていることを特徴とす
    る請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  3. 【請求項3】 流体抵抗低減手段がカバー部材であり、
    カバー部材が太陽電池モジュールの端部の段差をテーパ
    状に覆っていることを特徴とする請求項2に記載の太陽
    電池モジールの設置構造。
  4. 【請求項4】 流体抵抗低減手段がカバー部材であり、
    設置面に形成された開口部に太陽電池モジュールが嵌め
    込まれ、太陽電池モジュールの端部および設置面側がカ
    バー部材により挟まれた状態で覆われていることを特徴
    とする請求項2に記載の太陽電池モジールの設置構造。
  5. 【請求項5】 流体抵抗低減手段が、少なくとも流体の
    流れ方向に対して、設置面と太陽電池モジュールの最表
    面とを連続した面で形成していることを特徴とする請求
    項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  6. 【請求項6】 設置面に形成された凹部に太陽電池モジ
    ュールが固定され、太陽電池モジュールと設置面の凹部
    との隙間にシーラント材が充填されていることを特徴と
    する請求項5に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  7. 【請求項7】 太陽電池モジュールが、流体に対して流
    線形状を呈するように形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  8. 【請求項8】 設置面が、高速移動体の外表面であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電
    池モジュールの設置構造。
  9. 【請求項9】 太陽電池モジュールの最表面被覆材料
    が、ガラスもしくは耐候性透明プラスチックであること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池
    モジュールの設置構造。
  10. 【請求項10】 太陽電池モジュールが、可撓性を有し
    ていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    の太陽電池モジュールの設置構造。
  11. 【請求項11】 太陽電池モジュールは、少なくとも光
    起電力素子を最表面被覆材と最裏面被覆材との間に充填
    材により封止して形成されていることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設
    置構造。
  12. 【請求項12】 流体にさらされる設置面に太陽電池モ
    ジュールを固定する太陽電池モジュールの設置方法にお
    いて、 太陽電池モジュールと設置面とを、流体抵抗低減手段に
    より固定することを特徴とする太陽電池モジュールの設
    置方法。
  13. 【請求項13】 流体抵抗低減手段が、少なくとも太陽
    電池モジュールの端部の一部を覆うことを特徴とする請
    求項12に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
  14. 【請求項14】 流体抵抗低減手段がカバー部材であ
    り、カバー部材が太陽電池モジュールの端部の段差をテ
    ーパ状に覆うことを特徴とする請求項13に記載の太陽
    電池モジールの設置方法。
  15. 【請求項15】 流体抵抗低減手段がカバー部材であ
    り、設置面に形成された開口部に太陽電池モジュールを
    嵌め込み、太陽電池モジュールの端部および設置面側を
    カバー部材により挟んだ状態で覆うことを特徴とする請
    求項13に記載の太陽電池モジールの設置方法。
  16. 【請求項16】 流体抵抗低減手段が、少なくとも流体
    の流れ方向に対して、設置面と太陽電池モジュールの最
    表面とを連続した面で形成することを特徴とする請求項
    12に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
  17. 【請求項17】 設置面に形成された凹部に太陽電池モ
    ジュールを固定し、太陽電池モジュールと設置面の凹部
    との隙間にシーラント材を充填することを特徴とする請
    求項16に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
  18. 【請求項18】 太陽電池モジュールが、流体に対して
    流線形状を呈するように形成することを特徴とする請求
    項12に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
  19. 【請求項19】 設置面が、高速移動体の外表面である
    ことを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の
    太陽電池モジュールの設置方法。
  20. 【請求項20】 太陽電池モジュールの最表面被覆材料
    が、ガラスもしくは耐候性透明プラスチックであること
    を特徴とする請求項12〜19のいずれかに記載の太陽
    電池モジュールの設置方法。
  21. 【請求項21】 太陽電池モジュールが、可撓性を有し
    ていることを特徴とする請求項12〜20のいずれかに
    記載の太陽電池モジュールの設置方法。
  22. 【請求項22】 太陽電池モジュールは、少なくとも光
    起電力素子を最表面被覆材と最裏面被覆材との間に充填
    材により封止して形成することを特徴とする請求項12
    〜21のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置方
    法。
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