JP2006173298A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 太陽電池モジュールは、光電変換素子101が光入射面とは反対側(裏面)で充填材102を介して補強板103に接着され、その表裏面がそれぞれ充填材102,104によって被覆されている。これらの充填材102,104は、その端部が補強板103上で光電変換素子101の存在しない周辺領域にまで延長されている。また、補強板103上の周辺領域には、光電変換素子101の光入射領域における充填材102,104の厚みより厚い隆起部106が形成されている。
【選択図】 図1
Description
この太陽電池モジュールの製造方法は、耐候性フィルムに紫外線吸収剤を添加し、さらに太陽電池モジュールを保護する充填材中に紫外線吸収剤を含有するものではその含有量を増加させ、あるいは充填材自体を厚く形成する等によって、充填材の太陽電池との接着面に到達する紫外線量を減少させるものであった。ところが、耐候性フィルムに紫外線吸収剤を添加したり充填材中の紫外線吸収剤の量を増やしたりすると、充填材の樹脂としての強度が低下するだけでなく、太陽電池の光電変換層に到達する光量の減少に伴う発電量が減少する。また、充填材の厚さが増加してしまうことから、発電量の減少に加えて製品コストが増加するという問題があった。
この太陽電池モジュールでは、裏面補強金属板の端面における充填材の剥離を解決する方法として、充填材を補強金属板の端部まで延長形成して、その部分で補強金属板の端部を含めて樹脂で覆うようにしている。ところが、このような構造であると、補強板の全面に充填材が必要となるため、充填材の使用量が多くなり、製品コストが増加するという問題があった。
この太陽電池モジュールは、流体抵抗低減手段としてのカバー部材によって太陽電池モジュールの端部を押さえて設置面に固定されるものである。これにより、太陽電池モジュールの端部での太陽電池モジュール構成材料の剥離を防止し、水分の浸入等を防いで太陽電池モジュールの性能低下を抑制することができる。ところが、この方法では太陽電池モジュールの端部の厚みと同じに切り欠きの段差を形成したカバー部材を別途に用意しなければならないので、製品コストが増加するという問題があった。
この太陽電池モジュールの設置構造は、表面被覆材の周辺部を光起電力素子の周辺部と裏面被覆材の周辺部との間に位置させて積層することにより、光起電力素子の基板の端部が外気に晒される事を防止している。ところが、この設置構造では裏面被覆材の端部において、充填材が紫外線及び外気に直接晒されるようになるため、裏面被覆材の補強材との界面で接着強度が低下しやすいという問題があった。
この光起電力素子は、少なくとも電極層と光電変換層が積層された積層構造を有する光起電力素子の受光面側に、厚み分布を持った樹脂層が設けられており、該樹脂層の厚みは、光起電力素子中央部よりも光起電力素子端部の方が厚いことを特徴としている。これにより、樹脂層全体の内部応力を増やすことなく、構造的に弱い光起電力素子端部の紫外線劣化を抑制し、水分等の浸入を十分に防ぐことができる樹脂層膜厚を確保することができるというものである。ところが、このような構成であれば、光起電力素子端部における樹脂層の光透過率が減少してしまうために、光起電力素子の発電効率などの電気特性が低下してしまうという問題があった。
図1(a)には、同図(b)のA−A断面における太陽電池モジュールの構造を示している。この太陽電池モジュールは、光電変換素子101が光入射面とは反対側(裏面)で充填材102を介して補強板103に接着され、その表裏面がそれぞれ充填材102,104によって被覆されている。これらの充填材102,104は、その端部が補強板103上で光電変換素子101の存在しない周辺領域にまで延長されている。また、補強板103上の周辺領域には、光電変換素子101の光入射領域における充填材102,104の厚みより厚い隆起部106が形成されている。なお、補強板103は鋼板などで形成されている。
この太陽電池モジュールは、光電変換素子101が光透過性の充填材によって被覆され、その光入射面とは反対側で充填材を介して補強板103と接着されている。そして、光電変換素子101を補強板103上に接着するための充填材104は光電変換素子101の存在しない周辺領域にまで延長された形状をなし、しかも隆起部106が充填材104の端部からやや内側に形成されている。このような隆起部106の位置は、充填材104の加工上の利便性から規定される。
図3に示す太陽電池モジュールでは、光電変換素子101の存在しない周辺領域の一部分に鉄板などからなる遮光カバー107が設けられており、充填材102,104の端部に光が当たらない部分が形成されている。この太陽電池モジュールでは、光電変換素子101の4辺のうちのひとつだけに遮光カバー107が設けられ、他の3辺にはそれぞれ隆起部106が形成されている。
図5は、実施の形態のさらに別の変形例を示す断面図である。
充填材102,104は、耐候性フィルム105と光電変換素子101、もしくは光電変換素子101と補強板103とを強固に接着するだけでなく、光を十分に透過する必要がある。また、耐候性フィルム105と同様に、熱や光、水分に対して安定である必要がある。しかも、短い時間で加工する必要があること、補強板103や光電変換素子101の形状に追従する必要があること、外力を吸収して光電変換素子101をダメージから守る必要があること等のために、ここでは熱可塑性樹脂を用いた。
つぎに、2つの実施例と2つの比較例により、本発明の太陽電池モジュールについて、さらに詳細に説明する。
実施例1の太陽電池モジュールは、その封止構造が図1に示すものを用いている。
ここでは、光電変換素子は厚さ50μmのポリイミド基板上に形成した太陽電池を用いた。また、補強板には厚さ0.8mmの塗装鋼板を用いた。表面保護用の耐候性フィルムには厚さ25μmのETFEを用い、光の入射面側及び光電変換素子と鋼板の間の充填材には厚さ0.3mmのEVAからなるフィルムを用いた。接着は真空ラミネートによって行った。ラミネートは、120℃、2分間の脱気をした後、155℃で20分間加圧し、その後に80℃に降温して大気開放して行った。
このように構成された太陽電池モジュールを、ウエザーメーターによる加速試験の後に評価した。加速試験の条件は次の通りである。
光量 300〜400nmの波長範囲で90W/m2
試験項目 3時間光照射、および5分光照射+水噴霧のサイクル試験
試験時間 5000時間
[実施例2]
図6は、実施例2の太陽電池モジュールを示す断面図および平面図である。
実施例1とほぼ同じ製造プロセスで、光電変換素子101を充填材で被覆して補強板103上に接着することにより太陽電池モジュールを作成した。この比較例1では、図7に示すように、充填材の厚い部分(隆起部106)は設けられていない。
実施例1とほぼ同じプロセスでモジュールを作成した。この比較例2では、図8に示すように、2辺のみに充填材が厚い隆起部106を設けた。
102 充填材
103 補強板
104 充填材
105 耐候性フィルム
106 隆起部
107 遮光カバー
108 充填材材料
109 折り曲げ部
110 窪み部
Claims (8)
- 光電変換素子を光透過性の充填材および耐候性の保護皮膜によって被覆するとともに、その光入射面とは反対側で前記充填材を介して補強板と接着した太陽電池モジュールにおいて、
前記光電変換素子を前記補強板上に接着するための充填材形状は、前記光電変換素子の存在しない周辺領域にまで延長された端部を有し、
前記周辺領域の充填材材料が、前記光電変換素子とその光入射領域を覆うように前記補強板上に積層された充填材材料より厚く設けられて隆起部を形成していることを特徴とした太陽電池モジュール。 - 前記充填材材料によって形成された前記隆起部は、前記光電変換素子の光入射領域の外周部分全体にわたって形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記補強板上に接着された前記光電変換素子は、その周囲が前記隆起部によって囲まれていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記周辺領域には、前記充填材材料への入射光を遮るための遮光領域が形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記遮光領域は、遮光用のカバー部材によって覆われていることを特徴とする請求項4記載の太陽電池モジュール。
- 前記補強板の端部は、前記光電変換素子の光入射面とは反対側に折り曲げられるとともに、前記周辺領域における充填材材料が折り曲げられた前記補強板に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記充填材には、前記隆起部と前記光電変換素子の光入射領域との間に窪みが形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記充填材は、前記補強板の端部まで延長形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
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