JPH1187755A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及びその製造方法

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JPH1187755A
JPH1187755A JP9246274A JP24627497A JPH1187755A JP H1187755 A JPH1187755 A JP H1187755A JP 9246274 A JP9246274 A JP 9246274A JP 24627497 A JP24627497 A JP 24627497A JP H1187755 A JPH1187755 A JP H1187755A
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Japan
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solar cell
cell module
reinforcing plate
module according
photovoltaic element
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JP9246274A
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Ayako Komori
綾子 小森
Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Satoshi Yamada
聡 山田
Ichiro Kataoka
一郎 片岡
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • B32B17/10005Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10788Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer containing ethylene vinylacetate
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2367/00Polyesters, e.g. PET, i.e. polyethylene terephthalate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光起電力素子の表面形状にかかわらず、太陽
電池モジュール表面の凹凸がなく、平滑で美観性に優
れ、かつ使用する樹脂量が少なく難燃性の太陽電池モジ
ュール及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 透明な有機高分子樹脂と最表面の透明な
樹脂フィルムとを少なくとも含む被覆材で光起電力素子
の光入射側の表面を封止し、光非受光面側に補強板を設
けた太陽電池モジュールにおいて、前記補強板の一部に
光起電力素子上に設けられた凸部の入り込む凹部が形成
されている補強板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュー
ル及びその製造方法に係わり、特に、透明な有機高分子
樹脂と最表面の透明な樹脂フィルムとを少なくとも含む
被覆材で光起電力素子の光入射側の表面を封止し、光起
電力素子の光非受光面側に補強板を設けた太陽電池モジ
ュール及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーヘの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待のもてるもの
だということができる。
【0003】太陽電池には様々な形態がある。代表的な
ものとしては、(1)結晶シリコン太陽電池、(2)多
結晶シリコン太陽電池、(3)アモルファスシリコン太
陽電池、(4)銅インジウムセレナイド太陽電池、
(5)化合物半導体太陽電池などがある。この中で、薄
膜結晶シリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池及びア
モルファスシリコン太陽電池は比較的低コストで大面積
化が可能なため、最近では各方面で活発に研究開発が進
められている。
【0004】更に、これらの太陽電池の中でも、導電性
金属基体上にシリコンを堆積し、その上に透明電極層を
形成したアモルファスシリコン太陽電池を代表とする薄
膜太陽電池は、軽量でかつ耐衝撃性、フレキシブル性に
富んでいるので、将来のモジュール形態として有望視さ
れている。
【0005】最近では、アモルファス太陽電池の軽量で
かつ耐衝撃性、フレキシブル性に富んでいるという長所
を活かし、建築物の屋根および壁などへの設置が積極的
に行なわれつつある。この場合、太陽電池モジュールの
非受光面側に接着剤層を介して補強板を貼り付けること
が一般的である。補強板を貼りつけることにより、太陽
電池モジュールの機械的強度を高めおよび温度変化によ
る歪みや反りを防止することができる。また、補強板と
して金属鋼鈑を使用した際には、その鋼鈑を非受光面側
に折り曲げ加工して機械的強度を高めることで、従来一
般的であった、太陽電池モジュールの周囲へのフレーム
の取り付けが不要となる。これにより、原材料コストの
ダウンおよび作業工程数の減少ができ、安価な太陽電池
モジュールとすることができる。
【0006】ただ、ガラス基板上にシリコンを堆積する
場合と異なり、光入射側表面を透明な被覆材で覆い、太
陽電池を保護する必要がある。
【0007】従来は、この表面被覆材として最表面に4
フッ化エチレン−エチレン共重合体フィルム、ポリフッ
化ビニルフィルム等のフッ素樹脂フィルムやフッ素樹脂
塗料等を用いた透明なフッ化物重合体薄膜が用いられ
た。フッ化物重合体は耐候性・撥水性に富んでおり、樹
脂の劣化による黄変・白濁あるいは表面の汚れによる光
透過率の減少に起因する太陽電池モジュールの変換効率
の低下を少なくすることができ、さらにアモルファスシ
リコンのフレキシブル性を十分にいかした、柔軟性をも
った太陽電池モジュールとすることができる。
【0008】さらに、その内側には封止材ないし充填材
としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの
種々の透明有機高分子樹脂が用いられてきた。一般的に
は、安価であり内部の光起電力素子を保護するための充
填材として大量に用いることができ、耐熱性および耐候
性に優れた透明有機高分子樹脂として知られているEV
Aを用いることが多い。
【0009】ところが、最表面被覆材としてフッ化物重
合体薄膜等の透明樹脂フィルムを用いた場合、ガラスを
用いた太陽電池モジュールに比べ、耐スクラッチ性(引
っ掻きに対する耐絶縁性)が低下するため、充填材とし
て用いられる透明有機高分子樹脂中に、ガラス繊維不織
布などの繊維状無機化合物を含浸させ表面被覆材として
用いることが多い。さらに、繊維状無機化合物の働きと
して、屋根や壁設置タイプの大型の太陽電池モジュール
の場合、ラミネーション時のモジュール内部の脱気性を
向上させる働きも大きい。
【0010】図11はこのような太陽電池モジュールの
従来例である。図11に於いて、703は表面透明樹脂
フィルムとしてのフッ化物重合体薄膜層、702は充填
材としての透明有機高分子樹脂、701は光起電力素
子、704は絶縁体層、705は補強板である。より具
体的には、表面透明樹脂フィルムとしてのフッ化物重合
体薄膜層703はETFE(エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニ
ル)フィルム等のフッ素樹脂フィルムであり、充填材と
しての透明有機高分子樹脂702はEVA(エチレン−
酢酸ビニル共重合体)、ブチラール樹脂等であり、絶縁
体層704はポリエチレンテレフタレートフィルム、ナ
イロンフィルム、アルミラミネートテドラーフィルムを
はじめとする種々の有機樹脂硬質フィルムであり、補強
板705は、塗装亜鉛鋼板のような絶縁処理した金属、
カーボンファイバー、FRP(ガラス繊維強化プラスチ
ック)等である。この例において、透明有機高分子樹脂
702は、光起電力素子701とフッ素樹脂フィルム7
03及び絶縁体層704、絶縁体層704と光起電力素
子701の裏側及び補強板705との接着剤としての役
割と、外部からの引っかき、衝撃から太陽電池を保護す
る充填材の役割をはたしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の薄膜
太陽電池の構成を、本発明の実施形態を示す図2〜図4
を併用して説明すると、上記光起電力素子701は、次
のようにして構成される。すなわち、導電性金属基体2
01上に裏面反射層202/半導体層(半導体光活性
層)203/透明電極層204を有し、透明電極層の上
には、電流を効率よく集電するために、集電電極(グリ
ッド)205を設ける。特に、集電電極205として金
属ワイヤーを用いることが多い。さらに、起電力を取り
出すために、出力端子206aおよび206bを、導電
性金属基体201と集電電極205に取り付ける。ま
た、プラス側の出力端子206aの下側には、導電性金
属基体201とプラス側出力端子206aを絶縁するた
めに絶縁テープ207を貼る。出力端子を電気的に接合
するためには、銅タブなどの金属体を、スポット溶接や
半田で接続している。すなわち、光起電力素子701に
おいては、導電性金属基体の表裏面に厚み約100μm
乃至500μmほどの実装がされ、かなりの凹凸が生じ
ることになる。このように凹凸を持つ光起電力素子70
1を、充填材である透明有機高分子樹脂702で被覆
し、さらに最表面を表面透明樹脂フィルムたるフッ化物
重合体薄膜層703で被覆して、薄膜太陽電池モジュー
ルとする。
【0012】このように、これらの凹凸を持つ光起電力
素子を充填材で被覆する方法としては以下の2点が考え
られる。
【0013】(a)太陽電池モジュールの表裏面の凹凸
を全て埋没するのに十分量の樹脂で被覆し、太陽電池モ
ジュールの表面を平滑にする。
【0014】(b)樹脂を凹凸に追従させて被覆し、太
陽電池モジュールの表面も光起電力素子の凹凸と同様の
凹凸を有する。
【0015】上記(a)の方法で被覆する場合、実装部
材の厚みと同程度の厚みの充填材量が太陽電池モジュー
ルの表面全体に必要となる。すなわち、多量の充填材が
必要となる。ところが、充填材が多い場合には以下のよ
うな問題が生じる。
【0016】(1)太陽電池モジュールの変換効率の低
下 表面被覆材の光透過率の低下を促し、これはすなわち太
陽電池モジュールの変換効率の低下につながる。
【0017】(2)難燃性の低下 充填材として使用する透明有機高分子樹脂は、非常に燃
えやすく燃焼エネルギーは高い。すなわち、充填材の量
を増加することは、太陽電池モジュールの難燃性を低下
させることになる。太陽電池モジュールを屋根に設置し
たり、屋根一体型太陽電池として使用する際には、日本
においては、建設大臣より“不燃材”としての指定を受
けなければならず、アメリカ合衆国では”ULl70
3”で規定される燃焼性試験でクラスAに合格しなけれ
ばならない。
【0018】また、上記(b)の方法で被覆する場合、
光起電力素子の裏面配線および表面実装部材が、太陽電
池モジュールの表面に全て凹凸として反映するため、美
観性に劣る。特に屋根材、壁材として太陽電池モジュー
ルを設置する際には、建築物の一部として使用されるこ
とから意匠性が非常に重視されるため、表面の凹凸は非
常に大きな問題となる。
【0019】また、実装部材上など凸になっている部分
は、被覆工程での加熱圧着の際に充填材がしごかれ薄く
なる。薄くなった部分は外部からの衝撃に弱くなるた
め、耐スクラッチ性という点で非常に問題となる。
【0020】本発明の目的は、前記太陽電池モジュール
の欠点を解決し、光起電力素子の表面形状にかかわら
ず、太陽電池モジュール表面の凹凸がなく、平滑で美観
性に優れ、かつ使用する樹脂量が少なく難燃性の太陽電
池モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような方
法が最良であることを見い出した。すなわち、透明な有
機高分子樹脂と最表面の透明な樹脂フィルムとを少なく
とも含む被覆材で光起電力素子の光入射側の表面を封止
し、光非受光面側に補強板を設けた太陽電池モジュール
において、前記補強板の一部に光起電力素子上に設けら
れた凸部の入り込む凹部が形成されている補強板を用い
る。
【0022】この方法によれば、補強板の一部に形成さ
れた凹部に、光起電力素子上に設けた凸部が入り込む形
となるので、以下のような効果が期待できる。
【0023】(1)光起電力素子の表面形状にかかわら
ず、太陽電池モジュール表面が平滑で、美観性に優れた
太陽電池モジュールとなる。すなわち、光起電力素子の
裏面配線および表面実装部材が、太陽電池モジュールの
表面に凹凸として反映されないため、美観性に優れる。
【0024】(2)より少量の充填材で光起電力素子の
凹凸を被覆できるため、難燃性の高い太陽電池モジュー
ルとなる。すなわち、燃焼エネルギーの高い有機高分子
樹脂量を減少させることにより難燃性を確保できる。
【0025】(3)少量の充填材で被覆できるため、光
透過率の低下を低減することができる。すなわち太陽電
池モジュールの変換効率の低下を低減することができ
る。
【0026】(4)補強板の一部に凹部を形成すること
により、補強板の剛性を高めることができる。
【0027】前記光起電力素子の受光面側に金属部材に
よる集電電極を設け、さらに起電力を取り出すために出
力端子を前記導電性金属基体と前記集電電極にとりつけ
る事により、(5)光起電力素子の電流を効率よく集電
できる。すなわち、集電電極により効率的に電流を集電
することにより高い発電量を確保できる様になる。
【0028】補強板の凹部が、光起電力素子上に設けら
れた前記出力端子により形成された凸部とかみ合うよう
に形成されていることにより、(6)表面のフラット観
が一層高まり、美観性に優れた太陽電池モジュールとす
ることができる。
【0029】(7)被覆工程において、積層時の位置合
わせが容易になる。すなわち、補強板の凹部と出力端子
の凸部の位置をあわせれば良く、特別な積層治具なしに
積層することができる。
【0030】補強板の凹部の深さは、100μm乃至1
000μmの範囲が望ましい。補強板の凹部の深さが、
100μm乃至1000μmであることにより、(8)
現在の被覆材構成を変えることなく、表面が平滑な太陽
電池モジェールを得ることができる。
【0031】補強板が金属であることにより、(9)耐
衝撃性、耐候性、耐摩耗性に優れた太陽電池モジュール
となる。すなわち、裏面からの衝撃に強い太陽電池モジ
ュールとなるため建物の壁や屋根等としての設置が容易
になる。また、(10)フレキシブルな太陽電池モジュ
ールとすることができる。すなわち、折り曲げ加工など
の加工性に優れた太陽電池モジュールとなる。
【0032】補強板の凹部をプレス加工により形成する
ことにより、(11)凹部の形成が容易であり、低コス
トで様々な形状に加工することができる。
【0033】前記出力端子を構成する金属部材は、その
表面もしくは全体が、銅、銀、半田、ニッケル、亜鉛、
錫から選択される金属からなることができ、(12)特
殊な金属部材を使用する必要が無い。すなわち、補強板
に凹部が形成され、これに光起電力素子の出力端子が入
り込む形であるため、光起電力素子の実装において通常
使用されている金属部材を出力端子に使用することがで
き、材料費を低コストに抑えることができる。
【0034】太陽電池モジュールの非受光面側補強板が
光起電力素子の被覆工程と同時に一体成型されることに
より、(13)製造工程を簡略化することができる。す
なわち、光起電力素子を被覆するのと同時に補強板を貼
り付けることにより製造工程を簡略化し量産性を向上さ
せることができる。
【0035】太陽電池モジュールの受光面側が透明な有
機高分子樹脂により被覆され、最表面は樹脂フィルム層
を設けたことにより、(14)外部からの衝撃から光起
電力素子を保護することができる。すなわち、透明な有
機高分子樹脂により被覆することにより、外部からの引
っ掻き・衝撃を緩和することができる。また、(15)
長期屋外暴露の際の外部からの汚れを防止し、太陽電池
モジュール表面を外部からの汚れから保護することがで
きる。すなわち、最表面に樹脂フィルム層を設けること
により、太陽電池モジュールの変換効率の低下を少なく
することができる。
【0036】前記最表面樹脂フィルム層が、透明なフッ
化物重合体フィルムであることにより、(16)耐候性
・防汚性に優れた被覆となる。すなわち、充填材の透明
有機高分子樹脂と相まって、フッ化物重合体の有する耐
候性が期待でき、さらにフッ化物重合体の撥水性により
表面の汚れを軽減できる。
【0037】前記有機高分子樹脂が、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体であることにより、(17)従来からの太
陽電池モジュールの被覆材として、最も用いられている
樹脂であり、現在の被覆材構成を大きく変更することな
しに太陽電池モジュールを作成することができる。
【0038】前記太陽電池モジュールが一重真空方式に
より貼り合わせ製造することにより、(18)低コスト
な装置で、簡易に太陽電池モジュールを作成することが
できる。特に屋根や壁に設置の大型モジュールをラミネ
ートするためには有効である。
【0039】
【発明の実施の形態】図1に本発明の太陽電池モジュー
ルの概略構成を示す。図1に於いて、101は光起電力
素子、102はガラス繊維不織布、103は封止材ない
し充填材としての透明有機高分子樹脂、104は最表面
に位置する透明な樹脂フィルム(以下、表面透明樹脂フ
ィルムという)、105は裏面に用いる接着剤層、10
6は絶縁体層としての硬質フィルム、107は機械的強
度を増すための補強板、そして108は実装部材を保護
するための化粧テープである。
【0040】外部からの光は、表面被覆材である面透明
樹脂フィルム104及び透明有機高分子樹脂103を透
過して、光起電力素子101に到達し、生じた起電力は
光起電力素子101上の出力端子206a,206b
(図2〜図4参照)より外部に取り出される。206a
はプラス側出力端子、206bはマイナス側出力端子で
ある。補強板107には、その受光面側の一部に、あら
かじめ、これらの出力端子206bによる光起電力素子
101下面上の凸部が入り込む凹部109が形成されて
いる。
【0041】光起電力素子101としては、(1)結晶
シリコン太陽電池、(2)多結晶シリコン太陽電池、
(3)アモルファスシリコン太陽電池、(4)銅インジ
ウムセレナイド太陽電池、(5)化合物半導体太陽電池
など、従来公知な素子を目的に応じて種々選択して用い
て良い。ここではその光起電力素子101の一例とし
て、導電性金属基体上に光変換部材としての半導体層
(半導体光活性層)と透明電極層が形成されたものにつ
いて説明する。
【0042】この光起電力素子101の概略構成を図2
〜図4に示す。図2は光起電力素子101の平面図、図
3はその集電電極を省いた状態で示したA−A′断面
図、図4はそのB−B′断面図である。この図2〜図4
に於いて、201は導電性金属基体、202は裏面反射
層、203は半導体層、204は透明電極層、205は
格子状の集電電極、206aはプラス側出力端子、20
6bはマイナス側出力端子、そして207は絶縁テープ
である。
【0043】導電性金属基体201は、光起電力素子1
01の基体になると同時に、下部電極の役割も果たす。
導電性金属基体201はここではステンレスから成る
が、他の材料、例えば、シリコン、タンタル、モリブデ
ン、タングステン、アルミニウム、銅、チタン、カーボ
ンシート、鉛メッキ鋼板、導電層が形成してある樹脂フ
ィルムやセラミックスなどを用いることもできる。上記
導電性金属基体201上には裏面反射層202として、
Alから成る金属層とZnOから成る金属酸化物層とが
この順序で形成されている。しかし、導電性金属基体2
01上には、金属層のみ、あるいは金属酸化物層のみを
形成しても良い。金属層には、上記Alの他に、例え
ば、Ti,Cr,Mo,W,Ag,Ni,などを用いる
ことができ、また金属酸化物層には、上記ZnOの他
に、例えば、TiO2,SnO2などを用いることができ
る。上記金属層及び金属酸化物層の形成方法としては、
抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法
などがある。
【0044】半導体層203は光電変換を行う部分であ
る。具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリコ
ン、pin接合型アモルファスシリコン、あるいはCu
InSe2,CuInS2,GaAs,CdS/Cu
2S,CdS/CdTe,CdS/InP,cdTe/
Cu2Teをはじめとする化合物半導体などが挙げられ
る。上記半導体層203の形成方法としては、多結晶シ
リコンの場合は溶融シリコンのシート化か非晶質シリコ
ンの熱処理、アモルファスシリコンの場合はシランガス
などを原料とするプラズマCVD、化合物半導体の場合
はイオンプレーティング、イオンビームデポジション、
真空蒸着法、スパッタ法、電析法などがある。
【0045】透明電極層204は太陽電池の上部電極の
役目を果たしている。ここで用いている透明電極層20
4の材料はIn23であるが、他の用い得る材料とし
て、例えば、SnO2,In23−SnO2(ITO),
ZnO,TiO2,Cd2SnO4,高濃度不純物ドープ
した結晶性半導体層などがある。透明電極層204の形
成方法としては、抵抗加熱蒸着、スパッタ法、スプレー
法、CVD法、不純物拡散法などがある。
【0046】透明電極層204の上には電流を効率よく
集電するために、格子状の集電電極205すなわち集電
用のグリッド電極を設けてある。但し、この集電電極は
省くこともできる。集電電極205の具体的な材料とし
ては、例えば、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,N
i,Cu,Sn等の金属ワイヤーあるいはこれらの金属
ワイヤーを導電性樹脂で被覆したもの、銀ペーストをは
じめとする導電性ペーストなどが挙げられる。ここで
は、集電電極205は銅ワイヤーを導電性樹脂で被覆し
たものから成る。集電電極205の形成方法としては、
マスクパターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、C
VD法や、全面に金属膜を蒸着した後で不必要な部分を
エッチングで取り除きパターニングする方法、光CVD
により直接グリッド電極パターンを形成する方法、グリ
ッド電極パターンのネガパターンのマスクを形成した後
にメッキする方法、導電性樹脂で被覆した金属ワイヤー
を加熱圧着する方法、導電性ペーストを印刷する方法な
どがある。導電性ペーストは、通常微粉末状の銀、金、
銅、ニッケル、カーボンなどをバインダーポリマーに分
散させたものが用いられる。バインダーポリマーとして
は、例えば、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アル
キド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタン、フェノ
ールなどの樹脂が挙げられる。
【0047】起電力を取り出すために出力端子206
a,206bを導電性金属基体201と集電電極205
に取り付ける。出力端子206a,206bには、通常
の金属部材、すなわち表面もしくは全体が銅、銀、半
田、ニッケル、亜鉛、錫などの金属部材が用いられる。
導電性金属基体201へは銅タブ等の金属体をスポット
溶接や半田で接合する方法が取られ、集電電極205へ
は金属体を導電性ペーストや半田によって電気的に接続
する方法が取られる。
【0048】絶縁テープ207は、プラス側の出力端子
206aの下側に、導電性金属基体201とプラス側出
力端子206aを絶縁するために貼りつける。出力端子
上で半田付け作業を行なうことも考えられるため、絶縁
テープ207には、耐熱性も要求される。使用される材
料としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、シリコン、ガラスクロス等の単体のテープあるいは
これらのうちの2種類以上を貼り合わせたテープを使用
する。
【0049】上記の手法で作成した光起電力素子101
は、所望する電圧あるいは電流に応じて直列か並列に接
続される。また、これとは別に絶縁化した基板上に光起
電力素子を集積化して所望の電圧あるいは電流を得るこ
ともできる。
【0050】上記の様な、出力端子206a,206b
としての金属部材は、発電領域外である導電性金属基体
201の両端部に取り付けることが一般的である。さら
に、これらを直列化および並列化する際には、これら出
力端子を構成する金属部材に、直列部材あるいは並列部
材を、半田付け等で接続する。すなわち、導電性金属基
体201は、光起電力素子部分(有効領域)に比べ、端
部の出力端子部分は凸になるような構造となる。
【0051】次に、本発明に用いられる被覆材の構成に
ついて詳しく説明する。
【0052】本発明の太陽電池モジュールの被覆材構成
は、図1に示す如くであり、光起電力素子101に対
し、脱気性を向上させる繊維状無機化合物であるガラス
繊維不織布102、充填材である透明有機高分子樹脂1
03、最表面被覆材である表面透明樹脂フィルム10
4、接着剤層105、絶縁体層である硬質フィルム10
6、補強板107、化粧テープ108の各構成要素を持
つ。
【0053】機械的強度を高め、太陽電池モジュール周
囲へのフレームの取り付けを不要とし、あるいは温度変
化による歪やソリを防止する目的で、補強板107を折
り曲げ加工することが行われるが、かかる折り曲げ加工
をする際には、折り曲げ部分には、繊維状無機化合物1
02および硬質フィルム107は含まないことが望まし
い。これは、繊維状無機化合物102を含む場合、折り
曲げ加工、特に非受光面側に補強板107を折り曲げる
加工(下曲げ加工)を行なうと、折り曲げ部分が白化
し、外観上の美観が損なわれること。さらに、白化して
いる部分はすなわち、繊維状無機化合物102が充填材
103により十分に含浸されていないため、その部分に
外部からの水分が侵入し、表面透明樹脂フィルム104
との剥離等を起こすことになること。硬質フィルム10
6が、折り曲げ部分にある場合、その折り曲げの角度お
よび形状は使用している硬質フィルム106の伸び率に
規制されることになること。さらに、長期屋外使用や温
湿度サイクル、高温高湿度環境での使用等により曲げ部
分に応力がかかるため剥離してくる可能性が高いこと、
などの理由による。
【0054】次に本発明に用いられる表面被覆材の材料
について詳しく説明する。
【0055】透明有機高分子樹脂103による充填材
は、光起電力素子101の凹凸を樹脂で被覆し、光起電
力素子101を温度変化、湿度、衝撃などの過酷な外部
環境から守りかつ表面透明樹脂フィルム104と光起電
力素子101との接着を確保するために必要である。し
たがって、耐候性、接着性、充填性、耐熱性、耐寒性、
耐衝撃性が要求される。これらの要求を満たす樹脂とし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリビニルブ
チラール樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。な
かでも、EVAは太陽電池用途としてバランスのとれた
物性を有しており、好んで用いられる。
【0056】ただ、そのままでは熱変形温度が低いため
に容易に高温使用下で変形やクリープを呈するので、架
橋して耐熱性を高めておくことが望ましい。EVAの場
合は有機過酸化物で架橋するのが一般的である。有機過
酸化物による架橋は有機過酸化物から発生する遊離ラジ
カルが樹脂中の水素やハロゲン原子を引き抜いてC−C
結合を形成することによって行われる。有機過酸化物の
活性化方法には、熱分解、レドックス分解およびイオン
分解が知られている。一般には熱分解法が好んで行われ
ている。有機過酸化物の化学構造の具体例としては、ヒ
ドロペルオキシド、ジアルキル(アリル)ペルオキシ
ド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール、ペル
オキシエステル、ペルオキシカルボネートおよびケトン
ペルオキシドなどが挙げられる。なお、有機過酸化物の
添加量は封止材樹脂100重量部に対して0.5乃至5
重量部である。
【0057】上記有機過酸化物を封止材に併用し、真空
下で加圧加熱しながら架橋および熱圧着を行うことが可
能である。加熱温度ならびに時間は各々の有機過酸化物
の熱分解温度特性で決定することができる。一般には熱
分解が90%より好ましくは95%以上進行する温度と
時間をもって加熱加圧を終了する。封止材樹脂の架橋を
確かめるにはゲル分率を測定すれば良く、高温下での封
止材樹脂の変形を防ぐためにはゲル分率が70wt%以
上となるように架橋することが望ましい。
【0058】上記架橋反応を効率良く行うためには、架
橋助剤と呼ばれるトリアリルイソシアヌレート(TAI
C)を用いることも可能である。一般には封止材樹脂1
00重量部に対して1乃至5重量部の添加量である。
【0059】本発明に用いられる封止材の材料は耐候性
において優れたものであるが、更なる耐候性の改良、あ
るいは、封止材下層の保護のために、紫外線吸収剤を併
用することもできる。紫外線吸収剤としては、公知の化
合物が用いられるが、太陽電池モジュールの使用環境を
考慮して低揮発性の紫外線吸収剤を用いることが好まし
い。具体的にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の各種有機化
合物を挙げることができる。
【0060】紫外線吸収剤の他に光安定化剤も同時に添
加すれば、光に対してより安定な封止材となる。代表的
な光安定化剤はヒンダードアミン系光安定化剤である。
ヒンダードアミン系光安定化剤は紫外線吸収剤のように
は紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用すること
によって著しい相乗効果を示す。もちろんヒンダードア
ミン系以外にも光安定化剤として機能するものはある
が、着色している場合が多く本発明の封止材には望まし
くない。
【0061】上記紫外線吸収剤および光安定化剤の添加
量は、封止材樹脂に対してそれぞれ0.1〜1.0wt
%、0.05〜1.0wt%が望ましい。
【0062】さらに、耐熱性・熱加工性の改善のために
酸化防止剤を添加することも可能である。酸化防止剤の
化学構造としてはモノフェノール系、ビスフェノール
系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系がある。酸
化防止剤の添加量は充填材樹脂に対して0.05〜1.
0wt%であることが好ましい。
【0063】より厳しい環境下で太陽電池モジュールの
使用が想定される場合には、充填材としての透明有機高
分子樹脂103と光起電力素子101あるいは表面樹脂
フィルム104との接着力を向上することが好ましい。
さらに、表面被覆材としてガラス繊維不織布102等の
繊維状無機化合物を使用する場合には、これとの接着力
を向上させる必要がある。そのためには、シランカップ
リング処理が有効であり、シランカップリング剤の具体
例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス
(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0064】添加量は、封止材樹脂100重量部に対し
て0.1乃至3重量部が好ましく、0.25乃至1重量
部がより好ましい。
【0065】一方、光起電力素子に到達する光量の減少
をなるべく抑えるために、表面封止材は透明でなくては
ならず、具体的には光透過率が400nm以上800n
m以下の可視光波長領域において80%以上であること
が望ましく、90%以上であることがより望ましい。ま
た、大気からの光の入射を容易にするために、摂氏25
度における屈折率が1.1から2.0であることが好ま
しく、1.1から1.6であることがより好ましい。
【0066】上記添加剤を配合したEVAをシート状に
成型した太陽電池用のEVAシートが上市されている。
例えば、ハイシート工業(株)製のソーラーEVAや
(株)ブリヂストン製のEVASAFE・WGシリーズ
やSPRINGBORN・LABORATORIES・
INC.製のPHOTOCAPなどである。これらを光
起電力素子と表面部材との間に挿入し加熱圧着すること
により容易に太陽電池モジュールを作製できる。
【0067】本発明で用いられるガラス繊維不織布10
2などの繊維状無機化合物は、充填材の量を減少させ
て、耐スクラッチ性を確保しつつ難燃性材料とするため
に必要である。さらに、屋根や壁設置タイプの大型の太
陽電池モジュールでは、ラミネーション時の、モジュー
ル内部の脱気を十分に行なうためにも非常に有効であ
る。使用する繊維状無機化合物としては、ガラス繊維不
織布を用いるのが一般的である。さらに、繊維状無機化
合物と充填材たる透明有機高分子樹脂103との密着力
を向上させるために、繊維状無機化合物の表面にシラン
カップリング処理することが望ましい。
【0068】本発明で用いられる表面透明樹脂フィルム
104は太陽電池モジュールの最表層に位置するため、
透明性、耐候性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、
太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確
保するための性能が必要である。本発明に好適に用いら
れる材料としては、白板強化ガラス、フッ素樹脂フィル
ム、アクリル樹脂フィルムなどがある。白板強化ガラス
は透明性が高く、衝撃にも強くて割れにくいため、太陽
電池モジュールの表面部材として広く用いられている。
【0069】しかし、最近ではモジュールに軽量性、フ
レキシブル性が求められる場合も多く、そのような場合
には樹脂フィルムが表面部材として用いられる。なかで
もフッ素樹脂フィルムは耐候性、耐汚染性に優れている
ため好んで用いられる。具体的にはポリフッ化ビニリデ
ン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂あるいは四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合体などがある。耐候性の観点ではポ
リフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および
機械的強度の両立と透明性では四フッ化エチレン−エチ
レン共重合体が優れている。表面透明樹脂フィルム10
4の厚さは機械的強度の確保のためにある程度厚くなけ
ればならず、またコストの観点からはあまり厚すぎるの
にも問題がある。具体的には、20乃至200マイクロ
メートルが好ましく、より好適には30乃至100マイ
クロメートルである。
【0070】なお、前記封止材との接着性の改良のため
に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、UV照
射、電子線照射、火炎処理等の表面処理を樹脂フィルム
の片面に行うことが望ましい。この中でもプラズマ処理
は、長期にわたり高い接着力が得られるので好適に用い
られる。
【0071】硬質フィルム106は光起電力素子101
の導電性金属基体201と外部との電気的絶縁性を保つ
ために必要である。材料としては、導電性金属基体20
1と充分な電気絶縁性を確保でき、しかも長期耐久性に
優れ熱膨張、熱収縮に耐えられる、柔軟性を兼ね備えた
材料が好ましい。好適に用いられるフィルムとしては、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0072】補強板107は、太陽電池モジュールの機
械的強度を増すために、あるいは、温度変化による歪、
ソリを防止するために必要である。具体的には、鋼板、
プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチッ
ク)板が好ましい。
【0073】本モジュールの補強板107には、あらか
じめその一部に光起電力素子101の出力端子206b
の凸部と嵌り合う凹部109が形成された板を使用す
る。代表的な補強板107の凹部109の形状を図6及
び図7に示す。図6から分かるように、この例の凹部1
09は、補強材の長手方向に平行に延びる2本の溝とし
て形成されている。その凹部109の断面形状は、長方
形断面となっているが、本発明は必ずしも長方形断面に
限定されるものではない。また、補強材の長手方向に垂
直に延びる1又は2以上の溝として形成してもよい。す
なわち、導電性基板200上端部の出力端子部分206
bがちょうど補強板107の凹部109にかみ合い、ラ
ミネートした際には平滑になる様に、補強板107を加
工する。また、導電性基板200の非受光面側に裏面取
り出し用の端子を取りつけている際には、この部分も同
様な加工しておくことが望ましい。凹部109は光起電
力素子101の上部に形成された出力端子206aが、
後述する加熱圧着工程において応力を受けて起こる光起
電力素子101の変形も吸収することができる。
【0074】補強板107として鋼鈑を用いたものは、
折り曲げ加工等の加工性に優れることから、例えば、そ
の長手方向に沿った縁を非受光面側に折り曲げ加工して
機械的強度を高めることにより、従来行なわれているよ
うなフレーム付けを用いる必要のない製品として提供す
ることができる。また、上記のような凹部109を形成
するような加工を行なうにあたっても、プレス加工にて
容易に成型することができる。補強板107の凹部10
9の深さは、100μm乃至1000μmであることが
望ましい。深さが100μm以上であれば、光起電力素
子の凸部を十分に吸収でき、太陽電池モジュール表面が
平滑にはなり好ましい。また、深さが1000μm以下
であれば、溝の部分の脱気がしにくくなり、脱気不良に
なり初期外観も優れないものとなるという問題がなく好
ましい。
【0075】太陽電池モジュール作製の際に、このよう
にプレス加工した補強板107を一体成型することによ
り製造工程を簡略化できる。すなわち、光起電力素子1
01を被覆するのと同時に補強板107を貼り付けるこ
とにより、製造工程を簡略化し量産性を向上させること
ができる。さらに、補強板107を折り曲げ加工するこ
とにより、屋根材や壁材として太陽電池モジュールを使
用することが可能となり、このことは、コストダウンお
よび製造工程の簡略化という意味でも非常に有効であ
る。さらに、補強板として、有機高分子樹脂で塗装され
た鋼鈑を用いることにより耐候性、防錆性に優れた高信
頼性の太陽電池モジュールとすることができる。
【0076】非受光面側に使用する接着剤層105とし
ては、受光面側に用いられものと同様の透明有機高分子
樹脂であってもよい。しかし、非受光面側に使用される
接着剤層105に必要とされる性能としては、受光面側
に必要とされる光や熱等により着色しないことよりも、
光や熱、屋外での使用、温湿度サイクル試験などにおい
て光起電力素子101と硬質フィルム106および補強
板107との接着力が低下しないことである。
【0077】補強板107として、耐候性、防錆性に優
れた表面が有機高分子で被覆された塗装亜鉛鋼鈑などを
用いた場合等は特に接着力が弱く、長期信頼性に大きな
問題がある。従って、有機高分子樹脂すなわちエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル
酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体(EEA)、ポリエチレン、ブチラール樹
脂などのポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、柔軟性を有するエポキシ接着剤の表面に、接
着力強化のために以下の材料をコーティングあるいは貼
り合わせることが望ましい。材料としては、接着剤すな
わちエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ブチラール樹脂
などのポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂などに、粘着性付与樹脂すなわちタッキファイヤ
ー、クマロンインデン樹脂、フェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ポリペンテン樹脂、キシレン・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ポリブテン、ロジン、ロジンペンタエリスリ
トールエステル、ロジングリセリンエステル、水素添加
ロジン、水素添加ロジンメチルエステル、水素添加ロジ
ンペンタエリスリトールエステル、水素添加ロジントリ
エチレングリコールエステル、重合ロジンエステル、脂
肪族石油樹脂、脂肪環石油樹脂、合成ポリテルテン、ペ
ンタジエン樹脂、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン
系樹脂、テルペン−フェノール樹脂等を混合したものが
好ましい。
【0078】さらに、工程の簡略化のために、硬質フィ
ルム106の両側に、上記のような接着剤層105をあ
らかじめ一体積層した材料を用いても良い。
【0079】以上述べた光起電力素子、繊維状無機化合
物、透明有機高分子樹脂、表面透明樹脂フィルム、接着
剤層、硬質フィルム、補強板を用いて、太陽電池モジュ
ールとする方法を、次に説明する。
【0080】光起電力素子101の受光面を被覆するに
は、シート状に成型した透明有機高分子樹脂103を作
製し、これを光起電力素子101の表裏に加熱圧着する
方法が一般的である。ここでの太陽電池モジュールの被
覆構成は、図1に示すような構成である。すなわち、光
起電力素子101、繊維状無機化合物102、透明有機
高分子樹脂103、表面透明樹脂フィルム104、接着
剤層105、硬質フィルム106、接着剤層105、補
強板107、化粧テープ108が、図の順あるいは逆の
順で積層され、加熱圧着されている。しかし、少量の充
填材により光起電力素子を被覆する為にも、樹脂フィル
ムを上にした図の順で積層することがより好適である。
【0081】なお、圧着時の加熱温度及び加熱時間は架
橋反応が十分に進行する温度・時間をもって決定する。
【0082】加熱圧着の方法としては、従来公知である
2重真空排気方式、1重真空排気方式、ロールラミネー
ションなどを、種々選択して用いることができる。なか
でも、1重真空排気方式による加熱圧着は、低コストな
装置で、簡易に太陽電池モジュールを作成することがで
きるため、好ましい方法である。
【0083】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0084】先ず、本実施例における評価方法について
説明する。
【0085】(1)初期外観 太陽電池モジュールの初期外観を目視により評価した。
評価結果は以下のような基準で示す。
【0086】<表面の凹凸について> ○:太陽電池モジュールから2mの距離からモジュール
を観察しても、その凹凸が目立たず美観性に優れている
場合、△:太陽電池モジュールから5mの距離からモジ
ュールを観察しても、その凹凸が目立ず、実使用上問題
がないと考えられる場合、×;太陽電池モジュールから
5mの距離からモジュールを観察しても非常に凹凸が目
立つ場合、として示した。
【0087】<その他について> ○:外観上表面の凹凸以外の欠陥が全くない場合、△:
外観上表面の凹凸以外の欠陥も多少あるが実使用上さし
つかえない場合、×:脱気不良、モジュールの湾曲等表
面の凹凸以外の外観上の欠陥が非常に大きい場合として
示した。
【0088】(2)耐スクラッチ性 図10に示すような方法で、金属部材上、裏面配線上等
の太陽電池モジュール表面の最も凸になっている部分
を、厚さ1mmのカーボンスチール製の板の角を用い
て、荷重F(2ポンド〜5ポンド)をかけて引っ掻き、
引っ掻き後の表面被覆材が外部との絶縁性を保つことが
できるかどうかを評価した。判定は、モジュールを伝導
度3000Ω・cmの電解質溶液に浸して、素子と溶液
の間に2200ボルトの電圧を印加した時の洩れ電流が
50μAを越えた場合を不合格とした。○:5ポンド合
格、△:2ポンド〜4ポンド合格、×:2ポンド不合格
で示した。
【0089】(3)耐候性 サンシャインウエザオメーターに太陽電池モジュールを
投入し、キセノンランプによる光照射と降雨サイクルに
よって、促進耐候性試験を行ない、5000時間後、1
0000時間後の外観上の変化を観察した。〇:外観上
全く変化がない場合、△:外観上の欠陥が多少あるが実
使用上さしつかえない場合、×:被覆材の著しい剥離、
変色があり明かに実使用上さしつかえがある場合、とし
て示した。
【0090】(4)高温高湿度試験 太陽電池モジュールを、85度/85%(相対湿度)下
に、1000時間および3000時間投入した後、太陽
電池モジュールを取り出し、外観上の変化を目視により
行なった。
【0091】外観上の変化に対しては、評価結果は、以
下のような基準で示す。すなわち、○:外観上の欠陥が
全くない場合、△:外観上の欠陥が多少あるが実使用上
さしつかえない場合、×:剥離、変色、モジュールの湾
曲等外観上の欠陥が非常に大きい場合。
【0092】(5)温湿度サイクル −40℃/1時間、85℃/85%RH/20時間の温
湿度サイクル試験を100サイクル行い、試験後の太陽
電池モジュールの外観上の変化を観察した。外観上の変
化に対しては、評価結果は、以下のような基準で示す。
すなわち、○:外観上の欠陥が全くない場合、△:外観
上の欠陥が多少あるが実使用上さしつかえない場合、
×:剥離、変色、モジュールの湾曲等外観上の欠陥が非
常に大きい場合。
【0093】(実施例1) 〔光起電力素子〕まず、アモルファスシリコン(a−S
i)太陽電池(光起電力素子)を製作する。作製手順を
図2〜図4を用いて説明する。
【0094】導電性金属基体201として洗浄したステ
ンレス基板を用意し、その上に、スパッタ法で裏面反射
層202としてAl層(膜厚5000Å)とZno層
(膜厚5000Å)を順次形成する。次いで、プラズマ
CVD法により、SiH4とPH3とH2の混合ガスから
n型a−Si層を、SiH4とH2の混合ガスからi型a
−Si層を、SiH4とBF3とH2の混合ガスからp型
微結晶μc−Si層を形成し、n層膜厚150Å/i層
膜厚4000Å/p層膜厚100Å/n層膜厚100Å
/i層膜厚800Å/p層膜厚100Åの層構成のタン
デム型a−Si光電変換半導体層203を形成した。次
に、透明電極層204として、In23薄膜(膜厚70
0Å)を、O2雰囲気下でInを抵抗加熱法で蒸着する
事によって形成した。さらに、格子状の集電電極205
として、銅ワイヤー(φ=100μm)に導電性樹脂か
らなる被覆層を用いた集電用のグリッド電極(φ=15
0μm)を、透明電極層204に加熱圧着することによ
り形成した。最後に、発電領域の外側にプラス側端子2
06aを両面銀メッキ銅タブ(厚み=100μm)によ
り形成し、集電用グリッド電極に取りつけた。但し、発
電領域外すなわちマイナス領域にプラス側端子を取りつ
けるため絶縁体層として絶縁テープ207を集電電極2
05の下側に貼り付ける。
【0095】また、マイナス側端子206bとして銅タ
ブを、ステンレス基体(201)に、ステンレス半田3
02を用いて取り付けて出力端子とし、光起電力素子1
01を得た。
【0096】〔セルブロック〕上記素子を直列に接続し
て太陽電池セルブロック300を作製する方法を、図5
を用いて説明する。
【0097】各光起電力素子101を並べた後、隣り合
う素子の一方の素子のプラス側端子206aと、他方の
素子のマイナス側端子206bとを、銅タブ301で半
田302を用いて接続する。その際、銅タブ301の下
側には、絶縁を完全なものとするため絶縁テープ303
を介在させた。このようにして10個の光起電力素子1
01を直列化した太陽電池セルブロックを得た。このセ
ルブロックの外径寸法は350mm×2400mmとし
た。この際、一番端の素子のプラス側出力端子206a
から銅タブ301を裏面に回して、後に述べる裏面被覆
層の穴から出力を取り出せるようにした。
【0098】〔モジュール化〕上記光起電力素子を被覆
して太陽電池モジュールを作製する方法を、図8を用い
て説明する。
【0099】光起電力素子101により構成されるセル
ブロック300、繊維状無機化合物502、受光面側透
明有機高分子樹脂103、表面透明樹脂フィルム10
4、繊維状無機化合物505,裏面一体積層フィルム5
06、補強板107を用意し、これらを積層することに
より作成した。また、セルブロックの光起電力素子10
1上には化粧テープ508を積層した。
【0100】(繊維状無機化合物)織維状無機化合物5
02として、目付量80g/m2、厚さ400μm、結
着剤アクリル樹脂4.0%含有、線径10μmのガラス
不織布を用意した。
【0101】また、繊維状無機化合物505として、目
付量20g/m2、厚さ100μm、結着剤アクリル樹
脂4.0%含有、線径10μmのガラス不織布を用意し
た。
【0102】(受光面側透明有機高分子樹脂)充填剤と
してエチレン−酢酸ビニル(酢酸ビニル33重量%、メ
ルトフローレート30)100重量部と架橋剤として
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンを1.5重量部、UV吸収剤として2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンを0.3
重量部、酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニ
ル)フォスファイトを0.2重量部、光安定化剤として
(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)
セパケートを0.1重量部を混合し、460μm厚みの
シートを用意した。
【0103】(表面透明樹脂フィルム)表面樹脂フィル
ム104として、無延伸のエチレン−テトラフルオロエ
チレンフィルム(厚さ50μm)を用意した。受光面側
透明有機高分子樹脂103との接着面には、あらかじめ
プラズマ処理を施した。
【0104】(裏面一体積層フィルム)一体積層フィル
ム506は、接着剤層105及び絶縁体層(106)と
して、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
(厚さ200μm)とポリエチレン(PE)樹脂(厚さ
25μm)、絶縁フィルム2軸延伸のポリエチレンテレ
フタレートフィルム(PET)(厚さ50μm)を、E
EA/PE/PET/PE/EEAの順で一体積層し、
総厚さ500μmとした一体積層フィルムを用意した。
【0105】(補強板)補強板107としては、ガルバ
リウム鋼鈑(アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シ
リコン1.6%が一体となったアルミ・亜鉛合金メッキ
鋼鈑)に、一方にはポリエステル系塗料をコートし、も
う一方にはガラス繊維を添加したポリエステル系塗料を
コートした鋼鈑を用意した。厚みは、400μmの鋼鈑
とした。この鋼板107に、セルブロック300のマイ
ナス側の端子部分に、幅10mm、深さ600μmの凹
部109をプレス成型した。
【0106】(化粧テープ)化粧テープ108として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚さ50μm、色黒色)の片側に、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(厚さ460μm)を一体積層したEVA
/PETのフィルムを用意した。
【0107】(大きさ)繊維状無機化合物502,50
5は、セルブロック300よりも各辺5mm大きい物を
用意した。裏面一体積層フィルム506は、セルブロッ
ク300よりも各辺15mm大きいものを用意した。
【0108】補強板107は、セルブロック300より
も各辺80mm大きいものを用意した。
【0109】透明有機高分子樹脂103および表面透明
樹脂フィルム104は、セルブロック300よりも各辺
90mm大きいものを用意した。
【0110】化粧テープ108は、20mm幅でセルブ
ロック300の長さと同様のものを用意した。
【0111】(被覆工程)表面透明樹脂フィルム104
/受光面側透明有機高分子樹脂103/繊維状無機化合
物(80g/m2)5O2/セルブロック300/繊維
状無機化合物(20g/m2)505/裏面一体積層フ
ィルム506/補強板107の順に重ねて、太陽電池モ
ジュール積層体601(図9)とした。また、集電電極
上に化粧テープ508を積層した。
【0112】この積層体601を、図9に示すように、
一重真空方式のラミネート装置のプレート602上に、
アルミメッシュ603、発泡材604、PTFE605
の順で積層した。そして、この上に積層体601を重
ね、さらにPTFE606、シリコンラバーシート60
7を重ねた。なお、積層体601はETFE側を上にし
ておいた。
【0113】次いで、穴の空いたパイプを通して、真空
ポンプを用いて排気し、ラバーシート607をプレート
602に吸着させた。この時の排気速度は、76Tor
r/sec.とし、内部の真空度5Torrで30分間
排気した。このプレートを、あらかじめ150度雰囲気
とした熱風オーブンの中に投入し、プレート温度が15
0度に昇温してから30分間その温度を保持することに
より、EVAの溶融と架橋反応を行った。その後、プレ
ートをオーブンより取り出し、ファンで風を送りプレー
トを40度以下にまで冷却してから排気を止め、太陽電
池モジュールを取り出した。取り出し後、補強板107
より大きい被覆材は、補強板107の端部に合わせてカ
ットし、さらに、補強板107の長辺側端部を折り曲げ
加工した。出力端子はあらかじめ光起電力素子101の
裏面にまわしておき、ラミネート後、ガルバリウム鋼板
(107)に予め開けておいた端子取り出し口(裏面被
覆層の穴)から出力が取り出せるようにした。
【0114】(実施例2)実施例1において、2重真空
方式のラミネート装置を用いて貼り合わせたこと以外は
同様にして太陽電池モジュールを作成した。
【0115】(実施例3)実施例1において充填材とし
て、エチレン−アクリル酸エチル(EEA)(アクリル
酸エチル25重量%)100重量部と架橋剤として2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンを3重量部、UV吸収剤として2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノンを0.3重量部、
酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)フォ
スファイトを0.2重量部、光安定化剤としてビス
(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)
セパケートを0.1重量部を混合し、460μm厚みの
シートを用意したこと以外は同様にして太陽電池モジュ
ールを作成した。
【0116】(実施例4)実施例1において、最表面被
覆材(104)としてガラスを用いて、積層をガラスを
一番下になるように行なったこと以外は同様にして太陽
電池モジュールを作成した。
【0117】(比較例1)実施例1において、補強板1
07として凹凸の無い平鋼板を使用したこと以外は同様
にして太陽電池モジュールを作成した。
【0118】(比較例2)実施例4において、補強板1
07として凹凸109の無い平鋼板を使用したこと以外
は同様にして太陽電池モジュールを作成した。
【0119】以上述べた実施例および比較例で作成した
太陽電池モジュールについての評価結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】表1から明らかなように、実施例1〜4の
太陽電池モジュールは、表面の凹凸もなく、また脱気不
良・充填不良もない初期外観に優れた太陽電池モジュー
ルとなった。また、耐スクラッチ性に関しても、すべて
5ポンド以上であり使用時の安全性にも優れている。ま
た耐候性試験においては、実施例3および実施例4にお
いて10000時間後に若干の剥離が認められたが、極
微小であり、実使用に際しては全く問題ないレベルであ
る。さらに、高温高湿度試験および温湿度サイクル試験
においては、試験後にも外観上の変化は全くなく非常に
良好であった。
【0122】また、補強材に深さ10μmの凹部を設け
た実施例5においても、深さが浅いために若干の凹凸が
太陽電池モジェール表面に観察される。耐候性試験・高
温高湿度試験においても比較例1同様にガラス繊維の浮
き出しが見られる。
【0123】補強板の凹部の深さが2000μmとした
実施例6においては、光起電力素子の凹凸は吸収できる
が溝の部分の脱気が十分に行なえず、脱気不良となりガ
ラス繊維の浮き出しが見られた。また、耐候性試験を行
なうと、ガラス繊維の浮き出している部分がさらに進行
し、モジュール全体に広がった。高温高湿度試験・温湿
度サイクル試験を行なった結果、裏面が膨らみ剥離して
きた。
【0124】これに対して、補強板として凹凸のない平
板を使用した比較例1においては、表面上も凹凸が非常
に目立ち美観性に劣るモジュールとなった。また、耐候
性試験及び高温高湿度試験においても充填材の厚みの薄
くなった部分部分でガラス繊維の浮き出しが見られ、こ
の部分に水分が侵入し電気絶縁性も低下させた。
【0125】最表面被覆材としてガラスを用いて、さら
に補強板に平板を使用した比較例2では、初期において
充填不良が発生した。これは、ガラスを用いているため
光起電力素子の凹凸に追従することができないために起
こったと考えられる。初期に充填不良が大きいため、そ
の後の環境試験においても良い結果は得られなかった。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、透明な有機高分子樹脂
と最表面の透明な樹脂フィルムとを少なくとも含む被覆
材で光起電力素子の光入射側の表面を封止し、光非受光
面側に補強板を設けた太陽電池モジュールにおいて、あ
らかじめ前記補強板の一部に光起電力素子上に設けられ
た凸部の入り込む凹部が形成されている補強板を用いる
ものであるので、光起電力素子の形状にかかわらず、太
陽電池モジュール表面の凹凸がなく平滑で美観性に優
れ、かつ使用する樹脂量が少ない難燃性の太陽電池モジ
ュールを作成することができる。また長期の野外使用に
際して、信頼性の高い太陽電池モジュールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの概略断面図であ
る。
【図2】図1の太陽電池モジュールで使用する光起電力
素子の基本構成を示す概略平面図である。
【図3】図2の光起電力素子を、その集電電極を省いた
状態で示したA−A′断面図である。
【図4】図1の光起電力素子の一部を示すB−B′断面
図である。
【図5】直列化した光起電力素子の概略断面図である。
【図6】本発明における補強板の代表的な形状を示した
平面図である。
【図7】図6に示した本発明の補強板のa−a′断面と
それに対する光起電力素子の対応関係を示した断面図で
ある。
【図8】本発明の実施例1に係る太陽電池モジュールの
概略断面図である。
【図9】本発明の実施例1に係る太陽電池モジュールの
被覆工程におけるラミネート装置での積層断面図であ
る。
【図10】本発明の耐スクラッチ試験の説明図である。
【図11】従来の太陽電池モジュールの一例の概略断面
図である。
【符号の説明】
101 光起電力素子 102 ガラス繊維不織布(繊維状無機化合物) 103 透明有機高分子樹脂(充填材) 104 表面透明樹脂フィルム 105 裏面接着剤層 106 硬質フィルム(絶縁体層) 107 補強板 108 化粧テープ 109 補強板の凹部 200 導電性基板 201 導電性金属基体 202 裏面反射層 203 半導体層(半導体光活性層) 204 透明電極層 205 格子状の集電電極(集電用のグリッド電極) 206a プラス側出力端子 206b マイナス側出力端子 207 絶縁テープ 300 セルブロック 301 銅タブ(直列部材) 302 半田 303 絶縁テープ 304 銅タブ 408a プラスの出力端子穴 408b マイナスの出力端子穴 502,505 繊維状無機化合物 506 裏面一体積層フィルム 601 太陽電池モジュール積層体 602 ラミネート装置プレート 603 アルミメッシュ 604 発泡材 605,606 PTFE 607 シリコンラバーシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な有機高分子樹脂と最表面の透明な
    樹脂フィルムとを少なくとも含む被覆材で光起電力素子
    の光入射側の表面を封止し、光起電力素子の光非受光面
    側に補強板を設けた太陽電池モジュールにおいて、前記
    補強板の一部に光起電力素子上に設けられた凸部の入り
    込む凹部が形成されていることを特徴とする太陽電池モ
    ジュール。
  2. 【請求項2】 前記補強板の凹部が、光起電力素子上に
    設けられた出力端子により形成される凸部とかみ合うよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1記載の太
    陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記補強板の凹部の深さが100μm〜
    1000μmであることを特徴とする請求項1乃至2記
    載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記凹部が補強材の2方向以上に複数形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の太
    陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記凹部が補強材の長手方向に平行に形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至4記載の太
    陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記凹部が補強材の長手方向に垂直に形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至4記載の太
    陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記補強板が金属であることを特徴とす
    る請求項1乃至5記載の太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記補強板の厚みが1500μm以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至7記載の太陽電池モ
    ジュール。
  9. 【請求項9】 前記補強板の凹部がプレス加工により形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至8記載の太
    陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 前記プレス加工した補強板の非受光面
    側は平板であることを特徴とする請求項1乃至9記載の
    太陽電池モジュール。
  11. 【請求項11】 前記太陽電池モジュールの非受光面側
    に補強板が一体成型されていることを特徴とする請求項
    1乃至10記載の太陽電池モジュール。
  12. 【請求項12】 前記光起電力素子の受光面側には光発
    電領域上に集電電極を、非光発電領域上には起電力を取
    り出すための出力端子をとりつけたことを特徴とする請
    求項1乃至11記載の太陽電池モジュール。
  13. 【請求項13】 前記太陽電池モジュールが一重真空方
    式により貼り合わせ製造されたものであることを特徴と
    する請求項1乃至12記載の太陽電池モジュール。
  14. 【請求項14】 透明な有機高分子樹脂と最表面の透明
    な樹脂フィルムとを少なくとも含む被覆材で光起電力素
    子の光入射側の表面を封止し、光起電力素子の光非受光
    面側に補強板を設けた太陽電池モジュールの製造方法に
    おいて、あらかじめ前記補強板の一部に光起電力素子上
    に設けられた凸部の入り込む凹部を形成することを特徴
    とする太陽電池モジュールの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記補強板の凹部が、光起電力素子上
    に設けられた出力端子により形成される凸部とかみ合う
    ように形成されていることを特徴とする請求項14記載
    の太陽電池モジュールの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記補強板の凹部の深さが100μm
    〜1000μmであることを特徴とする請求項13乃至
    15記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記凹部が補強材の2方向以上に複数
    形成されていることを特徴とする請求項13乃至16記
    載の太陽電池モジュール。
  18. 【請求項18】 前記凹部が補強材の長手方向に平行に
    形成されていることを特徴とする請求項13乃至17記
    載の太陽電池モジュール。
  19. 【請求項19】 前記凹部が補強材の長手方向に垂直に
    形成されていることを特徴とする請求項13乃至17記
    載の太陽電池モジュール。
  20. 【請求項20】 前記補強板が金属であることを特徴と
    する請求項13乃至19記載の太陽電池モジュールの製
    造方法。
  21. 【請求項21】 前記補強板の厚みが1500μm以下
    であることを特徴とする請求項13乃至20記載の太陽
    電池モジュールの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記補強板の凹部がプレス加工により
    形成されていることを特徴とする請求項13乃至21記
    載の太陽電池モジュールの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記プレス加工した補強板の非受光面
    側は平板であることを特徴とする請求項13乃至22記
    載の太陽電池モジュールの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記太陽電池モジュールの非受光面側
    補強板が光起電力素子の被覆工程と同時に一体成型され
    ることを特徴とする請求項13乃至23記載の太陽電池
    モジュールの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記光起電力素子の受光面側には光発
    電領域上に集電電極を、非光発電領域上には起電力を取
    り出すための出力端子をとりつけたことを特徴とする請
    求項13乃至24記載の太陽電池モジュールの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 前記太陽電池モジュールを一重真空方
    式により貼り合わせ製造することを特徴とする請求項1
    3乃至25記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001144312A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Fuji Electric Co Ltd 薄膜太陽電池モジュールの製造方法とその製造装置
WO2012176483A1 (ja) * 2011-06-20 2012-12-27 富士電機株式会社 フレキシブル太陽電池モジュールおよびその延焼防止シート
JP2013513962A (ja) * 2009-12-15 2013-04-22 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 弾性接触要素を有する電気および/または電子デバイス
WO2014034006A1 (ja) * 2012-09-03 2014-03-06 三菱電機株式会社 太陽電池素子および太陽電池モジュール

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