JPH1027920A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JPH1027920A
JPH1027920A JP8182572A JP18257296A JPH1027920A JP H1027920 A JPH1027920 A JP H1027920A JP 8182572 A JP8182572 A JP 8182572A JP 18257296 A JP18257296 A JP 18257296A JP H1027920 A JPH1027920 A JP H1027920A
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JP
Japan
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solar cell
cell module
module according
organic polymer
polymer resin
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JP8182572A
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English (en)
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Ayako Komori
綾子 小森
Satoshi Yamada
聡 山田
Takahiro Mori
隆弘 森
Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Ichiro Kataoka
一郎 片岡
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 太陽電池モジュールをラミネートする際の脱
気性に優れ、かつ、長期屋外使用および温湿度サイクル
試験に際しても、太陽電池モジュール内部へ侵入する水
分を抑制できる、太陽電池モジュールを提供する。 【解決手段】 太陽電池モジュールは、光起電力素子1
01を、少なくとも透明有機高分子樹脂103で封止し
た太陽電池モジュールにおいて、前記光起電力素子10
1の対向する二辺の非受光面側に、前記太陽電池モジュ
ールの端部まで伸びた短冊状有機高分子樹脂105を設
けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産素上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュールに
係る。より詳細には、モジュールをラミネートする際の
脱気性に優れ、かつ、モジュール内部へ侵入する水分を
抑制できる、太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性金属基板上に、例えばシリ
コンからなる半導体光活性層、透明導電層を順次重ねて
設けた、アモルファスシリコン太陽電池を代表とする薄
膜太陽電池は、軽量で、かつ、耐衝撃性やフレキシブル
性に富んでいるため、太陽電池モジュールを構成する光
起電力素子として有望視されている。
【0003】しかし、ガラス基板上に半導体光活性層を
設けた太陽電池では、ガラス基板が光入射側となるた
め、ガラス基板上に保護層を設ける必要はないのに対し
て、導電性金属基板上に薄膜からなる半導体光活性層を
有する太陽電池では、半導体光活性層の光入射側表面を
透明な被覆材で覆い、太陽電池を保護する必要がある。
【0004】従来、この被覆材としては、4フッ化エチ
レン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等からなる
フッ素系樹脂フィルムや、フッ素系樹脂塗料等を用いた
透明なフッ化物重合体薄膜が用いられている。このフッ
化物重合体は、耐候性・撥水性に優れているため、樹脂
の劣化による黄変・白濁あるいは表面の汚れによる光透
過率の滅少に起因する太陽電池モジュールの変換効率の
低下を少なくすることができる。特に、半導体光活性層
がアモルファスシリコンの場合には、そのフレキシブル
性を十分に活かした、柔軟性を有する太陽電池モジュー
ルが得られる。
【0005】また、被覆材の内側には、種々の透明有機
高分子樹脂からなる充填材が設けられる。この透明有機
高分子樹脂は、安価であり内部の光起電力素子を保護す
るための充填材として大量に用いることができ、耐熱性
および耐候性に優れた、特性を有する必要があるため、
例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好適
に用いられる。
【0006】ところが、光入射側最表面の被覆材として
フッ化物重合体薄膜等からなる樹脂フィルムを用いた太
陽電池モジュールは、光入射側最表面がガラス基板であ
る太陽電池モジュールに比ベて、耐スクラッチ性が劣
る。そのため、充填材として用いられる有機高分子樹脂
中に、ガラス繊維不織布などの繊維状無機化合物を含浸
させ表面被覆材として用いることが多い。この繊維状無
機化合物を含浸させた表面被覆材は、屋根や壁設置タイ
プの大型の太陽電池モジュールの場合にも用いられる
が、この場合にはラミネーション時のモジュール内部の
脱気性を向上させる働きも大きい。
【0007】図5は、上述した従来の太陽電池モジュー
ルの一例である。図5において、503はフッ化物重合
体薄膜層、502は熱可塑性透明有機樹脂、501は光
起電力素子、504は絶縁体層、505は補強材であ
る。
【0008】フッ化物重合体薄膜層503としては、例
えばETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム
等のフッ素樹脂フィルムが用いられる。熱可塑性透明有
機樹脂502としては、例えばEVA(エチレン−酢酸
ビニル共重合体)、ブチラール樹脂等が挙げられる。ま
た、絶縁体層504としては、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ナイロンフィルム、アルミラミネートテ
ドラーフィルムをはじめとする種々の有機樹脂硬質フィ
ルムが使用でき、補強材505としては、塗装亜鉛鋼板
のような絶縁処理した金属、カーボンファイバー、FR
P(ガラス繊維強化プラスチック)等が好適に用いられ
る。
【0009】図5に示した熱可塑性透明有機樹脂502
は、光起電力素子501とフッ素樹脂フィルム503
及び絶縁体層504との接着剤としての役割と、絶縁
体層504と補強材505との接着剤としての役割と、
外部からの引っかき、衝撃等から太陽電池を保護する
充填材の役割をはたしている。
【0010】しかしながら、ガラス繊維等の繊維状無機
化合物を太陽電池モジュールの端部に露出している場
合、外部からの水分が侵入し、電気絶縁性が低下した
り、剥離等が発生して外観不良を起こすという問題があ
った。これは、ガラス等の無機化合物とそれを含浸して
いる透明有機高分子樹脂との密着力が低いため、ガラス
繊維をつたって水分が侵入してしまうと考えられる。
【0011】この密着力を向上させる対策としては、ガ
ラス繊維表面にシランカップリング処理などの表面処理
を施し、さらにそれを充填する透明有機高分子樹脂にも
シランカップリング処理を施すことにより、水分の侵入
を抑制できる方法が提案されている。
【0012】しかし、これらの処理を行なっても、太陽
電池モジュールを長期間、屋外使用した場合、ガラス繊
維の末端部から水分が毛細管現象のように侵入し、いっ
たん侵入した水分は、表面処理を劣化させ、さらなる水
分の侵入を促す結果になることが分かった。
【0013】この防止策としては、ガラス織維を太陽電
池モジュール端部に露出させないことや、末端部分の少
ないガラス繊維を用いることが開示されている。例え
ば、特公昭62−33756号公報では、外部から被覆
材中ヘの水分の侵入を少なくする為に、末端部の少ない
ガラス繊維を太陽電池素子の両面に配置し、さらにその
末端部分は充填材用樹脂内に封止した太陽電池モジュー
ルが開示されている。
【0014】しかし、特公昭62−33756号公報に
開示された技術では、繊維状無機化合物のもう一つの大
きな役割である、太陽電池モジュールがラミネートされ
る時の脱気性が阻害されるという問題点があった。すな
わち、従来は、繊維状無機化合物がモジュール端部にま
で存在することにより、有機高分子樹脂同士および有機
高分子樹脂と樹脂フィルム等が密着してしまうのを防止
し、被覆材内部の脱気を完全なものとすることができた
が、長期信頼性を向上させるため、繊維状無機化合物を
モジュールの末端に露出しないと、この脱気性が低下
し、太陽電池モジュール内部に気泡が残ってしまう。そ
の結果、初期における外観は良好であっても、屋外使用
および温湿度サイクル試験などにより、剥れが生じると
いう問題が生じた。この現象は、屋根や壁設置型の大型
の太陽電池モジュールにおいては、特に深刻な問題であ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽電池モ
ジュールをラミネートする際の脱気性に優れ、かつ、長
期屋外使用および温湿度サイクル試験に際しても、太陽
電池モジュール内部へ侵入する水分を抑制できる、太陽
電池モジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような
方法が最良であることを見いだした。
【0017】本発明に係る太陽電池モジュールは、光起
電力素子を、少なくとも透明有機高分子樹脂で封止した
太陽電池モジュールにおいて、前記光起電力素子の対向
する二辺の非受光面側に、前記太陽電池モジュールの端
部まで伸びた短冊状の有機高分子樹脂層を設けたため、
モジュールをラミネートする際の脱気性に優れた太陽電
池モジュールとなる。すなわち、ラミネート時に十分な
脱気が行なえるため、初期外観が良好であるばかりでな
く、温湿度サイクル試験および長期屋外使用に際して
も、剥離等の欠陥のない信頼性の高い太陽電池モジュー
ルが得られる。
【0018】前記太陽電池モジュールの受光面側の最表
面に、透明樹脂フィルムを設けたため、フレキシブルか
つ軽量な太陽電池モジュールが得られる。
【0019】前記太陽電池モジュールの非受光面側に、
補強材を貼り付けて設けたため、耐衝撃性に優れた太陽
電池モジュールとなる。すなわち、両面からの衝撃に強
い太陽電池モジュールとなるため、建物の壁や屋根等へ
の設置が安易に行なえるようになる。
【0020】前記補強材が金属であることにより、耐候
性・耐摩耗性に優れた太陽電池モジュールとなる。ま
た、フレキシブルな太陽電池モジュールとすることもで
きる。
【0021】前記透明有機高分子樹脂は、繊維状無機化
合物を含有しているため、多量の有機高分子樹脂を使用
することなく、耐スクラッチ性を確保できる。すなわ
ち、燃焼エネルギーの高い有機高分子樹脂の使用が少量
で済むため、難燃性に優れた太陽電池モジュールが得ら
れる。
【0022】前記繊維状無機化合物が、太陽電池モジュ
ールの端部に存在しないことから、温湿度サイクル試験
および長期屋外使用に際しても、剥離・電気絶縁性の低
下のない、信頼性の高い太陽電池モジュールが得られ
る。すなわち、繊維状無機化合物がモジュール端部に位
置しないことにより、外部からの水分の侵入のない太陽
電池モジュールとすることができる。
【0023】前記補強材が、前記光起電力素子よりも大
きな面積であるため、容易に太陽電池モジュールの形状
を加工することが可能である。すなわち、光起電力素子
の形状を変えることなく、太陽電池モジュールの形状を
変化、加工させることができる。
【0024】前記短冊状の有機高分子樹脂が、前記透明
有機高分子樹脂層と同一材料であることにより、耐候性
・耐熱性などに優れた、表面被覆材としても使用してい
る樹脂を、大きな変更なく用いることができる。
【0025】前記透明樹脂フィルムが、フッ化物重合体
フィルムであることにより、耐侯性、防汚性に優れた被
覆が可能となる。すなわち、充填材の透明有機高分子樹
脂とあいまって、フッ化物重合体の有する耐候性が期待
でき、さらにフッ化物重合体の高い撥水性により表面の
汚れも軽減できる。
【0026】前記フッ化物重合体フィルムが、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)である
ことにより、耐候性、透明性および機械的強度の優れた
被覆材が得られる。
【0027】前記フッ化物重合体フィルムは、前記透明
有機高分子樹脂と接する面に、コロナ放電処理あるいは
プラズマ放電処理が施されているため、接着力の優れた
長期信頼性の高い被覆材が得られる。すなわち、樹脂フ
ィルムと透明有機高分子樹脂を適正化し、初期における
樹脂フィルムと透明有機高分子樹脂との接着力接着力を
向上することはもちろん、長期屋外暴露後の接着力にお
いても高い信頼性の持てる被覆材となる。
【0028】前記透明有機高分子樹脂が、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)であるため、従来から太陽
電池モジュールの被覆材として多用された高い実績が利
用でき、かつ、現在の被覆材構成を大きく変更すること
なしに上述した効果を得ることができる。
【0029】前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)が、有機過酸化物によって架橋されているため、高
温での使用の際にも変形することなく、内部の光起電力
素子を保護することが可能となる。
【0030】前記透明有機高分子樹脂が、シランカップ
リング処理されているため、繊維状無機化合物および導
電性基板、補強材との接着力が向上し、水分の侵入を抑
制できる。
【0031】前記繊維状無機化合物が、シランカップリ
ング処理されているため、有機高分子樹脂との接着力が
さらに向上する。すなわち、水分の侵入の抑制がさらに
確実に行なえる。
【0032】前記繊維状無機化合物が、ガラス繊維不織
布であることから、安価な材料で太陽電池モジュールを
作製できる。
【0033】前記光起電力素子と前記補強材の間に、硬
質フィルムを有するため、光起電力素子の実装部分の凸
部が補強材と接することで防止することができる。
【0034】前記硬質フィルムが、絶縁破壊電圧10k
V以上のフィルムであることから、外部との電気絶縁性
が確保でき、安全性の高い太陽電池モジュールとするこ
とができる。
【0035】前記硬質フィルムが、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロンの中から選ばれ
るため、安価な汎用樹脂フィルムとすることにより、大
きな材料コストの上昇なしに太陽電池モジュールを作製
できる。
【0036】前記太陽電池モジュールが、1重真空排気
方式により貼り合わせ製造されるため、低コストな装置
で、簡易に太陽電池モジュールを作製できる。大型の太
陽電池モジュールをラミネートするためには、特に有効
である。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る太陽電池モ
ジュールの概略構成図である。図1において、101は
光起電力素子、102はガラス繊維不織布からなる繊維
状無機化合物、103は充填材として設けた透明有機高
分子樹脂、104は最表面に位置する透明樹脂フィル
ム、105は短冊状有機高分子樹脂、106は光起電力
素子の裏面に設けた裏面接着剤層、107は絶縁層とし
て設けた硬質フィルム、108は補強材、109は化粧
テープである。外部から入射する光は、表面被覆材(1
04、103及び102)を透過して、光起電力素子1
01に到達し、生じた起電力は出力端子(不図示)から
外部に取り出される。
【0038】(光起電力素子)本発明に係る光起電力素
子101としては、例えば、結晶シリコン太陽電池、多
結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、銅インジウムセレナイド太陽電池、化合物半導体太
陽電池など、従来公知な素子を目的に応じて種々選択し
て用いて構わない。図1における光起電力素子101
は、その一例であり、導電性基体上に光変換部材として
の半導体光活性層と透明導電層が形成されたものであ
る。
【0039】図2は、光起電力素子101の概略構成図
であり、201は導電性基体、202は裏面反射層、2
03は半導体光活性層、204は透明導電層、205は
集電電極、206は出力端子である。
【0040】導電性基体201は光起電力素子の基体に
なると同時に、下部電極の役割も果たす。その材料とし
ては、例えばシリコン、タンタル、モリブデン、タング
ステン、ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カー
ボンシート、鉛メッキ鋼板、導電層が形成してある樹脂
フィルムやセラミックスなどが挙げられる。このような
導電性基体210の上に、裏面反射層202として、金
属層、金属酸化物層、又は、金属層と金属酸化物層、を
形成しても良い。金属層には、例えばTi、Cr、M
o、W、Al、Ag、Niなどが用いられ、金属酸化物
層には、例えばZnO、TiO2、SnO2などが用いら
れる。上記金属層及び金属酸化物層の形成方法として
は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリン
グ法などが挙げられる。
【0041】半導体光活性層203は光電変換を行う部
分である。その具体的な材料としては、例えばpn接合
型多結晶シリコン、pin接合型アモルファスシリコ
ン、あるいはCuInSe2、CuInS、GaAs、
CdS/Cu2S、CdS/CdTe、CdS/In
P、CdTe/Cu2Teをはじめとする化合物半導体
などが挙げられる。上記半導体光活性層の形成方法とし
ては、多結晶シリコンの場合は溶融シリコンのシート
化、あるいは非晶質シリコンの熱処理法、アモルファス
シリコンの場合はシランガスなどを原料とするプラズマ
CVD法、化合物半導体の場合はイオンプレーティング
法、イオンビームデポジション法、真空蒸着法、スパッ
タ法、電析法などがある。
【0042】透明導電層204は太陽電池の上部電極の
役目を果たしている。その具体的な材料としては、例え
ばIn23、SnO2、In23−SnO2(ITO)、
ZnO、TiO2、Cd2SnO4、高濃度不純物をドー
プした結晶性半導体などが挙げられる。透明導電層の形
成方法としては、抵抗加熱蒸着、スパッタ法、スプレー
法、CVD法、不純物拡散法などがある。
【0043】透明導電層の上には電流を効率よく集電す
るために、格子状の集電電極205(グリッド)を設け
てもよい。集電電極の具体的な材料としては、例えばT
i、Cr、Mo、W、Al、Ag、Ni、Cu、Sn、
あるいは銀ペーストをはじめとする導電性ペーストなど
が挙げられる。集電電極の形成方法としては、マスクパ
ターンを用いたスパッタリング法、抵抗加熱法、CVD
法や、全面に金属膜を蒸着した後で不必要な部分をエッ
チングで取り除きパターニングする方法、光CVDによ
り直接グリッド電極パターンを形成する方法、グリッド
電極パターンのネガパターンのマスクを形成した後にメ
ッキする方法、導電性ぺーストを印刷する方法などがあ
る。導電性ぺーストは、通常微粉末状の銀、金、銅、ニ
ッケル、カーボンなどをバインダーポリマーに分散させ
たものが用いられる。バインダーポリマーとしては、例
えばポリエステル、エポキシ、アクリル、アルキド、ポ
リビニルアセテート、ゴム、ウレタン、フェノールなど
の樹脂が挙げられる。
【0044】最後に、起電力を取り出すための出力端子
206を、導電性基体と集電電極に取り付ける。導電性
基体に取り付ける方法としては、例えば銅タブ等の金属
体をスポット溶接や半田で接合する方法が用いられ、集
電電極に取り付ける方法としては、例えば金属体を導電
性ペーストや半田によって電気的に接続する方法が取ら
れる。
【0045】上述した手法で作製した光起電力素子は、
所望の電圧あるいは電流に応じて直列か並列に接続され
る。また、これとは別に絶縁化した基板上に光起電力素
子を集積化して所望の電圧あるいは電流を得ることもで
きる。
【0046】(太陽電池モジュール)本発明に係る太陽
電池モジュールとしては、例えば図1に示した被覆材の
構成からなるものが挙げられる。
【0047】図1において、101は前述した光起電力
素子、102は繊維状無機化合物、103は透明有機高
分子樹脂、104は表面樹脂フィルム、105は短冊状
有機高分子樹脂、106は裏面接着剤、107は硬質フ
ィルム、108は補強材である。これらを、図1(a)
に示すような順序で積層する。また、光起電力素子の集
電電極205上に化粧テープ109を積層する。
【0048】以下では、各構成物について詳細に述べ
る。 (繊維状無機化合物)繊維状無機化合物102は、補強
材108よりも小さく、モジュール端部に存在しないこ
とが望ましい。繊維状無機化合物102が補強材108
と同じかあるいは大きくモジュール端部に露出している
場合、外部から水分が侵入し、被覆材の劣化を促進し、
剥離が生じる。また、水分が侵入することによって内部
の光起電力素子と外部との電気的絶縁性が低下する。こ
れは、繊維状無機化合物102と透明有機高分子樹脂1
03との密着力が弱く、その界面が流路となり繊維状無
機化合物102をつたうような形で水分が侵入してくる
ためである。繊維状無機化合物102と透明有機高分子
樹脂103との密着力は、シランカップリング処理等の
表面処理をどちらか一方あるいは両方に行なうことによ
り飛躍的に向上する。しかし、その程度には限界があ
り、長期屋外暴露や温湿度サイクル試験後には表面処理
剤が劣化し、密着力も低下する傾向がある。
【0049】本発明で用いられる繊維状無機化合物10
2は、充填材の量を減少させて、耐スクラッチ性を確保
しつつ難燃性材料とするために必要である。さらに、屋
根や壁設置タイプの大型の太陽電池モジュールでは、ラ
ミネーション時の、モジュール内部の脱気を十分に行な
うためにも非常に有効である。使用する繊維状無機化合
物としては、ガラス繊維不織布を用いるのが一般的であ
る。
【0050】さらに、繊維状無機化合物と充填材の密着
力を向上させるために繊維状無機化合物の表面にシラン
カップリング処理することが望ましい。
【0051】(透明有機高分子樹脂)透明有機高分子樹
脂103は、光起電力素子101の凹凸を樹脂で被覆
し、素子を温度変化、湿度、衝撃などの過酷な外部環境
から守りかつ表面フィルムと素子との接着を確保するた
めに必要である。したがって、耐候性、接着性、充填
性、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性が要求される。これらの
要求を満たす樹脂としてはエチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体
(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)、ポリビニルブチラール樹脂などのポリオレフィ
ン系樹脂、ウレタシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂
などが挙げられる。
【0052】なかでも、EVAは太陽電池用途としてバ
ランスのとれた物性を有しており、好んで用いられる。
ただ、そのままでは熱変形温度が低いために容易に高温
使用下で変形やクリープを呈するので、架橋して耐熱性
を高めておくことが望ましい。EVAの場合は有機過酸
化物で架橋するのが一般的である。有機過酸化物による
架橋は有機過酸化物から発生する遊離ラジカルが樹脂中
の水素やハロゲン原子を引き抜いてC−C結合を形成す
ることによって行われる。
【0053】有機過酸化物の活性化方法には、熱分解、
レドックス分解およびイオン分解が知られている。一般
には熱分解法が好んで行われている。有機過酸化物の化
学構造の具体例としては、ヒドロペルオキシド、ジアル
キル(アリル)ペルオキシド、ジアシルペルオキシド、
ペルオキシケタール、ペルオキシエステル、ぺルオキシ
カルボネートおよびケトンペルオキシドなどが挙げられ
る。なお、有機過酸化物の添加量は封止材樹脂100重
量部に対して0.5乃至5重量部である。
【0054】上記有機過酸化物を封止材に併用し、真空
下で加圧加熱しながら架橋および熱圧着を行うことが可
能である。加熱温度ならびに時間は各々の有機過酸化物
の熱分解温度特性で決定することができる。一般には熱
分解が90%より好ましくは95%以上進行する温度と
時間をもって加熱加圧を終了する。
【0055】封止材樹脂の架橋を確かめるにはゲル分率
を測定すれば良く、高温下での封止材樹脂の変形を防ぐ
ためにはゲル分率が70wt%以上となるように架橋す
ることが望ましい。
【0056】上記架橋反応を効率良く行うためには、架
橋助剤と呼ばれるトリアリルイソシアヌレート(TAI
C)を用いることも可能である。一般には封止材樹脂1
00重量部に対して1乃至5重量部の添加量である。
【0057】本発明に用いられる封止材の材料は耐候性
において優れたものであるが、更なる耐候性の改良、あ
るいは、封止材下層の保護のために、紫外線吸収剤を併
用することもできる。紫外線吸収剤としては、公知の化
合物が用いられるが、太陽電池モジュールの使用環境を
考慮して低揮発性の紫外線吸収剤を用いることが好まし
い。具体的にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の各種有機化
合物を挙げることができる。
【0058】紫外線吸収剤の他に光安定化剤も同時に添
加すれば、光に対してより安定な封止材となる。代表的
な光安定化剤はヒンダードアミン系光安定化剤である。
ヒンダードアミン系光安定化剤は紫外線吸収剤のように
は紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用すること
によって著しい相乗効果を示す。もちろんヒンダードア
ミン系以外にも光安定化剤として機能するものはある
が、着色している場合が多く本発明の封止材には望まし
くない。
【0059】上記紫外線吸収剤および光安定化剤の添加
量は、封止材樹脂に対してそれぞれ0.1〜1.0wt
%、0.05〜1.0wt%が望ましい。
【0060】さらに、耐熱性・熱加工性改善のために酸
化防止剤を添加することも可能である。酸化防止剤の化
学構造としてはモノフェノール系、ビスフェノール系、
高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系がある。酸化防
止剤の添加量は充填材樹脂に対して0.05〜1.0w
t%であることが好ましい。
【0061】より厳しい環境下で太陽電池モジュールの
使用が想定される場合には充填材と光起電力素子あるい
は表面樹脂フィルムとの接着力を向上することが好まし
い。
【0062】さらに、表面被覆材として繊維状無機化合
物を使用する場合には、これとの接着力を向上させる必
要がある。そのためには、シランカップリング処理が有
効であり、シランカップリング剤の具体例としては、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエト
キシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン等が挙げられる。
【0063】添加量は、封止材樹脂100重量部に対し
て0.1乃至3重量部が好ましく、0.25乃至1重量
部がより好ましい。
【0064】一方、光起電力素子に到達する光量の滅少
をなるべく抑えるために、表面封止材は透明でなくては
ならず、具体的には光透過率が400nm以上800n
m以下の可視光波長領域において80%以上であること
が望ましく、90%以上であることがより望ましい。ま
た、大気からの光の入射を容易にするために、摂氏25
度における屈折率が1.1から2.0であることが好ま
しく、1.1から1.6であることがより好ましい。
【0065】上記添加剤を配合したEVAをシート状に
成型した太陽電池用のEVAシートが上市されている。
例えば、ハイシート工業(株)製のソーラーEVAや
(株)ブリヂストン製のEVASAFE WGシリーズやスプリン
グボーン・ラボラトリーズ社製のPHOTOCAPなどである。
これらを光起電力素子と表面部材との間に挿入し加熱圧
着することにより容易に太陽電池モジュールを作製でき
る。
【0066】(表面樹脂フイルム)本発明に係る表面樹
脂フイルム104は、太陽電池モジュールの最表層に位
置するため透明性、耐候性、耐汚染性、機械強度をはじ
めとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期
信頼性を確保するための性能が必要である。本発明に好
適に用いられる材料としては白板強化ガラス、フッ素樹
脂フィルム、アクリル樹脂フィルムなどがある。白板強
化ガラスは透明性が高く、衝撃にも強くて割れにくいた
め太陽電池モジュールの表面部材として広く用いられて
いる。
【0067】しかし、最近ではモジュールに軽量性、フ
レキシブル性が求められる場合も多く、そのような場合
には樹脂フィルムが表面部材として用いられる。なかで
もフッ素樹脂フィルムは耐候性、耐汚染性に優れている
ため好んで用いられる。具体的にはポリフッ化ビニリデ
ン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂あるは四フッ化エチレン
−エチレン共重合体などがある。耐候性の観点ではポリ
フッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機
械的強度の両立と透明性では四フッ化エチレン−エチレ
ン共重合体が優れている。表面樹脂フィルムの厚さは機
械的強度の確保のためにある程度厚くなければならず、
またコストの観点からはあまり厚すぎるのにも問題があ
る。具体的には、20乃至200μmが好ましく、より
好適には30乃至100μmである。
【0068】なお、前記封止材との接着性の改良のため
に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、UV照
射、電子線照射、火炎処理等の表面処理を樹脂フィルム
の片面に行うことが望ましい。この中でもコロナ放電処
理は処理速度が速く比較的簡易な装置で接着力の大きな
向上が図れるので好適に用いられる。
【0069】(短冊状有機高分子樹脂)短冊状有機高分
子樹脂105は、例えば図1(b)に示すとおり、光起
電力素子101の対向する二辺の非受光面側に、太陽電
池モジュールの端部まで伸びるように配置される。換言
すれば、短冊状有機高分子樹脂105は、光起電力素子
101の下側(非受光面側)から補強材108の端部に
まで到達するような長さで差し込まれている。
【0070】これにより、受光面側被覆材として用いる
透明有機高分子樹脂103が、裏面接着剤106および
補強材108に直接密着しないようにできる。その結
果、モジュール内部から外部にまで連続した隙間を設け
ることができるため、大型のモジュールであっても十分
に脱気することが可能になる。
【0071】また、短冊状有機高分子樹脂105は、化
粧テープ109と連続した凸部を形成しているため、屋
根材および壁材として使用するに当たっては、意匠性に
すぐれた太陽電池モジュールとなる。
【0072】さらに、化粧テープ109および短冊状有
機高分子樹脂103の部分は、太陽電池モジュールの他
の部分と比較すると凸となっており、光起電力素子上に
たいしてテーパーをなしている。このため、特に瓦棒タ
イプの屋根設置型太陽電池モジュールにおいては、光起
電力素子上に汚れがたまりにくく、長期屋外使用によっ
ても変換効率の低下を最小限にすることができる。
【0073】本発明に係る短冊状有機高分子樹脂105
としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EM
A)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EE
A)、ブチラール樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。中で
も、EVAは表面被覆材である透明有機高分子樹脂10
3として好適に用いられるため、短冊状有機高分子樹脂
としてもEVAを用いることが好ましい。短冊状有機高
分子樹脂105と透明有機高分子樹脂103とを同一材
料にした場合、ラミネート後の被覆材としては、短冊状
有機高分子樹脂を差し込んでいない従来の太陽電池モジ
ュールの被覆と非常に近いものとなり、被覆構成を大き
く変えることなく、上記の効果が得られる。
【0074】短冊状有機高分子樹脂105の幅は、5m
m乃至15mmが好ましい。5mm以下であると、十分
な隙間を作ることができず脱気効果が得られない。ま
た、15mm以上であると使用する有機高分子樹脂の量
が多くなり、燃焼エネルギーの高い有機高分子樹脂量が
増加することは難燃性を低下させることとなる。屋根設
置および壁設置の太陽電池モジュールの場合、日本にお
いては、建築大臣より“不燃材”としての指定を受けな
ければならず、アメリカ合衆国内では、UL1703で
規定される燃焼性試験でクラスAに合格しなければなら
ないため、難燃性を低下させるような構成のモジュール
は用いることはできない。また、15mm以上の幅を持
つ場合、短冊状有機高分子樹脂105を用いた部分の被
覆材が厚くなり加工性が低下する。
【0075】(裏面接着剤)非受光面側に使用する裏面
接着剤106としては、受光面側に用いた透明有機高分
子樹脂103と同様の材料であってもよい。
【0076】すなわち、裏面接着剤106として好適に
用いられる有機高分子樹脂としては、例えばエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸
メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体(EEA)、ポリエチレン、ブチラール樹脂
などのポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂、柔軟性を有するエポキシ接着剤が挙げられる。
【0077】しかし、非受光面側に使用される裏面接着
剤に必要とされる性能は、受光面側に必要とされる性
能、すなわち光や熱等により着色しないこととは異な
る。裏面接着剤の性能としては、屋外での使用、あるい
は温湿度サイクル試験などにおいて、光や熱等により、
光起電力素子と硬質フィルムおよび補強材との接着力が
低下しないことが求められる。
【0078】補強材として、例えば耐候性、防錆性に優
れた表面が有機高分子で被覆された塗装亜鉛鋼鈑などを
用いた場合には、特に接着力が弱くなるため、長期信頼
性に大きな問題がある。この問題を解決する方法として
は、裏面接着剤106として好適に用いられる有機高分
子樹脂の表面に、接着力強化のために以下の材料をコー
ティングあるいは貼り合わせることが望ましい。
【0079】その材料としては、接着剤すなわちエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体(EEA)、ブチラール樹脂などのポリ
オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂など
に、粘着性付与樹脂すなわちタッキファイヤー、クマロ
ンインデン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、
ポリペンテン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、
ポリブテン、ロジン、ロジンペンタエリスリトールエス
テル、ロジングリセリンエステル、水素添加ロジン、水
素添加ロジンメチルエステル、水素添加ロジンペンタエ
リスリトールエステル、水素添加ロジントリエチレング
リコールエステル、重合ロジンエステル、脂肪族石油樹
脂、脂肪環石油樹脂、合成ポリテルテン、ペンタジエン
樹脂、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン系樹脂、テ
ルペン−フェノール樹脂等を混合したものが好ましい。
【0080】さらに、工程の簡略化のために、硬質フィ
ルムの両側に、上記のような接着剤層をあらかじめ一体
積層した材料を用いても良い。
【0081】(硬質フィルム)硬質フィルム107は光
起電力素子101の導電性基板と外部との電気的絶縁を
保つために必要である。材料としては、導電性基板と充
分な電気絶縁性を確保でき、しかも長期耐久性に優れ熱
膨張、熱収縮に耐えられる、柔軟性を兼ね備えた材料が
好ましい。好適に用いられるフィルムとしては、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0082】(補強材)補強材108は、光起電力素子
101よりも大きいことが好ましい。太陽電池モジュー
ルを屋根・壁等に設置する場合、あるいは屋根材一体型
の太陽電池モジュールの場合、モジュールを折り曲げ加
工して使用することが好ましい。折り曲げ加工すること
により、フレームなどを取りつけなくても設置が可能に
なる。その結果、フレーム及びその付属品に必要な原材
料コストの削減、フレーム取り付けの工程の減少によ
り、より容易にかつ安価に太陽電池モジュールを作製、
設置することができる。このためには、補強材108を
光起電力素子101より大きくし、光起電力素子101
に応力をかけることなく、複雑な加工を可能にすること
が好ましい。
【0083】補強材108は、太陽電池モジュールの機
械的強度を増すために、あるいは、温度変化による歪、
ソリを防止するために必要である。具体的には、鋼板、
プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチッ
ク)板が好ましい。特に鋼鈑を用いたものは、折り曲げ
加工等の加工製に優れ、従来行なわれているようなフレ
ーム付けを用いなくても製品化することができる。屋根
や壁材として一体化された太陽電池モジュールとして使
用可能であり、このことは、コストダウンおよび製造工
程の簡略化という意味でも非常に有効である。さらに、
補強材として、有機高分子樹脂で塗装された鋼鈑を用い
ることにより耐候性、防錆性に優れた高信頼性の太陽電
池モジュールとすることができる。
【0084】(化粧テープ)化粧テープ109は、集電
電極205の上に設けられる。また同時に、これらの光
起電力素子を直列する際の半田上にも設けられている。
これらの集電電極は基板上に設けられており、凸になっ
ている。そのため、集電電極上の被覆材の厚みは薄くな
り、非常に外部からの衝撃に弱くなっている。
【0085】集電電極を構成する金属部材と有機高分子
樹脂とが接し、さらに光が照射された場合、金属部材上
の樹脂の劣化が加速されたり、樹脂の分解物によって金
属部材が腐食される現象が発生する。これを防ぐために
は、化粧テープとして、ポリエチレンテレフタレート、
ナイロン、ポリカーボネート等の硬質フィルムを用い、
さらに光を遮断するために黒色、暗かっ色なフィルム、
具体的には、全光線透過率が300nm乃至800nm
での値が5%以下であるようなフィルムを使用すること
が望ましい。また、フィルムの下の金属部材を被覆する
ためフィルムの下にはEVA、EEA等の有機高分子樹
脂層を設けることが望ましい。
【0086】(太陽電池モジュールの形成方法)以下で
は、上述した光起電力素子101、繊維状無機化合物1
02、透明有機高分子樹脂103、透明樹脂フィルム1
04、裏面接着剤106、硬質フィルム107、補強材
108を用いて太陽電池モジュールを形成する方法につ
いて説明する。
【0087】従来の太陽電池モジュールでは、光起電力
素子101の受光面を被覆するには、シート状に成型し
た透明有機高分子樹脂103を素子の表裏に加熱圧着す
る方法が一般的に採用されている。
【0088】これに対して、本発明に係る太陽電池モジ
ュールの被覆構成は、図1に示されるような構成であ
る。すなわち、光起電力素子101、繊維状無機化合物
102、透明有機高分子樹脂103、表面樹脂フィルム
104、短冊状有機高分子樹脂105、接着剤層10
6、硬質フィルム107、裏面接着剤106、補強材1
08が図の順、あるいは逆の順で積層し、加熱圧着され
ている。また、集電電極205上には化粧テープl09
を積層する。
【0089】しかし、少量の充填材により光起電力素子
を被覆できることから、樹脂フィルムを上にした図1の
順で積層した方がより好ましい。
【0090】なお、圧着時の加熱温度及び加熱時間は架
橋反応が十分に進行する温度・時間をもって決定する。
【0091】加熱圧着の方法としては、従来公知である
2重真空排気方式、1重真空排気方式、ロールラミネー
ションなどを種々選択して用いることができる。中で
も、1重真空排気方式による加熱圧着は、低コストな装
置で、簡易に太陽電池モジュールを作製できるため好ま
しい方法である。
【0092】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0093】(実施例1)本例では、光起電力素子とし
て図2に示した層構成のアモルファスシリコン(以下a
−Siと呼称する)太陽電池を作製し、これを用いて図
3に示した太陽電池セルブロックを形成した。その後、
この太陽電池セルブロックを被覆して、図4に示した太
陽電池モジュールを形成した。
【0094】以下では、まず光起電力素子の作製方法に
ついて説明する。 (1)洗浄したステンレス基板201上に、スパッタ法
で裏面反射層202として、Al層(膜厚500nm)
とZnO層(膜厚500nm)を順次形成した。
【0095】(2)プラズマCVD法により、SiH4
とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層を、SiH
4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、SiH4とB
3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−Si層を形成
し、n層膜厚15nm/i層膜厚400nm/p層膜厚
10nm/n層膜厚10nm/i層膜厚80nm/p層
膜厚10nmの層構成のタンデム型a−Si光電変換半
導体層203を形成した。
【0096】(3)透明導電層204として、In23
薄膜(膜厚70nm)を、O2雰囲気下でInを抵抗加
熱法で蒸着する事によって形成した。 (4)集電用のグリッド電極205を、銀ペーストのス
クリーン印刷により形成した。
【0097】(5)マイナス側端子206bとして、銅
タブをステンレス基板にステンレス半田208を用いて
取り付けた。また、プラス側端子206bとして、錫箔
のテープを導電性接着剤207にて集電電極に取り付け
た。このように2つの出力端子を形成し、光起電力素子
の作製を終えた。
【0098】以下では、上記工程(5)で作製した光起
電力素子を、複数個直列に接続して外形寸法350mm
×2400mmのセルブロックを形成する方法につい
て、図3を用いて説明する。
【0099】(6)各光起電力素子を並ベた後、隣り合
う光起電力素子において、一方の光起電力素子のプラス
側端子305aと他方の光起電力素子のマイナス側端子
305bとを、銅タブ306で半田を用いて接続した。
同様にして、3個の光起電力素子を直列化した太陽電池
セルブロックを作製した。この際、一番端に接続された
光起電力素子の出力端子に接続した銅タブは、裏面に回
して後に述ベる裏面被覆層の穴から出力を取り出せるよ
うにした。
【0100】以下では、上記工程(6)で作製したセル
ブロックを被覆して太陽電池モジュールを作製する方法
について、図4を用いて説明する。
【0101】(7)セルブロック401を挟むように、
受光面側には、繊維状無機化合物402、透明有機高分
子樹脂403、及び透明樹脂フィルム404を用意し、
非受光面側には、短冊状有機高分子樹脂405、繊維状
無機化合物406、裏面一体積層フィルム407、補強
材408を用意して、これらを重ねた積層体を作製し
た。
【0102】このとき、短冊状有機高分子樹脂405
は、セルブロック401の4隅に置き、セルブロックの
下側(非受光面側)に5mm重ねて補強材408の端部
まで到達するように積層した。また、セルブロックを構
成する光起電力素子の集電電極上には、化粧テープ40
9を積層した。
【0103】(8)この積層体を、1重真空室方式のラ
ミネート装置内にあるプレート上に、透明樹脂フィルム
404の側を上にして置き、積層体の上にシリコンラバ
ーシートを重ねた。
【0104】(9)シリコンラバーシートの中に穴の空
いたパイプを通して、真空ポンプを用いてその中を排気
し、シリコンラバーシートをプレートに吸着させた。そ
の際、シリコンラバーシート内部は76Torr/秒の
排気速度で減圧し、シリコンラバーシート内部を5To
rrの圧力で30分間排気した。
【0105】(10)このプレートを、あらかじめ15
0度雰囲気とした熱風オーブンの中に投入し、プレート
温度が150度に昇温してから30分間その温度を保持
することによりEVAの溶融と架橋反応を行った。
【0106】(11)その後、プレートをオーブンより
取り出し、ファンで風を送りプレートを40度以下にま
で冷却してから排気を止め、積層体すなわち太陽電池モ
ジュールを取り出した。
【0107】(12)補強材より大きい被覆材は、補強
材の端部に合わせてカットし、さらに、補強材の長辺側
端部を折り曲げ加工した。
【0108】(13)出力端子はあらかじめ光起電力素
子裏面にまわしておき、ラミネート後、ガルバリウム鋼
板に予め開けておいた端子取り出し口から出力が取り出
せるようにした。 上記工程(1)〜(13)により、本例の太陽電池モジ
ュールを作製した。
【0109】以下では、本例の工程(7)で用いたセル
ブロック401の各被覆物に関して説明する。
【0110】受光面側に設けた繊維状無機化合物402
としては、目付量が80g/m2、厚さが400μm、
結着剤アクリル樹脂を4.0%含有し、線径10μmの
ガラス繊維不織布を用いた。また、非受光面側の繊維状
無機化合物406としては、目付量が20g/m2、厚
さが100μm、結着剤アクリル樹脂を4.0%含有
し、線径10μmのガラス繊維不織布を用いた。各繊維
状無機化合物402、406は、セルブロックよりも各
辺5mm大きい物を用意した。
【0111】透明有機高分子樹脂403は、充填剤とし
てエチレン−酢酸ビニル(酢酸ビニル33重量%、メル
トフローレート30)100重量部、架橋剤として2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
へキサンを1.5重量部、UV吸収剤として2−ヒドロ
キシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンを0.3重量
部、酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)
フォスファイトを0.2重量部、光安定化剤として
(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)
セパケートを0.1重量部を混合したものであり、厚さ
が460μmのシート状にして用いた。
【0112】樹脂フィルム404としては、無延伸のエ
チレン−テトラフルオロエチレンフィルム(厚さ50μ
m)を用意し、透明有機高分子樹脂403との接着面に
は、あらかじめプラズマ処理を施した。
【0113】短冊状有機高分子樹脂405としては、透
明有機高分子樹脂403と同一の材料を使用した。ま
た、短冊状有機高分子樹脂405は、10mm幅で長さ
95mmのものを4本用意した。
【0114】裏面一体積層フィルム407は、裏面接着
剤と絶縁フィルムを積層したものである。裏面接着材と
しては、厚さ200μmのエチレン−アクリル酸エチル
共重合体(以下EEAと呼称する)と、厚さ25μmの
ポリエチレン樹脂(以下PEと呼称する)とを用い、絶
縁フィルムとしては、厚さ50μmの2軸延伸のポリエ
チレンテレフタレート(以下PETと呼称する)フィル
ムを用いた。これらを、EEA/PE/PET/PE/
EEAの順で積み重ね、総厚さが500μmの一体積層
フィルムを用意した。また、裏面一体積層フィルム40
7は、セルブロックよりも各辺15mm大きいものを用
いた。
【0115】補強材408としては、ガルバリウム鋼鈑
(アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.
6%が一体となったアルミ・亜鉛合金メッキ鋼鈑)を用
意し、一方の面にはポリエステル系塗料を、他方の面に
はガラス繊維を添加したポリエステル系塗料を、それぞ
れコーティングした鋼鈑を用いた。その鋼鈑の厚みは、
400μmとした。また、補強材は、セルブロックより
も各辺80mm大きいものを用意した。
【0116】化粧テープ409としては、ポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm、色
黒色)の両面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(厚さ
460μm)を一体積層した、EVA/PET/EVA
のフィルムを用いた。また、化粧テープ409は、20
mm幅でセルブロックの長さと同様のものを用意した。
【0117】(実施例2)本例では、積層体を張り合わ
せる際に、1重真空室方式の代わりに2重真空室方式の
ラミネート装置を用い、太陽電池モジュールを作製した
点が実施例1と異なる。他の点は、実施例1と同様とし
た。
【0118】(実施例3)本例では、非受光面側に配置
される裏面一体積層フィルム407において、絶縁フィ
ルムとして厚さが50μmのナイロンを用い、太陽電池
モジュールを作製した点が実施例1と異なる。すなわ
ち、裏面一体積層フィルム407としては、EEA/P
E/ナイロン/PE/EEAの順で一体積層した層厚さ
500μmのフィルムを使用した。他の点は、実施例1
と同様とした。
【0119】(実施例4)本例では、短冊状無機化合物
として、厚さが460μmのEEA(エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体)を用い、太陽電池モジュールを作
製した点が実施例1と異なる。他の点は、実施例1と同
様とした。
【0120】(実施例5)本例では、補強材としてFR
P(ガラス繊維強化プラスチック)を用い、各被覆材の
大きさは次のように変更し、折り曲げ加工を施さずに、
太陽電池モジュールを作製した点が実施例1と異なる。
【0121】繊維状無機化合物402としては、セルブ
ロックよりも各辺5mm大きい物を用意した。短冊状有
機高分子樹脂405としては、10mm幅で長さ25m
mのものを4本用意した。裏面一体積層フィルムとして
は、セルブロックよりも各辺15mm大きいものを用意
した。補強材としては、セルブロックよりも各辺10m
m大きいものを用意した。透明有機高分子樹脂および透
明樹脂フィルムとしては、セルブロックよりも各辺20
mm大きいものを用意した。他の点は、実施例1と同様
とした。
【0122】(比較例1)本例では、実施例1におい
て、短冊状有機高分子樹脂405を使用しなかったこと
以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0123】(比較例2)本例では、実施例2におい
て、短冊状有機高分子樹脂405を使用しなかったこと
以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0124】(比較例3)本例では、実施例3におい
て、短冊状有機高分子樹脂405を使用しなかったこと
以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0125】(比較例4)本例では、実施例5におい
て、短冊状有機高分子樹脂405を使用しなかったこと
以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0126】以上述べた実施例及び比較例で作製した太
陽電池モジュールについて、下記項目の評価を行った。
その結果は、表1に示した。
【0127】(1)初期外観 太陽電池モジュールの初期外観を目視により評価した。
評価結果は、以下のような基準で表1に示す。すなわ
ち、○:外観上の欠陥が全くない場合、△:外観上の欠
陥が多少あるが実使用上さしつかえない場合、×:脱気
不良、モジュールの湾曲等外観上の欠陥が非常に大きい
場合。
【0128】(2)高温高湿度試験 折り曲げ加工した太陽電池モジュールを、85度/85
%(相対湿度)下に、1000時間投入した後、太陽電
池モジュールを取り出し、外観上の変化を目視により行
なった。
【0129】また、取り出してから2時間後の漏れ電流
を測定した。漏れ電流の測定は、dry hi-potおよびwet
hi-potの両方を行なった。ここで、dry hi-potとは、素
子と補強材との間に、2200Vの電圧を印加した時の
漏れ電流の測定を意味する。wet hi-potとは、太陽電池
モジュールを伝導度3000Ω・cmの電界溶液に浸し
て、素子と溶液との間に、2200Vの電圧を印加した
時の漏れ電流の測定を意味する。
【0130】表1における、外観上の変化に関する評価
結果を示す各記号は、次のような基準を表す。○印は外
観上の欠陥が全くない場合、△印は外観上の欠陥が多少
あるが実使用上さしつかえない場合、×印は剥離、変
色、モジュールの湾曲等外観上の欠陥が非常に大きい場
合、である。
【0131】表1における漏れ電流に関する評価結果を
示す各記号は、次のような基準を表す。○印は漏れ電流
が0μA以上1μA未満の場合、△印は漏れ電流が1μ
A以上50μA未満の場合、×印は漏れ電流が50μA
以上の場合、である。
【0132】(3)温湿度サイクル 太陽電池モジュールを放置する雰囲気の温湿度を、−4
0℃(1時間)と85℃/85%RH(20時間)に交
互に変化させ(これを、1サイクルとする)、100サ
イクル行った後、太陽電池モジュールの外観上の変化を
観察した。
【0133】また、取り出してから2時間後の漏れ電流
を測定した。素子と補強材との間に、2200Vの電圧
を印加した時の漏れ電流の測定(dry hi-pot)、及び太
陽電池モジュールを伝導度3000Ω・cmの電界溶液
に浸して、素子と溶液との間に、2200Vの電圧を印
加した時の漏れ電流の測定(wet hi-pot)の両方を行な
った。
【0134】表1において温湿度サイクルの結果を示す
各記号の意味は、上述した高温高湿度試験において説明
したものと同様である。
【0135】
【表1】
【0136】表1から、以下の点が明らかとなった。 (イ)各実施例の太陽電池モジュールは、初期外観に優
れていることが分かる。また、高温高湿度環境試験およ
び温湿度サイクルにおいても、試験後に剥離、気泡など
外観上の変化は全くなく良好であり、ほとんどの太陽電
池モジュールでは漏れ電流も1μA以下であることから
電気絶縁性が確保できた。
【0137】(ロ)実施例3では、環境試験後に若干の
電気絶縁性の低下を示したが、極微量であり実使用には
問題がない程度であり、初期外観、試験後の外観も脱気
不良や剥離等はなく良好であった。
【0138】(ハ)短冊状有機高分子樹脂を使用しなか
った各比較例の場合は、いずれも初期外観において、脱
気不良が原因と思われる大きな気泡および広範囲に渡る
充填不良が発生した。
【0139】(ニ)また各比較例では、上記(ハ)に示
した外観不良が、高温高湿度環境試験および温湿度サイ
クル試験において悪化の傾向を見せ、温湿度サイクル試
験後のWet hi-pot試験では電気絶縁性の低下も示した。
【0140】したがって、本発明に係る各実施例の太陽
電池モジュールは、長期の使用に際しても高い信頼性が
確保できると考えられる。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光起電力素子を、少なくとも透明有機高分子樹脂で封止
した太陽電池モジュールにおいて、前記光起電力素子の
対向する二辺の非受光面側に、前記太陽電池モジュール
の端部まで伸びた短冊状有機高分子樹脂を設けたことに
より、屋根・壁設置型の大型モジュールにおいても、太
陽電池モジュールをラミネートする際の脱気性に優れ、
さらに、長期屋外使用および温湿度サイクル試験に際し
ても、太陽電池モジュール内部への水分の侵入がなく、
電気絶縁性を確保できる高信頼性の太陽電池モジュール
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの一例を示す
概略断面図および平面図である。
【図2】図1の太陽電池モジュールで用いた、光起電力
素子の基本構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る直列化した太陽電池モジュールの
一例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る太陽電池モジュールの他の例を示
す概略断面図および平面図である。
【図5】従来の一般的な太陽電池モジュールを示す概略
断面図である。
【符号の説明】
101、301、501 光起電力素子、 102、402、406 繊維状無機化合物、 103、302、403 透明有機高分子樹脂、 104、303、404 透明樹脂フィルム、 105、405 短冊状有機高分子樹脂、 106 裏面接着剤、 107、304 硬質フィルム、 108、408、505 補強材、 109、409 化粧テープ、 201 導電性基体、 202 裏面反射層、 203 半導体光活性層、 204 透明導電層、 205 集電電極(プラス側)、 206 出力端子、 207 導電性接着剤、 305a 集電電極(プラス側)、 305b 集電電極(マイナス側)、 306 銅タブ、 307 絶縁テープ、 308 半田、 401 セルブロック、 407 裏面一体積層フィルム、 502 熱可塑性透明有機樹脂、 503 フッ化物重合体薄膜層、 504 絶縁体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩塚 秀則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 片岡 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光起電力素子を、少なくとも透明有機高
    分子樹脂で封止した太陽電池モジュールにおいて、 前記光起電力素子の対向する二辺の非受光面側に、前記
    太陽電池モジュールの端部まで伸びた短冊状有機高分子
    樹脂を設けたことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記太陽電池モジュールの受光面側の最
    表面に、透明樹脂フィルムを設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池モジュールの非受光面側
    に、補強材を貼り付けて設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記補強材が金属であることを特徴とす
    る請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記透明有機高分子樹脂は、繊維状無機
    化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載
    の太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記繊維状無機化合物が、太陽電池モジ
    ュールの端部に存在しないことを特徴とする請求項5に
    記載の太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記補強材が、前記光起電力素子よりも
    大きな面積であることを特徴とする請求項3に記載の太
    陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記短冊状有機高分子樹脂が、前記透明
    有機高分子樹脂と同一材料であることを特徴とする請求
    項1に記載の太陽電池モジュール。
  9. 【請求項9】 前記透明樹脂フィルムが、フッ化物重合
    体フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の太
    陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 前記フッ化物重合体フィルムが、エチ
    レン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)で
    あることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池モジュ
    ール。
  11. 【請求項11】 前記フッ化物重合体フィルムは、前記
    透明有機高分子樹脂と接する面に、コロナ放電処理ある
    いはプラズマ放電処理が施されていることを特徴とする
    請求項9に記載の太陽電池モジュール。
  12. 【請求項12】 前記透明有機高分子樹脂が、エチレン
    −酢酸ビニル共重合体(EVA)であることを特徴とす
    る請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  13. 【請求項13】 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体
    (EVA)が、有機過酸化物によって架橋されているこ
    とを特徴とする請求項12に記載の太陽電池モジュー
    ル。
  14. 【請求項14】 前記透明有機高分子樹脂が、シランカ
    ップリング処理されていることを特徴とする請求項1に
    記載の太陽電池モジュール。
  15. 【請求項15】 前記繊維状無機化合物が、シランカッ
    プリング処理されていることを特徴とする請求項5に記
    載の太陽電池モジュール。
  16. 【請求項16】 前記繊維状無機化合物が、ガラス繊維
    不織布であることを特徴とする請求項5に記載の太陽電
    池モジュール。
  17. 【請求項17】 前記光起電力素子と前記補強材との間
    に、硬質フィルムを有することを特徴とする請求項3に
    記載の太陽電池モジュール。
  18. 【請求項18】 前記硬質フィルムが、絶縁破壊電圧1
    0kV以上のフィルムであることを特徴とする請求項1
    7に記載の太陽電池モジュール。
  19. 【請求項19】 前記硬質フィルムが、ポリカーボネー
    ト、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンの中から選
    ばれることを特徴とする請求項18に記載の太陽電池モ
    ジュール。
  20. 【請求項20】 前記太陽電池モジュールが、1重真空
    排気方式により貼り合わせ製造されることを特徴とする
    請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001732A (ja) * 1998-10-06 2012-01-05 Daikin Industries Ltd 低温ヒートシール性をもつ非パーフルオロ系フッ素樹脂成形体
KR101151346B1 (ko) 2011-10-27 2012-06-08 주식회사 지메카닉스 다층 충진재 구조의 태양전지모듈
JP2016535439A (ja) * 2013-10-17 2016-11-10 ダス エナジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 光起電性パネル及びその製造方法
CN115172534A (zh) * 2022-08-19 2022-10-11 天合光能股份有限公司 一种光伏组件的加工方法

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