JPH06318728A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JPH06318728A
JPH06318728A JP5107048A JP10704893A JPH06318728A JP H06318728 A JPH06318728 A JP H06318728A JP 5107048 A JP5107048 A JP 5107048A JP 10704893 A JP10704893 A JP 10704893A JP H06318728 A JPH06318728 A JP H06318728A
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film
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thin film
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Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Takahiro Mori
隆弘 森
Satoshi Yamada
聡 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高湿度環境下でも光電変換機能の低下が少な
くて安定した性能を発揮するとともに、受光表面の耐擦
傷性に優れた太陽電池モジュールを提供する。 【構成】 光起電力素子103の受光面側が透明な有機
高分子層102とフッ化物重合体層107で順次覆われ
ている。有機高分子層102中には、透明無機絶縁体薄
膜105を表面に形成した高分子フィルム104からな
る透明防湿フィルムが挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュールに
関し、特に導電性基体上に光変換部材としての半導体光
活性層と透明導電層が形成された光起電力素子から構成
される太陽電池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まりが
世界的に広がりを見せている。特に、CO2 排出に伴う
地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻であり、環境汚
染がなくクリーンなエネルギーへの希求はますます強ま
っている。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱い
やすさから、クリーンなエネルギー源としての期待が高
い。
【0003】太陽電池には様々な形態があり、その代表
的なものとして、結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコ
ン太陽電池、アモルファスシリコン系太陽電池、銅イン
ジウムセレナイド太陽電池、化合物半導体太陽電池等が
知られている。この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、
アモルファスシリコン系太陽電池、並びに化合物半導体
太陽電池は、比較的低コストであり、また大面積化が可
能であるため、各方面で活発に研究開発が進められてい
る。
【0004】またこれらの太陽電池の中でも、導体金属
基板上にシリコンを堆積し、更にその上に透明導電層を
形成した、アモルファスシリコン系太陽電池を代表とす
る薄膜太陽電池は、軽量であり、また耐衝撃性やフレキ
シブル性に富んでいるので、太陽電池における将来のモ
ジュール形態として有望視されている。
【0005】ところが上記の薄膜太陽電池では、ガラス
基板上にシリコンを堆積する場合と異なり、光入射側表
面を透明な被覆材で覆って太陽電池を保護する必要があ
る。この表面被覆材としては、従来は例えば、最表面に
フッ素樹脂フィルムやフッ素樹脂塗料等の透明なフッ化
物重合体薄膜を、またその内側には種々の熱可塑性透明
有機樹脂をそれぞれ配した構成が採られている。このう
ちフッ化物重合体薄膜を用いるのは、これが耐候性・撥
水性に富んでおり、劣化・汚れによる光透過率の減少に
起因する太陽電池モジュールの変換効率の低下を少なく
抑えることができるためである。また熱可塑性透明樹脂
は安価であり、内部の光起電力素子(太陽電池)を保護
するために大量に用いることができる。
【0006】このような太陽電池モジュールの従来例を
図6に示した。この太陽電池モジュールは、フッ化物重
合体薄膜層601、熱可塑性透明有機樹脂602、光起
電力素子603、絶縁体層604から構成されるもので
ある。この例では光起電力素子603の外周に熱可塑性
透明有機樹脂602を配して、受光面の有機樹脂と同じ
ものを裏面にも用いた構造としている。フッ化物重合体
薄膜層601には、より具体的には、ETFE(エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、PV
F(ポリフッ化ビニル)フィルム等のフッ素樹脂フィル
ムが用いられる。また熱可塑性透明有機樹脂602に
は、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ブチラ
ール樹脂等が用いられる。更に絶縁体層604には、ナ
イロンフィルム、アルミラミネートテドラーフィルムを
はじめとする種々の有機樹脂フィルムが用いられる。こ
の従来例において熱可塑性透明有機樹脂602は、光起
電力素子603とフッ化物重合体薄膜層601及び絶縁
体層604との接着剤としての役割の他、外部からの引
っかきや衝撃等から太陽電池を保護する充填材の役割も
果たしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な光起電力素子は、湿度の影響を受け易く、このため高
湿度使用下における太陽電池モジュールの光電変換機能
の低下は深刻な問題であった。これは、光起電力素子自
体の劣化の他、モジュールに用いられる集電電極からの
金属イオンの溶出と移動による素子の短絡電流の増加が
主因と考えられており、このような機能低下を防止する
ための技術が種々提案されている。
【0008】そのうち、光起電力素子をガラスにより被
覆する構成、即ちガラスによって光起電力素子である太
陽電池を封止する構造が最も優れた方法であり、従来よ
り数多く行われているものの、フレキシブル性、耐衝撃
性、軽量化、低コスト化の点で問題がある。また上記し
た図6のような構成は、このような問題がないものの、
フッ化物重合体薄膜の防湿性が乏しく、更に内側の有機
樹脂の吸水性と相まって、光起電力素子の湿度による劣
化を防止することができない。
【0009】また特開昭59−73942号公報と特開
昭60−170980号公報には、接着剤層と接する面
を高周波スパッタエッチング処理したフッ素樹脂フィル
ムや三フッ化塩化エチレン樹脂フィルムと接着剤によっ
て太陽電池を被覆する方法が提案されている。ところが
低透湿率の三フッ化塩化エチレン樹脂フィルムといえど
も有機高分子材料に変わりはなく、このため高温高湿下
では水蒸気の透過は避け難く、厳しい条件下での加速耐
湿試験では水蒸気の侵入により太陽電池モジュールの光
電変換機能の低下が観測されることがあった。
【0010】一方、太陽電池モジュールの最表面に形成
されるフッ化物重合体薄膜は、通常その厚さは30〜1
00μmと薄く、また表面の硬度が小さい。よってフッ
化物重合体薄膜は、外部から加えられる破壊要因、特に
引っかきに対して弱く、容易に穴があく。またフッ化物
重合体薄膜の下に設けられる熱可塑性透明有機樹脂も硬
度が小さい。このため、外部からの破壊要因による損傷
が内部の光起電力素子に及び易い。このため樹脂層の厚
くする必要があるが、これによりモジュールの重量増加
を招く。また樹脂としては可燃性の樹脂が多量に用いら
れるため、難燃性が要求される建材に太陽電池モジュー
ルを共用する場合での適用が困難であった。
【0011】この欠点を解決するために、光起電力素子
の表面に無機酸化物層を形成し、更にその上をフッ素樹
脂層で覆う方法が提案されていた。しかしながら、素子
表面の微細なテクスチャー、集電電極、個々の太陽電池
ユニットを直列及び/または並列化するための接続部
分、集電電極からの電流をさらに集める集電ワイヤー等
の凹凸のある光起電力素子に、塗料の塗布や蒸着等によ
って無機酸化物層を均一に形成することは困難である。
このため、無機酸化物層の局所的な薄膜部分に発生し易
いピンホール等からの水蒸気の侵入の恐れがあった。ま
た無機酸化物は素子表面との密着力に乏しく、素子基板
の曲げによりクラックや剥離が発生し易かった。更に、
このように無機酸化物層の薄膜一層を光起電力素子上に
設ける方法では、充分な防湿性や耐擦傷性を確保するこ
とが難しく、これを解決するために厚膜化した場合に
は、無機物の脆弱性や光起電力素子との熱膨張係数の違
いを原因とするクラックや剥離を生じ易くなる。また生
産性の面から見れば、塗料の塗布あるいはスパッタ・蒸
着により無機酸化物層を光起電力素子表面に形成する方
法は、工程が煩雑で、多くのタクトタイムを費やすた
め、生産性の低下や生産コストの増大につながる可能性
があった。
【0012】本発明は、高湿度環境下でも光電変換機能
の低下が少なくて長期的に安定した性能を発揮するとと
もに、受光表面の耐擦傷性に優れ、また生産性の高い太
陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、鋭意研究開発を重ねた結果、光起電力素子
の受光面側の有機高分子層中に透明無機絶縁体薄膜を表
面に形成した高分子フィルムを挿入することで、外部か
らの太陽電池モジュールヘの透湿を抑え高湿度環境下で
の光電変換機能の低下を低減できるとともに、モジュー
ル受光表面の耐擦傷性を充分に確保できることを見出だ
した。
【0014】即ち本発明の太陽電池モジュールは、光起
電力素子の受光面側が透明有機高分子層とフッ化物重合
体層で順次覆われている太陽電池モジュールにおいて、
前記透明有機高分子層内に、透明無機絶縁体薄膜を表面
に形成した高分子フィルムを少なくとも一枚挿入したこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】光起電力素子の受光面側が透明な有機高分子層
とフッ化物重合体層で順次覆われた太陽電池モジュール
において、有機高分子層中に上記のように透明無機絶縁
体薄膜を表面に形成した高分子フィルム(透明防湿フィ
ルム)を挿入することによって、従来問題となっていた
湿度による太陽電池モジュールの性能低下を大幅に抑制
できる。
【0016】尚、透明無機絶縁体薄膜を高分子フィルム
上に形成することで、従来のように光起電力素子上に直
接形成する場合に比べて、ピンホール発生が極めて少な
く且つ均一な被覆が可能となる。また透明無機絶縁体薄
膜を構成する金属酸化物と高分子フィルムとの間の密着
力は容易に高めることができるため、従来のように光起
電力素子の表面に形成する場合のようなクラックや剥離
の発生をおさえることができる。
【0017】また有機高分子層に設けられた上記透明防
湿フィルムは、引っかき等から光起電力素子の損傷を防
ぐ機械的な保護膜の役目も果たすため、太陽電池モジュ
ールの耐擦傷性の向上も図れる。
【0018】そして、必要に応じて上記の透明防湿フィ
ルムを複数枚有機高分子層内に設けることで、防湿性や
耐擦傷性を容易に向上できる。またこの場合、予め透明
防湿フィルムを用意しておけば現状の真空ラミネーター
による太陽電池モジュールの製造プロセスをほとんど変
更する必要がない。更に、ロールラミネーター等種々の
ラミネートプロセスヘの導入も容易に実現できる。この
ため、従来より行われていた光起電力素子表面への無機
質層形成による方法に比べて、生産性の面からみても有
利である。 (実施態様例)以下、本発明の太陽電池モジュールの実
施態様例の構成を説明する。
【0019】図1に本発明の太陽電池モジュールの実施
態様例の一例を示した。この太陽電池モジュールは、絶
縁性の裏面材101、光起電力素子103、透明な有機
高分子層102、フッ化物重合体フィルム107、高分
子フィルム104、透明無機絶縁体薄膜105から作ら
れる。透明無機絶縁体薄膜105は高分子フィルム10
4の表面に形成され、これらによって透明防湿フィルム
106が構成される。
【0020】光起電力素子103の裏面側には、接着剤
を兼ねる有機高分子層102を介して、絶縁性の裏面材
101が貼り付けられている。また光起電力素子103
の受光面側にはフッ化物重合体フィルム107が透明有
機高分子層102によって接着される。これにより、2
つの有機高分子層102の間に、高分子フィルム104
の表面に透明無機絶縁体薄膜105を形成してなる透明
防湿フィルム106が挟持されている。
【0021】透明防湿フィルム106は、高分子フィル
ム104の少なくとも一方の面に透明無機絶縁体をコー
ティングすることによって形成される。コーティングの
方法としては、塗料の塗布によるか、塗料の高分子フィ
ルムヘの濡れ性が悪い場合はプラズマCVD(Chem
ical Vapor Deposition)法ある
いはスパッタ法による。
【0022】次に透明無機絶縁体薄膜105の形成方法
について以下に述ベる。無機絶縁体の形成を塗料の塗布
で行う場合、例えば化1に示すような化学構造を有する
金属アルコキシド化合物を主成分として含む塗料の塗布
がある。
【0023】
【化1】 上記の金属アルコキシド化合物は、触媒の作用によって
脱アルコール・脱水反応を経て重合し、加熱して溶媒を
蒸発させることにより金属酸化物からなる無機質の塗膜
を形成する。金属アルコキシド化合物の具体例として、
アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシアル
ミニウム、アルコキシマグネシウム、アルコキシジルコ
ニウム、あるいはこれらの分子が数個から数十個重合し
たもの等がある。またこの他にも金属アセチルアセトナ
ートやシラノール化合物を主成分とする塗料によっても
同様な皮膜を形成できる。この時、透明無機絶縁体薄膜
105の厚さは曲げ応力や温度変化でクラック、剥離等
を生じにくくするため薄い方が良く、具体的には10μ
m以下であることが好ましく、5μm以下であることが
より好ましい。
【0024】また無機絶縁体のコーティングをスパッタ
法で行う場合、金属酸化物のターゲットを用いてスパッ
タ蒸着して、あるいは金属酸化物を構成する金属をター
ゲットにして反応性ガスの雰囲気下でスパッタして、高
分子フィルム上に無機絶縁体薄膜を形成する。スパッタ
リングは通常アルゴン雰囲気下で行い、反応性ガスとし
て酸素ガス等をアルゴンガスに添加して行う。
【0025】プラズマCVD法で無機絶縁体をコーティ
ングするには、金属酸化物を構成する金属元素を含む原
料ガスと酸素原子を含む原料ガスを混合して、RF(R
adio Frequency)波あるいはマイクロ波
のような高周波放電でプラズマ化して、高分子フィルム
104上に透明無機絶縁体薄膜105を形成する。
【0026】透明無機絶縁体薄膜105は、高分子フィ
ルム104上に形成された際に、高分子フィルム104
と併せた水蒸気透過率が40℃,90%RHの環境下に
おいて10g/m2 ・24hr以下であることが好まし
く、1.0g/m2 ・24hr以下であることがより好
ましい。また、光透過率は400nmから800nmの
波長領域で90%以上であることが望ましい。
【0027】一方、透明無機絶縁体薄膜層105にピン
ホールが存在するとその部分から水蒸気が浸入し光起電
力素子の劣化の原因となるので、ピンホールの発生を極
力抑える薄膜形成プロセスを用いることが重要である。
このため、例えばスパッタ法や蒸着法の場合は、純度の
高いターゲット材・原料ガスと平滑度の高い高分子フィ
ルムを用いることが挙げられる。また塗料の塗布の場合
は、繰り返し塗布等が挙げられる。透明無機絶縁体の具
体的な材料としては、酸化珪素、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化マグネシウム及び酸化ジルコニアから選択され
る少なくとも一種類以上を含むものが使用される。
【0028】高分子フィルム104は、上記に挙げた種
々の薄膜形成法、即ち、塗料の塗布、スパッタ法、プラ
ズマCVD法による無機質薄膜形成に十分耐え得る耐熱
性、耐薬品性を備えていることが必要である。また、表
面樹脂層を通してとはいえども太陽光に直接晒されるこ
とを考慮して、ある程度の耐候性(耐光性)を有してい
ることが望ましい。更に、無機物と有機樹脂の双方への
密着力が良好で、耐擦傷性を向上させるために、厚さ2
0μm以上の硬質フィルムであることがより望ましい。
このような目的にかなう高分子フィルムの原料樹脂とし
ては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ナイロ
ン、ポリカーボネート、アクリル、ポリプロピレン、ア
セテート樹脂、フッ素樹脂等がある。また、金属酸化物
をコーティングする面をコロナ放電やプライマー等で予
め処理しておき、金属酸化物とフィルムとの密着性を高
めることもできる。
【0029】本実施態様例では上記方法で作られた透明
防湿フィルム106を1枚挿入しただけであるが、必要
に応じて複数枚挿入することも可能である。この際、透
明防湿フィルムは一層より二層、二層より三層の方が防
湿および耐スクラッチ効果(耐擦傷効果)が高くなる
が、光の透過率を抑制しない範囲で決定する。透明無機
絶縁体薄膜105は、高分子フィルムの受光面側に形成
されている方が金属酸化物の紫外線吸収効果によりフィ
ルムの光劣化が抑えられるため望ましいが、逆側であっ
ても構わない。また、フィルムの両面に透明無機絶縁体
薄膜105を形成することももちろん可能である。更
に、無機物層(透明無機絶縁体薄膜105)と有機高分
子層102との接着性を向上させるため、防湿フィルム
106の表面をシランカップリング剤、有機チタネート
化合物等の有機金属化合物で処理してもよい。
【0030】フッ化物重合体フィルム107としては、
例えばETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合
体)、PCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)、PF
A(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合体)、PVDF(フッ化ビニリデン
樹脂)、PVF(フッ化ビニル樹脂)等が挙げられる。
尚、有機高分子層102と接する面を予めコロナ放電等
で処理しておき、有機高分子層との接着性を高めること
もしばしば行われる。
【0031】有機高分子層102は、フッ化物重合体フ
ィルム107、透明防湿フィルム106及び裏面材10
1を光起電力素子103に接着するとともに、外部から
の衝撃や引っかきから光起電力素子103を保護する充
填剤としての役目をはたしている。有機高分子層102
の材料としては、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル
共重合体)、PVB(ポリビニルブチラール)、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂等の透明な樹脂を主成分とする接着剤が用い
られる。これらの樹脂には耐熱性を高めるための架橋剤
や熱酸化防止剤、光劣化を抑えるために紫外線吸収剤や
光酸化防止剤を添加することが望ましい。また、透明防
湿フィルム106上の透明無機絶縁体薄膜105との密
着性を十分にするために、樹脂中に予めシランカップリ
ング剤や有機チタネート化合物を添加しておくことも行
われる。
【0032】更に、太陽電池に到達する光量の減少をな
るべく抑えるために、有機高分子層102を構成する透
明有機高分子の光透過率は、400nm以上800nm
以下の可視光領域において80%以上であることが望ま
しい。また大気からの光の入射を容易にするために、屈
折率が1.1〜2.0であることが好ましく、1.1〜
1.6であることがより好ましい。
【0033】図1の太陽電池モジュールの作製方法とし
ては、真空ラミネーターによるラミネーションが一般的
である。即ち、透明な有機高分子樹脂をシート状に成型
したものを接着シートとして用い、裏面材101/接着
シート/光起電力素子103/接着シート/透明防湿フ
ィルム106/接着シート/フッ化物重合体フィルム1
07の順に重ねたものを、減圧下で1kg/cm2 程度
の圧力を加えながら所定時間加熱し、ラミネートモジュ
ールを得る。
【0034】絶縁性の裏面材101としては、例えば、
種々の絶縁性樹脂、セラミックス、ガラス、絶縁被覆し
た金属基板、アルミラミネートフィルム、ガラス繊維強
化プラスチック(FRP)等が用いられる。
【0035】本発明に於ける光起電力素子は、少なくと
も導電性基体上に、光変換部材としての半導体光活性層
が形成されたものである。その一例としての概略構成図
を図2に示した。この光起電力素子は、導電性基体20
1、裏面反射層202、半導体光活性層203、透明導
電層204、集電電極205、出力端子206、導電性
接着剤207、絶縁体208から構成される。
【0036】導電性基体201は、光起電力素子の基体
になると同時に、下部電極の役割も果たす。材料として
は、シリコン、タンタル、モリブデン、タングステン、
ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カーボンシー
ト、鉛メッキ鋼板等、導電層が形成してある樹脂フィル
ムやセラミックス等がある。
【0037】導電性基体201上には、裏面反射層20
2として、金属層、あるいは金属酸化物層、あるいは金
属層と金属酸化物層を形成しても良い。金属層には、例
えば、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Ni等が用
いられ、金属酸化物層には、例えば、ZnO,Ti
2 ,SnO2 等が用いられる。金属層及び金属酸化物
層の形成方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法等がある。
【0038】半導体光活性層203は、光電変換を行う
部分で、具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリ
コン、pin接合型アモルファスシリコン系、あるいは
CuInSe2 ,CuInS2 ,GaAs,CdS/C
2 S,CdS/CdTe,CdS/InP,CdTe
/Cu2 Teをはじめとする化合物半導体等が挙げられ
る。この半導体光活性層203の形成方法としては、多
結晶シリコンの場合は溶融シリコンのシート化または非
晶質シリコンの熱処理、アモルファスシリコン系の場合
はシランガス等を原料とするプラズマCVD法、化合物
半導体の場合はイオンプレーティング、イオンビームデ
ポジション、真空蒸着法、スパッタ法、電析法等が挙げ
られる。
【0039】透明導電層204は太陽電池の上部電極の
役目を果たしている。透明導電層204に用いられる材
料としては、例えば、In2 3 ,SnO2 ,In2
3 −SnO2 (ITO),ZnO,TiO2,Cd2
nO4 等、高濃度不純物ドープした結晶性半導体層等が
ある。形成方法としては抵抗加熱蒸着、スパッタ法、ス
プレー法、CVD法、不純物拡散法等がある。
【0040】透明導電層204の上には、電流を効率よ
く集電するために、格子状の集電電極(グリッド)20
5を設けてもよい。集電電極205の具体的な材料とし
ては、例えば、Ti,Cr,Mo,W,Au,Ag,N
i,Cu,Sn,あるいは銀ペーストをはじめとする導
電性ペースト等が挙げられる。集電電極205の形成方
法としては、マスクパターンを用いたスパッタリング、
抵抗加熱、CVD法や、全面に金属膜を蒸着した後で不
必要な部分をエッチングで取り除きパターニングする方
法、光CVDにより直接グリッド電極パターンを形成す
る方法、グリッド電極パターンのネガパターンのマスク
を形成した後にメッキする方法、導電性ペーストを印刷
する方法等がある。導電性ペーストは、通常微粉末状の
銀、金、銅、ニッケル、カーボン等をバインダーポリマ
ーに分散させたものが用いられる。バインダーポリマー
としては、例えば、ポリエステル、エポキシ、アクリ
ル、アルキド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタ
ン、フェノール等の樹脂が挙げられる。
【0041】最後に起電力を取り出すために、出力端子
206を導電性基体201と集電電極205に取り付け
る。導電性基体201へは、銅タブ等の金属体をスポッ
ト溶接や半田で接合する方法が取られる。また集電電極
205へは、金属体を導電性接着剤や半田によって電気
的に接続する方法が取られる。尚、出力端子206を集
電電極205に取り付ける際、出力端子206が導電性
基体201や半導体光活性層203と接触して短絡する
のを防ぐために、絶縁体層208を設けることが望まし
い。
【0042】上記のようにして作製した光起電力素子
は、所望する電圧あるいは電流に応じて直列か並列に接
続される。また、絶縁化した基板上に光起電力素子を集
積化して所望の電圧あるいは電流を得ることもできる。
【0043】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1) (光起電力素子)アモルファスシリコン(a−Si)太
陽電池(光起電力素子)を製作した。作製手順を図2を
用いて説明する。即ち、洗浄したステンレス基板201
上に、スパッタ法で裏面反射層202としてAl層(膜
厚5000Å)とZnO層(膜厚5000Å)を順次形
成する。次いで、プラズマCVD法により、SiH4
PH3 とH2 の混合ガスからn型a−Si層を、SiH
4 とH2 の混合ガスからi型a−Si層を、またSiH
4 とBF3 とH2 の混合ガスからp型微結晶μc−Si
層をそれぞれ形成し、n層膜厚150Å/i層膜厚40
00Å/p層膜厚100Å/n層膜厚100Å/i層膜
厚800Å/p層膜厚100Åの層構成のタンデム型a
−Si光電変換半導体層203を形成した。
【0044】次に、透明導電層204として、In2
3 薄膜(膜厚700Å)を、O2 雰囲気下でInを抵抗
加熱法で蒸着することで形成した。更に、集電用のグリ
ッド電極205を銀ペーストのスクリーン印刷により形
成した。最後に、マイナス側端子として銅タブをステン
レス基板201にステンレス半田を用いて取り付け、ま
たプラス側端子として錫箔のテープを銀ペーストにして
集電電極に取り付けて出力端子206とし、光起電力素
子を得た。
【0045】(透明防湿フィルム)図4の構成のRFプ
ラズマCVD装置(マグネトロンスパッタ装置)を用い
て厚さ25μmのPETフィルム401(東レ製、商品
名「ルミラー」)上に酸化珪素薄膜を形成した。ターゲ
ット材406には、二酸化珪素を用いた。
【0046】具体的にはまず、PETフィルム401を
180℃に加熱し、10-6Torrの真空度まで排気し
た後、ガス導入管408からそれぞれアルゴンガス6s
ccm、酸素ガス2sccm、水素ガス1sccmの流
量で流し、スパッタ処理室(プラズマ処理室)407内
の圧力を5mTorrに調節した。次いで13.56M
Hzの高周波電源409から200Wを供給して、巻き
出しロール403から巻き出されるPETフィルム40
1上に連続的に厚さ0.1μmの酸化珪素の薄膜を形成
し、得られた透明無機絶縁体薄膜形成後のPETフィル
ム402を、巻き取りロール404に巻取った。尚、こ
の装置にはその他、アノード(アース)電極兼ヒータ4
05やカソード電極(ターゲット)406が設けられて
いる。
【0047】(太陽電池モジュール)太陽電池モジュー
ルの作製方法を図1を用いて説明する。直並列接続して
所望の出力を取り出せるようにした光起電力素子を図1
の構成でラミネートした。裏面材101としてはアルミ
ラミネートテドラーフィルムを用いた。また有機高分子
102としては、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤を
予め添加して成型したシート状EVA(モーベイ社製、
厚さ460μm)を用いた。更に透明防湿フィルム10
6としては上記のPETフィルムを、フッ化物重合体フ
ィルム107としては有機高分子との接着面をコロナ放
電処理したETFEフィルム(デュポン製、商品名テフ
ゼルT2フィルム、一軸延伸、厚さ38μm)を、それ
ぞれ用いた。
【0048】これら各構成材のラミネート処理は、真空
ラミネーターで1Torr程度に排気して大気圧をか
け、150℃で30分間加熱することによって行った。
出力端子はあらかじめ被覆材の端面よりはみ出させてお
いてラミネートすることにより外部に取りだした。
【0049】(評価方法)上記方法にて作製した太陽電
池モジュールについて以下の項目について評価を行っ
た。またこれら項目について行った評価結果について表
1に示す。
【0050】(1)温湿度サイクル −40℃/1時間、85℃/85%RH/4時間の温湿
度サイクル試験を20サイクル行い、試験後の太陽電池
モジュールの外観を観察した。
【0051】(2)耐湿度 ソーラーシミュレーターで受光面に100mW/cm2
の疑似太陽光を照射しながら85℃/85%RHの雰囲
気中に太陽電池モジュールを24時間置き、試験前後の
太陽電池モジュールのAMl.5、100mW/cm2
の光照射下での変換効率を測定し、10サンプルの太陽
電池モジュールにおける平均の変換効率の相対低下率を
求めた。
【0052】(3)耐擦傷性 図3のように、厚さ1mmのカーボンスチール製鋸刃3
02の直角部に3ポンドの荷重をかけ、太陽電池モジュ
ール受光表面301を引っかき、光起電力素子に損傷が
ないかを評価した。
【0053】(実施例2) (光起電力素子)実施例1と同様にして光起電力素子を
作製した。
【0054】(透明防湿フィルム)図5に示した構成の
マイクロ波放電プラズマCVD装置を用いて両面コロナ
放電処理した厚さ64μmのETFEフィルム501
(デュポン製、商品名テフゼルT2フィルム、一軸延
伸)上に、アルミナ薄膜を形成した。
【0055】まずETFEフイルムを200℃に加熱
し、10-6Torrの真空度まで排気した後、ガス導入
管509からアルゴンガス100sccmでAl(OC
2 53 をバブリングしたガスと酸素ガス300sc
cmを導入し、堆積室506の内圧を0.1Torrに
保った。次いで、マイクロ波電源511からマイクロ波
導波管510と導入窓508を通して300Wのマイク
ロ波を導入して放電させてプラズマ507を発生させ、
巻き出しロール503から巻き出されるETFEフィル
ム501上に連続的にマイクロ波プラズマCVDで厚さ
0.2μmのアルミナ薄膜を形成し、得られた透明無機
絶縁体薄膜形成後のETFEフィルム502を巻き取り
ロール504に巻取った。尚、この装置にはその他、ア
ース電極兼ヒータ505が設けられている。
【0056】(太陽電池モジュール)実施例1において
透明防湿フィルムを上記ETFEフィルムにかえた。ま
た、真空ラミネーターの代わりにロールラミネーターを
用いた。即ち、被覆材構成の順に重ねられたアルミラミ
ネートテドラーフィルムからなる裏面材101、シート
状EVA(モーベイ社製、厚さ460μm)からなる有
機高分子層l02、透明防湿フィルム106、ETFE
フィルム(デュポン製、商品名テフゼルT2フィルム、
一軸延伸、厚さ38μm)からなるフッ化重合体フィル
ム107を連続的に供給し、これらフィルム重畳体の間
に光起電力素子を挿入し、ヒートロールで上下から加熱
してEVAを溶融させ、連続する被覆材中に複数個の光
起電力素子がラミネートされたものを作製した。そして
被覆材を切断することにより個々の光起電力素子に分離
した。その後、150℃の雰囲気下で30分加熱してE
VAを架橋させて、太陽電池モジュールを得た。
【0057】(評価方法)実施例1と同様に評価を行
い、表1に結果を示した。
【0058】(実施例3) (光起電力素子)実施例1と同様にして光起電力素子を
作製した。
【0059】(透明防湿フィルム)両面コロナ放電処理
した厚さ75μmのナイロンフイルム(デュポン製、商
品名ダーテック)にアルコキシアルミニウムとアルコキ
シシランを主成分とする金属アルコキシド系塗料(日板
研究所製、商品名セラミカG92−2)を浸漬法にて塗
布・硬化(150℃、20分)し、両面に厚さ5μmの
アルミナと酸化珪素の混合物の薄膜を形成した。
【0060】(太陽電池モジュール)実施例1において
透明防湿フィルムを上記ナイロンフィルムにかえ、裏面
材を絶縁塗装を施した亜鉛メッキ鋼板にかえた以外は同
様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0061】(評価方法)実施例1と同様に評価を行
い、表1に結果を示した。
【0062】一方、本発明の実施例の効果を明確にする
ため、以下のような太陽電池モジュールを作製して実施
例と比較した。これら比較例の評価は実施例と同じ方法
で行い、またその結果を表1に示した。
【0063】(比較例1)実施例1において酸化珪素薄
膜を形成していないPETフィルムを用いた他は実施例
1と同様にして、太陽電池モジュールを作製した。
【0064】(比較例2)実施例2においてアルミナ薄
膜を形成していないETFEフィルムを用いた他は実施
例2と同様にして、太陽電池モジュールを作製した。
【0065】(比較例3)実施例3において塗料を塗布
していないナイロンフィルムを用いた他は実施例3と同
様にして、太陽電池モジュールを作製した。
【0066】(比較例4)実施例1においてPETフィ
ルムを挿入しない他は同様にして、太陽電池モジュール
を作製した。
【0067】(比較例5) (光起電力素子)実施例1と同様にして光起電力素子を
作製した。
【0068】(太陽電池モジュール)上記作製した光起
電力素子を所望の出力が得られるように直並列接続した
後、裏面にエポキシ樹脂一液硬化型接着剤(横浜ゴム
製、商品名ハマタイトY3800)を塗布し、また裏面
材として絶縁塗装したガルバリウム鋼板(0.3mm
厚)を接着した。次に出力端子と鋼板裏面をテープによ
りマスクし、光起電力素子の受光面側にアルコキシシラ
ンを主成分とする金属アルコキシド系塗料(日板研究所
製、商品名セラミカG90)を浸漬法にて塗布・硬化
(120℃、30分)し、厚さ10μmの酸化珪素層を
形成した。この上にシランカップリング剤(東レ・ダウ
コーニング社製、品番SZ6030)を0.3重量部添
加したフッ素樹脂塗料(日本油脂製、商品名べルフロ
ン)をエアスプレーにて塗布して厚さ80μmのフッ素
樹脂層を形成し、出力端子と鋼板裏面のマスクテープを
取り去り、太陽電池モジュールを得た。
【0069】表1から明らかな通り、高分子フィルムに
透明無機絶縁体薄膜を形成したものを防湿層として用い
た実施例の太陽電池モジュールでは、高湿度環境下にお
ける促進劣化試験による光電変換機能の低下を著しく抑
制できた。
【0070】また実施例lと比較例4から、透明防湿フ
ィルムがモジュール表面の耐擦傷性の向上につながるこ
ともわかった。
【0071】更に実施例1〜3と比較例5から、透明無
機絶縁体薄膜を形成した高分子フィルムを防湿層として
用いることにより、光起電力素子上に直接金属酸化物層
を形成する場合に比ベて、曲げや温度変化による金属酸
化物層のクラックや剥離の発生を抑えることができた。
【0072】また実施例2のように、透明無機絶縁体薄
膜を表面に形成したフィルムを連続的に供給してロール
ラミネートを行うことにより、極めて容易にまた迅速に
被覆材中に無機絶縁体層を形成することができた。
【0073】尚、本発明に係わる太陽電池モジュールの
表面被覆方法は以上の実施例に限定されるものではな
く、その要旨の範囲内で種々変更することができる。
【表1】 太陽電池モジュールの評価結
耐湿度試験後の前後での変換効率の相対低下率
【0074】
【発明の効果】本発明では、光起電力素子の受光面側が
透明有機高分子層とフッ化物重合体層で順次覆われてい
る太陽電池モジュールにおいて、透明有機高分子層内
に、透明無機絶縁体薄膜を表面に形成した高分子フィル
ム(透明防湿フィルム)を少なくとも一枚挿入した構成
としたので、防湿性に優れ、高湿度環境下でも機能低下
が少なく、長期的に安定した性能を有する太陽電池モジ
ュールを提供できる。
【0075】また有機高分子層に設けた上記透明防湿フ
ィルムによって引っかき等から光起電力素子の損傷を防
止することができるため、太陽電池モジュールの耐擦傷
性の向上も図れる。
【0076】更に、本発明の太陽電池モジュールは、上
記の透明防湿フィルムを用意するだけで現状の太陽電池
モジュールの製造プロセスを変更することなく製造でき
るため、その生産が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの概略を示し
た断面図である。
【図2】図1の太陽電池モジュールで使用する光起電力
素子の基本構成を示した断面図である。
【図3】実施例で用いた太陽電池モジュールの耐擦傷性
試験の説明図である。
【図4】実施例においてPETフィルムに透明無機絶縁
体薄膜を形成するためのRFプラズマCVD装置の説明
図である。
【図5】実施例においてETFEフィルムに透明無機絶
縁体薄膜を形成するためのマイクロ波放電プラズマCV
D装置の説明図である。
【図6】従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
101 裏面材、 102 有機高分子層、 103 光起電力素子、 104 高分子フィルム、 105 透明無機絶縁体薄膜、 106 透明防湿フィルム、 107 フッ化物重合体フィルム、 201 導電性基体、 202 裏面反射層、 203 半導体光活性層、 204 透明導電層、 205 集電電極、 206 出力端子、 207 導電性接着剤、 208 絶縁体、 301 太陽電池モジュール受光表面、 302 カーボンスチール製鋸刃、 401 PETフィルム、 403、503 巻き出しロール、 404、504 巻き取りロール、 408 ガス導入管、 409 高周波電源、 501 ETFEフィルム、 509 ガス導入管、 510 マイクロ波導波管、 511 マイクロ波電源、 601 フッ化物重合体薄膜層、 602 熱可塑性透明有機樹脂、 603 光起電力素子、 604 絶縁体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光起電力素子の受光面側が透明有機高分
    子層とフッ化物重合体層で順次覆われている太陽電池モ
    ジュールにおいて、前記透明有機高分子層内に、透明無
    機絶縁体薄膜を表面に形成した高分子フィルムを少なく
    とも一枚挿入したことを特徴とする太陽電池モジュー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記透明無機絶縁体薄膜の厚さが10μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池
    モジュール。
  3. 【請求項3】 前記透明無機絶縁体薄膜が、酸化珪素、
    アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム及び酸化ジル
    コニアから選択される少なくとも一種類以上の金属酸化
    物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の太陽
    電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記透明無機絶縁体薄膜が、プラズマC
    VD法あるいはスパッタ法によって前記高分子フィルム
    上に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記透明無機絶縁体薄膜が、金属アルコ
    キシド化合物、シラノール化合物、金属アセチルアセト
    ナートのうち少なくとも一種類以上を含む塗料の塗布に
    よって前記高分子フィルム上に形成されることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジ
    ュール。
  6. 【請求項6】 前記透明無機絶縁体薄膜が表面に形成さ
    れた前記高分子フィルムの表面を、シランカップリング
    剤、有機チタネート化合物等の有機金属化合物で処理す
    ることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュー
    ル。
  7. 【請求項7】 前記透明有機高分子層中にシランカップ
    リング剤、有機チタネート化合物のうちのいずれか一方
    を含有させることを特徴とする請求項1記載の太陽電池
    モジュール。
  8. 【請求項8】 前記高分子フィルムが、厚さ20μm以
    上の硬質フィルムであることを特徴とする請求項1記載
    の太陽電池モジュール。
  9. 【請求項9】 前記硬質フィルムが、PET(ポリエチ
    レンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレ
    ート)、ナイロン、ポリカーボネート、アクリル、ポリ
    エチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂のうちいずれか
    一種類の樹脂を原料とするフィルムであることを特徴と
    する請求項8記載の太陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 前記光起電力素子が、導電性基体上に
    光変換部材としての半導体光活性層と、透明導電層を形
    成したものであることを特徴とする請求項1記載の太陽
    電池モジュール。
  11. 【請求項11】 前記半導体光活性層が非晶質半導体薄
    膜であることを特徴とする請求項10記載の太陽電池モ
    ジュール。
  12. 【請求項12】 前記非晶質半導体薄膜がアモルファス
    シリコンであることを特徴とする請求項11記載の太陽
    電池モジュール。
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