JP2012094621A - 太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents

太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】平滑面を有し、光劣化に優れた太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを提供する
【解決手段】A層とB層からなる積層ポリエステルフィルムであり、A層はアナターゼ型二酸化チタン粒子を含み、B層はルチル型二酸化チタン粒子を含み、A層の二酸化チタン粒子濃度はポリエステルに対して2質量%以上30質量%以下であり、B層表面の中心面平均表面粗さSRaは80nm以下である、太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムに関する。より詳しくは、防湿層などの積層に適した平面性を有し、光劣化に優れ、太陽電池バックシート構成部材として好適な太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムに関する。
石油燃料に由来しないエネルギーを利用して電力を得ることのできる太陽電池は、環境保護の面からその要求が高まっている。その構造としては、一般的に数枚〜数十枚の太陽電池素子を直列、並列に配線し、素子を保護するため種々パーケージングが行われ、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙を埋め、裏面を耐熱、耐候性プラスチック材料などの複数の層構成を有するバックシートで保護された構成になっている。
バックシートとして、例えば、太陽電池素子側からポリエステルフィルム/高耐久防湿層(最外層)、ポリエステルフィルム/金属系薄膜層などの防湿層/高耐久防湿層(最外層)などの積層構成を有したものが上市されている。ここで用いられるポリエステルフィルムとしては太陽光線を有効に利用するために白色顔料を添加したポリエステルフィルムが開示されている(特許文献1〜3)。白色フィルムを用いることで、太陽光線の反射が生じ、太陽電池素子が利用できる光線量を増加させることができる。そのため、太陽電池の光電変換効率を向上させる点で白色フィルムを用いることは有効である。
特開2010−141291号公報 特開2009−263604号公報 特開2008−166338号公報
太陽電池素子は高度な防湿性が要求されている。特に、薄膜系シリコンやアモルファス型シリコンを用いた方式ではより高度なバリア性が要求される。さらに、太陽電池は従来以上に長期継続的な使用が予定される。このような、長期にわたり高度な防湿性を要求されるバックシートにおいては、ポリエステルフィルム表面の突起形状が防湿性低下の要因となることがわかった。つまり、バックシートに用いるポリエステルフィルムに突起が存在すると熱プレス時に金属系薄膜層や高耐久防湿層にキズや凹みを生じる。そのため、局所的に耐防湿性が低下し、高度な防湿性を要求されるバックシートにおいて、このような突起の多いポリエステルフィルムを用いると、太陽電池の寿命に大きな影響を与える。
しかし、従来の白色ポリエステルフィルムは、白色顔料を多量に添加するため、フィルム表面が粗くなるのは不可避であった。そのため、金属蒸着層などの金属系薄膜層や高耐久防湿層を直接白色ポリエステルフィルムに設けようとすると、フィルム表面が粗いため、表面の突起でピンホールが発生しやすく、ガスバリア性が不十分となることから、バックシートとして用いたときに耐久性が低下する場合があった。そこで、フィルムの平面性と光反射特性とを高度に両立させることが必要となってきた。さらに、太陽電池素子の薄膜化の進展により、太陽光がシリコン薄膜などを透過して直接裏面保護膜に到達しやすくなっている。そのため、バックシートが光照射による分解・劣化が問題となりつつある。特に、紫外線領域の光線はフィルム基材の光劣化を促進しやすく、太陽電池モジュールの耐用年限をより延ばす上では障害となりうる。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、防湿層などの積層に適した平面性を有し、光劣化や光反射性に優れ、太陽電池バックシート構成部材として好適な太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を以下の手段により解決するものである。
本発明の第1の発明は、A層とB層からなる積層ポリエステルフィルムであり、A層はアナターゼ型二酸化チタン粒子を含み、B層はルチル型二酸化チタン粒子を含み、A層の二酸化チタン粒子濃度はポリエステルに対して2質量%以上30質量%以下であり、B層表面の中心面平均表面粗さSRaは80nm以下である、太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムである。
第2の発明は、B層の二酸化チタン粒子濃度はポリエステルに対して1質量%以上10質量%未満であり、A層の二酸化チタン粒子濃度よりも小さい、前記太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムである。
第3の発明は、光学濃度が0.40以上である、前記太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムである。
第4の発明は、固有粘度が0.58dl/g以上0.75dl/g以下、酸価が3eq/ton以上15eq/ton以下である、前記太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムである。
本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム、光反射性と、防湿層などの積層に適した平面性を有し、さらには、光照射下での優れた耐久性をも有する。よって、太陽電池バックシートの構成部材として有用である。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げられる。
本発明で用いるポリエステルの重縮合触媒は、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物等を用いることができる。ポリエステルの特性、加工性、色調品に問題が生じない範囲内において、適量共存させても良い。本発明で用いるポリエステル中には、使用する目的に応じて、蛍光増白剤、紫外線防止剤、赤外線吸収色素、熱安定剤、界面活性剤、酸化防止剤などの各種添加剤を1種もしくは2種以上含有させることができる。
本発明ではポリエステルフィルムの耐久性を付与するため、ポリエステルフィルムの固有粘度は0.58から0.75dl/gが好ましく、さらには0.60から0.73dl/gであることが好ましい。フィルムの固有粘度が0.58dl/gより低い場合には、フィルムの耐久性が劣る場合がある。また、0.75dl/gより高い場合には、生産性が悪化する場合がある。
ポリエステルのカルボキシル末端は自己触媒作用により加水分解を促進する作用がある。ポリエステルのカルボキシル末端濃度は酸価により表される。そのため、本発明のポリエステルフィルムの酸価がポリエステルに対し3から15eq/tonの範囲であることが好ましく、5から10eq/ton以下であることがより好ましい。この値が15eq/tonより大きい場合は、耐加水分解性が低下し、太陽電池用部材としての耐久性が発揮できす、早期の劣化が生じやすくなる。なお、ポリエステルの酸価の測定は、後述する滴定法、もしくはNMR法により測定することができる。
ポリエステルフィルムの固有粘度および酸価は原料樹脂の重合条件を適宜選択することにより制御することができる。例えば、エステル化反応装置の構造等の製造装置要因や、エステル化反応槽に供給するスラリーのジカルボン酸とグリコールの組成比、エステル化反応温度、エステル化反応圧、エステル化反応時間等のエステル化反応条件もしくは固相重合条件等を適宜設定することにより行えばよい。
本発明に使用する白色ポリエステルフィルムは、光学濃度が0.40以上であることが好ましい。この光学濃度が高いほど太陽光線の反射率が高いため、太陽電池モジュールとして用いた際の発電効率のために光学濃度は0.40以上であることが好ましく、0.45以上が好ましく、0.50以上がより好ましい。
光学濃度を0.40以上にするために上記ポリエステルに白色顔料として隠蔽性に優れた二酸化チタン粒子を添加することが重要である。しかしながら、フィルム中に粒子を添加するとフィルム表面が粗くなり、金属蒸着層などを設けた際に長期間の使用でバリア性が低下する場合がある。そこで、本発明のポリエステルフィルムは後述のようなA層とB層の2層構成からなるヘテロな層構成を採用することが好ましい。
本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、A層とB層の2層構成を有し、A層にはアナターゼ型二酸化チタン粒子を、B層にはルチル型二酸化チタン粒子を含有する。このような粒子構成を採用する理由は以下の通りである。
二酸化チタンには結晶構造が異なるアナターゼ型とルチル型の2種の粒子が存在する。これらは紫外線吸収領域が異なるため、紫外線に対する反射態様が相違する。そこで、A層に紫外線領域の反射特性が高いアナターゼ型二酸化チタン粒子を含有し、高い光劣化能を有する紫外部領域の外光をA層で反射することで、基材フィルムの光劣化を抑制する。また、二酸化チタンは光触媒作用を有しており、触媒反応により活性酸素が生じやすい。そこで、B層に光触媒活性の低いルチル型二酸化チタン粒子を含有することで、高い光学濃度を奏しつつ、基材フィルム全体の光劣化を抑制する。このように機能の異なる2種の二酸化チタン粒子を組み合わせることで、光劣化を好適に抑制することができる。
また、B層表面の中心面平均表面粗さSRaは80nm以下とすることが好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは40nm以下、よりさらに好ましくは35nm以下である。フィルムに金属蒸着層などの防湿層を積層した場合、表面突起に影響により長期の使用でピンホールなどが生じ、防湿性が低下する場合がある。そこで、B層表面を上記のように平滑にすることで、長期使用でも防湿性の維持に好適なフィルム基材となる。本発明では前記のように機能の異なる粒子をそれぞれ別途添加することで、高い光学濃度を維持しつつ、B層中の二酸化チタン粒子の濃度を低減させることができ、フィルム表面の平滑化に好適である。
A層にアナターゼ型二酸化チタン粒子は2質量%以上30質量%以下含むことが好ましく、2質量%以上20質量%以下含むことがより好ましく、3質量%以上15質量%以下含むことがさらに好ましく、3質量%以上9質量%以下含むことがよりさらに好ましい。A層中の粒子濃度が上記下限以上であれば紫外線領域の光線を好適に反射することができる。また、A層中の粒子濃度が上記上限以下であると基材フィルムの軽量化の点では好適である。また、アナターゼ型二酸化チタン粒子の平均粒子径は0.05μm以上0.5μm以下が好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がより好ましい。
B層にルチル型二酸化チタン粒子は1質量%以上10質量%未満含むことが好ましく、2質量%以上7質量%以下含むことがより好ましい。B層中の粒子濃度が上記下限以上であれば好適な光学濃度を得ることができる。また、B層中の粒子濃度が上記上限以下であるとB層表面の表面粗さを上記範囲に制御することができる。また、ルチル型二酸化チタン粒子の平均粒子径は0.10μm以上2.5μm以下が好ましく、0.2μm以上2.0μm以下がより好ましい。また、光学濃度を上記範囲に保持しながら、B層表面の表面粗さを上記範囲に抑制するためには、B層中の粒子濃度はA層中の粒子濃度よりも低い方が好ましい。
なお、本発明おいて微粒子の平均粒径は電子顕微鏡法により求める。具体的には、以下の方法による。微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも100個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
本発明の白色積層ポリエステルフィルムの厚みは、30〜300μm、好ましくは35〜250μm、より好ましくは40〜230μm、さらに好ましくは45〜200μmである。フィルム厚みが上記下限より大きい場合は、フィルム強度が増し、バックシートとして好適な強度を保持することができる。また、フィルム厚みが上記上限より小さい場合は、バックシートとして軽量化や薄膜化に好適である。A層とB層の厚みの比は、A層:B層=10:90〜50:50であることが好ましい。A層厚みが50%を超える場合は光触媒作用による劣化が起きる場合がある。また、A層厚みが10%未満である場合は、好適な紫外線反射が得られない場合がある。
本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。
2層積層フィルムを得るには、2台の押出機を準備し、一台にA層の組成物、もう一台にB層の組成物を仕込む。それぞれの押出機で溶融し、必要に応じてフィルタによって濾過した溶融樹脂を、例えば積層ブロックや口金内で積層し、口金から吐出し、これを静電印加法などによって鏡面ドラム上で急冷して非晶シートを得る。得られた非晶シートは少なくとも1軸方向、好ましくは二軸方向に延伸する。延伸は逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもかまわない。例えばポリエチレンテレフタレートの組成物を逐次二軸延伸する場合、未延伸フィルムを70〜120℃程度に加熱したロールによって加熱し、回転速度の異なるロール間で延伸を行う。延伸倍率は2〜5倍程度が好ましい。このようにしてフィルム長手方向に延伸したフィルムは一旦冷却し、ついでフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中でフィルムを横方向に延伸する。延伸倍率は2〜5倍程度が好ましい。横延伸が終了したフィルムは寸法安定性を付与するためにさらに150〜230℃の範囲で熱固定し、室温まで冷却すれば得ることができる。
本発明でいう太陽電池モジュールとは、太陽光、室内光等の入射光を取り込んで電気に変換し、当該電気を蓄えるシステムをいい、表面保護シート、高光線透過材、太陽電池素子、充填剤層およびバックシートなどから構成される。用途によりフレキシブルな性状のものがある。本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムは、バックシートの基材フィルム(ベースフィルム)として用いることができる。
本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムは、単独または2枚以上を貼り合わせて、太陽電池バックシートとして使用することができる。太陽電池バックシートには、水蒸気バリア性を付与する目的で、水蒸気バリア性を有するフィルムやアルミ箔、金属蒸着層などを積層することができる。これらは、本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムに接着層を介して、または直接積層したり、サンドイッチ構造をとる形態で用いたりすることができる。
(1)固有粘度
試料を粉砕して乾燥した後、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒に溶解した。この溶液に遠心分離処理を施して無機粒子を取り除いた後に、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で0.4(g/dl)の濃度の溶液の流下時間及び溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用い、Hugginsの定数が0.38であると仮定して極限粘度を算出した。
(2)酸価
(試料の調製)
試料を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA,B,Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa,b,cとする。
(滴定)
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA,B,Cの滴定量をXA,XB,XC(ml)とする。サンプルa,b,cの滴定量をXa,Xb,Xc(ml)とする。
(酸価の算出)
各溶解時間に対しての滴定量XA,XB,XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い酸価を求める。
酸価(eq/ton)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
(3)B層の中心面平均表面粗さSRa
B層表面を、触針式三次元粗さ計(SE−3AK、株式会社小阪研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたり、針の送り速度0.1mm/秒で測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に解析装置を用いて中心面平均表面粗さSRaを求めた。
(4)光学濃度
透過型の光学濃度計(マクベス社、RD−914)を用いて、白色光での光学濃度を測定した。測定すべきサンプルの任意の5箇所より切り取った50mm四方のサンプル5枚について測定を行い、その平均値を光線透過率(%)に換算した。得られた値について0.40以上のものを○、0.40未満のものを×として評価した。
(5)A層表面の紫外線反射
分光光度計(日立製作所製、Spectrophotometer U−3500)に積分球を取り付け、アルミナ白板(日立計測器サービス社製、210−0740)の反射率が100%となるようにベースライン補正した。試料を設置し、A層表面側の波長390nmでの反射率を求めた。反射率が30%以上のものを○、30%未満のものを×と評価した。
(6)耐光劣化評価
岩崎電機社製「スーパーUVテスターSUV−W151」(メタルハライドランプ、照度100mw/cm2、光量500kJ)を用いて、30時間連続照射した。光照射前後のからーb*値を色差計で測定し、b*値の変化が5以下のものは○、5を越えるものは×と評価した。
(実施例1)
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。重縮合反応終了後、ノズルからストランド状に押出し、冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたPET樹脂について固相重合を行なった。
固相重合したPET樹脂にアナターゼ型二酸化チタン粒子(平均粒子径0.18μm、テイカ社JA−1)を5質量%となるように混合し、PET−Aを得た。さらに、固相重合したPET樹脂にルチル型二酸化チタン粒子(平均粒子径0.30μm、テイカ社JR301)を3質量%となるように混合し、PET−Bを得た。PET−Aを押出機Aに供給し、PET−Bを押出機Bに供給し、280℃で溶解後、厚み比A:B=30:70になるようにシート状に押出し、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを100℃で長手方向に3倍、次いで130℃で幅方向に3.7倍の延伸を行った。その後、テンター内で220℃で熱固定を行い、幅方向に2%の緩和を施し、厚み50μmの太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
層構成比をA:B=50:50に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
PET−Aの粒子濃度を4質量%、層構成比をA:B=20:80に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
PET−Bの粒子濃度を2質量%に変更した以外は実施例3と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
PET−Bの粒子濃度を4質量%に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
PET−Aの粒子濃度を8質量%に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
PET−Bの粒子をルチル型二酸化チタン粒子(平均粒子径1.00μm、テイカ社JR1000)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例8、9)
PET樹脂の固相重合条件を変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
PET−Aの粒子をルチル型二酸化チタン粒子(平均粒子径0.30μm、テイカ社JR301)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
PET−Bの粒子をアナターゼ型二酸化チタン粒子(平均粒子径0.18μm、テイカ社JA−1)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
PET−Bの粒子濃度を10質量%に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
PET−A、PET−Bいずれにも粒子を添加しなかった以外は実施例1と同様にして太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムを得た。
Figure 2012094621
本発明の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルムは、平滑面を有し、光劣化に優れており、太陽電池バックシートを構成する素材として有用である。

Claims (4)

  1. A層とB層からなる積層ポリエステルフィルムであり、
    A層はアナターゼ型二酸化チタン粒子を含み、
    B層はルチル型二酸化チタン粒子を含み、
    A層の二酸化チタン粒子濃度はポリエステルに対して2質量%以上30質量%以下であり、
    B層表面の中心面平均表面粗さSRaは80nm以下である、太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム。
  2. B層の二酸化チタン粒子濃度はポリエステルに対して1質量%以上10質量%未満であり、A層の二酸化チタン粒子濃度よりも小さい、請求項1に載の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム。
  3. 光学濃度が0.40以上である、請求項1または2に記載の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム。
  4. 固有粘度が0.58dl/g以上0.75dl/g以下、酸価が3eq/ton以上15eq/ton以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用白色積層ポリエステルフィルム。
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