JP2014192180A - 太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】隠蔽性に優れ、赤外線領域の光を反射することにより、赤外線照射下での温度上昇を抑制するだけでなく、太陽電池の電換効率を向上が可能となる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルムであって、
前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面の平均反射率が(1)、(2)を満たす太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの表面に波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以下
(2)ポリエステルフィルムの表面に波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以上
【選択図】なし

Description

本発明は、特に太陽電池バックシートとして好適に使用できるポリエステルフィルムに関する。
近年、半永久的で無公害の次世代エネルギー源として太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池は急速に普及しつつある。太陽電池は、発電素子をエチレン−酢酸ビニル共重合体(以降EVAと称することがある)などの透明な封止材により封止したものに、ガラスなどの透明基板と、太陽電池バックシートと呼ばれる樹脂シートを貼り合わせて構成される。太陽光は透明基板を通じて太陽電池内に導入される。太陽電池内に導入された太陽光は、発電素子にて、吸収され、吸収された光エネルギーは、電気エネルギーに変換される。変換された電気エネルギーは発電素子に接続したリード線にて取り出されて、各種電気機器に使用される。ここで、太陽電池バックシートは、太陽電池の発電素子を、雨などの外的影響から保護する目的で用いられる。
太陽電池バックシートには、安価で機械特性に優れるポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略することがある。)や、ポリエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレートなど)樹脂が使用されてきた。
また、太陽電池は、意匠性の観点から、発電素子への配線などが外側から見えないことが求められる。そのため、太陽電池バックシートには高い隠蔽性も必要とされている。フィルムの隠蔽性を向上させるためにはポリエステルフィルムを白色粒子などを添加することによりフィルムを白色化する方法や、黒色顔料などを添加することにより黒色化する方方がある。太陽電池は、住宅の屋根などに設置されることがあるため、意匠性の観点から、黒色化することが要望されている。そこで、黒色顔料としてポリエステルにカーボンブラックを添加したポリエステルフィルムが提案されている(特許文献1、2)。
特開2008−56871号公報 特開2011−119651号公報
しかしながら、黒色は、一般的に、可視光線領域と赤外線領域の両方の光を吸収する。そのため、特許文献1、2に提案されたフィルムでは、太陽光の直射を受けるとバックシートは高温となり、太陽電池バックシートだけでなく太陽電池の各部材の劣化の原因となる。また、太陽電池は、高温条件では発電効率が低下するため、発電効率を低下させる要因ともなる。
また、太陽電池バックシートには、太陽光を反射させることにより太陽電池の電換効率を向上させることも要求されるが、黒色のバックシートは、上述のとおり可視光線領域と赤外線領域の両方の光を吸収するため、電換効率を向上させることは困難である。
本発明の課題は、かかる従来技術を鑑み、隠蔽性に優れ、赤外線領域の光を反射することにより、太陽光などの赤外線照射下での温度上昇を抑制するだけでなく、太陽電池の電換効率を向上させることが可能となる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち
(I)太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面の平均反射率が(1)、(2)を満たす太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの表面に波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以下
(2)ポリエステルフィルムの表面に波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以上
(II)ポリエステルフィルムに含有するマンガン元素以外の重金属元素の含有量の合計が500ppm以下である(I)に記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(III)250Wの赤外光を前記(1)、(2)を満たす面から400mm離して30分照射したときの、ASTM D4803−97に基づく温度上昇テストにおいて、前記(1)、(2)を満たす面とは反対側の面の温度上昇が40℃以下である(I)または(II)に記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(IV)前記(1)、(2)を満たす面が、分光式色差計によるa値が0.5以上3.0以下、かつb値が0.5以上3.0以下、L値が10以下である(I)〜(III)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(V)フィルムの光学濃度が3.0以上である(I)〜(IV)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用積層フィルム。
(VI)ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を添加せしめて得られるポリエステルであり、その添加量がポリエステルフィルムを構成するポリエステル全体に対して1.0〜3.0質量%であることを特徴とする(I)〜(V)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
(VII)ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を添加して得られる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法であって、前記無機化合物が、フィルムの溶融押出時に添加され、かつ、その添加量が、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム全体に対して1.0〜3.0質量%であることを特徴とする太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
(VIII)溶融押出後の溶融ポリエステルを、表面温度がポリエステルフィルムを構成するポリエステルのガラス転移温度−55℃以上、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルのガラス転移温度−10℃以下のドラムに巻き取って冷却固化させた後、2軸に延伸を行うことを特徴とする(VII)に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、隠蔽性に優れ、赤外線領域の光を反射することにより、赤外線照射下での温度上昇を抑制するだけでなく、太陽電池の電換効率を向上させることが可能となる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面が、ポリエステルフィルムの表面に波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以上であることが必要である。波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率を10%以上とすることにより、赤外線領域の光を反射させることが可能となり、太陽光の直下においても温度上昇を抑制することが可能となる。また、波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率を10%以上とすることによって、太陽光の赤外線領域の光を太陽電池の発電素子に反射することが可能となり、太陽電池の電換効率を向上させることが可能となる。より好ましくは、15%以上、さらに好ましくは30%以上である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面が、ポリエステルフィルムの表面に波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以下である必要がある。波長300nm以上900nm以下の平均反射率が10%以下とすることにより、可視光領域の光を吸収してフィルムを黒色とすることが可能となり、本発明のポリエステルフィルムをバックシートとした場合に隠蔽性を発現できる。なお、ポリエステルフィルムの平均反射率の求め方については後述する。
ポリエステルフィルムの平均反射率を上記の範囲とする方法としては、例えば、可視光の領域である波長300nm以上900nm以下の光を吸収し、赤外光の領域である900nm以上の光を反射する無機化合物をポリエステルフィルムを構成するポリエステルに添加する方法などが挙げられる。該無機化合物としては、具体的には、クロム元素および鉄元素を含む複合酸化物、銅元素およびクロム元素を含む複合酸化物、コバルト元素、鉄元素および銅元素を含む複合酸化物、マンガン元素、カルシウム元素およびチタン元素のうち少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を挙げることができ、添加量としては、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル全体に対して0.1〜15.0質量%添加することが好ましい。特に、マンガン元素、カルシウム元素およびチタン元素のうち少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を用いると、製膜性を良好に維持したまま、ポリエステルフィルムの平均反射率を上記の範囲とすることができるため好ましい。マンガン元素、カルシウム元素およびチタン元素のうち少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物は、ペロブスカイト型構造であることが好ましく、またマンガン元素の含有量をαモルとし、チタン元素の含有量をβモルとした場合、α/βの値が、0.43≦α/β≦999であることと、赤外光の反射率を高くできるため好ましい。また、該複合酸化物は、重金属を含有していないため、環境に対する負荷を軽減することが可能となり、さらには太陽電池を廃棄する際の負荷を軽減することができるため好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、上述の反射率を満たす面の分光式色差計によるL値が10以下、a値が1.0以上3.0以下、かつb値が0.5以上3.0以下であると、黒色性が増し、隠蔽性が高くなるため好ましい。フィルムのL値、a値、b値は、JIS−Z−8722(2000年)に基づき、分光式色差計(日本電色工業製SE−2000)を用いて、フィルムの色調を反射法により測定する。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分を主たる原料として得られるものである。ここで主たる原料とは、ポリエステルの全原料のうち90質量%以上がジカルボン酸成分とジオール成分であることをあらわす。本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、ヒドロキシカルボン酸成分や、カルボン酸基と水酸基の合計が3以上である多官能成分を原料として用いても良い。
本発明に用いられるジカルボン酸成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。また、上述のジカルボン酸成分のカルボキシ末端に、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、およびその誘導体や、オキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させたものも好適に用いられる。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、本発明に用いられるジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものなどが例としてあげられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、機械特性、結晶性、耐湿熱性の観点からテレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分とするポリエステルであることが好ましい。テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分とするポリエステルとは、全ジカルボン酸構成成分中におけるテレフタル酸構成成分の割合が90mol%以上100mol%以下、かつ全ジオール構成成分中のエチレングリコール構成成分の割合が90mol%以上100mol%以下のポリエステルである。全ジカルボン酸構成成分中におけるテレフタル酸構成成分の割合が95mol%以上100mol%以下、かつ、全ジオール構成成分中のエチレングリコール構成成分の割合が95mol%以上100mol%以下のポリエステルであることがより好ましい。テレフタル酸構成成分の割合が90mol%に満たない、またはエチレングリコール構成成分の割合が90mol%に満たないと、機械特性が低下したり、結晶性が低下し耐湿熱性が低下する場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル全体に対して1.0〜3.0質量%添加することにより得られることが好ましい。上述の平均反射率を満たす範囲内であれば、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに、さらにカーボンブラックやその他公知の各種添加剤を添加しても良い。
また、本発明のポリエステルフィルムは、単層のポリエステルフィルムであってもよく、2層以上に積層したポリエステルフィルムであってもよい。上述した、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を含有するポリエステルからなる層を少なくとも1層有する積層ポリエステルフィルムも、本発明の好ましい実施形態である。カーボンブラックやその他公知の各種添加剤を含有するポリエステルからなる層を、少なくとも1層有する積層ポリエステルフィルムも好ましい実施形態である。特に、カーボンブラックを含有したポリエステルからなる層を有する積層ポリエステルフィルムは、積層ポリエステルフィルム全体の光学濃度が向上し、より隠蔽性が向上するため好ましい。積層ポリエステルフィルムの光学濃度は3.0以上が好ましく、さらに好ましくは3.5以上である。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに含有するマンガン元素以外の重金属元素の合計がポリエステルフィルムを構成するポリエステルに対して500ppm以下であることが好ましい。
太陽電池は、長期にわたり屋外で使用されることが多いため、太陽電池バックシートは劣化や磨耗などにより環境中に流出する可能性がある。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに含有するマンガン元素以外の重金属元素の含有量の合計を500ppm以下とすることにより、環境に対する負荷を軽減することが可能となり、また太陽電池を廃棄する際の負荷を軽減することができる。本発明において、重金属元素とは、真比重5.0以上の金属元素のことをあらわす。また、真比重とは空隙を含まない比重のことをいい、比重とは、標準物質(4℃における水)に対するある物質の同体積での質量の比のことをいう。真比重が5.0以上の金属元素としては、具体的にはアンチモン元素、ゲルマニウム元素、コバルト元素、すず元素、亜鉛元素、マンガン元素、鉛元素、カドミウム元素、クロム元素などが挙げられる。マンガン元素以外の重金属元素の含有量の合計は500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、上述した平均反射率を有する面が、後述するASTM D4803−97に基づく測定方法において、温度上昇が40℃以下であることが好ましい。温度上昇を40℃以下とすることにより、太陽光の直下におかれた際の太陽電池バックシートの温度上昇を抑制し、太陽電池バックシートおよび太陽電池の各部材の劣化を抑制し、太陽電池の使用可能年数の長期間化が可能となる。また、太陽光の直下におかれた際の温度上昇が小さくなるため、高温条件による発電効率の低下を抑制することが可能となる。温度上昇テストにおける温度上昇は、好ましくは30℃以下である。温度上昇テストにおける温度上昇を小さくするためには、ポリエステルフィルムの、波長900nm〜2000nmの光を照射したときの該光に対する平均反射率を高くすることなどが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの固有粘度が0.6以上1.0以下であることが機械特性、耐熱性、耐湿熱性の点から好ましい。より好ましくは、0.65以上0.8以下である。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの末端カルボキシル基量が18eq./t(equivalent/ton)以下であることが耐湿熱性の点から好ましい。さらに好ましくは15eq./t以下である。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルに添加剤を含有させる手法としては、ポリエステルフィルムを製造する任意の段階において、従来公知の方法を用いることができる。例えば、エチレングリコールまたは水などに分散させた添加剤のスラリーとポリエステルの原料とを混合しエステル化反応あるいはエステル交換反応を行ってもよく、エステル化あるいはエステル交換反応終了後にエチレングリコールまたは水などに分散させた添加剤のスラリーを添加してもよい。また、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル原料と添加剤とを溶融混練機を用いて溶融混練せしめても良い。中でもポリエステルフィルムを構成するポリエステル原料と添加剤とを溶融混練せしめる手段が好ましい。また、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルと同一のポリエステルに、予め高濃度で添加剤を溶融混練せしめたマスターバッチを作製し、必要に応じて希釈するマスターバッチ法も好ましく用いられる。一般的に、単一または複数種類の無機化合物を添加剤として用いる場合、無機化合物同士が凝集し、フィルム中に均一に分散させることが困難となる。予め単一または複数種類の無機化合物からなる添加剤を溶融混練せしめたマスターバッチを作製し、さらにそのマスターバッチを用いて、フィルムを構成するポリエステルと溶融混練せしめることにより、該無機化合物をフィルム中により均一に分散させることができるため好ましい。さらに、該無機化合物がフィルム中により均一に分散することにより、製膜性が向上するだけでなく、隠蔽性や、赤外線照射下での温度上昇抑制性などのフィルムの性能も向上するため好ましい。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
本発明に用いられるポリエステルを得る方法としては、常法による重合方法が採用できる。例えば、テレフタル酸等のジカルボン酸成分またはその誘導体と、エチレングリコール等のジオール成分とを公知の方法でエステル交換反応あるいはエステル化反応させた後、溶融重合反応を行うことによって得ることができる。また、必要に応じ、溶融重合反応で得られたポリエステルを、ポリエステルの融点温度以下にて、固相重合反応を行っても良い。
反応触媒としては、従来公知のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などを挙げることが出来る。
添加剤の添加方法としてマスターバッチ法を採用する場合、上述の方法で得られるポリエステルに予め添加剤を高濃度で溶融混練したマスターバッチと、上述の方法で得られるポリエステルとを、必要に応じて乾燥した後、押出機内で加熱溶融し、口金からキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。本発明のフィルムが積層構成の場合、複数の押出機を用い、必要に応じて乾燥した原料をそれぞれの押出機内で加熱溶融し、これらを押出装置と口金の間に設けられた合流装置にて溶融状態で積層したのち口金に導き、口金からキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法が好適に用いられる。
フィルムを溶融キャスト法により製造する場合、乾燥した原料を、押出機を用いて口金からシート状に溶融押出し、表面温度が(ポリエステルのガラス転移温度(以下Tgと記載)−55℃)以上(ポリエステルのTg−10℃以下)に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸シートを作製する。未延伸シートを構成するポリエステルが単一または複数種類の無機化合物を含む場合、無機化合物同士の凝集を防ぎ、フィルム中に均一に分散させる観点から、キャストドラムの表面温度を上記範囲とすることが好ましい。一般的に、ポリエステルの分子鎖は、ポリエステルのTg付近で流動性が高くなる。キャストドラムの表面温度を上記の範囲とすることによって未延伸シートを構成するポリエステルの分子鎖が流動し、無機化合物をシート中に均一に分散させることができる。より好ましくは、表面温度が(ポリエステルのTg−40℃)以上(ポリエステルのTg−20℃以下)である。表面温度がポリエステルのTg−55℃より低いと、添加剤が均一に分散しない。また、表面温度がポリエステルのTg−10℃以上であると、キャストドラム上でポリエステルが結晶化し、製膜性が悪化する。
押出機での溶融押出する際は、窒素雰囲気下で溶融させることが好ましく、また、押出機へのチップ供給から、口金で押出されるまでの時間は短い程良く、目安としては30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは5分以下とすることが、末端カルボキシル基量の増加を抑制させる点で好ましい。
このようにして得られた未延伸フィルムを、二軸延伸する事により本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。二軸延伸については、数本のロールが配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸し(MD延伸)、続いてステンターにより横延伸(TD延伸)を行う逐次二軸延伸方法を例として挙げて説明するが、本発明のポリエステルフィルムは、TD延伸後にMD延伸を行う逐次二軸延伸方法や、MD延伸とTD延伸を同時に行う同時二軸延伸方法により得られても良い。
まず、未延伸フィルムをMD延伸する。縦延伸機は予熱ロール、延伸ロール、冷却ロールからなり、さらに張力をカットしフィルムの滑りを抑えるニップロールからなる。MD延伸では延伸ロール上に走行するフィルムを延伸ニップロールで一定の圧力(ニップ圧)で押さえつけてフィルムを挟み張力をカットし、延伸ロールの次の冷却ロールが周速差をつけて回転することで延伸される。MD延伸温度は(Tg+10)〜(Tg+50)℃、MD延伸の延伸倍率は1.2〜5.0倍であることが好ましい。延伸後、20〜50℃の温度の冷却ロール群で冷却する。
次に、ステンターを用いて、幅方向の延伸(TD延伸)を行う。ステンターはフィルムの両端をクリップで把持しながら両端のクリップ間を広げてフィルムを横延伸する装置であり、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱処理ゾーン、冷却ゾーンに分かれる。予熱ゾーンの風速は1〜20m/sであることが好ましい。TD延伸の延伸倍率は2.0〜6.0倍、延伸温度は(Tg)〜(Tg+50)℃の範囲で行うことが好ましい。TD延伸後、熱固定処理を行う。熱固定処理はフィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら、150〜240℃の温度範囲で熱処理する。熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行う。その後、冷却ゾーンで冷却された後、フィルムエッジを除去し、本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。
[物性の測定・評価方法]
(1)光線反射率
日立製作所製 分光光度計(U−3410Spectrophotomater)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定する。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定する。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl板を用いる。対象となる波長範囲の反射率の平均値を求め、平均反射率とする。
(2)含有金属元素量
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用い、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル中に含有する金属元素量を、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに対する含有量(ppm)として測定する。
(3)色調
JIS−Z−8722(2000年)に基づき、分光式色差計(日本電色工業製SE−2000)を用いて、フィルムの色調(L値、a値、b値)を反射法により測定し、明度とする。測定条件は、C光源、視野角2°、反射測定モード、試料測定径を30mmφにて測定した。また、標準合せは、付属の標準白色板(上述の測定方法におけるX値、Y値、Z値が、93.67、95.54、113.35)を用いた。
(4)製膜性評価
製膜中にフィルムが1時間に破れる回数を数え、1回未満であるものをA(良好)、1回以上3回未満(普通)であるものをB、3回以上であるものをC(不良)として評価する。
(5)温度上昇テスト
ASTM D4803−97に基づき、250Wの赤外線ランプを用い、評価するフィルムの面を該赤外線ランプから400mm離して設置する。評価するフィルムの面と反対側の面の温度を測定し、赤外線ランプ照射前の温度T(0)(℃)と、赤外線ランプを30分照射した後の温度T(30)(℃)の差の絶対値を以て上昇温度とする。
(6)固有粘度IV
オルトクロロフェノール100mlにポリエステル組成物を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/dl)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定する。また、同様に溶媒の粘度を測定する。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記(c)式により、[η](dl/g)を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とする。
(c)ηsp/C=[η]+K[η]・C
(ここで、ηsp=(溶液粘度(dl/g)/溶媒粘度(dl/g))―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)。
なお、ポリエステル組成物を溶解させた溶液中に不溶物がある場合は、溶液を濾過して濾物の重量測定を行い、濾物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量として測定する。
(7)ポリエステル組成物の末端カルボキシル基量
Mauliceの方法に準じて、以下の条件よって測定する(文献M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。ポリエステル組成物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基量を測定し、eq./ポリエステル1tの値で示す。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とする。
なお、ポリエステル組成物を溶解させた溶液中に不溶物がある場合は、溶液を濾過して濾物の重量測定を行い、濾物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量として測定する。
(8)光学濃度
マクベス社製光学濃度計TR−927を用いて測定する。同じサンプルについて同様の測定をランダムに場所を変えて5回行い、得られた平均値を、フィルムの厚み100μmの厚みに換算して光学濃度とする。(光学濃度は、Lambert−Beerの法則から、フィルム厚みに比例する。)
隠蔽性については、以下のように評価する。
光学濃度が3.0以上:隠蔽性A
光学濃度が1.0以上3.0未満:隠蔽性B
光学濃度が1.0未満:隠蔽性C。
[PET−Aの製造]テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、ポリエチレンテレフタレートα1を得た。得られたポリエチレンテレフタレートαを常法により固相重合せしめ、PET−Aを得た。得られたPET−Aのガラス転移温度は82℃、融点は255℃、固有粘度は0.85、末端カルボキシル基量は11eq./tであった。
[MB−Aの作製]PET−A90質量部、および添加剤A(炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化マンガンの混合固溶体(石原産業(株)製MPT−370))10質量部とを、ベントした押出機に投入し、該押出機内で溶融混練せしめ、MB−Aを得た。
[MB−Cの作製]PET−A90質量部、および添加剤C(カーボンブラック(三菱化学(株)製#2600))10質量部とを、ベントした押出機に投入し、該押出機内で溶融混練せしめ、MB−Cを得た。
[PEN−Aの製造]ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよびエチレングリコールから、酢酸マグネシウム、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、PEN−Aを得た。得られたPENのガラス転移温度は125℃、融点は265℃、固有粘度は0.62、末端カルボキシル基量は15eq./tであった。
[MB−Dの作製]PEN−A90質量部、および添加剤A10質量部とを、ベントした押出機に投入し、該押出機内で溶融混練せしめ、MB−Dを得た。
(実施例1)
PET−AおよびMB−Aを、表に記載の通りとなるように混合し、押出温度280℃に加熱した押出機に投入した後Tダイから吐出させ、表面温度を40℃としたキャスティングドラムに静電印加法にて密着させ、未延伸フィルムを作製した。続いて、得られた未延伸フィルムを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(MD方向)に3.3倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに220℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が低く隠蔽性に優れており、また、波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が高く、温度上昇テストにおいて温度上昇の少ないフィルムであることが分かる。
(実施例2〜9)
実施例2〜7はPET−A、MB−Aを用い、実施例8はPEN−A、MB−Dを用い、実施例9は、PET−A、MB−A、MB−Cを用い、ポリエステルおよび添加剤の含有量と、製膜条件を表に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして二軸二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。得られたフィルムは、波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が低く隠蔽性に優れており、また、波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が高く、温度上昇テストにおいて温度上昇の少ないフィルムであった。
(比較例1〜5)
比較例1は、PET−AとMB−Cを用い、比較例2〜5は、PET−AとMB−Aを用い、ポリエステルおよび添加剤の含有量と、製膜条件を表に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。比較例1で得られたポリエステルフィルムは、波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が低く隠蔽性に優れるが、波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率も低いため、温度上昇テストにおける温度上昇が高かった。比較例2で得られたポリエステルフィルムは、隠蔽性に劣り、また、温度上昇テストにおける温度上昇が高かった。比較例3は、製膜性が悪く、頻繁にフィルムが破れたためフィルムを得ることができない。比較例4で得られたポリエステルフィルムは、キャスト温度が適正でないため、隠蔽性に劣り、また、温度上昇テストにおける温度上昇が高かった。比較例5は、キャスト温度が適正でないため製膜性が悪く、頻繁にフィルムが破れたためフィルムとすることができない。
(実施例10)
押出機A、Bの2台を用い、280℃に加熱された押出機AにはPET−AとMB−Aを添加剤Aの含有率が2質量%となるように供給し、同じく280℃に加熱された押出機Bには、PET−AとMB−Cを添加剤Cの含有率が1.5質量%となるように供給した。2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比A層(押出機Aから押出されるポリエステルから構成される層)/B層(押出機Bから押出されるポリエステルから構成される層)=4/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製したこと以外は実施例2と同様の方法にてポリエステルフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。積層ポリエステルフィルムのA層側の波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が低く隠蔽性に優れており、また、波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が高く、温度上昇テストにおいて温度上昇の少ないフィルムであることがわかった。
Figure 2014192180
Figure 2014192180
本発明のポリエステルフィルムは、隠蔽性に優れ、赤外線領域の光を反射することにより、赤外線照射下での温度上昇を抑制するだけでなく、太陽電池の電換効率を向上が可能となるため、太陽電池バックシート用途に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルムであって、
    前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面の平均反射率が(1)、(2)を満たす太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
    (1)ポリエステルフィルムの表面に波長300nm以上900nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以下
    (2)ポリエステルフィルムの表面に波長900nm以上2000nm以下の光を照射したときの該光に対する平均反射率が10%以上
  2. ポリエステルフィルムに含有するマンガン元素以外の重金属元素の含有量の合計が500ppm以下である請求項1に記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 250Wの赤外光を前記(1)、(2)を満たす面から400mm離して30分照射したときの、ASTM D4803−97に基づく温度上昇テストにおいて、前記(1)、(2)を満たす面とは反対側の面の温度上昇が40℃以下である請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 前記(1)、(2)を満たす面が、分光式色差計によるa値が0.5以上3.0以下、かつb値が0.5以上3.0以下、L値が10以下である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. フィルムの光学濃度が3.0以上である請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用積層フィルム。
  6. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を添加せしめて得られるポリエステルであり、その添加量がポリエステルフィルムを構成するポリエステル全体に対して1.0〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池バックシート用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに、カルシウム、マンガン、チタンからなる群のうち、少なくとも2種類の元素を含む複合酸化物を添加して得られる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法であって、
    前記無機化合物が、フィルムの溶融押出時に添加され、かつ、その添加量が、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム全体に対して1.0〜3.0質量%であることを特徴とする太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 溶融押出後の溶融ポリエステルを、表面温度がポリエステルフィルムを構成するポリエステルのガラス転移温度−55℃以上、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルのガラス転移温度−10℃以下のドラムに巻き取って冷却固化させた後、2軸に延伸を行うことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017157619A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 ダイヤプラスフィルム株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP7571821B2 (ja) 2014-09-30 2024-10-23 大日本印刷株式会社 赤外線反射シート

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