以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、太陽光が入射する太陽電池モジュール1の主面を光入射面1aと呼び、光入射面1aと反対側の主面を裏面1bと呼ぶ。また、各図において、X方向及びY方向は裏面1bの略平面方向を示し、Z方向は裏面1bの略法線方向を示している。X方向、Y方向、及びZ方向はそれぞれ直交している。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの要部を示す断面図である。また、図2は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの概略平面図である。なお、図1は、図2のA−A断面を示している。また、図1では、太陽電池モジュール1の2つの主面のうち、同図の下側を向く一方の主面は光入射面1aとなり、同図の上側を向く他方の主面は裏面1bとなる。
図1及び図2に示すように、太陽電池モジュール1は、略矩形の太陽電池モジュール本体2と、端子ボックス3と、を備えている。端子ボックス3には、図示しない外部回路と接続される一対の出力ケーブル6が延設されている。また、太陽電池モジュール本体2は、基板20と、複数の太陽電池セル21と、封止部材22と、バックシート23と、絶縁部材24と、出力リード線25と、を有する。
基板20は、透光性を有する板状の表面保護部材である。基板20には、たとえばガラス又は透明な樹脂材料などが用いられる。基板20の裏面1b側の主面上には、太陽電池セル21を封止している封止部材22と、バックシート23と、が順に配置されている。
複数の太陽電池セル21は、結晶系のシリコン太陽電池セルである。なお、太陽電池セル21の種類は特に限定されない。たとえば、太陽電池セル21は、GaAs系、Cu−In−Se系(CIS)、Cu−In−Ga−Se系(CIGS)、CdTe系などの材料を用いた化合物半導体太陽電池セルであってもよいし、薄膜系のシリコン太陽電池セル、又は色素増感型太陽電池セルなどであってもよい。
図2に示すように、各太陽電池セル21は、インターコネクタ211及びバスバー212により電気的に直列接続されている。また、直列接続の両出力端となる太陽電池セル21a、21bに接続されるバスバー212a、212bは、直列接続された太陽電池セル21の出力電極となっている。これらのバスバー212a、212bには、後述する第1及び第2リード線25a、25bが電気的に接続されている。
封止部材22は透光性を有する充填層である。封止部材22は、複数の太陽電池セル21を挟んで封止する第1封止部材22a及び第2封止部材22bを含んで構成される。本実施形態では、第1及び第2封止部材22a、22bは、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)で形成されている。なお、第1及び第2封止部材22a、22bの材料は、本実施形態に限定されない。他の材料(たとえば、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂、PVB、その他の透明な樹脂材料)が用いられてもよい。また、薄膜系のシリコン太陽電池セルが用いられる場合、封止部材22は第1封止部材22aを含まずに構成される。これは、薄膜系のシリコン太陽電池セルが基板20上に直接形成されるからである。
バックシート23は、太陽電池モジュール1の裏面1bを保護するための裏面保護部材である。図1に示すように、バックシート23には開口部23aが形成されている。この開口部23aには、開口部23aの周縁部の少なくとも一部を覆うように、フィルム状の絶縁部材24が設けられている。なお、望ましくは、絶縁部材24は、開口部23aの周縁部の全てを覆うように設けられる(後述の図4参照)。また、絶縁部材24は、出力リード線25とバックシート23に含まれる後述のAl箔231とを電気的に絶縁するために設けられる。また、絶縁部材24には、出力リード線25が挿通される打ち抜き穴24aが設けられている(後述の図3及び図4参照)。なお、バックシート23及び絶縁部材24については後に詳述する。
出力リード線25は、第2封止部材22bに形成される開口(不図示)及び打ち抜き穴24a(開口部23a)を通じて、直列接続された複数の太陽電池セル21の出力電極(すなわちバスバー212a、212b)と端子ボックス3とを電気的に接続する出力用配線である。
端子ボックス3は、出力リード線25を介して太陽電池モジュール本体2(すなわち直列接続される複数の太陽電池セル21)で発生した電流を取り出し、出力ケーブル6を介して外部に出力するための出力インターフェースである。この端子ボックス3は、バックシート23の開口部23aが形成される領域上に配置されている。
図1に示すように、端子ボックス3は、ボックスケース31と、端子台32と、端子台固定部33と、上蓋34と、を含んで構成される。ボックスケース31は、裏面1b側の上面が開口した箱形状である。端子台固定部33は、ボックスケース31の底板31aの上に設けられている。端子台固定部33の上には、端子台32が固定されている。端子台32には、接続部材35の一端が電気的に接続されている。この接続部材35は、可撓性を有する導電材料を用いて形成されており、その端部が端子台32に接続されている。
また、ボックスケース31の底板31aには、底板開口部31bが形成されている。この底板開口部31bは、Z方向から見た平面視において、バックシート23上の開口部23aを含む領域に設けられている。接続部材35の先端35aは底板開口部31b内に位置している。また、底板開口部31bでは、絶縁部材24に形成される打ち抜き穴24aを通じて、出力リード線25がバックシート23の裏面1b側の主面上に引き出されている。接続部材35の先端35aは、導電性テープ36を介して出力リード線25と電気的に接続されている。なお、出力リード線25は、直列接続された複数の太陽電池セル21の正極(たとえばバスバー212a)と電気的に接続される第1リード線25aと、負極(たとえばバスバー212b)と電気的に接続される第2リード線25bと、含んで構成されている。そのため、端子台32及び接続部材35は、第1及び第2リード線25a、25bに対応してそれぞれ複数設けられている。
また、ボックスケース31の内部には、太陽電池モジュール1の耐湿性を向上させるために、シリコーン樹脂が充填されている。なお、充填するシリコーン樹脂には、脱アセトン型のシリコーン樹脂を用いてもよいが、脱アルコール型のシリコーン樹脂用いることが望ましい。たとえば、シリコーン樹脂と接する絶縁部材24がたとえばカプトン(登録商標)などのポリイミド樹脂を用いて形成される場合、脱アセトン型のシリコーン樹脂と絶縁部材24とが接する箇所では、絶縁部材24が劣化し易い。これは、シリコーン樹脂に含有されるアルカリ成分が絶縁部材24と化学的に反応するために生じると推測される。絶縁部材24が劣化すると、出力リード線25とバックシート23(特にAl箔231)との電気的な絶縁性が弱まり、さらには、出力リード線25がAl箔231と導通する恐れもある。一方、脱アルコール型のシリコーン樹脂を用いる場合には、絶縁部材24がたとえばポリイミド樹脂を用いて形成されていたとしても、シリコーン樹脂と接する箇所での絶縁部材24の劣化を防止することができる。
よって、本発明とは異なるが、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル21と、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックス3と、Al箔231(金属層)を有し、開口部23aが形成される領域上に端子ボックス3が配置されるバックシート23と、開口部23aを通じて、太陽電池セル21と端子ボックス3とを電気的に接続する出力リード線25と、出力リード線25とAl箔231とを電気的に絶縁する絶縁部材24と、を備え、端子ボックス3の内部に脱アルコール型のシリコーン樹脂が充填され、絶縁部材24はたとえばポリイミド樹脂などの樹脂材料を用いて形成されていてもよい。こうすれば、絶縁部材24は、脱アルコール型のシリコーン樹脂と接しても、このシリコーン樹脂と化学的に反応しない。従って、出力リード線25を電気的に絶縁するための絶縁部材24の劣化を防止することができる。
次に、第1実施形態に係るバックシート23及び絶縁部材24の構成について詳細に説明する。図3は、第1実施形態のバックシートの開口部付近の拡大断面図である。また、図4は、第1実施形態のバックシートの開口部付近の拡大平面図である。なお、図3は、図4のB−B断面を示している。
図3に示すように、バックシート23は、たとえば厚さ30μmのAl箔231と、たとえば厚さ12μmの第1PET(Polyethylene terephthalate)層232と、たとえば厚さ50μmの第2PET層233と、を含んで構成される。Al箔231は第1及び第2PET層232、233の間に配置される。すなわち、バックシート23は、第1PET層232/Al箔231/第2PET層233の順に積層された三層構造を含んで構成される多層構造体である。Al箔231は、太陽電池モジュール1の外部から内部に水分及び腐食性物質などが侵入することを防ぐために設けられる金属層の一例である。この金属層は、たとえばCu箔などの金属材料を用いて形成してもよい。また、第1及び第2PET層232、233は、樹脂材料を用いて形成される基材層の一例である。この基材層は、PEN(polyethylene naphthalate)などを用いて形成してもよい。なお、バックシート23の構造は図3の構成に限定されない。バックシート23は、少なくとも金属層を含んで構成されていればよい。
また、バックシート23には、図4に示すように、サイズがwa1(たとえば56.0±1.0mm)×ha1(たとえば21.0±1.0mm)の略矩形状の開口部23aが形成されている。この開口部23aの4つの角は、たとえば半径r1(たとえば10mm)の曲線形状となっている。
次に、絶縁部材24は、セル側絶縁部材241と、裏面側絶縁部材242と、接着層243と、を含んで構成される。セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242は、接着層243を介して互いに貼り合わされている。セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242は矩形状であり、それらのサイズはたとえばW(たとえば64.0±1.0mm)×H(たとえば29.0±1.0mm)である。なお、本実施形態では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242のサイズは、略同じであるが、それぞれ異なっていてもよい。また、セル側絶縁部材241はバックシート23の開口部23aの太陽電池セル21側に貼り付けられており、裏面側絶縁部材242は、バックシート23の開口部23aの裏面1b側に貼り付けられている。セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242は、Z方向から見た平面視において、それらの両端から開口部23aの長手方向(X方向)に距離{(H−ha1)/2}(たとえば4.0±1.0mm)離れた矩形の領域を被覆している。また、それらの両端からその垂直方向(Y方向)に距離{(W−wa1)/2}(たとえば4.0±1.0mm)離れた矩形の領域を被覆している。
また、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242には、バックシート23の太陽電池セル21側から端子ボックス3側に出力リード線25を引き出すための打ち抜き穴24aが形成されている。この打ち抜き穴24aは、開口部23aの長手方向と略平行な方向(X方向)にwa2(たとえば38.0±0.5mm)、且つ、該長手方向及びバックシート23の略法線方向と略垂直な方向(Y方向)にha2(たとえば3.0±0.5mm)の略矩形状である。打ち抜き穴24aの4つの角は半径r2(たとえば1.5mm)の曲線形状となっている。X方向において、打ち抜き穴24aの両端は、開口部23aの両端から距離{(wa1−wa2)/2}(たとえば9.0±1.0mm)離れ、且つセル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の両端から距離{(W−wa2)/2}(たとえば13.0±1.0mm)離れている。また、Y方向において、打ち抜き穴24aの中心線(図4の二点鎖線)は、開口部23aの両端から距離(ha1/2)(たとえば10.5±1.0mm)離れ、且つセル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の両端から距離(H/2)(たとえば14.5±1.0mm)離れた位置にある。
また、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242は、芳香族ポリイミド及びPPS(Polyphenylene sulfide)のうちの少なくともいずれか一方を用いて形成することができる。芳香族ポリイミド及びPPSは、透明性、耐熱性、及び耐薬品性が高く、絶縁部材24の材料に適している。本実施形態では、デュポン帝人株式会社製のアラミド繊維紙NOMEX(登録商標第656847号)のNo.410を用いている。アラミド繊維紙は、芳香族ポリアミドを用いて形成される有機繊維(たとえばアラミド繊維)で構成されるフィルム状の構造体である。そのため、シリコーン樹脂が脱アセトン型か脱アルコール型かに拘らず、シリコーン樹脂と接する箇所での絶縁部材24の劣化を防止することができる。
なお、絶縁性、耐薬品性、耐熱性、熱収縮性において所定の条件を満たす材料であれば、芳香族ポリイミド及びPPSに代えて、絶縁部材24(セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242)に適用可能である。たとえば、絶縁性としては、Al箔231と出力リード線25とが電気的に絶縁できればよい。また、耐薬品性としては、少なくとも裏面側絶縁部材242は端子ボックス3内に充填されるシリコーン樹脂と化学的に反応しない材料で形成されていればよく、少なくともセル側絶縁部材241は封止部材22(特に第2封止部材22b)と化学的に反応しない材料で形成されていればよい。また、耐熱性としては、少なくとも端子台32と接続部材35とをはんだ付けする際のはんだ温度(たとえば300℃以上、望ましくは320℃以上の温度)で溶けなければよい。また、熱収縮性としては、少なくとも前述のはんだ温度以下の温度において、熱収縮が生じない、或いは熱収縮量が所定の閾値以下であればよい。これは、熱収縮によりAl箔231と出力リード線25との間の最短距離が縮まると、両者間の絶縁性を十分に確保できなくなる恐れがあるためである。なお、芳香族ポリイミド及びPPSは、以上の条件を全て満たしている。
次に、太陽電池モジュール1の製造方法を説明する。太陽電池モジュール1の製造方法は、太陽電池セル21を直列接続する工程と、バックシート23の開口部23aに絶縁部材24を設ける工程と、太陽電池モジュール1の各構成部材を載置する工程と、太陽電池セル21を封止する工程と、端子ボックス3を設ける工程と、太陽電池セル21と端子ボックス3とを電気的に接続する工程と、端子ボックス3内にシリコーン樹脂を充填する工程と、を含んで構成される。図5は、太陽電池セルを封止する前の状態での要部を示す断面図である。また、図6は、端子ボックスを固定する前の状態での要部を示す断面図である。
まず、インターコネクタ211及びバスバー212を用いて複数の太陽電池セル21を電気的に直列接続する。そして、直列接続された太陽電池セル21の各出力電極(バスバー212a、212b)に出力リード線25の一端を電気的に接続する(図2参照)。
次に、図5に示すように、バックシート23の所定の位置に開口部23aを形成し、さらに、この開口部23aに絶縁部材24を設ける。この工程では、開口部23aを形成したバックシート23を透光性を有する作業台上に載せ、ライトスタンドを用いて、作業台の下方からバックシート23の開口部23aに光を照射する。バックシート23の下方の主面側から光が照射された状態で、開口部23aの上方の主面側にセル側絶縁部材241(又は裏面側絶縁部材242)を貼り付ける。その後、バックシート23をその表裏を入れ替えて作業台の上に載置する。そして、作業台の下方からバックシート23に光を照射しながら、開口部23aに裏面側絶縁部材242(又はセル側絶縁部材241)を貼り付け、さらに、接着層243を介してセル側絶縁部材241と裏面側絶縁部材242とを貼り合わせる。
セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242はアラミド繊維紙を用いて形成されるため、カプトンフィルムを用いる場合とは異なり、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242が透けにくい。よって、開口部23aに絶縁部材24を設ける際に、作業台の下方から光を照射しておくと、開口部23aと絶縁部材24との位置合わせを容易に行うことができる。なお、図5の構成では、打ち抜き穴24aは、予めセル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242に形成されているが、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242を貼り合わせた後に形成されてもよい。
次に、基板20の裏面1b側の主面の上に、第1封止部材22a、配線工程後の太陽電池セル21、第2封止部材22b、バックシート23がこの順に重ねて載置される。このとき、出力リード線25は、第2封止部材22bに形成された開口(不図示)及び絶縁部材24の打ち抜き穴24aを通じてバックシート23の裏面1b側の主面上に引き出される。
次に、ラミネート装置を用いて、加熱・加圧条件下で脱気しながら、第1及び第2封止部材22bを互いに隙間なく密着させることにより、直列接続された太陽電池セル21を封止部材22で封止する。なお、第1及び第2封止部材22bにEVAを用いた場合、さらに加熱することで架橋反応をすすめるキュアを行う。
次に、図6に示すように、出力リード線25の先端35aに導電性テープ36を配置し、バックシート23の裏面1b側の主面上に端子ボックス3を固定する。このとき、端子ボックス3の上蓋34は取り外されている。
次に、出力リード線25により、打ち抜き穴24a(開口部23a)を通じて、直列接続された複数の太陽電池セル21と端子ボックス3とを電気的に接続する。ここでは、導電性テープ36を介して接続部材35の先端35aを出力リード線25の先端に接続する。そして、加熱・加圧処理により導電性テープ36を硬化させる。
次に、端子ボックス3の内部にシリコーン樹脂を充填する。その後、ボックスケース31に上蓋34を取り付けて、ボックスケース31を密閉する。
このように、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1では、Al箔231を有するバックシート23において、開口部23aが形成される領域上に、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックス3が配置される。出力リード線25は、打ち抜き穴24a(開口部23a)を通じて太陽電池セル21と端子ボックス3とを接続し、絶縁部材24によりAl箔231と電気的に絶縁される。端子ボックス3の内部にはシリコーン樹脂が充填されるが、絶縁部材24は芳香族ポリイミド及びPPSの少なくともいずれか一方を用いて形成される。そのため、絶縁部材24は、シリコーン樹脂と接しても、シリコーン樹脂と化学的に反応しない。従って、出力リード線25を電気的に絶縁するための絶縁部材24の劣化を防止することができる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242にアラミド繊維紙を用いたが、裏面側絶縁部材242には芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用い、セル側絶縁部材241には芳香族ポリイミド及びPPS以外の樹脂材料を用いてもよい。たとえば、セル側絶縁部材241は、PEN又はPETのうちの一方を用いて形成されてもよい。こうすれば、太陽電池モジュール1の製造コストを削減することができる。また、シリコーン樹脂と直接に接する開口部23aの端子ボックス3側には裏面側絶縁部材242が設けられているが、この裏面側絶縁部材242を芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用いて形成しておけば、絶縁部材24の劣化を確実に防止することができる。
PEN及びPETの耐熱性は芳香族ポリイミド及びPPSと比較して低いが、セル側絶縁部材241は封止部材22に放熱することができる。そのため、PEN及びPETは、はんだ付けの際のはんだ温度に対して十分な耐熱性を示す。また、PEN及びPETは芳香族ポリイミド及びPPSと比較して熱収縮し易いが、裏面側絶縁部材242は封止部材22(第2封止部材22a)と接着しているため、熱収縮量は小さくなる。
上述の第1実施形態では、バックシート23の主面の略法線方向(Z方向)から見た平面視において、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242が開口部23aよりも大きい構成としたが、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242のうちの一方は開口部23aよりも小さい構成としてもよい。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態のバックシートの開口部付近の拡大断面図である。また、図8は、第2実施形態のバックシートの開口部付近の拡大平面図である。なお、図7は、図8のC−C断面を示している。
図7及び図8に示すように、第2実施形態では、セル側絶縁部材241は開口部23aよりも大きいが、裏面側絶縁部材242は開口部23aよりも小さい。そのため、Z方向から見た平面視において、セル側絶縁部材241が設けられる領域は開口部23aが設けられる領域全体を含むが、裏面側絶縁部材242が設けられる領域全体は開口部23aが設けられる領域に含まれる。これ以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
このようにすれば、予め裏面側絶縁部材242をセル側絶縁部材241に貼り合わせた状態で、セル側絶縁部材241を開口部23aに貼り付けることにより、開口部23aに絶縁部材24を設けることができる。従って、太陽電池モジュール1の製造工程を簡略化し、工程数を減らすことができる。
また、第2実施形態では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242を貼り合わせるための接着層243と第2封止部材22bとが直接に接していない。接着層243にたとえばアクリル系の接着剤を用いる場合、EVAで形成される第2封止部材22bとの界面で接着層243が化学的に反応すること場合がある。そのため、接着層243と第2封止部材22bとが直接に接しないようにしておくと、接着層243と第2封止部材22bとの間の化学的な反応を防止することができる。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242にアラミド繊維紙を用いたが、第1実施形態の変形例と同様に、裏面側絶縁部材242には芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用い、セル側絶縁部材241には芳香族ポリイミド及びPPS以外の樹脂材料を用いてもよい。たとえば、セル側絶縁部材241は、PEN又はPETのうちの一方を用いて形成されてもよい。こうすれば、太陽電池モジュール1の製造コストを削減することができる。また、シリコーン樹脂と直接に接する開口部23aの端子ボックス3側には裏面側絶縁部材242が設けられているが、この裏面側絶縁部材242を芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用いて形成しておけば、絶縁部材24の劣化を確実に防止することができる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態のバックシートの開口部付近の拡大断面図である。図9に示すように、第3実施形態では、セル側絶縁部材241は開口部23aよりも小さいが、裏面側絶縁部材242は開口部23aよりも大きい。そのため、Z方向から見た平面視において、セル側絶縁部材241が設けられる領域全体は開口部23aが設けられる領域に含まれるが、裏面側絶縁部材242が設けられる領域は開口部23aが設けられる領域全体を含む。これ以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
このようにすれば、予めセル側絶縁部材241を裏面側絶縁部材242に貼り合わせた状態で、裏面側絶縁部材242を開口部23aに貼り付けることにより、開口部23aに絶縁部材24を設けることができる。従って、太陽電池モジュール1の製造工程を簡略化し、工程数を減らすことができる。
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242にアラミド繊維紙を用いたが、第1実施形態の変形例と同様に、裏面側絶縁部材242には芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用い、セル側絶縁部材241には芳香族ポリイミド及びPPS以外の樹脂材料を用いてもよい。たとえば、セル側絶縁部材241は、PEN又はPETのうちの一方を用いて形成されてもよい。こうすれば、太陽電池モジュール1の製造コストを削減することができる。また、シリコーン樹脂と直接に接する開口部23aの端子ボックス3側には裏面側絶縁部材242が設けられているが、この裏面側絶縁部材242を芳香族ポリイミド及びPPSのうちのいずれか一方を用いて形成しておけば、絶縁部材24の劣化を確実に防止することができる。
また、セル側絶縁部材241を芳香族ポリイミド及びPPS以外の樹脂材料を用いて形成する場合、セル側絶縁部材242は、有色材料(すなわち透明ではない材料)を用いることが望ましい。こうすれば、開口部23aに対して絶縁部材24の位置ずれの有無が確認し易くなる。さらに、セル側絶縁部材241の色は白色以外であることが望ましい。これは、裏面側絶縁部材242に用いるアラミド繊維紙が白色系の色を示すため、セル側絶縁部材241が白色以外であれば、セル側絶縁部材241(特にその位置及び形状)が視認し易くなる。
<第4実施形態>
また、上述の第1〜3実施形態では、開口部23aにフィルム状の絶縁部材24を設けることにより、出力リード線25と金属層231とを電気的に絶縁しているが、絶縁部材24は第1〜3実施形態とは異なる形態であってもよい。
図10は、第4実施形態に係る太陽電池モジュールの要部を示す局所断面図である。図10に示すように、第4実施形態では、出力リード線25が、芳香族ポリイミド(たとえばアラミド繊維紙)及びPPSのうちのいずれか一方を用いて形成される絶縁被覆材244で被覆される。これ以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
出力リード線25は、少なくとも出力リード線25の開口部23aに挿通されている部分において、絶縁被覆材244で被覆される。こうすれば、バックシート23の開口部23aに絶縁部材24を設ける工程を省略することができる。従って、太陽電池モジュール1の製造工程を簡略化し、工程数を減らすことができる。
<第5実施形態>
図11は、第5実施形態のバックシートの開口部付近の拡大断面図である。また、図12は、第1実施形態のバックシートの開口部付近の拡大平面図である。なお、図11は、図12のD−D断面を示している。第5実施形態は、開口部23a及び絶縁部材24に関する構成以外は、第1実施形態及びその変形例と同様である。なお、以下では、第1実施形態及びその変形例と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第5実施形態では、セル側絶縁部材241にデュポン帝人株式会社製のアラミド繊維紙NOMEX(登録商標第656847号)のNo.410を用い、裏面側絶縁部材242に株式会社寺岡製作所製のPPS粘着テープのNo.4812を用いている。また、Al箔231の光入射面1a側の主面は光沢を有するミラー面となっており、裏面1b側の主面は光沢のないツヤ消し面となっている。第1PET層は黒色である。第2PET層の光入射面1a側の主面は白色面となっており、裏面1b側の主面は透明面となっている。
図11及び図12に示すように、バックシート23には、略矩形状の開口部23aが形成されている。この開口部23aの長手方向(X方向)の長さはwa1(たとえば43.5±0.3mm)であり、長手方向の垂直方向(Y方向)の長さはha1(たとえば15.5±0.3mm)である。また、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の長手方向(X方向)の長さはW(たとえば42.5±0.3mm)となっている。なお、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の長手方向の長さはそれぞれ異なっていてもよい。また、セル側絶縁部材241の垂直方向(Y方向)の長さはH1(たとえば14.5±0.3mm)となっており、裏面側絶縁部材242の垂直方向の長さはH2(たとえば25.0±0.5mm)となっている。また、セル側絶縁部材241の厚さはt1(たとえば125μm)であり、裏面側絶縁部材242の厚さはt2(たとえば25μm)である。
セル側絶縁部材241の長手方向(X方向)及びその垂直方向(Y方向)のサイズは、バックシート23の開口部23aよりも小さい。そのため、Z方向から見た平面視において、セル側絶縁部材241が設けられる領域全体は開口部23aが設けられる領域に含まれている。図12に示すように、長手方向において、セル側絶縁部材241の左端は開口部23aの左端から間隔d1離れ、右端は開口部23aの右端から間隔d2離れている。また、垂直方向において、セル側絶縁部材241の上端は開口部23aの上端から間隔d3離れ、下端は開口部23aの下端から間隔d4離れている。なお、本実施形態では、各間隔d1〜d4は、同じ距離(たとえば0.5mm)となっているが、それぞれ異なる距離であってもよい。また、各間隔d1〜d4のうちの少なくとも1つはほぼ0mmであってもよい。
セル側絶縁部材241の厚さt1は、図11に示すように、バックシート23の厚さ(たとえば92μm)よりも厚い。そのため、裏面側絶縁部材242が打ち抜き穴24aの内側に入り込むことを回避することができる。従って、打ち抜き穴24aの内側を通る出力リード線25と、バックシート23のAl箔231との間の距離を、両者の短絡を十分に防止できる程度に確保することができる。従って、両者の電気的な絶縁性が安定するため、製造工程での絶縁性のバラツキも小さくすることができる。
裏面側絶縁部材242はバックシート23の開口部23aの裏面1b側に貼り付けられている。裏面側絶縁部材242の長手方向(X方向)のサイズはバックシート23の開口部23aよりも小さいが、その垂直方向(Y方向)のサイズは開口部23aよりも大きい。そのため、図12に示すように、長手方向において、裏面側絶縁部材242の左端は開口部23aの左端から間隔d1離れ、その右端は開口部23aの右端から間隔d2離れている。また、裏面側絶縁部材242は、Z方向から見た平面視において、開口部23aの上端及び下端から垂直方向の幅{(H2−ha1)/2}の矩形の領域を被覆している。なお、上端及び下端の各領域の垂直方向の幅はそれぞれ異なっていてもよい。
ここで、図12に示すように、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の長手方向の長さWは開口部23aの長手方向の長さwa1未満となっている。そのため、Z方向からみた平面視において、図12では、裏面側絶縁部材242が設けられる領域は開口部23aの周縁部(上下端)の一部を含んでいる。なお、図12の構成に限定されず、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の長手方向の長さWは開口部23aの長手方向の長さwa1以上としてもよい。すなわち、裏面側絶縁部材242が設けられる領域は開口部23aの周縁部の全てを含んでいてもよい。
このように構成することにより、予めセル側絶縁部材241を裏面側絶縁部材242に貼り合わせた状態で、裏面側絶縁部材242を開口部23aに貼り付けることにより、開口部23aに絶縁部材24を設けることができる。従って、太陽電池モジュール1の製造工程を簡略化し、工程数を減らすことができる。
また、絶縁部材24に形成される打ち抜き穴24aは略矩形状の開口である。開口部23aの長手方向と略平行な方向(X方向)の長さはwa2(たとえば36.0±0.3mm)である。また、該長手方向及びバックシート23の略法線方向と略垂直な方向(Y方向)の幅はha2(たとえば2.0±0.5mm)である。打ち抜き穴24aの4つの角は、それぞれ面取りされており、半径r1(たとえば1.0mm)の曲線形状となっている。
また、打ち抜き穴24aは開口部23aのほぼ中心位置に形成されている。X方向において、打ち抜き穴24aの両端は、開口部23aの両端から距離{(wa1−wa2)/2}離れている。また、打ち抜き穴24aの長手方向の中心線(図12の二点鎖線)は、Y方向において、開口部23aの上下端から距離(ha1/2)離れ、セル側絶縁部材241の上下端から距離(H1/2)離れ、裏面側絶縁部材242の上下端から距離(H2/2)離れた位置にある。
次に、第5実施形態における太陽電池モジュール1の製造方法のうち、バックシート23に開口部23aを設ける工程と、バックシート23の開口部23aに絶縁部材24を設ける工程と、絶縁部材24に打ち抜き穴24aを形成する工程と、太陽電池モジュール1の各構成部材を載置する工程と、を説明する。図13は、バックシートに開口部を形成する工程を説明するための図である。なお、図13において、各一点鎖線は、X方向及びY方向における開口部23aの各中心線を示している。また、図14は、太陽電池セルを封止する前の状態での要部を示す断面図である。
長手方向の長さL(たとえば1432±1mm)且つ幅D(たとえば269±1mm)のサイズのバックシート23は、通常、その長手方向にロール状に巻き付けられている。そのため、バックシート23に開口部23aを設ける工程では、図13に示すように、ロールの流れ方向Fにバックシート23が引き出され、開口部23aは、その長手方向がロールの流れ方向F(及びバックシート23の主面の法線方向)の略垂直方向(X方向)となるように形成される。開口部23aは、Y方向の中心位置がバックシート23の上下端からD/2(たとえば134.5±0.3mm)離れた位置となるように形成される。なお、ロール状に巻き付けられたバックシート23は、そのまま使用してもよいし、太陽電池モジュール本体2の大きさに応じて分割されてもよい。また、図13に示すように、太陽電池モジュール本体2に用いられるバックシート23の4つの角は半径R(たとえば6.0mm)でR面取りされる。
次に、開口部23aに絶縁部材24を設ける工程では、図14に示すように、裏面側絶縁部材242の接着層243側の主面にセル側絶縁部材241を貼り付ける。そして、開口部23aを形成したバックシート23を透光性を有する作業台上に載せ、ライトスタンドを用いて、作業台の下方からバックシート23の開口部23aに光を照射する。バックシート23の下方の主面側から光が照射した状態で、開口部23aの上方の主面側に裏面側絶縁部材242の接着層243側の主面を貼り付ける。
このように、開口部23aに絶縁部材24を設ける際に、作業台の下方から光を照射しておくと、開口部23aと絶縁部材24との位置合わせを容易に行うことができる。たとえば、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242のうちの少なくとも一方において透明性が悪かったり有色であったりすると、カプトンフィルムを用いる場合とは異なり、絶縁部材24が透けにくいからである。
次に、絶縁部材24に打ち抜き穴24aを形成する工程では、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242を、たとえば光入射面1a側から裏面1b側に向かう方向に打ち抜くことにより、打ち抜き穴24aを形成する。そのため、打ち抜き後にバリが出たとしても、そのバリは打ち抜き穴24aの裏面1b側に出るようになっている。なお、打ち抜き穴24aの形成方法は、本実施形態に限定されず、打ち抜き加工以外の加工方法で形成してもよい。また、予めセル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242に打ち抜き穴24aを形成しておいてもよい。また、打ち抜き穴24aを形成する工程は、開口部23aに絶縁部材24を設ける工程の前に行ってもよい。
以上に説明したように、本発明の一の局面による太陽電池モジュール1は、太陽電池セル21と、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックス3と、Al箔231(金属層)を有し、開口部23aが形成される領域上に端子ボックス3が配置されるバックシート23(裏面保護部材)と、開口部23aを通じて、太陽電池セル21と端子ボックス3とを電気的に接続する出力リード線25(出力用配線)と、出力リード線25とAl箔231とを電気的に絶縁する絶縁部材24と、を備え、端子ボックス3の内部にシリコーン樹脂が充填され、絶縁部材24は芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成される。
上記構成によれば、Al箔231を有するバックシート23において、開口部23aが形成される領域上に、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックス3が配置される。出力リード線25は、開口部23aを通じて太陽電池セル21と端子ボックス3とを接続し、絶縁部材24によりAl箔231と電気的に絶縁される。端子ボックス3の内部にはシリコーン樹脂が充填されるが、絶縁部材24は芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成される。そのため、絶縁部材24は、シリコーン樹脂と接しても、シリコーン樹脂と化学的に反応しない。従って、出力リード線25を電気的に絶縁するための絶縁部材24の劣化を防止することができる。
上記構成において、絶縁部材24は、開口部23aの太陽電池セル21側に設けられるフィルム状のセル側絶縁部材241と、開口部23aの端子ボックス3側に設けられるフィルム状の裏面側絶縁部材242と、を有し、裏面側絶縁部材242は芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成されてもよい。
この構成によれば、シリコーン樹脂と接する開口部23aの端子ボックス3側に設ける裏面側絶縁部材242が芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成される。従って、絶縁部材24の劣化を確実に防止することができる。
さらに、上記構成において、セル側絶縁部材241はPET及びPENのうちの一方を用いて形成されてもよい。
この構成によれば、シリコーン樹脂と接しない開口部23aの太陽電池セル21側に設けるセル側絶縁部材242が、PET(Polyethylene terephthalate)及びPEN(polyethylene naphthalate)のうちの一方を用いて形成される。そのため、太陽電池モジュール1の製造コストを削減することができる。
また、上記構成において、バックシート23の主面の略法線方向(Z方向)から見た平面視において、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の一方が設けられる範囲の全ては開口部23aが設けられる範囲に含まれ、セル側絶縁部材241及び裏面側絶縁部材242の他方が設けられる範囲は開口部23aの周縁部の少なくとも一部を含んでいてもよい。
この構成によれば、セル側絶縁部材241又は裏面側絶縁部材242の一方が開口部23aよりも小さく、他方の少なくとも一部が開口部23aよりも大きい。そのため、予めセル側絶縁部材241又は裏面側絶縁部材242の一方をその他方に貼り合わせた状態で、該他方を開口部23aの周縁部に貼り付けることにより、開口部23aに絶縁部材24を設けることができる。従って、太陽電池モジュール1の製造工程を簡略化することができる。
また、本発明の一の局面による太陽電池モジュール1の製造方法は、バックシート23(裏面保護部材)に形成される開口部23aを含む領域上に、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックスが配置されるステップと、出力リード線25(出力用配線)により、開口部23aを通じて太陽電池セル21と端子ボックス3とを電気的に接続するステップと、出力リード線25とAl箔231(金属層)とを電気的に絶縁するための絶縁部材24を設けるステップと、端子ボックス3の内部にシリコーン樹脂が充填されるステップと、を備え、絶縁部材24を設けるステップにおいて、絶縁部材24が芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成される。
上記構成によれば、Al箔231を有するバックシート23において、開口部23aが形成される領域上に、太陽電池セル21で発生した電流を外部に出力するための端子ボックス3が配置される。出力リード線25は、開口部23aを通じて太陽電池セル21と端子ボックス3とを接続し、絶縁部材24によりAl箔231と電気的に絶縁される。端子ボックス3の内部にはシリコーン樹脂が充填されるが、絶縁部材24は芳香族ポリイミド及びPPSのうちの少なくともいずれか一方を用いて形成される。そのため、絶縁部材24がシリコーン樹脂と接しても、絶縁部材24はシリコーン樹脂と化学的に反応しない。従って、出力リード線25を電気的に絶縁するための絶縁部材24の劣化を防止することができる。
上記構成において、絶縁部材24を設けるステップは、バックシート23の一方の主面側から開口部23aに光を照射するステップと、一方の主面側から光が照射された状態で、開口部23aの他方の主面側に絶縁部材24が設けられるステップと、を有してもよい。
この構成によれば、開口部23aに絶縁部材24を設ける際に、両者の位置合わせを容易に行うことができる。
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の実施形態では、複数の太陽電池セル21を用いたが、本発明の適用範囲はこの構成に限定されない。太陽電池セル21は1つ以上であればよい。
また、上述の実施形態では、インターコネクタ211及びバスバー212を用いて、複数の両面電極型の太陽電池セル21が直列に接続されているが、本発明の適用範囲はこの構成に限定されない。太陽電池は裏面電極型であってもよい。さらに、各太陽電池セル21の電極パターン(不図示)と電気的に接続される配線パターンが形成された配線シートを用いて、複数の太陽電池セル21が電気的に直列接続されていてもよい。