JP2016189417A - 太陽電池用モジュール用の裏面保護シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、裏面保護シートには電極や配線を通すための開口部を備える。その開口部の形状が直角又は鋭角の内角を有しない形状であることを特徴とする裏面保護シートは、裏面保護シートを熱ラミネートした場合であってもシワの発生を抑制することができる。また、裏面保護シートが、第一樹脂シート層と第二樹脂シート層の間に配置される金属箔層が接着剤層を介して積層されている構成であることが好ましい。
【選択図】図4
Description
先ず、太陽電池モジュール用の裏面保護シートが使用される太陽電池モジュールの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態である太陽電池モジュ−ル1について、その層構成の一例を例示する断面の模式図である。図1に示すように、太陽電池モジュール1は、受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、裏面保護シート6が順に積層された構成となっている。本発明の実施形態である裏面保護シート6は、このように太陽電池モジュール1において最外層に配置されるものであるため、高い耐候性やバリア性を備えることが必須となっている。更に、裏面保護シート6には主に配線7等を通すための開口部61が設けられている。
[開口部]
図2に示すように本実施形態の裏面保護シート6には開口部61が備えられる。開口部61は、例えば、太陽電池素子からの出力電力を取り出すための配線等を通すために設けられる。しかし、熱ラミネートによって裏面保護シートの膨張、収縮が大きくなる場合には、図3に示すように開口部の頂点63が起点となって、頂点63から外側に向かってシワ62が発生する。これは、裏面保護シートが膨張、収縮することにより、縦方向の応力a及び横方向の応力bが発生し、縦方向の応力aと横方向の応力bとの衝突により、シワが発生するためである。
第一実施形態の裏面保護シートにおける開口部の形状を図4に示す。開口部61の形状は、直角又は鋭角の内角を有しない形状であり、具体的には、開口部61の形状が鈍角の内角のみからなる六角形とすることを特徴とする。本実施形態の開口部61の形状のように、鈍角の内角64のみで形成されることで、裏面保護シートが膨張、収縮することにより発生する縦方向、横方向の応力を開口部に逃がすことができる(図5参照)。そのため、図3に示すような開口部61の頂点63から生じるシワ62の発生を抑制することができる。そのため、開口部の形状が鈍角の内角のみからなる多角形状であることがより好ましい。
第二実施形態の裏面保護シートにおける開口部の形状を図6に示す。開口部61は、その形状が直角又は鋭角の内角を有しない形状であり、具体的には、開口部61の形状を楕円形状としたことを特徴とする。楕円形状は、直角又は鋭角の内角を有しない形状であるため、縦方向の応力と横方向の応力の衝突は生じにくく、またシワの起点となる頂点が存在しない。そのためシワの発生を抑制することができる。
なお、本発明の裏面保護シートは多角形状の頂点63を含む一定の範囲を占める部分や辺65に開口部の中心から外側に向かって突出して形成された補助円形部が設けられていてもよい。補助円形部とは、開口部の中心から外側に向かって突出して形成された輪郭を有する開口部の一部分である。補助円形部が設けられていることで、たとえ裏面保護シートが膨張、収縮したとしても、裏面保護シートにシワが発生しないように補助円形部に応力を逃がすことができる。そのため、熱ラミネートによる裏面保護シートのシワの発生を抑制することができる。
太陽電池モジュール1を構成する裏面保護シート6は特に限定されないが、一般に、樹脂シート、アルミ箔等の金属箔、又はそれらの積層体が使用される。樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを使用することができる。これらは単独層であってもよく、従来公知の接着剤等で積層された複数の層からなる積層体であってもよい。
裏面保護シートは、例えば裏面保護シート6の樹脂シートをドライラミネート加工によって積層し密着させることにより製造することができる。ここで使用されるドライラミネート加工の方法は、従来公知の方法を使用することができる。
窒素雰囲気下、攪拌機、窒素導入管を備えたフラスコに、エチレングリコール(32.3質量部)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(270.8質量部)、1,6−ヘキサンジオール(122.9質量部)、アジピン酸(228.1質量部)、イソフタル酸(664質量部)を加え、180℃から220℃にて窒素にてバブリングさせ、酸価2mgKOH/gまで反応させ、酢酸エチル(860質量部)を加え、ポリエステルジオールHの50%溶液を得た。得られた樹脂の水酸基価は、32mgKOH/gであり、数平均分子量は約3500であった。
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIアダクト:2官能)とイソシアヌレート変性のイソホロンジイソシアネート(ヌレート変性IPDI)の混合物を使用した。上記アダクト変性HDI及びヌレート変性IPDIの混合比(HDIアダクト)/(ヌレート変性IPDI)を6:4(質量比)とした。
上記で製造した主剤と硬化剤を使用し、接着剤を製造した。また、主剤と硬化剤の配合は、主剤、硬化剤を溶剤に溶解させて、それぞれ50質量%(酢酸エチル溶液)とし行った。主剤と硬化剤は質量比18:3.7で調製した。
第一樹脂シート層を構成する樹脂フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製P100)、金属箔層を構成する金属箔としてアルミ箔「ニッパク#」(日本製箔株式会社製)、第二樹脂シート層を構成する樹脂フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製T60)を用いた。第一接着剤層及び第二接着剤層を形成する接着剤としては、上記接着剤を用いて、それぞれ、塗布量5g/m2(乾燥状態)でコーティングして接着剤層を形成し、上記各フィルム部材を従来公知のドライラミネート法により第一樹脂シート層/第一接着剤層/金属箔層/第二接着剤層/第二樹脂シート層となるように積層した。そして、表1に示した開口部を設け、実施例及び比較例の裏面保護シートのサンプルを得た。
実施例1、2及び比較例の裏面保護シートのサンプルを用いて疑似モジュールを作成した。疑似モジュールは、透明前面基板としてガラスを、封止材層としてエチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA)450μmを、裏面保護シートとして実施例1、2及び比較例に係るサンプルを、透明前面基板/前面封止材層/背面封止材層/裏面保護シートの順番で積層させ、真空ラミネートにより作成し、目視にてシワ発生の有無を確認した。(真空ラミネート条件:温度150℃、真空時間5分間、プレス時間9分間)結果については、「シワ」として、下記表1に示す。
◎:シワが発生しなかった
×:シワが発生した
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
7 太陽光
8 配線
61 開口部
62 シワ
63 頂点
64 内角
65 辺
a 縦方向の応力
b 横方向の応力
Claims (5)
- 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
前記裏面保護シートには開口部が備えられており、
前記開口部の形状が、直角又は鋭角の内角を有しない形状であることを特徴とする裏面保護シート。 - 前記開口部の形状が鈍角の内角のみからなる多角形状である請求項1に記載の裏面保護シート。
- 前記開口部の形状が、110°以下の内角を有しない形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の裏面保護シート。
- 前記裏面保護シートが、第一樹脂シート層と第二樹脂シート層の間に配置される金属箔層が接着剤層を介して積層されている構成を含む請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シート。
- 請求項1から4のいずれかに記載の裏面保護シートが積層された太陽電池モジュールであって、
前記開口部が、配線取り出し口である太陽電池モジュール。
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- 2015-03-30 JP JP2015069346A patent/JP2016189417A/ja active Pending
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