JP2011073311A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】意匠性、経済性、耐湿熱性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも樹脂層が2層以上積層された積層体(S)からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該樹脂層のいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられてなり、該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする、太陽電池モジュール用裏面保護シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び該保護シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、地球環境問題に対する関心が高まる中、化石燃料に代替するクリーンなエネルギー源として太陽光発電に対する期待が高まっている。
太陽光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池の心臓部を構成する太陽電池素子は、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等を用いて作製される。実用的な電気出力を発生させるために複数の太陽電池素子を接続し、受光面を透明基板等で覆い、隙間は充填材等を用いて太陽電池素子を保護する構造である太陽電池モジュールを作製することが現在行われている。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板、表面充填材層、太陽電池素子、裏面充填材層、及び裏面保護シート等を順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造される。
太陽電池モジュールは複数のものを並べて屋外に設置して使用されることが多いため、太陽電池モジュールを構成する部材には高い耐久性が必要とされる。なかでも、太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シートは、主として太陽電池モジュールの裏面を保護するため、機械強度に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性等を備えることが必要とされている。現在、このような太陽電池モジュール用裏面保護シ−トとしては、強度特性に優れたプラスチック基材等が最も一般的に使用され、その他、ガラス、金属板等も使用されている。
特許文献1には、水蒸気バリア性、光反射性、光拡散性、意匠性等を向上させることを目的として、耐候性基材の片面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、印刷層を設けたことを特徴とする太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トが開示されている。前記印刷層は、インキ用ビヒクルを主成分とし、これに染料、顔料等の着色剤を添加し、混練してなるインキ組成物から形成された層であり、該インキ用ビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等のインキ用ビヒクルの1種ないし2種以上を使用できることが記載されている。
特許文献2には、太陽電池モジュールの裏面側に配置される太陽電池用シート部材であって、複数の樹脂フィルム層から形成され、複数の樹脂フィルム層は、太陽電池モジュールに相対的に近い側に配置される内層と、太陽電池モジュールから相対的に遠い側に配置される外層とから構成され、前記外層がポリエチレンナフタレートフィルムを含む、太陽電池用シート部材が開示されている。
また、紫外線を吸収又は反射する目的で、上記外層、内層、及びこれらの中間層の少なくともいずれかに酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を混入してもよいことが記載され、中間層を形成するポリエチレテレフタレートフィルムに白色顔料を混入した例が記載されている。
特開2001−144309号公報 特開2006−179557号公報
太陽電池モジュ−ル用裏面保護シートには、セル・配線、保護シート自身の光劣化を防いだり、該裏面保護シートの内側配線、アルミフィルムの金属光沢を目立たなくするという(セル側)に求められる意匠性の点からの要求から、着色層が設けられていた。
特許文献1、2に開示されているような従来の顔料練り込み型フィルムとしては、黒色ポリエチレンテレフタレートフィルム、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム等が存在するが、機械的強度を維持するためには顔料の添加量に制限があり、耐光性や意匠性を得るには隠蔽性が不十分であった。そのため、光学濃度を高くして隠蔽性を向上させるにはフィルムの膜厚を厚くする必要があった。隠蔽性を高くするためには、このようなフィルムの厚みを増す必要があるため、コストが高くなる。また、従来使用されてきたポリエチレンテレフタレート等のバインダ樹脂を使用して着色層中の顔料成分比を高くすると顔料の保持が困難となり層間密着性が悪化するばかりでなく、温度・湿度環境起因での加水分解反応により、デラミネーションや浮きが発生し意匠性が悪化するという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、強度に優れると共に、水蒸気バリア性を付与するために積層するアルミフィルムや配線の金属光沢およびセル自身を目立たなくする隠蔽性を有しながら、隣接する層との層間密着性が良好で、温度・湿度等の環境起因による着色層の加水分解反応を抑制し、外観・意匠性の変化が少ない着色層を有する太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び該裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート内に設けられる着色層のバインダ樹脂にウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(15)に記載の発明を要旨とする。
(1)少なくとも樹脂フィルムが2層以上積層された積層体(S)からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該樹脂フィルムのいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられてなり、該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする、太陽電池モジュール用裏面保護シート(以下、第1の態様ということがある)。
(2)前記積層体(S)の太陽電池モジュール用裏面保護シートの裏面側最外層を形成する樹脂層が耐久性樹脂層(T)からなり、該耐久性樹脂層(T)がフッ素系樹脂、耐加水分解性ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリフェニルエーテル系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ、ポリフェニレンオキサイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ又は熱硬化反応、紫外線硬化反応、もしくは電子線硬化反応により架橋して得られる架橋樹脂からなることを特徴とする、前記(1)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(3)前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート(以下、太陽電池モジュール用裏面保護シート1ということがある)。
(4)前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmの無延伸ポリプロピレン層(D)、及び厚みが80〜120μmのポリエステル層(E)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)と無延伸ポリプロピレン層(D)間、又は無延伸ポリプロピレン層(D)とポリエステル層(E)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート(以下、太陽電池モジュール用裏面保護シート2ということがある)。
(5)前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmの耐久性樹脂層(T)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつ耐久性樹脂層(T)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、
前記(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート(以下、太陽電池モジュール用裏面保護シート3ということがある)。
(6)前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのフッ素系樹脂、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつフッ素系樹脂とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、前記(1)、(2)及び(6)のいずらかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(7)前記ポリウレタン樹脂(P)が、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分とジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P1pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P1)であることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(8)前記ポリウレタン樹脂(P)が、アクリルジオールと、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分とジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P2pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P2)であることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(9)前記ジイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートであることを特徴とする、前記(1)ないし(8)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(10)前記顔料が無機顔料であることを特徴とする、前記(1)ないし(9)のいずれかに載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(11)前記顔料が黒色顔料のカーボンブラックであり、かつ着色層(K)中の該カーボンブラック含有量がバインダ樹脂100重量部に対して、6〜115重量部であることを特徴とする、前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(12)前記顔料が白色顔料の酸化チタンであり、かつ着色層(K)中の該酸化チタン含有量がバインダ樹脂100重量部に対して、12〜400重量部であることを特徴とする、前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(13)前記積層体(S)のいずれかの層間に水蒸気バリア層(L)が積層されていることを特徴とする、前記(1)ないし(12)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(14)前記水蒸気バリア層(L)が金属もしくは金属酸化物を蒸着して得られる蒸着フィルム、又はアルミ箔からなることを特徴とする、前記(13)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(15)前面透明基板〈1〉、表面充填材層〈2〉、太陽電池素子〈3〉、裏面充填材層〈4〉、及び裏面保護シート〈5〉がこの順に配置された太陽電池モジュールであって、
裏面保護シート〈5〉が少なくとも樹脂フィルムを2層以上積層した積層体(S)からなり、該樹脂フィルムのいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられていて、該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする、太陽電池モジュール(以下、第2の態様ということがある)。
尚、第1の態様に係る太陽電池モジュール用裏面保護シートを「太陽電池モジュール用裏面保護シート」、又は「裏面保護シート」ということがある。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、着色層(K)のバインダ樹脂として、ウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂を使用することにより、着色層(K)に高濃度の顔料の配合が可能になり、かつ着色層(K)に高濃度の顔料を配合しても、機械的強度の低下を抑制して、隣接する層との温度変化による膨張・収縮に対する追従性が良好になり、長期間の使用においても着色層(K)内と隣接する層間においてクラックや剥離等の発生を顕著に抑制でき、耐湿熱性等が向上する。
本発明の第2の態様の太陽電池モジュールにおいて、裏面保護シートに第1の態様の太陽電池モジュール用裏面保護シートを設けることにより、意匠性が良好で、層間密着強度が高く、耐湿熱性等の耐久性を高くすることが可能になる。
本発明に係る太陽電池モジュール用裏面保護シート1について、水蒸気バリア層(L)が設けられていない層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1について、水蒸気バリア層(L)が設けられていない層構成の他の例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1について、アルミ箔からなる水蒸気バリア層(L1)が設けられた層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1について、熱可塑性樹脂フィルム基材に金属等の蒸着膜が形成されている水蒸気バリア層(L2)が設けられた層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1について、熱可塑性樹脂フィルム基材金属等の蒸着膜が形成されている水蒸気バリア層(L2)が設けられた層構成の他の例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト2について、水蒸気バリア層(L)が設けられていない層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト2について、アルミ箔からなる水蒸気バリア層(L1)が設けられた層構成の他の例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト3について、アルミ箔からなる水蒸気バリア層(L1)が設けられた層構成の他の例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト3について、アルミ箔からなる水蒸気バリア層(L1)が設けられた層構成の他の例を示す断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト3について、アルミ箔からなる水蒸気バリア層(L1)が設けられた層構成の他の例を示す断面模式図である。 図1〜10のいずれかに示す、本発明に係る裏面保護シ−ト1ないし10を使用して製造された太陽電池モジュ−ルの層構成の一例を示す断面模式図である。
以下に本発明の〔1〕太陽電池モジュール用裏面保護シート(第1の態様)、及び〔2〕太陽電池モジュール(第2の態様)について説明する。
〔1〕太陽電池モジュール用裏面保護シート1(第1の態様)
本発明の第1の態様に係る、「太陽電池モジュール用裏面保護シート」は、少なくとも樹脂フィルムが2層以上積層された積層体(S)からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該樹脂フィルムのいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられてなり、
該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする。
上記積層体(S)の好ましい形態として以下の〈1〉〜〈3〉に「記載する3種類の裏面保護シートが挙げられる。
〈1〉太陽電池モジュール用裏面保護シート1
前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられている太陽電池モジュール用裏面保護シート。
〈2〉太陽電池モジュール用裏面保護シート2
前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmの無延伸ポリプロピレン層(D)、及び厚みが80〜120μmのポリエステル層(E)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)と無延伸ポリプロピレン層(D)間、又は無延伸ポリプロピレン層(D)とポリエステル層(E)間に、着色層(K)が設けられている太陽電池モジュール用裏面保護シート。
〈3〉太陽電池モジュール用裏面保護シート3
前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmの耐久性樹脂層(T)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつ耐久性樹脂層(T)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられている太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(1)積層体(S)を形成する樹脂層
以下に、本発明の積層体(S)を形成する樹脂層である、耐久性樹脂層(T)、ポリエステル層(A)、ポリエステル層(B)、ポリオレフィン層(C)、無延伸ポリプロピレン層(D)、ポリエステル層(E)について記載する。
(1−1)耐久性樹脂層(T)
太陽電池モジュール用裏面保護シートの裏面側最外層を形成する樹脂フィルムである耐久性樹脂層(T)は、フッ素系樹脂、耐加水分解性ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリフェニルエーテル系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、フェニレンサルファイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ、フェニレンオキサイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ又は熱硬化反応、紫外線硬化反応、もしくは電子線硬化反応により架橋して得られる架橋樹脂であることが好ましい。耐久性樹脂層(T)の厚みは、20〜70μmであることが好ましい。
〈フッ素系樹脂(F)〉
フッ素系樹脂は、耐湿熱性、耐熱性、耐侯性等に優れており、具体例として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、または、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられるが、これらを2種以上混合して使用することができる。
上記フッ素系樹脂の中でもポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)、又はテトラフルオロエチレンと、エチレンもしくはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂が経済性等の観点からも特に好ましい。尚、耐侯性の観点からフッ素系樹脂中に酸化チタンが含有されていても良い。
〈耐加水分解性ポリエステル樹脂〉
該耐加水分解性ポリエステル樹脂は、機械的あるいは化学的ないし物理的強度に優れるので、他のポリエステル樹脂の中でも耐湿熱性に特に優れる。
耐加水分解性ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合体などを挙げることができるがこれらの中でもポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
ポリエステルは、乾燥状態では耐加水分解性が極めて高いが、高温高湿条件下では非常に加水分解しやすい。耐加水分解性ポリエステルは、末端カルボキシル基の含有量が20当量/t以下であり、このようにすることにより、高温高湿の環境下に晒されても、ポリエステルの固有粘度(IV)の低減が少なく、主鎖の切断率も小さい。
〈ポリアミド系樹脂〉
ポリアミド系樹脂は、機械的強度、耐衝撃性、水蒸気等に対するガスバリア性等に優れており、具体例として、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミドMXD6等、及びこれらの共重合体が挙げられる。
ポリアミド系樹脂の中でも芳香族ポリアミド系樹脂は、機械強度に優れ、靭性に優れる。
〈環状オレフィン系樹脂〉
環状オレフィン系樹脂は、耐熱性に優れ、吸湿性及び透湿性が低い。
代表的な環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン類、シクロペンタジエン類又はジシクロペンタジエン類、ノルボルネン類とシクロペンタジエンとの縮合により得られる1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン類、ヘキサシクロ[6.6.1.1.1.0.0]ヘプタデセン−4類、1−ブテンとシクロペンタジエンとから合成される6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの多環式オレフィンが例示できる。
〈ポリ(メタ)アクリル系樹脂〉
アクリル系樹脂は、耐候性に優れる。
アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等が例示できる
〈架橋樹脂〉
熱硬化反応、紫外線硬化反応、又は電子線硬化反応により架橋して得られる架橋樹脂は、架橋構造を有するため、光又は熱による分解反応、または湿熱による加水分解反応が生じても強度劣化の速度を遅延させることが可能である。紫外線硬化反応や電子線反応により架橋して得られる架橋樹脂としては、ウレタンアクリレート樹脂等を硬化させて得られる樹脂が挙げられる。
上記耐久性樹脂層(T)の中で、要求されている耐久性能(耐湿熱、耐光、耐熱、靭性等から、フッ素系樹脂、加水分解性ポリエステル樹脂が特に好ましい。 これらの耐久性樹脂層(T)の中で、UL746Bに基づくRTI(相対温度指数)が105℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。
また、上記耐久性樹脂層(T)に対して、更なる耐侯性向上や強度向上のために酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤等の添加剤を添加することも出来る。
(1−2)ポリエステル層(A)
ポリエステル層(A)は、太陽電池モジュール用裏面シートの裏面側の最外層を形成する耐候性基材として、また着色層(K)、厚みが40〜70μmのポリエステル系樹脂から形成される層である。
ポリエステル層(A)は、通常、機械的あるいは化学的ないし物理的強度に優れる。特に、耐加水分解ポリエステルが好ましく使用される。
(イ)ポリエステル層(A)の樹脂成分
ポリエステル層(A)を形成する主成分のポリエステル系樹脂の原料ジカルボン酸化合物としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸等を用いることができる。上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。上記脂肪族ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。
上記ジカルボン酸化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
前記ポリエステル系樹脂の原料ジオール化合物としては、上記ジカルボン酸と縮合し、ポリエステル系樹脂を構成できるものであれば特に限定されない。このようなジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。上記ジオール成分として、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ジカルボン酸化合物と、上記ジオール化合物とが縮合して形成される前記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いることが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
上記ポリエチレンテレフタレート樹脂は、強靭性、剛性、および耐熱性等に優れているために基材としての使用に適している。
尚、前記ポリエステル系樹脂を使用する場合にフィルム又はシートとしては延伸と無延伸のいずれのものも使用することができ、また、耐加水分解性が特に要求される場合には、ポリエステル系樹脂として、オリゴマーの含有量が0.1〜0.6質量%であり、さらにカルボキシル末端基量が、好ましくは15当量/トン以下、より好ましくは3〜15当量/トン程度である。
このような量のカルボキシ末端基を有する前記ポリエステル系樹脂を用いることにより、太陽電池モジュール用裏面保護シート1、2の耐加水分解性は一層優れたものとなる。
前記ポリエステル系樹脂中のカルボキシル末端基量をこのように規定するのは、カルボキシル末端基量が上記範囲よりも多いと、高温高湿雰囲気下においてポリエステル系樹脂の加水分解反応が進行してしまい、本態様の太陽電池モジュール用裏面保護シートの耐久性を損なう場合があるからである。
なお、上記カルボキシル基末端量は、前記ポリエステル系樹脂の一定量をオルトクレゾール/クロロホルム(質量比=50/50、または60/40)、フェノール/1,2−ジクロロベンゼン(質量比=50/50)、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比=50/50、又は、60/40)、O−クロロフェノール、および、ジクロロ酢酸のいずれかに溶解し、アルカリで電位差滴定することにより求めることができる。
前記ポリエステル系樹脂は、固有粘度が0.8dl/g以上であることが好ましい。上記ポリエステル系樹脂として、固有粘度が0.8dl/g以上であるものを用いることにより、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを強靭性、剛性、および耐熱性に優れたものにできるからである。本態様においては、上記固有粘度として、1.0dl/g以上であることがより好ましく、1.2dl/g〜1.5dl/gの範囲内であることがさらに好ましい。
(ロ)ポリエステル層(A)を形成する樹脂組成物
ポリエステル層(A)を形成するポリエステル系樹脂を使用し、そのフィルムを成形するに際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
上記の添加剤の中でも、特に、耐候性等を向上させるために、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の1種ないし2種以上を練れ込み加工してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。上記の紫外線吸収剤は、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギ−へと変換し、高分子中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものであり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サルチレ−ト系、アクリルニトリル系、トリアジン系、金属錯塩系、超微粒子酸化チタン(粒子径、0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(0.01〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤の1種ないしそれ以上を使用することができる。また、光安定剤は、樹脂表面または樹脂中に発生したラジカルを補足して、樹脂の劣化を防止するものであり、ヒンダードアミン系の光安定剤等を用いることが出来る。
また、上記の酸化防止剤は、高分子の光劣化あるいは熱劣化等を防止するものであり、例えば、フェノ−ル系、アミン系、硫黄系、燐酸系、その他等の酸化防止剤を使用することができる。更に、上記の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤としては、例えば、ポリマ−を構成する主鎖または側鎖に、上記のベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤あるいは上記のフェノ−ル系等の酸化防止剤を化学結合させてなるポリマ−型の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤等も使用することができる。上記の紫外線吸収剤、酸化防止剤、強化繊維等の含有量としては、その粒子形状、密度、その他等によって異なるが、約0.1〜10重量%位が好ましい。
ポリエステル層(A)の形成には、前記樹脂組成物を例えば公知の方法により成形されるフィルムを使用することができ、ポリエステル層(A)の厚みは40〜70μmであり、好ましくは45〜65μmである。
(1−3)ポリエステル層(B)
ポリエステル層(B)は、太陽電池モジュール用裏面シート1に主に剛性を付与し、且つ加工性、耐熱性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、電気的特性、耐候性を有する基材として、厚みが80〜120μmのポリエステル系樹脂から形成される層である。
ポリエステル層(B)を構成する樹脂成分と樹脂組成物は、ポリエステル層(A)について記載したのと同様である。
尚、本発明の目的性能を損なわない程度にポリエステル層(A)と同様に添加剤を用いても良い。例えば、強度を持たせる等で、白色又は黒色顔料等の添加剤を加えることが例示出来る。
(1−4)ポリオレフィン層(C)
ポリオレフィン層(C)としては、光起電力素子としての太陽電池素子の裏面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れ、裏面保護充填層との密接着性に優れ、また、強度に優れ、かつ、耐水性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性等の諸堅牢性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性に優れ、その保護能力性が高いこと等の特性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン樹脂が使用できる。これらの中でも無延伸ポリプロピレン、又は高密度ポリエチレンの使用が望ましい。
太陽電池モジュ−ルを製造する際に、後述するように加熱圧着するラミネーション工程を経ることから、延伸タイプのものは、その際に収縮して、好ましい太陽電池モジュールを製造することが困難となる場合があることから、太陽電池モジュール用裏面保護シートとしては、無延伸(未延伸)タイプのものを使用することが好ましいものである。
更に、本発明において、上記のポリプロピレン系樹脂としては、比較的に融点の高い組成を持つポリプロピレン系樹脂を使用することが望ましい。ポリプロピレン系樹脂は、通常、90〜230℃程度に加熱圧着するラミネーション工程を経て太陽電池モジュールを製造する際に熱収縮は少なく安定であり、更に、ポリプロピレン系樹脂の場合に発生するおそれのある加水分解等も起こらないので、耐湿熱性試験時の耐久性等にも優れているという利点を有するものである。
尚、本発明においては、上記の樹脂には、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性等を向上させるために、例えば、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、混合することができるものである。
ポリオレフィン層(C)の厚みは、30〜120μmが好ましく、40〜100μmがよりましく、50〜80μmが更に好ましい。
(1−5)裏面保護シートを構成するフィルムまたはシ−トの成形
上記の裏面保護シートを構成する各種樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造することができ、また、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸して各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造することができる。
(2)着色層(K)
太陽電池モジュ−ル裏面保護シートには、通常、太陽電池モジュ−ルのセル・配線の保護、太陽電池モジュ−ル裏面保護シート自身の耐光劣化性の向上と、該裏面保護シートの内側(セル側)に求められる配線、アルミフィルムの金属光沢を消すという意匠性の観点から、主に白色または黒色等の着色層(K)が設けられる。
着色層(K)は主にバインダ樹脂と顔料から構成される。
(2−1)バインダ樹脂
本発明において、着色層(K)に含有されるバインダ樹脂は、ウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)である。
着色層(K)のバインダ樹脂としてポリウレタン樹脂(P)を使用することにより、着色層(K)に従来使用していた他の樹脂よりも高い濃度の顔料を配合しても層間密着性の低下を抑制して、温度・湿度環境下における長期間の使用においても着色層内と隣接する層間においてクラックや剥離等の発生を顕著に抑制でき、外観・意匠性の変化を向上することが可能になる。
又、着色層(K)のバインダ樹脂に、ウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)を使用することにより、顔料は有機または無機どちらの顔料を用いることが出来る。
ポリウレタン樹脂(P)としては、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールを含有するジオール成分と、ジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P1pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P1)、又はアクリルジオールと、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分と、ジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P2pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P2)であることを特徴とする。
(イ)ウレタンプレポリマー(P1pre)
ウレタンプレポリマー(P1pre)は、前述の通り少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールを含有するジオール成分と、ジイソシアネート成分とを反応させて得られる、ウレタン結合を有し、かつ末端に水酸基を有するプレポリマーである。
(イ−1)ジオール成分
ジオール成分は、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールを含有するジオール成分であることが好ましく、本発明本来の目的の性能を損なわない程度にポリエーテルジオール等の他のジオールを含有させることができる。該ジオール成分中のポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールの含有量は50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
〈ポリカーボネートジオール〉
ポリカーボネートジオールは、例えばアルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる、両末端に水酸基有し、かつカーボネート骨格(−R−O−CO−O−)を有する、一般式(1)で示される、重量平均分子量(Mw)(重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換算の値である。以下、同じ)500〜5,000程度のものが挙げられる。
HO(−R−O−CO−O−)R−OH・・・・・・(1)
例えば、アルキレングリコールとして1,6−ヘキサンジオールと、エチレンカーボネートとを反応させると、下記のポリカーボネートジオールが得られる。
nHO(CHOH + nエチレンカーボネート
→mHO(CHOCOCHCHOH + mHO(CHOH
→HO[(CHOCO]−(CHOH + mHO(CHOH
このようなポリカーボネートジオールを得るアルキレングリコールとしては、2−エチル−1,3−ペンタンジオール、2−プロピル−1,3−ペンタンジオール、2−プロピル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等を用いることができる。
例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを用いると柔軟性を有するポリウレタン樹脂が得られる。エステル交換反応に用いられる炭酸エステルとしては、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。ジオール成分にポリカーボネートジオールを使用すると特に耐湿熱性を向上する効果を発揮する。
〈ポリエステルジオール〉
ポリエステルジオールは、ジカルボン酸とジオールとの反応により得られる。該ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。なお、ジカルボン酸とジオールはそれぞれ1種単独であっても、2種以上を混合させて反応させてもよい。また、本来の目的性能を損なわない程度に他のジカルボン酸、ジオールを用いても良い。
ジオール成分にポリエステルジオールを使用すると特に密着性を向上する効果を発揮する。ポリエステルジオールとしては、重量平均分子量(Mw)500〜5,000程度のものが挙げられる。
〈ポリエーテルジオール〉
ポリエーテルジオールとしては、例えば、1分子中に1〜4の水酸基、好ましくは1分子中に2の水酸基を有する水酸基含有化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる重量平均分子量(Mw)(重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換算の値である。以下、同じ)が500〜5,000程度のものが挙げられる。
該水酸基含有化合物としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,4シクロヘキサンジメタノールを1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ジオール成分にポリエーテルジオールを使用するとウレタン結合に由来する密着性を向上する効果を発揮する。
(イ−2)ジイソシアネート成分
ウレタンプレポリマー(P1pre)の製造に用いるジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネートなどの無黄変または難黄変型ジイソシアネート成分や2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、(o,mまたはp)−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート等の黄変型のジイソシアネート成分が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、または、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのジイソシアネート成分のうち、無黄変型およびまたは難黄変型のジイソシアネート成分が好ましい。
(イ−3)ウレタンプレポリマー(P1pre)の製造
ウレタンプレポリマー(P1pre)の製造例としては、例えば、ジオール成分とジイソシアネート成分を全量仕込みプレポリマー化する方法、ジイソシアネート成分と、ジオール成分の一部とを反応させてから残りのジオール成分を混合する方法を採用することができる。
ウレタンプレポリマー(P1pre)を製造する際、ジオール成分とジイソシアネート成分との比率、又は複数のジオール成分を使用する場合は該複数のジオール成分の総和とジイソシアネート成分との比率としては、ウレタンプレポリマー(P1pre)はイソシアネート系架橋剤で架橋硬化されるので、該プレポリマーは水酸基末端プレポリマーとする必要があることから、両者のモル比率としてジオール成分をより多く使用する。
尚、ジオール成分中に、イソシアネート基と反応し得る活性水素を2個以上有する化合物である多官能性化合物を添加して用いることもできる。該多官能性化合物としては、更に酸性基を導入し得る多官能性化合物、鎖伸長剤などが含まれていてもよい。
前述のジオール成分とポリイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P1pre)は、例えば、重量平均分子量(Mw)10,000〜50,000程度のプレポリマーである。
(ロ)アクリルウレタンプレポリマー(P2pre)
アクリルウレタンプレポリマー(P2pre)は、前述の通りアクリルジオールと、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分と、ジイソシアネート成分とを反応させて得られる、ウレタン結合を有し、かつ末端に水酸基を有するプレポリマーである。
(ロ−1)ジオール成分
ジオール成分は、アクリルジオールと、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールを含有するジオール成分であることが好ましく、本発明本来の目的の性能を損なわない程度にポリエーテルジオール等の他のジオールを含有させることができる。該ジオール成分中のアクリルジオールと、ポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオールの含有量は50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
〈ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール〉
前記ウレタンプレポリマー(P1pre)のジオール成分の項に記載した「ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール」の記載内容とそれぞれ同様であり、同様の効果を発揮する。
〈アクリルジオール〉
アクリルジオールは、例えばアクリルモノマー(水酸基を有するアクリルモノマーは除かれることが好ましい)を公知の方法により重合させてプレポリマーとし、更に該プレポリマーに水酸基を有するアクリルモノマーを重合させることにより得られる、両末端に水酸基を有するプレポリマーである。
前記アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を併用することができる。また、本来の目的の性能を損なわない限り、他の不飽和結合モノマーを共重合させることも出来る。
水酸基を有するアクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
ジオール成分にアクリルジオールを使用すると耐候性を向上する効果を発揮する。アクリルジオールとしては、重量平均分子量(Mw)500〜10,000程度のものが挙げられる。
(ロ−2)ジイソシアネート成分
前記ウレタンプレポリマー(P1pre)のジオールの項に記載したジイソシアネート成分と同様である。
(ロ−3)アクリルウレタンプレポリマー(P2pre)の製造
アクリルウレタンプレポリマー(P2pre)製造方法は、ジオール成分として、アクリルジオールにポリカーボネートジオール、及び/又はポリエステルジオール等を混合して使用する点を除いては前記ウレタンプレポリマー(P1pre)のジオールの項に記載したジイソシアネート成分と同様である。
前述のジオール成分とポリイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P2pre)は、例えば、重量平均分子量(Mw)10,000〜50,000程度のプレポリマーである。
(2−2)顔料
太陽電池モジュ−ルにおいて透過した太陽光を光反射あるいは光拡散させて再利用するために光反射性、光拡散性等を付与し、配線、アルミフィルムの金属光沢を目立たなくする等の意匠性を付与することを目的とし添加するものであり、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等をさらに配合してもよい。
中でも、無機顔料が好ましく、無機顔料の中でも実用上、白色又は黒色の顔料が好ましく使用される。
(イ)白色顔料
着色層(K)を形成する層に添加する白色顔料としては、前述のバインダ樹脂に均一に分散することができ、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを太陽電池モジュールに用いた場合に、上記太陽電池モジュールに含まれる太陽電池素子を透過した光を効率よく反射することができるものであれば特に限定されるものではない。
このような白色顔料としては、具体的には、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の金属酸化物;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機化合物のうちの1種類のみを単独で用いても良く、2種類以上を併用して用いても良い。本発明においては、なかでも酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウムを好ましく用いることができる。これらの白色顔料は、優れた光反射性を有するものであるため、好適に用いることができる。
本発明に用いられる白色顔料の一次粒子の平均粒径が、0.1〜10μmの範囲が好ましく、0.1〜3μmの範囲がより好ましい。白色顔料の一次粒子の平均粒径が上記0.1μm未満であると十分に光を反射することができないおそれがあり、上記3μmを超えると、上記白色層用透明樹脂中で均一に分散することが困難となるおそれがある。
なお、上記粒径の測定法としては、レーザー法により測定した平均粒径の値とする。一次平均粒径とは、一般に一次粒子の粒径を示すために用いられるものであり、レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を照射して得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。なお、上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、例えば、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製、粒度分析計(型式:マイクロトラックUPA Model-9230)を使用して測定した値である。
(ロ)黒色顔料
着色層(K)を形成する層に添加する黒色顔料としては、前述のバインダ樹脂に均一に分散することができれば特に制限されるものではないが、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを太陽電池モジュールに用いた場合の配線、アルミの金属光沢を低減させる等の意匠性の点から、実用上カーボンブラックの使用が好ましい。
(2−3)その他の添加剤
なお、上記の各種の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、抗酸化性、滑り性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。その添加量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
このような添加剤としては、例えば、増粘剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、耐候性改善剤などが挙げられる。
〈着色層耐候性改善剤〉
ここで、着色層の耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤や酸化防止剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。また、トリアジン系、具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール、1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリ[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]などが挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。酸化防止剤としては、前述の高分子の光劣化あるいは熱劣化等を防止するものであり、例えば、フェノール系、アミン系、硫黄系、燐酸系、その他等の酸化防止剤を使用することができる。また、使用目的に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤、光安定剤や酸化防止剤を用いることもできる。
上記紫外線吸収剤としては、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギーへと変換し、上記樹脂中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものである。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サルチレート系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードアミン系、および、超微粒子酸化チタン(粒子径:0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(粒子径:0.01〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種類のものを使用することができる。
(2−4)着色層(K)形成用塗工液
着色層(K)形成用塗工液は、ウレタンプレポリマー(P1pre)又はアクリルウレタンプレポリマー(P2pre)、顔料、イソシアネート系架橋剤、及び必要に応じて添加剤をそれぞれ有機溶媒に添加して得られる。
イソシアネート架橋剤は、アロファネートタイプ、ビウレットタイプ、イソシアヌレートタイプ、アダクトタイプなどの骨格が挙げられる。
黒色顔料のカーボンブラックの配合割合は、黒色度、混練性等を考慮するとバインダ樹脂100重量部に対して、6〜115重量部が好ましく、30〜70重量部がより好ましい。黒色顔料の配合割合が前記6重量部未満では黒色度が不十分となり、一方、前記115重量部を超えると樹脂層間の層間密着性が低下したり、インキの混練性が不十分になるおそれがある。
また、白色顔料の酸化チタンの配合割合は、同様に白色度、混練性等を考慮するとバインダ樹脂100重量部に対して、80〜400重量部がより好ましく、120〜300重量部がより好ましい。白色顔料の配合割合が前記12重量部未満では白色度が不十分となり、一方、前記400重量部を超えると樹脂層間の層間密着性が低下したり、インキの混練性が不十分になるおそれがある。
〈イソシアネート系架橋剤〉
このようなイソシアネート系架橋剤としては、環状構造を有するイソシアヌレートタイプと鎖状構造を有するアロファネートタイプ、アダクトタイプ、ビウレットタイプが例示できる。
イソシアヌレート系架橋剤は、例えば、イソシアヌレート化触媒の存在下、ジイソシアネートを反応させて得られる。アロファネート変性イソシアネートは、例えば、アロファネート化触媒の存在下、ジオール化合物とジイソシアネートを反応させて得られる。
ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
尚、これらのジイソシアネートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〈有機溶剤〉
前記有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、1種単独又は2種以上を混合して使用できる。
(2−5)着色層(K)の形成
着色層(K)は、上記着色層(K)形成用塗工液を基材となる樹脂層(例えば、ポリエステル層(A)、ポリエステル層(B)、又はポリオレフィン層(C))上に塗布され、乾燥後加熱下に架橋硬化されて形成される。また、着色層(K)は、種々の目的に応じて、1ないし複数の樹脂層上に(例えば、ポリエステル層(A)、とポリオレフィン層(C)上など)を形成することが出来る。
前記着色層(K)形成用塗工液の塗布方法としては、硬化後の厚さが0.5〜8μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、ダイコート、スリットコート、カーテンコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行い、未硬化樹脂層を形成させる。次に、加熱により着色層(K)を架橋・硬化させる。
尚、着色層(K)の厚みは、前記0.5〜8μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。着色層(K)の厚みが前記0.5μm未満では着色層に顔料を高配合しても黒色度、白色度等が不十分な場合があり、一方、前記8μmを超えると隠蔽性向上による意匠効果が期待以上に得られず、層の厚みが増すことによりコスト高となって経済上の不利益をもたらす。
着色層(K)を架橋硬化させる際、例えば、40〜45℃の加熱下に7日間程度エージングさせて硬化させることができる。このような硬化方法を採用することにより、着色層(K)が確実に架橋硬化するばかりでなく、着色層(K)を形成する樹脂中のイソシアネート残基が隣接する層中に存在する基材中のOH基との間で付加反応を進行させて両層間の密着性を一層向上させる効果が発現する。
このようにして得られた着色層(K)は、着色層(K)に従来よりも高い濃度の顔料を配合しても層間密着強度が高く、温度・湿度環境下における外観・意匠性の低下を抑制することが出来る。
また、長期間の使用においても着色層内と隣接する層間においてクラックや剥離等の発生を顕著に抑制でき、耐久性(耐湿熱性等)に優れるものとなる。
又、着色層(K)のバインダ樹脂に、ウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)を使用することにより、高濃度のカーボンブラック黒色顔料、又は酸化チタン白色顔料を配合できるので隠蔽性が向上するため、意匠性も向上する。
(3)水蒸気バリア層(L)
本発明において、太陽電池モジュール用裏面保護シートに水蒸気バリア性が要求される場合には、該裏面保護シートを構成するいずれかのフィルムないしシート、好ましくはポリエステル層(A)のセル側にアルミニウム箔からなる水蒸気バリア層(L1)、又は熱可塑性樹脂層の片面に金属もしくは金属酸化物の蒸着膜が形成された水蒸気バリア層(L2)を積層することができる。
(イ)アルミニウム箔からなる水蒸気バリア層(L1)
水蒸気バリア層(L)として、アルミニウム箔からなる水蒸気バリア層(L1)を使用する場合には、その厚みは20〜40μm程度とすることが好ましい。厚みが上記範囲未満では積層時に皺が発生する等の不都合を生じてバリア機能を充分に発揮しないおそれがあり、一方、上記範囲を超えるとコストが高くなり経済上の問題を生ずる。
前記基材に水蒸気バリア層(L1)を積層する際には、後述する接着剤層(M)を介して積層することが好ましい。また、水蒸気バリア層(L1)を積層する際には、セル側からの金属光沢の抑制および意匠性付与、または、最外層側への金属光沢の抑制および意匠性の付与の目的で、セル側、最外層側のどちらか一方、または両方、着色層(K)を設けても良い。
(ロ)基材フィルムの片面に金属等が蒸着された水蒸気バリア層(L2)
水蒸気バリア層(L)として、熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの片面に金属もしくは金属酸化物蒸着膜が形成された蒸着フィルム(L2)を使用する場合の該基材、及び蒸着法について以下に記載する。
水蒸気バリア層を形成する際に用いる基材としては、ある程度の剛性を有する熱可塑性樹脂を使用することが望ましく、このような熱可塑性樹脂として、例えばポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。
金属または金属酸化物の蒸着膜としては、例えば、物理気相成長法、または、化学気相成長法、あるいは、その両者を併用して、金属または金属酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を製造して形成することができる。上記の物理気相成長法による金属または金属酸化物の蒸着膜について更に説明すると、かかる物理気相成長法による金属または金属酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法を用いて金属または金属酸化物の蒸着膜を形成することができる。具体的には、金属または金属酸化物を原料とし、これを加熱し、蒸気化して基材フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属酸化物を使用し、必要ならば、酸素ガス等を導入して酸化させて基材フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて金属または金属酸化物の蒸着膜を形成することができる。蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式等にて行うことができる。
金属または金属酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の金属または金属酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。上記の異種の金属または金属酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る金属酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該金属酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による金属酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる金属酸化物の蒸着膜を構成することが望ましい。一方、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、金属酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る金属酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる金属酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
(4)接着剤層(M)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート1において、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に着色層(K)が設けられおり、更に必要に応じて水蒸気バリア層(L)が設けられるのでこれらの層間接着強度の向上、例えば水蒸気バリア層(L)と他の層との間の接着強度を向上させるために、接着剤層(M)が設けられることが好ましい。
これらの層間をドライラミネート積層法により積層接着させる場合に好適に用いられる接着剤としては、例えば、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコン系接着剤、アルカリ金属シリケート等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
上記の接着剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコーティング量としては、0.1〜10g/m(乾燥状態)程度が望ましい。なお、本発明において、樹脂のフィルムないしシートを使用し、ドライラミネートによる積層を行う場合には、その表面に、予め、コロナ放電処理、オゾン処理、あるいは、プラズマ放電処理等の表面改質前処理を任意に施すことができる。
上記接着剤中には、紫外線劣化等を防止するために、光安定剤、紫外線吸収剤および/または酸化防止剤を添加することができる。
(5)その他の層
太陽電池モジュール用裏面保護シート1に積層可能なその他の樹脂としては、例えば、機械的、化学的、あるいは、物理的強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性、防湿性、防汚性、光反射性、光拡散性、意匠性、その他等の諸特性に優れ、その長期間の使用に対し性能劣化等を最小限に抑え、耐久性に富み、その保護の機能性に優れ、軽く、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有し、更に、より低コストで安全性に富む樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
具体的には、上記の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂を例示することができる。
(6)太陽電池モジュール用裏面保護シートの層構成
本願発明の第1の態様における太陽電池モジュール用裏面保護シートの好ましい態様を以下の(6−1〜3)において説明する。
(6−1)太陽電池モジュール用裏面保護シート1
本発明の「太陽電池モジュール用裏面保護シート1」は前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする。
以下、図面を参照して説明する。図1〜5は、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の層構成の例を示す断面模式図である。尚、水蒸気バリア層(L2)(金属等蒸着層)11において金属等蒸着層は裏面側、又はセル側のいずれの基材面に設けられていてもよい(以下、同じ)。
図1は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート1の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、ポリエステル層(A)5、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図2は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート1の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、ポリエステル層(A)5、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図3は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート1の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、ポリエステル層(A)5、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L1)(アルミ箔)10、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図4は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート1の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、ポリエステル層(A)5、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L2)(金属等蒸着層)11、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図5は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート1の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、ポリエステル層(A)5、着色層(K)7、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L2)(金属等蒸着層)11、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
裏面保護シート1は、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に着色層(K)が設けられた層構成であるが、更に水蒸気バリア層(L)、接着剤層(M)等が設けられることにより、以下に例示する積層構造とすることができる。尚、下記の積層構造は例示であり、裏面保護シート1の態様はこれらの積層構造に限定されるものではない。
太陽電池モジュール用裏面保護シート1における水蒸気バリア層を設けない層構成を下記[1]〜[3]に、水蒸気バリア層を設けた層構成を下記[4]〜[10]に例示する。
[1]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)(図1参照)
[2]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/着色層(K)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)
[3]ポリエステル層(A)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)(図2参照)
[4]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)(図3参照)
[5]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/接着剤層(M)/着色層(K)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)
[6]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L2)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)(図4参照)
[7]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L2)/接着剤層(M)/着色層(K)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)
[8]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L2)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)
[9]ポリエステル層(A)/着色層(K)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L2)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)(図5参照)
[10]ポリエステル層(A)/着色層(K)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L2)/接着剤層(M)/ポリエステル層(B)/接着剤層(M)/ポリオレフィン層(C)
(6−2)太陽電池モジュール用裏面保護シート2
本発明の「太陽電池モジュール用裏面保護シート2」は、前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmの無延伸ポリプロピレン層(D)、及び厚みが80〜120μmのポリエステル層(E)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)と無延伸ポリプロピレン層(D)間、又は無延伸ポリプロピレン層(D)とポリエステル層(E)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする。
裏面保護シート2は、ポリエステル層(A)と無延伸ポリプロピレン層(D)間、又は無延伸ポリプロピレン層(D)とポリエステル層(E)間に着色層(K)が設けられた層構成であるが、更に水蒸気バリア層(L)、接着剤層(M)等が設けられることにより、以下に例示する積層構造とすることができる。
太陽電池モジュール用裏面保護シートにおける水蒸気バリア層(L)を設けない層構成を下記[1]〜[4]に、水蒸気バリア層(L)を設けた層構成を下記[5]〜[8]に例示する。
[1]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/着色層(K)/ポリエステル層(E)(図6参照)
[2]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層(D)/着色層(K)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
[3]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/着色層(K)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
[4]ポリエステル層(A)/着色層(K)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
[5]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/着色層(K)/ポリエステル層(E)(図7参照)
[6]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層/(D)着色層(K)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
[7]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/接着剤層(M)/着色層(K)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
[8]ポリエステル層(A)/接着剤層(M)/水蒸気バリア層(L1)/着色層(K)/接着剤層(M)/無延伸ポリプロピレン層(D)/接着剤層(M)/ポリエステル層(E)
(6−3)太陽電池モジュール用裏面保護シート3
本発明の「太陽電池モジュール用裏面保護シート3」は、
前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmの耐久性樹脂層(T)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつ耐久性樹脂層(T)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート3は、耐久性樹脂層(T)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に着色層(K)が設けられた層構成であるが、更に水蒸気バリア層(L)、接着剤層(M)等が設けられることにより、以下に例示する積層構造とすることができる。尚、下記の積層構造は例示であり、裏面保護シート3の態様はこれらの積層構造に限定されるものではない。
以下、図面を参照して説明する。図8、9、10は、太陽電池モジュール用裏面保護シート3の層構成の例を示す断面模式図である。
図8は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート3の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、透明フッ素系樹脂フィルム(F1)3、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L1)(アルミ箔)10、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図9は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート3の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、白フッ素系樹脂フィルム(F2)4、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L1)(アルミ箔)10、接着剤層(M)8、ポリエステル層(B)6、着色層(K)7、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
図10は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シート3の断面摸式図であり、該裏面保護シートの裏面側から、透明フッ素系樹脂フィルム(F1)3、接着剤層(M)8、水蒸気バリア層(L1)(アルミ箔)10、接着剤層(M)8、着色層(K)7、ポリエステル層(B)6、接着剤層(M)8、ポリオレフィン層(C)9の順に積層されている。
(7)太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの厚みは、太陽電池モジュールとした際に、十分な強度等を示すことができるものであれば特に限定されるものではないが、180〜400μmの範囲であることが好ましく、200〜350μmの範囲がより好ましい。
太陽電池モジュール用裏面保護シート1の製造方法は特に限定されるものではないが、該裏面保護シート1を構成するいずれかの層を基材として着色層(K)、また必要に応じて水蒸気バリア層(L)をドライラミネート法や熱ラミ法で積層する方法、あるいは、上記熱可塑性樹脂層および接着剤層(M)の各材料を、多層共押し出し製膜し製造する方法、あるいは製膜した上記熱可塑樹脂層上に、必要に応じて接着剤層(M)を形成する接着剤を塗工した後、押し出しラミネート法(ECラミネート法)で積層し製造する方法を挙げることができる。
太陽電池モジュール用裏面保護シート2の製造方法についても、基本的な層構成がポリエステル層(A)、無延伸ポリプロピレン層(D)、及びポリエステル層(E)である以外は太陽電池モジュール用裏面保護シート1と同様に製造することができる。
〔2〕太陽電池モジュール(第2の態様)
次に、本発明の第2の態様である、太陽電池モジュールについて説明する。
図11に示すように、本発明の太陽電池モジュール21は、少なくとも、第1の態様に記載した太陽電池モジュール用裏面保護シート1ないし3である裏面保護シート〈5〉26と、該裏面保護シート〈5〉上に形成された、裏面充填材層〈4〉25と、該裏面充填材層〈4〉上に形成された、太陽電池素子〈3〉24と、該太陽電池素子〈3〉上に形成された表面充填材層〈2〉23と、該表面充填材層〈2〉上に形成された透明前面基板〈1〉22とから構成されることを特徴とするものである。
尚、図11中の裏面保護シート〈5〉は、図1〜10に例示する、本発明の第1の態様に係る太陽電池モジュール用裏面保護シ−トである。
本発明によれば、裏面保護シート〈5〉を用いることによって、着色層(K)に従来よりも高い濃度の顔料を配合しても隣接する層との層間密着性が良好で、温度・湿度等の環境起因による着色層の加水分解反応を抑制し、外観・意匠性の変化が少なくすることが出来る。
又、着色層(K)のバインダ樹脂に、ウレタン系プレポリマーをイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)を使用することにより、高濃度のカーボンブラック黒色顔料、又は酸化チタン白色顔料を配合できるので隠蔽性が向上し、意匠性も向上する。
本発明の裏面保護シート〈5〉を用いることによって、裏面充填材層〈4〉と十分な密着強度を維持して、かつ安定的に積層することができる
以下、本発明の太陽電池モジュールの各構成について説明する。
(1)裏面保護シート〈5〉
本発明の太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シート〈5〉は、前述の第1の態様に記載した太陽電池モジュール用裏面保護シート1、又は2であり、その層構成等についてここでの記載は省略する。
(2)裏面充填材層〈4〉
本発明に用いられる裏面充填材層〈4〉は、裏面保護シート〈5〉と接着性を有していて直接積層されるか、又は接着剤層を介して積層され、太陽電池素子(3)の裏面の平滑性を保持するための熱可塑性を有し、太陽電池の保護の点で耐スクラッチ性、衝撃吸収性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性を有するものであれば特に限定されない。
上記裏面充填材層〈4〉としては、例えば、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレンフィン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。なお、裏面充填材層〈4)を構成する樹脂には、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性等を向上させるために、その透明性を損なわない範囲で、例えば、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、混合することができる。なお、裏面充填材層〈4〉の厚さは、200〜1000μmが好ましく、350〜600μmがより好ましい。
さらに、裏面充填材層〈4〉としては、複数のシートが積層された構成を有するものであっても良い。このような複数のシートが積層された構成としては、例えば、無機蒸着膜を有するガスバリア性シートが積層された構成や、強靭性シートが積層された構成を例示することができる。
(3)太陽電池素子〈3〉
本発明に用いられる太陽電池素子〈3〉としては、一般的な太陽電池素子を用いることができる。具体的には、単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe)等のII−VI族化合物半導体太陽電子素子、有機太陽電池素子等を用いることができる。
また本発明に用いられる太陽電池素子〈3〉としては、薄膜多結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜微結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜結晶シリコン太陽電池素子とアモルファスシリコン太陽電池素子とのハイブリット素子等も使用することができる。
(4)透明前面基板〈1〉
本発明に用いられる透明前面基板〈1〉としては、太陽光の透過性を有する基板であれば特に限定されず、例えば、ガラス板、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂フィルムを用いることができる。
また、透明前面基板〈1〉の厚みは、所望の強度を実現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、25〜4000μm程度が好ましい。
(5)表面充填材層〈2〉
本発明に用いられる表面充填材層〈2〉としては、太陽光に対する透過性を有し、太陽電池素子〈3〉の裏面の平滑性を保持するための熱可塑性、太陽電池の保護の点で耐スクラッチ性、衝撃吸収性を有し、かつ、上記透明前面基板〈1〉および太陽電池素子〈3〉に対して接着性を示すものであれば特に限定されない。このような表面充填材層〈2〉を構成する材料の具体例としては、例えば、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレンフィン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
なお、本発明においては、表面充填材層〈2〉を構成する樹脂には、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性等を向上させるために、その透明性を損なわない範囲で、例えば、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、混合することができる。本発明においては、太陽光の入射側である表面充填材層〈2〉としては、耐光性、耐熱性、耐水性等の耐候性を考慮すると、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が望ましい素材である。なお、上記の充填剤層の厚さは、200〜1000μmが好ましく、350〜600μmがより好ましい。
さらに、本発明に用いられる表面充填材層〈2〉は、全光線透過率が、70〜100%の範囲が好ましく、80〜100%の範囲がより好ましく、90〜100%の範囲が更に好ましい。上記全光透過率が、上記範囲内であることにより太陽電池モジュールの発電効率が損なわれるのを抑制することができる。尚、上記全光線透過率は、通常の方法により測定することができ、例えば日本電色工業(株)製、型式:HAZEメータ NDH2000等により測定することができる。
(6)その他の層
本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽光の吸収性、補強、その他等の目的のもとに、さらに、他の層を任意に加えて積層することができるものである。このような他の層としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
(7)太陽電池モジュールの製造方法
本発明において透明前面基板〈1〉、表面充填材層〈2〉、太陽電池素子〈3〉、裏面充填層〈4〉、及び裏面保護シート〈5〉をこの順で積層した後、これらを加熱圧着する方法としては、上記各構成を密着できる方法であれば特に限定されず、一般的に公知の方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、透明前面基板〈1〉、表面充填材層〈2〉、太陽電池素子〈3〉、裏面充填層〈4〉、及び裏面保護シート〈5〉をこの順で積層した後、これらを一体として、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を例示することができる。
上記ラミネーション法を用いた際のラミネート温度は、通常、90〜230℃が好ましく、110〜190℃がより好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に本発明を実施例、比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、実施例1〜6、及び比較例1〜4においては着色顔料として黒色顔料を使用し、実施例7〜10、及び比較例5〜10においては着色顔料として白色顔料を使用した。
〔1〕積層体の作製に使用した原材料
以下に、本発明の積層体(S)を形成する樹脂層である、耐久性樹脂層(T)、ポリエステル層(A)、ポリエステル層(B)、ポリオレフィン層(C)、無延伸ポリプロピレン層(D)、ポリエステル層(E)、着色層(K)、及び接着剤層に対応する層の形成に使用した原材料ついて記載する。
(1)着色層に使用したバインダ樹脂、顔料、着色フィルム
(イ)アクリルウレタンプレポリマー1
1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオールとメチルメタクリレートプレポリマーの両末端に2−ヒドロキシメタクリレートを重合させて得た、両末端に水酸基を有するアクリルジオールからなるジオール成分と、イソホロンジイソシアネートとを反応させ、末端に水酸基を有するアクリルウレタンプレポリマー1を調製した。
尚、アクリルウレタンプレポリマー1を下記架橋剤で架橋硬化して得られる樹脂をアクリルウレタン樹脂1という。
(ロ)ウレタンプレポリマー2
1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオールとイソホロンジイソシアネートとを反応させて、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー2を調製した。
尚、ウレタンプレポリマー2を下記架橋剤で架橋硬化して得られる樹脂をウレタン樹脂2という。
(ハ)イソシアネート系架橋剤
HDI変性イソシアヌレートを使用した。
(ニ)アクリル樹脂3
市販のポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン(株)製、アクリル樹脂(商品名:BR−80))を使用した。
(ホ)塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体4(表1、2に塩ビ・酢ビ共重合体4と記す)
市販の塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(日信化学(株)製、(商品名:ソルバインC))を使用した。
(へ)顔料
〈黒色顔料〉
黒色顔料として、一次粒子の平均粒径65nmのカーボンブラックを使用した。
〈白色顔料〉
白色顔料として、一次粒子の平均粒径0.5μmの酸化チタンを使用した。
(ト)白色ポリエステル5(PET5)
白色ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラー(登録商標)E20))を使用した。
(2)他の樹脂層
(イ)白色フッ素系樹脂フィルム(W−ETFE):厚さ25μmのETFE (白色顔料として、酸化チタンが8質量%、及び平均粒径0.3μmの酸化チタンが3質量%となるように配合されたもの)を用いた。
(ロ)透明高密度ポリエチレンフィルム(T−HDPE)
厚さ120μmの透明高密度ポリエチレンフィルムを用いた。
(ハ)透明ポリエステルフィルム(T−PET)
厚み100μmの透明耐加水分解性二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人・デュポンフィルム(株)製、商品名:メリネックスS)を使用した。
(ニ)接着材層10
接着剤層の形成には、2液ウレタン系接着剤を使用した。
〔2〕太陽電池用裏面保護シートに使用した原材料
前記「〔1〕積層体の作製に使用した原材料」以外に使用した原材料について記載する。
蒸着ポリエステル(蒸着PET):三菱樹脂(株)製、厚み12μmのポリエステル(商品名:テックバリアLXを使用した。
アルミ箔(AL):日本製箔(株)製)、厚み30μmのアルミ箔(商品名:ニッパク#30)を使用した。
白色耐加水分解性ポリエステルフィルム(WHR−PET):帝人デュポンフィルム(株)製、厚み50μm、商品名VWを用いた。
耐加水分解性ポリエステルフィルム(HR−PET):厚さ50μmの耐加水分解性二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラーX10S)を使用した。
透明無延伸ポリプロピレンフィルム(T−cPP):厚さ150μmの透明無延伸ポリプロピレンフィルムを用いた。
実施例11〜56で設けられた着色層は以下の通りである。
Pr−C1:アクリルウレタン樹脂1とカーボンブラック黒色顔料からなる着色層(P/V比[(顔料/バインダ樹脂)重量比]、以下、同じ)0.5)
Pr−C2:ウレタン樹脂2とカーボンブラック黒色顔料からなる着色層(P/V比0.5)
Pr−T1:アクリルウレタン樹脂1と酸化チタン白色顔料からなる着色層(P/V比3.8)
Pr−T2:ウレタン樹脂2と酸化チタン白色顔料からなる着色層(P/V比3.8)
〔3〕評価方法
(1)剥離試験
温度:25℃、相対湿度:50%の環境下にて、着色層を層間に含む両側の樹脂層の剥離強度を、JIS K6854に準拠したT型剥離で評価した。測定速度は50mm/minとした。
尚、評価基準は下記の通りとした。
試験片:15mm×100mmとして、フィルムの流れ方向(MD)をサンプルの縦長方向とした。
○:3N/15mm以上で密着性良好 ×:3N/15mm未満で強度が小さく、容易に剥離
○を合格基準とした。
(2)意匠性
前記透明ポリエステルフィルム(T−PET)上の着色層の意匠性を測定した。
着色層を蛍光灯側に向け、反対側からの光の透過度を目視により確認した。
○:蛍光灯の形が確認できない、△:蛍光灯の形が若干確認できる、×:蛍光灯の形が確認できる
○を合格基準とした。
(3)外観性
ダンプヒート試験(85℃、85%の相対湿度下で500時間保管)後の外観性を評価した。
外観性は、表面の微細なひび割れや剥離、シワについて評価した。
外観性の評価基準は下記の通りである。
○:外観にひび割れ、剥離、シワが観察されない
△:外観にひび割れ、剥離、シワが部分的に観察される
×:明らかな剥離と、外観にひび割れ、剥離、シワが全体的に観察される。
○を合格基準とした。
(4)経済性
経済性は、着色フィルムを使用して意匠性は付与した場合と着色層(K)を形成した場合のコストを比較して、安価なものを○とし、順に△を同等、×を高価とした。
○:安価 △:同等 ×:高価
○を合格基準とした。
[実施例1]
(1)裏面保護シートおよび意匠性評価用試験片の作製
アクリルウレタンプレポリマー1 100重量部に、黒色顔料としてカーボンブラック30重量部を有機溶媒(メチルエチルケトン)に添加・分散した固形分30質量%溶液100重量部に対して、HDI変性イソシアヌレートを4.8重量部添加して、塗工液1を調製した。
(i)裏面保護シートの作製
コロナ処理を行った透明ポリエステルフィルム(T−PET)の該コロナ処理面上に塗工液1を硬化後の厚みが5μmとなるように塗布して40℃の加熱下にて十分乾燥後させ着色層1を形成した。
次に、該着色層上に接着剤層10形成用2液ウレタン系接着剤を乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布、乾燥後、透明高密度ポリエチレンフィルム(T−HDPE)を張り合わせた。次に、T−PETの該着色層を形成したその反対側に、アルミ箔(AL)、白色フッ素フィルム(W−ETFE)の順で、それぞれ、接着剤層10形成用2液ウレタン系接着剤を乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布、乾燥後、40℃の加熱下にて7日間接着剤層を硬化させ、裏面保護シート1を作製した。
(ii)意匠性評価用試験片の作製
透明ポリエステルフィルム(T−PET)上に塗工液1を硬化後の厚みが5μmとなるように塗布して乾燥後、40℃の加熱下にて十分乾燥させ、架橋硬化させて着色層を形成して、意匠性評価用試験片1を作製した。
(2)評価と評価結果
得られた裏面保護シート1について剥離試験と外観性の評価を行った。
又、意匠性評価用試験片1について、意匠性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜6]
実施例2〜6において、着色層のバインダー樹脂の種類、黒色顔料としてカーボンブラックの顔料配合割合、膜厚を表1に示す量とした以外は、実施例1に記載したと同様の方法により、それぞれ裏面保護シート2〜6、及び意匠性評価用試験片2〜6を作製し、実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1、2]
比較例1、2において、着色層(K)の膜厚、黒色顔料としてカーボンブラックの配合量を表1に示す量とした以外は、実施例1に記載したと同様の方法により、それぞれ裏面保護シートC1、C2、及び意匠性評価用試験片C1、C2を作製した。
実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3、4]
比較例3、4において、着色層のバインダ樹脂をそれぞれアクリル樹脂3、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体4とした以外は実施例2と同様に、裏面保護シートC3、C4、及び意匠性評価用試験片C3、C4を作製した。
実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2011073311
[実施例7]
アクリルウレタンプレポリマー1 100重量部に、白色顔料として酸化チタン110重量部を有機溶媒(メチルエチルケトン)に添加・分散した固形分42質量%溶液100重量部に対して、HDI変性イソシアヌレートを8重量部添加して、塗工液1を調製した。塗工液1を実施例1に記載した方法と同様にしてそれぞれ裏面保護シート7及び意匠性評価用試験片7を作製した。
次に、実施例1に記載したのと同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例8〜10]
実施例8〜10において、着色層のバインダー樹脂の種類、白色顔料として酸化チタンの顔料配合割合、膜厚を表2に示す量とした以外は、実施例1に記載したと同様の方法により、それぞれ裏面保護シート8〜10、及び意匠性評価用試験片8〜10を作製し、実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例5,6]
比較例5,6において、白色顔料として酸化チタン顔料配合割合、膜厚を表2に示す量とした以外は、実施例7と同様にして、それぞれ裏面保護シートC5、C6、及び意匠性評価用試験片C5、C6を作製した。
実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例7、8]
比較例7、8において、着色層のバインダ樹脂をそれぞれアクリル樹脂3、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体4とした以外は実施例8と同様に、裏面保護シートC7、C8、及び意匠性評価用試験片C7、C8を作製した。実施例1に記載したのと同様の方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例9、10]
(1)裏面保護シートおよび意匠性評価用試験片の作製
(i)裏面保護シートの作製
比較例9において、実施例7の着色層を形成せずに、透明ポリエステルフィルム(T−PET)を白色ポリエステル5(厚み:100μm)に代えた以外は実施例7と同様に、裏面保護シートC9を作製した。
比較例10において、白色ポリエステル5(厚み:100μm)を白色ポリエステル5(厚み:50μm)に代えた以外は比較例9と同様に、裏面保護シートC10を作製した。
(ii)意匠性試験用試料片
比較例9において、白色ポリエステル5(厚み:100μm)を意匠性評価用試験片C9として用いた。
比較例10において、白色ポリエステル5(厚み:50μm)を意匠性評価用試験片C10として用いた
(2)評価と評価結果
得られた裏面保護シートC9、C10、及び意匠性試験用試料片C9、C10について実施例1に記載したのと同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2011073311
[実施例11〜56]
表3〜6に示す層構成において、最左側欄に示す層を裏面側最外層とし、内層(充填剤側)に向かって右側欄になるような層構成に貼り合わせ、40℃の加熱環境下で7日間硬化させ、裏面保護シートを作製した。得られた裏面保護シートについて、実施例1に記載したのと同様の評価を行った。
Figure 2011073311
Figure 2011073311
Figure 2011073311
Figure 2011073311
[実施例57]
実施例2にて作製した太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いて、該太陽電池裏面保護シート/裏面充填材(エチレン酢酸ビニル共重合体400μm:EVA)/太陽電池素子/表面充填材層400μm(EVA)/ガラス(3.5mm)の順に積層し、150℃、100kPaの条件にて真空ラミネートを行い、次に150℃で30分間硬化を行い、太陽電池モジュールを作成した。尚、太陽電池素子には、Neo solar社製、多結晶セルを用いた。
作成した太陽電池モジュールは、意匠性、外観性に優れるものであった。
[評価のまとめ]
実施例1〜6、40〜47:意匠性はAL箔の金属光沢を裏面側からは白色フィルムをもちいて、太陽電池表面のセルの間から見える金属光沢を着色層(K)を用いて隠蔽しているため良好である。コストは裏面側は高価な白色フィルムを用いているが、セル側に高価な樹脂フィルムではなく安価な着色層(K)を用いることで経済性も良好である。着色層(K)をはさんだ両側の樹脂層の剥離強度は樹脂組成および顔料配合割合が適正な領域のため良好で、ダンプヒート500時間後の外観性も変化なく良好であった。
比較例1:カーボンブラックの添加量が少ないため、隠蔽性が低い結果となった。
比較例2:カーボンブラックの添加量が適量を超えたため、隠蔽性は良好であったが、剥離強度が不十分であった。
比較例3:バインダ樹脂がウレタン樹脂やアクリルウレタン樹脂ではなく、柔軟性、およびまたは、着色層(K)をはさんだ樹脂層へ追従性の劣るアクリル樹脂であったため、剥離強度が不十分であった。
比較例4:バインダ樹脂がウレタン樹脂やアクリルウレタン樹脂ではなく、耐湿熱性の劣る塩酢ビ共重合樹脂であったため、剥離強度は十分であったが、ダンプヒート試験後の外観が悪化した。
実施例7〜10:意匠性はAL箔の金属光沢を裏面側からは白色フッ素系樹脂フィルムを用いて、太陽電池セル側からは着色層(K)を用いて隠蔽しているため良好である。コストはセル側に高価な樹脂フィルムではなく安価な着色層(K)を用いることで経済性も良好。着色層(K)をはさんだ両側の樹脂層の剥離強度は樹脂組成および顔料配合割合が適正な領域のため良好で、ダンプヒート500時間後の外観性も変化なく良好であった。
比較例5:酸化チタンの添加量が少ないため、隠蔽性が低い結果となった。
比較例6:酸化チタンの添加量が適量を超えたため、隠蔽性は良好であったが、剥離強度が不十分であった。
比較例7:バインダ樹脂がウレタン樹脂やアクリルウレタン樹脂ではなく、柔軟性、およびまたは、着色層(K)をはさんだ樹脂層へ追従性の劣るアクリル樹脂であったため、剥離強度が不十分であった。
比較例8:バインダ樹脂がウレタン樹脂やアクリルウレタン樹脂ではなく、耐湿熱性の劣る塩酢ビ共重合樹脂であったため、剥離強度は十分であったが、ダンプヒート試験後の外観が悪化した。
比較例9:厚み100μmの白色ポリエステルフィルムを使用すると、湿熱試験後、評価を行う際に生じた負荷によって試料片が破損してしまい、屈曲性が低下していた。また、経済性に問題がある。
比較例10:厚み50μmの白色ポリエステルフィルムを使用すると、湿熱試験後、評価を行う際に生じた負荷によって試料片が破損してしまい、屈曲性が低下していた。また、経済性に問題がある。
実施例11〜56:表3〜6に示すように太陽電池裏面保護シートにして、基材の層構成を変更しても、評価用積層膜と実施例1〜10と同様に、着色層に挟まれた基材同士の剥離強度は十分であり、隠蔽性が良好で、湿熱試験後の外観・意匠性の変化がなく良好であった。
実施例11〜22、25〜28、49〜56は、それぞれ、透明樹脂層の間のいずれかの層間に白色または黒色の着色層(K)を有しており、太陽電池セルの裏面側が透けて見えるのを隠蔽しているため意匠性が良好で、高価な着色フィルムを用いていないため経済性に優れている。
実施例23、24は、意匠性は裏面側からは白色太陽電池セルを隠蔽しており、太陽電池表面のセルの間は黒色に見え、意匠性は良好である。最外層には高価な白色耐加水分解性PETを用いているが、セル側には高価な着色フィルムではなく、安価な着色層を用いているため経済性は良好である。
実施例29〜32はアルミ箔の金属光沢を裏面側に安価な着色層を形成して隠蔽しているため、意匠性、経済性が良好である、実施例33〜36は太陽電池表面側のセルの間から見える金属光沢をAL箔と内側の樹脂層との間に安価な着色層を形成して隠蔽しているため、意匠性、経済性が良好である。さらに実施例37〜40はAL箔の金属光沢を裏面側、太陽電池表面側の両方とも安価な着色層(K)で形成しているため、意匠性も良好で、経済性も特に良好である。
1 太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト
3 透明フッ素系樹脂フィルム
4 白フッ素系樹脂フィルム
5 ポリエステル層(A)
6 ポリエステル層(B)
7 着色層(K)
8 接着剤層(M)
9 ポリオレフィン層(C)
10 水蒸気バリア層(L1)(アルミ箔)
11 水蒸気バリア層(L2)(金属等蒸着膜)
12 無延伸ポリプロピレン層(D)
13 ポリエステル層(E)
21 太陽電池モジュ−ル
22 透明前面基板〈1〉
23 表面充填材層〈2〉
24 太陽電池素子〈3〉
25 裏面充填材層〈4〉
26 裏面保護シ−ト〈5〉

Claims (15)

  1. 少なくとも樹脂層が2層以上積層された積層体(S)からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該樹脂層のいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられてなり、該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする、太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記積層体(S)の太陽電池モジュール用裏面保護シートの裏面側最外層を形成する樹脂層が耐久性樹脂層(T)からなり、該耐久性樹脂層(T)がフッ素系樹脂、耐加水分解性ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリフェニルエーテル系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、フェニレンサルファイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ、フェニレンオキサイド系樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ又は熱硬化反応、紫外線硬化反応、もしくは電子線硬化反応により架橋して得られる架橋樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. 前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのポリエステル層(A)、厚みが80〜120μmの無延伸ポリプロピレン層(D)、及び厚みが80〜120μmのポリエステル層(E)がこの順に積層され、かつポリエステル層(A)と無延伸ポリプロピレン層(D)間、又は無延伸ポリプロピレン層(D)とポリエステル層(E)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  5. 前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmの耐久性樹脂層(T)、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつ耐久性樹脂層(T)とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  6. 前記積層体(S)が太陽電池モジュールの裏面外側から、少なくとも、厚みが20〜70μmのフッ素系樹脂、厚みが80〜120μmのポリエステル層(B)、及びポリオレフィン層(C)がこの順に積層され、かつフッ素系樹脂とポリエステル層(B)間、又はポリエステル層(B)とポリオレフィン層(C)間に、着色層(K)が設けられていることを特徴とする、請求項1、2又は5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  7. 前記ポリウレタン樹脂(P)が、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分とジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P1pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P1)であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  8. 前記ポリウレタン樹脂(P)が、アクリルジオールと、少なくともポリカーボネートジオール及び/又はポリエステルジオ−ルを含有するジオール成分とジイソシアネート成分とから得られるウレタンプレポリマー(P2pre)を、更にイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P2)であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  9. 前記ジイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  10. 前記顔料が無機顔料であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  11. 前記顔料が黒色顔料のカーボンブラックであり、かつ着色層(K)中の該カーボンブラック含有量がバインダ樹脂100重量部に対して、6〜115重量部であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  12. 前記顔料が白色顔料の酸化チタンであり、かつ着色層(K)中の該酸化チタン含有量がバインダ樹脂100重量部に対して、12〜400重量部であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  13. 前記積層体(S)のいずれかの層間に水蒸気バリア層(L)が積層されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  14. 前記水蒸気バリア層(L)が金属もしくは金属酸化物を蒸着して得られる蒸着フィルム、又はアルミ箔からなることを特徴とする、請求項13に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  15. 前面透明基板〈1〉、表面充填材層〈2〉、太陽電池素子〈3〉、裏面充填材層〈4〉、及び裏面保護シート〈5〉がこの順に配置された太陽電池モジュールであって、
    裏面保護シート〈5〉が少なくとも樹脂フィルムを2層以上積層した積層体(S)からなり、該樹脂フィルムのいずれかの層間に、少なくともバインダ樹脂と顔料からなる着色層(K)が設けられていて、該着色層(K)のバインダ樹脂がウレタン系プレポリマー(Ppre)をイソシアネート系架橋剤で架橋硬化して得られるポリウレタン樹脂(P)であることを特徴とする、太陽電池モジュール。
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