JP2000080437A - 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板 - Google Patents

溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板

Info

Publication number
JP2000080437A
JP2000080437A JP3692999A JP3692999A JP2000080437A JP 2000080437 A JP2000080437 A JP 2000080437A JP 3692999 A JP3692999 A JP 3692999A JP 3692999 A JP3692999 A JP 3692999A JP 2000080437 A JP2000080437 A JP 2000080437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
tin
toughness
amount
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3692999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3522564B2 (ja
Inventor
Akihiko Kojima
明彦 児島
Yoshiyuki Watabe
義之 渡部
Atsuhiko Yoshie
淳彦 吉江
Takashi Sawai
隆 澤井
Rikio Chijiiwa
力雄 千々岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP03692999A priority Critical patent/JP3522564B2/ja
Publication of JP2000080437A publication Critical patent/JP2000080437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3522564B2 publication Critical patent/JP3522564B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】溶接入熱量が20kJ/mmを超えるような大
入熱溶接においても良好なHAZ靭性を有する500〜
600MPa級の高張力鋼板。 【解決手段】重量%で、C:0.03〜0.2、Mn:
1.0〜2.0、S:0.0005〜0.006、T
i:0.007〜0.025、Mg:0.0001〜
0.003、O:0.001〜0.004、N:0.0
02〜0.006で、以下、Si:0.4、P:0.0
15、Al:0.005以下を含有し、さらに必要に応
じて、Ca:0.0003〜0.003、REM:0.
0003〜0.003、Zr:0.0003〜0.00
3を一つ以上含有し、有効TiN量が0.007以上で
あり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、さら
に、0.5〜10μmの酸化物の平均組成が重量%で、
Ti≦15、Mg≧5、REM+Ca+Zr≧5、Mg
+REM+Ca+Zr≧15、Mn≧5であり、かつそ
の個数が20個/mm2以上である、溶接熱影響部の靱
性に優れた鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接熱影響部(He
at Affected Zone:HAZ)靭性の優
れた500〜600MPa級高張力鋼板である。本発明
鋼板は、建築、橋梁、造船、ラインパイプ、建設機械、
海洋構造物、タンクなどの各種の溶接鋼構造物に用いら
れる。本発明鋼板は小入熱溶接から超大入熱溶接までの
広範な溶接条件において良好なHAZ靱性を有する。
【0002】
【従来の技術】HAZにおいては溶融線に近づくほど溶
接時の加熱温度は高くなり、特に溶融線近傍の1400
℃以上に加熱される領域では加熱オーステナイト(γ)
が著しく粗大化してしまい、冷却後のHAZ組織が粗大
化して靭性が劣化する。この傾向は溶接入熱量が大きく
なるほど顕著である。
【0003】このような問題点を解決する手段として、
特開昭60−245768号公報、特開昭60−152
626号公報、、特開昭63−210235号公報、特
開平2−250917号公報、特願平1−73320号
公報は、粗大なγ粒の内部に、Ti酸化物やTiNとM
nSの複合析出物を核とした粒内変態フェライトを積極
的に生成せしめ、HAZ靭性の向上をはかってきた。し
かしながら、これらの技術によって製造された鋼も、溶
接入熱量が20kJ/mmを超えるような大入熱溶接H
AZにおいては十分な靭性を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶接入熱量
が20kJ/mmを超えるような大入熱溶接においても
良好なHAZ靭性を有する500〜600MPa級の高
張力鋼板を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、TiNの
析出挙動と酸化物組成との関係を鋭意検討し、TiNを
地鉄中に微細に数多く析出させる手段を見いだした。こ
れによって、TiNによるγ粒成長抑制効果を従来より
も高めることが可能となり、溶融線近傍HAZのγ粒を
小さく保つことが可能となった。同時に、酸化物を介し
てMnSを微細に数多く分散させ、これを核として粒内
変態フェライトの生成を従来にも増して促す手段を見い
だした。このようなγ粒細粒化と粒内変態フェライト生
成を高い次元で両立することで、HAZ靭性の優れた鋼
を発明するに至った。
【0006】本発明は、重量%でC:0.03〜0.2
%、Si:0.4%以下、Mn:1.0〜2.0%、
P:0.015%以下、S:0.0005〜0.006
%、Al:0.005%以下、Ti:0.007〜0.
025%、Mg:0.0001〜0.003%、O:
0.001〜0.004%、N:0.002〜0.00
6%、を含有し、さらに、必要に応じて、Ca:0.0
003〜0.003%、REM:0.0003〜0.0
03%、Zr:0.0003〜0.003%Cu:1.
5%以下、Ni:1.5%以下、Mo:1.0%以下、
Cr:1.0%以下、Nb:0.05%以下、V :
0.05%以下、B :0.002%以下のいずれか一
つ、あるいは複数を含有し、重量%を用いて下記の
(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.00
7%以上であり、そして、残部が鉄および不可避的不純
物からなる化学成分を有し、さらに、0.5〜10μm
の酸化物の平均組成が重量%で (a)Ti≦15% (b)Mg≧5% (c)REM+Ca+Zr≧5% (d)Mg+REM+Ca+Zr≧15% (e)Mn≧5% であり、かつその個数が20個/mm2以上である酸化
物を含有することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れ
た鋼板である。
【0007】O−0.66Mg−0.40Ca−0.1
7REM−0.18Zr−0.89Al≧0の場合、 [Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM −0.18Zr−0.89Al)・・・(1) O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM−
0.18Zr−0.89Al<0の場合、 [Ti]=Ti ・・・(2) [Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N ・・・(3) [Ti]<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti] ・・・(4)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】例えば、鉄と鋼、65(1979)、12
32に報告されるように、溶接のような短時間の加熱に
おいては、鋼板でのTiNの分散状態の違いが溶接加熱
時にまで持ち越される。従って、鋼板で従来よりも微細
に数多くTiNを分散させることができれば、溶接時の
ピンニング力を向上させることが可能である。鋼板での
TiN分散状態は、鋳造工程の凝固冷却時におけるTi
Nの初期析出挙動、あるいは、厚板製造工程の鋳片再加
熱時におけるTiNのオストワルド成長挙動できまる
が、前者が支配的である。凝固冷却時でのTiNの析出
は、δフェライトあるいはγで生じる。このとき、Ti
Nの優先析出サイトは広義の格子欠陥とみなされる。こ
こでの格子欠陥とは、おおよそ0.5〜10μmの酸化
物などの介在物と、地鉄中の転位、粒界、ミクロ偏析な
どに大別される。両者の分散状態を比べると、その数は
後者が圧倒的に多く、地鉄中の格子欠陥を利用すること
がTiN微細分散の観点から有効といえる。そこで発明
者らは、粗に分散する酸化物上ではなく、密に分散する
地鉄中の格子欠陥にTiNを優先析出させることを検討
した。その結果、以下のような特定の酸化物組成のとき
にTiNが酸化物上に析出しにくいことを見いだした。
【0010】(a)Ti≦15重量% (b)Mg≧5重量% (c)REM+Ca+Zr≧5重量% (d)Mg+REM+Ca+Zr≧15重量% 酸化物の組成を上記の範囲に制御することで、TiNは
これらの酸化物上に析出できなくなり、その反動で地鉄
中の格子欠陥への析出が促進される。(a)が示すよう
に、酸化物中のTi含有量が15%以下であれば、酸化
物が固溶Nを引きつける力が弱まり、また、酸化物の内
部からその表面に供給できるTiも少ないため、酸化物
上にTiNは析出しにくい。Ti含有量が15%を超え
ると、酸化物が固溶Nを引きつける力が強まり、酸化物
表面に集まった固溶Nが酸化物の内部から排出された多
量のTiと結びつき、酸化物上にTiNを容易に生成し
てしまう。その結果、地鉄中に析出できるTiNが少な
くなる。また、(b)、(c)、(d)が示すように、
MgがREM、Ca、Zrと複合して酸化物中に一定量
以上存在すると、酸化物と固溶Nとの間に負の相互作用
が働き、酸化物が固溶Nを寄せ付けないような排斥力を
有するようになる。Mg含有量が5%未満であったり、
REMとCaとZrの含有量の和が5%未満であった
り、MgとREMとCaとZrの含有量の和が15%未
満であったりすると、酸化物が固溶Nを排斥する力が弱
まり、ある量の固溶Nは酸化物表面に集まることが可能
となって酸化物上でのTiNとして消費されてしまう。
また、たとえ(b)、(c)、(d)の条件を満たして
も、(a)の条件が満たされなければ、酸化物が固溶N
を排斥する力と酸化物がそれを引き寄せる力とが相殺
し、ある量のTiNが酸化物上に生成してしまう。従っ
て、鋼成分や脱酸方法を工夫して、上記の(a)、
(b)、(c)、(d)を満足するような酸化物を生成
することが必要である。このときの酸化物は単体である
必要はなく、複数の酸化物が複合した形態であってもよ
い。
【0011】酸化物の組成が上記のように適当であって
も、ピンニングに十分な量のTiNを確保することが必
要である。鋼に添加されたTiは、まず最初に溶鋼中で
の脱酸によって消費される。このとき、Tiよりも脱酸
力の強いMg、Ca、REM、Zr、Alなどが存在す
れば、これらがTiに優先して脱酸に寄与する。そし
て、脱酸で消費された残りのTiが凝固直後に地鉄中に
一旦固溶し、その後の冷却過程で酸化物に寄りつかない
固溶Nと結びついて、地鉄中にTiNを生成する。この
とき、固溶Tiと固溶Nとの量的バランスを考慮して化
学量論的に生成しうるTiNを計算することができる。
このような考えで計算されたTiN生成量を「有効Ti
N量」と定義する。有効TiN量は化学成分の重量%を
用いて下記の(1)〜(4)式で計算される。
【0012】O−0.66Mg−0.40Ca−0.1
7REM−0.18Zr−0.89Al≧0の場合、 [Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM −0.18Zr−0.89Al)・・・(1) O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM−
0.18Zr−0.89Al<0の場合、 [Ti]=Ti ・・・(2) [Ti]≧3.4Nの場合、 有効TiN量=4.4N ・・・(3) [Ti]<3.4Nの場合、 有効TiN量=1.3[Ti] ・・・(4)
【0013】ここで、[Ti]は脱酸によって消費され
た残りのTi量、すなわち、凝固直後に一旦固溶Tiと
なり、その後の冷却過程でTiN生成に寄与するTi量
である。図1は1400℃で10s保持したときの加熱
γ粒径に及ぼす有効TiN量の影響を示す。有効TiN
量が0.007%以上のときに200μm以下の小さな
γ粒径が得られる。このとき、好ましくは有効TiN量
を0.010%以上とし、γ粒径を150μm以下まで
小さくすることがHAZ靭性のさらなる向上に有効であ
る。有効TiN量が0.007%未満のときは、γ粒成
長抑制効果が不十分であり、その効果も不安定であるた
め、得られるγ粒径は粗大でしかもばらつきが大きい。
【0014】さらに、以上の手段で細粒化されたHAZ
のγ粒内に、粒内変態フェライトの生成を促すことがで
きれば、HAZ組織はさらに微細化し靭性は高まる。粒
内変態フェライトの生成核としてMnSの有効性は知ら
れており、酸化物やTiNへの析出を介してMnSをで
きるだけ微細に分散させる技術が、例えば特開昭60−
245768号公報、特開昭60−152626号公
報、特開昭63−210235号公報、特開平2−25
0917号公報、特願平1−73320号公報などで発
明されている。しかし、これらの技術は粗大なγ粒内で
の粒内変態フェライトの生成を狙いとしたものである。
ここでは、上記(a)〜(d)の四つの条件を満たしつ
つもMnSが析出しやすいような酸化物を探索し、細粒
なγ粒内で粒内変態フェライトを生成させることを検討
した。その結果、上記(a)〜(d)の四つの条件に加
えて、酸化物中のMn含有量が5重量%以上のときに酸
化物上にMnSが高い頻度で析出することを見いだし
た。このとき、これらの酸化物はMgを多く含有するこ
とで、酸化物自体が微細に分散し、これを析出サイトと
して凝固冷却時にMnSが微細に数多く分散することが
できる。このようなMnSがHAZでの小さなγ粒内で
粒内変態フェライトの生成核として作用し、一層のHA
Z組織の微細化をもたらす。このとき、MnSの析出サ
イトとして有効な酸化物の大きさは0.5〜10μmで
あり、その個数が20個/mm2以上必要である。酸化
物個数がこれより少ないと、粒内変態の核の数が不十分
となってHAZ組織が十分に微細化しない。また、この
ときの酸化物は単体である必要はなく、複数の酸化物が
複合した形態であってもよい。
【0015】以上のように、酸化物組成と分散状態を制
御することにより、凝固冷却時に析出するTiNとMn
Sを従来よりも微細に数多く分散させることが可能とな
り、γ細粒化と粒内変態フェライト生成の両立によって
HAZ靭性を飛躍的に向上させることが可能となった。
【0016】次に各々の化学成分の限定理由について説
明する。
【0017】Cの下限は母材及び溶接部の強度、靱性を
確保するための最小量である。しかし、Cが多すぎると
母材及びHAZの靭性を低下させるとともに溶接性を劣
化させるため、その上限を0.2%とする。
【0018】Siは脱酸のために鋼に含有されるが、多
すぎると溶接性およびHAZ靭性が劣化するため、上限
を0.4%とする。本発明の脱酸はTiだけでも十分可
能であり、良好なHAZ靭性を得るためにはSiを0.
3%以下にするのが望ましい。
【0019】Mnは母材及び溶接部の強度、靭性の確保
に不可欠である。また、酸化物中に5%以上のMnが含
まれることで酸化物上にMnSが析出しやすくなる。以
上の観点から、Mnは最低でも1.0%必要である。M
nが1.0%未満の場合は、強度、靭性が確保できない
とともに、酸化物中のMn含有量が極端に低くなって、
酸化物上にMnSが析出しにくくなる。しかし、Mnが
多すぎるとHAZ靭性を劣化させ、スラブの中心偏析を
助長し、溶接性を劣化させるので上限を2.0%とす
る。
【0020】Pは本発明において不純物元素であり0.
015%以下とする。Pの低減はスラブ中心偏析の軽減
を通じて母材およびHAZの機械的性質を改善し、さら
には、HAZの粒界破壊を抑制する。
【0021】Sは酸化物上にMnSを形成して粒内変態
を促すため必須の元素である。そのために、最低でも
0.0005%は必要であるが、0.002%以上とす
ることが好ましい。しかし、Sが多すぎると、中心偏析
を助長したり、延伸したMnSが多量に生成したりし
て、母材およびHAZの機械的性質が劣化するため、上
限を0.006%とする。
【0022】Alは本発明では好ましくない元素であ
り、極力低減する必要がある。Alは脱酸剤として作用
するため、酸化物中に多く含有されると、酸化物中のM
g、RENM、Ca、Zr、Mnなどの含有量を低めて
しまい、本発明の酸化物組成を達成するのが困難にな
る。また、脱酸に消費された残りのAlは地鉄中にAl
NをつくろうとしてTiNの生成を妨げる。以上の観点
から、Alの上限は0.005%とする。
【0023】Tiはピンニング粒子としてのTiNを生
成するうえで必須である。また、Tiよりも強脱酸な元
素を添加したとしても、実質的にTiは少なからず酸化
物として消費されるため、その分がTiNの生成に寄与
できない。従って、実質的に有効なTiN生成量を確保
するためには、最低でも0.007%のTiが必要であ
る。溶接加熱時にはTiNの一部は溶解し、このとき一
旦固溶したTiが冷却時にTiCを析出してHAZを脆
化させることが知られている。Tiが0.025%を超
えると、TiCが過剰に析出して著しいHAZ脆化を生
じる。また、酸化物中のTi含有量を高めてします。従
って、Tiの上限は0.025%である。TiNは厚板
圧延でのスラブ加熱時のγ粒成長抑制を通じて母材組織
を微細化し、鋼板の強度と靭性を向上させることにも貢
献する。
【0024】Mgは本発明で重要な役割を担う。Mgは
Tiよりも強脱酸元素であるため、Tiに優先して脱酸
し、酸化物中のTiの含有量を下げる。また、酸化物中
にREMやCaやZrと複合的に存在することで、酸化
物が固溶Nを排斥する力を強める。さらに、Mgは酸化
物自体を微細分散させる効果を有する。このためには、
酸化物中のMg含有量が5%以上必要であり、そのため
に0.0001%以上、好ましくは0.0003%以上
のMgを鋼中に含有させる必要がある。しかし、Mgが
鋼中に0.003%を超えて含有されると、Mg主体の
酸化物が生成して酸化物中のREM、Ca、Zr、Mn
の含有量が極端に低くなる。その結果、酸化物が固溶N
を排斥する力が弱まり、また、酸化物上にMnSが析出
しにくくなる。従って、鋼中のMgは0.003%を上
限とする。
【0025】Oは所定の大きさの酸化物を所定の個数だ
け生成し、これがMnSの析出サイトとして機能するた
め必要である。Oが0.001%未満であると酸化物の
個数が少なく、MnSの微細分散化が達成できず、粒内
変態フェライトの生成量が十分でない。一方、Oが0.
004%を超えると、5μm以上の比較的大きな酸化物
が数多く生成する。このような大きさの酸化物は脆性破
壊の発生起点として作用する恐れがあるため、その数が
多すぎることは靭性の観点から好ましくない。従って、
Oは0.001〜0.004%に制御する必要がある。
【0026】Nは、ピンニング粒子としてのTiN生成
するうえで必要である。鋼中にAlが含まれる場合、実
質的にNはAlNとしても少なからず消費される。従っ
て、実質的に有効なTiN生成量を確保するためには、
最低でも0.002%のNが必要である。溶接加熱時に
はTiNの一部は溶解し、このとき一旦固溶したNが冷
却時に窒化物として析出できずに固溶状態のまま存在
し、HAZを脆化させることが知られている。Nが0.
006%を超えると、このような固溶Nが過剰となって
著しいHAZ脆化を生じる。従って、Nの上限は0.0
06%である。
【0027】CaとREMとZrは、いずれか一つある
いは複数でMgと複合して酸化物中に存在することで、
酸化物中のTi含有量を低め、固溶Nを排斥する力を強
める。このためには、酸化物中のこれらの元素の含有量
の和が5%以上であれば良い。そのためには、これらの
元素の少なくとも一つが0.0003%以上鋼中に含ま
れる必要がある。しかし、これらの元素の少なくとも一
つが鋼中に0.003%を超えて含有されると、Ca、
REM、Zrのいずれかが主体の酸化物が生成し、酸化
物中のMgやMnの含有量が極端に低くなり、Tiの含
有量が高まって、酸化物が固溶Nを排斥する力が弱まる
とともに、酸化物上にMnSが析出しにくくなる。従っ
て、鋼中のCaやREMやZrは0.003%を上限と
する。本発明でのREMとは、La、Ceなどのランタ
ノイド系の元素をさす。これらの元素の添加にあたって
は、これらの元素が混在したミッシュメタルを用いて
も、何らその効果は変わるものではない。
【0028】続いて、Cu、Ni、Mo、Cr、Nb、
V、B、を添加する理由について説明する。
【0029】Cu、Niは溶接性およびHAZ靭性に悪
影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させる。
しかし、1.5%を超えると溶接性およびHAZ靭性が
劣化する。
【0030】Mo、Crは母材の強度、靭性を向上させ
る。しかし、1.0%を超えると母材靭性、溶接性およ
びHAZ靭性が劣化する。
【0031】Nbは母材組織の微細化に有効な元素であ
り、母材の強度、靭性を向上させる。しかし0.05%
を超えるとHAZ靱性が劣化する。
【0032】Vは母材の強度を向上させる。しかし0.
05%を超えると溶接性およびHAZ靭性が劣化する。
【0033】Bは焼き入れ性を高めて母材やHAZの強
度、靭性を向上させる。しかし0.002%を超えて添
加するとHAZ靱性や溶接性が劣化する。
【0034】本発明鋼は、鉄鋼業の製鋼工程において所
定の化学成分に調整し、連続鋳造を行い、鋳片を再加熱
した後に厚板圧延によって形状と母材材質を付与するこ
とで製造される。必要あらば、鋼板に各種の熱処理を施
して母材の材質を造り込むことも行われる。鋳片を再加
熱することなく、ホットチャージ圧延することも可能で
ある。
【0035】本発明で規定した0.5〜10μmの酸化
物の個数と平均組成は、たとえば以下のような方法で測
定される。母材鋼板の任意の場所から小片試料を切り出
し、これを1400〜1450℃で10分間以上保持す
ることで酸化物以外の介在物を溶体化させ、その後水冷
する。これを鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて1000
倍の倍率で少なくとも1mm2以上の面積にわたって観
察し、対象となる0.5〜10μmの酸化物の個数を測
定し、単位面積当たりの個数に換算する。さらに、対象
となる大きさの酸化物のうち少なくとも10個以上につ
いてEPMAに付属のEDSを用いて組成を分析し、酸
化物の平均組成におけるTiとMgの含有量の和を重量
%で求める。このとき、酸化物組成の分析値に地鉄のF
eが検出される場合は、分析値からFeを除外して酸化
物の平均組成を求める。
【0036】
【実施例】表1に連続鋳造した鋼の化学成分ならびに酸
化物の組成と個数を、表2に鋼板の製造条件と機械的性
質を示す。本発明鋼はTSが520〜660MPaであ
り、溶接入熱量が20〜100kJ/mmのエレクトロ
ガス溶接部あるいはエレクトロスラグ溶接部の溶融線に
おいて、従来にない良好なHAZ靱性を有する。これ
は、本発明鋼は化学成分を適正化することで、酸化物の
組成・個数を介してTiNとMnSの分散状態を制御
し、HAZでのγ粒成長抑制効果と粒内変態フェライト
生成を従来にないレベルで両立させたことによる。一
方、比較鋼は化学成分が適正でないため、母材およびH
AZの靭性が劣っている。鋼11はC量が低すぎるため
に、鋼12はC量が高すぎるために、鋼13はSi量が
高すぎるために、母材あるいはHAZの靭性が劣ってい
る。鋼14はMn量が低すぎるため、酸化物中のMn含
有量が低くて酸化物上にMnSが析出せず、粒内変態が
促進されない。その結果、HAZ靭性が良好ではない。
【0037】鋼15はMn量が高すぎるために、鋼16
はP量が高すぎるために、母材あるいはHAZの靭性が
劣っている。鋼17はS量が低すぎるため、粒内変態核
として機能するMnSの生成量が少なく、HAZ靭性が
良好ではない。鋼18はS量が高すぎるために、母材あ
るいはHAZの靭性が劣っている。鋼19はAl量が高
すぎるため、酸化物の組成が不適当であるとともにその
個数も少なく、地鉄中でAlNの析出がTiNの析出を
妨げ、粒内変態とピンニングの両面で効果が低まり、H
AZ組織が粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼20はTi
量が低すぎるため、有効TiN量の下限を確保しつつも
実質的に生成するTiNの量が少なく、TiNのピンニ
ング力が高まらずにHAZ組織が粗大化してHAZ靭性
が劣る。鋼21はTi量が高すぎるために、酸化物の組
成が不適当でTiNのピンニング力が高まらず、HAZ
組織が粗大化する。さらに、TiCが過剰に析出するこ
とで、母材およびHAZが脆化している。鋼22はMg
量が低すぎるため、鋼23はMg量が高すぎるため、鋼
24はCa量が高すぎるため、鋼25はREM量が高す
ぎるため、酸化物の組成が不適当であり、酸化物の個数
が少なかったり、酸化物上にMnSが析出しにくかった
り、TiNが微細析出しなかったりして、粒内変態とピ
ンニングのいずれかあるいは両面で効果が小さく、HA
Z組織が粗大化してHAZ靭性が劣る。
【0038】鋼26はO量が低すぎるため、MnSを微
細分散するのに十分な個数の酸化物が生成せず、HAZ
靭性が良好でない。鋼27はO量が高すぎるため、脆性
破壊の起点となるような比較的大きな酸化物が数多く生
成し、母材およびHAZの靭性が劣っている。鋼28は
N量が低すぎるため、有効TiN量の下限を確保しつつ
も実質的に生成するTiNの量が少なく、TiNのピン
ニング力が高まらずにHAZ組織が粗大化してHAZ靭
性が劣る。鋼29はN量が高すぎるため、過剰の固溶N
が生成してHAZが脆化している。鋼30は有効TiN
量が低すぎるために、十分な量のTiNが生成せず、H
AZ組織が粗大化してHAZ靭性が劣っている。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明により溶接入熱に関わらず良好な
HAZ靱性を有する500〜600MPa級の鋼板を提
供することが可能となり、各種の溶接構造物の安全性が
格段に向上した。また、本発明鋼を使用することで高能
率溶接の適用領域が広がり、溶接施工コストを大幅に低
減することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】1400℃加熱γ粒径に及ぼす有効TiN量の
影響を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 吉江 淳彦 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 澤井 隆 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 千々岩 力雄 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.03〜0.2%、S
    i:0.4%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.
    015%以下、S:0.0005〜0.006%、A
    l:0.005%以下、Ti:0.007〜0.025
    %、Mg:0.0001〜0.003%、O:0.00
    1〜0.004%、N:0.002〜0.006%、を
    含有し、重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算
    される有効TiN量が0.007%以上であり、そし
    て、残部が鉄および不可避的不純物からなる化学成分を
    有し、さらに、0.5〜10μmの酸化物の平均組成が
    重量%で (a)Ti≦15% (b)Mg≧5% (c)Mn≧5% であり、かつその個数が20個/mm2以上であること
    を特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼板。O−0.
    66Mg−0.89Al≧0の場合、 [Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.89Al) ・・・(1) O−0.66Mg−0.89Al<0の場合、 [Ti]=Ti ・・・(2) [Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N ・・・(3) [Ti]<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti] ・・・(4)
  2. 【請求項2】 重量%でC:0.03〜0.2%、S
    i:0.4%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.
    015%以下、S:0.0005〜0.006%、A
    l:0.005%以下、Ti:0.007〜0.025
    %、Mg:0.0001〜0.003%、O:0.00
    1〜0.004%、N:0.002〜0.006%、を
    含有し、更に、Ca:0.0003〜0.003%、R
    EM:0.0003〜0.003%、Zr:0.000
    3〜0.003%Cu:1.5%以下、Ni:1.5%
    以下、Mo:1.0%以下、Cr:1.0%以下、N
    b:0.05%以下、V :0.05%以下、B :
    0.002%以下のいずれか一つ、あるいは複数を含有
    し、重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算され
    る有効TiN量が0.007%以上であり、そして、残
    部が鉄および不可避的不純物からなる化学成分を有し、
    さらに、0.5〜10μmの酸化物の平均組成が重量%
    で (a)Ti≦15% (b)Mg≧5% (c)REM+Ca+Zr≧5% (d)Mg+REM+Ca+Zr≧15% (e)Mn≧5% であり、かつその個数が20個/mm2以上であること
    を特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼板。O−0.
    66Mg−0.40Ca−0.17REM−0.18Z
    r−0.89Al≧0の場合、 [Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM −0.18Zr−0.89Al)・・・(1) O−0.66Mg−0.40Ca−0.17REM−
    0.18Zr−0.89Al<0の場合、 [Ti]=Ti ・・・(2) [Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N ・・・(3) [Ti]<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti] ・・・(4)
JP03692999A 1998-04-17 1999-02-16 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板 Expired - Lifetime JP3522564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03692999A JP3522564B2 (ja) 1998-04-17 1999-02-16 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12276498 1998-04-17
JP20710898 1998-07-08
JP10-207108 1998-07-08
JP10-122764 1998-07-08
JP03692999A JP3522564B2 (ja) 1998-04-17 1999-02-16 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000080437A true JP2000080437A (ja) 2000-03-21
JP3522564B2 JP3522564B2 (ja) 2004-04-26

Family

ID=27289279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03692999A Expired - Lifetime JP3522564B2 (ja) 1998-04-17 1999-02-16 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3522564B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100470050B1 (ko) * 2000-10-30 2005-02-04 주식회사 포스코 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용 강재 및그 제조방법
WO2008075443A1 (ja) * 2006-12-20 2008-06-26 Nippon Steel Corporation 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼
NO343351B1 (no) * 2006-12-20 2019-02-04 Nippon Steel Corp Stål med utmerket seighet i sveisevarmepåvirket sveisesone og fremgangsmåte for fremstilling derav

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100470050B1 (ko) * 2000-10-30 2005-02-04 주식회사 포스코 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용 강재 및그 제조방법
WO2008075443A1 (ja) * 2006-12-20 2008-06-26 Nippon Steel Corporation 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼
KR100940617B1 (ko) * 2006-12-20 2010-02-05 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 용접 열영향부의 인성이 우수한 강
NO343351B1 (no) * 2006-12-20 2019-02-04 Nippon Steel Corp Stål med utmerket seighet i sveisevarmepåvirket sveisesone og fremgangsmåte for fremstilling derav

Also Published As

Publication number Publication date
JP3522564B2 (ja) 2004-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003213366A (ja) 母材および大小入熱溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材
JP4041447B2 (ja) 大入熱溶接継手靭性に優れた厚鋼板
JP4341395B2 (ja) 大入熱溶接用高張力鋼と溶接金属
EP1052303A2 (en) High tensile strength steel product for high heat input welding, having excellent toughness in heat-affected zone
JP2001342537A (ja) 溶接熱影響部靭性の優れた鋼材およびその製造方法
JP4119706B2 (ja) 溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管およびその製造方法
JP2003342675A (ja) 母材および溶接熱影響部の靱性に優れた鋼材
JP3323414B2 (ja) 大入熱溶接の熱影響部靭性の優れた鋼材およびその製造方法
JPH11293382A (ja) Mgを含有する超大入熱溶接用鋼
JPH03162522A (ja) 大入熱溶接熱影響部靭性の優れた高張力厚鋼板の製造法
JP3852118B2 (ja) 溶接熱影響部靱性の優れた鋼材
JP2000080437A (ja) 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板
JP3507339B2 (ja) 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板
JP3464567B2 (ja) 溶接熱影響部靱性の優れた溶接構造用鋼材
JP3403293B2 (ja) 溶接熱影響部靭性の優れた鋼板
JPH093599A (ja) 溶接熱影響部靱性の優れた溶接構造用鋼材およびその製造方法
JP2000226633A (ja) 靭性に優れた電子ビーム溶接用鋼
JP3728130B2 (ja) 溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板
JP3502805B2 (ja) 溶接継手部靭性の優れた鋼材の製造方法
JP2021004407A (ja) 鋼材及びその製造方法
JP3699624B2 (ja) 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材およびその製造方法
JP4357080B2 (ja) 凝固結晶粒微細化鋼及び凝固結晶粒微細化オーステナイト系ステンレス鋼並びにそれらの溶接継ぎ手
JPH07252586A (ja) 多層盛溶接熱影響部のctodおよび大入熱溶接熱影響部靭性に優れた溶接構造用鋼
JP4261968B2 (ja) 溶接熱影響部靭性の優れた鋼材およびその製造方法
JP3502850B2 (ja) 靭性の優れた鋼材の高効率製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031205

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term