JP3852118B2 - 溶接熱影響部靱性の優れた鋼材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、橋梁、船舶、建築、海洋構造物等で用いられる溶接用鋼、または製管時に溶接施工が必要となるラインパイプ用材料などに関し、特に、優れた溶接熱影響部靱性を有する溶接用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に鋼材を溶接すると、溶接金属に接する母材部分、すなわち溶接熱影響部( 以下、HAZという)では結晶粒が粗大化して靱性が劣化し、溶接構造物の性能を低下させることが知られている。特に大入熱溶接を行った場合、鋼中のTiNが粗大化しγ粒成長抑制力が失われるため、HAZ組織の粗大化防止と靱性の確保は非常に難しくなる。このHAZ靱性を向上させるため、これまでに数多くの試みがなされている。
【0003】
特開昭57−51234 号公報には、粒度5μm以下の TiOx を 0.004〜0.06%含む溶接用鋼材が示されている。
【0004】
特開昭62−170459号公報に示される溶接用高張力鋼板では、低Al化によるフェライト析出の促進効果と、Ti、Bの複合添加、N量の制御とを組み合わせて、HAZ靱性の改善を行うことが提案されている。
【0005】
この方法の場合、BをHAZで冷却中にBNの形でγ粒内に析出させ、γ粒内からのフェライト析出サイトとして機能させることにより、HAZ組織を等粒状の微細な粒内フェライト組織とすることが可能であり、γ粒が著しく粗大化する超大入熱溶接に際しても、良好なHAZ靱性を確保することができる。
【0006】
一方、特開昭59−185760号公報などに示される溶接用高靱性鋼では、低Al系成分の選択、TiNの利用に加えて、BNに替えてTiオキサイドもしくはTiオキサイドとMnS等との複合体を分散させ、これらの分散質をフェライトの析出核として機能させることにより、HAZ組織を微細化し、HAZ靱性を向上させるという低Al−Tiオキサイド分散鋼とも呼べるものが提案されている。
【0007】
なかでも、特開昭59−185760号、特開昭61−79745 号、特開昭61−117245号および特開平2−220735号の各公報で提案されている強靱鋼またはその製造方法は、溶製時にTi脱酸を行って、その脱酸生成物を分散させてそれを利用するか、このTi酸化物にTiNやMnSを複合析出させて、複合介在物として利用するものである。
【0008】
特開平5−255801号公報および特開平5−271864号公報に示される微小粒子分散鋼は、Mn−Si酸化物またはMnを5割以上含むMn−Al酸化物を鋼中に形成させ、さらにその上にMnSを析出させ、これらをフェライト析出核として利用する鋼である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、HAZ靱性の改善のために、鋼中の析出物または介在物などの分散粒子を利用することは公知であるが、これまでに提案されてきた分散粒子を用いる場合には、次のような様々な問題がある。
【0010】
特開昭62−170459号公報の方法では、HAZ靱性の確保のためにTiNに加えてBNを利用するためBの添加が必須となり、sol.Al、Ti、N、Bの各含有量のバランスを精度よくコントロールしなければ、固溶BのためにHAZが硬化するという製造上の困難が存在する。その上、ラインパイプ等のB添加を嫌う用途にはこの方法による鋼材を適用するのが難しく、必ずしも汎用的なHAZ高靱性化技術とは言えない。
【0011】
特開昭57−51243 号公報の方法では、鋼中に分散させる TiOx の酸素の対する反応性が非常に高く、通常の方法によって鋼を製造した場合、鋼中に安定して存在させることは極めて困難であり、経済的な観点から許される生産コスト内でこれを鋼中に分散させ、HAZ組織の微細化と靱性向上の効果を発揮させることは非常に難しい。
【0012】
TiOx ではなくTi2O3 を利用する方法もある。このTi2O3 を鋼中に形成させることは不可能とは言えないが、Ti2O3 自体はフェライト析出核としての能力が小さく、鋼材のHAZ靱性は必ずしも向上しない。
【0013】
Ti酸化物とTiN、MnSの複合介在物や、Mn−Si酸化物、Mn−Al酸化物とMnSの複合介在物を利用する方法では、MnSが必須となるため、鋼中にSをある程度含有させることが必須となり、鋼の清浄度の低下、特にHIC(水素誘起割れ)発生の原因となるMnS系介在物の制御が難しくなり、適用範囲が限定される。
【0014】
上記のうちのMn−Si酸化物およびMn−Al酸化物は、MnOまたは他のMn酸化物の形で多量のMnを含有しなければならず、このような酸化物を鋼中に形成させることは実生産においては非常な困難が伴い、実用的とはいい難い。
【0015】
しかも、これらの困難を克服して、目的とする酸化物−MnS複合介在物を鋼中に形成させ得たとしても、溶接熱影響を受けた場合、MnSのかなりの部分はいったん鋼に固溶し、冷却時に再析出する過程を経るため、酸化物の周りには再析出できずに固溶したまま残存するMnが生じやすい。このため、複合介在物周辺の局所的な固溶Mn濃度は高くなりがちであり、介在物周辺の局所的な焼入れ性が増大し、往々にして上記のような介在物は充分にフェライト析出核としては機能しない結果となる。
【0016】
このように、現状では、HAZにおけるフェライト析出核として満足な特性を有する分散粒子は知られておらず、HAZ靱性改善のために、より優れた分散粒子が必要とされている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、次の(i)〜(ii)に示す鋼材にある。
【0019】
(i)重量割合にて、C:0.01〜0.25%、Si:0.09 〜0.6%、Mn:0.3〜3.0 %、N:0.0005〜0.0100%、O:0.0010〜0.0070%およびAl:0.0001 〜0.02%を含み、さらにTi:0.05%以下、Zr:0.02%以下、Ca:0.004 %以下、Mg:0.004 %以下、Hf:0.02%以下および希土類元素:0.02%以下のうちの1種以上を含有し、かつ Cr : 1.5 %以下、 Mo : 1.5 %以下、 Cu : 1.5 %以下、 Ni : 3.0 %以下、 Nb : 0.5 %以下およびV: 0.5 %以下のうちの1種以上を含有し、残部はFeと不可避的不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.01%以下であり、かつ鋼材中の酸化物分散粒子が下記(a)および(b)であり、かつこれらの分散粒子の大きさが 0.2〜20μm、これらの分散粒子の平均密度が1mm2 あたり4個以上1000個未満、下記(a)および(b)のAl−Mn酸化物中のAlとMnとの関係が下記式(1)および式(2)を満足することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼材。
(a)Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Siのうちの1種以上を含むAl−Mn酸化物。
(b)上記(a) のAl−Mn酸化物と、Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Si、Mn、Alのうちの1種以上を含む酸化物との複合体。
(Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・(1)
ただし、酸化物を構成する金属元素に対する(Al+Mn)比率。
Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・(2)
ただし、酸化物を構成するAlとMnのモル比率。
【0020】
(ii)上記の(i)に記載の鋼材の合金成分に加えて、さらに、重量割合にて、B:0.0020%以下の成分を含有することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼材。
【0022】
上記の(i)〜(ii)に示す鋼材を、以下、それぞれ、「本発明(i)」〜「本発明(ii)」という。なお、本発明(i)〜本発明(ii)を総称して、「本発明」ということがある。
【0023】
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討を行い、次の (イ)〜(ニ) の新知見を得た。
【0024】
(イ)Al添加後の溶鋼中の溶存酸素量を確保するように添加条件を調整し、Alを含有する脱酸生成物を鋼中に形成させた後、最終脱酸を行うことによって優れたHAZ靱性を示す鋼材を溶製することができる。
【0025】
(ロ)前記の優れたHAZ靱性を示す鋼材では、Al−Mn系酸化物粒子が分散している。この分散粒子は、その組成からみて物質相名で言えばGalaxite(MnAl2O4) に近く、Mn比率が比較的小さな酸化物相であるため、鋼材中に安定して形成させることができる。
【0026】
(ハ)Galaxiteそのもの、またはGalaxiteに近い組成をもつ (Al:Mn=1.0 〜 5.0未満。ただし、AlとMn以外の金属元素も含まれる)Al−Mn酸化物粒子、もしくはこの酸化物粒子と他の酸化物との複合体粒子が鋼材中に分散している場合、それらはHAZにおいて粒内アシキュラーフェライトの核生成サイトとして非常に有効であり、HAZ組織を効率よく微細化する。
【0027】
(ニ)Al、Mn以外で、鋼中の酸化物形成元素であるCa、Mg、TiおよびSiなどが鋼中に存在する場合、鋼中に分散する酸化物中にもこれらの元素の1種以上が含まれる。また、一部はAl−Mn酸化物中にも含有され、他の一部はAl−Mn酸化物とは別種の酸化物を形成して鋼中に単独で分散するか、またはAl−Mn酸化物と酸化物複合体を形成して分散する。
【0028】
しかし、この場合でも、Al−Mn酸化物中における(Al+Mn)の比率は前記の式(1)および式(2)を満足しなければならず、満足しない場合には、その酸化物分散粒子のアシキュラーフェライト析出核としての能力が減退する。
【0029】
Zr、Hfおよび希土類元素等の強脱酸元素を含有させた場合も同様であるが、これらを添加する場合は、実質的にほとんど全てが酸化物となって固溶状態で鋼中に含まれる量が現実的にゼロになる程度に添加量を抑制する必要がある。そうでなければAl−Mn酸化物相が破壊され、この酸化物相のフェライト析出核としての能力は失われる。
【0030】
【作用】
まず、鋼材中の分散粒子としてのGalaxiteの作用効果を説明し、本発明鋼材中の分散粒子を前記のように限定した理由について述べる。
【0031】
本発明者らは、HAZにおけるフェライト析出核として、スピネル構造をもつMnAl2O4(Galaxite) に着目した。Galaxiteは溶接金属中に分散し、その組織を微細化することが知られているが、これまで、このGalaxiteがHAZ組織の微細化と靱性向上のために利用されたことはない。この原因として少なくとも次の二つが考えられる。
【0032】
一つは、Galaxiteの充分な量を鋼材中に分散させる技術が未知であったこと。
【0033】
二つは、溶接金属中には非常に多くの酸化物を容易に分散させることができるのに対して、鋼材中には一般に遙かに少ない個数の酸化物しか分散させることができないと考えられてきたため、たとえ鋼材中にGalaxiteを形成させ得たとしても、HAZ靱性改善には遠く至らないことが一見容易に予想された。この理由でGalaxiteを活用する方法が現実的な手段であるとは考えられてこなかったこと。
【0034】
しかし、本発明者らが実際にGalaxite粒子分散鋼の溶製を試みた結果、上記の予断は誤りであることが明らかになった。
【0035】
まず、鋼材中にGalaxiteを形成させることであるが、必ずしもGalaxiteそのものとは断言できないが、Al:Mnが2前後でAlとMnを多量に含むGalaxiteに近い組成の酸化物粒子を形成させ、分散させることは可能であった。このGalaxiteに近い組成の酸化物が、本発明でいうAl−Mn酸化物である。
【0036】
この際の溶製条件は、通常のAlキルド鋼の溶製手順とはかなり異なるものの、用いる精錬過程に適合した条件を慎重に選択して行けば、通常の量産設備で実現可能な範囲にあった。しかし、上記で得られたAl−Mn酸化物粒子の鋼材中への分散個数は、凝固時の冷却速度の影響を大きく受け、溶接金属中に分散する個数に比べて、遙かに少なくなってしまう。
【0037】
しかし、このような鋼材を用いて実際に大入熱溶接を行ってみると、Al−Mn酸化物粒子はHAZにおいてアシキュラーフェライトの非常に良好な析出核として機能し、冷却中のγ−α変態時には多数のアシキュラ−フェライトを析出させ、粗大化したγ粒を効果的に分割する。このため、Al−Mn酸化物粒子がγ粒1個当たりわずかに数個分散しているだけでも、HAZ組織の様相を大きく改善し、HAZ靱性を改善させることが明らかになった。
【0038】
このAl−Mn酸化物粒子は鋼材中で単独に存在していることは珍しく、他のTi、Zr、Ca、希土類元素などの酸化物と酸化物複合体を形成している場合や、Al−Mn酸化物の表面にMnSやTiNを析出させていることもある。また、Mn、Alの一部が他の元素と置換して、より複雑な酸化物複合体の組成となっている場合もある。
【0039】
上記のようにAl−Mn酸化物では、一部元素の置換が生じたり、他の酸化物と複合したりしても、Al−Mn酸化物として前述の式(1)および式(2)を満足する分散粒子である限り、Al−Mn酸化物またはAl−Mn酸化物複合体の分散粒子のアシキュラーフェライト析出核としての性能には悪影響は生じない。
【0040】
むしろ、所望のAl−Mn酸化物分散粒子を形成させる場合、最適な脱酸条件を選択し、意識的にAlやMn以外のTi、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素およびSiなどの脱酸元素を添加することによって、これらの酸化物とAl−Mn酸化物とからなる複合体分散粒子として形成させる方が容易になる。
【0041】
しかし、MnSやTiNがAl−Mn酸化物表面に析出して酸化物以外の相と複合体を形成することは、Al−Mn酸化物粒子がアシキュラーフェライトの析出核として機能することを阻害するため、HAZ組織をアシキュラーフェライト主体の組織とするためには好ましくない。特に、MnSとの複合体では、アシキュラーフェライト析出核としての機能に悪影響しか与えないため、この複合体の生成は避けるべきである。しかし、幸いAl−Mn酸化物自体はMnS析出核としては好適ではないため、鋼材中のS含有量に対する制限を特に厳しくする必要はない。ただし、MnOはMnSを析出させやすいため、酸化物分散粒子にMnO相が複合析出することは避けなければならない。
【0042】
上述の理由で、本発明にかかる鋼材中には、 (I)Al−Mn酸化物の粒子、または、(II) 下記 (a) および (b) (以下、「 Al − Mn 酸化物複合体」という。)の粒子、のいずれかが分散している。 (I) の Al − Mn 酸化物の粒子が単独で鋼材中に分散して形成されるのは鋼成分中に Al と Mn 以外の酸化物形成元素が存在しない場合である。これに対して、 (II) の Al − Mn 酸化物複合体の粒子が鋼材中に分散して形成されるのは、鋼成分中に Al と Mn 以外の脱酸元素、すなわち、 Ti 、 Zr 、 Ca 、 Mg 、 Hf 、希土類元素および Si のうちの1種以上が存在する場合である。
(a)Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Siのうちの1種以上を含むAl−Mn酸化物。
(b) 上記 (a) のAl−Mn酸化物と、Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Si、Mn、Alのうちの1種以上を含む酸化物との複合体。
換言すれば、鋼成分中に Al と Mn 以外の脱酸元素、すなわち、 Ti 、 Zr 、 Ca 、 Mg 、 Hf 、希土類元素および Si のうちの1種以上が存在する場合には、 Ti 、 Zr 、 Ca 、 Mg 、 Hf 、希土類元素および Si のうちの1種以上を第三成分として含む Al − Mn 酸化物が形成されるとともに、この Al − Mn 酸化物と、 Ti 、 Zr 、 Ca 、 Mg 、 Hf 、希土類元素、 Si 、 Mn 、 Al のうちの1種以上を含む酸化物との複合体(すなわち、「 Al − Mn 酸化物複合体」)が形成される。
【0043】
上記のAl−Mn酸化物分散粒子中またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子を形成しているAl−Mn酸化物中においては、AlとMnの含有率の関係が、酸化物を構成する全金属元素に対して(Al+Mn)のモル%で40%以上、かつAl:Mn比率、すなわちAl/Mnが 1.0〜5.0 未満でないと、これらの分散粒子がアシキュラーフェライトの析出核として有効に作用せず、HAZ組織を靱性に優れた微細なアシキュラーフェライト主体のものとすることができない。
【0044】
このAl−Mn酸化物分散粒子を、SEM−EDX装置等で分析した場合、その組成にはある程度の幅があるが、Al/Mnは 1.0〜5.0 未満の範囲にはいる。また、他の酸化物と複合体分散粒子を形成している場合は、ある程度他の金属元素の信号も同時に検出される。
【0045】
本発明者らが、Al−Mn酸化物分散粒子がアシキュラーフェライトの核生成サイトとして有効に働く組成範囲を調べた限りでは、Al:Mn比率の他に、酸化物を構成する全金属元素に対する(Al+Mn)が40モル%以上である必要があった。
【0046】
本発明鋼材中の前記Al−Mn酸化物分散粒子またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子の密度は、鋼材1mm2 あたり4個以上1000個未満である。本発明鋼材を対象とする大入熱条件での溶接では、しばしばHAZでのγ粒径は200 μm以上の大きさになるため、上記の分散粒子の密度が、いずれの分散粒子の場合においても鋼材研磨面上で1mm2 あたり4個以上であれば、充分にHAZ組織微細化および靱性向上に寄与する。
【0047】
一方、上記の分散粒子の個数が多ければ多いほど、HAZ組織の微細化および靱性向上効果も増すが、分散粒子の密度が1mm2 あたり1000個を超えると、このような鋼材を通常の溶製方法で得ることが現実的に困難となるだけでなく、過度の酸化物の存在のために、母材、HAZともに靱性の著しい劣化が起こる。
【0048】
本発明鋼材中の上記の分散粒子の大きさの範囲は直径で 0.2〜20μmである。
【0049】
直径で20μmを超える分散粒子が鋼材中に存在する場合、母材、HAZ共に破壊の起点となって靱性が著しく損なわれる。一方、直径で 0.2μm未満の微細な分散粒子をもつ鋼材の量産を行うのは、通常の製造設備や方法では困難である。
【0050】
次に、本発明鋼材の化学組成の限定理由を述べる。%およびppm は重量割合を意味する。
【0051】
C: :0.01〜0.25%
Cは強度確保に必要な元素であり、0.01%以上含有させないと実用的な強度を有する鋼材でなくなる。一方、C含有量が0.25%を超えるとHAZ靱性悪化の原因ともなるため、その含有量の上限は0.25%とした。
【0052】
Si:0.6 %以下
Siは溶鋼の予備脱酸に有効な元素であるが、0.6 %を超えて過剰に含有させるとHAZでの島状マルテンサイト生成を助長する。このため、Si含有量の上限は0.6 %とした。
【0053】
Siは、これを含むAl−Mn酸化物複合体分散粒子を形成する元素でもある。Si含有量の下限は0.09 %とする。
【0054】
Mn: 0.3〜3.0 %
Mnは強度確保と予備脱酸やAl−Mn酸化物粒子の形成のためにも必要な元素である。これらの効果を得るには、0.3 %以上を含有させなければならない。一方、3.0 %を超えて過剰に含有させるとHAZ靱性の大幅な劣化をもたらすため、Mn含有量の上限は3.0 %とした。
【0055】
Al:0.02%以下
Alは、過剰に含有させた場合、Al−Mn酸化物粒子の形成を阻害するため、過剰な添加は行ってはならない。そのため、0.02%を上限とした。
【0056】
一方、所望のAl−Mn酸化物分散粒子の構成元素として必須であるため、微量ながら必ず含有させなければならない。ただし、前述のように、酸化物分散粒子の個数はかなり少なくとも充分にその効果を発揮するため、Al含有量の下限は0.0001%とする。
【0057】
O:0.0010〜0.0070%
鋼材中に分散した所望の酸化物粒子を生成させるため、酸素含有量には下限が必要である。そのため、0.0010%以上含有させることとした。一方、酸素含有量が0.0070%を超えると、Al、Ti等によって充分に酸素を固定しても鋼の清浄度劣化が著しくなるため、母材、HAZともに実用的な靱性を得ることができなくなる。
【0058】
N:0.0005〜0.0100%
Nは、多量に存在する場合、母材、HAZともに靱性を悪化させる。通常は、Tiを添加しTiNの形で固定して無害化しているが、N含有量が0.0100%を超えると、HAZにおいて加熱時にTiNが鋼材中に固溶してHAZ硬化を招き、靱性が悪化する。このため、N含有量の上限は0.0100%とした。
【0059】
一方、N含有量を0.0005%未満にまで低減することは、実生産の上では非常に難しく、経済性の観点から0.0005%を下限値とした。
【0060】
なお、TiNは、HAZにおいてγ粒の成長を抑制し、HAZ組織を微細化するため、通常の溶接用鋼材では、その分散量を確保するために、Nはある程度含有させることが多い。
【0061】
しかし、本発明鋼材を対象として大入熱溶接を行う場合は、しばしばTiNは高温に曝されて溶失し、その効力を失う。しかも本発明鋼材では、アシキュラーフェライトの析出によってγ粒は実質的に微細化されるため、γ粒が粗大化しても最終的にHAZ靱性にはあまり悪影響を与えず、TiN分散のメリットは小さい。
【0062】
むしろ、高温延性を確保し、連続鋳造等による素材鋼の製造を容易にするためには、N含有量は低くした方が好ましく、0.0005%としても問題は生じない。
【0063】
S:0.01%以下
Sは不可避的不純物であり、多量に存在すると溶接割れの原因となる。すなわち、S含有量が0.01%を超えると、MnS等の割れの起点となり得る介在物を形成するため、Sは0.01%を超えて含有させてはならない。Galaxite上へのMnSの複合析出をHAZ靱性確保に影響のない程度に止めるためには、S含有量は 0.005%未満とすることが望ましい。
【0064】
P:0.03%以下
Pは不可避的不純物であり、その含有量が0.03%を超えると、HAZにおける粒界割れの原因となる。このため、P含有量の上限は0.03%とした。
【0065】
本発明の鋼材では、分散粒子を前述のAl−Mn酸化物複合体とする場合に、下記のTi、Zr、Ca、Mg、Hfおよび希土類元素のうちの1種以上を選んで含有させる。
【0066】
これらの元素では、含有量が分析限界値を下回るか、またはその近傍の値であっても、分散粒子の性状を制御する目的を達成することができるため、いずれも下限は定めない。
【0067】
Ti:0.05%以下
Tiは、主にNを固定して高温延性を確保するためと、酸化物に含有させてAl−Mn酸化物複合体分散粒子の形成を助けるために添加する。これらの効果を積極的に得ようとする場合には、Ti含有量の下限は0.010 %とするのが望ましい。
【0068】
しかし、Tiが0.05%を超えて過度に存在する場合、HAZにおけるTiC析出を増大させて硬化させ、靱性を劣化させる。さらにその上、Al−Mn酸化物複合体を形成しにくくさせ、HAZ組織の微細化能の小さいTi2O3 に近いTi酸化物を形成してしまうため、HAZ組織は粗大化し、靱性は劣化する。このため、Ti含有量の上限は0.05%とした。
【0069】
Zr、Ca、Mg、Hfおよび希土類元素:これらの元素は、所望のAl−Mn酸化物複合体分散粒子を得ることを意図して1種以上選んで添加する。この効果を積極的に得ようとする場合には、含有量の下限はZrで0.0002%、Ca、Mg、Hfおよび希土類元素でいずれも0.0001%とするのが望ましい。なお、この希土類元素にはYが含まれる。
【0070】
Zr、CaおよびMgは耐火物等からの混入も起こる。したがって、上記の元素の含有量は適切なレベルであれば問題ないが、いずれも過度に含有させるとAl−Mn酸化物分散粒子を破壊するだけでなく、鋼質そのものの劣化ももたらす。このため、これらの元素を用いる場合の含有量の上限は、Zrで0.02%、Caで0.004 %、Mgで0.004 %、Hfで0.02%および希土類元素で0.02%とした。
【0071】
本発明の鋼材では、下記のCr、Mo、Cu、Ni、NbおよびVのうちの1種以上を選んで含有させてもよい。
【0072】
Cr、Mo、Cu、Ni、Nb及びV:
これらの元素は、適正量を含有させることによって、強度と靱性の優れた鋼材とすることが可能となるだけでなく、焼入れ性を適度に増してアシキュラーフェライトの析出を促進する。これらの効果を得るために積極的に添加する場合の含有量の下限は、Crで0.01%、Moで0.01%、Cuで0.01%、Niで0.01%、Nbで0.002 %、及びVで0.003 %とするのが望ましい。
【0073】
一方、Crで1.5 %、Moで1.5 %、Cuで1.5 %、Niで3.0 %、Nbで0.5 %、Vで0.5 %をそれぞれ超えると、鋼材の焼入れ性を過度に高め、HAZ靱性を損なう傾向が強くなる。
【0074】
本発明の鋼材では、さらに下記のBを含有させてもよい。
【0075】
B:0〜0.0020%
Bは微量でもγ粒界の焼入れ性を増し、母材強度を高めるためには有効な元素であるが、HAZでは靱性の低い硬化組織を形成させるため、通常、HAZ靱性確保の観点からは好まれない。
【0076】
しかし、本発明鋼材では鋼中にAl−Mn酸化物などの粒子が分散しており、Bの有無に関わらず、アシキュラーフェライトの非常に有効な核生成サイトとして機能する。このため、Bを積極的に添加する場合は、含有量の上限が20ppm を超えなければ、HAZ靱性はたとえ劣化したとしても許容できるレベルに留まる。
【0077】
一方、Bはγ粒界の焼入れ性を選択的に増し、鋼材中にAl−Mn酸化物粒子などが分散している場合は、粒内析出のフェライト量を増して組織を微細化するため、微量であればHAZ靱性を確実に改善する。
【0078】
特に大入熱溶接を行う場合、HAZのγ粒は粗大化するため、γ粒界への偏析性の高いBは、母材や小入熱のHAZに比べて、遙かに少ない含有量で効果を発揮する。本発明者らの検討によれば、Ti/Nを2以上にしておけば、B含有量が0.5 〜4ppm であってもHAZ靱性確保には劇的な効果が得られる。なおこの場合、鋼材中にAl−Mn酸化物粒子などが分散していなければ、HAZ靱性の改善は全く望めない。また、この含有量では母材の強度上昇にはほとんどど寄与しないため、強度には実質的に影響を与えずにHAZ性能をコントロールする成分設計が可能になる。
【0079】
このように、Bは、大入熱溶接HAZに対しては非常に少ない含有量で効果を発揮するため、B含有量に比較的厳しい上限が課せられる用途においても添加することができ、HAZ靱性確保に有用である。
【0080】
以上のような理由により、本発明鋼材では、B含有量はHAZ靱性改善を主目的とする場合は 0.5〜4ppm 、母材の強度確保を図る場合は4〜20ppm の範囲とするのが望ましい。
【0081】
本発明鋼材の溶製においては、まず脱酸力の弱い元素を用いて溶鋼を予備脱酸し、これで形成される微細な脱酸生成物の一部を溶鋼中に懸濁させ、かつ溶存酸素量を約0.002 %以上に調整する。次いで、Al濃度を例えば0.0001〜0.0030%程度の範囲に調整した後、必要に応じてZr、Ti 、Caなどを選んで添加する方法を用いるのがよい。このとき、通常の真空処理設備を用いてもよい。
【0082】
その後の鋳造方法では、インゴット法または連続鋳造法などいずれを用いてもよいが、経済的で、凝固時の冷却速度が速く、酸化物の分散を起こさせやすい連続鋳造法を適用するのが望ましい。
【0083】
圧延方法では、通常の圧延、制御圧延、制御圧延と制御冷却を組合せたものなど、熱処理方法では、焼入れ、焼戻しまたは焼準、これらを組合わせたものなどを用いることができ、それらの方法は問わない。
【0084】
【実施例】
表1〜表4に示す組成の鋼材のうち、No.4、9、18、28は実プロセス、他は実験室規模で溶製し、鋳造は、実プロセスでは連続鋳造法、実験室規模ではインゴット法とした。これらの鋳片を圧延して鋼板とした。
【0085】
これらの鋼板について、Al−Mn酸化物分散粒子およびAl−Mn酸化物複合体分散粒子の分散個数(密度)、それらの分散粒子中のAl−Mn酸化物部分の組成、ならびにAl−Mn酸化物複合体中のAl−Mn酸化物以外の部分の組成を調査した。さらに鋼板母材の強度および靱性を調査し、再現HAZ靱性試験を行った。これらの結果を表5〜表8に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
再現HAZ試験では、表7〜表8に記載の条件によって圧延された鋼板の板厚4分の1から切り出した幅11mm×厚さ11mm×長さ60mmの試験片に、最高加熱温度を1400℃または1350℃とした加熱を行った後、冷却速度を(800〜500)℃/60秒、(800〜500)℃/120 秒、(800〜500)℃/180 秒として、同じ冷却速度で 300℃まで冷却し放冷する熱サイクルを与えた。これらは、それぞれ入熱が100kJ/cm、200kJ/cm、300kJ/cmの大入熱溶接に相当する熱サイクルである。その後 JIS4号シャルピー試験片に加工し、衝撃試験に供した。
【0095】
酸化物分散粒子は、ミクロ試料表面をSEM−EDX装置にて観察し、組成比率を各相ごとに同定した。より具体的には、反射電子像およびEDXによるマッピング分析結果より、各物質相の分布を確認し、各々の相について元素組成比をEDX装置を用いるスポット分析により分析した。
【0096】
酸化物分散粒子のEDX装置による組成分析の結果として検出される元素は、Al、Mnの他に、溶製時に添加している場合にはZr、Ti、Hf、希土類元素などである。また、Mg、Si、Ca、Sなども微量に検出されることがある。
【0097】
Sは、酸化物分散粒子の中に固溶した形では検出されず、EDX装置の検出限界以下(0.1%程度) しか存在していないと考えられる。Sが検出される場合は、MnSの形で存在していることが明瞭である。
【0098】
圧延鋼材中の分散粒子の大きさは、本発明例ではいずれも 0.2〜20μmの範囲に入っていた。比較例ではいずれもこの範囲外か、またはこの範囲外の大小のものが混在していた。
【0099】
表5〜8に示すように、本発明例(No.1〜23) では、望ましいAl−Mn酸化物粒子またはAl−Mn酸化物複合体粒子の適正な分散によって、高いHAZ靱性が確保されている。先に、Al−Mn酸化物は単独で鋼材中に晶出することは希であると述べたが、Al−Mn酸化物分散粒子は他の酸化物相との複合体として鋼中に分散しやすいことがわかる。この場合、Al−Mn酸化物以外の酸化物相は様々であるが、Al−Mn酸化物複合体分散粒子が形成されている場合、小入熱から大入熱の溶接条件に至るまで安定して高いHAZ靱性が得られている。
【0100】
これに対して、比較例(No.24〜34) では、Al−Mn酸化物分散粒子またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子が全く形成されていないため、HAZ靱性は本発明例に比較して圧倒的に劣る。Ti酸化物やTi酸化物とMnSとの複合体粒子が分散した例においても、HAZ靱性は満足なレベルに達していない。このように、優れたHAZ靱性が得られるか否かは、望ましいAl−Mn酸化物分散粒子またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子が鋼中に適正に形成されるか否かでほぼ決まっていることがわかる。
【0101】
図1は、上記実施例の鋼材で得られた分散粒子の組成分析値を示す図である。
【0102】
図示するように、望ましいAl−Mn酸化物の組成は、Alがモル比率で相対的に高く他元素の混入も比較的多い範囲となっている。これは、Al−Mn酸化物が他の酸化物と複合体を形成するため、EDX装置などによる分析時に複合酸化物からの信号の混入が或る程度起こり、組成範囲が実際よりも拡がって見えていることが一つの原因である。また、Al、Mnの他に1種以上の他元素を含む3元系以上の酸化物である可能性もある。
【0103】
しかし、実施例から判断すると、HAZ靱性に優れた製品鋼材を得る上では、これらの点を考慮する必要はなく、図示する範囲の組成を有するAl−Mn酸化物を鋼材中に分散させることに留意すればよい。
【0104】
【発明の効果】
本発明鋼材は、溶接用鋼材として高い母材靱性とHAZ靱性を有するものである。この鋼材を用いれば、溶接施工性および溶接構造物の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の鋼材で得られた分散粒子の組成分析値を示す図である。
Claims (2)
- 重量割合にて、C:0.01〜0.25%、Si:0.09 〜0.6%、Mn: 0.3〜3.0 %、N:0.0005〜0.0100%、O:0.0010〜0.0070%およびAl:0.0001 〜0.02%を含み、さらにTi:0.05%以下、Zr:0.02%以下、Ca:0.004 %以下、Mg:0.004 %以下、Hf:0.02%以下および希土類元素:0.02%以下のうちの1種以上を含有し、かつ Cr : 1.5 %以下、 Mo : 1.5 %以下、 Cu : 1.5 %以下、 Ni : 3.0 %以下、 Nb : 0.5 %以下およびV: 0.5 %以下のうちの1種以上を含有し、残部はFeと不可避的不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.01%以下であり、かつ鋼材中の酸化物分散粒子が下記(a)および(b)であり、かつこれらの分散粒子の大きさが 0.2〜20μm、これらの分散粒子の平均密度が1mm2 あたり4個以上1000個未満、下記(a)および(b)のAl−Mn酸化物中のAlとMnとの関係が下記式(1)および式(2)を満足することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼材。
(a)Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Siのうちの1種以上を含むAl−Mn酸化物。
(b)上記(a) のAl−Mn酸化物と、Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、希土類元素、Si、Mn、Alのうちの1種以上を含む酸化物との複合体。
(Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・(1)
ただし、酸化物を構成する金属元素に対する(Al+Mn)比率。
Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・(2)
ただし、酸化物を構成するAlとMnのモル比率。 - さらに、重量割合にて、B:0.0020%以下の成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の溶接熱影響部靱性の優れた鋼材。
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