JPH07278736A - 溶接熱影響部靱性の優れた鋼材 - Google Patents

溶接熱影響部靱性の優れた鋼材

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JPH07278736A
JPH07278736A JP7705794A JP7705794A JPH07278736A JP H07278736 A JPH07278736 A JP H07278736A JP 7705794 A JP7705794 A JP 7705794A JP 7705794 A JP7705794 A JP 7705794A JP H07278736 A JPH07278736 A JP H07278736A
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Takeshi Ichinose
威 一ノ瀬
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秀治 岡口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】溶接熱影響部(HAZ)靱性の優れた鋼材を提
供する。 【構成】C:0.01〜0.25%、Si:0.6 %以下、Mn: 0.3
〜3.0 %、N:0.0005〜0.0100%、O:0.0010〜0.0070
%、Al:0.02%以下、更にCr:0〜1.5%、Mo:0〜1.5
%、Cu:0〜1.5 %、Ni:0〜3.0 %、Nb:0〜0.5
%、V:0〜0.5 %の1種以上、並びにB:0〜0.0020
%を含み、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.01%以下
であり、かつ鋼材中のAl−Mn酸化物分散粒子が 0.2〜20
μm、同じく平均密度が1mm2 あたり4個〜1000個未
満、分散粒子中のAlとMnとの関係が下記式、を満足
するHAZ靱性の優れた鋼材。 (Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・ Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、橋梁、船舶、建築、海
洋構造物等で用いられる溶接用鋼、または製管時に溶接
施工が必要となるラインパイプ用材料などに関し、特
に、優れた溶接熱影響部靱性を有する溶接用鋼材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼材を溶接すると、溶接金属に接
する母材部分、すなわち溶接熱影響部( 以下、HAZと
いう)では結晶粒が粗大化して靱性が劣化し、溶接構造
物の性能を低下させることが知られている。特に大入熱
溶接を行った場合、鋼中のTiNが粗大化しγ粒成長抑制
力が失われるため、HAZ組織の粗大化防止と靱性の確
保は非常に難しくなる。このHAZ靱性を向上させるた
め、これまでに数多くの試みがなされている。
【0003】特開昭57−51234 号公報には、粒度5μm
以下の TiOx を 0.004〜0.06%含む溶接用鋼材が示され
ている。
【0004】特開昭62−170459号公報に示される溶接用
高張力鋼板では、低Al化によるフェライト析出の促進効
果と、Ti、Bの複合添加、N量の制御とを組み合わせ
て、HAZ靱性の改善を行うことが提案されている。
【0005】この方法の場合、BをHAZで冷却中にB
Nの形でγ粒内に析出させ、γ粒内からのフェライト析
出サイトとして機能させることにより、HAZ組織を等
粒状の微細な粒内フェライト組織とすることが可能であ
り、γ粒が著しく粗大化する超大入熱溶接に際しても、
良好なHAZ靱性を確保することができる。
【0006】一方、特開昭59−185760号公報などに示さ
れる溶接用高靱性鋼では、低Al系成分の選択、TiNの利
用に加えて、BNに替えてTiオキサイドもしくはTiオキ
サイドとMnS等との複合体を分散させ、これらの分散質
をフェライトの析出核として機能させることにより、H
AZ組織を微細化し、HAZ靱性を向上させるという低
Al−Tiオキサイド分散鋼とも呼べるものが提案されてい
る。
【0007】なかでも、特開昭59−185760号、特開昭61
−79745 号、特開昭61−117245号および特開平2−2207
35号の各公報で提案されている強靱鋼またはその製造方
法は、溶製時にTi脱酸を行って、その脱酸生成物を分散
させてそれを利用するか、このTi酸化物にTiNやMnSを
複合析出させて、複合介在物として利用するものであ
る。
【0008】特開平5−255801号公報および特開平5−
271864号公報に示される微小粒子分散鋼は、Mn−Si酸化
物またはMnを5割以上含むMn−Al酸化物を鋼中に形成さ
せ、さらにその上にMnSを析出させ、これらをフェライ
ト析出核として利用する鋼である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、HAZ
靱性の改善のために、鋼中の析出物または介在物分など
の散粒子を利用することは公知であるが、これまでに提
案されてきた分散粒子を用いる場合には、次のような様
々な問題がある。
【0010】特開昭62−170459号公報の方法では、HA
Z靱性の確保のためにTiNに加えてBNを利用するため
Bの添加が必須となり、sol.Al、Ti、N、Bの各含有量
のバランスを精度よくコントロールしなければ、固溶B
のためにHAZが硬化するという製造上の困難が存在す
る。その上、ラインパイプ等のB添加を嫌う用途にはこ
の方法による鋼材を適用するのが難しく、必ずしも汎用
的なHAZ高靱性化技術とは言えない。
【0011】特開昭57−51243 号公報の方法では、鋼中
に分散させる TiOx の酸素の対する反応性が非常に高
く、通常の方法によって鋼を製造した場合、鋼中に安定
して存在させることは極めて困難であり、経済的な観点
から許される生産コスト内でこれを鋼中に分散させ、H
AZ組織の微細化と靱性向上の効果を発揮させることは
非常に難しい。
【0012】TiOx ではなくTi2O3 を利用する方法もあ
る。このTi2O3 を鋼中に形成させることは不可能とは言
えないが、Ti2O3 自体はフェライト析出核としての能力
が小さく、鋼材のHAZ靱性は必ずしも向上しない。
【0013】Ti酸化物とTiN、MnSの複合介在物や、Mn
−Si酸化物、Mn−Al酸化物とMnSの複合介在物を利用す
る方法では、MnSが必須となるため、鋼中にSをある程
度含有させることが必須となり、鋼の清浄度の低下、特
にHIC(水素誘起割れ)発生の原因となるMnS系介在
物の制御が難しくなり、適用範囲が限定される。
【0014】上記のうちのMn−Si酸化物およびMn−Al酸
化物は、MnOまたは他のMn酸化物の形で多量のMnを含有
しなければならず、このような酸化物を鋼中に形成させ
ることは実生産においては非常な困難が伴い、実用的と
はいい難い。
【0015】しかも、これらの困難を克服して、目的と
する酸化物−MnS複合介在物を鋼中に形成させ得たとし
ても、溶接熱影響を受けた場合、MnSのかなりの部分は
いったん鋼に固溶し、冷却時に再析出する過程を経るた
め、酸化物の周りには再析出できずに固溶したまま残存
するMnが生じやすい。このため、複合介在物周辺の局所
的な固溶Mn濃度は高くなりがちであり、介在物周辺の局
所的な焼入れ性が増大し、往々にして上記のような介在
物は充分にフェライト析出核としては機能しない結果と
なる。
【0016】このように、現状では、HAZにおけるフ
ェライト析出核として満足な特性を有する分散粒子は知
られておらず、HAZ靱性改善のために、より優れた分
散粒子が必要とされている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の(1)
および(2) の鋼材にある。
【0018】(1)重量割合にて、C:0.01〜0.25%、S
i:0.6 %以下、Mn: 0.3〜3.0 %、N:0.0005〜0.010
0%、O:0.0010〜0.0070%およびAl:0.02%以下、さ
らにCr:0〜1.5 %、Mo:0〜1.5 %、Cu:0〜1.5
%、Ni:0〜3.0 %、Nb:0〜0.5%およびV:0〜0.5
%のうちの1種以上、ならびにB:0〜0.0020%を含
有し、残部はFeと不可避的不純物からなり、不純物中の
Pは0.03%以下、Sは0.01%以下であり、かつ鋼材中の
Al−Mn酸化物分散粒子の大きさが 0.2〜20μm、この分
散粒子の平均密度が1mm2 あたり4個以上1000個未満、
この分散粒子中のAlとMnとの関係が下記式および式
を満足することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた
鋼材。
【0019】(Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・ ただし、酸化物を構成する全金属元素に対する(Al+M
n)比率。
【0020】Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・ ただし、酸化物を構成するAlとMnのモル比率。
【0021】(2)上記(1) の成分に加えて更に、重量割
合にて、Ti:0.05%以下、Zr:0.02%以下、Ca:0.004
%以下、Mg:0.004 %以下、Hf:0.02%以下、Y:0.02
%以下および希土類:0.02%のうちの1種以上を含有
し、残部はFeと不可避的不純物からなり、不純物中のP
は0.03%以下、Sは0.01%以下であり、かつ鋼材中の酸
化物分散粒子が下記(a) および(b) であり、かつこれら
の分散粒子の大きさが 0.2〜20μm、これらの分散粒子
の平均密度が1mm2 あたり4個以上1000個未満、下記
(a) または(b) のAl−Mn酸化物中のAlとMnとの関係が上
記式および式を満足することを特徴とする溶接熱影
響部靱性の優れた鋼材。
【0022】(a)Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、Y、希土類、Si
のうちの1種以上を含むAl−Mn酸化物 (b)上記(a) のAl−Mn酸化物とTi、Zr、Ca、Mg、Hf、
Y、希土類、Si、Mn、Alのうちの1種以上を含む酸化物
との複合体 上記において、Cr、Mo、Cu、Ni、NbおよびV、ならびに
Bは、いずれも無添加でもよい。これらを積極的に添加
する場合の下限は、Crで0.01%、Moで0.01%、Cuで0.01
%、Niで0.01%、Nbで0.002 %およびVで0.003 %と
し、1種以上を選んで用いるのが望ましい。Bを積極的
に添加する場合の下限は0.00005 %とするのが望まし
い。
【0023】本発明者らは、前記の課題を解決するため
に鋭意検討を行い、次の (イ)〜(ニ)の新知見を得た。
【0024】(イ)Al添加後の溶鋼中の溶存酸素量を確保
するように添加条件を調整し、Alを含有する脱酸生成物
を鋼中に形成させた後、最終脱酸を行うことによって優
れたHAZ靱性を示す鋼材を溶製することができる。
【0025】(ロ)前記の優れたHAZ靱性を示す鋼材で
は、Al−Mn系酸化物粒子が分散している。この分散粒子
は、その組成からみて物質相名で言えばGalaxite(MnAl2
O4) に近く、Mn比率が比較的小さな酸化物相であるた
め、鋼材中に安定して形成させることができる。
【0026】(ハ)Galaxiteそのもの、またはGalaxiteに
近い組成をもつ (Al:Mn=1.0 〜 5.0未満。ただ
し、AlとMn以外の金属元素も含まれる)Al−Mn酸化物
粒子、もしくはこの酸化物粒子と他の酸化物との複合体
粒子が鋼材中に分散している場合、それらはHAZにお
いて粒内アシキュラーフェライトの核生成サイトとして
非常に有効であり、HAZ組織を効率よく微細化する。
【0027】(ニ)Al、Mn以外で、鋼中の酸化物形成元素
であるCa、Mg、TiおよびSiなどが鋼中に存在する場合、
鋼中に分散する酸化物中にもこれらの元素の1種以上が
含まれる。また、一部はAl−Mn酸化物中にも含有され、
他の一部はAl−Mn酸化物とは別種の酸化物を形成して鋼
中に単独で分散するか、またはAl−Mn酸化物と酸化物複
合体を形成して分散する。
【0028】しかし、この場合でも、Al−Mn酸化物中に
おける(Al+Mn)の比率は前記の式および式を満足
しなければならず、満足しない場合には、その酸化物分
散粒子のアシキュラーフェライト析出核としての能力が
減退する。
【0029】Zr、Hf、Yおよび希土類元素等の強脱酸元
素を含有させた場合も同様であるが、これらを添加する
場合は、実質的にほとんど全てが酸化物となって固溶状
態で鋼中に含まれる量が現実的にゼロになる程度に添加
量を抑制する必要がある。そうでなければAl−Mn酸化物
相が破壊され、この酸化物相のフェライト析出核として
の能力は失われる。
【0030】
【作用】まず、鋼材中の分散粒子としてのGalaxiteの作
用効果を説明し、本発明鋼材中の分散粒子を前記のよう
に限定した理由について述べる。
【0031】本発明者らは、HAZにおけるフェライト
析出核として、スピネル構造をもつMnAl2O4(Galaxite)
に着目した。Galaxiteは溶接金属中に分散し、その組織
を微細化することが知られているが、これまで、このGa
laxiteがHAZ組織の微細化と靱性向上のために利用さ
れたことはない。この原因として少なくとも次の二つが
考えられる。
【0032】一つは、Galaxiteの充分な量を鋼材中に分
散させる技術が未知であったこと。
【0033】二つは、溶接金属中には非常に多くの酸化
物を容易に分散させることができるのに対して、鋼材中
には一般に遙かに少ない個数の酸化物しか分散させるこ
とができないと考えられてきたため、たとえ鋼材中にGa
laxiteを形成させ得たとしても、HAZ靱性改善には遠
く至らないことが一見容易に予想された。この理由でGa
laxiteを活用する方法が現実的な手段であるとは考えら
れてこなかったこと。
【0034】しかし、本発明者らが実際にGalaxite粒子
分散鋼の溶製を試みた結果、上記の予断は誤りであるこ
とが明らかになった。
【0035】まず、鋼材中にGalaxiteを形成させること
であるが、必ずしもGalaxiteそのものとは断言できない
が、Al:Mnが2前後でAlとMnを多量に含むGalaxiteに近
い組成の酸化物粒子を形成させ、分散させることは可能
であった。このGalaxiteに近い組成の酸化物が、本発明
でいうAl−Mn酸化物である。
【0036】この際の溶製条件は、通常のAlキルド鋼の
溶製手順とはかなり異なるものの、用いる精錬過程に適
合した条件を慎重に選択して行けば、通常の量産設備で
実現可能な範囲にあった。しかし、上記で得られたAl−
Mn酸化物粒子の鋼材中への分散個数は、凝固時の冷却速
度の影響を大きく受け、溶接金属中に分散する個数に比
べて、遙かに少なくなってしまう。
【0037】しかし、このような鋼材を用いて実際に大
入熱溶接を行ってみると、Al−Mn酸化物粒子はHAZに
おいてアシキュラーフェライトの非常に良好な析出核と
して機能し、冷却中のγ−α変態時には多数のアシキュ
ラ−フェライトを析出させ、粗大化したγ粒を効果的に
分割する。このため、Al−Mn酸化物粒子がγ粒1個当た
りわずかに数個分散しているだけでも、HAZ組織の様
相を大きく改善し、HAZ靱性を改善させることが明ら
かになった。
【0038】このAl−Mn酸化物粒子は鋼材中で単独に存
在していることは珍しく、他のTi、Zr、Ca、Y、希土類
などの酸化物と酸化物複合体を形成している場合や、Al
−Mn酸化物の表面にMnSやTiNを析出させていることも
ある。また、Mn、Alの一部が他の元素と置換して、より
複雑な酸化物複合体の組成となっている場合もある。
【0039】上記のようにAl−Mn酸化物では、一部元素
の置換が生じたり、他の酸化物と複合したりしても、Al
−Mn酸化物として前述の式および式を満足する分散
粒子である限り、Al−Mn酸化物またはAl−Mn酸化物複合
体の分散粒子のアシキュラーフェライト析出核としての
性能には悪影響は生じない。
【0040】むしろ、所望のAl−Mn酸化物分散粒子を形
成させる場合、最適な脱酸条件を選択し、意識的にAlや
Mn以外のTi、Zr、Ca、Mg、Hf、Y、希土類およびSiなど
の脱酸元素を添加することによって、これらの酸化物と
Al−Mn酸化物とからなる複合体分散粒子として形成させ
る方が容易になる。
【0041】しかし、MnSやTiNがAl−Mn酸化物表面に
析出して酸化物以外の相と複合体を形成することは、Al
−Mn酸化物粒子がアシキュラーフェライトの析出核とし
て機能することを阻害するため、HAZ組織をアシキュ
ラーフェライト主体の組織とするためには好ましくな
い。特に、MnSとの複合体では、アシキュラーフェライ
ト析出核としての機能に悪影響しか与えないため、この
複合体の生成は避けるべきである。しかし、幸いAl−Mn
酸化物自体はMnS析出核としては好適ではないため、鋼
材中のS含有量に対する制限を特に厳しくする必要はな
い。ただし、MnOはMnSを析出させやすいため、酸化物
分散粒子にMnO相が複合析出することは避けなければな
らない。
【0042】上記の理由で、本発明鋼材中の分散粒子
を、Al−Mn酸化物、または、Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、Y、
希土類、Siのうちの1種以上を含むAl−Mn酸化物とTi、
Zr、Ca、Mg、Hf、Y、希土類、Si、Mn、Alのうちの1種
以上を含む酸化物との複合体(以下、Al−Mn酸化物複合
体という)とした。
【0043】上記のAl−Mn酸化物分散粒子中またはAl−
Mn酸化物複合体分散粒子を形成しているAl−Mn酸化物中
においては、AlとMnの含有率の関係が、酸化物を構成す
る全金属元素に対して(Al+Mn)のモル%で40%以上、
かつAl:Mn比率、すなわちAl/Mnが 1.0〜5.0 未満でな
いと、これらの分散粒子がアシキュラーフェライトの析
出核として有効に作用せず、HAZ組織を靱性に優れた
微細なアシキュラーフェライト主体のものとすることが
できない。
【0044】このAl−Mn酸化物分散粒子を、SEM−E
DX装置等で分析した場合、その組成にはある程度の幅
があるが、Al/Mnは 1.0〜5.0 未満の範囲にはいる。ま
た、他の酸化物と複合体分散粒子を形成している場合
は、ある程度他の金属元素の信号も同時に検出される。
【0045】本発明者らが、Al−Mn酸化物分散粒子がア
シキュラーフェライトの核生成サイトとして有効に働く
組成範囲を調べた限りでは、Al:Mn比率の他に、酸化物
を構成する全金属元素に対する(Al+Mn)が40モル%以
上である必要があった。
【0046】本発明鋼材中の前記Al−Mn酸化物分散粒子
またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子の密度は、鋼材1mm
2 あたり4個以上1000個未満である。本発明鋼材を対象
とする大入熱条件での溶接では、しばしばHAZでのγ
粒径は200 μm以上の大きさになるため、上記の分散粒
子の密度が、いずれの分散粒子の場合においても鋼材研
磨面上で1mm2 あたり4個以上であれば、充分にHAZ
組織微細化および靱性向上に寄与する。
【0047】一方、上記の分散粒子の個数が多ければ多
いほど、HAZ組織の微細化および靱性向上効果も増す
が、分散粒子の密度が1mm2 あたり1000個を超えると、
このような鋼材を通常の溶製方法で得ることが現実的に
困難となるだけでなく、過度の酸化物の存在のために、
母材、HAZともに靱性の著しい劣化が起こる。
【0048】本発明鋼材中の上記の分散粒子の大きさの
範囲は直径で 0.2〜20μmである。
【0049】直径で20μmを超える分散粒子が鋼材中に
存在する場合、母材、HAZ共に破壊の起点となって靱
性が著しく損なわれる。一方、直径で 0.2μm未満の微
細な分散粒子をもつ鋼材の量産を行うのは、通常の製造
設備や方法では困難である。
【0050】次に、本発明鋼材の化学組成の限定理由を
述べる。%およびppm は重量割合を意味する。
【0051】C: :0.01〜0.25% Cは強度確保に必要な元素であり、0.01%以上含有させ
ないと実用的な強度を有する鋼材でなくなる。一方、C
含有量が0.25%を超えるとHAZ靱性悪化の原因ともな
るため、その含有量の上限は0.25%とした。
【0052】Si:0.6 %以下 Siは溶鋼の予備脱酸に有効な元素であるが、0.6 %を超
えて過剰に含有させるとHAZでの島状マルテンサイト
生成を助長する。このため、Si含有量の上限は0.6 %と
した。
【0053】Siは、これを含むAl−Mn酸化物複合体分散
粒子を形成する元素でもある。Si含有量が分析限界値を
下回るか、またはその近傍の値であっても、分散粒子の
性状を制御する目的を達成することができるため、下限
は定めない。
【0054】Mn: 0.3〜3.0 % Mnは強度確保と予備脱酸やAl−Mn酸化物粒子の形成のた
めにも必要な元素である。これらの効果を得るには、0.
3 %以上を含有させなければならない。一方、3.0 %を
超えて過剰に含有させるとHAZ靱性の大幅な劣化をも
たらすため、Mn含有量の上限は3.0 %とした。
【0055】Al:0.02%以下 Alは、過剰に含有させた場合、Al−Mn酸化物粒子の形成
を阻害するため、過剰な添加は行ってはならない。その
ため、0.02%を上限とした。
【0056】一方、所望のAl−Mn酸化物分散粒子の構成
元素として必須であるため、微量ながら必ず含有させな
ければならない。ただし、前述のように、酸化物分散粒
子の個数はかなり少なくとも充分にその効果を発揮する
ため、Al含有量の下限がかなり低くても問題はなく、計
算上では下限は0.0001%とするのがよい。しかし、この
値は現在の分析技術ではその分析限界を大きく下回るも
のであるため、下限は限定しない。
【0057】O:0.0010〜0.0070% 鋼材中に分散した所望の酸化物粒子を生成させるため、
酸素含有量には下限が必要である。そのため、0.0010%
以上含有させることとした。一方、酸素含有量が0.0070
%を超えると、Al、Ti等によって充分に酸素を固定して
も鋼の清浄度劣化が著しくなるため、母材、HAZとも
に実用的な靱性を得ることができなくなる。
【0058】N:0.0005〜0.0100% Nは、多量に存在する場合、母材、HAZともに靱性を
悪化させる。通常は、Tiを添加しTiNの形で固定して無
害化しているが、N含有量が0.0100%を超えると、HA
Zにおいて加熱時にTiNが鋼材中に固溶してHAZ硬化
を招き、靱性が悪化する。このため、N含有量の上限は
0.0100%とした。
【0059】一方、N含有量を0.0005%未満にまで低減
することは、実生産の上では非常に難しく、経済性の観
点から0.0005%を下限値とした。
【0060】なお、TiNは、HAZにおいてγ粒の成長
を抑制し、HAZ組織を微細化するため、通常の溶接用
鋼材では、その分散量を確保するために、Nはある程度
含有させることが多い。
【0061】しかし、本発明鋼材を対象として大入熱溶
接を行う場合は、しばしばTiNは高温に曝されて溶失
し、その効力を失う。しかも本発明鋼材では、アシキュ
ラーフェライトの析出によってγ粒は実質的に微細化さ
れるため、γ粒が粗大化しても最終的にHAZ靱性には
あまり悪影響を与えず、TiN分散のメリットは小さい。
【0062】むしろ、高温延性を確保し、連続鋳造等に
よる素材鋼の製造を容易にするためには、N含有量は低
くした方が好ましく、0.0005%としても問題は生じな
い。
【0063】S:0.01%以下 Sは不可避的不純物であり、多量に存在すると溶接割れ
の原因となる。すなわち、S含有量が0.01%を超える
と、MnS等の割れの起点となり得る介在物を形成するた
め、Sは0.01%を超えて含有させてはならない。Galaxi
te上へのMnSの複合析出をHAZ靱性確保に影響のない
程度に止めるためには、S含有量は 0.005%未満とする
ことが望ましい。
【0064】P:0.03%以下 Pは不可避的不純物であり、その含有量が0.03%を超え
ると、HAZにおける粒界割れの原因となる。このた
め、P含有量の上限は0.03%とした。
【0065】本発明の鋼材では、分散粒子を前述のAl−
Mn酸化物複合体とする場合に、下記のTi、Zr、Ca、Mg、
Hf、Yおよび希土類のうちの1種以上を選んで含有させ
る。
【0066】これらの元素では、含有量が分析限界値を
下回るか、またはその近傍の値であっても、分散粒子の
性状を制御する目的を達成することができるため、いず
れも下限は定めない。
【0067】Ti:0.05%以下 Tiは、主にNを固定して高温延性を確保するためと、酸
化物に含有させてAl−Mn酸化物複合体分散粒子の形成を
助けるために添加する。これらの効果を積極的に得よう
とする場合には、Ti含有量の下限は0.010 %とするのが
望ましい。
【0068】しかし、Tiが0.05%を超えて過度に存在す
る場合、HAZにおけるTiC析出を増大させて硬化さ
せ、靱性を劣化させる。さらにその上、Al−Mn酸化物複
合体を形成しにくくさせ、HAZ組織の微細化能の小さ
いTi2O3 に近いTi酸化物を形成してしまうため、HAZ
組織は粗大化し、靱性は劣化する。このため、Ti含有量
の上限は0.05%とした。
【0069】Zr、Ca、Mg、Hf、Y及び希土類:これらの
元素は、所望のAl−Mn酸化物複合体分散粒子を得ること
を意図して1種以上選んで添加する。この効果を積極的
に得ようとする場合には、含有量の下限はZrで0.0002
%、Ca、Mg、Hf、Yおよび希土類でいずれも0.0001%と
するのが望ましい。
【0070】Zr、CaおよびMgは耐火物等からの混入も起
こる。したがって、上記の元素の含有量は適切なレベル
であれば問題ないが、いずれも過度に含有させるとAl−
Mn酸化物分散粒子を破壊するだけでなく、鋼質そのもの
の劣化ももたらす。このため、これらの元素を用いる場
合の含有量の上限は、Zrで0.02%、Caで0.004 %、Mgで
0.004 %、Hfで0.02%、Yで0.02%および希土類で0.02
%とした。
【0071】本発明の鋼材では、下記のCr、Mo、Cu、N
i、NbおよびVのうちの1種以上を選んで含有させても
よい。
【0072】Cr、Mo、Cu、Ni、Nb及びV:これらの元素
は、適正量を含有させることによって、強度と靱性の優
れた鋼材とすることが可能となるだけでなく、焼入れ性
を適度に増してアシキュラーフェライトの析出を促進す
る。これらの効果を得るために積極的に添加する場合の
含有量の下限は、Crで0.01%、Moで0.01%、Cuで0.01
%、Niで0.01%、Nbで0.002%、及びVで0.003 %とす
るのが望ましい。
【0073】一方、Crで1.5 %、Moで1.5 %、Cuで1.5
%、Niで3.0 %、Nbで0.5 %、Vで0.5 %をそれぞれ超
えると、鋼材の焼入れ性を過度に高め、HAZ靱性を損
なう傾向が強くなる。
【0074】本発明の鋼材では、さらに下記のBを含有
させてもよい。
【0075】B:0〜0.0020% Bは微量でもγ粒界の焼入れ性を増し、母材強度を高め
るためには有効な元素であるが、HAZでは靱性の低い
硬化組織を形成させるため、通常、HAZ靱性確保の観
点からは好まれない。
【0076】しかし、本発明鋼材では鋼中にAl−Mn酸化
物などの粒子が分散しており、Bの有無に関わらず、ア
シキュラーフェライトの非常に有効な核生成サイトとし
て機能する。このため、Bを積極的に添加する場合は、
含有量の上限が20ppm を超えなければ、HAZ靱性はた
とえ劣化したとしても許容できるレベルに留まる。
【0077】一方、Bはγ粒界の焼入れ性を選択的に増
し、鋼材中にAl−Mn酸化物粒子などが分散している場合
は、粒内析出のフェライト量を増して組織を微細化する
ため、微量であればHAZ靱性を確実に改善する。
【0078】特に大入熱溶接を行う場合、HAZのγ粒
は粗大化するため、γ粒界への偏析性の高いBは、母材
や小入熱のHAZに比べて、遙かに少ない含有量で効果
を発揮する。本発明者らの検討によれば、Ti/Nを2以
上にしておけば、B含有量が0.5 〜4ppm であってもH
AZ靱性確保には劇的な効果が得られる。なおこの場
合、鋼材中にAl−Mn酸化物粒子などが分散していなけれ
ば、HAZ靱性の改善は全く望めない。また、この含有
量では母材の強度上昇にはほとんどど寄与しないため、
強度には実質的に影響を与えずにHAZ性能をコントロ
ールする成分設計が可能になる。
【0079】このように、Bは、大入熱溶接HAZに対
しては非常に少ない含有量で効果を発揮するため、B含
有量に比較的厳しい上限が課せられる用途においても添
加することができ、HAZ靱性確保に有用である。
【0080】以上のような理由により、本発明鋼材で
は、B含有量はHAZ靱性改善を主目的とする場合は
0.5〜4ppm 、母材の強度確保を図る場合は4〜20ppm
の範囲とするのが望ましい。
【0081】本発明鋼材の溶製においては、まず脱酸力
の弱い元素を用いて溶鋼を予備脱酸し、これで形成され
る微細な脱酸生成物の一部を溶鋼中に懸濁させ、かつ溶
存酸素量を約0.002 %以上に調整する。次いで、Al濃度
を例えば0.0001〜0.0030%程度の範囲に調整した後、必
要に応じてZr、Ti 、Caなどを選んで添加する方法を用
いるのがよい。このとき、通常の真空処理設備を用いて
もよい。
【0082】その後の鋳造方法では、インゴット法また
は連続鋳造法などいずれを用いてもよいが、経済的で、
凝固時の冷却速度が速く、酸化物の分散を起こさせやす
い連続鋳造法を適用するのが望ましい。
【0083】圧延方法では、通常の圧延、制御圧延、制
御圧延と制御冷却を組合せたものなど、熱処理方法で
は、焼入れ、焼戻しまたは焼準、これらを組合わせたも
のなどを用いることができ、それらの方法は問わない。
【0084】
【実施例】表1〜表4に示す組成の鋼材のうち、No.4、
9、18、28は実プロセス、他は実験室規模で溶製し、鋳
造は、実プロセスでは連続鋳造法、実験室規模ではイン
ゴット法とした。これらの鋳片を圧延して鋼板とした。
【0085】これらの鋼板について、Al−Mn酸化物分散
粒子およびAl−Mn酸化物複合体分散粒子の分散個数(密
度)、それらの分散粒子中のAl−Mn酸化物部分の組成、
ならびにAl−Mn酸化物複合体中のAl−Mn酸化物以外の部
分の組成を調査した。さらに鋼板母材の強度および靱性
を調査し、再現HAZ靱性試験を行った。これらの結果
を表5〜表8に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】再現HAZ試験では、表7〜表8に記載の
条件によって圧延された鋼板の板厚4分の1から切り出
した幅11mm×厚さ11mm×長さ60mmの試験片に、最高加熱
温度を1400℃または1350℃とした加熱を行った後、冷却
速度を(800〜500)℃/60秒、(800〜500)℃/120 秒、(8
00〜500)℃/180 秒として、同じ冷却速度で 300℃まで
冷却し放冷する熱サイクルを与えた。これらは、それぞ
れ入熱が100kJ/cm、200kJ/cm、300kJ/cmの大入熱
溶接に相当する熱サイクルである。その後 JIS4号シャ
ルピー試験片に加工し、衝撃試験に供した。
【0095】酸化物分散粒子は、ミクロ試料表面をSE
M−EDX装置にて観察し、組成比率を各相ごとに同定
した。より具体的には、反射電子像およびEDXによる
マッピング分析結果より、各物質相の分布を確認し、各
々の相について元素組成比をEDX装置を用いるスポッ
ト分析により分析した。
【0096】酸化物分散粒子のEDX装置による組成分
析の結果として検出される元素は、Al、Mnの他に、溶製
時に添加している場合にはZr、Ti、Hf、Y、希土類など
である。また、Mg、Si、Ca、Sなども微量に検出される
ことがある。
【0097】Sは、酸化物分散粒子の中に固溶した形で
は検出されず、EDX装置の検出限界以下(0.1%程度)
しか存在していないと考えられる。Sが検出される場合
は、MnSの形で存在していることが明瞭である。
【0098】圧延鋼材中の分散粒子の大きさは、本発明
例ではいずれも 0.2〜20μmの範囲に入っていた。比較
例ではいずれもこの範囲外か、またはこの範囲外の大小
のものが混在していた。
【0099】表5〜8に示すように、本発明例(No.1〜
23) では、望ましいAl−Mn酸化物粒子またはAl−Mn酸化
物複合体粒子の適正な分散によって、高いHAZ靱性が
確保されている。先に、Al−Mn酸化物は単独で鋼材中に
晶出することは希であると述べたが、Al−Mn酸化物分散
粒子は他の酸化物相との複合体として鋼中に分散しやす
いことがわかる。この場合、Al−Mn酸化物以外の酸化物
相は様々であるが、Al−Mn酸化物複合体分散粒子が形成
されている場合、小入熱から大入熱の溶接条件に至るま
で安定して高いHAZ靱性が得られている。
【0100】これに対して、比較例(No.24〜34) では、
Al−Mn酸化物分散粒子またはAl−Mn酸化物複合体分散粒
子が全く形成されていないため、HAZ靱性は本発明例
に比較して圧倒的に劣る。Ti酸化物やTi酸化物とMnSと
の複合体粒子が分散した例においても、HAZ靱性は満
足なレベルに達していない。このように、優れたHAZ
靱性が得られるか否かは、望ましいAl−Mn酸化物分散粒
子またはAl−Mn酸化物複合体分散粒子が鋼中に適正に形
成されるか否かでほぼ決まっていることがわかる。
【0101】図1は、上記実施例の鋼材で得られた分散
粒子の組成分析値を示す図である。
【0102】図示するように、望ましいAl−Mn酸化物の
組成は、Alがモル比率で相対的に高く他元素の混入も比
較的多い範囲となっている。これは、Al−Mn酸化物が他
の酸化物と複合体を形成するため、EDX装置などによ
る分析時に複合酸化物からの信号の混入が或る程度起こ
り、組成範囲が実際よりも拡がって見えていることが一
つの原因である。また、Al、Mnの他に1種以上の他元素
を含む3元系以上の酸化物である可能性もある。
【0103】しかし、実施例から判断すると、HAZ靱
性に優れた製品鋼材を得る上では、これらの点を考慮す
る必要はなく、図示する範囲の組成を有するAl−Mn酸化
物を鋼材中に分散させることに留意すればよい。
【0104】
【発明の効果】本発明鋼材は、溶接用鋼材として高い母
材靱性とHAZ靱性を有するものである。この鋼材を用
いれば、溶接施工性および溶接構造物の安全性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の鋼材で得られた分散粒子の組成分析値
を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて、C:0.01〜0.25%、Si:0.
    6 %以下、Mn: 0.3〜3.0 %、N:0.0005〜0.0100%、
    O:0.0010〜0.0070%およびAl:0.02%以下、さらにC
    r:0〜1.5 %、Mo:0〜1.5 %、Cu:0〜1.5 %、N
    i:0〜3.0 %、Nb:0〜0.5 %およびV:0〜0.5 %
    のうちの1種以上、ならびにB:0〜0.0020%を含有
    し、残部はFeと不可避的不純物からなり、不純物中のP
    は0.03%以下、Sは0.01%以下であり、かつ鋼材中のAl
    −Mn酸化物分散粒子の大きさが 0.2〜20μm、この分散
    粒子の平均密度が1mm2 あたり4個以上1000個未満、こ
    の分散粒子中のAlとMnとの関係が下記式および式を
    満足することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼
    材。 (Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・ ただし、酸化物を構成する全金属元素に対する(Al+M
    n)比率。 Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・ ただし、酸化物を構成するAlとMnのモル比率。
  2. 【請求項2】重量割合にて、C:0.01〜0.25%、Si:0.
    6 %以下、Mn: 0.3〜3.0 %、N:0.0005〜0.0100%、
    O:0.0010〜0.0070%およびAl:0.02%以下、Cr:0〜
    1.5%、Mo:0〜1.5 %、Cu:0〜1.5 %、Ni:0〜3.0
    %、Nb:0〜0.5 %およびV:0〜0.5 %のうちの1
    種以上、さらにTi:0.05%以下、Zr:0.02%以下、Ca:
    0.004 %以下、Mg:0.004 %以下、Hf:0.02%以下、
    Y:0.02%以下および希土類:0.02%のうちの1種以
    上、ならびにB:0〜0.0020%を含有し、残部はFeと不
    可避的不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、S
    は0.01%以下であり、かつ鋼材中の酸化物分散粒子が下
    記(a) および(b) であり、かつこれらの分散粒子の大き
    さが 0.2〜20μm、これらの分散粒子の平均密度が1mm
    2 あたり4個以上1000個未満、下記(a) または(b) のAl
    −Mn酸化物中のAlとMnとの関係が下記式および式を
    満足することを特徴とする溶接熱影響部靱性の優れた鋼
    材。 (a)Ti、Zr、Ca、Mg、Hf、Y、希土類、Siのうちの1種
    以上を含むAl−Mn酸化物 (b)上記(a) のAl−Mn酸化物とTi、Zr、Ca、Mg、Hf、
    Y、希土類、Si、Mn、Alのうちの1種以上を含む酸化物
    との複合体 (Al+Mn)≧40モル%・・・・・・・ ただし、酸化物を構成する全金属元素に対する(Al+M
    n)比率。 Al/Mn= 1.0〜5.0 未満・・・・・ ただし、酸化物を構成するAlとMnのモル比率。
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