JPH108132A - 靭性に優れた厚鋼板の製造方法 - Google Patents
靭性に優れた厚鋼板の製造方法Info
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- JPH108132A JPH108132A JP15386996A JP15386996A JPH108132A JP H108132 A JPH108132 A JP H108132A JP 15386996 A JP15386996 A JP 15386996A JP 15386996 A JP15386996 A JP 15386996A JP H108132 A JPH108132 A JP H108132A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】異方性の小さい靭性に優れた厚鋼板を高い生産
性の下に製造する方法を提供する。 【解決手段】少なくとも特定量の C、Mn、Ti、Al、 Oを
含み、且つ、下記〜を満足する酸化物粒子が10個/m
m2以上分散した鋼塊を1100℃以上に加熱後、直接、又は
1100℃以下の累積圧下率が30%以下で仕上げ温度が900
℃以上である圧延を行ってから、2 〜50℃/秒の冷却速
度で550 ℃以下の温度まで冷却する。鋼塊は下記、
、を満たす酸化物粒子、又は、〜を満たす酸化
物粒子並びに、、を満たす酸化物粒子が、10個/m
m2以上分散したものでも良い。:酸化物中の全金属元
素に占める各金属元素をat%表示する時、Ti+Mn+Al>
70at%、Ti+Mn+Al=100 at%とする時(以下同
じ)、Ti+Mn≧80at%、50at%≧Mn≧ 7at%、Al+
Mn≧40at%、 1≦Al/Mn≦5 。
性の下に製造する方法を提供する。 【解決手段】少なくとも特定量の C、Mn、Ti、Al、 Oを
含み、且つ、下記〜を満足する酸化物粒子が10個/m
m2以上分散した鋼塊を1100℃以上に加熱後、直接、又は
1100℃以下の累積圧下率が30%以下で仕上げ温度が900
℃以上である圧延を行ってから、2 〜50℃/秒の冷却速
度で550 ℃以下の温度まで冷却する。鋼塊は下記、
、を満たす酸化物粒子、又は、〜を満たす酸化
物粒子並びに、、を満たす酸化物粒子が、10個/m
m2以上分散したものでも良い。:酸化物中の全金属元
素に占める各金属元素をat%表示する時、Ti+Mn+Al>
70at%、Ti+Mn+Al=100 at%とする時(以下同
じ)、Ti+Mn≧80at%、50at%≧Mn≧ 7at%、Al+
Mn≧40at%、 1≦Al/Mn≦5 。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靭性に優れた厚鋼
板の製造方法に関し、特に橋梁、造船、圧力容器、低温
用貯蔵容器、ラインパイプや海洋構造物などの各種鋼構
造物に使用される靭性に優れた厚鋼板、なかでも、均質
で異方性の小さい強靭厚鋼板を、高い生産性の下に製造
する方法に関する。
板の製造方法に関し、特に橋梁、造船、圧力容器、低温
用貯蔵容器、ラインパイプや海洋構造物などの各種鋼構
造物に使用される靭性に優れた厚鋼板、なかでも、均質
で異方性の小さい強靭厚鋼板を、高い生産性の下に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の鋼構造物の使用環境が過酷
化するに伴い、その素材として使用される各種の鋼板、
特に厚鋼板には高い靭性が要求されるようになってき
た。
化するに伴い、その素材として使用される各種の鋼板、
特に厚鋼板には高い靭性が要求されるようになってき
た。
【0003】厚鋼板、なかでも低合金鋼からなる厚鋼板
において、従来、高い靭性が求められる場合には、熱間
で制御圧延を行ってオーステナイト粒を微細化したり、
鋼にNbを添加することで再結晶温度を高め、その上で
制御圧延と制御冷却を組み合わせて微細な組織を得る方
法が一般に行われてきた。
において、従来、高い靭性が求められる場合には、熱間
で制御圧延を行ってオーステナイト粒を微細化したり、
鋼にNbを添加することで再結晶温度を高め、その上で
制御圧延と制御冷却を組み合わせて微細な組織を得る方
法が一般に行われてきた。
【0004】例えば、特開昭57−131320号公報
には、Nbを含有した特定の化学組成を有する鋼に制御
圧延と制御冷却を施す「低温靭性に優れた高張力鋼板の
製造方法」が開示されている。
には、Nbを含有した特定の化学組成を有する鋼に制御
圧延と制御冷却を施す「低温靭性に優れた高張力鋼板の
製造方法」が開示されている。
【0005】しかしながら、制御圧延を行う場合には圧
延機に大きな負荷がかかるため、強力な圧延設備を設け
る必要があって、膨大な設備投資を要する。更に、作業
能率が著しく低下するため、生産性が極めて低くなる。
しかも厚み(以下、板厚ともいう)の極めて厚い鋼板に
対して、その板厚中心部まで充分に細粒化することは容
易ではない。又、たとえ板厚中心部まで細粒化できた場
合でも、機械的特性の異方性が生ずるという問題は避け
られないものである。
延機に大きな負荷がかかるため、強力な圧延設備を設け
る必要があって、膨大な設備投資を要する。更に、作業
能率が著しく低下するため、生産性が極めて低くなる。
しかも厚み(以下、板厚ともいう)の極めて厚い鋼板に
対して、その板厚中心部まで充分に細粒化することは容
易ではない。又、たとえ板厚中心部まで細粒化できた場
合でも、機械的特性の異方性が生ずるという問題は避け
られないものである。
【0006】一方、制御圧延することなしに厚鋼板に高
い靭性を具備させるために、鋼を例えば1000℃のよ
うな低温で加熱した後に圧延することによって、オース
テナイト粒を細粒化することも試みられてきた。しか
し、低温加熱は加熱炉の能率を下げてしまうので生産面
で極めて不利である。更に、厚鋼板に対して所望の強度
を確保させ難いという問題がある。これらの理由から、
鋼を低温加熱後に圧延することで厚鋼板に高い靭性を付
与させようとする方法も実生産に適しているとは言い難
い。
い靭性を具備させるために、鋼を例えば1000℃のよ
うな低温で加熱した後に圧延することによって、オース
テナイト粒を細粒化することも試みられてきた。しか
し、低温加熱は加熱炉の能率を下げてしまうので生産面
で極めて不利である。更に、厚鋼板に対して所望の強度
を確保させ難いという問題がある。これらの理由から、
鋼を低温加熱後に圧延することで厚鋼板に高い靭性を付
与させようとする方法も実生産に適しているとは言い難
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、制御
圧延や低温加熱による圧延を行うことなしに、靭性に優
れた厚鋼板、なかでも均質で異方性の小さい強靭厚鋼板
を、高い生産性の下に製造する方法を提供することにあ
る。
圧延や低温加熱による圧延を行うことなしに、靭性に優
れた厚鋼板、なかでも均質で異方性の小さい強靭厚鋼板
を、高い生産性の下に製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、先ず次の事実に着目した。
題を解決するために、先ず次の事実に着目した。
【0009】(a)鋼板、なかでも厚鋼板に高い靭性を
付与するための組織微細化に制御圧延が必要となるの
は、オーステナイト粒を微細化する必要があるからで、
それは、オーステナイト−フェライト変態時にオーステ
ナイト粒界もしくは亜粒界がフェライト析出の起点とな
るからである。
付与するための組織微細化に制御圧延が必要となるの
は、オーステナイト粒を微細化する必要があるからで、
それは、オーステナイト−フェライト変態時にオーステ
ナイト粒界もしくは亜粒界がフェライト析出の起点とな
るからである。
【0010】(b)分散酸化物から粒内アシキュラーフ
ェライト(以下、「粒内アシキュラーフェライト」を
「AF」という)が析出した溶接金属の場合は、オース
テナイト粒は非常に粗大であるにも拘らず、低温靭性は
極めて良好である。これは、AFが粗大なオーステナイ
ト粒を分断して、脆性へき開破壊時の破面単位を小さく
することに基づく。
ェライト(以下、「粒内アシキュラーフェライト」を
「AF」という)が析出した溶接金属の場合は、オース
テナイト粒は非常に粗大であるにも拘らず、低温靭性は
極めて良好である。これは、AFが粗大なオーステナイ
ト粒を分断して、脆性へき開破壊時の破面単位を小さく
することに基づく。
【0011】この2点から、鋼塊に酸化物を分散させて
おき、この分散酸化物粒子からAFを析出させれば、制
御圧延や低温加熱後の圧延によるオーステナイト粒の微
細化に頼ることなく、AFのオーステナイト粒分断化作
用によって高靭性厚鋼板を製造できることが期待され
る。
おき、この分散酸化物粒子からAFを析出させれば、制
御圧延や低温加熱後の圧延によるオーステナイト粒の微
細化に頼ることなく、AFのオーステナイト粒分断化作
用によって高靭性厚鋼板を製造できることが期待され
る。
【0012】しかしながら、溶接金属とは異なり、厚鋼
板中の酸素量は100ppmに満たない微量である。こ
のため、上記した効果を発揮させ得る酸化物の分散状態
とすることは困難であった。
板中の酸素量は100ppmに満たない微量である。こ
のため、上記した効果を発揮させ得る酸化物の分散状態
とすることは困難であった。
【0013】本発明者らは、この困難を克服するため
に、鋼の脱酸条件を調整することによって、鋼中酸化物
の組成を様々に変化させた鋼塊を作製して試験を繰り返
した。その結果、上記した効果を発現する酸化物は、特
定の酸化物組成を有するものであり、その組成の酸化物
を鋼中に分散させた場合に限って、厚鋼板に優れた靭性
を付与できることが分かった。
に、鋼の脱酸条件を調整することによって、鋼中酸化物
の組成を様々に変化させた鋼塊を作製して試験を繰り返
した。その結果、上記した効果を発現する酸化物は、特
定の酸化物組成を有するものであり、その組成の酸化物
を鋼中に分散させた場合に限って、厚鋼板に優れた靭性
を付与できることが分かった。
【0014】本発明は、上記した酸化物の適正な組成、
鋼塊を熱間で加工する際の加熱及び加工の条件、並びに
冷却条件を検討することによって完成された。
鋼塊を熱間で加工する際の加熱及び加工の条件、並びに
冷却条件を検討することによって完成された。
【0015】ここに、本発明は、下記(1)〜(3)に
示す靭性に優れた厚鋼板の製造方法を要旨とする。
示す靭性に優れた厚鋼板の製造方法を要旨とする。
【0016】(1)少なくとも重量%で、C:0.01
〜0.25%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003
〜0.03%、Al:0.02%以下、O:0.001
〜0.007%を含み、且つ、下記の条件〜を満足
する酸化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、
1100℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、
あるいは1100℃以下の温度域での累積圧下率が30
%未満で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行
ってから、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷
却速度で550℃以下の温度域の温度まで冷却すること
を特徴とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
〜0.25%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003
〜0.03%、Al:0.02%以下、O:0.001
〜0.007%を含み、且つ、下記の条件〜を満足
する酸化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、
1100℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、
あるいは1100℃以下の温度域での累積圧下率が30
%未満で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行
ってから、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷
却速度で550℃以下の温度域の温度まで冷却すること
を特徴とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
【0017】酸化物を構成する全金属元素の中に占め
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% (2)少なくとも重量%で、C:0.01〜0.25
%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.03
%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.00
7%を含み、且つ、下記の条件、及びを満足する
酸化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、11
00℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、ある
いは1100℃以下の温度域での累積圧下率が30%未
満で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行って
から、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速
度で550℃以下の温度域の温度まで冷却することを特
徴とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% (2)少なくとも重量%で、C:0.01〜0.25
%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.03
%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.00
7%を含み、且つ、下記の条件、及びを満足する
酸化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、11
00℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、ある
いは1100℃以下の温度域での累積圧下率が30%未
満で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行って
から、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速
度で550℃以下の温度域の温度まで冷却することを特
徴とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
【0018】酸化物を構成する全金属元素の中に占め
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5 (3)少なくとも重量%で、C:0.01〜0.25
%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.03
%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.00
7%を含み、且つ、下記の条件〜を満足する酸化物
粒子、並びに、条件、及びを満足する酸化物粒子
が、10個/mm2 以上分散した鋼塊を、1100℃以
上の温度域の温度に加熱した後、直接に、あるいは11
00℃以下の温度域での累積圧下率が30%未満で仕上
げ温度が900℃以上である熱間圧延を行ってから、A
r3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速度で55
0℃以下の温度域の温度まで冷却することを特徴とする
靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5 (3)少なくとも重量%で、C:0.01〜0.25
%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.03
%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.00
7%を含み、且つ、下記の条件〜を満足する酸化物
粒子、並びに、条件、及びを満足する酸化物粒子
が、10個/mm2 以上分散した鋼塊を、1100℃以
上の温度域の温度に加熱した後、直接に、あるいは11
00℃以下の温度域での累積圧下率が30%未満で仕上
げ温度が900℃以上である熱間圧延を行ってから、A
r3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速度で55
0℃以下の温度域の温度まで冷却することを特徴とする
靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
【0019】酸化物を構成する全金属元素の中に占め
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5 ここで、「鋼塊」とは圧延、鍛造、押し出しなどの各工
程に供給される素材のことを言い、連続鋳造で製造さ
れ、分塊工程を省略して次の工程に供給される鋳片(連
鋳鋼片)をも含む。また、「厚鋼板」とは熱間圧延によ
って製造された厚み3.0mm以上の鋼板だけではな
く、後の実施例で示すような連続鋳造後の連鋳鋼片を加
熱・冷却しただけのものをも含む(表5の本発明例の鋼
7参照)。
る各金属元素の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)
+Mn(原子%)+Al(原子%)+[他の金属元素]
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5 ここで、「鋼塊」とは圧延、鍛造、押し出しなどの各工
程に供給される素材のことを言い、連続鋳造で製造さ
れ、分塊工程を省略して次の工程に供給される鋳片(連
鋳鋼片)をも含む。また、「厚鋼板」とは熱間圧延によ
って製造された厚み3.0mm以上の鋼板だけではな
く、後の実施例で示すような連続鋳造後の連鋳鋼片を加
熱・冷却しただけのものをも含む(表5の本発明例の鋼
7参照)。
【0020】なお、「圧下率」とは「厚み減少率(厚み
の減少量の、圧下前の厚みに対する割合)」のことを、
又、温度及び冷却速度はそれぞれ被処理材の表面におけ
る温度と冷却速度のことを指す。
の減少量の、圧下前の厚みに対する割合)」のことを、
又、温度及び冷却速度はそれぞれ被処理材の表面におけ
る温度と冷却速度のことを指す。
【0021】以下において、上記(1)〜(3)に記載
のものをそれぞれ(1)〜(3)の発明という。
のものをそれぞれ(1)〜(3)の発明という。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各要件について
詳しく説明する。
詳しく説明する。
【0023】(A)酸化物 先ず、酸化物が満たすべき条件について説明する。
【0024】図1は、本発明が規定する酸化物の組成範
囲を3元表示によって表した図面である。領域Aは、直
線1、2及び3によって囲まれており、(2)の発明及
び(3)の発明に挙げた組成範囲、すなわち酸化物組成
についての条件及びを同時に満たす範囲である。ま
た、領域Bは、直線4、5及び6によって囲まれ、
(1)の発明及び(3)の発明に挙げた組成範囲、すな
わち酸化物組成についての条件及びを同時に満たす
範囲である。条件は、後述するが、Al、Ti及びM
nのいずれでもない金属元素が酸化物に含まれたとき、
Al、Ti及びMnが満たすべき条件である。
囲を3元表示によって表した図面である。領域Aは、直
線1、2及び3によって囲まれており、(2)の発明及
び(3)の発明に挙げた組成範囲、すなわち酸化物組成
についての条件及びを同時に満たす範囲である。ま
た、領域Bは、直線4、5及び6によって囲まれ、
(1)の発明及び(3)の発明に挙げた組成範囲、すな
わち酸化物組成についての条件及びを同時に満たす
範囲である。条件は、後述するが、Al、Ti及びM
nのいずれでもない金属元素が酸化物に含まれたとき、
Al、Ti及びMnが満たすべき条件である。
【0025】なお、図1に記載された「atomic ratio
」は「原子数比」を表し、これを100倍すると「原
子%」となる。これは、後述する図3〜8においても同
じである。
」は「原子数比」を表し、これを100倍すると「原
子%」となる。これは、後述する図3〜8においても同
じである。
【0026】領域Aは、Al、Mn及びTiを主要な構
成元素とする酸化物で、Galaxite(Al2 MnO4 )は
この領域に属する。なお、本明細書において酸化物の組
成に言及する場合には、酸素は省略することとする。
成元素とする酸化物で、Galaxite(Al2 MnO4 )は
この領域に属する。なお、本明細書において酸化物の組
成に言及する場合には、酸素は省略することとする。
【0027】領域Bも、Al、Mn及びTiを主要な構
成元素とする酸化物で、領域AよりもTiの比率の高い
組成の領域を含む。
成元素とする酸化物で、領域AよりもTiの比率の高い
組成の領域を含む。
【0028】領域A及びBに共通する物性として、絶縁
体であるAl2 O3 やTi2 O3 に比べて、極めて高い
電気伝導度をもつことが挙げられる。領域A及びB以外
の領域C、D、E、F及びGの領域では、酸化物の電気
伝導度は小さい。したがって、組成以外に電気伝導度に
よっても、本発明に係る酸化物は特定でき、本発明に係
る酸化物の電気伝導度は、室温で1.0〜10(Ωc
m)-1あるいはそれ以上にも達するのに対して、例えば
領域Fのそれは10-2(Ωcm)-1以下である。
体であるAl2 O3 やTi2 O3 に比べて、極めて高い
電気伝導度をもつことが挙げられる。領域A及びB以外
の領域C、D、E、F及びGの領域では、酸化物の電気
伝導度は小さい。したがって、組成以外に電気伝導度に
よっても、本発明に係る酸化物は特定でき、本発明に係
る酸化物の電気伝導度は、室温で1.0〜10(Ωc
m)-1あるいはそれ以上にも達するのに対して、例えば
領域Fのそれは10-2(Ωcm)-1以下である。
【0029】本発明者らは、経験的に、高い電気伝導度
を有する酸化物は、フェライト又はAFの発生核として
作用するという事実を確認しており、本発明における酸
化物の組成範囲はこの事実と矛盾しない。AFほど効果
的ではないが、フェライト、特に粒内にある酸化物から
生成するフェライトには、組織の分断化作用があり、靭
性の向上に効果がある。
を有する酸化物は、フェライト又はAFの発生核として
作用するという事実を確認しており、本発明における酸
化物の組成範囲はこの事実と矛盾しない。AFほど効果
的ではないが、フェライト、特に粒内にある酸化物から
生成するフェライトには、組織の分断化作用があり、靭
性の向上に効果がある。
【0030】領域Bの組成範囲の酸化物は、単独で分散
している場合もあるが、領域Aの組成範囲の酸化物と複
合して複合粒子を形成している場合もある。どちらの場
合にも、酸化物粒子は、フェライト核及び/又はAF核
として機能する。
している場合もあるが、領域Aの組成範囲の酸化物と複
合して複合粒子を形成している場合もある。どちらの場
合にも、酸化物粒子は、フェライト核及び/又はAF核
として機能する。
【0031】以下、領域Aの組成を有する酸化物粒子
を、「A粒子」という。領域B、領域Cなどの組成を有
する酸化物粒子も、これに準じて、「B粒子」、「C粒
子」などという。又、上記した複合粒子を「複合(A+
B)粒子」と記す。(3)の発明では、「複合(A+
B)粒子」も酸化物粒子としてカウントの対象となる。
カウントは、後記する方法で行う。
を、「A粒子」という。領域B、領域Cなどの組成を有
する酸化物粒子も、これに準じて、「B粒子」、「C粒
子」などという。又、上記した複合粒子を「複合(A+
B)粒子」と記す。(3)の発明では、「複合(A+
B)粒子」も酸化物粒子としてカウントの対象となる。
カウントは、後記する方法で行う。
【0032】「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」
に、図1に示す組成範囲の「E粒子」もしくは「C粒
子」が付着する場合もあるが、この場合でも、これら複
合粒子(上記の表記法によれば「複合(B+E)粒子」
もしくは「複合(A+B+E)粒子」など)は、フェラ
イト及び/又はAFの発生核として機能する。しかし、
「E粒子」と「C粒子」は単独では、フェライト及び/
又はAFの核として機能せず、望ましい結果を得ること
はできない。
に、図1に示す組成範囲の「E粒子」もしくは「C粒
子」が付着する場合もあるが、この場合でも、これら複
合粒子(上記の表記法によれば「複合(B+E)粒子」
もしくは「複合(A+B+E)粒子」など)は、フェラ
イト及び/又はAFの発生核として機能する。しかし、
「E粒子」と「C粒子」は単独では、フェライト及び/
又はAFの核として機能せず、望ましい結果を得ること
はできない。
【0033】「F粒子」及び「G粒子」に関しては、図
1からも明らかなように、これら粒子を鋼中に形成する
のにAl量を抑えてMn量を過度に高める必要がある。
このため、鋼中の全酸素量が高くなり、靭性が劣化して
しまう。
1からも明らかなように、これら粒子を鋼中に形成する
のにAl量を抑えてMn量を過度に高める必要がある。
このため、鋼中の全酸素量が高くなり、靭性が劣化して
しまう。
【0034】「D粒子」は、理由は不明であるが、鋼中
に再現性良く形成させることが難しかった。このため、
本発明の範囲からは外した。
に再現性良く形成させることが難しかった。このため、
本発明の範囲からは外した。
【0035】「A粒子」及び「B粒子」の組成範囲の境
界を定める直線1、2、3、4、5及び6は、膨大な実
験の結果定められたものである。これらによって定めら
れる範囲を超えた範囲にあるものは、上記した特別の理
由を除いて、AF及び/又はフェライトの発生核として
働かないか、その作用が弱い。
界を定める直線1、2、3、4、5及び6は、膨大な実
験の結果定められたものである。これらによって定めら
れる範囲を超えた範囲にあるものは、上記した特別の理
由を除いて、AF及び/又はフェライトの発生核として
働かないか、その作用が弱い。
【0036】次に、「A粒子」及び/又は「B粒子」を
得るための精錬条件について説明する。
得るための精錬条件について説明する。
【0037】Al、Ti及びMnのO(酸素)との親和
力、つまり脱酸力はAlが最も大きく、次いでTi、M
nの順である。このため、Alを添加して溶存酸素濃度
を充分に下げた後でTiやMnを添加しても、TiやM
nは酸化物を形成しないので、酸化物中にTiやMnは
含有されない。一方、最初にTiを添加して溶存酸素濃
度を充分に下げた場合には、この後でMnやAlを添加
してもMnはMnは酸化物を形成しないので、Mnを酸
化物中に含有させることはできず、又、Alも酸化物中
に含有させ難くなる。
力、つまり脱酸力はAlが最も大きく、次いでTi、M
nの順である。このため、Alを添加して溶存酸素濃度
を充分に下げた後でTiやMnを添加しても、TiやM
nは酸化物を形成しないので、酸化物中にTiやMnは
含有されない。一方、最初にTiを添加して溶存酸素濃
度を充分に下げた場合には、この後でMnやAlを添加
してもMnはMnは酸化物を形成しないので、Mnを酸
化物中に含有させることはできず、又、Alも酸化物中
に含有させ難くなる。
【0038】したがって、Mn、Ti及びAlを、ほぼ
同時に溶鋼の最終脱酸に寄与させることが重要となる。
同時に溶鋼の最終脱酸に寄与させることが重要となる。
【0039】このため、「A粒子」及び/又は「B粒
子」を鋼中に形成させるためには、例えば、鋳込み直前
の溶鋼の組成として、約1%のMn量及び約0.01%
のTi量とした後、鋳込み直前に微量のAlを供給(添
加)し、鋳込み、凝固させる。ここで重要なことは、微
量のAlを溶鋼に含有させた後、溶鋼中にはなお10p
pm程度の溶存酸素が確保されるようにしなければなら
ないことである。このような処理を行えば、充分な量の
「A粒子」及び/又は「B粒子」が形成され、Ti量、
Al量及びMn量の割合に応じて、「A粒子」と「B粒
子」の形成量の割合が変化することとなる。
子」を鋼中に形成させるためには、例えば、鋳込み直前
の溶鋼の組成として、約1%のMn量及び約0.01%
のTi量とした後、鋳込み直前に微量のAlを供給(添
加)し、鋳込み、凝固させる。ここで重要なことは、微
量のAlを溶鋼に含有させた後、溶鋼中にはなお10p
pm程度の溶存酸素が確保されるようにしなければなら
ないことである。このような処理を行えば、充分な量の
「A粒子」及び/又は「B粒子」が形成され、Ti量、
Al量及びMn量の割合に応じて、「A粒子」と「B粒
子」の形成量の割合が変化することとなる。
【0040】なお、Alを予備脱酸での大まかな酸素コ
ントロールに使うこともできる。しかし、予備脱酸での
Al脱酸は、その後鋳込み直前にAlを溶鋼に微量添加
してなお10ppm程度の酸素が溶鋼中に残存する程度
にとどめておかなければならない。
ントロールに使うこともできる。しかし、予備脱酸での
Al脱酸は、その後鋳込み直前にAlを溶鋼に微量添加
してなお10ppm程度の酸素が溶鋼中に残存する程度
にとどめておかなければならない。
【0041】ところで、従来のAlキルド鋼における技
術思想は、AlによりOを酸化物として固定し、浮上さ
せて除去するものであった。このため、「A粒子」及び
/又は「B粒子」が形成される条件が満足されることは
なかった。Ti脱酸鋼でも、Alを上記した範囲に制御
することはなかったので、同様に「A粒子」及び/又は
「B粒子」が形成される条件が満たされることはなかっ
た。
術思想は、AlによりOを酸化物として固定し、浮上さ
せて除去するものであった。このため、「A粒子」及び
/又は「B粒子」が形成される条件が満足されることは
なかった。Ti脱酸鋼でも、Alを上記した範囲に制御
することはなかったので、同様に「A粒子」及び/又は
「B粒子」が形成される条件が満たされることはなかっ
た。
【0042】上記した鋳込み直前のAl添加に至る予備
脱酸の段階で、Al、Ca、Mg、Y、Zr、Hfなど
の脱酸元素を添加することは、鋳込み直前のAl添加の
際、これらの元素の溶鋼中の溶存量が5ppm以下で、
実質上不純物として取り扱える範囲内であれば許容され
る。この場合には、鋳込み直前に微量のAlを添加した
後に、なお10ppm程度の溶存酸素を確保できるから
である。
脱酸の段階で、Al、Ca、Mg、Y、Zr、Hfなど
の脱酸元素を添加することは、鋳込み直前のAl添加の
際、これらの元素の溶鋼中の溶存量が5ppm以下で、
実質上不純物として取り扱える範囲内であれば許容され
る。この場合には、鋳込み直前に微量のAlを添加した
後に、なお10ppm程度の溶存酸素を確保できるから
である。
【0043】「B粒子」は、Alを含有しないものは、
安定して鋼中に分散しない傾向がある。このため、Al
を0.5原子%(酸化物中のAl、Ti及びMnの和に
対する原子%をいう。すなわち、原子%で、Al(原子
%)+Ti(原子%)+Mn(原子%)=100原子%
とした場合の0.5原子%)以上は、含有していること
が好ましい。しかし、フェライト及び/又はAFの発生
の核はともかく、オーステナイト粒の微細化には、0.
5原子%未満でも有効なので、B粒子の範囲にAl量の
下限は設けない。
安定して鋼中に分散しない傾向がある。このため、Al
を0.5原子%(酸化物中のAl、Ti及びMnの和に
対する原子%をいう。すなわち、原子%で、Al(原子
%)+Ti(原子%)+Mn(原子%)=100原子%
とした場合の0.5原子%)以上は、含有していること
が好ましい。しかし、フェライト及び/又はAFの発生
の核はともかく、オーステナイト粒の微細化には、0.
5原子%未満でも有効なので、B粒子の範囲にAl量の
下限は設けない。
【0044】厚鋼板中で酸化物を構成する金属元素に
は、Al、Ti及びMnのほかに、Ca、Mg、Y、Z
r、Hfなどがある。これらのAl、Ti及びMn以外
の元素(以下、「Alなどを除く元素」という)が、酸
化物として鋼中に存在する場合は以下の3通りである。
は、Al、Ti及びMnのほかに、Ca、Mg、Y、Z
r、Hfなどがある。これらのAl、Ti及びMn以外
の元素(以下、「Alなどを除く元素」という)が、酸
化物として鋼中に存在する場合は以下の3通りである。
【0045】(a)「A粒子」又は「B粒子」に固溶状
態で存在する。
態で存在する。
【0046】(b)「A粒子」又は「B粒子」以外の酸
化物を形成して「A粒子」又は「B粒子」と複合粒子を
形成する。
化物を形成して「A粒子」又は「B粒子」と複合粒子を
形成する。
【0047】(c)「A粒子」又は「B粒子」以外の酸
化物を形成して「A粒子」又は「B粒子」と分離して存
在する。
化物を形成して「A粒子」又は「B粒子」と分離して存
在する。
【0048】(a)の状態について、Al、Ti、Mn
及びAlなどを除く元素を加算して、Alなどを除く元
素は、30原子%(原子%で、Al(原子%)+Ti
(原子%)+Mn(原子%)+[Alなどを除く元素=
他の金属元素](原子%)=100原子%とした場合の
30原子%)以下までは許容される。Alなどを除く元
素が30原子%以下であれば、「A粒子」及び「B粒
子」について本発明の条件が満足される限り、効果が発
揮することは確認された。Alなどを除く元素が、「A
粒子」又は「B粒子」中で30原子%以下まで許容され
ること、すなわちAl(原子%)+Ti(原子%)+M
n(原子%)が70原子%を超えることは、(1)〜
(3)の発明に挙げた酸化物に関する条件の内容に対
応する。
及びAlなどを除く元素を加算して、Alなどを除く元
素は、30原子%(原子%で、Al(原子%)+Ti
(原子%)+Mn(原子%)+[Alなどを除く元素=
他の金属元素](原子%)=100原子%とした場合の
30原子%)以下までは許容される。Alなどを除く元
素が30原子%以下であれば、「A粒子」及び「B粒
子」について本発明の条件が満足される限り、効果が発
揮することは確認された。Alなどを除く元素が、「A
粒子」又は「B粒子」中で30原子%以下まで許容され
ること、すなわちAl(原子%)+Ti(原子%)+M
n(原子%)が70原子%を超えることは、(1)〜
(3)の発明に挙げた酸化物に関する条件の内容に対
応する。
【0049】図2は、Al、Ti及びMnに加えて、C
a、Mgなどの「Alなどを除く元素」も含めた4元表
示において、本発明に係る「A粒子」及び「B粒子」の
組成範囲を示す図面である。図2中の平面7(斜線部)
が上記の条件の境界を定める。
a、Mgなどの「Alなどを除く元素」も含めた4元表
示において、本発明に係る「A粒子」及び「B粒子」の
組成範囲を示す図面である。図2中の平面7(斜線部)
が上記の条件の境界を定める。
【0050】Alなどを除く元素が酸化物として鋼中に
存在する状態が、前記の(b)及び(c)の場合であっ
ても、「A粒子」及び「B粒子」の組成が上記した範囲
内であり、分散密度が「A粒子」及び/又は「B粒子」
について10個/mm2 以上であれば良い。
存在する状態が、前記の(b)及び(c)の場合であっ
ても、「A粒子」及び「B粒子」の組成が上記した範囲
内であり、分散密度が「A粒子」及び/又は「B粒子」
について10個/mm2 以上であれば良い。
【0051】酸化物の分散密度は、凝固時の冷却速度で
調整することが可能である。前記冷却速度が大きいほど
分散密度は増える傾向にある。大型鋼塊の場合には、前
記の冷却速度を大きくすることが難しくなるので、分散
密度は減少する傾向を示す。
調整することが可能である。前記冷却速度が大きいほど
分散密度は増える傾向にある。大型鋼塊の場合には、前
記の冷却速度を大きくすることが難しくなるので、分散
密度は減少する傾向を示す。
【0052】充分な靭性を確保するためには、分散密度
として10個/mm2 以上を必要とする。上記した条件
によって、鋳込み直前の処理をし、その後鋳込み(鋳
造)を行って凝固させれば、分散密度10個/mm2 を
得ることは容易である。
として10個/mm2 以上を必要とする。上記した条件
によって、鋳込み直前の処理をし、その後鋳込み(鋳
造)を行って凝固させれば、分散密度10個/mm2 を
得ることは容易である。
【0053】「A粒子」もしくは「B粒子」、又は「複
合(A+B)粒子」が、10個/mm2 であることは、
以下に示す測定により決められる。
合(A+B)粒子」が、10個/mm2 であることは、
以下に示す測定により決められる。
【0054】鋼塊断面の研磨した任意の1mm×1mm
の正方形の部分を試料表面に定め(けがき針などでけが
く)、100倍の光学顕微鏡視野中でおよその酸化物分
布を把握して、各酸化物についてEDX(エネルギー分
散型X線分析装置)により、金属元素の組成を決める。
分析機能を備えた電子顕微鏡で抽出レプリカなどを観察
して析出物の組成を測定する場合にも、分析はEDXで
なされるので、基本的には本測定法が適用される。この
方法に限らず、別の測定方法を適用してもよい。
の正方形の部分を試料表面に定め(けがき針などでけが
く)、100倍の光学顕微鏡視野中でおよその酸化物分
布を把握して、各酸化物についてEDX(エネルギー分
散型X線分析装置)により、金属元素の組成を決める。
分析機能を備えた電子顕微鏡で抽出レプリカなどを観察
して析出物の組成を測定する場合にも、分析はEDXで
なされるので、基本的には本測定法が適用される。この
方法に限らず、別の測定方法を適用してもよい。
【0055】このような測定を、任意の1mm×1mm
の正方形の部分に対して5回行い、3回以上で「A粒
子」あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が
10個以上あれば、10個以上とした。また、「複合
(A+B)粒子」は、「A粒子」1個且つ「B粒子」1
個としてカウントする。
の正方形の部分に対して5回行い、3回以上で「A粒
子」あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が
10個以上あれば、10個以上とした。また、「複合
(A+B)粒子」は、「A粒子」1個且つ「B粒子」1
個としてカウントする。
【0056】(B)鋼の化学組成 次に、酸化物粒子も含めた鋼全体の化学組成について説
明する。以下の化学組成についての説明では、化学元素
の含有量の「%」はいずれも「重量%」での表示とす
る。又、酸化物を構成する金属元素であっても、ここで
表示する「%」は、鋼全体における「重量%」を表す。
明する。以下の化学組成についての説明では、化学元素
の含有量の「%」はいずれも「重量%」での表示とす
る。又、酸化物を構成する金属元素であっても、ここで
表示する「%」は、鋼全体における「重量%」を表す。
【0057】本発明が対象とする鋼は、少なくとも、
C:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜3%、T
i:0.003〜0.03%、Al:0.02%以下、
O:0.001〜0.007%を含んだものでなければ
ならない。これは、下記の理由による。
C:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜3%、T
i:0.003〜0.03%、Al:0.02%以下、
O:0.001〜0.007%を含んだものでなければ
ならない。これは、下記の理由による。
【0058】C:Cは、強度確保に必要な元素であり、
0.01%以上を含有させなければ実用的な強度を有す
る鋼を生産することはできない。一方、Cは脱酸元素で
あるため、酸化物の形成を阻害し、特にその含有量が
0.25%を超えると、Mnを含む酸化物粒子の形成を
著しく阻害してしまう。このため、C量の範囲を、0.
01〜0.25%とした。
0.01%以上を含有させなければ実用的な強度を有す
る鋼を生産することはできない。一方、Cは脱酸元素で
あるため、酸化物の形成を阻害し、特にその含有量が
0.25%を超えると、Mnを含む酸化物粒子の形成を
著しく阻害してしまう。このため、C量の範囲を、0.
01〜0.25%とした。
【0059】Mn:Mnは、強度確保に必要であり、且
つ予備脱酸や本発明で利用する酸化物の形成にも必要で
ある。しかし、その含有量が0.3%未満ではこれらの
効果を得ることができない。一方、3%を超えると溶接
熱影響部の靭性が大幅に劣化してしまう。したがって、
Mnの含有量を0.3〜3%とした。
つ予備脱酸や本発明で利用する酸化物の形成にも必要で
ある。しかし、その含有量が0.3%未満ではこれらの
効果を得ることができない。一方、3%を超えると溶接
熱影響部の靭性が大幅に劣化してしまう。したがって、
Mnの含有量を0.3〜3%とした。
【0060】Ti:Tiは、酸化物粒子の構成元素とし
て、又、高温延性を高めて連続鋳造で製造される鋼塊の
ひび割れを防止するのに必要である。しかし、その含有
量が0.003%未満ではこれらの効果が得られない。
一方、0.03%を超えると、AF及び/又はフェライ
ト核の発生には効かないTi2 O3 を増やし、靭性を劣
化させる。このため、Tiの含有量を0.003〜0.
03%とした。
て、又、高温延性を高めて連続鋳造で製造される鋼塊の
ひび割れを防止するのに必要である。しかし、その含有
量が0.003%未満ではこれらの効果が得られない。
一方、0.03%を超えると、AF及び/又はフェライ
ト核の発生には効かないTi2 O3 を増やし、靭性を劣
化させる。このため、Tiの含有量を0.003〜0.
03%とした。
【0061】Al:上記したように、Alを含まない
「B粒子」も本発明の酸化物粒子として有効であるた
め、Alの下限は特に定めない。しかし、ほとんど全て
の酸化物粒子はAlを含むので、Alは原則的には添加
する。しかし、その含有量が0.02%を超えると、酸
化物としてアルミナ(Al2 O3 )が大部分となる。こ
のため、Alの含有量を0.02%以下とした。
「B粒子」も本発明の酸化物粒子として有効であるた
め、Alの下限は特に定めない。しかし、ほとんど全て
の酸化物粒子はAlを含むので、Alは原則的には添加
する。しかし、その含有量が0.02%を超えると、酸
化物としてアルミナ(Al2 O3 )が大部分となる。こ
のため、Alの含有量を0.02%以下とした。
【0062】O:酸化物粒子を形成させるためには、O
を0.001%以上含有させる必要がある。一方、Oの
含有量が0.007%を超えると、Al、Tiなどによ
って充分にOを固定しても、清浄度が劣化して、実用的
な靭性を得ることができない。したがって、Oの含有量
を0.001〜0.007%とした。
を0.001%以上含有させる必要がある。一方、Oの
含有量が0.007%を超えると、Al、Tiなどによ
って充分にOを固定しても、清浄度が劣化して、実用的
な靭性を得ることができない。したがって、Oの含有量
を0.001〜0.007%とした。
【0063】本発明の対象とする鋼が、ベース成分であ
るFeと不可避不純物、及び上記のC〜O以外の成分を
含む場合については、以下に述べるように、Si:0.
6%以下、B:0.003%以下、Cu:2%以下、N
i:3%以下、Cr:1.5%以下、Mo:1.5%以
下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下、Zr:
0.02%以下、Ca:0.004%以下、Mg:0.
004%以下、Hf:0.02%以下、Y:0.02%
以下及び希土類元素(以下、Remという):0.02
%以下とすることが好ましい。
るFeと不可避不純物、及び上記のC〜O以外の成分を
含む場合については、以下に述べるように、Si:0.
6%以下、B:0.003%以下、Cu:2%以下、N
i:3%以下、Cr:1.5%以下、Mo:1.5%以
下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下、Zr:
0.02%以下、Ca:0.004%以下、Mg:0.
004%以下、Hf:0.02%以下、Y:0.02%
以下及び希土類元素(以下、Remという):0.02
%以下とすることが好ましい。
【0064】Si:Siは添加しなくても良い。添加す
れば、溶鋼の予備脱酸に有効であるので、Siで予備脱
酸する場合は添加しても良い。しかしながら、Siの含
有量が0.6%を超えると、溶接熱影響部における島状
マルテンサイトの生成を助長して靭性に悪影響を及ぼ
す。したがって、Siを添加する場合には、その含有量
を0.6%以下とするのが良い。
れば、溶鋼の予備脱酸に有効であるので、Siで予備脱
酸する場合は添加しても良い。しかしながら、Siの含
有量が0.6%を超えると、溶接熱影響部における島状
マルテンサイトの生成を助長して靭性に悪影響を及ぼ
す。したがって、Siを添加する場合には、その含有量
を0.6%以下とするのが良い。
【0065】B:Bは添加しなくても良い。添加すれば
オーステナイト粒界からのフェライト変態を抑制して焼
入れ性を向上させ、強度を高める作用がある。この効果
を確実に得るには、Bは0.00005%以上の含有量
とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.00
3%を超えると靭性が劣化する。このため、Bを添加す
る場合には、0.003%以下の含有量とするのが良
い。
オーステナイト粒界からのフェライト変態を抑制して焼
入れ性を向上させ、強度を高める作用がある。この効果
を確実に得るには、Bは0.00005%以上の含有量
とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.00
3%を超えると靭性が劣化する。このため、Bを添加す
る場合には、0.003%以下の含有量とするのが良
い。
【0066】Cu:Cuは、添加しなくても良い。添加
すれば、靭性を劣化させずに強度を上昇させることがで
きる。更に、適正量までであれば焼入れ性が向上しAF
の析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実に
得るには、Cuは0.1%以上の含有量とすることが好
ましい。しかし、その含有量が2%を超えると、却って
靭性の劣化をきたし、更に、熱間での加工の際、表面に
微小な割れを発生させてしまう。したがって、Cuを添
加する場合には、その含有量を2%以下とするのが良
い。
すれば、靭性を劣化させずに強度を上昇させることがで
きる。更に、適正量までであれば焼入れ性が向上しAF
の析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実に
得るには、Cuは0.1%以上の含有量とすることが好
ましい。しかし、その含有量が2%を超えると、却って
靭性の劣化をきたし、更に、熱間での加工の際、表面に
微小な割れを発生させてしまう。したがって、Cuを添
加する場合には、その含有量を2%以下とするのが良
い。
【0067】Ni:Niは、添加しなくても良い。添加
すれば、鋼そのもの(地鉄)の靭性を向上させることが
できる。更に、適正量までであれば焼入れ性が向上しA
Fの析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実
に得るには、Niは0.1%以上の含有量とすることが
好ましい。しかし、その含有量が3%を超えると、却っ
て靭性の劣化をきたし、更に、合金コストの上昇の割に
は靭性が向上しないので経済的に不利である。したがっ
て、Niを添加する場合には、その含有量を3%以下と
するのが良い。
すれば、鋼そのもの(地鉄)の靭性を向上させることが
できる。更に、適正量までであれば焼入れ性が向上しA
Fの析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実
に得るには、Niは0.1%以上の含有量とすることが
好ましい。しかし、その含有量が3%を超えると、却っ
て靭性の劣化をきたし、更に、合金コストの上昇の割に
は靭性が向上しないので経済的に不利である。したがっ
て、Niを添加する場合には、その含有量を3%以下と
するのが良い。
【0068】Cr:Crも添加しなくても良い。添加す
れば、強度を上昇し、適正量までであれば焼入れ性が向
上しAFの析出を促進する作用も有する。これらの効果
を確実に得るには、Crは0.05%以上の含有量とす
ることが好ましい。しかし、その含有量が1.5%を超
えると、却って靭性の劣化をきたし、更に、溶接熱影響
部に硬化した組織を形成し靭性を劣化させてしまう。し
たがって、Crを添加する場合には、1.5%以下の含
有量とするのが良い。
れば、強度を上昇し、適正量までであれば焼入れ性が向
上しAFの析出を促進する作用も有する。これらの効果
を確実に得るには、Crは0.05%以上の含有量とす
ることが好ましい。しかし、その含有量が1.5%を超
えると、却って靭性の劣化をきたし、更に、溶接熱影響
部に硬化した組織を形成し靭性を劣化させてしまう。し
たがって、Crを添加する場合には、1.5%以下の含
有量とするのが良い。
【0069】Mo:Moは添加しなくても良い。添加す
れば、焼入れ性を高め、強度の上昇に有効である。更
に、適正量までであればAFの析出を促進する作用も有
する。これらの効果を確実に得るには、Moは0.05
%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含
有量が1.5%を超えると、却って溶接熱影響部の靭性
を劣化させてしまう。したがって、Moを添加する場合
には、その含有量を1.5%以下とするのが良い。
れば、焼入れ性を高め、強度の上昇に有効である。更
に、適正量までであればAFの析出を促進する作用も有
する。これらの効果を確実に得るには、Moは0.05
%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含
有量が1.5%を超えると、却って溶接熱影響部の靭性
を劣化させてしまう。したがって、Moを添加する場合
には、その含有量を1.5%以下とするのが良い。
【0070】Nb:Nbは添加しなくても良い。添加す
れば、組織の微細化、焼入れ性の向上及び析出硬化によ
る強度上昇に有効である。更に、適正量までであればA
Fの析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実
に得るには、Nbは0.005%以上の含有量とするこ
とが好ましい。しかし、その含有量が0.25%を超え
ると、却って靭性の劣化をもたらす。したがって、Nb
を添加する場合には、その含有量を0.25%以下とす
るのが良い。
れば、組織の微細化、焼入れ性の向上及び析出硬化によ
る強度上昇に有効である。更に、適正量までであればA
Fの析出を促進する作用も有する。これらの効果を確実
に得るには、Nbは0.005%以上の含有量とするこ
とが好ましい。しかし、その含有量が0.25%を超え
ると、却って靭性の劣化をもたらす。したがって、Nb
を添加する場合には、その含有量を0.25%以下とす
るのが良い。
【0071】V:Vは添加しなくても良い。添加すれ
ば、、焼入れ性の向上及び析出硬化による強度上昇に有
効である。更に、適正量までであればAFの析出を促進
する作用も有する。これらの効果を確実に得るには、V
は0.005%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.5%を超えると、却って靭性の
著しい劣化をもたらす。したがって、Vを添加する場合
には、0.5%以下の含有量とするのが良い。
ば、、焼入れ性の向上及び析出硬化による強度上昇に有
効である。更に、適正量までであればAFの析出を促進
する作用も有する。これらの効果を確実に得るには、V
は0.005%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.5%を超えると、却って靭性の
著しい劣化をもたらす。したがって、Vを添加する場合
には、0.5%以下の含有量とするのが良い。
【0072】Zr:Zrは添加しなくても良い。Alな
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Zr
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.02%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Zrを添加する場合には、0.02%以下の含有
量とするのが良い。
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Zr
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.02%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Zrを添加する場合には、0.02%以下の含有
量とするのが良い。
【0073】Ca:Caは添加しなくても良い。Alな
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Ca
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.004%を超えると、「A粒
子」あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が
得られないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。し
たがって、Caを添加する場合には、その含有量を0.
004%以下とするのが良い。
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Ca
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.004%を超えると、「A粒
子」あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が
得られないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。し
たがって、Caを添加する場合には、その含有量を0.
004%以下とするのが良い。
【0074】Mg:Mgは添加しなくても良い。Alな
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。この効果を確実に得るには、Mgは0.
0001%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、その含有量が0.004%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Mgを添加する場合には、0.004%以下の含
有量とするのが良い。
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。この効果を確実に得るには、Mgは0.
0001%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、その含有量が0.004%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Mgを添加する場合には、0.004%以下の含
有量とするのが良い。
【0075】Hf:Hfは添加しなくても良い。Alな
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Hf
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.02%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Hfを添加する場合には、0.02%以下の含有
量とするのが良い。
どの添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、
「B粒子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増す
ことができる。更に、過剰なSを硫化物として固定する
効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Hf
は0.001%以上の含有量とすることが好ましい。し
かし、その含有量が0.02%を超えると、「A粒子」
あるいは「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得ら
れないし、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したが
って、Hfを添加する場合には、0.02%以下の含有
量とするのが良い。
【0076】Y:Yも添加しなくても良い。Alなどの
添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、「B粒
子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増すことが
できる。更に、過剰なSを硫化物として固定する効果も
得られる。これらの効果を確実に得るには、Yは0.0
01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、そ
の含有量が0.02%を超えると、「A粒子」あるいは
「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得られない
し、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したがって、
Yを添加する場合には、その含有量を0.02%以下と
するのが良い。
添加に先だって溶鋼に添加すれば、「A粒子」、「B粒
子」や「複合(A+B)粒子」の分散密度を増すことが
できる。更に、過剰なSを硫化物として固定する効果も
得られる。これらの効果を確実に得るには、Yは0.0
01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、そ
の含有量が0.02%を超えると、「A粒子」あるいは
「B粒子」又は「複合(A+B)粒子」が得られない
し、鋼の清浄度も大きく低下してしまう。したがって、
Yを添加する場合には、その含有量を0.02%以下と
するのが良い。
【0077】Rem:Rem(希土類元素)は添加しな
くても良い。Alなどの添加に先だって溶鋼に添加すれ
ば、「A粒子」、「B粒子」や「複合(A+B)粒子」
の分散密度を増すことができる。更に、過剰なSを硫化
物として固定する効果も得られる。これらの効果を確実
に得るには、Remは0.0005%以上の含有量とす
ることが好ましい。しかし、その含有量が0.02%を
超えると、「A粒子」あるいは「B粒子」又は「複合
(A+B)粒子」が得られないし、鋼の清浄度も大きく
低下してしまう。したがって、Remを添加する場合に
は、その含有量を0.02%以下とするのが良い。な
お、Remは、例えばそれが混合した状態(所謂「ミッ
シュメタル」)で添加しても良いし、Ce、Ndなどの
分離したものを添加しても良い。
くても良い。Alなどの添加に先だって溶鋼に添加すれ
ば、「A粒子」、「B粒子」や「複合(A+B)粒子」
の分散密度を増すことができる。更に、過剰なSを硫化
物として固定する効果も得られる。これらの効果を確実
に得るには、Remは0.0005%以上の含有量とす
ることが好ましい。しかし、その含有量が0.02%を
超えると、「A粒子」あるいは「B粒子」又は「複合
(A+B)粒子」が得られないし、鋼の清浄度も大きく
低下してしまう。したがって、Remを添加する場合に
は、その含有量を0.02%以下とするのが良い。な
お、Remは、例えばそれが混合した状態(所謂「ミッ
シュメタル」)で添加しても良いし、Ce、Ndなどの
分離したものを添加しても良い。
【0078】更に、不可避不純物元素としてのP、S及
びNに関しては、以下に述べるようにP:0.03%以
下、S:0.01%以下、N:0.01%以下とするこ
とが好ましい。
びNに関しては、以下に述べるようにP:0.03%以
下、S:0.01%以下、N:0.01%以下とするこ
とが好ましい。
【0079】P:Pは、溶接熱影響部における粒界割れ
の原因となり、特にその含有量が0.03%を超ると、
溶接熱影響部における粒界割れの発生が著しくなる。し
たがって、P含有量の上限を0.03%とすることが好
ましい。なお、不純物としてのPは可及的に低くするこ
とが望ましい。
の原因となり、特にその含有量が0.03%を超ると、
溶接熱影響部における粒界割れの発生が著しくなる。し
たがって、P含有量の上限を0.03%とすることが好
ましい。なお、不純物としてのPは可及的に低くするこ
とが望ましい。
【0080】S:Sは、溶接高温割れの原因となり、
又、MnSの形態をとるものが破壊の起点になり、特に
その含有量が0.01%を超えると悪影響が著しくな
る。したがって、不純物元素としてのS含有量の上限を
0.01%とすることが好ましい。なお、鋼塊の偏析軽
減のために、Sは0.005%未満とすることがより望
ましい。
又、MnSの形態をとるものが破壊の起点になり、特に
その含有量が0.01%を超えると悪影響が著しくな
る。したがって、不純物元素としてのS含有量の上限を
0.01%とすることが好ましい。なお、鋼塊の偏析軽
減のために、Sは0.005%未満とすることがより望
ましい。
【0081】N:Nは、多量に含有させると鋼の靭性が
低下してしまう。通常は、鋼にTiを添加してTiNと
して固定して無害化するが、Nの含有量が0.01%を
超えると、Ti量によらず溶接熱影響部の靭性を劣化さ
せてしまう。したがって、不純物元素としてのN含有量
の上限を0.01%とすることが好ましい。なお、Nの
含有量を0.0005%未満にまで低減することは、実
生産上は非常に困難であり、コストが嵩んで経済性の面
で不利である。したがって、N含有量の下限は0.00
05%とすることが好ましい。
低下してしまう。通常は、鋼にTiを添加してTiNと
して固定して無害化するが、Nの含有量が0.01%を
超えると、Ti量によらず溶接熱影響部の靭性を劣化さ
せてしまう。したがって、不純物元素としてのN含有量
の上限を0.01%とすることが好ましい。なお、Nの
含有量を0.0005%未満にまで低減することは、実
生産上は非常に困難であり、コストが嵩んで経済性の面
で不利である。したがって、N含有量の下限は0.00
05%とすることが好ましい。
【0082】ところで、所望の厚鋼板において、単にA
l、Ti及びMnの含有量が重複しても、鋼中の酸化物
組成は同一にならない。これは、酸化物の組成が脱酸元
素の添加順序に大きく影響されるからである。そして、
本発明においては、既に述べたような方法でMn、Ti
及びAlを、ほぼ同時に最終脱酸に寄与させて、「A粒
子」、「B粒子」や「複合(A+B)粒子」を晶出させ
ることがポイントとなるのである。
l、Ti及びMnの含有量が重複しても、鋼中の酸化物
組成は同一にならない。これは、酸化物の組成が脱酸元
素の添加順序に大きく影響されるからである。そして、
本発明においては、既に述べたような方法でMn、Ti
及びAlを、ほぼ同時に最終脱酸に寄与させて、「A粒
子」、「B粒子」や「複合(A+B)粒子」を晶出させ
ることがポイントとなるのである。
【0083】(C)加熱、圧延及び圧延後の冷却 次いで、加熱、圧延及び圧延後の冷却の条件について説
明する。
明する。
【0084】本発明においては、圧延による組織の微細
化には多くを期待しない。すなわち、圧延に対しては、
これを行っても、鋼塊中のポロシティーをつぶす程度の
効果しか期待しない。このため、例えば連続鋳造で製造
された厚さ100mm以下の薄い鋼塊からも所望の厚鋼
板を製造することができる。
化には多くを期待しない。すなわち、圧延に対しては、
これを行っても、鋼塊中のポロシティーをつぶす程度の
効果しか期待しない。このため、例えば連続鋳造で製造
された厚さ100mm以下の薄い鋼塊からも所望の厚鋼
板を製造することができる。
【0085】先ず、鋼塊の加熱温度が1100℃未満で
あると、AFが析出しにくくなるため、却って組織が粗
大化し、靭性が劣化してしまう。したがって、鋼塊の加
熱温度を1100℃以上とした。
あると、AFが析出しにくくなるため、却って組織が粗
大化し、靭性が劣化してしまう。したがって、鋼塊の加
熱温度を1100℃以上とした。
【0086】本発明者らの研究によれば、鋼塊を高温加
熱してオーステナイト粒を粗大化させ、次に適正な条件
で加工と冷却を行うことで、所要の厚鋼板の組織は微細
になり、靭性が向上することが判明した。具体的には、
1400℃に加熱しても、加工条件と冷却条件が適正で
あれば、微細な組織を有して靭性の優れた厚鋼板を得る
ことができる。
熱してオーステナイト粒を粗大化させ、次に適正な条件
で加工と冷却を行うことで、所要の厚鋼板の組織は微細
になり、靭性が向上することが判明した。具体的には、
1400℃に加熱しても、加工条件と冷却条件が適正で
あれば、微細な組織を有して靭性の優れた厚鋼板を得る
ことができる。
【0087】なお、所望の厚鋼板を製造するに際して、
一層の生産性の向上とコスト低減を図るために、素材で
ある鋼塊として、例えば連続鋳造スラブなどの連鋳鋼片
を用い、鋳造後直ちに所定の温度に保持、あるいは高温
に再加熱して圧延することが好ましい。本発明における
「加熱」とは、このように素材である鋼塊の保有する熱
を利用して保持する所謂「保熱」をも含む。
一層の生産性の向上とコスト低減を図るために、素材で
ある鋼塊として、例えば連続鋳造スラブなどの連鋳鋼片
を用い、鋳造後直ちに所定の温度に保持、あるいは高温
に再加熱して圧延することが好ましい。本発明における
「加熱」とは、このように素材である鋼塊の保有する熱
を利用して保持する所謂「保熱」をも含む。
【0088】次に、圧延は組織の微細化を主たる目的と
しないため、低温での圧延は行わない。中途半端にオー
ステナイト粒を微細化した場合、オーステナイト粒界面
積の比率が増大して、AFが析出しにくくなるため、却
って組織が粗大化し、靭性が劣化してしまうからであ
る。むしろ、高温域で軽圧下とする方が靭性は良好で、
且つ制御圧延などの方法に比べて生産性が大きく向上す
る。このため、本発明における圧延は1100℃以下の
温度域での累積圧下率が30%未満で、仕上げ温度が9
00℃以上のものに限定する。
しないため、低温での圧延は行わない。中途半端にオー
ステナイト粒を微細化した場合、オーステナイト粒界面
積の比率が増大して、AFが析出しにくくなるため、却
って組織が粗大化し、靭性が劣化してしまうからであ
る。むしろ、高温域で軽圧下とする方が靭性は良好で、
且つ制御圧延などの方法に比べて生産性が大きく向上す
る。このため、本発明における圧延は1100℃以下の
温度域での累積圧下率が30%未満で、仕上げ温度が9
00℃以上のものに限定する。
【0089】1100℃以下での温度域での累積圧下率
が30%以上であると、AFが析出しにくくなるため、
却って組織が粗大化し、靭性が劣化してしまう。仕上げ
温度が900℃未満の場合には、加工を受けた未再結晶
オーステナイト粒が存在する状態で変態させることにな
るため、異方性が大きくなる。なお、1100℃を超え
る温度域での圧下率に関しては制限はない。
が30%以上であると、AFが析出しにくくなるため、
却って組織が粗大化し、靭性が劣化してしまう。仕上げ
温度が900℃未満の場合には、加工を受けた未再結晶
オーステナイト粒が存在する状態で変態させることにな
るため、異方性が大きくなる。なお、1100℃を超え
る温度域での圧下率に関しては制限はない。
【0090】本発明においては、鋼塊を加熱するだけ、
すなわち圧延を行わなくても(圧下率が0)、靭性に優
れた厚鋼板が得られる。したがって、上記の1100℃
以下の温度域での累積圧下率の下限は0であっても良
い。
すなわち圧延を行わなくても(圧下率が0)、靭性に優
れた厚鋼板が得られる。したがって、上記の1100℃
以下の温度域での累積圧下率の下限は0であっても良
い。
【0091】圧延後は、Ar3 点以上の温度から2〜5
0℃/秒の冷却速度で550℃以下の温度域の温度
(T)まで冷却しなければならない。
0℃/秒の冷却速度で550℃以下の温度域の温度
(T)まで冷却しなければならない。
【0092】冷却開始温度がAr3 点を下回る場合に
は、粗大なフェライトが生成して、強度及び靭性が劣化
する。
は、粗大なフェライトが生成して、強度及び靭性が劣化
する。
【0093】圧延後の冷却速度が2℃/秒未満の場合に
は、粗大なフェライトが生成し、強度と靭性が劣化す
る。この冷却速度が大きくなるに従って、AF組織か
ら、AFとベイナイトの混合組織もしくはAFとマルテ
ンサイトの混合組織へと変化して行く。しかし、前記の
冷却速度が50℃/秒を超えると、上記混合組織におけ
るベイナイトもしくはマルテンサイトの割合が高くなっ
て、酸化物分散による組織微細化の効果が失われてしま
う。したがって、圧延後の冷却速度は50℃/秒を上限
とする。
は、粗大なフェライトが生成し、強度と靭性が劣化す
る。この冷却速度が大きくなるに従って、AF組織か
ら、AFとベイナイトの混合組織もしくはAFとマルテ
ンサイトの混合組織へと変化して行く。しかし、前記の
冷却速度が50℃/秒を超えると、上記混合組織におけ
るベイナイトもしくはマルテンサイトの割合が高くなっ
て、酸化物分散による組織微細化の効果が失われてしま
う。したがって、圧延後の冷却速度は50℃/秒を上限
とする。
【0094】なお、通常の板厚の厚鋼板に対して、圧延
後の2〜50℃/秒の冷却速度は、水冷などの通常の冷
却手段で容易に達成できる値である。
後の2〜50℃/秒の冷却速度は、水冷などの通常の冷
却手段で容易に達成できる値である。
【0095】上記の2〜50℃/秒の冷却速度による冷
却の停止温度が550℃を超える場合には、粗大フェラ
イトが生成し易くなりAFが充分に析出せず、靭性の確
保が困難になる。したがって、550℃以下の温度域の
温度(T)まで冷却する必要がある。なお、前記の温度
Tの下限は300℃程度であれば充分で、厚鋼板に一層
良好な強靭性を付与させるためには、これ以下の温度域
は所謂「空冷」以下の冷却速度での冷却とすることが好
ましい。
却の停止温度が550℃を超える場合には、粗大フェラ
イトが生成し易くなりAFが充分に析出せず、靭性の確
保が困難になる。したがって、550℃以下の温度域の
温度(T)まで冷却する必要がある。なお、前記の温度
Tの下限は300℃程度であれば充分で、厚鋼板に一層
良好な強靭性を付与させるためには、これ以下の温度域
は所謂「空冷」以下の冷却速度での冷却とすることが好
ましい。
【0096】
【実施例】表1及び表2は、本発明例及び比較例の化学
組成を表す一覧表である。本発明例に用いた鋼 1〜 8及
び17〜22の化学組成は酸化物を構成する元素を除いて、
比較例に用いた鋼 9〜16及び28〜33のそれぞれに対応さ
せて、ほぼ一致するように配置してある。又、鋼23〜27
は比較例に用いた鋼34とほぼ同一の組成を持つ。鋼23〜
27は、本発明で規定する範囲内の酸化物組成を有する
が、酸化物に含まれるAlなどの元素を変化させてあ
る。なお、表1及び表2において、本発明で規定する範
囲外となる組成は、鋼11のTi量と鋼34のS量である。
組成を表す一覧表である。本発明例に用いた鋼 1〜 8及
び17〜22の化学組成は酸化物を構成する元素を除いて、
比較例に用いた鋼 9〜16及び28〜33のそれぞれに対応さ
せて、ほぼ一致するように配置してある。又、鋼23〜27
は比較例に用いた鋼34とほぼ同一の組成を持つ。鋼23〜
27は、本発明で規定する範囲内の酸化物組成を有する
が、酸化物に含まれるAlなどの元素を変化させてあ
る。なお、表1及び表2において、本発明で規定する範
囲外となる組成は、鋼11のTi量と鋼34のS量である。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】本発明例に用いた鋼では、鋼中の酸化物に
は複数の種類が共存し、しばしば2〜3種類の酸化物が
互いに付着した、差し渡し0.5〜10μm程度の複合
粒子として分散していた。この複合粒子を構成する各々
の酸化物粒子の組成をEDX分析により分析した。又、
0.5μm以下の大きさの粒子については、抽出レプリ
カを採取して透過電子顕微鏡にて観察したが、このよう
な微細な粒子は大部分が炭窒化物であり、酸化物は極め
て希であった。酸化物粒子の大部分は、200倍の光学
顕微鏡の視野内で、それと識別することができるもので
ある。
は複数の種類が共存し、しばしば2〜3種類の酸化物が
互いに付着した、差し渡し0.5〜10μm程度の複合
粒子として分散していた。この複合粒子を構成する各々
の酸化物粒子の組成をEDX分析により分析した。又、
0.5μm以下の大きさの粒子については、抽出レプリ
カを採取して透過電子顕微鏡にて観察したが、このよう
な微細な粒子は大部分が炭窒化物であり、酸化物は極め
て希であった。酸化物粒子の大部分は、200倍の光学
顕微鏡の視野内で、それと識別することができるもので
ある。
【0100】なお、酸化物のEDX分析においてSが検
出された場合は、全てMnSを形成していると見なして
EDXから求めたMnの測定値から、この分を補正して
酸化物中のMn量とした。
出された場合は、全てMnSを形成していると見なして
EDXから求めたMnの測定値から、この分を補正して
酸化物中のMn量とした。
【0101】表3及び表4は、これらの鋼の鋼塊中の酸
化物の分析結果である。同表において、「A粒子」及び
「B粒子」の(Al+Ti+Mn)などの組成は、「A
粒子」又は「B粒子」について分析した各分析粒子の平
均値を表す。表3及び表4において、全ての比較例は
「A粒子」及び「B粒子」の分散密度が本発明で規定す
る範囲外にある。
化物の分析結果である。同表において、「A粒子」及び
「B粒子」の(Al+Ti+Mn)などの組成は、「A
粒子」又は「B粒子」について分析した各分析粒子の平
均値を表す。表3及び表4において、全ての比較例は
「A粒子」及び「B粒子」の分散密度が本発明で規定す
る範囲外にある。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】表5及び表6に、鋼塊の加熱・圧延条件及
びその後の冷却条件、それに厚鋼板の状態での機械的性
質を一覧表にして示す。素材である鋼塊としては厚さ5
0〜200mmの連鋳鋼片(連続鋳造スラブ)を、厚鋼
板としては厚さ32〜130mmのものを選んだ。な
お、表5及び6の水冷終了温度以下の温度域の冷却は空
冷とした。
びその後の冷却条件、それに厚鋼板の状態での機械的性
質を一覧表にして示す。素材である鋼塊としては厚さ5
0〜200mmの連鋳鋼片(連続鋳造スラブ)を、厚鋼
板としては厚さ32〜130mmのものを選んだ。な
お、表5及び6の水冷終了温度以下の温度域の冷却は空
冷とした。
【0105】機械的性質は、JIS4号試験片を用いた
引張試験及び衝撃試験により評価した。
引張試験及び衝撃試験により評価した。
【0106】図3、4及び5は、それぞれ本発明例であ
る鋼21、 8及び 4の鋼塊中の各酸化物の組成を3元表示
した図面である。これに対して、図6、7及び8は、そ
れぞれ比較例である鋼10、14、及び11の鋼塊中の各酸化
物の組成を3元表示した図面である。酸化物は任意に選
んだものである。これらの図中の各点(□及び○)は、
1個の酸化物に対応する。点□は、その酸化物の組成が
本発明で規定する範囲内の組成であることを示し、又、
点○は、その酸化物の組成が本発明で規定する組成の範
囲外であることを示す。
る鋼21、 8及び 4の鋼塊中の各酸化物の組成を3元表示
した図面である。これに対して、図6、7及び8は、そ
れぞれ比較例である鋼10、14、及び11の鋼塊中の各酸化
物の組成を3元表示した図面である。酸化物は任意に選
んだものである。これらの図中の各点(□及び○)は、
1個の酸化物に対応する。点□は、その酸化物の組成が
本発明で規定する範囲内の組成であることを示し、又、
点○は、その酸化物の組成が本発明で規定する組成の範
囲外であることを示す。
【0107】図3、4及び5の場合には、本発明に係る
酸化物組成を有する粒子(「A粒子」及び「B粒子」)
が、極めて高い比率で存在することが分かる。すなわ
ち、上記した精錬の条件(Mn、Ti及びAlによる脱
酸条件)を行った場合、生成する大部分の酸化物は、
「A粒子」及び/又は「B粒子」であることが分かる。
又、表3及び表4に示すように、「A粒子」及び「B粒
子」の密度は本発明例のものは、いずれも本発明で規定
する範囲にある。これは、鋳込み直前に微量のAlを添
加した後、前記した溶存酸素濃度であり、且つ前記した
凝固後の冷却速度を満足したからである。
酸化物組成を有する粒子(「A粒子」及び「B粒子」)
が、極めて高い比率で存在することが分かる。すなわ
ち、上記した精錬の条件(Mn、Ti及びAlによる脱
酸条件)を行った場合、生成する大部分の酸化物は、
「A粒子」及び/又は「B粒子」であることが分かる。
又、表3及び表4に示すように、「A粒子」及び「B粒
子」の密度は本発明例のものは、いずれも本発明で規定
する範囲にある。これは、鋳込み直前に微量のAlを添
加した後、前記した溶存酸素濃度であり、且つ前記した
凝固後の冷却速度を満足したからである。
【0108】表5及び表6にまとめられた機械的性質か
ら、本発明では同一強度で比較して優れた靭性が得られ
ているのに対して、比較例では酸化物は分散しているも
のの、靭性は劣悪であることが明瞭である。比較例で靭
性が劣悪である理由は、これらの鋼の鋼塊に分散する酸
化物が、Ti酸化物あるいはTiAl酸化物であるから
で、これらの酸化物はフェライト及びAFの発生核とし
て機能しないためである。
ら、本発明では同一強度で比較して優れた靭性が得られ
ているのに対して、比較例では酸化物は分散しているも
のの、靭性は劣悪であることが明瞭である。比較例で靭
性が劣悪である理由は、これらの鋼の鋼塊に分散する酸
化物が、Ti酸化物あるいはTiAl酸化物であるから
で、これらの酸化物はフェライト及びAFの発生核とし
て機能しないためである。
【0109】図6に示す比較例としての鋼10の鋼塊にお
いては、Al添加後の溶存酸素濃度が小さかったため、
Mnを含まない、Al及びTiを主体とした酸化物が形
成されており、靭性は芳しくない。
いては、Al添加後の溶存酸素濃度が小さかったため、
Mnを含まない、Al及びTiを主体とした酸化物が形
成されており、靭性は芳しくない。
【0110】図7に示す比較例としての鋼14の鋼塊にお
いては、Al量が少なかったために、酸化物は電気抵抗
の極めて高いTi2 O3 に近い組成の物が大部分とな
り、やはり靭性は不芳である。
いては、Al量が少なかったために、酸化物は電気抵抗
の極めて高いTi2 O3 に近い組成の物が大部分とな
り、やはり靭性は不芳である。
【0111】図8に示す比較例としての鋼11の鋼塊にお
いては、Ti量が本発明の範囲外であり、脱酸時のAl
添加量が少ないためにMnを主体とする酸化物が形成さ
れ、靭性が劣化している。
いては、Ti量が本発明の範囲外であり、脱酸時のAl
添加量が少ないためにMnを主体とする酸化物が形成さ
れ、靭性が劣化している。
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】表7は、上記した本発明例に用いた鋼 3の
鋼塊に対して、本発明法と本発明で規定する範囲外の圧
延条件と冷却(水冷)条件の場合について、機械的性質
の異方性を比較したものである。なお、表7の水冷終了
温度以下の温度域の冷却は空冷とした。
鋼塊に対して、本発明法と本発明で規定する範囲外の圧
延条件と冷却(水冷)条件の場合について、機械的性質
の異方性を比較したものである。なお、表7の水冷終了
温度以下の温度域の冷却は空冷とした。
【0115】異方性の有無を調査した結果を示す表7に
よれば、本発明法によれば、Z方向(板面直角方向)に
わずかに異方性が残るものの、試験片採取方向依存性の
小さい均質な特性が得られていることが明らかである。
よれば、本発明法によれば、Z方向(板面直角方向)に
わずかに異方性が残るものの、試験片採取方向依存性の
小さい均質な特性が得られていることが明らかである。
【0116】これに対して、比較例の場合には圧延仕上
げ温度が770℃と低く、更に冷却開始温度もAr3 点
(750℃)を下回るため、機械的性質に異方性が認め
られる。
げ温度が770℃と低く、更に冷却開始温度もAr3 点
(750℃)を下回るため、機械的性質に異方性が認め
られる。
【0117】
【表7】
【0118】
【発明の効果】本発明により、制御圧延や低温加熱など
の細粒化手段を用いることなしに、AF及び/又はフェ
ライトによる組織分断化作用によって、靭性に優れた厚
鋼板を、それも均質で異方性の小さい強靭厚鋼板を、高
い生産性の下に製造することができる。したがって、本
発明の産業上の効果は大きい。
の細粒化手段を用いることなしに、AF及び/又はフェ
ライトによる組織分断化作用によって、靭性に優れた厚
鋼板を、それも均質で異方性の小さい強靭厚鋼板を、高
い生産性の下に製造することができる。したがって、本
発明の産業上の効果は大きい。
【図1】本発明が規定する酸化物の組成範囲を3元表示
によって示す図である。
によって示す図である。
【図2】Al、Ti及びMnに加えて、Ca、Mg、Z
r、Hf、Y、RemのAlなどを除く元素もふくめた
4元表示において、本発明に係る「A粒子」及び「B粒
子」の組成範囲を示す図である。
r、Hf、Y、RemのAlなどを除く元素もふくめた
4元表示において、本発明に係る「A粒子」及び「B粒
子」の組成範囲を示す図である。
【図3】本発明例である鋼21の鋼塊中の各酸化物の組成
を3元表示した図である。
を3元表示した図である。
【図4】本発明例である鋼 8の鋼塊中の各酸化物の組成
を3元表示した図である。
を3元表示した図である。
【図5】本発明例である鋼 4の鋼塊中の各酸化物の組成
を3元表示した図である。
を3元表示した図である。
【図6】比較例である鋼10の鋼塊中の各酸化物の組成を
3元表示した図である。
3元表示した図である。
【図7】比較例である鋼14の鋼塊中の各酸化物の組成を
3元表示した図である。
3元表示した図である。
【図8】比較例である鋼11の鋼塊中の各酸化物の組成を
3元表示した図である。
3元表示した図である。
1:Al(原子%)+Mn(原子%)=40原子%の直
線 2:Al(原子%)/Mn(原子%)=5の直線 3:Al(原子%)/Mn(原子%)=1の直線 4:Ti(原子%)+Mn(原子%)=80原子%の直
線 5:Mn(原子%)=7原子%の直線 6:Mn(原子%)=50原子%の直線 7:Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)
=70原子%の平面
線 2:Al(原子%)/Mn(原子%)=5の直線 3:Al(原子%)/Mn(原子%)=1の直線 4:Ti(原子%)+Mn(原子%)=80原子%の直
線 5:Mn(原子%)=7原子%の直線 6:Mn(原子%)=50原子%の直線 7:Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)
=70原子%の平面
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも重量%で、C:0.01〜0.
25%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.
03%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.
007%を含み、且つ、下記の条件〜を満足する酸
化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、110
0℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、あるい
は1100℃以下の温度域での累積圧下率が30%未満
で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行ってか
ら、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速度
で550℃以下の温度域の温度まで冷却することを特徴
とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。 酸化物を構成する全金属元素の中に占める各金属元素
の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)+Mn(原子
%)+Al(原子%)+[他の金属元素](原子%)=
100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% - 【請求項2】少なくとも重量%で、C:0.01〜0.
25%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.
03%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.
007%を含み、且つ、下記の条件、及びを満足
する酸化物粒子が10個/mm2 以上分散した鋼塊を、
1100℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、
あるいは1100℃以下の温度域での累積圧下率が30
%未満で仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行
ってから、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷
却速度で550℃以下の温度域の温度まで冷却すること
を特徴とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。 酸化物を構成する全金属元素の中に占める各金属元素
の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)+Mn(原子
%)+Al(原子%)+[他の金属元素](原子%)=
100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5 - 【請求項3】少なくとも重量%で、C:0.01〜0.
25%、Mn:0.3〜3%、Ti:0.003〜0.
03%、Al:0.02%以下、O:0.001〜0.
007%を含み、且つ、下記の条件〜を満足する酸
化物粒子、並びに、条件、及びを満足する酸化物
粒子が、10個/mm2 以上分散した鋼塊を、1100
℃以上の温度域の温度に加熱した後、直接に、あるいは
1100℃以下の温度域での累積圧下率が30%未満で
仕上げ温度が900℃以上である熱間圧延を行ってか
ら、Ar3 点以上の温度から2〜50℃/秒の冷却速度
で550℃以下の温度域の温度まで冷却することを特徴
とする靭性に優れた厚鋼板の製造方法。 酸化物を構成する全金属元素の中に占める各金属元素
の割合を原子%で表示し、Ti(原子%)+Mn(原子
%)+Al(原子%)+[他の金属元素](原子%)=
100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al(原子%)>7
0原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Ti(原子%)+Mn(原子%)≧80原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 50原子%≧Mn(原子%)≧7原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 Al(原子%)+Mn(原子%)≧40原子% 酸化物を構成する全金属元素の中のTi、Mn及びA
lについて、Ti(原子%)+Mn(原子%)+Al
(原子%)=100原子%とする時、 1≦{Al(原子%)/Mn(原子%)}≦5
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15386996A JPH108132A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 靭性に優れた厚鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15386996A JPH108132A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 靭性に優れた厚鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108132A true JPH108132A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15571893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15386996A Pending JPH108132A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 靭性に優れた厚鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH108132A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001086013A1 (fr) * | 2000-05-09 | 2001-11-15 | Nippon Steel Corporation | Tole d'acier epaisse excellente du point de vue de ses caracteristiques ctod dans la zone affectee par la chaleur du soudage et dont la limite conventionnelle d'elasticite est superieure ou egale a 460 mpa |
WO2005052205A1 (ja) * | 2003-11-27 | 2005-06-09 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 溶接部靭性に優れた高張力鋼および海洋構造物 |
JP2006241581A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd | 溶接性及び耐衝撃性に優れた鋳鋼製柱梁接合金物 |
WO2008120574A1 (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 鍛造用鋼塊および一体型クランク軸 |
JP2009007598A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 一体型クランク軸 |
CN107475634A (zh) * | 2017-06-29 | 2017-12-15 | 河钢股份有限公司邯郸分公司 | 低成本fh460级船舶及海洋工程结构钢及其生产方法 |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP15386996A patent/JPH108132A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101121313B1 (ko) | 2007-03-29 | 2012-03-22 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 단조용 강괴 및 일체형 크랭크축 |
JP2009007598A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 一体型クランク軸 |
CN107475634A (zh) * | 2017-06-29 | 2017-12-15 | 河钢股份有限公司邯郸分公司 | 低成本fh460级船舶及海洋工程结构钢及其生产方法 |
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