JP3502809B2 - 靭性の優れた鋼材の製造方法 - Google Patents
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Description
層建築物、海洋構造物などに使用される靭性の優れた鋼
材の効率的な製造方法に関するものである。
などの大型化にともない、使用される鋼材の厚手化とと
もに靭性に対する要望も厳しさを増している。
(Thermo−Mechanical Contro
l Process)がよく知られている。これは適切
な加熱、圧延、冷却、熱処理工程の組み合わせにより鋼
材の組織微細化を達成し、強靭化する方法である。
組織がフェライト(α)、パーライト(P)であり、靭
性は主にα粒径に支配される。α粒径の微細化方法とし
ては、従来から種々の方法が提案されている。代表的な
方法としては、例えば特公昭49−7291号公報に示
されているように、オーステナイト(γ)の未再結晶温
度域において制御圧延を行い、引き続いて加速冷却を行
うことによるγからαへの変態時にαを微細化する方法
がある。さらに、制御圧延の温度域をγ/α二相域にま
で拡大した、いわゆる二相域圧延による強度・靭性改善
技術も提案されている。例えば、特公昭58−5967
号公報に示されるように、成分や圧延条件の工夫等によ
り、靭性向上を図る方法が提案されている。
格化するのにともない、低温での大圧下圧延や急速冷却
が必要となる結果、温度待ちによる生産性の低下、形状
不安定による精整工程への負荷増大等の問題が生じるこ
とがあった。そこで、効率的に強靭鋼を製造するために
は変態前のγ粒微細化が必須であるが、従来の技術では
以下の欠点がある。例えば、鋳片の低温加熱によるγ粗
大化抑制は、偏析起因の材質劣化を招く可能性があり、
γ高温域での大圧下圧延による再結晶γ微細化は、おの
ずと圧延機の能力の制約を受ける。
によってα粒径の微細化を図る方法も示されている。例
えば、「鉄と鋼」第77年、第1号、1991、171
〜178頁に示されているように、V、Nを通常よりも
多量に添加することによりγの微細化を図るとともに、
焼きならし処理で微細なα組織とする方法が開発されて
いる。しかし、この方法で微細なα組織を得るために
は、Vを0.1%以上、Nも0.01%以上添加する必
要があり、溶接性、溶接熱影響部靭性の劣化は避けられ
ない。
は、ベイナイト(B)、マルテンサイト(M)主体の組
織となる。このような鋼の母材靭性を支配する基本組織
単位は、旧γ粒径ではなく、パケットやブロックと呼ば
れる領域のサイズであるが、このパケット、ブロックの
微細化のためには、γ粒微細化が最も有効な方法であ
る。
調質型プロセスであり、γ粒径の微細化のために圧延温
度域と圧下量を工夫するとともに、焼入れ性の確保のた
めに強度レベルに応じて合金添加量を調整する方法が代
表的である。例えば、特開昭49−37814号公報で
は、低C−Ti−B添加を特徴とした強度600N/m
m2級高張力鋼が提案されている。しかし、Bを活用し
た高強度化は成分や製造条件の変動による特性不安定が
懸念されるとともに、HAZ硬さ上昇が著しいという欠
点がある。
086号公報に示されているが、実施例からこの技術の
適用板厚範囲としては30mm程度である。また、特開
昭53−119219号公報は、再加熱焼入れ焼戻しプ
ロセスにより厚手高張力鋼を提供しようとするものであ
る。これは0.02%を超えるNb添加により再加熱時
に未固溶Nb炭窒化物を残存せしめ、結晶粒の粗大化を
防止して母材靭性を改善しようとするものである。この
技術では固溶Nbによる圧延組織微細化、焼入れ性向上
効果、析出強化を十分活用できないため、Nb、Vに加
えてさらにNi、Mo添加が実質的に必須となり、合金
コストと溶接性の点で不利になってしまう。
質型高張力鋼の従来技術は、その大部分がB添加による
焼入れ性確保によって達成されており、B無添加の場合
は薄手材に限定される。
延方法に関する技術として、特開平6−93332号公
報がある。これはC、Si、Mn、Nb、Ti、Bを含
み、sol.Al、Nの規制された素材鋼を制御圧延
後、直ちに所定の温度範囲まで加速冷却し、ついでその
温度範囲に一定時間等温保持、またはその温度範囲を一
定時間徐冷することで微細なベイナイト組織とする方法
が開示されているが、温度調整のための待ち時間が極め
て長くなり、圧延効率の低下、等温保持および徐冷にと
もなうコスト上昇を招き、生産性の低下は著しい。ま
た、特開平6−128638号公報では、Nb、Vを添
加した鋳片をAc3点以上に加熱し、Ar3点以上で冷却
を実施しながら熱間圧延し、引き続き放冷もしくは5℃
/s以上の冷却速度で650℃以下の温度に加速冷却す
ることを特徴とする高強度高靭性厚鋼板の製造方法が開
示されている。これによると低温靭性を改善するため
に、熱間圧延を終了する温度をAr3点近傍(700〜8
00℃)という低温にすることが示されている。その結
果、被圧延鋼の変形抵抗が大きくなり、圧延機には多大
な負荷が加わる。
て、特開平4−358023号公報がある。これは、焼
戻し温度よりも高温に設定した炉に鋼板を装入すること
により急速昇温し、焼入れ転位の消滅と析出物の粗大化
を抑制し、強靭化を達成する技術である。しかしなが
ら、これには厳密な温度管理が必要となる上、板内の材
質ばらつきを抑えるのは困難である。
劣化の原因となる合金の過度の添加や、生産性の良くな
い複雑な熱間加工または熱処理工程を必要とせずに、優
れた強度・靭性を有する鋼材を効率的に製造する方法を
提供するものである。
想とは異なり、Ca、Al、Mgの微細な酸化物を分散
させることにより、効率的かつ安価な方法で組織微細化
を達成し、靭性の優れた鋼材を実現した点にある。その
要旨とするところは以下の通りである。
8%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.4〜2.
0%、P:≦0.02%、S:≦0.02%、Al:
0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03
%、Ca:0.0005〜0.003%、N:0.00
05〜0.006%を含有し、残部はFeおよび不可避
不純物からなり、かつ粒子径が0.005〜2.0μ
m、組成として少なくともCa、Al、Oを含み、Oを
除いた元素が質量比で、Ca:5%以上を含有し、残部
がAlおよびその他不可避不純物からなる粒子が、粒子
数100〜3000個/mm2含有する鋳片を、110
0〜1300℃の温度域に加熱してオーステナイト粒径
を200μm以下とした後、800〜1100℃で累積
圧下率40%以上の圧延を行うことによりオーステナイ
トを再結晶させ粒径40μm以下として、さらに、70
0℃以上の温度から冷却速度1℃/s以上で600℃以
下の温度まで冷却することを特徴とする靭性の優れた鋼
材の製造方法。
8%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.40〜
2.0%、P:≦0.02%、S:≦0.02%、A
l:0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.
03%、Ca:0.0005〜0.003%、Mg:
0.0001〜0.002%、N:0.0005〜0.
006%を含有し、残部はFeおよび不可避不純物から
なり、かつ粒子径が0.005〜2.0μm、組成とし
て少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた
元素が質量比で、Ca:5%以上、Mg:1%以上を含
有し、残部がAlおよびその他不可避不純物からなる粒
子が、粒子数100〜3000個/mm2含有する鋳片
を、1100〜1300℃の温度域に加熱してオーステ
ナイト粒径を200μm以下とした後、800〜110
0℃で累積圧下率40%以上の圧延を行うことによりオ
ーステナイトを再結晶させ粒径40μm以下として、さ
らに、700℃以上の温度から冷却速度1℃/s以上で
600℃以下の温度まで冷却することを特徴とする靭性
の優れた鋼材の製造方法。
0℃以下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の靭性の優れた鋼材の製造方
法。
i:≦2.0%、Nb:≦0.05%、V :≦0.1
%、Cr:≦0.6%、Mo:≦0.6%、B:0.0
002〜0.002%の1種または2種以上を含有する
ことを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれかに
記載の靭性の優れた鋼材の製造方法。
する。本発明者らは靭性を向上させる金属組織的要因と
してスラブ再加熱時のγ粒径に着目し、酸化物を利用し
てγの整細粒化を達成することを検討した。これは再加
熱γ組織が、圧延以降の工程における材質造り込みの原
点であるとの認識に基づくものである。すなわち、再加
熱時にγが粗大化または混粒化してしまうと、いくら再
結晶温度域で圧延条件を調整してγ粒を微細化しようと
も、再加熱時から整細粒であった場合のγ粒径には到達
しないからである。
用したα細粒化に有利となることはもちろん、BやMを
利用した高張力鋼の靭性向上にも寄与する。一般的にγ
が細粒化すると焼入れ性は低下することが知られている
が、一方でパケット、ブロックが微細化されることに加
えて、一部生成してくる微細なαが有効結晶粒を分割す
る効果があるため、靭性は顕著に向上するのである。α
生成にともなう強度の低下については、αの成長・粗大
化が生じない限り顕著には現れない。
のγの粒成長を抑制することが必要である。そのための
最も有効な手段として、分散粒子によりγ粒界をピンニ
ングし、粒界移動を止める方法が挙げられる。そのよう
な作用をする分散粒子の一つとしては、従来、TiやA
lの窒化物が有効であると考えられていた。しかしなが
ら、これらの窒化物は高温での安定性が酸化物に比べて
劣るため、特に1200℃超では窒化物の溶解が始ま
り、一部粗大粒が生成してしまう。これに対し、高温で
安定な酸化物をピンニング粒子として活用することによ
り、γ粒の粗大化が抑制され、圧延後の工程に負荷をか
けずに最終組織の微細化が可能となる。
均一変形領域となるため、γ粒界とともに再結晶の優先
核生成サイトとなり、再結晶γの微細化を促進するとい
う効果もある。
は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子径が大
きいほど大きい。ただし、分散粒子の体積率は鋼中に含
まれる粒子を構成する元素の濃度によって上限があるの
で、体積率を一定と仮定した場合には、粒子径はある程
度小さい方がピンニングには有効である。このような観
点から、本発明者らは酸化物の体積分率を大きく、かつ
適正な粒子径となるよう、種々の検討を行った。
として、酸素量を増大させることがあるが、酸素量の増
大は材質に有害な粗大介在物をも多数生成する原因とな
るため、有効な手段ではない。そこで本発明者らは、酸
素を最大限に利用するため、酸素との溶解度積が小さい
元素を活用することを検討した。酸素との溶解度積が小
さい、すなわち強脱酸元素として、一般的にはAlが用
いられる。しかしながら、Alだけでは酸素を十分利用
することはできないため、Alよりも強い脱酸元素であ
るCaを活用することが必要で、さらにMgの活用も有
効である。脱酸元素としてCa、Mgを用いた実験を行
った結果、鋼中に生成する酸化物粒子の組成として、C
aが5%以上、Mgが1%以上含まれることで、酸化物
の体積分率すなわち酸化物量を大きくすることが可能と
なることを知見した。この結果をもとに、鋼中に含まれ
る粒子の組成を、少なくともCa、Al、Oを含み、O
を除いた元素が質量比でCa:5%以上とし、さらにC
a、Al、OのほかにMgを含む場合には、Ca:5%
以上、Mg:1%以上とした。
いて述べる。前述したように、分散粒子による結晶粒界
のピンニング効果は、分散粒子の体積率が大きいほど、
一個の粒子径が大きいほど大きい。粒子の体積率が一定
とすると、一個の粒子の大きさが小さい方が粒子数は多
くなり、ピンニング効果が大きくなるが、あまり粒子が
小さくなると粒界に存在する粒子の割合が小さくなるた
め、その効果は低減すると考えた。そこで、酸化物粒子
の大きさを種々変化させた試験片を用いて、高温に加熱
したときのオーステナイト粒径を詳細に調査した結果、
ピンニングには0.005〜2.0μmの大きさの粒子
が効果的であることをつきとめた。また0.005μm
より小さい酸化物粒子はほとんど観察されなかった。こ
の結果より、必要な粒子径を0.005〜2.0μmと
した。
子の個数について検討した。粒子個数が多いほど組織単
位は微細になり、そのため靭性が向上する。鋼材に要求
される靭性は、その用途によって異なるが、最終的な組
織・材質造り込みに有利となる粒径200μm以下の再
加熱γを安定して得るためには、粒子数が100個/m
m2以上必要であることを知見した。ただし、粒子数が
多くなるほど、その靭性向上効果は飽和し、必要以上に
粒子個数を多くすることは靭性に有害な粗大な粒子が生
成する可能性が高くなり、また現在の工業技術では限界
もあることを考えると、粒子数の上限は3000個/m
m2が適切である。
えば以下の要領で行う。鋼材から抽出レプリカを作製
し、それを電子顕微鏡にて10000倍で20視野以
上、観察面積にして1000μm2以上を観察すること
で該酸化物の大きさおよび個数を測定する。このとき鋼
材の表層部から中心部までどの部位から採取した抽出レ
プリカでもよい。また、粒子が適正に観察可能であれ
ば、観察倍率を低くしてもかまわない。
する。これを一次酸化物と称する。さらには鋳造、凝固
中に溶鋼温度の低下とともにCa−Al酸化物又はCa
−Mg−Al酸化物が生成する。これを二次酸化物と称
する。本発明では、一次酸化物と二次酸化物とのどちら
を用いてもかまわない。
いて述べる。
て下限を0.03%とし、また過剰の添加は、鋼材の溶
接性やHAZ靭性などを著しく低下させるので、上限を
0.18%とした。
適量添加するとマトリクスを固溶強化するため、0.0
1%以上添加する。一方、0.5%超添加すると、HA
Zの硬化により靭性が低下するため、上限を0.5%と
した。
分として0.4%以上の添加が必要であるが、溶接部の
靭性、割れ性などの許容できる範囲で上限を2.0%と
した。
を工業的に低減させるためには多大なコストがかかるこ
とから、0.02%を上限とした。
を工業的に低減させるためには多大なコストがかかるこ
とから、0.02%を上限とした。
0.005%とした。また、Alが多量に存在すると、
鋳片の表面品位が劣化するため、上限を0.04%とし
た。
してTi窒化物を形成することで加熱γとHAZの細粒
化に一定の効果を及ぼすために0.005%以上添加す
る。しかし、固溶Ti量が増加するとHAZ靭性が低下
するため、0.03%を上限とした。
0.0005%以上の添加が必要である。しかしなが
ら、過剰の添加は粗大介在物を生成させるため、0.0
03%を上限とした。
性の向上効果があるため、下限を0.0005%とし
た。しかしながら固溶Nが増大するとHAZ靭性の低下
を招くことから0.006%を上限とした。
であるが、1.5%を超えるとHAZ靭性を低下させる
ことから、1.5%を上限とした。
ために有効であるが、Ni量の増加は製造コストを上昇
させるので、2.0%を上限とした。
材の強度および靭性を向上させるために有効な元素であ
るが、HAZ部においては過剰な添加は靭性を著しく低
下させるため0.05%を上限とした。
果を有することから、それぞれ0.1%、0.6%、
0.6%を上限とした。
フェライトサイドプレートの成長抑制と、BNの析出に
よるHAZの固溶Nの固定から0.0002%以上0.
002%以下とした。
する。上述した成分組成および酸化物組成・個数を有す
る鋳片を1100〜1300℃の温度範囲に加熱する。
加熱温度が1100℃未満では合金元素の均質化が図れ
ず、材質不安定の原因となる。一方、1300℃超では
加熱γの粗大化は起こらないものの、加熱原単位の上昇
に加え、圧延温度を適切にするために温度待ちが生じ
る。
で累積圧下率40%以上の圧延を施すのは、再結晶γを
40μm以下程度に細粒化するためである。800℃未
満の圧延では脆化の原因となる加工αが生成する可能性
があり、生産性も著しく低下する。1100℃超の圧延
では再結晶γ粒が粗大化する懸念がある。圧下率が40
%未満であると、γ粒が40μm以下にまで細粒化され
ず、最終組織の微細化・靭性向上も達成されない。
から冷却速度1℃/s以上で600℃以下の温度まで冷
却するのは最終組織の微細化のためである。冷却開始が
700℃よりも低くなると、冷却前にαが生成・粗大化
する可能性がある。冷却速度が1℃/s未満、あるいは
冷却停止温度が600℃超であると、十分な強度が確保
できない。
戻しを実施してもよい。650℃超の焼戻しは顕著な強
度低下をもたらすために避ける必要がある。
有する鋳片を用いて、所定の条件で製造することによ
り、組織微細化が達成され、図1に示すように顕著な靭
性向上が可能となる。
号1〜8が本発明例、9〜14が比較例である。試作鋼
は転炉溶製し、RHにて真空脱ガス処理時に脱酸を行っ
ている。Ti投入前に溶鋼の溶存酸素をSiで調整し、
その後Ti、Al、Ca、もしくは、Ti、Al、M
g、Caを添加して脱酸を行ない、連続鋳造した。それ
から、加熱、圧延、冷却、熱処理工程を経て、種々の板
厚の鋼板とした。
005〜2.0μmの粒子数、鋼板の製造条件、母材の
機械的性質を示す。各鋼板の降伏強度(YPまたはY
S)、引張強度(TS)については、JIS4号引張試
験片を用いて評価し、破面遷移温度(vTrs)はJI
S4号衝撃試験片を用いて、2mmVノッチシャルピー
試験から求めた。なお、試験片は板厚中心部から圧延方
向と直角な方向に採取した。
例は、粒子径が0.005〜2.0μmで、Ca、M
g、Alを所定の組成で含む酸化物の粒子数が100〜
3000個/mm2の範囲にあるため、再加熱γおよび
圧延γが微細化しており、板厚中心部の靭性が極めて優
れている。
温度−40℃以上で靭性が劣っている。これらの原因
は、12は本発明の所定の酸化物組成になっておらず酸
化物が少なかったため、その他は酸化物粒子数が所定の
個数より少なかったために、再加熱γが粗大化・混粒化
し、最終組織の微細化が達成できなかったことによる。
海洋構造物などに適用される、厳しい靭性要求を満足す
る鋼材の効率的な製造方法であり、この種の産業分野に
もたらす効果は極めて大きく、さらに構造物の安全性の
観点から社会に対する貢献も非常に大きい。
移温度との関係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.03〜0.18%、
Si:0.01〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、
P:≦0.02%、S:≦0.02%、Al:0.00
5〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、C
a:0.0005〜0.003%、N:0.0005〜
0.006%を含有し、残部はFeおよび不可避不純物
からなり、かつ粒子径が0.005〜2.0μm、組成
として少なくともCa、Al、Oを含み、Oを除いた元
素が質量比で、Ca:5%以上を含有し、残部がAlお
よびその他不可避不純物からなる粒子が、粒子数100
〜3000個/mm2含有する鋳片を、1100〜13
00℃の温度域に加熱してオーステナイト粒径を200
μm以下とした後、800〜1100℃で累積圧下率4
0%以上の圧延を行うことによりオーステナイトを再結
晶させ粒径40μm以下として、さらに、700℃以上
の温度から冷却速度1℃/s以上で600℃以下の温度
まで冷却することを特徴とする靭性の優れた鋼材の製造
方法。 - 【請求項2】 質量%で、C:0.03〜0.18%、
Si:0.01〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、
P:≦0.02%、S:≦0.02%、Al:0.00
5〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、C
a:0.0005〜0.003%、Mg:0.0001
〜0.002%、N:0.0005〜0.006%を含
有し、残部はFeおよび不可避不純物からなり、かつ粒
子径が0.005〜2.0μm、組成として少なくとも
Ca、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた元素が質量比
で、Ca:5%以上、Mg:1%以上を含有し、残部が
Alおよびその他不可避不純物からなる粒子が、粒子数
100〜3000個/mm2含有する鋳片を、1100
〜1300℃の温度域に加熱してオーステナイト粒径を
200μm以下とした後、800〜1100℃で累積圧
下率40%以上の圧延を行うことによりオーステナイト
を再結晶させ粒径40μm以下として、さらに、700
℃以上の温度から冷却速度1℃/s以上で600℃以下
の温度まで冷却することを特徴とする靭性の優れた鋼材
の製造方法。 - 【請求項3】 前記冷却を行った後、さらに650℃以
下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする請求項1また
は2に記載の靭性の優れた鋼材の製造方法。 - 【請求項4】 質量%で、Cu:≦1.5%、Ni:≦
2.0%、Nb:≦0.05%、V :≦0.1%、C
r:≦0.6%、Mo:≦0.6%、B:0.0002
〜0.002%の1種または2種以上を含有することを
特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の靭性の
優れた鋼材の製造方法。
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