JP4119706B2 - 溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原油・天然ガスラインパイプ等に好適な、800MPa以上の引張強さを有する、溶接金属および溶接熱影響部(以下、HAZ)の低温靱性(以下、溶接部靭性)並びに現地溶接性に優れた高強度鋼管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、原油・天然ガスを長距離輸送するパイプラインには、1)高圧化による輸送効率の向上や、2)ラインパイプの外径および重量の低減による現地施工能率の向上のために、より高強度のラインパイプ用鋼管が採用されている。これまでに米国石油技術協会(API)規格でX80(降伏強さ551MPa以上、引張強さ620MPa以上827MPa以下)までのラインパイプが実用化されているが、さらなる高強度化が要求されている。
【0003】
X100(引張強さ800MPa)以上の高強度ラインパイプは、X65の約2倍の圧力に耐えるため、高圧化並びに外径および肉厚の低減が可能である。従って、X100以上の高強度ラインパイプの採用により、X65よりも材料費、輸送費、現地溶接施工費を抑えることができるため、パイプライン敷設費の大幅な削減が可能になる。
【0004】
これまでに、X100以上の高強度鋼管の開発が行われており、その製造方法が特開平8−311549号公報に開示されている。これは、鋼管を成形後溶接し、さらにその後鋼管全体を時効処理して、Cuの析出強化によって高強度化するものであり、製造コストが高くなるという問題があった。また、特開平10−306347号公報には、溶接金属の成分を最適化してHAZの軟化を抑制した高強度鋼管が開示されている。
【0005】
しかし、X100超の高強度鋼管においては、HAZの低温靱性を確保することは非常に難しく、特に2パス以上の多層溶接を施したHAZの靱性は著しく低下し、例えば、−30℃でのシャルピー吸収エネルギーは50J未満であるものが存在する。これは、2パス以上の溶接によって高温に再加熱されたHAZの粒径の粗大化が原因である。
【0006】
このように、ラインパイプ用鋼管の高強度化に伴う問題として、溶接部靭性および現地溶接性が特に重要であり、これらを克服した画期的な高強度鋼管(X100超)の早期開発が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、強度と低温靱性バランスが優れ、かつ溶接部靭性が良好であり、現地溶接性が容易な引張強さ800MPa以上(API規格X100超)の高強度溶接鋼管とその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、引張強さが800MPa以上で、かつ溶接部靱性および現地溶接性に優れた高強度溶接鋼管を開発するために、溶接部およびHAZの低温靱性が低下する原因を明らかにするために鋭意研究を行った。まず、溶接部およびHAZにおいて低温靭性が低下する部位は、図1に示したHAZ粗粒域であることがわかった。図1は、2パスの溶接を行った溶接部を模式的に示したものであり、HAZ粗粒域は、1パス目の溶接によるHAZが2パス目の溶接によって高温に再加熱された部位であり、粒径が粗大化している。
【0009】
さらに、これらHAZ粗粒域において、旧オーステナイト粒界には図2に示したように、旧オーステナイトの粒内には図3に示すように、塊状のマルテンサイトとオーステナイトの混成物(以下、MA)が生成しており、脆性破壊の起点になっていることがわかった。なお、図2および図3は、1つの旧オーステナイト粒内および粒界を模式的に示したものである。図中央部の結晶粒近傍の旧オーステナイト粒内および粒界は、同様な微細組織からなるが、特徴を明確に図示するために図中央部の結晶粒内および粒界以外は省略している。
【0010】
さらに詳細な検討を行い、HAZ粗粒域を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱することにより、MAを分解させて靱性を向上させることに成功し、溶接部靱性および現地溶接性に優れた新しい高強度溶接鋼管を発明するに至った。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1) 質量%で、C :0.02〜0.10%、Si:0.6%以下、Mn:1.5〜2.5%、P :0.015%以下、S :0.003%以下、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜0.6%、Nb:0.001〜0.10%、Ti:0.030%以下、Al:0.07%以下を含み、さらに、B :0.0020%以下、N :0.006%以下、V :0.10%以下、Cu:1.0%未満、Cr:1.0%以下、Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下、Mg:0.006%以下の1種または2種以上を含有して残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼板を管状に成形し、その突き合わせ部を内外面から、サブマージアーク溶接した鋼管であって、母材および溶接金属の引張強さが800MPa以上で、かつ溶接熱影響部粗粒域において旧オーステナイト粒界および粒内に存在するマルテンサイトとオーステナイトの混成物が面積率で10%以下であることを特徴とする溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。
(2) 溶接金属が、質量%で、C:0.02〜0.14%、Si:0.05〜0.40%、Mn:1.2〜2.2%、P :0.010%以下、S :0.010%以下、Ni:1.3〜3.2%以下、B:0.005%以下を含み、さらに、Cr、Mo、Vの1種または2種以上をCr+Mo+V:1.0〜2.5%の範囲で含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする(1)に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。
(3) 鋼板を管状に成形し、その突き合わせ部を内外面から、サブマージアーク溶接し、拡管前または拡管後に溶接金属および溶接熱影響部を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
(4) 前記再加熱を昇温速度0.1℃/s以上で行うことを特徴とする(3)に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
(5) 質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.05〜0.3%、Mn:1.2〜2.4%、Ni:4.0〜8.5%を含み、さらに、Cr、Mo、Vの1種または2種以上をCr+Mo+V:3.0〜5.0%の範囲で含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる溶接ワイヤーおよび焼成型または溶融型フラックスを使用して溶接することを特徴とする(3)または(4)に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
【0012】
本発明者らは、溶接鋼管の母材および溶接金属の引張試験をASTM E8に準拠して実施し、引張強さが800MPa以上であった鋼管の溶接部靭性について詳細な検討を行った。まず、図1に示したHAZ粗粒域よりJIS Z 2202のVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242に従って−30℃でシャルピー衝撃試験を行った。
【0013】
シャルピー吸収エネルギーが50J未満であった試験片は、部分的に脆性破壊していたため、起点の調査を行った。その結果、脆性破壊の起点は、鋼管の強度によって以下の2つに分類できることが明らかとなった。
(1)1パス目の溶接によって融点直下に加熱されたHAZが、さらに2パス目の溶接によってAc1 近傍に再加熱された、HAZ粗粒域に存在する図2に示したMAである。なお、融点直下の温度は、1100℃以上融点未満の温度であり、Ac1近傍の温度は、650〜750℃の範囲である。このHAZ粗粒域では、溶接の入熱によって異なるが、100〜300μm程度の上部ベイナイトおよび下部ベイナイトからなる粗大な旧オーステナイト粒界に沿って、長さ数十μm程度の塊状のMAが存在している。これは、X100以下の高強度鋼管において、HAZ粗粒域の脆性破壊の起点として、多く見られるものである。
(2)1パス目の溶接によって融点直下に加熱されたHAZが、さらに2パス目の溶接によってAc3近傍に再加熱されたHAZ粗粒域に存在する図3に示したMAである。なお、Ac3近傍の温度は、850〜1000℃の範囲である。このHAZ粗粒域では、溶接の入熱によって異なるが100〜300μm程度の粗大な旧オーステナイト粒の粒界に10μm程度の旧オーステナイト粒が混在しており、しかも粗大な旧オーステナイト粒内には、長さ数十μm程度の塊状のMAが存在している。また、旧オーステナイト粒内はグラニュラーベイナイトである。これは、X120以上の高強度鋼管において、HAZ粗粒域の脆性破壊の起点として、多く見られるものである。
【0014】
100〜300μm程度の粗大な旧オーステナイト粒の粒界に10μm程度の旧オーステナイト粒が混在する理由について述べる。1パス目の溶接後の冷却時には、粒内に残留オーステナイトが生じており、これらが2パス目の溶接による加熱時に成長、合体する。さらに粒界に新たに生じたオーステナイト粒は微細なNb炭化物によって成長を抑制される。これによって100〜300μm程度の粗大な旧オーステナイト粒の粒界に10μm程度のオーステナイト粒が生じた組織となり、これが冷却されて旧オーステナイト粒になる。また、Ac1近傍よりも高温のAc3近傍に加熱されるため、焼入れ性を向上させるBが析出して、冷却時にグラニュラーベイナイトに変態し、粒内にMAが生成する。
【0015】
なお、上部ベイナイト、下部ベイナイトおよびグラニュラーベイナイトを区別しない場合には、ベイナイトと称する。ベイナイトは、残留オーステナイトおよびマルテンサイトを含んでいるが、光学顕微鏡組織では、ベイナイトとマルテンサイトの区別および残留オーステナイトの観察は困難である。
【0016】
MAは、ベイナイトよりも硬く、粗大であるため脆性破壊の起点になっている。従って、HAZ粗粒域を再加熱することにより、MAをベイナイトと硬質の微細なセメンタイトに分解すれば、脆性破壊の起点になり得ないと考えた。そこで、母材および溶接金属の引張強さが800MPa以上である、0.07%C−1.9%Mn系の溶接鋼管の溶接部靱性に及ぼす再加熱温度の影響について詳細に調査した。
【0017】
その結果、HAZ粗粒域を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱すると、再熱HAZに生成していたMAがベイナイトとセメンタイトに分解して、HAZ粗粒域の靱性が向上することが明らかとなった。図4に熱処理温度と旧オーステナイト粒界に生成するMAの面積率とシャルピー吸収エネルギーの関係を示す。
【0018】
なお、Ac1[℃]は、母材より直径3mm、長さ10mmの試験片を採取し、0.5℃/sで試料を加熱しながら長さの変化を測定して熱膨張曲線を求め、その曲線が屈曲を開始する点の温度として測定した。また、図4を含め、本発明においてMA面積率は、溶接部およびHAZより試験片を切り出して鏡面研磨およびナイタールエッチし、走査型電子顕微鏡にてHAZ粗粒域部の写真を撮り、これを画像解析し、視野の面積に占めるMAの面積の百分率として算出したMAの面積率である。旧オーステナイト粒界および粒内に存在するMAは、SEM像では全体が白く観察される。これに対して、ベイナイトとセメンタイトに分解したMAは、形状はMAと同様であるが、内部に微細な白い析出物を含有するものであり、MAと区別することができる。
【0019】
図4に示すように、−30℃でのシャルピー吸収エネルギーを50J以上にするにはMAの面積率を10%以下にすれば良く、このためには、100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱することが必要であることがわかった。また、−30℃でのシャルピー吸収エネルギーを100J以上にするにはMAの面積率を8%以下にすれば良く、このためには、200℃以上の温度に再加熱すれば良い。シャルピー吸収エネルギーをさらに向上させるにはMAの面積率を5%以下にすることが好ましく、最適な再加熱温度は300〜500℃の範囲であることがわかった。
【0020】
また、熱処理時の昇温速度については、0.1℃/s未満であると過飽和のCがMA中に拡散して固溶し、MAが安定化するため、100℃以上Ac1[℃]以下での熱処理を行ってもMAは分解しなくなり、再熱HAZの靱性が良好にならないことがわかった。
【0021】
さらに、MAの生成量はC量にも依存しており、鋼板のC量を0.05%以下に低減するとHAZ粗粒域に生成する塊状のMA量が10%以下に減少する。そのため、必ずしも溶接部を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱する必要がなくなる。
【0022】
次に、以下に成分元素の限定理由を述べる。
【0023】
C量は0.02〜0.10%に限定する。Cは鋼の強度向上に極めて有効であり、目標とする強度を得るためには、0.02%以上のC量が必要であり、0.04%以上を含有することが好ましい。しかし、C量が0.10%よりも多すぎると母材、HAZの低温靱性や現地溶接性の著しい劣化を招くので、その上限を0.10%以下とした。さらにCの好ましい上限は0.08%以下である。また、C量が0.05%以下ではHAZ粗粒域に生成する塊状のMA量が10%以下になり、必ずしも溶接部を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱する必要がなくなる。
【0024】
Siは脱酸や強度向上のために添加する元素であるが、0.6%よりも多く添加するとHAZ靱性、現地溶接性を著しく劣化させるので上限を0.6%以下とした。鋼の脱酸はAl、Tiでも可能であり、Siは必ずしも添加する必要はないが、不純物として0.01%以上含まれる。
【0025】
Mnは本発明鋼のミクロ組織をベイナイトとし、優れた強度と低温靱性のバランスを確保するうえで不可欠な元素であり、その下限は1.5%以上である。しかし、Mnが2.5%よりも多すぎると鋼の焼き入れ性が増してHAZ靱性および現地溶接性を劣化させるだけでなく、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、母材の低温靱性をも劣化させるので上限を2.5%以下とした。
【0026】
PおよびSは不純物元素であり、上限をそれぞれ0.015%以下および0.003%以下とする。この主たる理由は母材およびHAZの低温靱性をより一層向上させるためである。P量の低減は連続鋳造スラブの中心偏析を軽減するとともに、粒界破壊を防止して低温靱性を向上させる。また、S量の低減は熱間圧延で延伸化するMnSを低減し、延靱性を向上させる効果がある。なお、PおよびSの下限は、現状の技術ではそれぞれ0.003%以上および0.0001%以上である。
【0027】
Niを添加する目的はC量の少ない本発明鋼の強度を、低温靱性や現地溶接性を劣化させることなく向上させるためである。Ni添加は、Mn、CrまたはMo添加と比較して、圧延組織中に低温靱性に有害な硬化組織を形成することが少ないばかりか、0.1%以上の微量Ni添加がHAZ靱性にも有効である。なお、HAZ靱性を向上させるためには、Ni添加量を0.3%以上とすることが好ましい。しかし、添加量が2.0%よりも多すぎると経済性だけでなく、HAZ靱性や現地溶接性を劣化させるので、その上限を2.0%以下とした。また、Ni添加は連続鋳造時、熱間圧延時におけるCu割れの防止にも有効である。この場合、Ni量はCu量の1/3以上添加する必要がある。
【0028】
Moを添加する理由は鋼の焼き入れ性を向上させ、ミクロ組織をベイナイトとするためである。B添加鋼においてはMoの焼き入れ向上効果が高まり、また、MoはNbと共存して制御圧延時にオーステナイトの再結晶を抑制し、オーステナイト組織の微細化にも効果がある。このような効果を得るためにMoは0.1%以上添加する必要がある。しかし、0.6%を超える過剰なMo添加はHAZ靱性、現地溶接性を劣化させ、さらにBの焼き入れ性向上効果を損なうので、その上限を0.6%以下とした。
【0029】
NbはMoと共存して制御圧延時にオーステナイトの再結晶を抑制して組織を微細化するだけでなく、析出硬化や焼き入れ性増大にも寄与し、鋼を強靱化する。特にNbとBが共存すると焼き入れ性向上効果が相乗的に高まる。その効果を得るにはNb量が0.001%以上必要であるため下限を0.001%とした。しかし、Nb添加量が0.10%よりも多すぎると、HAZ靱性や現地溶接性に悪影響をもたらすので、その上限を0.10%以下とした。
【0030】
Ti添加は微細なTiNを形成し、スラブ再加熱時の結晶粒の粗大化およびHAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制してミクロ組織を微細化し、母材およびHAZの低温靱性を改善する。また、Bの焼き入れ性向上効果に有害な固溶NをTiNとして固定する役割も有する。この目的のためには、Tiを3.4N以上添加することが望ましい。また、Alが0.004%未満の場合、Tiは酸化物を形成し、HAZにおいて粒内フェライト生成核として作用し、HAZ靱性を微細化する効果も有する。しかし、Ti量が0.03%よりも多すぎると、TiNの粗大化やTiCによる析出効果が生じ、低温靱性を劣化させるので、その上限を0.03%に限定した。
【0031】
Alは通常脱酸材として鋼に含まれる元素で、組織の微細化にも効果を有する。しかし、Al量が0.07%を越えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を害するので、上限を0.07%以下とした。脱酸はTiまたはSiでも可能であり、Alは必ずしも添加する必要がないが、現状の技術では、不純物として0.001%以上含有する。
【0032】
次に、B、N、V、Cu、Cr、Ca、REM、Mgを添加する目的について説明する。
【0033】
基本となる成分に、さらにこれらの元素を添加する主たる目的は、本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、強度および低温靱性の一層の向上や製造可能な鋼材サイズの拡大を図るためである。
【0034】
Bは極微量で鋼の焼き入れ性を飛躍的に高め、ミクロ組織をベイナイトとするために非常に有効な元素である。さらに、BはMoの焼き入れ性向上効果を高めると共に、Nbと共存して相乗的に焼き入れ性を増す。この効果を得るには、Bを0.0003%以上添加することが好ましい。一方、0.0020%を超えて過剰に添加すると、低温靱性を劣化させるだけでなく、かえってBの焼き入れ性向上効果を消失せしめることもあるので、その上限を0.0020%以下とした。
【0035】
NはTiNを形成し、スラブ再加熱時およびHAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制して母材、HAZの低温靱性を向上させる。しかし、N量が0.006%よりも多すぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靱性の劣化、Bの焼き入れ性低下の原因となるので、Nの上限を0.006%以下とする必要がある。N量は低いほど良いため下限を規定しないが、通常、不純物として0.0015%以上を含有している。
【0036】
VはNbとほぼ同等の効果を有し、NbとVの複合添加は本発明鋼の優れた特徴をさらに顕著なものとする。この効果を十分に発現させるためにはVを0.03%以上添加することが好ましい。上限はHAZ靱性、現地溶接性の点から0.10%以下まで許容できるが、特に0.03〜0.08%の添加が好ましい範囲である。
【0037】
Cuは母材、溶接部の強度を増加させるが、この効果を十分に発現させるためにはCuは0.01%以上添加することが好ましい。一方Cuを1.0%以上添加するとHAZ靱性や現地溶接性を著しく劣化させる。このためCu量の上限を1.0%未満とした。
【0038】
Crは母材、溶接部の強度を増加させるが、この効果を十分に発現させるためにはCrを0.01%以上添加することが好ましい。一方Cr量が1.0%よりも多すぎるとHAZ靱性や現地溶接性を著しく劣化させる。このため、Cr量の上限を1.0%以下とした。
【0039】
CaおよびREMは硫化物(MnS)の形態を制御し、低温靱性を向上させる。この効果を十分に発現させるためにはCaおよびREMを0.0001%以上添加することが好ましい。Ca量が0.01%、REMが0.02%を越えて添加するとCaO−CaSまたはREM−CaSが多量に生成して大型クラスター、大型介在物となり、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性にも悪影響を及ぼす。このためCa添加量の上限を0.01%以下、REM添加量の上限を0.02%以下に制限した。なお、S、O量をそれぞれ0.003%以下、0.002%以下に低減し、かつESSP=(Ca)[1−124(O)]/1.25Sを0.5≦ESSP≦10.0にすることが特に有効である。
【0040】
Mgは微細分散した酸化物を形成し、HAZの粒粗大化を抑制して低温靱性を向上させる。この効果を十分に発現させるためには、Mgを0.0001%以上添加することが好ましい。一方、Mg量が0.006%超では粗大な酸化物を生成し、逆に靱性を劣化させるため、上限を0.006%以下とした。
【0041】
次に溶接金属の限定理由について述べる。
【0042】
C量は0.02〜0.14%に限定する。Cは鋼の強度向上に極めて有効であり、目標とする強度を得るためには、0.02%以上必要である。しかし、C量が0.14%よりも多すぎると溶接低温割れが発生しやすくなり、現地溶接を行った鋼管の周方向の溶接部とシーム溶接が交わる、いわゆるTクロスHAZ部の最高硬さの上昇を招くので、その上限を0.14%以下とした。なお、Cの好ましい上限は0.10%以下である。
【0043】
Siはブローホール防止のために0.05%以上は必要であるが、0.4%よりも多いと低温靱性、特にHAZ粗粒域の低温靱性を著しく劣化させる。従って、Siの範囲を0.05〜0.4%とした。
【0044】
Mnは優れた強度と低温靱性のバランスを確保する上で不可欠な元素であり、その下限は1.2%である。しかし、Mnが2.2%よりも多すぎると偏析が助長され低温靱性を劣化させるだけでなく、溶接材料の製造も困難になるので上限を2.2%とした。
【0045】
PおよびSは不純物元素であり、溶接金属の低温靱性および低温割れ感受性を低下させるため、上限を共に0.010%以下とする。なお、PおよびSの下限は、現状の技術ではそれぞれ0.003%以上および0.0001%以上である。Niは焼き入れ性を高めて強度を確保し、さらに低温靱性を向上させる元素であるが、1.3%未満では目標の強度および低温靱性を得られないため1.3%以上を下限とした。一方、Ni量が3.2%よりも多すぎると高温割れの危険があるため、上限を3.2%とした。
【0046】
Bは微量で焼き入れ性を高め、溶接金属の低温靱性向上に有効な元素であるが、含有量が0.005%よりも多すぎると溶接金属の低温靱性が低下する。従ってB量の上限を0.005%以下とした。なお、Bは、0.0003%以上添加することが好ましい。
【0047】
Cr、Mo、Vは、いずれも焼き入れ性を高める元素であり、一種または二種以上を、高強度を得るために添加する。この効果は、Cr+Mo+Vが1.0%未満では十分でなく、2.5%よりも多量に添加すると低温割れが生じ易くなる。従って、Cr+Mo+Vの範囲を1.0〜2.5%とした。
【0048】
溶接金属には、その他に溶接時の精錬および凝固を良好に行わせるために必要に応じて添加されたTi、Al、Zr、Nb、Mg等の元素を含有しても良い。次に溶接ワイヤ−について述べる。
【0049】
Cは溶接金属で必要とされるC量の範囲を得るために、母材成分による希釈および雰囲気からCの混入を考慮して0.01〜0.12%とした。
【0050】
Siは溶接金属で必要とされるSi量の範囲を得るために、母材成分による希釈を考慮して0.05〜0.3%とした。
【0051】
Mnは溶接金属で必要とされるMn量の範囲を得るために、母材成分による希釈を考慮して1.2〜2.4%とした。
【0052】
Niは溶接金属で必要とされるNi量の範囲を得るために、母材成分による希釈を考慮して4.0〜8.5%とした。
【0053】
Cr+Mo+Vは、一種または二種以上を添加するが、溶接金属で必要とされるCr+Mo+V量の範囲を得るために、母材成分による希釈を考慮して3.0〜5.0%とした。
【0054】
その他P、Sの不純物は極力少ない方が望ましく、Bは強度確保に添加することも可能である。また、Ti、Al、Zr、Nb、Mg等が脱酸を目的として使用される。
【0055】
次にミクロ組織について説明する。
【0056】
2パス以上の溶接によって高温に再加熱されたHAZ粗粒域の旧オーステナイト粒界および粒内に生成する塊状のMAは、溶接部およびHAZの脆性破壊の発生点である。MAが面積率で10%超存在すると、−30℃におけるシャルピー吸収エネルギーが50J未満に低下するため、上限を10%とした。なお、−30℃におけるシャルピー吸収エネルギーが100J以上になる、MAの面積率の好ましい上限は8%以下であり、さらに−30℃におけるシャルピー吸収エネルギーが向上する、最適なMAの上限は5%である。
【0057】
MAの面積率は、溶接部およびHAZより試験片を切り出して鏡面研磨してエッチングし、走査型電子顕微鏡にてHAZ粗粒域部の写真を撮り、これを画像解析し、視野の面積に占めるMAの面積の百分率として算出することができる。なお、MAは、SEM像では全体が白い塊状のものであり、分解したMA、すなわち粒内に微細なセメンタイトを有するベイナイトとの判別が可能である。また、試験片を鏡面研磨後、レペラーエッチングまたはナイタールエッチングして、これを光学顕微鏡にて写真撮影し、画像解析して、MAの面積率を算出しても良い。この際にも、MAとベイナイトとセメンタイトに分解したMAとの判別は、粒内の微細析出物の有無により可能である。
【0058】
また、溶接金属およびHAZの低温靭性を向上させるには、溶接金属およびHAZのビッカース硬さと、溶接金属およびHAZのC量から式(1)に規定するようにHv=270+1300Cによって算出するHvとの比を0.5〜1の範囲とすることが必要である。
【0059】
さらに、光学顕微鏡写真、走査電子顕微鏡写真または過電子顕微鏡写真により、ポリゴナルフェライトが生成していないことが好ましい。このことは、溶接金属およびHAZのミクロ組織が、面積率で90〜100%のベイナイトおよびマルテンサイトと残部が残留オーステナイトからなることに相当する。なお、溶接金属およびHAZのビッカース硬さは、JIS Z 2244に準拠して測定する。ビッカース硬さの測定は0.09807〜980.7Nの範囲の試験力で行うが、試験力が小さいと圧痕が小さいため精度が低下し、試験力が大きすぎると圧痕が大きくなり測定点が少なくなるため、0.9807〜98.07Nの範囲とすることが好ましい。
【0060】
次に製造条件について説明する。
【0061】
鋼板を管状に成形し、その突き合わせ部を内外面から、サブマージアーク溶接を行い、その後拡管を行う。突き合わせ部の溶接は、外面をMAGアーク溶接し、その後内外面をサブマージアーク溶接しても良い。
【0062】
溶接金属およびHAZを再加熱し、HAZ粗粒域のMAをベイナイトとセメンタイトに分解することが、溶接部靭性の向上に極めて重要である。この再加熱温度は、100℃未満では効果が不十分であるため、100℃以上を下限とする。なお、再加熱温度の好ましい下限は、200℃以上であり、最適な下限は300℃以上である。一方、再加熱温度がAc1[℃]を超えると強度が低下するため、再加熱温度の上限をAc1点以下とした。なお、再加熱温度の好ましい上限は、500℃以下である。ただし、C量が0.05%以下ではHAZ粗粒域に生成する塊状のMA量が少なくなるために、必ずしも溶接部にAc1[℃]以下での熱処理を行う必要がない。
【0063】
なお、Ac1[℃]は、試料を加熱しながら長さの変化を測定して熱膨張曲線を求め、その曲線における屈曲の開始温度として測定することができる。また、式(2)によって計算式しても良い。
Ac1[℃]=723−10.7Mn−16.9Ni+29.1Si+16.9Cr ・・(2)
なお、式(2)のMn、Ni、Si、Crはそれぞれ、質量%で表したMn量、Ni量、Si量、Cr量である。
【0064】
溶接後、少なくとも溶接金属およびHAZを加熱すれば良いため、溶接後、ガスバーナーによって再加熱することができる。なお、再加熱は拡管後に行っても良いが、製造効率を考慮すると溶接直後に行うことが好ましい。
【0065】
再加熱時の昇温速度は、0.1℃/s未満であるとMAが安定化するためAc1[℃]以下での熱処理を行ってもMAは分解せず、再熱HAZ部の靱性が良好にならない。従って昇温速度の下限を0.1℃/s以上とした。また、昇温速度が、10℃/sを超えると現状の技術では再加熱温度の制御が難しくなるため、10℃/s以下を上限とすることが好ましい。
【0066】
【実施例】
表1に示した成分の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造によって240mm厚の鋳片とした。これらの鋳片を表2に示した条件で14〜25mmの鋼板に圧延した。さらに、これらの鋼板をUO成形した後、表3に示した成分のワイヤーおよびフラックスを用いて、内面および外面よりサブマージアーク溶接した。溶接部の一部より分析試料を採取し、成分分析を行った結果を表4に示す。
【0067】
その後、表5に示した条件で溶接部をガスバーナーによって再加熱した。なお、鋼管の外表面および内表面の温度を熱電対によって測定し、平均値を再加熱温度とした。その後、拡管して外径711〜1219mmの鋼管にした。これらの鋼管の母材および溶接金属より試験片を採取し、ASTM E8に準拠して引張試験を実施し、母材および溶接金属の引張強さが800MPa以上であることを確認した。さらに鋼管の溶接部およびHAZよりJIS Z 2202のVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242に従って−30℃でシャルピー衝撃試験を行ってシャルピー吸収エネルギ−で評価した。ノッチ位置は1/2t部の会合部および会合部+1mmとした。
【0068】
また、HAZ粗粒域を含む小片を採取して鏡面研磨およびナイタールエッチングし、走査型電子顕微鏡写真を撮影して画像解析し、MA面積率を算出した。試験結果を表5に示す。なお、表5のAc1[℃]は、母材より直径3mm、長さ10mmの試験片を採取し、0.5℃/sで試料を加熱しながら長さの変化を測定して熱膨張曲線を求め、その曲線の屈曲開始点の温度として測定した。また溶接金属およびHAZから小片を切り出して鏡面研磨およびナイタールエッチングし、溶接金属およびHAZのビッカース硬さをJIS Z 2244に準拠して、試験力980.7Nで測定した。このビッカース硬さと溶接金属および溶接熱影響部のC量[質量%]から前述の式(1)によって計算したHvとの比は、0.5〜1の範囲内であった。
【0069】
本発明に従って溶接部を熱処理した製造No.1〜20は、−30℃のシャルピー吸収エネルギ−が50Jを越えており、極めて良好である。一方、製造No.21〜32は、溶接部の熱処理条件が本発明の範囲ではないために、溶接部特にHAZの低温靱性が50J未満と著しく劣る。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】
本発明により低温靱性および現地溶接性の優れた高強度ラインパイプ(引張強さ800MPa以上、API規格X100超)用溶接鋼管が安定して大量に製造できるようになった。これにより、パイプラインの輸送効率、施工能率の飛躍的な向上が可能となり、産業上の貢献が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接熱影響部粗粒域の模式図。
【図2】Ac1近傍に再熱された粗粒HAZ部のミクロ組織の模式図。
【図3】Ac3近傍に再熱された粗粒HAZ部のミクロ組織の模式図。
【図4】溶接部の−30℃でのシャルピー吸収エネルギ−[J]とMA面積率[%]および再加熱温度[℃]の関係を示す図。
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.02〜0.10%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.5%、
P :0.015%以下、
S :0.003%以下、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜0.6%、
Nb:0.001〜0.10%、
Ti:0.030%以下、
Al:0.07%以下
を含み、さらに、
B :0.0020%以下、
N :0.006%以下、
V :0.10%以下、
Cu:1.0%未満、
Cr:1.0%以下、
Ca:0.01%以下、
REM:0.02%以下、
Mg:0.006%以下
の1種または2種以上を含有して残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼板を管状に成形し、その突き合わせ部を内外面から、サブマージアーク溶接した鋼管であって、母材および溶接金属の引張強さが800MPa以上で、かつ溶接熱影響部粗粒域において旧オーステナイト粒界および粒内に存在するマルテンサイトとオーステナイトの混成物が面積率で10%以下であることを特徴とする溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 溶接金属が、質量%で、
C :0.02〜0.14%、
Si:0.05〜0.40%、
Mn:1.2〜2.2%、
P :0.010%以下、
S :0.010%以下、
Ni:1.3〜3.2%以下、
B :0.005%以下
を含み、さらに、Cr、Mo、Vの1種または2種以上を
Cr+Mo+V:1.0〜2.5%
の範囲で含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 鋼板を管状に成形し、その突き合わせ部を内外面から、サブマージアーク溶接し、拡管前または拡管後に溶接金属および溶接熱影響部を100℃以上Ac1[℃]以下に再加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
- 前記再加熱を昇温速度0.1℃/s以上で行うことを特徴とする請求項3に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
- 質量%で、
C :0.01〜0.12%、
Si:0.05〜0.3%、
Mn:1.2〜2.4%、
Ni:4.0〜8.5%
を含み、さらに、Cr、Mo、Vの1種または2種以上を
Cr+Mo+V:3.0〜5.0%
の範囲で含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる溶接ワイヤーおよび焼成型または溶融型フラックスを使用して溶接することを特徴とする請求項3または4に記載の溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
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