JP2000056764A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2000056764A
JP2000056764A JP10220005A JP22000598A JP2000056764A JP 2000056764 A JP2000056764 A JP 2000056764A JP 10220005 A JP10220005 A JP 10220005A JP 22000598 A JP22000598 A JP 22000598A JP 2000056764 A JP2000056764 A JP 2000056764A
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force value
pressing
detecting means
pressed
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JP10220005A
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Mitsuhiro Matsumoto
光広 松本
Shigeru Uchiyama
繁 内山
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 僅かな操作負担で、多種の変化量の指示を演
奏者が電子楽器へ与えることができるようにする。 【解決手段】 押圧力値検出手段(3a、3b、…、3
n)は、演奏者に押圧されたときの押圧力値を各々取得
する。押圧位置特定手段4は、複数の押圧力値検出手段
(3a、3b、…、3n)から出力される押圧力値を監
視し、押圧力値の検出された押圧力値検出手段の配置さ
れている筐体表面の位置を、演奏者が押圧している押圧
位置として特定する。原音変化手段2は、押圧力値検出
手段(3a、3b、…、3n)で検出された押圧力値と
押圧位置特定手段4で特定された押圧位置とをそれぞれ
別の音変化のパラメータとして扱い、それらのパラメー
タに応じた異なる音の変化を原音発生手段1で発生させ
た原音に起こさせて楽音出力5より出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音を電気信号と
して発生させる電子楽器に関し、特に、その電気信号を
加工することにより発生させた楽音の原音を異なった音
に変化させる機能を有し、その機能における原音を変化
させる程度の指示を演奏中の演奏者が随時与えることの
できる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】楽音を電気信号として発生させる電子楽
器において、その電気信号を加工することで発生させた
楽音の原音を異なった音に変化させる機能であるエフェ
クタを有している電子楽器は市場で多数流通している。
数あるエフェクタの中でも、例えばモジュレーションや
ピッチシフトなどは、演奏者の意図する音楽的効果をそ
の電子楽器の出力する楽音により緻密に与えて表現力を
豊かにするために、原音にかけるエフェクタのエフェク
トの程度、すなわち、原音から変化させて得られる音の
変化の程度を、演奏中の演奏者が随時指示できるように
なっているものが多くある。
【0003】電子楽器の一種である電子キーボードの中
には、キーボードの押下による楽曲の演奏中にエフェク
タのエフェクト(効果)の程度を随時指示する用途で、
ホイールやリボンコントローラといった操作子が備えら
れているものがある。これらの操作子のうち、ホイール
については、操作前の基準位置に対する操作時の回転角
度がエフェクトの程度に関する指示として検出され、ま
た、リボンコントローラについては、演奏者が指で触れ
たリボン上の相対位置がエフェクトの程度に関する指示
として検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原音を異なった音に変
化させるエフェクタは多種多様なものが開発されてお
り、原音に複数の効果を同時に与えることもよく行われ
る。原音に複数のエフェクトを同時に与える場合、演奏
者がそのそれぞれのエフェクトの程度を個々に与えるこ
とができれば、演奏者の意図する音楽的効果がその電子
楽器の出力する楽音に更に緻密に与えられ、表現力の非
常に豊かな演奏を行なうことが可能となる。
【0005】しかしながら、従来のキーボードに備えら
れている操作子で検出することのできる演奏者からのエ
フェクトの程度の指示は、例えばホイールでは1つの程
度変化のみ、また、リボンコントローラでも、例え二次
元平面上の触指位置を検出するようにしたとしても、高
々2つの程度変化を与えることが精々であった。
【0006】これらの操作子を複数備えて指示を検出す
るようにすることも考えられる。しかし、こうすると演
奏者は複数のエフェクトの程度の指示のために複数の操
作子を操作する必要が当然生じ、しかも、演奏者はキー
ボードの押下による演奏も同時に行なっているのである
から、これらの操作子の操作は極めて困難なものとなっ
てしまう。
【0007】以上の問題を鑑み、僅かな操作負担で、多
種の変化量の指示を演奏者が電子楽器へ与えることがで
きるようにすることが本発明が解決しようとする課題で
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明である電子楽器は、楽音の原音を電気信号
として発生させる原音発生手段と、前記原音を異なった
音に変化させる原音変化手段と、を有する電子楽器にお
いて、該電子楽器を演奏する演奏者により押圧され、該
押圧時の押圧力値を検出する複数の押圧力値検出手段
と、前記複数の押圧力値検出手段から前記押圧力値の検
出された押圧力値検出手段を判別し、該押圧力値の検出
された押圧力値検出手段の配置に基づいて前記演奏者に
より押圧された押圧位置を特定する押圧位置特定手段
と、を更に有し、前記原音変化手段は、前記演奏者によ
る押圧時の押圧力値と押圧位置とに基づいて前記原音を
変化させ、該押圧力値の変化と該押圧位置の変化とでは
異なる変化を該原音に起こさせる、ことを特徴とするも
のである。
【0009】図1は、本発明の原理構成ブロック図であ
る。原音発生手段1は、楽音出力5より出力させる楽音
の原音を電気信号として発生させる手段であり、例え
ば、発振回路、或いは、原音の波形をサンプリングした
デジタルデータが書き込まれていて該デジタルデータが
繰返し読み出されるメモリとDAコンバータとの組み合
わせ、などで構成される。
【0010】原音変化手段2は、例えば、モジュレーシ
ョンやピッチシフトなどのいわゆるエフェクタで構成
し、押圧力値検出手段(3a、3b、…、3n)で検出
された押圧力値と押圧位置特定手段4で特定された押圧
位置とをそれぞれ音変化のパラメータとして扱い、原音
発生手段1で発生させた原音の音をそのパラメータに応
じて変化させて楽音出力5より出力させるものであり、
例えば、押圧力値検出手段(3a、3b、…、3n)で
検出された押圧力値を音の振幅の変化パラメータとし
て、一方、押圧位置特定手段4で特定された押圧位置を
音の周波数の変化パラメータとして、それぞれ扱うとい
うように、押圧力値と押圧位置をそれぞれ別の音変化の
パラメータとして扱うことにより、押圧力値を変化させ
た場合と押圧位置を変化させた場合とで、原音に異なる
音の変化を起こさせる。
【0011】押圧力値検出手段(3a、3b、…、3
n)は、例えば、圧力の変化を抵抗値の変化として示す
圧力センサで構成し、演奏者に押圧されたときの押圧力
値を各々取得するものである。
【0012】押圧位置特定手段4は、複数の押圧力値検
出手段(3a、3b、…、3n)から出力される押圧力
値を監視して演奏者による押圧力値を検出しているもの
を判別し、例えば、本発明に係る電子楽器において、押
圧力値の検出された押圧力値検出手段の配置されている
筐体表面の位置を、演奏者が押圧している押圧位置とし
て特定するものである。押圧力値検出手段(3a、3
b、…、3n)は複数備えられているので、異なる押圧
力値検出手段で押圧力値が検出されることにより、演奏
者による押圧位置が変化したことを押圧位置特定手段4
は認識することができる。
【0013】この図1に示す原理構成により、押圧力値
検出手段(3a、3b、…、3n)から押圧位置と押圧
力値という2種類の情報の取得が可能となり、原音変化
手段2は、これらの情報に応じて異なる音の変化を原音
に与えることが可能となる。従って、この原理構成を有
する電子楽器を用いれば、演奏者が押圧する位置と押圧
の力を変える操作を行なうだけで、発生させた原音を多
様に変化させて演奏の表現力をより豊かにさせることが
できるようになる。
【0014】また、図1において、押圧位置特定手段4
は、前記押圧位置を二次元もしくは三次元で特定し、原
音変化手段2は、前記押圧位置の次元毎の変化に基づい
て、該次元毎に異なる変化を前記原音に起こさせる、よ
うにしてもよい。
【0015】ここで、「押圧位置を二次元もしくは三次
元で特定」するとは、例えば、押圧位置を、面内の位置
として二次元で特定、もしくは、空間内の位置として三
次元で特定するということであり、例えば、本発明に係
る電子楽器において、押圧力値検出手段(3a、3b、
…、3n)が筐体のある一面に配置するような場合に
は、押圧力値が検出された押圧力値検出手段の位置を2
次元の値で特定することが可能である。また、例えば、
押圧力値検出手段(3a、3b、…、3n)が筐体の各
表面に分散して配置するような場合には、押圧力値が検
出された押圧力値検出手段の位置を3次元の値で特定す
ることが可能である。
【0016】この構成により、演奏者による押圧する位
置と力を変える操作から更に多くの音変化の程度に関す
る指示を電子楽器に与えることができるようになり、更
に多様な原音の変化の制御を演奏者が行なえるようにな
る。
【0017】また、図1において、押圧位置特定手段4
は、前記押圧力値の検出された押圧力値検出手段(3
a、3b、…、3n)を複数判別したときには、該押圧
力値の検出された複数の押圧力値検出手段の配置及び該
押圧力値に基づいて前記演奏者により押圧された押圧位
置を一ヵ所に特定するようにしてもよく、特に、該押圧
力値の検出された複数の押圧力値検出手段の配置及び該
押圧力値より前記演奏者による押圧の中心位置を求め、
該中心位置を該演奏者により押圧された押圧位置として
特定するようにしてもよい。
【0018】ここで、「該押圧力値の検出された複数の
押圧力値検出手段の配置及び該押圧力値より前記演奏者
による押圧の中心位置を求め」るとは、演奏者は常に一
点の位置を押圧するものであるという考えの下に、押圧
力値の検出された複数の押圧力値検出手段の配置と、こ
れらの押圧力値検出手段で検出された押圧力値と、から
演奏者が押圧したと仮想し得る一点の位置(押圧の中心
位置)を求めることを意味し、より具体的には、押圧力
値の検出された複数の押圧力値検出手段の配置されてい
るそれぞれの位置に、その位置の押圧力値検出手段で検
出された押圧力値に比例する質量を有する質点の存在を
想定し、これらの質点の重心の位置を求め、そして、こ
の重心の位置を演奏者による押圧の中心位置として特定
することを示すものである。
【0019】この構成により、本発明に係る電子楽器に
配置されている押圧力値検出手段を利用して、より細か
い分解能で押圧位置を求めることができるようになる。
また、前述の場合において、押圧位置特定手段4は、前
記押圧力値の検出された押圧力値検出手段を3つ以上判
別したときには、最大及び二番目に大きな押圧力値を検
出した2つの押圧力値検出手段のみが前記押圧力値を検
出したとみなすようにしてもよく、また、最大の押圧力
値を検出した押圧力値検出手段と、該最大の押圧力値を
検出した押圧力値検出手段に隣接する押圧力値検出手段
の中で最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と、
の2つの押圧力値検出手段のみが前記押圧力値を検出し
たとみなすようにしてもよい。
【0020】このように、2つの押圧力値検出手段のみ
が前記押圧力値を検出したとみなすようにすることによ
り、押圧位置特定手段4によって行われる押圧の中心位
置を求める処理の処理負担を軽減させることができるよ
うになる。
【0021】また、図1において、押圧位置特定手段4
は、前記演奏者により同時に押圧されることが予測され
る範囲を示す押圧予測範囲が予め設定され、前記押圧力
値の検出された押圧力値検出手段を複数判別したときに
は、最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と、該
最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と同時に前
記演奏者により押圧されることが前記押圧予測範囲によ
り予測される全ての押圧力値検出手段と、のそれぞれの
配置及びそれぞれで検出された押圧力値に基づいて前記
演奏者により押圧された押圧位置を一ヵ所に特定するよ
うにしてもよく、特に、前述した前記演奏者による押圧
の中心位置を求め、該中心位置を該演奏者により押圧さ
れた押圧位置として特定するようにしてもよい。
【0022】ここで、「演奏者により同時に押圧される
ことが予測される範囲を示す押圧予測範囲」としては、
例えば、押圧力値検出手段(3a、3b、…、3n)を
押圧する演奏者の指先の寸法などが考えられる。
【0023】この構成では、押圧予測範囲の外に配置さ
れている押圧力値検出手段が押圧力値を検出していたと
しても、それは演奏者による押圧以外の何らかの原因に
よって検出されている可能性が高いので、このような押
圧力値の検出は押圧位置特定手段4が無視するというも
のである。こうすることにより、演奏者による押圧位置
を特定する精度の向上が期待できる。
【0024】更に、押圧位置特定手段4が前記押圧力値
の検出された押圧力値検出手段を複数判別したときに特
定した押圧位置における前記演奏者により押圧された押
圧力値を、押圧位置特定手段4により判別された複数の
押圧力値検出手段により検出された押圧力値に基づいて
推定する押圧力値推定手段を更に有し、特に、前記押圧
力値推定手段は、押圧位置特定手段4により判別された
複数の押圧力値検出手段により検出された押圧力値の総
和を、前記演奏者により押圧された押圧力値と推定する
ようにし、原音変化手段2は、押圧位置特定手段4で特
定された押圧位置と押圧力値推定手段により推定された
押圧力値とをそれぞれ音変化の別のパラメータとして扱
い、原音発生手段1で発生させた原音をそのパラメータ
に応じて音の変化を起こさせて楽音出力5より出力させ
るようにしてもよい。
【0025】この構成により、押圧力値検出手段4が現
実には配置されていない位置に押圧位置を特定した場合
でも、その押圧位置における押圧力値を推定し、その値
に基づいた音の変化を原音に与えることができるように
なる。
【0026】なお、図1の原音変化手段2は、原音発生
手段1で発生させたアナログ信号である楽音の原音をア
ナログ信号として処理するアナログ処理回路で構成して
も、また、アナログ信号として発生させた楽音の原音を
A/D変換してデジタル信号としてから処理するデジタ
ル信号処理回路で構成しても、どちらでもよく、更に
は、原音発生手段1で楽音の原音をデジタル信号として
発生させ、原音変化手段2では、その原音をデジタル信
号のまま処理するデジタル信号処理回路で構成するよう
にしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、電子キーボードでの実施例について説明する。
【0028】図2は、本発明を実施する電子キーボード
の回路構成を示す図である。同図において、CPU1
1、ROM12、RAM13、タイマ14、ADC1
5、SW群16、音源回路17、出力ポート18は、バ
ス20を介してそれぞれ相互に接続されている。
【0029】CPU11は、ROM12に記憶された制
御プログラムに従って、RAM13をワークエリアとし
て使用しながら、この電子キーボード全体の動作を制御
する中央演算処理装置である。
【0030】ROM12は、CPU11で実行される、
電子キーボード全体の制御のための制御プログラムが予
め格納されているリードオンリメモリである。RAM1
3は、センサマトリクス19により取得される圧力値を
デジタルデータとして一時的に格納したり、CPU11
による処理のためのワークエリアとして用いられるラン
ダムアクセスメモリである。
【0031】タイマ14は、一定の時間間隔を計時する
ものであり、例えば、発振回路とカウンタ回路との組み
合わせにより構成される。ADC15はいわゆるADコ
ンバータであり、センサマトリクス19により取得され
るアナログ量である圧力値をCPU11からの指示によ
りサンプリングし、CPU11で処理可能なデジタル値
に変換するものである。
【0032】SW群16は、この電子キーボードを操作
するために必要なスイッチ群であり、電子キーボードの
鍵盤スイッチや各種機能のための機能スイッチなどが含
まれる。SW群16の状態はCPU11により監視され
る。
【0033】音源回路17は、本発明の実施の形態で
は、楽音の原音を電気信号として発生させる原音発生機
能と、例えば、モジュレーションやピッチシフトなど
の、発生させた原音を異なった音に変化させるエフェク
ト機能と、の両機能を併せ持つ回路を用いる。この音源
回路17のエフェクト機能を実現させる回路は、例え
ば、複数のエフェクト回路ブロックを直列接続するなど
して、複数のエフェクトを原音に同時にかけられるよう
に構成する。この音源回路17の両機能の動作は、共に
CPU11により制御される。
【0034】出力ポート18及びセンサマトリクス19
については、図3を用いて説明する。図3は、図2に示
すセンサマトリクス19の構成を示す図である。
【0035】図3(A)に示す回路構成で、ADIN0
〜ADIN7の各ラインは8チャンネルを有するADコ
ンバータであるADC15と接続され、KC0〜KC3
の各ラインは、出力ポート18からバス20を介してC
PU11と接続されている。
【0036】ADIN0のラインは、例えばADC15
のフルスケールの電圧値である+Vccまで、抵抗22
を介してプルアップされている。ADIN1〜ADIN
7の各ラインも実際にはADIN0と同様にプルアップ
されているが、同図ではADIN0をプルアップする抵
抗22のみを記している。
【0037】ADIN0〜ADIN7の8つの各ライン
と、KC0〜KC3の4つの各ラインと、の間には圧力
センサ21が1つずつ備えられている。図3(A)で
は、簡単のため、ADIN0とKC0との間に、接点0
として圧力センサ21を1つのみ記しているが、実際に
は、同図に示す接点0〜接点31までのそれぞれに1つ
ずつ、合計32個の圧力センサ21が備えられている。
【0038】本実施の形態では、圧力センサ21は、市
場で一般的に流通している、圧力値の変化が抵抗値の変
化として得られるものを使用する。図3(A)の回路構
成により、CPU11が、各圧力センサ21で検出した
押圧力値を取得する方法については、後の割り込み処理
の説明で併せて説明する。
【0039】図3(B)は、接点0〜接点31としてセ
ンサマトリクス19に備えられている圧力センサ21
の、電子キーボード表面上での配置の様子を示したもの
であり、演奏者がエフェクトの程度を電子キーボードに
指示するために操作する操作子として、接点0〜接点3
1の32個の圧力センサ21が直線的に等間隔に並べら
れて配置されている。
【0040】次に、図2に示すCPU11が行なう制御
について、図2及び図3を適宜参照しながら説明する。
図4は、CPU11が、電源投入直後よりROM12に
記憶されている制御プログラムを実行することにより実
現される、CPU11による電子キーボード全体の制御
処理を示すフローチャートである。CPU11による制
御動作を同図に従って説明する。
【0041】まず、ステップS101において、電源投
入直後にイニシャル処理が実行され、CPU11自身の
有するレジスタやRAM13の記憶内容の初期化、初期
設定値の格納、などの処理が行なわれる。
【0042】次に、ステップS102において、SW群
16として備えられている鍵盤スイッチや各種機能のた
めの機能スイッチの現在の状態をCPU11が取得する
ための走査処理が行なわれる。
【0043】ステップS103では、機能SW処理が実
行され、前ステップでの走査処理の結果として得られる
機能スイッチの現在の状態をCPU11が取得する。ス
テップS104では、鍵盤処理が実行され、ステップS
102での走査処理の結果として得られる鍵盤スイッチ
の現在の状態をCPU11が取得する。
【0044】ステップS105では、音源処理、すなわ
ち、センサマトリクス19で取得した圧力値に基づいて
決定される、演奏者による押圧から得られる各パラメー
タに応じたエフェクトの程度に関する設定データや、例
えば、各機能スイッチの状態に応じた、例えば、発生さ
せる原音の種類、原音に加えるエフェクトの種類などに
ついての設定データを音源回路17に転送する処理が実
行される。
【0045】ステップS106では、前述の音源処理を
除く、SW群16の状態に応じて行われる他の処理を実
行し、その後、ステップS102に戻り、ここまでで説
明した処理が繰り返される。
【0046】次に、図2に示す本発明の実施の形態であ
る電子キーボードのCPU11が行なう割込み制御につ
いて説明する。図2に示す本発明の実施の形態では、セ
ンサマトリクス19で検出した圧力値から、演奏者の押
圧位置と押圧力値とをCPU11が決定する本発明に特
に関係する処理と、音源回路17に楽音を発音・消音さ
せる処理とを、タイマ14の計時に基づくタイマ割込み
によって一定時間間隔ごとに処理するようにしている。
【0047】この割り込み処理の実行を開始させるため
にタイマ14で発生させるタイマ割込み信号の発生時間
間隔は、図4に示した電子キーボード全体の制御処理に
要する処理時間を考慮して、ある程度は長くする必要が
あるが、タイマ割り込みの発生時間間隔が長すぎると、
音源回路17による楽音の発音・消音のタイミングに違
和感が生じるようになったり、また、演奏者による押圧
に対する反応が鈍くなったりするなどの弊害が発生する
ので、両者のバランスを考慮して設定する。
【0048】図5は、CPU11により行われる割り込
み処理のフローチャートである。なお、前に説明した図
4のフローチャート中のステップS101のイニシャル
処理において、出力ポート18はすべて非選択である高
インピーダンス状態(Hi−Z状態)に初期設定され
る。
【0049】また、変数Phは0に初期設定され、更に
変数ADmapアドレスは、RAM13の領域ADma
pの先頭アドレスが初期設定される。変数Ph及びRA
M13の領域ADmapについては後述する。
【0050】では、タイマ割り込み発生時におけるCP
U11による制御動作を図5に従って説明する。まず、
ステップS111では、変数Phと定数“4”とを比較
し、Phが4であればステップS131に、一方、Ph
が4でなければステップS112に、それぞれ進む。
【0051】ステップS112からステップS122に
かけての処理は、変数Phが0から3の場合に実行され
る処理であり、センサマトリクス19に備えられている
各圧力センサ21で検出した押圧力値をCPU11が取
得する処理である。
【0052】ステップS112では、出力ポート18の
中で、例えば、変数Phの現在の値が“0" であればK
C0のラインを選択するというように、現在の変数Ph
の値に対応する図3(A)に示すKC0〜KC3のライ
ンのうちの1つを選択し、選択したラインに接続されて
いる出力ポートをLレベル(システムグランドのレベ
ル)に設定する。
【0053】ステップS113では、変数ADチャンネ
ル番号を“0”に設定する。ステップS114では、8
チャンネルを有するADC15の中から、例えば、現在
の変数ADチャンネル番号が“0”であればADIN0
のラインに接続されているADC15のチャンネルを選
択するというように、変数ADチャンネル番号に対応す
る図3(A)に示すADIN0〜ADIN7のラインの
うちの1つに接続されているADC15のチャンネルを
選択する。
【0054】ステップS115では、ADC15による
AD変換を開始させ、続くステップS116では、AD
C15がAD変換に要する時間に応じた処理のウェイト
を行なう。
【0055】ステップS117では、AD変換値をAD
C15より取得し、変数ADmapアドレスで示される
RAM13の領域ADmap内の格納位置に格納する。
本発明の実施の形態におけるRAM13の領域ADma
pの内容を図6に示す。同図に示すように、領域ADm
apには、圧力センサ21で検出され、ADC15でデ
ジタル値に変換された圧力値が、図3(A)に示す接点
0から接点31に対応する圧力センサの順に圧力値0か
ら圧力値31として各1バイトの値で合計32バイト格
納される。但し、このステップS117で領域ADma
pに格納される値は圧力値を直接示すものではなく、圧
力センサ21と抵抗22との分圧により得られる圧力セ
ンサ21両端に生じる電圧のAD変換値が格納される。
【0056】ステップS118では、変数ADチャンネ
ル番号が“7”であるか否かを調べ、変数ADチャンネ
ル番号が“7”であればステップS121に、一方、そ
うでなければステップS119にそれぞれ進む。
【0057】ステップS119では、変数ADmapア
ドレスをインクリメントして次の圧力値の格納位置を示
すようにする。ステップS120では、変数ADチャン
ネル番号をインクリメントして次のチャンネルを示すよ
うにし、その後、ステップS114へ戻り、前述した処
理を繰り返す。
【0058】ステップS121では、ステップS112
で選択したKC0〜KC3のラインのうちの1つに接続
されている出力ポートを元の状態である非選択である高
インピーダンス状態(Hi−Z状態)に設定する。
【0059】ステップS122では、変数Phをインク
リメントし、その後、今回の割り込み処理を終了して、
通常の処理へ戻る。一方、ステップS131からステッ
プS134にかけての処理は、ステップS111でPh
が4であると判断されたときに実行される処理であり、
Phが0から3のときに取得した圧力値に基づく押圧位
置の特定、その押圧位置における押圧力値の推定、及び
楽音の発音・消音制御を行なう処理である。
【0060】まず、ステップS131では押圧中心位置
/押圧力推定値決定処理を行なう。押圧中心位置/押圧
力推定値決定処理の詳細は後述する。ステップS132
では、音源回路17にSW群16の鍵盤スイッチの操作
に応じて楽音を発音・消音させる音源用割り込み処理が
実行される。
【0061】その後、ステップS133では、変数AD
mapアドレスを初期設定値であるRAM13の領域A
Dmapの先頭アドレスに再設定され、続くステップS
134で変数Phも初期値“0”に再設定され、以上で
今回の割り込み処理を終了して、通常の処理へ戻る。
【0062】次に、前述した割り込み処理中のステップ
S131で実行される押圧中心位置/押圧力推定値決定
処理について説明する。押圧中心位置/押圧力推定値決
定処理は、センサマトリクス19に備えられている各圧
力センサ21により、前述の割り込み処理の他のステッ
プで検出された圧力値と、図3(B)に示す各圧力セン
サ21の配置と、の関係から、演奏者による押圧の中心
位置を特定し、その押圧位置における押圧力値を推定す
る処理であり、本発明に関する特徴的な処理のひとつで
ある。
【0063】図7は、本発明の実施の形態における押圧
中心位置/押圧力推定値決定処理の原理を説明する図で
ある。ここでは、同一平面上に圧力センサの配置されて
いる接点A及び接点Bの2つの接点で圧力値が検出さ
れ、接点Aでは圧力値aが、接点Bでは、圧力値bが検
出されたときに、演奏者による押圧の中心位置Pを特定
し、その押圧位置Pにおける押圧力値pを推定する場合
を考える。
【0064】本発明の実施の形態においては、2つの接
点A、Bにおいて検出される圧力値a、bの違いは、2
つの接点A、Bからの押圧の中心位置Pまでの距離A
P、BPまでの距離の違いに基づくものであり、圧力値
a、bと距離AP、BPとの関係は逆比の関係を有して
いるものと考えるようにする。すなわち、AP:BP=
b:aとなる点Pを求め、この点Pを演奏者による押圧
の中心位置とするのである。
【0065】なお、この中心位置Pの特定手法は、接点
A及びBにそれぞれ圧力値a、bに比例する質量を有す
る質点の存在を想定し、これらの質点の重心の位置を求
め、この重心の位置を演奏者による押圧の中心位置Pと
して特定することと等価である。そこで、もしも3つ以
上の接点で押圧力値が検出された場合には、前述と同様
に考えて重心の位置を求め、この重心の位置を演奏者に
よる押圧の中心位置とすればよい。
【0066】次に、本発明の実施の形態における押圧の
中心位置における押圧力値を推定する手法を説明する。
本発明の実施の形態では、押圧の中心位置における演奏
者による押圧力は圧力値が検出された各接点における圧
力が合成されたものと考える。すなわち、図7の例で
は、演奏者による押圧の中心位置Pにおける押圧力の推
定値pは、接点Aにおいて検出された圧力値aと接点B
において検出された圧力値bとの和、すなわち、p=a
+bという計算により押圧力値pを推定する。
【0067】また、もしも、3つ以上の接点において圧
力値が検出された場合には、前述と同様に、各接点で検
出された圧力値の総和をもって、押圧の中心位置におけ
る演奏者による押圧力値と推定するようにする。
【0068】図8は、押圧中心位置/押圧力推定値決定
処理の第一の例を示すフローチャートである。図3
(B)に示すように、本発明の実施の形態では、センサ
マトリクス19に備えられている各圧力センサ21は直
線的に等間隔に並べられて配置されている。従って、図
6に示す各圧力センサ21で検出したそれぞれの圧力値
が格納されているRAM13の領域ADmapの各アド
レス値は、図3(B)に示す操作子における各圧力セン
サ21の相対位置を示す値ともみることができる。図8
の例では、このことを利用して押圧中心位置に相当する
アドレス値を求め、さらにその押圧中心位置における押
圧力推定値を求めるようにしている。
【0069】なお、図8のフローチャートでは、CPU
11への処理負担の軽減のため、最大の圧力値を検出し
た圧力センサの位置及び圧力値と、その圧力センサに隣
接する圧力センサのうちで最大の圧力値を検出した圧力
センサの位置及び圧力値と、より押圧中心位置を特定
し、押圧力の推定値を求めるようにしている。もちろ
ん、圧力値を検出した全ての圧力センサの位置及び圧力
値から押圧中心位置を特定し、押圧力の推定値を求める
ようにしてもよい。
【0070】では、図8について説明する。まず、ステ
ップS141では、前述した図5の割り込み処理のステ
ップS117でRAM13の領域ADmapに格納した
圧力センサ21両端に生じる電圧のAD変換値を読み出
して圧力値に変換し、RAM13の領域ADmap内の
元の位置に格納する。圧力センサ21両端に生じる電圧
値から圧力値への変換は、例えば、圧力センサ21につ
いての電圧値から圧力値への変換テーブルをROM12
に予め格納しておき、CPU11がこの変換テーブルを
参照して電圧値から圧力値への変換を行なうようにす
る。
【0071】ステップS142では、RAM13の領域
ADmapに格納されている各圧力値を読み出し、これ
らの中から、最大である圧力値及びその圧力値が格納さ
れているアドレス値を取得する。これらの値が、押圧中
心位置及び押圧力推定値の決定のための第一候補とな
る。
【0072】ステップS143では、RAM13の領域
ADmapで、前ステップで取得した最大の圧力値が格
納されているアドレスの前後のアドレスの圧力値を比較
し、大きい方の圧力値及びその圧力値が格納されている
アドレス値を取得する。これらの値が、押圧中心位置及
び押圧力推定値の決定のための第二候補となる。
【0073】ステップS144では、取得した第一候補
及び第二候補のアドレス値を比較し、アドレスの若い方
を接点A、他方を接点Bと定義する。ステップS145
では、接点Aのアドレス値からRAM13の領域ADm
apの先頭アドレス値を減じ、この値をアドレス整数と
する。このアドレス整数とは、図3(A)において、接
点0から接点Aまでの距離を示す値とみることができ
る。
【0074】ステップS146では、接点A、Bで検出
された圧力値をそれぞれa、bとすればb/(a+b)
を計算するものであり、この値をアドレス小数とする。
図6に示したように、本発明の実施の形態では、RAM
13の領域ADmapに格納した各圧力値は1バイト間
隔で並べている。従って、前ステップで求めたアドレス
整数を整数部分とし、このアドレス小数を小数部分とし
て得られる値は、図3(B)における接点0からの距離
として示される押圧中心位置を示す値である。
【0075】ステップS147では、前ステップの説明
で用いた仮定に従えばa+bを計算するものであり、こ
の値を前ステップで求めた押圧中心位置における押圧力
推定値とする。その後、今回の押圧中心位置/押圧力推
定値決定処理を終了し、図5に示すステップS132に
進む。
【0076】以上までの処理が押圧中心位置/押圧力推
定値決定処理の第一の例である。なお、この例では、R
AM13の領域ADmapのアドレス値を各圧力センサ
の位置を示す値として利用したが、代わりに、各圧力セ
ンサの位置を座標値としてROM12に予め格納してお
き、これらの座標値と検出圧力値とより押圧中心位置を
求めるようにすることも勿論可能であり、例えば、各圧
力センサが等間隔に並べられていなかったり、直線的に
並べられていないような場合にはむしろこの方が容易で
ある。こうするときの位置を示す座標は、各圧力センサ
が直線的に並べられているのであれば1次元、また、電
子キーボードの筐体の同一面上に並べられているのであ
れば2次元、更に、電子キーボードの筐体の複数面に渡
って並べられているのであれば3次元、の座標でそれぞ
れ示すようにする。そして、前述した音源処理(図4の
ステップS105)では、求めた押圧中心位置が多次元
の座標で示される場合には、次元毎の座標値を異なるエ
フェクトの程度の設定に用いるようにすると、多種のエ
フェクトの程度の制御が押圧位置の変化だけでも行なえ
るようになる。
【0077】次に、押圧中心位置/押圧力推定値決定処
理の別の例について説明する。図9は、押圧中心位置/
押圧力推定値決定処理の第二の例を示すフローチャート
である。
【0078】この例では、前提として、演奏者により同
時に押圧される図3(B)に示す操作子の範囲を予め予
測しておく。ここでは、演奏者が図3(B)に示す操作
子を押圧する指の大きさを考慮して、隣接した3つの接
点が同時に押圧されるものと予測している。
【0079】そして、圧力値の検出された複数の圧力セ
ンサから、最大の圧力値を検出した圧力センサと、その
圧力センサと同時に押圧されることが前述の考えにより
予測される範囲に配置されている圧力センサと、の合計
3つの隣接した圧力センサのそれぞれの配置及びそれぞ
れで検出された圧力値に基づいて、演奏者により押圧さ
れた押圧中心位置を求め、更に、その押圧中心位置にお
ける押圧力値を推定する処理を示したものが図9のフロ
ーチャートである。
【0080】図9において、ステップS151からステ
ップS153までの処理は、図8に示した第一の例のフ
ローチャートにおけるステップS141からステップS
143までの処理と同様である。
【0081】ステップS154では、前ステップまでに
取得した第一、第二候補の連続した2つのアドレスの前
後のアドレスの圧力値を比較し、大きい方の圧力値及び
その圧力値が格納されているアドレス値を取得する。こ
れらの値が、押圧中心位置及び押圧力推定値の決定のた
めの第三候補となる。
【0082】ステップS155では、取得した第一、第
二、第三候補のアドレス値を比較し、アドレスの若い順
に接点A、接点B、接点Cと定義する。ステップS15
6からステップS158にかけての処理は、図8に示し
た第一の例のフローチャートにおけるステップS145
からステップS147までの処理と同様であり、接点B
及び接点Cのみを基にしたときの押圧中心位置(これを
BC合成位置と呼ぶ)を接点0に対する相対位置として
求め、更に、そのBC合成位置における押圧力の推定値
(これをBC合成圧力と呼ぶ)を求めるものである。
【0083】ステップS159及びステップS160の
処理の原理については図10を用いて説明する。接点
A、接点B、接点Cで検出された圧力値をそれぞれa、
b、cとすると、BC合成位置を示すアドレスの小数で
あるBC合成アドレス小数はステップS157でc/
(b+c)として求められている。
【0084】ここで、図10に示すように、接点Aと接
点Bとのアドレスの距離は“1”であるから、接点Aと
BC合成位置との間の距離をアドレスを単位として示す
と、(1+BC合成アドレス小数)となる。
【0085】従って、BC合成圧力を[bc](=b+
c)と示せば、接点Aの位置及び圧力とBC合成位置及
びBC合成圧力とを基とする押圧中心位置(これをAB
C合成位置と呼ぶ)と、接点Aと、の間の距離、すなわ
ち、同図に示す「偏差」は(1+BC合成アドレス小
数)×{[bc]/(a+[bc])}で求まり、この
計算を実行する処理がステップS159である。
【0086】よって、ABC合成位置を接点0からの距
離として示す数値は、ステップS160に示す、(Aの
アドレス−ADmap先頭アドレス)+偏差の計算によ
り求めることができるのである。
【0087】ステップS161では、ABC合成位置で
の押圧力の推定値(これをABC合成圧力と呼ぶ)とし
て各接点A、B、Cで取得した圧力値の総和を求める。
ステップS162では、ABC合成位置をこの処理全体
で求めた押圧中心位置とし、また、ABC合成圧力をこ
の処理全体で求めた押圧力の推定値とし、今回の処理を
終了して図5に示すステップS132に進む。
【0088】以上までの処理が押圧中心位置/押圧力推
定値決定処理の第二の例である。なお、この例において
も、各圧力センサの位置を座標で定義し、座標値と検出
圧力値とより押圧中心位置を求めるようにすることは勿
論可能であり、各位置を2次元、3次元で示すような場
合には、演奏者により同時に押圧される範囲の予測も、
面を範囲として、あるいは空間を範囲として予測してお
くようにしても良い。
【0089】また、圧力値の検出された複数の圧力セン
サの配置及び検出圧力値に基づいて演奏者により押圧さ
れた押圧位置を一ヵ所に特定する手法として、押圧の中
心位置を求める手法を説明したが、本発明はこの手法に
限定されるものではなく、例えば、圧力値の検出された
圧力センサの位置と検出された圧力値とより両者の関係
を示す圧力分布の近似式を求め、その近似式より圧力近
似値の最大となる位置を演奏者が押圧した押圧位置とし
て特定する手法など、押圧位置を特定する他の手法を用
いて本発明を実施することも可能である。
【0090】更に、特定された押圧位置における押圧力
の推定も、前述した検出圧力値の総和を求める手法に本
発明は限定されるものではなく、例えば、上述した例に
従って得た圧力分布の近似式より求まる圧力近似値の最
大値を押圧力値として推定するなど、特定された押圧位
置における押圧力を推定する他の手法を用いて本発明を
実施することも可能である。
【0091】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した構成によ
り、電子楽器に設けられている操作子を押圧する押圧位
置の変更操作に加え、押圧力の強弱操作を行なうという
僅かな操作負担を演奏者に求めるだけで、多種の変化量
の指示を演奏者から電子楽器へ与えることが可能とな
り、表現力のより豊かな演奏を行なうことができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成ブロック図である。
【図2】本発明を実施する電子キーボードの回路構成を
示す図である。
【図3】センサマトリクスの構成を示す図である。
【図4】CPUによる電子キーボード全体の制御処理を
示すフローチャートである。
【図5】CPUにより実行される割り込み処理のフロー
チャートである。
【図6】RAMの領域ADmapの内容を示す図であ
る。
【図7】本発明の実施の形態における押圧中心位置/押
圧力推定値決定処理の原理を説明する図である。
【図8】押圧中心位置/押圧力推定値決定処理の第一の
例を示すフローチャートである。
【図9】押圧中心位置/押圧力推定値決定処理の第二の
例を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS159からステップS16
0にかけての処理の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 原音発生手段 2 原音変化手段 3a、3b、…、3n 押圧力値検出手段 4 押圧位置特定手段 5 楽音出力

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音の原音を電気信号として発生させる
    原音発生手段と、 前記原音を異なった音に変化させる原音変化手段と、 を有する電子楽器において、 該電子楽器を演奏する演奏者により押圧され、該押圧時
    の押圧力値を検出する複数の押圧力値検出手段と、 前記複数の押圧力値検出手段から前記押圧力値の検出さ
    れた押圧力値検出手段を判別し、該押圧力値の検出され
    た押圧力値検出手段の配置に基づいて前記演奏者により
    押圧された押圧位置を特定する押圧位置特定手段と、 を更に有し、 前記原音変化手段は、前記演奏者による押圧時の押圧力
    値と押圧位置とに基づいて前記原音を変化させ、該押圧
    力値の変化と該押圧位置の変化とでは異なる変化を該原
    音に起こさせる、 ことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記押圧位置特定手段は、前記押圧位置
    を二次元もしくは三次元で特定し、 前記原音変化手段は、前記押圧位置の次元毎の変化に基
    づいて、該次元毎に異なる変化を前記原音に起こさせ
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 【請求項3】 楽音の原音を電気信号として発生させる
    原音発生手段と、 前記原音を異なった音に変化させる原音変化手段と、 を有する電子楽器において、 該電子楽器を演奏する演奏者により押圧され、該押圧時
    の押圧力値を検出する複数の押圧力値検出手段と、 前記複数の押圧力値検出手段から前記押圧力値の検出さ
    れた押圧力値検出手段を判別し、該押圧力値の検出され
    た押圧力値検出手段の配置に基づいて前記演奏者により
    押圧された押圧位置を特定する押圧位置特定手段と、 を更に有し、 前記押圧位置特定手段は、前記押圧力値の検出された押
    圧力値検出手段を複数判別したときには、該押圧力値の
    検出された複数の押圧力値検出手段の配置及び該押圧力
    値に基づいて前記演奏者により押圧された押圧位置を一
    ヵ所に特定する、 ことを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 前記押圧位置特定手段は、前記押圧力値
    の検出された押圧力値検出手段を複数判別したときに
    は、該押圧力値の検出された複数の押圧力値検出手段の
    配置及び該押圧力値より前記演奏者による押圧の中心位
    置を求め、該中心位置を該演奏者により押圧された押圧
    位置として特定することを特徴とする請求項3に記載の
    電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記押圧位置特定手段は、前記押圧力値
    の検出された押圧力値検出手段を3つ以上判別したとき
    には、最大及び二番目に大きな押圧力値を検出した2つ
    の押圧力値検出手段のみが前記押圧力値を検出したとみ
    なすことを特徴とする請求項3または4に記載の電子楽
    器。
  6. 【請求項6】 前記押圧位置特定手段は、前記押圧力値
    の検出された押圧力値検出手段を3つ以上判別したとき
    には、最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と、
    該最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段に隣接し
    て配置されている押圧力値検出手段の中では最大の押圧
    力値を検出した押圧力値検出手段と、の2つの押圧力値
    検出手段のみが前記押圧力値を検出したとみなすことを
    特徴とする請求項3または4に記載の電子楽器。
  7. 【請求項7】 楽音の原音を電気信号として発生させる
    原音発生手段と、 前記原音を異なった音に変化させる原音変化手段と、 を有する電子楽器において、 該電子楽器を演奏する演奏者により押圧され、該押圧時
    の押圧力値を検出する複数の押圧力値検出手段と、 前記複数の押圧力値検出手段から前記押圧力値の検出さ
    れた押圧力値検出手段を判別し、該押圧力値の検出され
    た押圧力値検出手段の配置に基づいて前記演奏者により
    押圧された押圧位置を特定する押圧位置特定手段と、 を更に有し、 前記押圧位置特定手段は、 前記演奏者により同時に押圧されることが予測される範
    囲を示す押圧予測範囲が予め設定され、 前記押圧力値の検出された押圧力値検出手段を複数判別
    したときには、最大の押圧力値を検出した押圧力値検出
    手段と、該最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段
    と同時に前記演奏者により押圧されることが前記押圧予
    測範囲により予測される全ての押圧力値検出手段と、の
    それぞれの配置及びそれぞれで検出された押圧力値に基
    づいて前記演奏者により押圧された押圧位置を一ヵ所に
    特定する、 ことを特徴とする電子楽器。
  8. 【請求項8】 前記押圧位置特定手段は、前記押圧力値
    の検出された押圧力値検出手段を複数判別したときに
    は、最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と、該
    最大の押圧力値を検出した押圧力値検出手段と同時に前
    記演奏者により押圧されることが前記押圧予測範囲によ
    り予測される全ての押圧力値検出手段と、のそれぞれの
    配置及びそれぞれで検出された押圧力値より前記演奏者
    による押圧の中心位置を求め、該中心位置を該演奏者に
    より押圧された押圧位置として特定することを特徴とす
    る請求項7に記載の電子楽器。
  9. 【請求項9】 前記押圧位置特定手段が前記押圧力値の
    検出された押圧力値検出手段を複数判別したときに特定
    した押圧位置における前記演奏者により押圧された押圧
    力値を、該押圧位置特定手段により判別された複数の押
    圧力値検出手段により検出された押圧力値に基づいて推
    定する押圧力値推定手段を更に有し、 前記原音変化手段は、前記演奏者による押圧時の押圧位
    置と前記押圧力値推定手段により推定された押圧位置と
    に基づいて前記原音を変化させ、該押圧力値の変化と該
    押圧位置の変化とでは異なる変化を該原音に起こさせ
    る、 ことを特徴とする請求項3から8までのいずれか1に記
    載の電子楽器。
  10. 【請求項10】 前記押圧力値推定手段は、前記押圧位
    置特定手段により判別された複数の押圧力値検出手段に
    より検出された押圧力値の総和を、前記演奏者により押
    圧された押圧力値と推定することを特徴とする請求項9
    に記載の電子楽器。
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