JP2577330Y2 - 楽音制御装置 - Google Patents

楽音制御装置

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JP2577330Y2
JP2577330Y2 JP1992038793U JP3879392U JP2577330Y2 JP 2577330 Y2 JP2577330 Y2 JP 2577330Y2 JP 1992038793 U JP1992038793 U JP 1992038793U JP 3879392 U JP3879392 U JP 3879392U JP 2577330 Y2 JP2577330 Y2 JP 2577330Y2
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徹夫 岡本
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】この考案は、例えば、演奏者の身振りに応
じて楽音を制御する装置に係り、特に、各種音高の楽音
を素速く発音/消音することができる楽音制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、動作を検出するセンサを身体に装
着したり、あるいは指の押圧操作を検出するセンサを手
に把持したりして、これらセンサから出力される検出信
号に応じて楽音を制御する楽音制御装置が各種開発され
ている(例えば、特開昭63−252176号公報)。
【0003】このような従来の楽音制御装置は、リズム
スティックと呼ばれる演奏操作子の振り上げ角度に基づ
き、楽音の音高を決定するものであって、該リズムステ
ィックの握り部近傍にキーオン/キーオフを指示するた
めの2つのキースイッチを設け、該リズムスティックの
振り上げ角度に基づいた音高の楽音の発生制御をこのキ
ースイッチのオンオフ操作に応じて行う。
【0004】キースイッチのオンオフ操作に応じた楽音
の発生制御は、具体的には次のように行われる。2つ
のキースイッチを交互にオンした場合には、キースイッ
チがオンされる毎に楽音を発生する。一方のキースイ
ッチをオンしたまま他方のキースイッチをオンした場合
には、一旦、楽音を急速減衰させて消音した後、再び楽
音を発生させる。
【0005】これによって、キースイッチを正確なタイ
ミングで交互に押下しなくとも、いずれかのキースイッ
チがオンされる毎に新たなキーオン動作がなされるか
ら、素速いキーオン/キーオフを指示することが可能に
なり、例えば、トリル演奏等の素速いキーオン/キーオ
フ動作が要求される演奏操作を実現できる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
楽音制御装置では、1つのリズムスティック上に2つの
キースイッチを設けるようにしたので、2つのキースイ
ッチを素速く操作するためには、2本の指を使用せねば
ならず、リズムスティックの把持が困難であり、言換え
るならば、リズムスティックを把持する必要があるた
め、キースイッチの素速い操作が困難であり、素速いキ
ーオン/キーオフ指示ができなかった。
【0007】加えて、上述した構成によれば、一方のキ
ースイッチをオンしたまま、他方のキースイッチをオン
すると、一旦、発音中の楽音を強制的に急速減衰させて
発音を止め、この後に新たな楽音を発音させるので、楽
音が途切れてしまうという欠点がある。この考案は上述
した事情に鑑みてなされたもので、キーオン/キーオフ
指示が容易で、しかも素速いキーオン/キーオフ指示が
なされても楽音が途切れることがない楽音制御装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は、左右の手に
把持される第1および第2の操作子から構成され、同一
音高の楽音発生を指示するスイッチ手段を前記第1およ
び第2の操作子に各々備える演奏情報発生手段と、この
演奏情報発生手段から供給される演奏情報に応じた楽音
を発生する楽音発生手段とを具備し、前記楽音発生手段
は、前記スイッチ手段が連続して操作された場合、先の
操作に対応して発音された楽音を消音すると共に、後の
操作に応じた楽音を発音することを特徴としている。
【0009】
【作用】上記構成によれば、演奏情報発生手段は、演奏
者の左右の手に把持される第1および第2の操作子に、
それぞれ同一音高の楽音発生を指示するスイッチ手段を
備える。したがって、各操作子を把持する各指にそれぞ
れ同一音高を割り当てておけば、極めて自然な動作で各
種音高を指定する演奏が可能になる。また、楽音発生手
段は、前記スイッチ手段が連続して操作された場合、先
の操作に対応して発音された楽音を消音すると共に、後
の操作に応じた楽音を発音する。この結果、楽音を繋げ
た状態で素早いキーオン/キーオフ動作させることが可
能になる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照してこの考案の実施例につ
いて説明する。 A.実施例の構成 図1はこの考案による一実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。この図において、10は装置各部を制御す
るCPUであり、その動作については後述する。11は
CPU10によりロードされる各種制御プログラムや、
これら制御プログラムにおいて用いられる各種データテ
ーブル、あるいは音色データなどが記憶されるROMで
ある。12はCPU10のワークエリアとして用いられ
るRAMであり、各種演算結果やレジスタ値が一時記憶
される。
【0011】13はCPU10に供給するクロックを発
生するタイマである。CPU10は、このタイマ13か
ら供給されるクロックを常時カウントしており、カウン
ト値が所定値に達すると、後述する発音処理を実行す
る。14は液晶パネル等で構成される表示器であり、C
PU10からバスを介して供給される各種データを表示
する。15は装置パネル面に各種配設されるパネルスイ
ッチである。このパネルスイッチ15には、例えば、発
生楽音の音色を決める音色スイッチや、リバーブ等の効
果音を選択するスイッチ等が設けられている。
【0012】16はMIDI入出力インタフェースであ
り、MIDI端子を介して接続される電子楽器とMID
Iデータを授受する。17はCPU10からバスを介し
て供給される各種信号に基づき楽音合成を行い、これに
より形成される楽音信号Wを発生する音源であり、周知
の波形メモリ読み出し方式で構成されている。なお、こ
の音源17は、2チャンネル分の同時発音チャンネルを
備える。18はサウンドシステムであり、音源17から
供給される楽音信号Wに効果音処理等を施した後、これ
を増幅してスピーカから発音させる。
【0013】19R,19Lは、それぞれ演奏者の左右
の肘に装着され、各肘の曲げ角度に応じた検出信号
R,DLを発生する角度検出器である。ここで、図2を
参照し、この角度検出器19R,19Lの構成について
説明する。この図に示す角度検出器19は、例えば、伸
縮自在な布を円筒状に縫製したサポータSの外周面に取
り付けられた光ファイバF、この光ファイバFの一端と
他端とに各々装着された受光素子D1および発光素子D
2から構成される。ここで、光ファイバFは、与えられ
た曲げに応じて光透過率が変化する特性を備える。した
がって、このような構成によれば、受光素子D2は、光
ファイバFの曲げ量に応じた検出信号DR(またはDL
を出力する。
【0014】20R,20Lは、それぞれ演奏者の右手
および左手に把持されるグリップ型操作子であり、押下
ボタンR0〜R7,L0〜L7を備える。これら押下ボ
タンは、図3に示すように、R0〜R3(あるいはL0
〜L3)の列と、R4〜R7(あるいはL4〜L7)の
列と分れ、互いに左右対象に配列されている。こうした
配列において、ボタン行C1が人差し指、ボタン行C2
が中指、ボタン行C3が薬指、ボタン行C4が小指によ
って各々操作される。
【0015】これら押下ボタンには、図示されていない
圧力センサSR0〜SR7,SL0〜SL7が対応して
配設され、各指の押圧操作に応じた操作信号を発生する
ように構成されている。ここで、図3を参照して各押下
ボタンに割り当てられる機能について説明する。まず、
押下ボタンR0〜R3(あるいはL0〜L3)の列で
は、後述する動作の下で生成された標準音高を、操作さ
れたボタン行に応じてその音高をシフトさせる。つま
り、ボタン行C1では「+2オクターブ」、ボタン行C
2では「+1オクターブ」、ボタン行C3では「0オク
ターブ」、ボタン行C4では「−1オクターブ」各々シ
フトさせる。また、押下ボタンR4〜R7(あるいはL
4〜L7)の列には、標準音高から半音高い音高を、上
述のように、操作されたボタン行に応じて音高をシフト
させるようにしている。
【0016】以上のように構成される角度検出器19
R,19Lおよびグリップ型操作子20R,20Lは、
図4に示すように、角度検出器19R,19Lが演奏者
の両肘に装着されると共に、グリップ型操作子20R,
20Lが演奏者の両手に把持される形態となる。この図
に示すように、角度検出器19R,19Lの出力は、一
旦グリップ型操作子20R,20Lを介して本体である
楽音制御装置に供給されるようになっている。
【0017】角度検出器19R,19Lおよびグリップ
型操作子20R,20Lの各出力信号は、検出回路21
R,21L(図1参照)に供給される。検出回路21
R,21Lは、それぞれグリップ型操作子20R,20
Lから供給される操作信号に基づき各ボタンのオンオフ
状態を検出する。すなわち、所定の押圧以上が加えられ
た押下ボタンを「オン状態」、その他を「オフ状態」と
見做している。さらに、この検出回路21R,21Lで
は、角度検出器19R,19Lから出力される検出信号
R,DLに基づき、演奏者の右肘および左肘の各曲げ角
度を検出する。そして、検出回路21R,21Lは、そ
れぞれ押下ボタンのオンオフ状態を表わすオンオフ情報
と、演奏者の右肘および左肘の各曲げ角度を表わす角度
情報とをバスを介してCPU10へ供給する。
【0018】検出回路21R,21Lから出力される角
度情報は、発生すべき楽音の音名を指定するために用い
られるようになっており、その定義を図5〜図6に示
す。まず、図5に示すように、右肘および左肘の曲げ角
度には、肘を完全に伸した状態から角度θ1までの範囲
をステート、角度θ1から角度θ2までの範囲をステー
ト、角度θ2から肘を完全に曲げた状態までの範囲を
ステートとする3段階の曲げ状態が割り当てられてい
る。そして、図6に示すように、これら左右の肘の曲げ
状態〜の組合わせにより、発音すべき楽音の音名が
指定される。この場合、9通りの音名が定義されてお
り、例えば、右肘の曲げ角度がステートにあり、左肘
の曲げ角度がステートにある時、発音開始時に指定さ
れる音名は「G」音となる。
【0019】B.実施例の動作 次に、上記構成による実施例の動作について図7〜図1
0を参照して説明する。まず、図4に示す態様で角度検
出器19R,19Lが装着され、かつ、グリップ型操作
子20R,20Lが把持されている状態において、本体
である楽音制御装置に電源が投入されると、CPU10
がROM11より所定の制御プログラムをロードし、図
7に示すメインルーチンを起動する。
【0020】メインルーチンの動作 メインルーチンが起動すると、CPU10の処理はステ
ップSa1に進む。ステップSa1では、各種レジスタ
値をリセットする等の初期設定を行い、次のステップS
a2に進む。ステップSa2では、パネルスイッチ15
の設定に基づき、例えば、発生楽音の音色などが設定さ
れる。次に、ステップSa3に進むと、CPU10はタ
イマ13から供給されるクロックのカウント値が所定値
に達したか否か、すなわち、一定時間が経過したか否か
を判断する。ここで、このカウント値が所定値に達して
いなければ、判断結果が「NO」となり、ステップSa
2に戻り、上述した過程を繰り返す。
【0021】一方、クロックのカウント値が所定値に達
し、一定時間が経過すると、ステップSa2の判断結果
が「YES」となり、ステップSa4に進む。ステップ
Sa4では、検出回路21Rから前述したオンオフ情報
と角度情報とを取込み、取込んだオンオフ情報をレジス
タRFPにセットすると共に、角度情報をレジスタRE
にセットする。ここで、レジスタRFPは、8ビット長
のデータを一時記憶するものである。レジスタRFPの
各ビット0〜7は、それぞれ前述した押下ボタンR0〜
R7に対応しており、オン状態では「1」が、オフ状態
では「0」がセットされる。
【0022】次いで、ステップSa5では、上記ステッ
プSa4と同様にして、検出回路21Lから取込んだオ
ンオフ情報および角度情報をそれぞれレジスタLFP,
LEにセットし、次のステップSa6に進む。ステップ
Sa6では、各レジスタRFP,LFP,RE,LEに
設定された楽音パラメータに応じて発音処理(後述す
る)を行い、演奏操作に対応した音高の楽音を発生する
と共に、この楽音に相当するMIDI信号を生成する。
そして、発音処理完了後、再び上述のステップSa2に
戻り、処理を繰り返す。
【0023】発音処理ルーチンの動作 CPU10の処理が上記ステップSa6に進むと、この
処理ルーチンが起動され、図8に示すステップSb1に
進む。ステップSb1では、今回検出したオンオフ状態
と前回検出したオンオフ状態とを比較して操作状態が変
化した押下ボタンを抽出し、これがキーオンイベントで
あるかキーオフイベントであるかを判定する。すなわ
ち、前回検出したオンオフ状態を記憶するレジスタRF
S(レジスタLFS)の内容と上記レジスタRFP(レ
ジスタLFP)の内容とを比較してグリップ型操作子2
0R(20L)のキーオン/キーオフイベントを判定す
る。
【0024】以下、この判定結果に応じたキーオン(ノ
ートオン)/キーオフ(ノートオフ)処理の動作につい
て順次説明する。 (a)キーオン操作が検出されない場合 この場合、ステップSb2,Sb3,Sb4(図10参
照),Sb5(図10参照)の各判断結果が「NO」と
なり、このルーチンを完了して前述のメインルーチンに
復帰する。
【0025】(b)グリップ型操作子20R(あるいは
20L)でキーオンした場合 グリップ型操作子20Rにおける押下ボタンR0〜R7
のいずれかが操作され、キーオンイベントが生成された
場合には、ステップSb2の判断結果が「YES」とな
り、ステップSb6に進む。ステップSb6では、キー
オンされた押下ボタンR0〜R7の内、最も小さいボタ
ン番号を検出する。すなわち、最も高い音高を指定する
ボタン番号を検出し、これをレジスタXにセットする。
例えば、押下ボタンR2、R3(複数)がキーオンされ
た時には、この内最も高い音高を指定するR2(ボタン
番号2番)を優先的に検出するようにしている。
【0026】次いで、ステップSb7に進むと、CPU
10はレジスタNONの値が「1」であるか否かを判断
する。このレジスタNONには、前回ボタン操作による
発音が持続している時に「1」、そうでない時に「0」
がセットされる。ここで、例えば、前回ボタン操作によ
る発音が持続しておらず、最初のキーオン状態である場
合、該レジスタNONの値は「0」となるから、この判
断結果は「NO」になり、次のステップSb8(図9参
照)に進む。
【0027】ステップSb8では、レジスタRE,LE
に各々設定されている右肘および左肘の角度情報を読み
出し、左右両肘の曲げ状態の組み合わせ(図5参照)に
従って対応する音名コードを生成する。そして、この音
名コードをレジスタNNにセットする。なお、この音名
コードは、周知のMIDIコードに対応させており、例
えば、左右両肘の曲げ状態によって指定された音名が
「C」音である時には、これに相当するMIDIコード
「2」が上記レジスタNNに書き込まれる。
【0028】次に、ステップSb9に進むと、レジスタ
NNにセットされた値と、前述したレジスタXの値とを
加算する。これにより、指定された音名コードの音高を
シフトさせ、所望のノートコードを生成する。このノー
トコードは、レジスタNCにセットされる。
【0029】ところで、このレジスタXにセットされる
値は、音高シフト量に対応させたボタン番号であるか
ら、これをMIDIコードに換算する必要がある。例え
ば、レジスタXに設定されている値がボタン番号「2」
である場合、これは「0オクターブシフトのナチュラル
指定」であるから、MIDIコードの「60」に相当す
る。したがって、例えば、上記一例のように、左右両ひ
じの曲げ状態により指定された音名が「C(0)」音
で、音高シフト量が「0オクターブシフト(60)」で
ある時には、これら値の加算値「60」がノートコード
(MIDIコード)として算出される訳である。
【0030】そして、次のステップSb10に進むと、
CPU10は、上記レジスタNCから読み出したノート
コードとノートオン(キーオン)とからなるMIDIデ
ータを発生し、これをMIDI入出力インタフェース1
6から外部のMIDI楽器へ出力する。これにより、外
部MIDI楽器は、指定された音高の楽音で発音する。
続いて、ステップSb11に進むと、発音チャンネル番
号がセットされるレジスタiの内容をビット反転し、発
音待機状態にある発音チャンネル番号を表し、次のステ
ップSb12に進む。
【0031】ステップSb12では、レジスタNCから
読み出したノートコードとキーオン信号を音源17に送
出する。これにより、音源17は発音待ち状態にあった
発音チャンネルから指定音高の楽音を発音する。次に、
ステップSb13に進むと、レジスタNCから読み出し
たノートコードをレジスタLNCに書き込むと共に、レ
ジスタNONに発音中を表す発音フラグ「1」をセット
する。こうしてキーオン処理が完了すると、このルーチ
ンが終了し、CPU10の処理は前述したメインルーチ
ンに復帰する。
【0032】これまで説明したキーオン処理は、演奏者
の右手に把持されるグリップ型操作子20Rからキーオ
ン指示したものである。これに対し、グリップ型操作子
20Lからキーオン指示した場合には、前述したステッ
プSb2,Sb3の判断結果がそれぞれ「NO」,「Y
ES」となり、ステップSb14に進む。そして、ステ
ップSb14では、ステップSb6と同様にして、最も
高い音高を指定するボタン番号を検出し、これをレジス
タXにセットする。次いで、この後、上述したステップ
Sb7〜Sb13により音源17から指定音高の楽音を
発音させると共に、該音高の楽音を発音するように外部
MIDI楽器へMIDIデータを供給する。
【0033】(c)グリップ型操作子20R(あるいは
20L)でキーオフした場合 前記(b)項によるキーオン動作後、グリップ型操作子
20R(あるいは20L)で対応する押下ボタンが離さ
れると、前述したステップSb4(あるいはステップS
b5)の判断結果が「YES」となり、ステップSb1
5に進む。ステップSb15では、レジスタNONに発
音中であることを表す発音フラグ「1」がセットされて
いるか否かを判断する。この場合、前記(b)項で「キ
ーオン」状態にあるため、判断結果は「YES」とな
り、次のステップSb16に進む。
【0034】ステップSb16では、レジスタXに設定
されているボタン番号、すなわち、キーオンイベントを
発生した押下ボタンが、グリップ型操作子20R,20
Lの両者で共にキーオフイベントを発生したか否かを判
断する。ここで、仮に一方の操作子だけがキーオフイベ
ントを発生した場合には、他方の操作子でキーオン状態
が持続しているものと見なし、この判断結果は「NO」
となり、このルーチンを完了する。これに対し、左右両
操作子20R,20L共にキーオフイベントを発生した
時には、この判断結果が「YES」となり、次のステッ
プSb17に進む。
【0035】ステップSb17に進むと、CPU10
は、レジスタNCから読み出したノートコードとノート
オフ(キーオフ)とからなるMIDIデータを発生し、
これをMIDI入出力インタフェース16から外部のM
IDI楽器へ出力する。これにより、外部MIDI楽器
は、発音中にある楽音を消音する。続いて、ステップS
b18では、レジスタNCから読み出したノートコード
とキーオフ信号を音源17に送出する。これにより、音
源17は発音チャンネルの楽音を消音する。次に、ステ
ップSb19に進むと、レジスタNONの発音フラグを
「0」とし、キーオフ(ノートオフ)状態に設定する。
このようにしてキーオフ処理が完了すると、このルーチ
ンが終了し、CPU10の処理は前述したメインルーチ
ンに復帰する。
【0036】(d)キーオン操作が連続してなされた場
合 次に、グリップ型操作子20R,20Lにおいて、異な
る押下ボタンを続けて操作し、連続するキーオンイベン
トが発生した場合の動作について説明する。ここでは、
例えば、演奏者の左右両肘の曲げ状態の組み合わせによ
り「D」音の音名が指示され、かつ、グリップ型操作子
20R,20Lの押下ボタンR6,L6が順次キーオン
操作された場合を例にとり、説明を進める。まず、先に
押下ボタンR6が操作され、このキーオンイベントが検
出されると、前述した(b)項で説明したキーオン処理
により「Dシャープ」音が発音される。
【0037】次いで、この「Dシャープ」音が発音中に
ある間に、続けて押下ボタンL6が操作されると、前述
したステップSb7(図8参照)の判断結果が「YE
S」となり、ステップSb20に進む。ステップSb2
0では、レジスタLNCから先のキーオン時のノートコ
ードを読み出し、これをノートオフ(キーオフ)と共に
MIDI入出力インタフェース16を介して外部のMI
DI楽器へ出力する。そして、ステップSb21では、
レジスタLNCから読み出した先のキーオン時のノート
コードとキーオン信号とを音源17に送出する。これに
より、音源17は、先のキーオンに応じて一方の発音チ
ャンネルから発音させた「Dシャープ」音を所定レート
で減衰させて消音する。そして、この後、CPU10の
処理は、前述したステップSb8〜Sb13(図9参
照)を経る。この結果、音源17は、続いてキーオンさ
れた「Dシャープ」音を他方の発音チャンネルから発音
するようになる。
【0038】このように、連続したキーオン操作がなさ
れた場合には、先にキーオンされた楽音を減衰させなが
ら続いてキーオンされた楽音を立ち上げるので、従来の
ように楽音が途切れることなく、楽音を繋げた状態で素
早いキーオン/キーオフ動作させることが可能になる。
なお、上述した動作例では、同一音高の楽音を連続して
キーオンさせた場合について示したが、これは互いに異
なる音高の楽音を順次キーオン動作させることも可能で
ある。
【0039】さらに、上述した実施例では、演奏者の左
右の手に把持されるグリップ型操作子20R,20Lが
左右対象に同一音高を指定する押下ボタンを複数備えて
いるため、例えば、一方の操作子側で音高を指定し、他
方の操作子側でキーオン/キーオフ操作することが可能
になる。また、このような演奏操作において、各グリッ
プ型操作子20R,20Lは、左右対象で各指に同一音
高を割り当てているため、極めて自然な動作で各種音高
を指定する演奏が可能になる訳である。
【0040】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、演奏情報発生手段は、演奏者の左右の手に把持され
る第1および第2の操作子に、それぞれ同一音高の楽音
発生を指示するスイッチ手段を備え、楽音発生手段は前
記スイッチ手段が連続して操作された場合、先の操作に
対応して発音された楽音を消音すると共に、後の操作に
応じた楽音を発音するため、キーオン/キーオフ指示が
容易で、しかも素速いキーオン/キーオフ指示がなされ
ても楽音が途切れず、楽音を繋げた状態で発音すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案による一実施例の全体構成を示すブ
ロック図。
【図2】 同実施例における角度検出器19R,19L
の一例を示す外観図。
【図3】 同実施例におけるグリップ型操作子20R,
20Lを説明するための図。
【図4】 同実施例における演奏形態を説明するための
図。
【図5】 同実施例における角度検出器19R,19L
の曲げ角度検出範囲を説明するための図。
【図6】 上記曲げ角度検出範囲の組み合わせに応じて
指定される音名を説明するための図。
【図7】 同実施例におけるメインルーチンの動作を説
明するためのフローチャート。
【図8】 同実施例における発音処理ルーチンの動作を
説明するためのフローチャート。
【図9】 同実施例における発音処理ルーチンの動作を
説明するためのフローチャート。
【図10】 同実施例における発音処理ルーチンの動作
を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…タ
イマ、16…MIDI入出力インタフェース、17…音
源、19R,19L…角度検出器、20R,20L…グ
リップ型操作子(演奏情報発生手段)、R0〜R7,L
0〜L7…押下ボタン(スイッチ手段)、21R,21
L…検出回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10H 1/18 101 G10H 1/18 101 1/34 1/34

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の手に把持される第1および第2の
    操作子から構成され、同一音高の楽音発生を指示するス
    イッチ手段を前記第1および第2の操作子に各々備える
    演奏情報発生手段と、 この演奏情報発生手段から供給される演奏情報に応じた
    楽音を発生する楽音発生手段とを具備し、 前記楽音発生手段は、前記スイッチ手段が連続して操作
    された場合、先の操作に対応して発音された楽音を消音
    しつつ、後の操作に応じた楽音を発音することを特徴と
    する楽音制御装置。
JP1992038793U 1992-06-08 1992-06-08 楽音制御装置 Expired - Lifetime JP2577330Y2 (ja)

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