JP2000029392A - ポリスチレン系熱収縮性ラベル - Google Patents

ポリスチレン系熱収縮性ラベル

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JP2000029392A
JP2000029392A JP10226813A JP22681398A JP2000029392A JP 2000029392 A JP2000029392 A JP 2000029392A JP 10226813 A JP10226813 A JP 10226813A JP 22681398 A JP22681398 A JP 22681398A JP 2000029392 A JP2000029392 A JP 2000029392A
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俊哉 ▲よし▼井
Toshiya Yoshii
Toshio Yamamoto
富志男 山本
Hiroshi Hamada
浩 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、スチレン系モノマーと(メタ)ア
クリル酸エステル系モノマーの共重合体の連続相中にゴ
ム状弾性体を分散させた透明・高衝撃性ポリスチレンを
用い、該樹脂材料の利点を保持しつつ、光沢性に優れ、
商品価値の高いポリスチレン系熱収縮性ラベルを提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 中間層1の外側に表面層2,2が積層された
構造の基材3により熱収縮性ラベルを構成し、前記中間
層1を、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エス
テル系モノマーの共重合体の連続相中にゴム状弾性体を
分散させた透明・高衝撃性ポリスチレン(グラフトTI
−PS)によって形成し、且つ前記表面層2,2を、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体によって形成したこ
とを解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、合成樹脂
製容器、ガラス製容器又は金属製容器等の被装着物に装
着する熱収縮性ラベルに関し、具体的には、ポリスチレ
ン系の熱収縮性ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系の熱収縮性ラベル
としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を用
いて形成されたものが知られているが、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体は、汎用樹脂ではないため比較
的高価であり、又、それを用いたラベルの性質として
は、剛性が低く(腰が弱く)、自然収縮率(常温よりや
や高い温度で保管した場合に自然に収縮する割合)が高
く、しかも熱収縮率が低い(つまり、高い熱収縮率の実
用的なラベルがない)という欠点を有する。
【0003】また、ポリスチレン系の樹脂材料として、
合成ゴム(例えば、ポリブタジエン)にスチレンをグラ
フト共重合させた高衝撃性ポリスチレン(以下、「HI
−PS」と略称する)が知られている。該HI−PS
は、汎用樹脂であり、又、それを用いた熱収縮ラベルの
性質は、剛性が高く、自然収縮率が低くなる点において
前記スチレン−ブタジエンブロック共重合体によって形
成されたものより好ましいが、その反面、フィルム自体
が白濁するので、印刷等を行っても装飾性に劣り、ラベ
ルとして商品価値が極めて低いという欠点があり、実用
性が殆どない。
【0004】そこで、かかるHI−PSの欠点を改善し
た樹脂材料として、特開平7−32477号及び特開平
9−328564号(以下、「従来公報」という)所載
のように、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エ
ステル系モノマーの共重合体の連続相中にゴム状弾性体
を分散させ、ゴム状弾性体粒子に各モノマーをグラフト
重合させた透明・高衝撃性ポリスチレン(以下、「グラ
フトTI−PS」と略称する場合がある)が知られてい
る。
【0005】かかる材料を用いた熱収縮性ラベルは、ア
クリル酸エステル系モノマーが共重合されているので、
HI−PSに比べれば白濁度合いが低く、従って、HI
−PSの利点を保持しつつ、該HI−PSに比して透明
性に優れているという利点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記グ
ラフトTI−PSを用いた熱収縮性ラベルは、ラベルの
光沢性に劣り、表面の美麗さという装飾性の観点から十
分な商品価値を有するラベルとは言えない。
【0007】また、グラフトTI−PSからなるフィル
ムは、従来のスチレン−ブタジエンブロック共重合体の
フィルムに比べて、酢酸エチルエステルや酢酸ブチルエ
ステル等のエステル系、アセトンやメチルエチルケトン
等のケトン系、及びトルエン等の芳香族炭化水素系等の
有機溶剤を含有した汎用性のある油性インキが使用し難
く、耐溶剤性(油性の印刷インキに対する耐性)に劣る
という欠点を有する。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みて、グ
ラフトTI−PSの利点を保持しつつ、光沢性に優れ、
高い熱収縮率を有する商品価値の高いポリスチレン系熱
収縮性ラベルを提供し、併せて、耐溶剤性に優れたポリ
スチレン系熱収縮性ラベルを提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、試
行錯誤を繰り返して鋭意研究を重ねた結果、ポリスチレ
ン系熱収縮性ラベルを、中間層1の外側に表面層2,2が積
層された構造の基材3により構成し、前記中間層1が、ス
チレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノ
マーの共重合体の連続相中にゴム状弾性体を分散させた
透明・高衝撃性ポリスチレン(グラフトTI−PS)に
よって形成し、且つ前記表面層2,2が、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体によって形成することによって
上記課題を解決することができることを突き止めた。
【0010】かかる構成からなるポリスチレン系熱収縮
性ラベルは、表面層2,2がスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体で形成されているので、表面の光沢性に優れ
たラベルとなる。
【0011】さらに、表面層2,2がスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体で形成されているので、汎用的な有
機溶剤を含有した通常のポリスチレン用の油性の印刷イ
ンキを用いて印刷を行うことができる。
【0012】また、中間層1が、スチレン系モノマーと
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの共重合体の連
続相中にゴム状弾性体を分散させた透明・高衝撃性ポリ
スチレンによって形成されているので、ラベルの剛性が
高く、又自然収縮率も低いという利点を有する。
【0013】本発明に係るポリスチレン系熱収縮性ラベ
ルは、各モノマーの重合割合又は基材3の延伸倍率若し
くは熱セット温度等を適宜選択することにより、90℃
温水中に10秒間浸漬後に於ける一方向の熱収縮率が6
5%以上、より好ましくは、90℃温水中に10秒間浸
漬後に於ける一方向の熱収縮率が70%以上に形成する
ことができ、かかるラベルは高い熱収縮性を有するので
好適なラベルである。また、同様に、自然収縮率が1.
5%未満に形成することができ、かかるラベルは低い自
然収縮性を有するので好適なラベルである。
【0014】本発明は、上記構成を採用することによ
り、両樹脂の利点を併有し、表面光沢性に優れ、高剛
性、高熱収縮性、低自然収縮率で、表面の耐溶剤性に優
れたラベルとすることができる。
【0015】表面層2,2を構成するスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体は、主としてラベルの表面光沢性に
寄与するものであるから、その厚みは、薄くてもよく、
又、表面層2,2が薄いほど相対的に中間層1の厚みの占め
る割合は高くなり、高剛性、低自然収縮率のラベルを構
成でき、従って、表面層2,2は薄ければ薄いほど好まし
いといえる。しかしながら、製造上、表面層2,2を均一
な厚みに形成することは困難であるので、表面層2,2を
余りに薄くすると、表面の印刷性や低温収縮性に劣る等
の問題が生じる可能性がある。
【0016】これらを考慮すると、表面層2,2の厚み
は、0.5μm以上にすることが好ましく、更に、十分
な耐溶剤性を付与するために2.0μm以上にすること
はより好ましい。
【0017】一方、表面層2,2が厚すぎると、相対的に
グラフトTI−PSが薄くなり、剛性が低く、自然収縮
率の高いラベルとなるので好ましくない。また、通常、
熱収縮性ラベルは、厚み30〜60μm程度である。こ
れらを考慮すると、表面層2,2の厚みは、7μm以下に
することが好ましい。
【0018】即ち、請求項2記載のように、表面層2,2
は、厚み0.5〜7.0μmに形成されることが好まし
く、通常のラベルに於いては、相対的に中間層1の厚み
は、16〜59μmに形成される。
【0019】更には、表面層2,2は、厚み2.0〜7.
0μmに形成されることがより好ましく、通常のラベル
に於いては、相対的に中間層1の厚みは、16〜56μ
mに形成される。
【0020】本発明の中間層1を形成する透明・高衝撃
性ポリスチレン(グラフトTI−PS)は、従来公報に
開示されたものを用いればよい。
【0021】以下、簡単に説明すると、グラフトTI−
PSのスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p
−メチルスチレン等が用いられる。本発明に於いては、
スチレン系モノマーとして、これらモノマー単独で又は
複数混合して用いてもよい。
【0022】また、グラフトTI−PSの(メタ)アク
リル酸エステル系モノマーとしては、アクリル酸アルキ
ルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステルモ
ノマー等が用いられる。
【0023】例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル等
のモノマーが挙げられ、これらモノマー単独で又は複数
混合して用いてもよい。
【0024】本発明に於いては、(メタ)アクリル酸エ
ステル系モノマーとしてアクリル酸メチルやメタクリル
酸メチルは透明性に優れるので好ましく用いられ、又、
アクリル酸n−ブチル等の炭素数4以上のアルキル基を
有するアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸n−
ブチル等の炭素数4以上のアルキル基を有するメタクリ
ル酸アルキルエステルは自然収縮率の低減に優れている
ので好ましく用いられる。
【0025】さらに、グラフトTI−PSのゴム状弾性
体としては、常温でゴム弾性を示すものをいい、例え
ば、ポリブタジエン等のジエン類、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
イソプレン重合体等が用いられる。中でも、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体が好ましく、更には、そのスチレン含有量が10
〜50重量%のものがより好ましい。
【0026】ゴム状弾性体の粒子径としては、余りに小
さ過ぎては衝撃吸収性に劣り、余りに大き過ぎては白濁
の原因となるので、本発明に於いては、0.1〜1.2
μmの範囲のものが用いられ、より好ましくは、0.1
〜0.7μmの範囲が好ましい。
【0027】上記スチレン系モノマー、(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマー及びゴム状弾性体の割合は、特
に限定されず、従来公報に記載の割合でもよいが、本発
明者は、中でも、スチレン系モノマーが、45〜55重
量%、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが、38
〜45重量%、ゴム状弾性体が、6〜10重量%の割合
で重合することが、好適な中間層1の透明性、高剛性、
低自然収縮率を発現するので最も好ましいと考える。
【0028】尚、従来公報に記載のように、上記グラフ
トTI−PSに、テルペン系樹脂を混合し、中間層1を
形成してもよい。テルペン系樹脂を混合することによ
り、グラフトTI−PSをフィルム状に形成する際に粘
度調整剤として作用し、又、ラベルを熱収縮させた際の
曇りを抑制するという作用が期待される。
【0029】テルペン系樹脂は、柑橘系皮質から得られ
るd−リモネン、又は生松脂から得られるα−ピネンの
異性化で得られるジペンテンと芳香族炭化水素をフリー
デルクラフツ型触媒(例えば、塩化アルミ、三フッ化ホ
ウ素等)を用いてカチオン重合を行うことによって得る
ことができる。
【0030】さらに、かかる重合体を水素添加すること
により得られる水添テルペン樹脂、1,3−ペンタジエ
ン主体の樹脂等の石油樹脂、及び該石油樹脂の水素添加
樹脂(水添石油樹脂)をグラフトTI−PSに混合して
中間層1を形成してもよい。
【0031】また、本発明に於いては、中間層1とし
て、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル
系モノマー及びゴム状弾性体(必要に応じてテルペン系
樹脂を混合)の割合が異なる2種類以上の共重合体を、
2層以上(複数層)に積層したものを用いてもよい。
【0032】次に、表面層2,2を形成するスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体としては、通常用いられてい
るスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用い、必要
に応じてスチレン−ブタジエン共重合体とポリスチレン
を混合したものを用いてもよい。かかるブタジエンの粒
子径は、透明性の観点から0.01〜0.08μmの範
囲が好ましい。
【0033】かかる共重合体の割合は、特に限定される
ものではないが、概ねスチレン系モノマー82〜88重
量%、ブタジエン系モノマー12〜18重量%の割合で
重合させることが好ましい。また、表面層2,2として、
スチレン系モノマー、ブタジエン系モノマーの割合が異
なる2種類以上の共重合体を、2層以上に積層したもの
を用いてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1に於いて、3は、スチレン系モノマーと
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの共重合体の連
続相中にゴム状弾性体を分散させた透明・高衝撃性ポリ
スチレン(グラフトTI−PS)からなる中間層1の外
側(両表面)にスチレン−ブタジエンのブロック共重合
体からなる表面層2,2が積層された基材を示す。
【0035】尚、中間層1と表面層2,2の間に、透明性、
剛性及び自然収縮性等を悪化させなければ、他の共重合
体等の樹脂層等を別途積層してもよい。
【0036】中間層1は、上述のように、例えば、スチ
レン系モノマー45〜55重量%、(メタ)アクリル酸
エステル系モノマー38〜45重量%、ゴム状弾性体6
〜10重量%の割合で重合されたグラフト共重合体が用
いられ、該共重合体がシート状に形成されて構成されて
いる。
【0037】また、表面層2,2は、上述のように、例え
ば、スチレン系モノマー82〜88重量%、ブタジエン
系モノマー12〜18重量%の割合で重合されたブロッ
ク共重合体が用いられ、該共重合体がシート状に形成さ
れて構成されている。尚、必要に応じて中間層1及び表
面層2,2に、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤等を添加してもよい。
【0038】また、表面層2,2の厚みは、各々0.5〜
7.0μmに形成されている。
【0039】前記基材3は、幅方向(即ち、容器等の被
装着物5に装着した時の被装着物5の周方向X)に3.5〜
5.0倍程度延伸処理が施され(図2参照)、又、必要に
応じて、長手方向(即ち、容器等の被装着物5に装着し
た時の被装着物5の縦方向Y)に1.05〜1.50倍程度延伸
処理が施されている。
【0040】かかる基材3は、幅方向が被装着物5の周方
向Xになるように筒状に形成されることにより、被装着
物5に装着可能なラベルが構成されている。
【0041】また、前記基材3の一面(一方の表面層2の
外側面であって、被装着物5に接する面)には、印刷層
として、例えば、アクリル系の下地塗りの上から水性イ
ンキを用いて任意のデザインの印刷が施されている。一
方、基材3の他面(他方の表面層2の外側面であって、被
装着物5に接しない面)には、オーバーコート層とし
て、例えば、アクリル系樹脂からなる保護膜が形成され
ている。
【0042】尚、上記印刷層としては、有機溶剤を含有
した汎用的なポリスチレン用の油性インキを用いてグラ
ビア印刷等の手段によって印刷を施してもよい。
【0043】本発明に係るラベルは、上記構成からなる
ので、自動ラベル装着装置に通しても、不用意な切れ等
によるラベル破損を生じ難く、装着後の表面光沢性にも
優れている。
【0044】保管の際の自然収縮率も極めて低く、且つ
熱収縮率も高いので、実用的価値の高いラベルである。
【0045】さらに、汎用的な油性インキを用いること
ができるので、印刷が簡易に行え、ラベルとして好適で
ある。尚、中間層1は、表面層2,2よりも厚く、又、グラ
フトTI−PSは汎用的な樹脂であるため、原料入手が
容易で、ラベルの製造コストを抑えることができる。
【0046】次に、上記構成からなる熱収縮性ラベルの
製造方法について説明する。但し、以下に示す製法は一
例であり、本発明に係るポリスチレン系熱収縮性ラベル
は以下の製法に限定されるものではない。
【0047】<製造方法>グラフトTI−PSとスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体の2種類の共重合体を
別々の押出機に供給して、約200℃の温度下で溶融押
出し、双方の流れをフィードブロックで合流させる。
【0048】これをT型口金に導入し、中間層1の外側
に表面層2,2が積層された3層シートを形成する。次
に、この3層シートを約90℃に加熱して幅方向(周方
向X)に4.8倍延伸する。
【0049】その後、緊張状態で85℃の熱処理ゾーン
で固定(85℃で熱セット)し、テンターの外部に出し
て冷却し、コアに巻き取り基材3を製造する。尚、この
際の基材3の中間層1の厚みは44μm、表面層2,2の厚
みはおのおの3μmに形成され、基材3の厚みは、50
μmに形成されている。
【0050】次に、この基材3の一面に、水性インキを
用いて8色からなるデザインのグラビア印刷を行って印
刷層を形成し、一方、基材3の他面には、損傷防止のた
めにアクリル系樹脂を塗布してオーバーコート層を形成
し、印刷ロールとして巻き取る。
【0051】この印刷ロールを適当な幅にスリットして
1列づつの巻物とし、これを印刷面(基材3の一面)が
内側になり、且つ基材3の幅方向が被装着物5の周方向X
になるように筒状に丸め、両端辺を溶剤等で接着し長尺
筒状に形成した熱収縮性ラベルとした。
【0052】<使用方法>このようにして製造された筒
状の熱収縮性ラベルを自動ラベル装着装置に供給し、被
装着物5として内部充填済みのポリエチレンテレフタレ
ート製の1.5リットル容器(いわゆるPET容器)に
連続的に被嵌し、スチームトンネルを通過させることに
より熱収縮して、ラベルはPET容器に装着される。
【0053】
【実施例】上記のような実施形態において、下記の実施
例及び比較例に示すポリスチレン系熱収縮性ラベルを形
成し、そのラベルの光沢度、弾性率及び自然収縮率につ
いて調べた。
【0054】(フィルムの組成)実施例及び比較例に使
用する原料としては、以下の組成からなる樹脂A及び樹
脂Bを用いた。
【0055】.樹脂A…スチレン50重量%、メタク
リル酸メチル30重量%、アクリル酸n−ブチル12重
量%、ブタジエン8重量%からなるグラフトTI−P
S。ブタジエン粒子は、0.1〜1.2μmで分散して
おり、樹脂Aのメルト・フロー・レイト(MFR)は、
3.8〜4.3g/10分である。尚、ブタジエンは、
溶液重合で作られたスチレン−ブタジエン共重合体(ス
チレン40重量%)をスチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体に加えることにより樹脂中に組み入れ
た。
【0056】.樹脂B…スチレン86重量%、ブタジ
エン14重量%からなるスチレン−ブタジエンブロック
共重合体。ブタジエン粒子は、0.01〜0.08μm
で分散しており、樹脂Bのメルト・フロー・レイト(M
FR)は、4.0〜4.5g/10分である。
【0057】(実施例1)実施例1では、上記樹脂Aを
中間層(厚み44μm)とし、その外側に樹脂Bを積層
して表面層(厚み各々3μm)が形成された3層構造の
基材を準備し、それを筒状にして熱収縮性ラベルを製造
した。尚、ラベルの製造方法は、上記<製造方法>と同
様の手法で行った。
【0058】(実施例2)実施例2では、上記樹脂Aを
中間層(厚み44μm)とし、その外側に樹脂Bを積層
して表面層(厚み各々3μm)が形成された3層構造の
基材を準備し、それを筒状にして熱収縮性ラベルを製造
した。尚、ラベルの製造方法は、熱セットを70℃で行
った点を除き上記<製造方法>と同様の手法で行った。
【0059】(比較例1)比較例1は、上記樹脂Aのみ
を用いて単層構造の基材(厚み50μm)を準備し、そ
れを筒状にして熱収縮性ラベルを製造した。尚、ラベル
の製造方法は、単層構造である点を除き上記<製造方法
>と同様の手法で行った。
【0060】(比較例2)比較例2は、上記樹脂Aのみ
を用いて単層構造の基材(厚み50μm)を準備し、そ
れを筒状にして熱収縮性ラベルを製造した。尚、ラベル
の製造方法は、単層構造である点及び熱セットを70℃
で行った点を除き上記<製造方法>と同様の手法で行っ
た。
【0061】(比較例3)比較例3は、上記樹脂Bのみ
を用いて単層構造の基材(厚み50μm)を準備し、そ
れを筒状にして熱収縮性ラベルを製造した。尚、ラベル
の製造方法は、単層構造である点を除き上記<製造方法
>と同様の手法で行った。
【0062】(比較例4)比較例4は、上記樹脂Bのみ
を用いて単層構造の基材(厚み50μm)を準備し、そ
れを筒状にして熱収縮性ラベルを製造した。尚、ラベル
の製造方法は、単層構造である点及び熱セットを70℃
で行った点を除き、上記<製造方法>と同様の手法で行
った。
【0063】(各種試験)上記実施例1〜2及び比較例
1〜4のポリスチレン系熱収縮性ラベルの複数(各3
個)について、光沢度、弾性率、自然収縮率及び熱収縮
率を適宜測定し、その平均値を求めた。
【0064】.光沢度 実施例1〜2及び比較例1のラベルを、上記<使用方法
>と同様の手法で被装着物に装着(熱収縮)させた後の
ラベルを試験片として光沢度を測定した。測定方法は、
JIS K7105(1981年)に示された60度鏡
面に準じて行った。
【0065】.弾性率 実施例1〜2及び比較例1のラベルを試験片として弾性
率を測定した。測定方法は、JIS K7127(19
89年)「プラスチックフィルム及びシートの引張試験
方法」に準じて行った。
【0066】.自然収縮率 実施例1〜2及び比較例1〜4のラベルを試験片として
自然収縮率を測定した。測定方法は、ラベルを30℃の
雰囲気下に30日間放置して、その間の幅方向の自然収
縮率(自然収縮率={(元の長さ−収縮後の長さ)/
(元の長さ)}×100)を測定した。
【0067】.熱収縮率 実施例1〜2及び比較例1〜4のラベルを試験片として
熱収縮率を測定した。測定方法は、ラベルを10cm×
10cm(縦方向Yの長さ×周方向Xの長さ)に切り取
って試験片とし、その試験片をそれぞれ所定温度(80
℃及び90℃)の温水中に10秒間浸漬し、周方向の熱
収縮率(熱収縮率={(元の周方向の長さ−浸漬後の周
方向の長さ)/(元の周方向の長さ)}×100)を測
定した。
【0068】(結果及び評価)
【0069】.光沢度 結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1の光沢度は約115%、実施例2
の光沢度は約116%、比較例1の光沢度は約92%で
あった。実施例1〜2のラベルは、何れも光沢度が高
く、又、視覚により見比べても実施例1〜2のラベルは
美麗な印象受け、商品価値が高いと判断された。
【0072】.弾性率 結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】実施例1〜2の弾性率は何れも約180k
g/mm2、比較例1の弾性率は約191kg/mm2
あった。実施例1〜2のラベルは、比較例1と殆ど同程
度の弾性率を示し、腰の強い(高剛性)ラベルであるこ
とが実証された。
【0075】.自然収縮率 結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】実施例1〜2は、何れも1.5%未満であ
り、比較例1〜2と殆ど同程度の自然収縮率を示し、自
然収縮率の低い極めて安定したラベルであることが実証
された。
【0078】.熱収縮率 結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】実施例1〜2は、何れも80℃温水浸漬後
の熱収縮率が45%以上で、90℃温水浸漬後の熱収縮
率が65%以上であり、熱収縮性ラベルとして十分に熱
収縮することが実証された。また、例えば70℃で熱セ
ットされた本発明に係るポリスチレン系熱収縮性ラベル
(実施例2のラベル)は、90℃温水浸漬後の熱収縮率
が70%以上という高い熱収縮率を示し、しかも、自然
収縮率は1.5%未満であることから、実用性の高い熱
収縮性ラベルである。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明に係るポリスチレン
系熱収縮性ラベルは、グラフトTI−PSの外側にスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体が設けられているの
で、高剛性、低自然収縮率、高熱収縮率という利点を保
持しつつ、表面光沢性に優れ、しかも耐溶剤性に優れた
実用的なラベルとすることができ、極めて商品価値の高
いものである。また、中間層として汎用的な樹脂である
グラフトTI−PSを用いているので、原料コストが安
く、安価なラベルとなる。
【0082】特に、請求項2記載の手段のように、表面
層の厚みを0.5〜7.0μmに形成することは、上記
効果を十分に奏すると考えられるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱収縮性ラベルの一実施形態を示
す断面図。
【図2】本発明に係る熱収縮性ラベルを被装着物に装着
した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…中間層、2…表面層、3…基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 浩 大阪市鶴見区今津北5丁目3番18号 株式 会社フジシール内 Fターム(参考) 4F100 AK12A AK12J AK25A AK25J AK29A AK73B AK73C AL01A AL02B AL02C AL05A AL09A AN00A BA03 BA06 BA10B BA10C BA25 GB90 JA03 JA06A JA06B JA06C JB01 JK09A JN01A JN21 YY00 YY00A YY00B YY00C 4J002 BN141 BN161 BP012 GF00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層(1)の外側に表面層(2),(2)が積層
    された構造の基材(3)からなり、前記中間層(1)が、スチ
    レン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
    ーの共重合体の連続相中にゴム状弾性体を分散させた透
    明・高衝撃性ポリスチレンによって形成され、且つ前記
    表面層(2),(2)が、スチレン−ブタジエンブロック共重
    合体によって形成されていることを特徴とするポリスチ
    レン系熱収縮性ラベル。
  2. 【請求項2】 前記表面層(2),(2)が、厚み0.5〜
    7.0μmである請求項1記載のポリスチレン系熱収縮
    性ラベル。
  3. 【請求項3】 90℃温水中に10秒間浸漬後に於ける
    一方向の熱収縮率が65%以上で、且つ自然収縮率が
    1.5%未満である請求項1又は2記載のポリスチレン
    系熱収縮性ラベル。
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