JP2000004036A - 微結晶半導体層の形成方法、および光起電力素子 - Google Patents

微結晶半導体層の形成方法、および光起電力素子

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JP2000004036A
JP2000004036A JP10167927A JP16792798A JP2000004036A JP 2000004036 A JP2000004036 A JP 2000004036A JP 10167927 A JP10167927 A JP 10167927A JP 16792798 A JP16792798 A JP 16792798A JP 2000004036 A JP2000004036 A JP 2000004036A
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microcrystalline semiconductor
substrate
layer
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Koichi Matsuda
高一 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成速度を高速にしても、電気的、光学的特
性に優れた微結晶半導体層を形成できる微結晶半導体層
の形成方法、および光起電力素子を提供する 【解決手段】 原料ガスを反応容器の放電空間内へ導入
し、原料ガスをプラズマ放電により分解し、微結晶半導
体層を形成する方法において、反応容器内の基板と対向
する面に複数のカソード電極を配置し、主たるカソード
電極に原料ガスを分解するための主たる高周波電力を印
加してプラズマを生成し、異なるカソード電極に主たる
高周波電力よりも低い周波数の高周波電力を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波プラズマC
VD法を利用した微結晶半導体層の形成方法、および光
起電力素子に係り、特に光電変換素子、ラインセンサ
ー、その他各種デバイス等に有用な微結晶シリコン層を
高品質に高速で形成する微結晶半導体層の形成方法、お
よびi型層として微結晶シリコン層を有する光起電力素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】1970年代の後期において、非晶質シ
リコン系薄膜の価電子制御が可能になると、非晶質シリ
コン系薄膜を、様々な半導体デバイスに応用するための
研究・開発が進められるようになった。
【0003】例えば、非晶質シリコン系薄膜を有する薄
膜起電力素子は、一般的にはpin接合構造を有してお
り、光電変換は主にi型層で行われる。接合特性を改善
するためにp型層やn型層を微結晶化する試みは、これ
まで数多くなされてきたものの、i型層が非晶質シリコ
ンからなるpin型太陽電池では、光照射時にi型層の
欠陥密度が増加し、光電変換率の低下を引き起こす現象
(所謂Staebler−Wronski効果)の抑制
が困難であり、実用上の大きな問題となっていた。
【0004】近年、非晶質シリコン系薄膜起電力素子の
光電変換層にi型の微結晶シリコンを用いる試みがなさ
れている。例えば、Neuchatel大学のShah
らのグループは、25th IEEE PV Spec
ialists Conferernce,Washi
ngton,May 13−17,1996において、
p型層、i型層、n型層の全層に微結晶シリコンを用い
て作製した光電変換効率7.7%の光劣化を伴わないp
in型微結晶シリコン太陽電池を報告している。
【0005】これら半導体デバイスの製造における薄膜
半導体層の形成には、いわゆるRFプラズマCVD法が
汎用されている。RFプラズマCVD法においては、1
3.56MHzの高周波が電波法に基づく観点から一般
的に使用されている。RFプラズマCVD法は、放電条
件の制御が比較的容易であり、得られる膜の膜質が優れ
ているといった利点を有するが、ガスの利用効率が低
く、薄膜形成速度を大きくするにつれ、形成膜の品質が
急激に低下する傾向が確認されており、量産時のスルー
プットを向上させにくいという欠点があった。
【0006】一方、薄膜形成速度を比較的大きくしても
良質の薄膜半導体を形成することができるものとして、
2.45GHzに代表されるマイクロ波を用いたプラズ
マCVD法が提案されている。マイクロ波プラズマCV
D法は、RFプラズマCVD法に比べて、原料ガスの利
用効率が高く、薄膜形成速度を高くすることができる反
面、形成される薄膜の品質は充分満足できるものとは限
らなかった。
【0007】近年、RF周波数よりも高く、マイクロ波
周波数よりも低い50〜550MHz程度のいわゆるV
HF(Very High Frequency)領域
の周波数を用いたVHFプラズマCVD法が検討されて
いる。このVHFプラズマCVD法についての検討は、
例えば、Plasma Chemistry andP
lasma Processing,Vol7,No.
3,(1987)p267−273に説明されている。
同文献には、容量結合型のグロー放電分解装置を使用
し、原料ガス(シランガス)を周波数25〜150MH
zの超短波エネルギーで分解して、非晶質シリコン膜を
形成することが記載されている。具体的には、周波数を
25MHz〜150MHzの範囲で変化させて、非晶質
シリコン膜の形成を行い、70MHzを使用した場合に
膜堆積速度が、21Å/secと最も大きくなり、上述
のRFプラズマCVD法の5〜8倍程度の形成速度であ
ることが記載されている。さらに、膜中の欠陥密度、光
バンドギャップおよび導電率は、励起周波数によってあ
まり影響を受けないことが記載されている。
【0008】また、特開平7−130719号公報に
は、複数の周波数の高周波電力を成膜炉内に投入するこ
とで、積極的にプラズマ組成を制御し、所望のプラズマ
を得て均一で安定したプラズマ処理を行うことが開示さ
れている。具体的には、プラズマ処理装置内において、
処理される基板は電極上に設置され、これと対向する面
に独立した電極が設置される。プラズマ処理は、いずれ
か一方の電極に、異なる周波数の高周波電力を合成した
電力を投入するというものである。
【0009】しかしながら、このプラズマ処理方法はエ
ッチング処理に関するものであり、微結晶半導体層の形
成条件のような場合に、自由にプラズマ電位や電子密
度、その他の条件を効率よく制御することができるかが
不明である。
【0010】さらに加えて、微結晶シリコン層などのよ
うに、非晶質シリコン層と比較して格子緩和に必要なエ
ネルギーが高い半導体層を作成する場合、その半導体層
を形成する速度に応じた放電エネルギーをプラズマ中に
供給することが必要であり、高品質の微結晶シリコン層
を形成させる条件は限られていた。
【0011】例えば、前述のNeuchatel大学の
Shahらのグループが採用したi型の微結晶シリコン
層の形成方法は、110MHzのVHF帯周波数を採用
していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、i型層
に微結晶シリコン膜を用いたpin型太陽電池は、光劣
化を伴わないという大きな利点を有する。
【0013】前述のNeuchatel大学のShah
らのグループの報告によると、i型微結晶シリコン層の
堆積速度は1.2Å/secで、その層厚は3.6μm
であった。簡単な計算によって、i型微結晶シリコン層
の形成時間は、8時間以上もの長時間を要することとな
り、タクトタイムの上昇から、低コスト化を図るのが困
難となってしまう。
【0014】したがって、微結晶シリコン膜を太陽電池
のi型層などの層厚の厚い層に適用するためには、i型
微結晶シリコン層の形成速度を飛躍的に向上させること
が必須である。微結晶シリコン膜の形成速度を大きくす
るためには、原料ガスや投入する高周波電力の増加が必
要となるが、この形成速度の上昇方法は非晶質を形成し
やすい方法でもある。
【0015】一般に、微結晶構造の促進のためには、層
形成の最表面での格子緩和が必要とされており、基板温
度の上昇等によって解決されていたものの、微結晶層を
高速度で形成するには限界があった。
【0016】結果として形成膜の最表面での格子緩和が
阻害され、形成膜の品質は低下する傾向があることが、
これまでの多くの研究より明らかにされている。基板温
度の上昇も、i型層と他の層(下地のn型層あるいはp
型層)からのドーパントの拡散が顕著となってi型層の
品質を損ない、結果的に作製した薄膜太陽電池の特性も
低下させてしまうというおそれがあった。
【0017】本発明は、形成速度を数〜数十Å/sec
という高速にしても、電気的、光学的特性に優れた微結
晶半導体層を形成することができる微結晶半導体層の形
成方法、および微結晶半導体層を光電変換層として有す
る光起電力素子を提供することを目的とする。
【0018】すなわち、本発明は、効率良く半導体デバ
イスを形成しうるVHFプラズマCVD法を利用して、
基板上に、層中の欠陥を極力抑えながら高品質な堆積層
を高速度で形成することができる微結晶半導体層の形成
方法、および光起電力素子を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明の微結晶半導体層の形成方法は、原料ガスを
反応容器の放電空間内へ導入し、電力を印加して原料ガ
スをプラズマ放電により分解し、微結晶半導体層を形成
する微結晶半導体層の形成方法において、反応容器内の
基板と対向する面に複数のカソード電極を配置し、主た
るカソード電極に原料ガスを分解するための主たる高周
波電力を印加してプラズマを生成し、異なるカソード電
極に主たる高周波電力よりも低い周波数の高周波電力を
印加するものである。
【0020】低い周波数の高周波電力を印加した際のプ
ラズマ電位は、5V〜100Vの範囲にあることが好ま
しい。
【0021】また、低い周波数の高周波電力を印加する
カソード電極は、基板と主たるカソード電極との間以外
の放電空間にあることが好ましい。
【0022】さらに、各カソード電極に印加する電力を
変化させ、プラズマ電位を変化させることにより、微結
晶半導体層の結晶粒径を制御することが好ましい。
【0023】そして、主たる原料ガスを分解するための
高周波電力の周波数は、50MHz〜550MHzの範
囲にあることが好ましい。
【0024】この主たる原料ガスを分解するための高周
波電力は、カソード電極の電力密度で0.4W/cm2
〜20W/cm2 であることが好ましい。
【0025】また、各カソード電極に投入する高周波の
周波数は、13.56MHz〜100MHzの範囲にあ
ることが好ましい。
【0026】さらに、カソード電極と基板を内包する放
電空間は実質的に接地されたメッシュ状の電極で囲まれ
ていることが好ましい。
【0027】そして、基板温度は、150℃〜450℃
であることが好ましい。
【0028】また、微結晶半導体層の形成圧力は、10
mtorr〜400mtorrであることが好ましい。
【0029】この微結晶半導体層の形成速度は、10Å
/sec以上であることが好ましい。
【0030】一方、本発明の光起電力素子は、以上のい
ずれかの形成方法により形成された微結晶半導体層を光
電変換層として有することを特徴とする。
【0031】また、ロール・ツー・ロール方式により、
帯状基板上に半導体層が連続的に形成されるものであ
る。
【0032】本発明の微結晶半導体層の形成方法、およ
び光起電力素子により、良質で低コストの微結晶シリコ
ン層を用いた光起電力素子の作製が可能となる。微結晶
シリコン層形成の詳細なメカニズム、および構造と光起
電力素子特性との関係には不明な点が多いが、次のよう
に予想することができる。
【0033】上記の高周波プラズマCVD法による層形
成条件においては、従来の高周波周波数13.56MH
zよりも高い周波数であるため、プラズマ中の電子密度
が高く、比較的低温度で微結晶半導体層を形成すること
ができる。
【0034】ただし、高い周波数の選択のみでは、電子
密度は高まるもののイオン種が増加し、高形成速度を実
現する条件では半導体層にダメージを及ぼし、却ってキ
ャリアの走行性を妨げるものである。
【0035】そこで、まず、主たる原料ガスの分解のた
めの高周波電力の周波数を、好ましくは50〜550M
Hzの範囲としてプラズマを生起させ、高形成速度を維
持する。この条件では、プラズマ電位は炉内圧力、導入
ガス種、投入電力、投入周波数に依存する。炉内圧力が
下がればプラズマ電位は上がるものの、水素希釈率の大
きい微結晶作成条件では、低圧力による過剰な水素イオ
ンの形成層へのアタックが層質の低下を招くと考えられ
る。
【0036】また、投入電力を上昇させればプラズマ電
位も上昇し、層形成速度も上昇するが、アモルファスに
近い構造となってしまい、キャリアの走行性も低下して
しまう。さらに、投入周波数を低くすればプラズマ電位
は上昇するが、プラズマ中の電子密度の低下により励起
される活性種の持つエネルギーが低下することとなり、
結果として層形成表面での緩和が抑制されてしまい、膜
質は低下する。
【0037】本発明の形成方法は、前述の主たる高周波
によりプラズマを生起させた後、より低い周波数、好ま
しくは13.56〜100MHzの高周波を異なるカソ
ード電極からプラズマ中に投入する。その結果、主たる
プラズマ中のプラズマ電位は引きずられ上昇し、活性種
はより高いポテンシャルから基板に向かって加速される
ことで、電子密度を高めることなく、所望の形成速度
で、結晶粒径の大きい良質な微結晶層を形成することが
できるものである。
【0038】また、水素ラジカルの活性化によるダング
リングボンドの補償も促進され、結晶粒界におけるキャ
リアトラップも減少するため、光起電力素子としてFF
の向上をもたらすものである。
【0039】プラズマ電位の制御は高周波エネルギーの
付加によるものであり、DC電界を印加してもカソード
電位の変化にとどまり、劇的な膜質の変化は少ないと考
えられる。
【0040】この場合の良質な微結晶半導体層とは、結
晶粒径が大きいことは言うまでもないが、微結晶の長手
方向が層形成方向に平行であり、光起電力素子として機
能させる場合にはキャリアの進行方向と同じである。し
たがって、キャリアの進行方向に存在する結晶粒界は少
なくなるため、フィルファクター(FF)の高い優れた
光起電力素子を作成することができるものである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の微結晶半導体層の
形成方法、および光起電力素子の実施形態を説明する
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。
【0042】図2は、従来の半導体層形成装置を模式的
に示す概略図である。
【0043】図2において、反応容器100内のヒータ
ー102に密着するように基板101を設置し、排気装
置を用いて容器内を真空にした後、基板101を所望の
温度まで加熱する。基板温度が安定したところでガス導
入バルブ106を開け、マスフローコントローラー10
7で流量を調整し、ガス導入管105を介してシリコン
原子を含有する原料ガスを容器内に導入する。
【0044】次に、高周波電源104より高周波をカソ
ード電極103に印加し、プラズマ108を生起させ
る。その際、容器壁と基板はともに接地されており、プ
ラズマは容器内に一様に広がる。したがって、基板10
1上に形成される層の特性は、導入されるガス種、形成
時の圧力、形成時の基板温度、投入される高周波パワー
等で決定されてしまうことになる。また、このようにし
て形成された半導体層の特性は、互いにトレードオフの
関係にあり、トータルで特性を向上させることは難しい
ものである。
【0045】図1は、本発明の微結晶半導体層の形成方
法を実施するための半導体層形成装置の一例を模式的に
示す概略図である。
【0046】図1において、反応容器200内のヒータ
ー202に密着するように基板201を設置し、排気装
置を用いて容器内を真空にした後、基板201を所望の
温度まで加熱する。基板温度が安定したところでガス導
入バルブ206を開け、マスフローコントローラー20
7で流量を調整し、ガス導入管205を介してシリコン
原子を含有する原料ガスを容器内に導入する。
【0047】次に、電源204より、主たる原料ガス分
解のための高周波をカソード電極203に印加し、プラ
ズマを生起させる。
【0048】さらに、電源213より、主たる周波数よ
り低い周波数の高周波をカソード電極212に印加す
る。その際、13.56〜100MHzの周波数を用い
れば、400mtorr以下の周波数でも放電を維持す
ることが可能である。
【0049】したがって、低い周波数が投入された側2
09および210のプラズマインピーダンスは、主たる
カソード電極と基板との間に生起される208のプラズ
マインピーダンスと比べて低くなり、空間のプラズマ分
布の調整が可能となる。さらに、カソード電極212と
基板201との間に生起されるプラズマの周波数は低い
ため、そのプラズマの電位が高くなり、主たるプラズマ
の電位をも引き上げる。
【0050】その結果、高形成速度を維持したままで、
高膜質を実現することが可能となったものである。ま
た、プラズマの周囲に沿ってメッシュ状の実質的に接地
された電極211を設置することで、実際の平均自由行
程、ガスの滞留時間に係る容器の容積よりも狭い空間に
プラズマが閉じ込められるので、放電が安定するもので
ある。
【0051】図3は、本発明の光起電力素子の一実施形
態の模式的な説明図であり、半導体層はpin型であ
る。図3において、本発明の光起電力素子は、基体60
1、光反射層602、n型半導体層603、i型半導体
層604、p型半導体層605、透明電極層606、お
よび集電電極607から構成されており、以下に各構成
要素について説明する。
【0052】(基体)プラズマ放電空間中に置かれる基
体については、基板表面のシース電圧が形成される膜の
特性を左右するため重要である。基板の最表面は導電性
の方が望ましく、導電材料の単体で構成されたものでも
よく、絶縁性材料または導電性材料で構成された支持体
上に導電層を形成したものであってもよい。
【0053】導電性材料としては、例えば、めっき鋼
板、NiCr、ステンレス鋼、CuMg、Al、Cr、
Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、Sn
等の金属、またはこれらの合金、及び各金属のシリコン
化合物が挙げられる。これらの材料を支持体として使用
するには、シート状、あるいは長尺状のシートを円筒状
に巻き付けたロール状、あるいは円筒体であることが望
ましい。
【0054】光起電力素子の集積化を図る場合には、絶
縁性基板上に導電性処理を施したものを基板として用い
ることが望ましい。絶縁性材料としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂、ま
たはガラス、セラミックス、紙などが挙げられる。これ
らの材料を支持体として使用するには、シート状、ある
いは長尺状のシートを円筒状に巻き付けたロール状、あ
るいは円筒状であることが望ましい。これらの絶縁性支
持体は、少なくともその一方の表面に導電層を形成し、
該導電層を形成した表面上に本発明の半導体層を形成す
る。
【0055】例えばガラスであれば、表面上にNiC
r、Al、Ag、Cu、Cr、Mo、Ir、Nb、T
a、V、Ti、Pt、Pb、In23 、ITO、Zn
O、CuMg等の材料、またはその合金からなる導電層
を形成する。また、ポリエステルフィルム等の合成樹脂
シートであれば、その表面上にNiCr、Al、Cr、
Ag、Pb、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt
等の材料、またはその合金からなる導電層を形成する。
さらに、ステンレス鋼であれば、可視光から近赤外で高
い反射率を有する層、例えば、NiCr、Al、Ag、
Cr、Mg、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Ti、P
t、Pb、In23 、ITO、ZnO等、またはその
合金からなる導電層を形成する。
【0056】導電層の形成方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、スクリーン印刷法が挙げられる。
【0057】支持体の表面形状は、平滑、あるいは山の
高さが最大0.1〜1.0μmの凹凸(テクスチャー
化)であることが望ましい。例えば、ステンレス基体の
表面をテクスチャー化する1つの方法として、被処理基
体を酸性溶液によりエッチング処理することが挙げられ
る。
【0058】基体の厚さは、所望通りの光起電力素子を
形成しうるように適宜決定するが、光起電力素子として
の柔軟性が要求される場合には、支持体としての機能が
十分発揮される範囲で可能な限り薄くすることが好まし
い。しかしながら、支持体の製造上、取り扱い上、およ
び機械的強度の点から、通常10μm以上とされる。
【0059】(光反射層)本発明の光起電力素子におけ
る望ましい基板形態としては、上記支持体上に、Ag、
Al、Cu、AlSi、CuMg等の可視光から近赤外
で反射率の高い金属からなる導電層(光反射層)を形成
することが挙げられる。光反射層は、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、水溶液からの電解析出法等で形成するの
が適している。光反射層としての金属層の層厚として
は、10nmから5000nmの範囲が適している。
【0060】本発明の光起電力素子における更に望まし
い基板形態としては、光反射層上にZnO、SnO2
In23 、ITO、TiO2 、CdO、Cd2 SnO
4 、Bi23 、MoO3 、Nax WO3 等からなる透
明導電層を形成することが挙げられる。
【0061】透明導電膜の形成方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、電解析出法、CVD法、スプレ
ー法、スピンオン法、ディッピング法等が適した方法と
して挙げられる。また、透明電極の層厚は、その屈折率
により最適な層厚が異なるが、好ましい層厚の範囲とし
ては50nm〜10μmが挙げられる。
【0062】更に、透明導電層をテクスチャー化するに
は、例えば、スパッタリング法においては、その形成温
度を200℃以上とすれば良い。また、いずれの形成方
法においても、透明導電層の形成後に弱酸により表面を
エッチング処理することが、テクスチャー化の効果を高
める点で有効である。
【0063】(n型層およびp型層)n型層およびp型
層の母材は、非晶質シリコン系あるいは微結晶シリコン
系半導体から構成される。非晶質(以下、a−と略記す
る)シリコン系半導体としては、a−Si、a−Si
C、a−SiO、a−SiN、a−SiCO、a−Si
ON、a−SiNC、a−SiCON、a−SiGeC
等が挙げられる。
【0064】微結晶(以下、μc−と略記する)シリコ
ン系半導体としては、μc−Si、μc−SiC、μc
−SiO、μc−SiN、μc−SiCO、μc−Si
ON、μc−SiNC、μc−SiCON等が挙げられ
る。母材は、微結晶シリコンを含有した非晶質シリコン
系半導体であってもよい。
【0065】伝導型をp型またはn型にするためにドー
ピングされる価電子制御剤の導入量は、1000ppm
から80%が好ましい範囲として挙げられる。
【0066】水素(H、D)及びフッ素は、未結合手を
補償する働きをし、荷電子制御効率を向上させるもので
ある。水素及びフッ素含有量は0.1〜30atom%
が最適値として挙げられる。特に、n型半導体層、p型
半導体層が微結晶シリコンを含有する場合、0.01〜
10atom%が最適量として挙げられる。
【0067】炭素、酸素、窒素原子の導入量は0.1p
pm〜20%、微量に含有させる場合には0.1ppm
〜1%が好適な範囲である。
【0068】また、電気特性としては活性化エネルギー
が0.2eV以下のものが好ましく、比抵抗としては1
00Ωcm以下のものが好ましく、1Ωcm以下が最適
である。
【0069】(i型半導体層)本発明の光起電力素子に
おいて、i型半導体層は光励起キャリアを発生、輸送す
る最も重要な層であり、前記した本発明の微結晶半導体
層の形成方法により形成される。よって、当該i型半導
体層の好ましい形成条件も先に記載した、本発明の微結
晶半導体層の形成方法における好ましい形成条件と同じ
である。
【0070】本発明において、i型半導体層としては、
μc−Si、μc−SiC、μc−SiO、μc−Si
N、μc−SiGe等が挙げられる。
【0071】微結晶シリコン系半導体層中においては、
水素(H、D)及びフッ素が、未結合手を補償する働き
をしており、水素及びフッ素含有量は0.01〜20a
t%が最適値として挙げられる。
【0072】また、本発明の微結晶半導体層の形成方法
により作成されたi型微結晶シリコン層は、p型半導体
層、n型半導体層にも使用することができるものであ
る。
【0073】(透明電極層)インジウム酸化物(In2
3 )、スズ酸化物(SnO2 、ITO(In23
SnO2 )等が適した材料であり、これらの材料にフッ
素を含有させても良い。透明電極層の堆積には、スパッ
タリング法または真空蒸着法が最適な堆積方法である。
【0074】スパッタリング法で堆積する場合、金属タ
ーゲット、あるいは酸化物ターゲット等のターゲットを
適宜組み合わせて用いられる。スパッタリング法で堆積
する場合、基板温度は重要な因子であって、50℃〜6
00℃が好ましい温度範囲として挙げられる。
【0075】透明電極層をスパッタリング法で堆積する
場合のスパッタリング用のガスとしては、Arガス、H
eガス等の不活性ガスが挙げられる。また、不活性ガス
に酸素ガス(O2 )を必要に応じて添加することも好ま
しい。特に、金属をターゲットにしている場合には、酸
素ガス(O2 )の添加は必須である。
【0076】不活性ガス等によってターゲットをスパッ
タリングする場合の放電空間内の圧力は、効果的にスパ
ッタリングを行うために、0.1〜50mtorrが好
ましい範囲として挙げられる。
【0077】透明電極の堆積速度は、放電空間内の圧力
や放電圧力に依存し、最適な堆積速度は、0.01〜1
0nm/secの範囲である。
【0078】真空蒸着法により透明電極を堆積するのに
適した蒸着源としては、金属スズ、金属インジウムス
ズ、インジウム−スズ合金等が挙げられる。
【0079】真空蒸着法により透明電極を堆積する場合
の基板温度としては、25℃〜600℃の範囲が適して
いる。
【0080】さらに、酸素ガス(O2 )を導入し、圧力
が5×10-5Torr〜9×10-4Torrの範囲で堆
積することが好ましい。この範囲で酸素を導入すること
により、蒸着源から気化した金属が気相中の酸素と反応
して、良好な透明電極層が堆積される。
【0081】上記の条件による透明電極層の好ましい堆
積速度の範囲としては、0.01〜10nm/secで
ある。堆積速度が0.01nm/sec未満であると生
産性が低下し、10nm/secより大きくなると粗な
膜となり透過率、導電率や密着性の上からは好ましくな
い。
【0082】透明電極層の層厚は、反射防止膜の条件を
満たすような条件に堆積するのが好ましく、具体的な層
厚としては50〜500nmが好ましい範囲として挙げ
られる。
【0083】(集電電極)光起電力層であるi型半導体
層に多くの光を入射させ、発生したキャリアを効率よく
電極に集めるためには、集電電極の形(光の入射方向か
ら見た形)、及び材質は重要である。通常、集電電極の
形は櫛型が使用され、その線幅、線数などは、光起電力
素子の光入射方向からみた形状および大きさ、集電電極
の材質などによって決定される。線幅は、通常、0.1
mm〜5mm程度である。
【0084】集電電極の材質としては、Fe、Cr、N
i、Au、Ti、Pd、Ag、Al、Cu、AlSi、
C(グラファイト)等が用いられ、通常、比抵抗の小さ
いAg、Cu、Al、Cr、Cなどの金属、あるいはこ
れらの合金が適している。
【0085】集電電極の層構造としては、単一の層から
なるものでもよいし、複数の層からなるものであっても
よい。
【0086】これらの金属は、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、めっき法、印刷法等で形成するのが好ましい。
層厚としては、10nm〜0.5mmが適している。
【0087】真空蒸着法で形成する場合には、透明電極
層上に集電電極の形状をなしたマスクを密着させ、真空
中で電子ビームまたは抵抗加熱により所望の金属蒸着源
を蒸発させ、透明電極上に所望の形状をした集電電極を
形成する。
【0088】スパッタリング法で形成する場合には、透
明電極層上に集電電極の形状をなしたマスクを密着さ
せ、真空中にArガスを導入し、所望の金属スパッタリ
ングターゲットに直流電圧(DC)を印加し、グロー放
電を発生させることによって、金属をスパッタさせ、透
明電極層上に所望の形状をした集電電極を形成する。
【0089】印刷法で形成する場合には、Agペース
ト、Alペースト、あるいはカーボンペーストをスクリ
ーン印刷機で印刷する。
【0090】以上、pin構造の半導体層を有する光起
電力素子について説明したが、pinpin構造やpi
npinpin構造などのpin構造の半導体層を複数
積層した光起電力素子、あるいはnip構造やnipn
ip構造やnipnipnip構造等のnip構造の半
導体層を複数積層した光起電力素子についても適用する
ことができるものである。
【0091】
【実施例】以下、本発明の光起電力素子の作製例を挙げ
て詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定さ
れるものではない。
【0092】〈予備実施例〉図1に示した装置を用い
て、本発明の微結晶半導体層の形成方法について実験を
行った。
【0093】まず、下記に示す条件で、ステンレス基板
(SUS304BA)201をヒーター202により加
熱し、圧力および原料ガス流量を安定させた。その後、
高周波電源204より105MHzの高周波電力をカソ
ード電極203に印加した後、高周波電源213より1
3.56MHzの高周波電力をカソード電極212に印
加した。
【0094】i型微結晶半導体層形成条件 SiH4 :80sccm H2 :2400sccm 基板温度:300℃ 圧力:10〜250mtorr 105MHz:0.5〜2.5W/cm2 13.56MHz:0.1〜0.5W/cm2 膜厚:1000nm
【0095】放電が安定したところで、不図示のシャッ
ターを開け、基板201上に1μmの微結晶半導体層を
形成した。放電中は、プラズマ電位をモニターするため
に、不図示のプローブをプラズマ208中に設置した。
このようにして作成したサンプルをサンプル1〜10と
する。
【0096】次に、ラマン散乱法、X線回折法、および
反射赤外吸収法(IR法)を用いて、形成した微結晶半
導体層の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】ラマンシフトは、520cm-1付近にピー
クが観測され、微結晶化していることが確認された。ま
た、X線ピーク位置より、この微結晶層中に含まれる結
晶構造は、(111)配向および(220)配向してい
ることが判った。Scherrerの式を用いて、(1
11)配向面について膜厚方向の結晶粒径を調べた結
果、結晶粒径は50〜500Åであり、プラズマ制御に
より結晶性の調整が可能であることが判った。また、I
R法により、2100cm-1のピーク面積から膜中水素
含有量を求めた結果、10atom%であった。
【0099】〈実施例1〉図4に示す装置を用いて、図
5(a)に示す光起電力素子を作成した。以下に、本発
明の微結晶半導体層の形成方法を手順にしたがって説明
する。
【0100】1)基板セット:下部電極としてCuMg
合金401aを100nm、ZnO薄膜402aを1μ
m蒸着してあるステンレス基板(SUS304BA)3
10(50mm×50mm)を、充分に脱脂洗浄を行っ
た後、基板搬送機構311を有するロードロック室30
7内の不図示の基板ホルダーにセットし、真空ポンプ3
42fにより10-6torrまで真空排気した。
【0101】2)搬送:n型層形成炉306を真空ポン
プ342eにより10-6torrまで排気した後、ゲー
トバルブ308eを開け、基板ホルダーをn型半導体層
形成炉306内に移動させた。
【0102】3)加熱:ゲートバルブ308eを閉め、
基板加熱ヒーター309eを下降させて基板310に密
着させた。基板温度が表2に示す300℃に上昇し、安
定したところで、表2に示すn型半導体層403a形成
の原料ガス(Si26 :1.0sccm、PH3 /H
2 :0.5sccm、H2 :50sccm)をマスフロ
ーコントローラー341eを介して形成炉306内に導
入した。
【0103】4)n型半導体層403a形成:上記の条
件の原料ガスをマスフローコントローラー341eを介
してカップ型電極322中に導入した後、表2に示す圧
力(1.2torr)および高周波電力(RF電力:
0.01W/cm3 )で、表2に示す層厚(20nm)
のa−Siからなるn型半導体層403aを形成した。
所望の層厚まで達したところで、高周波電力の供給を止
め、放電を終了させた。
【0104】5)n型半導体層404a形成:マスフロ
ーコントローラー341eからの原料ガスの導入を止
め、n型半導体層形成炉306を真空ポンプ342eに
より10-6torrまで排気した後、ゲートバルブ30
8dを開け、n型半導体層403aまで形成された基板
310をn型半導体層形成炉305内に移動させた。
【0105】次に、表2のn型半導体層404a形成条
件に示す原料ガス(SiH4 :0.5sccm、PH3
/H2 :0.5sccm、H2 :100sccm)をマ
スフローコントローラー341dを介してカップ型電極
320中に導入した後、n型半導体層403aと同様
に、表2に示す層厚(10nm)のμc−Siからなる
n型半導体層404aを形成した。所望の層厚まで達し
たところで、高周波電力の供給を止め、放電を終了させ
た。
【0106】6)i型半導体層405a形成:マスフロ
ーコントローラー341dからの原料ガスの導入を止
め、n型半導体層形成炉305を真空ポンプ342dに
より10-6torrまで排気した後、ゲートバルブ30
8cを開けn型半導体層404aまで形成された基板3
10をi型半導体層形成炉304内に移動させた。
【0107】次に、表2のi型半導体層形成条件に示す
原料ガス(SiH4 :100sccm、H2 :2000
sccm)をマスフローコントローラー341cを介し
て放電空間内に導入した後、まず表2に示す105MH
zの高周波電力(2W/cm2 )をカソード電極318
に印加し、プラズマを発生させた。
【0108】その後、対向する基板と反対の面に設置さ
れたカソード電極316に、表2に示す13.56MH
zの高周波電力(0〜1.0W/cm2 )を印加し、放
電空間中のプラズマ電位を上昇させた。なお、放電空間
は不図示の接地されたメッシュ電極により囲まれている
ものである。
【0109】放電が安定した後、不図示のシャッターを
開け、表2に示す層厚(1000nm)のμc−Si半
導体層を形成した。所望の層厚まで達したところで、高
周波電力の供給を止め、放電を終了させた。その際、カ
ソード電極316に印加する高周波電力を調整し、基板
310およびカソード電極318の間に生成したプラズ
マ空間の電位が2.5Vから50Vになるようにして、
i型微結晶半導体層405aの形成を行った。
【0110】7)p/i型半導体層406a形成:マス
フローコントロ−ラー341cからの原料ガスの導入を
止め、i型半導体層形成炉304を真空ポンプ342c
により10-6torrまで排気した後、ゲートバルブ3
08bを開け、i型半導体層405aまで形成された基
板310をp/i型半導体層形成炉303内に移動させ
た。
【0111】次に、表2のp/i型半導体層形成条件に
示す原料ガス(Si26 :4.0sccm、H2 :1
00sccm)をマスフローコントローラー341bを
介してカップ型電極314中に導入した後、n型半導体
層403aおよびn型半導体層404aと同様に、表2
に示す層厚(30nm)のa−Siからなるp/i型半
導体層406aを形成した。所望の層厚まで達したとこ
ろで、高周波電力の供給を止め、放電を終了させた。
【0112】8)p型半導体層407a形成:マスフロ
ーコントロ−ラー341bからの原料ガスの導入を止
め、p/i型半導体層形成炉303を真空ポンプ342
bにより10-6torrまで排気した後、ゲートバルブ
308aを開けp/i型半導体層406aまで形成され
た基板310をp型半導体層形成炉302内に移動させ
た。次に、表2のp型半導体層形成条件に示す原料ガス
(SiH4 /H2 :0.5sccm、BF3 /H2 :5
sccm、H2 :100sccm)をマスフローコント
ローラー341aを介してカップ型電極312中に導入
した後、n型半導体層403aおよびn型半導体層40
4aと同様に、表2に示す層厚(10nm)のμc−S
iからなるp型半導体層407aを形成した。所望の層
厚まで達したところで、高周波電力の供給を止め、放電
を終了させた。
【0113】放電終了後、p型半導体形成炉302内を
十分に不活性ガスによりパージした後、真空ポンプ34
2aにより10-6torrまで排気し、ゲートバルブ3
08fを開けp型半導体層407aまで形成された基板
310をロードロック室301内に移動させた。充分冷
却した後に、p型半導体層407aまで形成された基板
310を取り出した。
【0114】9)透明電極408aおよび集電電極40
9a:取り出した基板310は、不図示の蒸着装置にセ
ットし、表2に示す条件で真空蒸着法によりITOから
なる透明導電層408aを蒸着した。
【0115】続いて、集電電極409aとして、Auを
電子ビームを用いた真空蒸着法により約8000Å堆積
した。このpin型光起電力素子をセル1−1〜20と
する。
【0116】
【表2】
【0117】このようにして作成された光起電力素子セ
ル1−1〜20はAM1.5(100mW/cm2 )の
光照射下で初期光電変換効率を測定した。また、微結晶
のi型半導体層405aの層厚をCV法により測定し
た。
【0118】その結果を表3及び表4に示す。表3は、
13.56MHzの高周波電力が投入された場合のプラ
ズマ電位と初期特性の結果であり、表4は、13.56
MHzの高周波電力が投入されなかった場合のプラズマ
電位と初期特性の結果である。初期特性の値は、13.
56MHzの高周波電力を同時に印加した場合のプラズ
マ電位5Vでの特性を1.0として規格化したものであ
る。
【0119】i型半導体層405aの層厚については、
全て1μm前後に収まっており、形成速度は約8Å/s
ecであることが判った。
【0120】セル1−4〜10は、開放電圧が約0.4
6V、短絡電流密度は約20mA/cm2 以上あり、微
結晶シリコンをi型半導体層として用いる光起電力素子
としては十分な特性を示した。i型半導体層405a形
成の前に低形成速度で形成された微結晶のn型半導体層
404aが10nm挿入されているため、表2の条件で
形成したシリコン膜は微結晶シリコン化が促進したもの
と考えられる。
【0121】セル1−1〜3およびセル1−11〜20
はFFおよびVoc(短絡電流)が低く、結果とし初期特
性は低下した。
【0122】このことから、i型半導体層405a形成
中に主たる高周波放電によりプラズマを生起すると同時
に、異なる周波数の高周波を投入してプラズマ電位を5
V以上とすることにより、光起電力素子は優れた光電変
換効率を示すことが判った。
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】〈実施例2〉i型半導体層405aの形成
条件を下記の条件とした以外は、全て実施例1と同様に
してステンレス基板(SUS)上にpin型光起電力素
子を作成した。その際、105MHzの投入電力を変化
させて微結晶i型層の形成速度を変化させたが、プラズ
マ電位は3Vおよび5Vとなるように13.56MHz
の投入電力を調整した。この光起電力素子をセル2−1
〜20とする。
【0126】i型半導体層405a形成条件 SiH4 :80sccm H2 :2400sccm 基板温度:300℃ 圧力:250mtorr 105MHz:0.5〜5.0W/cm2 13.56MHz:0.1〜1.0W/cm2 膜厚:1000nm
【0127】実施例1と同様に、作成された光起電力素
子(セル2−1〜20)について、光照射下(AM1.
5)で光電変換効率を測定した。その結果を表5、表6
に示す。
【0128】次に、実施例1と同様にセル2−1〜20
のi型半導体層405aの層厚をCV法により測定した
ところ、i型半導体層405aの形成速度は約0.8〜
20Å/secに分布していることが判った。
【0129】形成速度が低い場合(セル2−1〜3およ
びセル2−11〜13)の光起電力素子の特性は総じて
満足の得られるものであったが、形成速度が高い場合
(セル2−4〜10およびセル2−14〜20)の光起
電力素子は、プラズマ電位の低い方で形成速度の上昇に
伴う効率の低下が大きいものとなった。一方、プラズマ
電位が高い場合には、形成速度の上昇によりFFが若干
低下するものの、特性の急激な低下は見られなかった。
【0130】このことから、微結晶のi型半導体層40
5a形成中にプラズマ電位を5V以上とすることによ
り、10Å/sec以上の高形成速度下においても、光
起電力素子は優れた光電変換効率を示すことが判った。
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】〈実施例3〉i型半導体層405aの形成
条件を以下の条件とした以外は、全て実施例1と同様に
してステンレス基板(SUS)上にpin型光起電力素
子を作成した。この光起電力素子をセル3−1〜10と
する。
【0134】i型半導体層405a形成条件 SiH4 :65sccm H2 :1950sccm 基板温度:300℃ 圧力:3〜30mtorr 105MHz:0.5〜5.0W/cm2 13.56MHz:0.1〜1.0W/cm2 膜厚:1000nm
【0135】実施例1と同様に、 作成された光起電力素
子(セル3−1〜10)について、光照射下(AM1.
5)で光電変換効率を測定した。その結果を表7に示
す。
【0136】次に、実施例1と同様に、セル3−1〜1
0のi型半導体層405aの層厚をCV法により測定し
たところ、i型半導体層405aの形成速度は約20Å
/secであった。
【0137】セル3−4〜10は、開放電圧が約0.4
0V、短絡電流密度は約19mA/cm2 以上あり、微
結晶シリコンをi型半導体層として用いる光起電力素子
としては十分な特性を示した。実施例1と同様に、i型
半導体層405a形成の前に低形成速度で形成された微
結晶のn型半導体層404aが10nm挿入されている
ため、本実施例の条件で形成したシリコン膜は微結晶シ
リコン化が促進したものと考えられる。
【0138】セル3−1〜3は、FFおよびVoc(短絡
電流)が低く結果として初期特性は低下した。
【0139】このことから、i型半導体層405a形成
中に、プラズマ電位を100V以下とすることにより、
光起電力素子は優れた光電変換効率を示すことが分かっ
た。
【0140】
【表7】
【0141】〈実施例4〉i型半導体層405aの形成
条件を以下の条件とした以外は、全て実施例1と同様に
してステンレス基板(SUS)上にpin型光起電力素
子を作成した。
【0142】i型半導体層405a形成条件 SiH4 :65sccm H2 :1950sccm 基板温度:300℃ 圧力:30〜500mtorr カソード電極318:13.56〜800MHz,0.
5〜5.0W/cm2 カソード電極316:DC〜120MHz,0.1〜
1.0W/cm2 膜厚:1000nm
【0143】実施例1と同様に、作成された光起電力素
子(セル4−1〜10)について、光照射下(AM1.
5)で光電変換効率を測定した。
【0144】また、実施例1と同様に、セル4−1〜1
0のi型半導体層405aの層厚をCV法により測定
し、該i型半導体層405aの形成速度が約15Å/s
ecのものを選んで評価の対象とした。
【0145】その結果、直流電圧(DC)を印加しても
持性に変化は見られず、13.56MHz以上の高周波
を印加した場合にのみ、特性の向上が見られた。また、
100MHz以上に周波数を上昇させると、主たる高周
波と干渉を起こし、プラズマが不安定になる現象が発生
した。さらに、カソード318に印加する高周波電力の
周波数がカソード316に印加する高周波電力の周波数
よりも低い場合には、高周波電力がカソード316側に
局在するためか、投入電力の割には形成速度が上がら
ず、初期特性も低いものであった。
【0146】また、カソード316に印加する高周波周
波数が、13.56MHz〜100MHzの範囲にある
場合には、開放電圧が約0.45V、短絡電流密度は約
21mA/cm2以上であり、微結晶シリコンをi型半
導体層として用いる光起電力素子としては十分な特性を
示した。また、13.56MHz以下の場合には、FF
が低く結果として初期特性は低下した。
【0147】このことから、i型半導体層405a形成
中に、放電空間中に異なる電極から導入する高周波電力
の周波数は、13.56MHz〜100MHzの範囲に
ある場合に優れた光電変換効率を示すことが判った。
【0148】〈実施例5−0〉i型半導体層405aの
形成条件を以下の条件とした以外は、全て実施例1と同
様にしてステンレス基板(SUS)上にpin型光起電
力素子を作成した。作成したpin型光起電力素子をセ
ル5−0とする。
【0149】i型半導体層405a形成条件 SiH4 :25sccm H2 :850sccm 基板温度:200℃ 圧力:170mtorr 105MHz:1.7W/cm2 13.56:1.0W/cm2 膜厚:1000nm
【0150】〈実施例5−1〉カソード電極316の位
置をカソード電極318と基板の間に設置して作成した
以外は、実施例5−0と全く同様にして光起電力素子を
作成した。作成したpin型光起電力素子をセル5−1
とする。
【0151】〈実施例5−2〉カソード電極316と基
板との間の距離が、基板からカソード電極318までの
距離と等しくなるように設置して作成した以外は、実施
例5−0と全く同様にして光起電力素子を作成した。作
成したpin型光起電力素子をセル5−2とする。
【0152】実施例1と同様に、作成された光起電力素
子(セル5−0、5−1、5−2)について、光照射下
(AM1.5)で光電変換効率を測定した。
【0153】また、実施例1と同様に、セル5−0、5
−1、5−2のi型半導体層の層厚をCV法により測定
したところ、主たる分解高周波に変化が無いことから、
i型層の形成速度は約12Å/secで一定であった。
【0154】その結果、13.56MHzの高周波を印
加する場所は、基板からの距離が主たるカソード電極ま
での距離と同じか、または、より遠い場所にある方が優
れた光起電力素子特性を示すことが分かった。
【0155】〈実施例6−0〉i型半導体層405aの
形成条件を下記の条件とした以外は、全て実施例1と同
様にしてステンレス基板(SUS)上にpin型光起電
力素子を作成した。作成したpin型光起電力素子をセ
ル6−0とする。
【0156】i型半導体層405a形成条件 SiH4 :90sccm H2 :2800sccm 基板温度:350℃ 圧力:1500mtorr 105MHz:1.2W/cm2 13.56:0.8W/cm2 膜厚:1000nm
【0157】〈実施例6−1〉プラズマ空間を囲む接地
されたメッシュ電極を取り除いた以外は、実施例6−0
と全く同様にして光起電力素子を作成した。
【0158】このようにして作成したpin型光起電力
素子をセル6−1とする。
【0159】実施例1と同様に、作成された光起電力素
子(セル6−0、6−1)について、光照射下(AM
1.5)で光電変換効率を測定した。また、実施例1と
同様に、セル6−0、6−1のi型半導体層405aの
層厚をCV法により測定した。メッシュ接地電極のない
方がプラズマ空間が広がりすぎるためか、若干形成速度
は低下したものの、10Å/sec以上であった。
【0160】その結果、メッシュ接地電極を用いて形成
した方が、取り除いて形成したときよりも放電を安定し
て維持することができるため、歩留まりの向上につなが
った。また、光起電力素子のリーク電流も抑えられるた
め、FFも向上した。
【0161】このように、プラズマ空間をメッシュ接地
電極で囲むことにより、優れた光起電力素子特性を得ら
れることが判った。
【0162】〈実施例7〉図6に示す装置を用いて、図
5(b)に示す光起電力素子を作成した。以下にその工
程を説明する。
【0163】1)基板の設置:基板送り出し機構を有す
る真空容器501内に、充分に脱脂洗浄を行い、下部電
極として、スパッタリング法により銀薄膜401bを1
00nm、ZnO薄膜402bを1μm蒸着してあるス
テンレス鋼製帯状基板(SUS430BA)530(幅
300mm×長さ300m×厚さ0.2mm)の巻き付
けられたボビンをセットし、第1のn型半導体層成膜容
器502および503、第1のi型半導体層成膜容器5
04および505、第1のp型半導体層成膜容器50
6、第2のn型半導体層成膜容器507、第2のi型半
導体層成膜容器508、第2のp型半導体層成膜容器5
09を帯状基板530が順に通過するように、ガスゲー
トを介して帯状基板巻き取り機構を有する真空容器51
0まで通し、帯状基板530に弛みのない程度に張力の
調整を行った。
【0164】2)真空引き:各真空容器501〜510
を不図示の真空ポンプで1×10-6torr以下まで真
空引きした。
【0165】3)成膜前の加熱処理:ガスゲートに不図
示のゲートガス導入管よりゲートガス(H2 )を各々5
00sccm流し、各成膜容器にガス導入管よりHeを
各々500sccm導入し、各真空容器501〜510
の内圧が1.0torrになるように不図示のスロット
ルバルブの開度を調節して、各真空容器の排気管を通し
て、各真空容器ごとに真空ポンプで排気した。その後、
加熱用ランプヒーター511a〜511hにより、帯状
基板530ならびに真空容器内部材を400℃に加熱
し、1時間放置した。
【0166】4)真空引き:各真空容器501〜510
を真空ポンプで1×10-6torr以下まで真空引きし
た。
【0167】5)成膜時のゲートガス導入:各ガスゲー
トにゲートガス導入管よりゲートガス(H2 )を600
sccm導入した。
【0168】6)第1のn型半導体層形成準備:不図示
の熱電対の温度指示値が270℃になるよう、不図示の
温度制御装置を設定し、赤外線ランプヒーター511a
により成膜容器502内の帯状基板530を加熱した。
【0169】ガス導入口より、SiH4 ガスを100s
ccm、PH3 /H2 (1%)ガスを500sccm、
2 ガスを700sccm導入した。放電室の圧力が
1.0torrになるように、不図示のコンダクタンス
調整バルブの開度を調節して、排気管を通して、真空ポ
ンプで排気した。
【0170】13.56MHzの高周波電源513の出
力値が100Wになるように設定し、カソード電極51
2を通じて放電室内に放電を生起させた。
【0171】同様に、熱電対の温度指示値が250℃に
なるように、不図示の温度制御装置を設定し、赤外線ラ
ンプヒーター511bにより成膜容器503内の帯状基
板530を加熱した。
【0172】ガス導入口より、SiH4 ガスを30sc
cm、PH3 /H2 (1%)ガスを500sccm、H
2 ガスを5000sccm導入した。放電室の圧力が
0.5torrになるように、コンダクタンス調整バル
ブの開度を調節して、排気管を通して、真空ポンプで排
気した。
【0173】13.56MHzの高周波電源515の出
力値が500Wになるように設定し、カソード電極51
4を通じて放電室内にプラズマを生起させた。
【0174】7)第1のi型半導体層成膜準備:熱電対
の温度指示値が360℃になるよう、温度制御装置を設
定し、赤外線ランプヒーター511cにより成膜容器5
04中の帯状基板530を加熱した。
【0175】ガス導入管よりSiH4 ガスを240sc
cm、H2 ガスを6500sccm導入した。放電室の
圧力は、コンダクタンス調整バルブの開度を調節して行
った。
【0176】高周波電源517より105MHzの高周
波電力をカソード電極516に印加した後、高周波電源
519より13.56MHzの高周波電力をカソード電
極518に印加し、放電室内にプラズマを生起させた。
それぞれの高周波電力および放電空間内圧力は、表8に
示す条件で行った。
【0177】また、プラズマ空間内には、プラズマ電位
を測定するための不図示のプローブを設置し、それぞれ
の条件下でのプラズマ電位を測定した。
【0178】同様に、熱電対の温度指示値が250℃に
なるように、温度制御装置を設定し、赤外線ランプヒー
ター511dにより成膜容器505内の帯状基板530
を加熱した。
【0179】ガス導入口より、SiH4 ガスを200s
ccm、H2 ガスを1000sccm導入した。放電室
の圧力が0.5torrになるように、コンダクタンス
調整バルブの開度を調節して、排気管を通して、真空ポ
ンプで排気した。
【0180】13.56MHzの高周波電源521の出
力値が120Wになるように設定し、カソード電極52
0を通じて放電室内にプラズマを生起させた。
【0181】8)第1のp型半導体層成膜準備:熱電対
の温度指示値が270℃になるように、温度制御装置を
設定し、赤外線ランプヒーター511eにより成膜容器
506内の帯状基板530を加熱した。
【0182】ガス導入口より、SiH4 ガスを10sc
cm、BF3 /H2 (1%)ガスを200sccm、H
2 ガスを1000sccm導入した。放電室の圧力が
1.5torrになるようにコンダクタンス調整バルブ
の開度を調節して、排気管を通して、真空ポンプで排気
した。
【0183】高周波電源523の出力値が500Wにな
るように設定し、カソード電極522を通じて放電室内
にプラズマを生起させた。
【0184】9)第2のn型半導体層形成準備:熱電対
の温度指示値が200℃になるよう、温度制御装置を設
定し、赤外線ランプヒーター511fにより成膜容器5
07内の帯状基板530を加熱した。
【0185】ガス導入口より、SiH4 ガスを80sc
cm、PH3 /H2 (1%)ガスを400sccm、H
2 ガスを500sccm導入した。放電室の圧力が1.
2torrになるように、コンダクタンス調整バルブの
開度を調節して、排気管を通して、真空ポンプで排気し
た。
【0186】13.56MHzの高周波電源525の出
力値が100Wになるように設定し、カソード電極52
4を通じて放電室内に放電を生起させた。
【0187】10)第2のi型半導体層成膜準備:熱電
対の温度指示値が225℃になるように、温度制御装置
を設定し、赤外線ランプヒーター511gにより成膜容
器508中の帯状基板530を加熱した。
【0188】ガス導入管より、SiH4 ガスを200s
ccm、H2 ガスを1000sccm導入した。放電室
の圧力が1.5torrになるように、コンダクタンス
調整バルブの開度を調節して、真空ポンプで排気した。
【0189】高周波電源527より、13.56MHz
の高周波電力をカソード電極526に印加し、放電室内
にプラズマを生起させた。
【0190】11)第2のp型半導体層成膜準備:熱電
対の温度指示値が270℃になるように、温度制御装置
を設定し、赤外線ランプヒーター511hにより成膜容
器509内の帯状基板530を加熱した。
【0191】ガス導入口より、SiH4 ガスを10sc
cm、BF3 /H2 (1%)ガスを200sccm、H
2 ガスを1000sccm導入した。放電室の圧力が
2.0torrになるように、コンダクタンス調整バル
ブの開度を調節して、排気管を通して、真空ポンプで排
気した。
【0192】高周波電源529の出力値が500Wにな
るように設定し、カソード電極528を通じて放電室内
にプラズマを生起させた。
【0193】12)半導体層の作製:帯状基板530を
図中の矢印の方向に1000mm/minの速度で搬送
させ、帯状基板に第1のn型半導体層403a、第1の
n型半導体層404b、第1のi型微結晶半導体層40
5b、第1のi型アモルファス半導体層406b、第1
のp型半導体層407b、第2のn型半導体層408
b、第2のi型アモルファス半導体層409b、第2の
p型半導体層410bを作製した。
【0194】13)帯状基板530の1ロール分を搬送
させた後、全てのプラズマ、全てのガス供給、全てのラ
ンプヒーターの通電、および帯状基板530の搬送を停
止した。
【0195】次に、チャンバーリーク用のN2 ガスを不
図示の導入部材を介してチャンバーに導入し、大気圧に
戻した後、巻き取り用ボビンに巻き取られた帯状基板5
30を取り出した。
【0196】14)第2のp型半導体層410b上に、
透明電極411bとしてITO(In23 +SnO
2 )を真空蒸着にて100nm蒸着し、さらに集電電極
412bとしてAlを真空蒸着にて1μm蒸着し、図5
(b)に示す光起電力素子を作製した。
【0197】以上の光起電力素子の作製条件を表8に示
す。
【0198】
【表8】
【0199】こうして作成された光起電力素子は、i型
微結晶半導体層405b形成中のプラズマ電位の値によ
って分類した。その結果、比較的低圧力で高電力を投入
した場合は高プラズマ電位を、比較的高圧力で低電力を
投入した場合は低プラズマ電位を示すことが判った。
【0200】それぞれのプラズマ電位を示した光起電力
素子について、ポリフッ化ビニリデン(VDF)からな
る保護フィルムで真空封止し、AM1.5(100mW
/cm2 )光照射下において電流電圧特性を測定した。
その結果を表9に示す。
【0201】プラズマ電位が5V以上であった場合のセ
ル7−4〜10は、開放電圧が約0.50V、短絡電流
密度は約19mA/cm2 以上あり、微結晶シリコンを
i型半導体層として用いる光起電力素子としては十分な
特性を示した。
【0202】セル7−1〜3は、FFおよびVoc(短絡
電流)が低く、結果として初期特性は低下した。
【0203】このことから、i型微結晶半導体層405
b形成中にのプラズマ電位を5V以上とすることによ
り、光起電力素子は優れた光電変換効率を示すことが分
かった。
【0204】
【表9】
【0205】
【0206】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光電変換効率および光安定性の優れた光起電力素子を高
速で形成することができるため、低コスト化を図ること
ができる。また、本発明の光起電力素子は、高周波プラ
ズマCVD法を用いて作製されるため、大面積化が容易
で、量産性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における半導体層形成装置を示す概
略図である。
【図2】比較形態における半導体層形成装置を示す概略
図である。
【図3】本発明の光起電力素子の断面構造を模式的に示
す説明図である。
【図4】本発明の微結晶半導体層の形成方法に使用する
半導体層形成装置を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例の光起電力素子の断面構造を模
式的に示す説明図である。
【図6】本発明の光起電力素子の微結晶半導体層の形成
方法に使用するロール・ツー・ロール方式の半導体層連
続形成装置を示す概略図である。
【符号の説明】
100 反応容器 101 基板 102 ヒーター 103 カソード電極 104 高周波電源 105 ガス導入管 106 ガス導入バルブ 107 マスフローコントローラー 200 反応容器200 201 基板 202 ヒーター 203 カソード電極 204 電源 205 ガス導入管 206 ガス導入バルブ 207 マスフローコントローラー 211 メッシュ電極 212 カソード電極 213 電源 301 ロードロック室 302 p型半導体層形成炉 303 i型半導体層形成炉 304 i型半導体層形成炉 305 n型半導体層形成炉 306 n型半導体層形成炉 307 ロードロック室 308 ゲートバルブ 309 基板加熱ヒーター 310 基板 311 基板搬送機構 312 カップ型電極 311、313、315、319、321 RF電源 316 カソード電極 317 VHF電源 318 カソード電極 320 カップ型電極 322 カップ型電極 341a〜341e マスフローコントローラー 342a〜342e 真空ポンプ 401a CuMg合金 402a ZnO薄膜 403a n型半導体層 404a n型半導体層 405a i型半導体層 406a p/i型半導体層 407a p型半導体層 408a 透明導電層 409a 集電電極 400b ステンレス基板 401b 銀薄膜 402b ZnO薄膜 403b 第1のn型半導体層 404b 第1のn型半導体層 405b 第1のi型微結晶半導体層 406b 第1のi型アモルファス半導体層 407b 第1のp型半導体層 408b 第2のn型半導体層 409b 第2のi型アモルファスi導体層 410b 第2のp型半導体層 411b 透明導電層 412b 集電電極 501〜510 真空容器 502、503 第1のn型半導体層成膜容器 504、505 第1のi型半導体層成膜容器 506 第1のp型半導体層成膜容器 507 第2のn型半導体層成膜容器 508 第2のi型半導体層成膜容器 509 第2のp型半導体層成膜容器 511a〜511h 赤外線ランプヒーター 513、515、519、521、523、525、5
27、529 RF電源 517 VHF電源 512、514、516、518、520、522、5
24、526、528カソード電極 530 帯状基板 601 基体 602 光反射層 603 n型半導体層 604 i型半導体層 605 p型半導体層 606 透明電極層 607 集電電極

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを反応容器の放電空間内へ導入
    し、電力を印加して原料ガスをプラズマ放電により分解
    し、微結晶半導体層を形成する微結晶半導体層の形成方
    法において、 反応容器内の基板と対向する面に複数のカソード電極を
    配置し、主たるカソード電極に原料ガスを分解するため
    の主たる高周波電力を印加してプラズマを生成し、異な
    るカソード電極に主たる高周波電力よりも低い周波数の
    高周波電力を印加することを特徴とする微結晶半導体層
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 低い周波数の高周波電力を印加した際の
    プラズマ電位が、5V〜100Vの範囲にあることを特
    徴とする請求項1に記載の微結晶半導体層の形成方法。
  3. 【請求項3】 低い周波数の高周波電力を印加するカソ
    ード電極が、基板と主たるカソード電極との間以外の放
    電空間にあることを特徴とする請求項1または2のいず
    れかに記載の微結晶半導体層の形成方法。
  4. 【請求項4】 各カソード電極に印加する電力を変化さ
    せ、プラズマ電位を変化させることにより、微結晶半導
    体層の結晶粒径を制御することを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の微結晶半導体層の形成方法。
  5. 【請求項5】 主たる原料ガスを分解するための高周波
    電力の周波数が、50MHz〜550MHzの範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微
    結晶半導体層の形成方法。
  6. 【請求項6】 主たる原料ガスを分解するための高周波
    電力が、カソード電極の電力密度で0.4W/cm2
    20W/cm2 であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の微結晶半導体層の形成方法。
  7. 【請求項7】 各カソード電極に投入する高周波の周波
    数が、13.56MHz〜100MHzの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の微結晶
    半導体層の形成方法。
  8. 【請求項8】 カソード電極と基板を内包する放電空間
    が実質的に接地されたメッシュ状の電極で囲まれている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の微結
    晶半導体層の形成方法。
  9. 【請求項9】 基板温度が、150℃〜450℃である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の微
    結晶半導体層の形成方法。
  10. 【請求項10】 微結晶半導体層の形成圧力が、10m
    torr〜400mtorrであることを特徴とする請
    求項1から9のいずれかに記載の微結晶半導体層の形成
    方法。
  11. 【請求項11】 微結晶半導体層の形成速度が、10Å
    /sec以上であることを持微とする請求項1から10
    のいずれかに記載の微結晶半導体層の形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかの形成方法
    により形成された微結晶半導体層を光電変換層として有
    することを特徴とする光起電力素子。
  13. 【請求項13】 ロール・ツー・ロール方式により、帯
    状基板上に半導体層が連続的に形成されることを特徴と
    する請求項12に記載の光起電力素子。
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