JPH11233443A - 微結晶シリコン膜の形成方法、光起電力素子、および半導体薄膜の形成装置 - Google Patents

微結晶シリコン膜の形成方法、光起電力素子、および半導体薄膜の形成装置

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JPH11233443A
JPH11233443A JP10033455A JP3345598A JPH11233443A JP H11233443 A JPH11233443 A JP H11233443A JP 10033455 A JP10033455 A JP 10033455A JP 3345598 A JP3345598 A JP 3345598A JP H11233443 A JPH11233443 A JP H11233443A
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JP
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forming
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microcrystalline silicon
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self
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JP10033455A
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English (en)
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Tomonori Nishimoto
智紀 西元
Masafumi Sano
政史 佐野
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Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光起電力素子に用いるi型微結晶シリコン層
形成時の放電の安定性の向上、ひいては形成膜の品質制
御性の向上を図る。 【解決手段】 少なくともシリコン化合物を含む原料ガ
スを用いて、高周波プラズマCVD法により微結晶シリ
コン膜を形成する方法であって、高周波電極206に生
じるセルフバイアス電圧を読み出し、その電圧値に基づ
いて投入する高周波電力を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波プラズマC
VD法により、少なくともシリコン化合物を含む原料ガ
スを用いて、粒径が50Å以上の良質の微結晶シリコン
膜を2.0Å/s以上の高速で形成する微結晶シリコン
膜の形成方法、i型層として微結晶シリコン膜を有する
光起電力素子、および半導体薄膜の形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1970年代の後期において、非晶質シ
リコン系薄膜の価電子制御が可能になると、非晶質シリ
コン系薄膜を、太陽電池に代表される光起電力素子に応
用するための研究・開発が進められるようになった。非
晶質シリコン系薄膜等を有する光起電力素子の作製方法
としては、従来より、13.56MHzに代表される高
周波(RF)を利用したプラズマCVD法が広く知られ
ている。
【0003】高周波プラズマCVD法により作製した非
晶質シリコン系薄膜等を有する光起電力素子は、バルク
の単結晶や多結晶シリコンに比べて、少ない材料で比較
的良好な光電変換効率が得られるが、プロセス速度の点
で克服すべき問題点が残されている。すなわち、活性層
に用いられる非晶質シリコン層の厚みは数千Åである
が、良質な非晶質シリコン層を得るには形成速度を数Å
/s以下の低速に抑える必要があり、プロセスコストを
低減することが困難となっていた。
【0004】因みに、13.56MHzを用いたプラズ
マCVD法では、薄膜形成速度を大きくするにつれ、形
成膜の品質が急激に低下する傾向が確認されており、量
産時のスループットを向上させにくいという欠点があっ
た。
【0005】また、薄膜形成速度を比較的大きくして
も、比較的良質の薄膜を形成することができるものとし
て、2.45GHzに代表されるマイクロ波(MW)を
用いたプラズマCVD法が知られている。例えば、i型
層をマイクロ波プラズマCVD法で形成した例として、
“マイクロ波プラズマCVD法によるa−Si太陽電
池”東和文、渡辺猛志、嶋田寿一、第50回応用物理学
会学術講演会予稿集pp.566等が挙げられる。
【0006】また、非晶質シリコン系薄膜形成の高品質
化、高速化の観点から、周波数100MHz前後のVH
F帯周波数を用いるのも有効であることが知られてい
る。例えば、米国特許公報第4933203号には、
「25〜150MHzの周波数範囲では、周波数f(M
Hz)と電極間距離d(cm)の比f/dが30から1
00(MHz/cm)の範囲で良質の非晶質シリコン膜
が得られる」とある。
【0007】ところで、非晶質シリコン系薄膜を用いた
薄膜起電力素子は、一般的にはpin接合構造を有して
おり光電変換は主にi型層で行われる。接合特性を改善
するためにp型層やn型層を微結晶化する試みは、これ
まで数多くなされてきた。例えば、特開昭57−187
971号公報には、i型層が非晶質シリコンからなり、
p型層及びn型層のうち少なくとも光の入射する側にあ
る層を平均粒径100Å以下の微結晶シリコンとするこ
とにより出力電流及び出力電圧の向上を図る方法が開示
されている。
【0008】しかしながら、現時点では、いずれの形成
方法によっても、i型層に非晶質シリコンを用いたpi
n型太陽電池では、光照射時にi型層の欠陥密度が増加
し、光電変換率の低下を引き起こす現象(所謂Stae
bler−Wronski効果)の抑制が困難であり、
実用上の大きな問題となっていた。
【0009】近年、非晶質シリコン系薄膜起電力素子の
光電変換層にi型の微結晶シリコンを用いる試みがなさ
れている。例えば、Neuchatel大学のShah
らのグループは、25th IEEE PV Spec
ialists Conferernce,Washi
ngton,May 13‐17,1996において、
p型層、i型層、n型層の全層に微結晶シリコンを用い
て作製した光電変換効率7.7%の光劣化を伴わないp
in型微結晶シリコン太陽電池を報告している。
【0010】同グループが採用した微結晶シリコン層の
形成方法は、基本的には、従来の高周波プラズマCVD
法の構成と同じであり、多結晶シリコン薄膜等の結晶系
シリコン薄膜の形成に必要とされる500℃以上の高温
プロセスは用いていない。また、プラズマの形成周波数
として、110MHzのVHF帯周波数を採用している
点が特徴的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、VHF帯
周波数を用いて形成したi型微結晶シリコン膜を用いた
pin型太陽電池は、低温プロセスでの作製が可能であ
りながら、光劣化を伴わないという大きな利点を有す
る。
【0012】前述のNeuchatel大学のShah
らのグループの報告によると、i型微結晶シリコン層の
堆積速度は1.2Å/sで、その厚さは3.6μmであ
った。簡単な計算によって、i型微結晶シリコン層の形
成時間は、8時間以上もの長時間を要することが分か
る。変換効率が比較的高く、また光劣化がないとはい
え、スループットは非常に小さく、結果的に低コスト化
を図るのが困難となってしまう。
【0013】微結晶シリコンをi型層に用いたpin太
陽電池の量産を現実的なものとするためには、i型微結
晶シリコン層の形成速度を飛躍的に向上させることが必
須であるといえる。しかし、i型層に微結晶シリコンを
用いたpin型太陽電池でかつ、光電変換効率が比較的
良好な太陽電池が作製されるようになったのは、比較的
最近のことであり、そのi型微結晶シリコン層形成の高
速化の技術に関しては、ほとんど知られていないという
のが現状である。
【0014】例えば、500℃以上の高温プロセスを用
いれば、結晶化のためのエネルギーを基体からの熱的エ
ネルギーとして得ることができ、膜形成の高速化は比較
的容易に行うことができると予想されるが、高温プロセ
スを用いた場合、素子界面での相互拡散による素子特性
の低下やプロセスコスト増大などの問題が生ずる。
【0015】また、太陽電池の光電変換層として用いる
に好適な微結晶シリコン膜(i型微結晶シリコン膜)
は、従来の光電変換層として用いられる非晶質シリコン
膜(i型非晶質シリコン膜)、および従来の導電性微結
晶シリコン膜(n型およびp型微結晶シリコン膜)に比
べ、数〜数十倍もの膜厚が必要とされるため、i型微結
晶シリコン膜の形成条件を長時間にわたり精度よく制御
する必要が生じている。投入パワーの増大により形成速
度を上昇させて、形成時間を短縮した場合でも、電極表
面への膜堆積が急速に起こり、電力投入の条件が急速に
変化するという問題があった。
【0016】膜形成に伴い形成条件が変化するという問
題に関しては、特開平9−266201号公報に言及が
ある。同公報の発明では、形成室内の高周波印加電極、
及び基板台以外の内壁が絶縁体或いは半絶縁体で覆われ
たプラズマCVD装置を用い、高周波電力の電圧成分
(Vpp)及び、高周波電極の自己バイアス電圧(Vdc
が所定の値となるように印加する高周波電力の大きさを
制御することを特徴としている。
【0017】しかし、同公報は、形成室の内壁を絶縁体
或いは半絶縁体で覆うことに起因して、VdcおよびVpp
が不安定となる場合について述べたものであり、高周波
電極表面に付着した膜のみに起因するVdcの変化につい
て述べたものではなかった。
【0018】本発明は、500℃以上の高温プロセスを
用いることなく、150〜500℃の低温プロセスであ
りながら、2〜数十Å/sの高速で、pin型太陽電池
のi型層に好適な微結晶シリコン膜の形成方法、微結晶
シリコン膜を光電変換層として有する光起電力素子、お
よび薄膜半導体の形成装置を提供することを目的とす
る。
【0019】とりわけ、高周波電極表面に付着した膜に
起因するVdcの変化を読み出し、その電圧値に基づいて
投入する高周波電力を制御することで、i型微結晶シリ
コン層形成時の放電の安定性の向上、ひいては形成膜の
品質制御性の向上を図ることができる光起電力素子、お
よび薄膜半導体の形成装置を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1〜13の発明
は、少なくともシリコン化合物を含む原料ガスを用い
て、高周波プラズマCVD法により微結晶シリコン膜を
形成する微結晶シリコン膜の形成方法に関するものであ
り、高周波電極で生じるセルフバイアス電圧を読み出
し、その電圧値に基づいて投入する高周波電力を調整す
る点に特徴を有する。また、請求項13〜15の発明
は、光起電力素子に関するものであり、請求項1〜12
のいずれかの形成方法によって形成された微結晶シリコ
ン膜を光電変換層として有する点に特徴を有する。
【0021】さらに、請求項16〜21の発明は、薄膜
形成室内に少なくともシリコン化合物を含む原料ガスを
導入し、高周波プラズマCVD法により、基体上に半導
体薄膜を形成する半導体薄膜の形成装置に関するもので
あり、高周波電極に生じるセルフバイアス電圧を読み出
す読出器と、セルフバイアス電圧に基づいて投入する高
周波電力を調整する制御器とを備えている点に特徴を有
する。
【0022】上記のように、本発明は、新規な微結晶シ
リコン膜の形成方法、形成された微結晶シリコン膜を光
電変換層として有する光起電力素子、およびこれらの製
造に使用する半導体薄膜の形成装置に係るもので、各発
明の構成および作用を以下に更に説明する。
【0023】シラン等のシリコン化合物を原料ガスとす
る高周波プラズマCVD法では、形成条件(高周波の周
波数、高周波電力、基体温度、形成圧力、基体と電極間
の距離、原料ガス流量、原料ガス希釈率など)を変化さ
せることにより、形成膜の結晶性、欠陥密度、光感度等
を制御することができる。
【0024】本発明者は、前述したように、150〜5
00℃の低温プロセスでありながら、2〜数十Å/sの
高速で、pin型太陽電池のi型層に好適な微結晶シリ
コン膜を形成するための方法の研究開発を進めてきた。
一般にpin型薄膜太陽電池の光電変換層(i型層)に
微結晶シリコン膜を用いる場合、0.5μm〜3μm程
度の膜厚が必要とされ、i型層に非晶質シリコンを用い
る場合よりも大きな膜厚が必要であった。
【0025】ところで、高周波および高周波電極を用い
たプラズCVD法では、薄膜形成時に、高周波電極表面
に意図しない膜付着が発生する。高周波電極表面上への
付着膜であるため、仮に、高周波電源の投入電力を一定
に保持したとしても、プラズマに実質的に投入される電
力は、刻々と変化していくことを余儀なくされていた。
しかも、良質な微結晶シリコンを高速で形成できる形成
条件の許容範囲は、良質の非晶質シリコン形成のための
許容範囲よりも、大幅に狭いものであることが、本発明
者による一連の実験結果から明らかとなってきた。
【0026】さらに、pin太陽電池に応用する場合、
微結晶シリコンでは、非晶質シリコンに比べて、かなり
大きな膜厚を要し、電極表面への膜付着の問題が、従来
の非晶質シリコン形成に比べて極めて大きな問題となる
ことが、本発明者による一連の実験結果から明らかとな
ってきた。
【0027】すなわち、非晶質シリコンに比べて、高速
で良質な微結晶シリコン膜を形成することができる形成
条件の許容範囲が狭く、より大きな膜厚が必要であり、
電極に付着した微結晶シリコンの結晶質に起因する放電
の不安定性などの要因が挙げられる。
【0028】したがって、放電条件を如何にして安定さ
せ、膜厚方向の膜質の制御性の向上を図るかが重要とな
る。
【0029】高周波電力を低電力とし、低速での微結晶
シリコン形成を行う場合には、電極表面への膜付着も比
較的低速で行われるため、プラズマの実質的に投入され
る電力の変化の速度は小さくなるが、形成時間が必然的
に長くなるため、長時間にわたる放電安定性が要求され
る。
【0030】一方、高周波電力を高電力とし、高速で微
結晶シリコン形成を行う場合には、電極表面への膜付着
も比較的高速で行われるため、プラズマの実質的に投入
される電力の変化の速度も大きくなり、単位時間あたり
の放電の安定性は低速の場合より劣ることが多くなる。
【0031】そこで、本発明者は、鋭意研究をさらに進
めてきた結果、高周波電極に生じるセルフバイアス電圧
を読み出し、その電圧値に基づいて投入する高周波電力
を調整することが、良質の微結晶シリコン膜を形成する
上で極めて有効であることを見出した。
【0032】具体的には、セルフバイアス電圧が一定値
になるように、投入する高周波電力を調整することが好
ましい。
【0033】良質で低コストの微結晶シリコン膜を得る
ためには、高周波電源の周波数が50〜550MHzの
範囲にあり、基体温度が150〜500℃の範囲、形成
圧力が0.01〜0.5torrの範囲、かつ高周波の
投入電力密度が0.001〜0.5W/cm3 の範囲に
あることが好ましい。
【0034】また、高周波電源の周波数が50〜200
MHzの範囲において、基体温度が150〜500℃の
範囲、形成圧力が0.1〜0.5torrの範囲、かつ
高周波の投入電力密度が0.001〜0.2W/cm3
の範囲にあることが、より好ましい。
【0035】さらに、高周波電源の周波数が200〜5
50MHzの範囲において、基体温度が150〜500
℃の範囲、形成圧力が0.01〜0.3torrの範
囲、かつ高周波の投入電力密度が0.01〜0.5W/
cm3 の範囲にあることが、より好ましい。
【0036】膜形成の高速化、高品質化の観点から原料
ガスに関して言及すれば、シリコン化合物ガス及び希釈
ガスからなる原料ガスの総流量が500sccm以上で
あり、かつシリコン化合物ガスに対する希釈ガスの比が
20以上であることが好ましい範囲として挙げられる。
【0037】特に、原料ガスの総流量が1000scc
m以上であり、かつシリコン化合物ガスに対する希釈ガ
スの比が25以上であれば、より好ましい。
【0038】本発明による微結晶シリコン膜の形成方法
は、形成速度が5Å/s以上の高速形成時において、放
電安定性向上の効果が著しいという特徴がある。
【0039】特に、10Å/s以上の形成速度で形成す
ることは、プロセス時間の大幅短縮を実現しながら、放
電安定性向上をはかれるという点で非常に好ましい。
【0040】実質的に原料ガスの分解に寄与しない、第
2の高周波をプラズマに重畳させることも、微結晶シリ
コン膜の膜質向上の観点から好ましい。
【0041】第1および第2の高周波電極に生じるセル
フバイアス電圧を各々読み出し、各電圧値に基づいて投
入する第1および第2の高周波電力を調整することも、
放電の安定性の更なる向上、ひいては形成膜の品質制御
性の更なる向上を図ることができるので好ましい。
【0042】具体的には、第1および第2の高周波のセ
ルフバイアス電圧が各々一定値となるように、投入する
第1および第2の高周波電力を調整することが好まし
い。
【0043】このように本発明の微結晶シリコン膜の形
成方法によれば、放電の安定性を向上させ、良質で低コ
ストの微結晶シリコン膜を高速で形成することが可能と
なるが、どのようなメカニズムで有効な作用が働いたの
か、詳細は不明である。
【0044】本発明による微結晶シリコン膜の形成方法
により形成した微結晶シリコン膜を光電変換層として有
する光起電力素子は、低コストで高い変換効率、高い光
安定性を有する。
【0045】また、本発明による微結晶シリコン膜の形
成方法により形成した微結晶シリコン膜を光電変換層と
して有するセルは、長波長感度に優れており、積層型薄
膜起電力素子の下部セルとして好適である。
【0046】さらに、本発明の光起電力素子は、ロール
・ツー・ロール方式により、帯状基体上に連続的に形成
することができ、製造コストの大幅な低減を図ることが
できる。
【0047】また、本発明の半導体薄膜の形成装置は、
高周波電極に生じるセルフバイアス電圧を読み出す読出
器と、セルフバイアス電圧に基づいて投入する高周波電
力を調整する制御器とを備えており、微結晶シリコン膜
の形成、および微結晶シリコン膜を光電変換層として有
する光起電力素子の製造に好適である。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の微結晶シリコン膜
の形成方法、および光起電力素子の実施形態を詳細に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0049】本発明による微結晶シリコン膜は、コーニ
ング社製の7059ガラス基板上に形成して、ラマン散
乱法による結晶性の評価、および、X線回折法による粒
径の見積もりを行った。さらに、pin型光起電力素子
のi型層に微結晶シリコン膜を用いた太陽電池セルを作
製し、セル特性を評価した。
【0050】図1は、光起電力素子の模式的説明図であ
り、半導体層はpin型である。図1において、本発明
の光起電力素子は、基体101、光反射層102、n型
層103、i型層104、p型層105、透明電極層1
06、および集電電極層107から構成されており、以
下に各構成要素について説明する。
【0051】(基体)基体は、導電性材料の単体で構成
されたものでもよく、絶縁性材料または導電性材料で構
成された支持体上に導電層を形成したものであってもよ
い。
【0052】導電性材料としては、例えば、めっき銅
板、NiCr、ステンレス鋼、Al、Cr、Mo、A
u、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、Sn等の金
属、またはこれらの合金があげられる。これらの材料を
支持体として使用するには、シート状、あるいは長尺状
のシートを円筒状に巻き付けたロール状、あるいは円筒
体であることが望ましい。
【0053】絶縁材料としては、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、ポリアミド、等の合成樹脂、またはガラ
ス、セラミックス、紙などが挙げられる。これらの材料
を支持体として使用するには、シート状、あるいは長尺
状のシートを円筒状に巻き付けたロール状、あるいは円
筒体であることが望ましい。これらの絶縁性支持体は、
少なくともその一方の表面に導電層を形成し、該導電層
を形成した表面上に本発明の半導体層を形成する。
【0054】例えば、支持体がガラスであれば、その表
面上にNiCr、Al、Ag、Cr、Mo、Ir、N
b、Ta、V、Ti、Pt、Pb、In23 、IT
O、ZnO等の材料、またはその合金からなる導電層を
形成する。また、ポリエステルフィルム等の合成樹脂シ
ートであれば、その表面上にNiCr、Al、Cr、A
g、Pb、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt等
の材料、またはその合金からなる導電層を形成する。さ
らに、ステンレス鋼であれば、NiCr、Al、Ag、
Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、P
b、In23 、ITO、ZnO等の材料、またはその
合金からなる導電層を形成する。
【0055】導電層の形成方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、スクリーン印刷法が挙げられる。
【0056】支持体の表面形状は、平滑、あるいは山の
高さが最大0.1〜1.0μmの凹凸(テクスチャー
化)であることが望ましい。例えば、ステンレス基体の
表面をテクスチャー化する1つの方法として、被処理基
体を酸性溶液によりエッチング処理することが挙げられ
る。
【0057】基体の厚さは、所望通りの光起電力素子を
形成しうるように適宜決定するが、光起電力素子として
の柔軟性が要求される場合には、支持体としての機能が
十分発揮される範囲で可能な限り薄くすることが好まし
い。しかしながら、支持体の製造上、取り扱い上、およ
び機械的強度の点から、通常10μmとされる。
【0058】(光反射層)本発明の光起電力素子におけ
る望ましい基板形態としては、上記支持体上に、Ag、
Al、Cu、AlSi、CuMg等の可視光から近赤外
で反射率の高い金属からなる導電層(光反射層)を形成
することが挙げられる。光反射層は、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、水溶液からの電解析出法等で形成するの
が適している。光反射層としての金属層の層厚として
は、10nmから5000nmの範囲が適している。
【0059】本発明の光起電力素子における更に望まし
い基板形態としては、光反射層上にZnO、SnO2
In23 、ITO、TiO2 、CdO、Cd2 SnO
4 、Bi23 、MoO3 、NaXWO3等からなる透明
導電層を形成することが挙げられる。透明導電層の形成
方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、電解析
出法、CVD法、スプレー法、スピンオン法、ディッピ
ング法等が適した方法として挙げられる。また、透明導
電層の層厚は、その屈折率により最適な層厚が異なる
が、好ましい層厚の範囲としては50nm〜10μmが
挙げられる。
【0060】更に、透明導電層をテクスチャー化するに
は、例えば、スパッタリング法においては、その形成温
度を200℃以上とすれば良い。また、いずれの形成方
法においても、透明導電層の形成後に弱酸により表面を
エッチング処理することが、テクスチャー化の効果を高
める点で有効である。
【0061】(ドーピング層(n型層,p型層))ドー
ピング層の母材は、非晶質シリコン系あるいは微結晶シ
リコン系半導体から構成される。非晶質(以下、a−と
略記する)シリコン系半導体としては、a−Si:H、
a−SiC:H、a−SiO:H、a−SiN:H、a
−SiCO:H、a−SiON:H、a−SiNC:
H、a−SiCON:H等が挙げられる。これらの半導
体にはフッ素が含有されていても良い。
【0062】微結晶(以下、μc−と略記する)シリコ
ン系半導体としては、μc−Si:H、μc−SiC:
H、μc−SiO:H、μc−SiN:H、μc−Si
CO:H、μc−SiON:H、μc−SiNC:H、
μc−SiCON:H等が挙げられる。母材は、微結晶
シリコンを含有した非晶質シリコン系半導体であっても
よい。これらの半導体にはフッ素が含有されていても良
い。
【0063】伝導型をp型またはn型にするために導入
される価電子制御剤の導入量は、1000ppm〜10
%が好ましい範囲として挙げられる。
【0064】水素(H、D)及びフッ素は、未結合手を
補償する働きをし、ドーピング効率を向上させるもので
ある。水素及びフッ素含有量は、0.1〜30atom
%が最適値として挙げられる。特にドーピング層が微結
晶シリコンを含有する場合、0.01〜10atom%
が最適量として挙げられる。
【0065】炭素、酸素、窒素原子の導入量は、0.1
ppm〜20%、微量に含有させる場合には0.1pp
m〜1%が好適な範囲である。
【0066】また、電気特性としては活性化エネルギー
が0.2eV以下のものが好ましく、比抵抗としては1
00Ωcm以下のものが好ましく、1Ωcm以下が最適
である。
【0067】光起電力素子に適したp型層またはn型層
の堆積方法は、RFプラズマCVD法、VHFプラズマ
CVD法、マイクロ波CVD法である。特にRFプラズ
マCVD法でp型層またはn型層の堆積を行う場合に
は、堆積室内の基板温度は、100〜400℃、内圧
は、0.1〜10torr、RFパワーは、0.05〜
1.0 W/cm3 、堆積速度は0.01〜3nm/s
が最適条件として挙げられる。
【0068】原料ガスとしては、シリコンを含有しガス
化し得る化合物、例えば、SiH4、Si26 、Si
4 、SiFH3 、SiF22 、SiF3 H、SiH
3 D、SiFD3 、SiF22 、SiD2 H、Si2
22 等が挙げられ、これらに価電子制御をするため
の不純物、例えば、n型用にはB26 やBF3 などの
ホウ素化合物、p型用にはPH3 等のリン化合物等を添
加して用いることができる。
【0069】また、前記ガス化し得る化合物をH2 、H
e、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入してもよい。特に微結晶半導体やa−Si
C:H等の光吸収が少ないかバンドギャップが広い層を
堆積する場合は、水素ガスで2〜100倍に原料ガスを
希釈し、RFパワーは比較的高いパワーを導入するのが
好ましいものである。
【0070】周波数が0.1GHz以下のRFを用いた
高周波プラズマCVD法の場合は、13.56MHz近
傍の周波数が好適である。p型層またはn型層を0.1
GHz以上のVHF〜マイクロ波周波数を用いた高周波
プラズマCVD法で形成する場合、堆積室内の基板温度
は100〜400℃、内圧は0.5〜100mtor
r、高周波パワーは0.01〜1W/cm3 の範囲にあ
るのが好適である。
【0071】(i型層)本発明の光起電力素子におい
て、i型層は光励起キャリアを発生、輸送する最も重要
な層であり、i型微結晶シリコン膜が用いられる。
【0072】本発明においてi層の母材は微結晶シリコ
ン系半導体から構成される。微結晶シリコン系半導体と
しては、μc−Si:H、μc−SiC:H、μc−S
iO:H、μc−SiN:H、μc−SiCO:H、μ
c−SiON:H、μc−SiNC:H、μc−SiC
ON:H等が挙げられる。これらの半導体には、フッ素
が含有されていてもよい。
【0073】水素(H、D)及びフッ素は未結合手を補
償する働きをするものである。水素及びフッ素含有量は
0.1〜30atom%が最適値として挙げられる。特
にドーピング層が微結晶シリコンを含有する場合、0.
1〜10atom%が最適量として挙げられる。
【0074】炭素、酸素、窒素原子の導入量は0.1p
pm〜20%、微量に含有させる場合には0.1ppm
〜1%が好適な範囲である。
【0075】光起電力素子に適したi型層の堆積方法
は、RFプラズマCVD法、VHFプラズマCVD法、
マイクロ波CVD法である。特にVHFプラズマCVD
法でi型層の堆積を行う場合、堆積室内の基板温度は、
150〜500℃、内圧は、0.01〜0.5tor
r、VHFパワーは、0.001〜0.5W/cm3
堆積速度は0.01〜5nm/secが最適条件として
挙げられる。原料ガスとしては、シリコンを含有しガス
化し得る化合物、例えば、SiH4、Si26、Si
4、SiFH3、SiF22、SiF3H、SiH3D、
SiFD3、SiF22、SiD3H、Si233等が
挙げられる。また、前記ガス化し得る化合物をH2、H
e、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入してもよい。特に微結晶半導体形成では、水
素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、VHFパワ
ーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいものであ
る。因みに、SiF4等のフッ素系化合物ガスを用いれ
ば、水素希釈率が比較的小さい範囲においても、良質の
微結晶半導体が形成できるという効果がある。
【0076】本発明において、当該i型微結晶シリコン
膜は本発明の形成方法により高周波プラズマCVD法に
よって形成される。即ち、高周波プラズマCVD法にお
いて、高周波電極に生じるセルフバイアス電圧を読み出
し、その電圧値に基づいて投入する高周波電力を調整し
ながら成膜を行う。具体的には、読み出したセルフバイ
アス電圧値が一定になるように投入する高周波電力を調
整する。
【0077】本発明にi型微結晶シリコン膜の形成方法
において、好ましい形成条件は、高周波電源の周波数が
50〜550MHz、基体温度が150〜500℃、形
成圧力が0.01〜0.5torr、高周波の投入電力
密度が0.001〜0.5W/cm3 とする。
【0078】また、より好ましくは、高周波電源の周波
数が50〜200MHzの範囲において、基体温度を1
50〜500℃、形成圧力を0.1〜0.5torr、
高周波の投入電力密度を0.001〜0.2W/cm3
に設定する。或いは、高周波電源の周波数が200〜5
50MHzの範囲において、基体温度を150〜500
℃、形成圧力を0.01〜0.3torr、高周波の投
入電力密度を0.01〜0.5W/cm3 に設定する。
【0079】また、好ましくはシリコン化合物及び希釈
ガスからなる原料ガスの総流量を500sccm以上、
シリコン化合物ガスに対する希釈ガスの比を20以上、
より好ましくは、上記総流量を1000sccm以上、
シリコン化合物ガスに対する希釈ガスの比を25以上と
する。
【0080】本発明の微結晶シリコン膜の形成方法にお
いては、粒径が50Å以上の良好な微結晶シリコン膜
を、2.0Å/s以上の高速で形成することが可能であ
り、さらに5.0Å/s以上、より好ましくは10.0
Å/s以上で形成することも可能であり、プロセス時間
の大幅な短縮を図ることができる。
【0081】また、本発明においては、さらに第2の高
周波電極を設け、該第2の高周波電極に生じるセルフバ
イアス電圧を読み出し、該電圧値に基づいて投入する高
周波電圧値を、具体的には上記セルフバイアス電圧値が
一定になるように、調整することが好ましい。
【0082】図2は、本発明の微結晶シリコン膜の形成
方法を実施するための、本発明の半導体薄膜の形成装置
の一実施形態を示す模式図である。図2において、基板
201は、形成装置の内壁上部に保持され、ヒータ20
2により所望の温度となるよう加熱されている。
【0083】原料ガスは、ガス導入管203及びバルブ
204を介して、形成室内部へと導入される。プラズマ
の発生源としては、VHF、RFの各周波数帯の電源
を、必要に応じて、それぞれ単独で、あるいは複数組み
合わせて使用する。
【0084】VHF電極206で生じるセルフバイアス
電圧は、VHF読出器209によって読み出され、VH
F制御器210に送られる。VHF制御器210は、読
み出されたVHFのセルフバイアス値と予め入力された
基準値との比較を行い、セルフバイアス値が基準値と等
しくなるように、自動的にVHF電源(第1の高周波電
源)205の投入電力を変化させる。
【0085】同様に、RF電極208で生じるセルフバ
イアス電圧は、RF読出器211によって読み出され、
RF制御器212に送られる。RF制御器212は、読
み出されたRFのセルフバイアス値と予め入力された基
準値との比較を行い、セルフバイアス値が基準値と等し
くなるよう、自動的にRF電源(第2の高周波電源)2
07の投入電力を変化させる。
【0086】(透明電極層)インジウム酸化物(In2
3)、スズ酸化物(SnO2 、ITO(In23
SnO2 ))等が適した材料であり、これらの材料にフ
ッ素を含有させても良い。透明電極層の堆積には、スパ
ッタリング法または真空蒸着法が最適な堆積方法であ
る。
【0087】スパッタリング法で堆積する場合、金属タ
ーゲット、あるいは酸化物ターゲット等のターゲットを
適宜組み合わせて用いられる。スパッタリング法で堆積
する場合には、基板温度が重要な因子であって、20℃
〜600℃が好ましい温度範囲として挙げられる。
【0088】透明電極層をスパッタリング法で堆積する
場合のスパッタリング用のガスとしては、Arガス等の
不活性ガスが挙げられる。また、不活性ガスに酸素ガス
(O2 )を必要に応じて添加することも好ましい。特に
金属をターゲットにしている場合には、酸素ガス(O
2 )の添加は必須である。
【0089】不活性ガス等によってターゲットをスパッ
タリングする場合の放電空間内の圧力は、効果的にスパ
ッタリングを行うために、0.1〜50mtorrが好
ましい範囲として挙げられる。
【0090】透明電極層の堆積速度は、放電空間内の圧
力や放電圧力に依存し、最適な堆積速度は、0.01〜
10nm/sの範囲である。
【0091】真空蒸着法により透明電極層を堆積するの
に適した蒸着源としては、金属スズ、金属インジウムス
ズ、インジウム−スズ合金等が挙げられる。
【0092】真空蒸着法により透明電極層を堆積する場
合の基板温度としては、25℃〜600℃の範囲が適し
ている。
【0093】さらに、酸素ガス(O2 )を導入し、圧力
が5×10-5torr〜9×10-4torrの範囲で堆
積することが好ましい。この範囲で酸素を導入すること
により、蒸着源から気化した金属が気相中の酸素と反応
して、良好な透明電極層が堆積される。
【0094】上記の条件による透明電極層の好ましい堆
積速度の範囲としては、0.01〜10nm/sであ
る。堆積速度が0.01nm/s未満であると生産性が
低下し、10nm/sより大きくなると粗な膜となり透
過率、導電率や密着性の上からは好ましくない。
【0095】透明電極層の層厚は、反射防止膜の条件を
満たすような条件に堆積するのが好ましく、具体的な層
厚としては50〜500nmが好ましい範囲として挙げ
られる。
【0096】(集電電極)光起電力層であるi型層に多
くの光を入射させ、発生したキャリアを効率良く電極に
集めるためには、集電電極の形(光の入射方向から見た
形)、及び材質は重要である。通常、集電電極の形は櫛
型が使用され、その線幅、線数などは、光起電力素子の
光入射方向からみた形状および大きさ、集電電極の材質
などによって決定される。線幅は、通常0.1mm〜5
mm程度である。
【0097】集電電極の材質としては、Fe、Cr、N
i、Au、Ti、Pd、Ag、Al、Cu、AlSi、
C(グラファイト)等が用いられ、通常、比抵抗の小さ
いAg、Cu、Al、Cr、Cなどの金属、あるいはこ
れらの合金が適している。
【0098】集電電極の層構造としては、単一の層から
なるものであってもよいし、さらには複数の層からなる
ものであってもよい。
【0099】これらの金属は、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、めっき法、印刷法等で形成するのが好ましい。
層厚としては、10nm〜0.5mmが適している。
【0100】真空蒸着法で形成する場合には、透明電極
層上に集電電極の形状をなしたマスクを密着させ、真空
中で電子ビームまたは抵抗加熱により所望の金属蒸着源
を蒸発させ、透明電極上に所望の形状をした集電電極を
形成する。
【0101】スパッタリング法で形成する場合には、透
明電極上に集電電極の形状をなしたマスクを密着させ、
真空中にArガスを導入し、所望の金属スパッタリング
ターゲットに直流電圧(DC)を印加し、グロー放電を
発生させることによって、金属をスパッタさせ、透明電
極上に所望の形状をした集電電極を形成する。
【0102】印刷法で形成する場合には、Agペース
ト、Alペースト、あるいはカーボンペーストをスクリ
ーン印刷機で印刷する。
【0103】以上、pin構造の半導体層を有する光起
電力素子について説明したが、pinpin構造やpi
npinpin構造などのpin構造の半導体層を複数
積層した光起電力素子、あるいはnip構造やnipn
ip構造やnipnipnip構造等のnip構造の半
導体層を複数積層した光起電力素子についても適用でき
るものである。
【0104】本発明の形成方法により形成された微結晶
シリコン膜を有する光起電力素子は、一対のロール間に
シート状基板を掛け渡して移動させながら薄膜形成を行
うロール・ツー・ロール方式の連続装置を用いて連続的
に形成することにも好適である。本発明によるi型層に
微結晶シリコン膜を用いたpin型光起電力素子は、ロ
ール・ツー・ロール方式の連続装置を用いてpinシン
グル構造として形成することも、形成室の数を減らし、
装置コストを低減できるという観点から好ましい。
【0105】また、本発明による光起電力素子は、非晶
質シリコンセルに比べて、長波長領域の光感度に優れて
いることから、上部に非晶質シリコンセルを積層するこ
とで、さらに光電変換効率を向上させることが可能とな
る。
【0106】図26は、下部に本発明によるi型微結晶
シリコン膜を有するセル、上部に従来の非晶質シリコン
セルを連続的に積層するためのロール・ツー・ロール方
式の連続装置の一例を示す概略図である。ステンレス鋼
板等の帯状基体(ウエブ1203)は供給ローラ120
1から送り出され、1204〜1209の各形成室を通
過した後、巻取ローラ1202に巻き取られる。
【0107】形成室1204および形成室1207で
は、SiH4 、PH3 、H2 などの原料ガスを用い、R
F−CVD法によって、n型微結晶シリコン膜が形成さ
れる。
【0108】また、形成室1206および形成室120
9では、SiH4 、BF3 、H2 などの原料ガスを用
い、RF−CVD法によって、p型微結晶シリコン膜が
形成される。
【0109】さらに、形成室1205では、SiH4
2 等の原料ガスを用い、VHF−CVD法によって、
i型微結晶シリコン膜が形成される。そして、形成室1
208では、SiH4 、H2 等の原料ガスを用い、RF
−CVD法によって、i型非晶質シリコン膜が形成され
る。
【0110】
【実施例】以下に、本発明の微結晶シリコン膜の形成方
法の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0111】以下の実施例、比較例においては、i型微
結晶シリコン膜の形成には図2に示した半導体薄膜の形
成装置を用い、原料ガスとしては、いずれも超高純度に
精製された、SiH4 ガスおよびH2 ガスを用いた。
【0112】実質的な放電空間の容積は、約3000c
3 であり、原料ガス導入に先立って、形成室の内部を
ターボ分子ポンプを用いて10-5torr程度まで排気
し、不純物を除去した。
【0113】〈比較例1−1〉下記に示す条件(形成速
度:約2.0Å/s)で7059ガラス基板上に約1μ
mの微結晶シリコン膜を堆積した。本比較例では、セル
フバイアス電圧の制御は行わず、投入電力一定(3W)
で、約1時間23分の放電を行った。その結果、セルフ
バイアス電圧は、放電開始直後の−5.1Vから放電終
了直前の−4.7Vまで変化した。
【0114】i層の形成条件(周波数f=105MH
z、圧力P=0.3torr) ガス流量:SiH4 =20sccm、H2 =600sc
cm 形成温度:200℃ VHF(105MHz)電力:3W(セルフバイアス電
圧=−5.1V→−4.7V) RF(13.56MHz)電力:なし 形成速度:約2.0Å/s
【0115】次に、堆積膜をラマン散乱法(図3)、お
よびX線回折法(図4)により評価した。その結果、図
3に示すように、ラマンシフト520cm-1付近に明確
なピークが観測されており、堆積膜は結晶化しているこ
とが判った。また、図4に示すように、形成膜には(1
11)配向および(220)配向のピークが見られる。
シェラーの式を用いて求められる結晶粒径は、(22
0)ピークに関して、約400Åであった。
【0116】〈比較例1−2〉下記に示す条件(形成速
度:約7.0Å/s)で7059ガラス基板上に約1μ
mの微結晶シリコン膜を堆積した。本比較例では、セル
フバイアス電圧の制御は行わず、投入電力一定(150
W)で、約23分の放電を行った。その結果、セルフバ
イアス電圧は、放電開始直後の−85Vから放電終了直
前の−76Vまで変化した。
【0117】i層の形成条件(周波数f=105MH
z、圧力P=0.25torr) ガス流量:SiH4 =60sccm、H2 =1800s
ccm 形成温度:250℃ VHF(105MHz)電力:150W(セルフバイア
ス電圧=−85V→−76V) RF(13.56MHz)電力:9W(セルフバイアス
電圧=−200V) 形成速度:約7.0Å/s
【0118】次に、堆積膜をラマン散乱法、およびX線
回折法により評価した。その結果、比較例1−1と同様
の結果が得られ、堆積膜は結晶化していることが判っ
た。また、シェラーの式を用いて求められる結晶粒径
は、(220)ピークに関して、約250Åであった。
【0119】〈比較例1−3〉下記に示す条件(形成速
度:約15Å/s)で7059ガラス基板上に約1μm
の微結晶シリコン膜を堆積した。本比較例では、セルフ
バイアス電圧の制御は行わず、投入電力一定(400
W)で、約11分の放電を行った。その結果、セルフバ
イアス電圧は、放電開始直後の−287Vから放電終了
直前の−252Vまで変化した。
【0120】i層の形成条件(周波数f=500MH
z、圧力P=0.03torr) ガス流量:SiH4 =60sccm、H2 =1650s
ccm 形成温度:350℃ VHF(105MHz)電力:400W(セルフバイア
ス電圧=−287V→−252V) RF(13.56MHz)電力:23W(セルフバイア
ス電圧=−200V) 形成速度:約15Å/s
【0121】次に、堆積膜をラマン散乱法、およびX線
回折法により評価した。その結果、比較例1−1と同様
の結果が得られ、堆積膜は結晶化していることが判っ
た。また、シェラーの式を用いて求められる結晶粒径
は、(220)ピークに関して、約150Åであった。
【0122】〈実施例1−1〉上記の比較例1−1のV
HFのセルフバイアス電圧が一定値(−5.1V)に保
持されるよう、VHF読出器209およびVHF制御器
210を用いて投入電力を常に変化させながら膜形成を
行った。その結果、実施例1−1においても、図3およ
び図4と同様なラマン散乱特性、およびX線回折特性が
得られたが、いずれも比較例1−1に比べて、ピーク強
度が大きくなっていた。
【0123】実施例1−1におけるX線回折法より見積
もられる結晶粒径は約440Åであり、比較例1−1の
約400Åより、約10%大きな値となっていた。
【0124】〈実施例1−2〉上記の比較例1−2のV
HFのセルフバイアス電圧が一定値(−85V)に保持
されるよう、VHF読出器209およびVHF制御器2
10を用いて投入電力を常に変化させながら膜形成を行
った。その結果、実施例1−2においても、図3および
図4と同様なラマン散乱特性、およびX線回折特性が得
られたが、いずれも比較例1−2に比べて、ピーク強度
が大きくなっていた。
【0125】実施例1−2におけるX線回折法より見積
もられる結晶粒径は約290Åであり、比較例1−2の
約250Åより約16%大きな値となっていた。
【0126】〈実施例1−3〉上記の比較例1−3のV
HFのセルフバイアス電圧が一定値(−287V)に保
持されるよう、VHF読出器209およびVHF制御器
210を用いて投入電力を常に変化させながら膜形成を
行った。その結果、実施例1−3においても、図3およ
び図4と同様なラマン散乱特性、およびX線回折特性が
得られたが、いずれも比較例1−3に比べて、ピーク強
度が大きくなっていた。
【0127】実施例1−3におけるX線回折法より見積
もられる結晶粒径は約180Åであり、比較例1−3の
約150Åより約20%大きな値となっていた。
【0128】以上の比較例1−1〜1−3、実施例1−
1〜1−3の結果より、セルフバイアス電圧が一定値に
保持されるように、読出器および制御器を用いて投入電
力を常に変化させることが、微結晶シリコン膜の結晶粒
径の増大につながることが確認された。形成速度が5Å
/s以上(とりわけ10Å/s以上)の高速領域におい
ては、結晶粒径の増大率が大きく、本発明による形成方
法が特に有効であることを示唆している。
【0129】〈実施例2〉図2に示した形成装置を用い
て、図1の構成の光起電力素子を作製した例について説
明する。
【0130】まず、基板の作製を行った。厚さ0.5m
m、50×50mm2 のステンレス鋼板をアセトンとイ
ソプロピルアルコールに浸漬して超音波洗浄を行った
後、温風乾燥させた。このステンレス鋼板上に、DCマ
グネトロンスパッタ法を用いて、形成温度300℃でテ
クスチャリング構造を有する膜厚0.8μmのAgを堆
積させ、続いて形成温度300℃でテクスチャリング構
造を有する膜厚4.0μmのZnOの透明導電膜を堆積
した。
【0131】次に、堆積装置を用いてZnO透明導電膜
上にpin半導体層を形成した。n型層は、水素を含有
する微結晶シリコンであり、不図示の形成装置を用い
て、下記に示す条件(形成温度230℃)で、RF法に
より約200Å堆積した。
【0132】n層の形成条件(n型微結晶シリコン層:
膜厚=200Å) ガス流量:SiH4 /H2 (10%)=4.0scc
m、PH3 /H2 (2%)=1.0sccm、H2 =1
00sccm 形成圧力:1.0torr 形成温度:230℃ RF(13.56MHz)電力:15W 形成速度:0.4Å/s
【0133】i型層は、水素を含有する微結晶シリコン
であり、図2に示した形成装置を用いて、投入電力を一
定とし、比較例1−1のi型層と同じ形成条件(形成速
度:約2.0Å/s)で、約1.0μm堆積した。
【0134】p型層は、水素を含有する微結晶シリコン
であり、不図示の形成装置を用いて、下記に示す条件
(形成温度170℃)で、RF法により約100Å堆積
した。
【0135】p層の形成条件(p型微結晶シリコン層:
膜厚=100Å) ガス流量:SiH4 /H2 (10%)=1.0scc
m、BF3 /H2 (2%)=0.2sccm、H2 =3
5sccm 形成圧力:2.0torr 形成温度:170℃ RF(13.56MHz)電力:33W 形成速度:0.6Å/s
【0136】続いて、透明電極層として、ITOを抵抗
加熱を用いた真空蒸着法により、約600Å堆積した。
【0137】さらに、集電電極として、Auを電子ビー
ムを用いた真空蒸着法により、約8000Å堆積した。
【0138】以下、このpin型光起電力素子をセル1
と称する。
【0139】比較例1−1のi型層と同じ形成条件(形
成速度:約2.0Å/s)で、セル1のi型層を形成す
る際のセルフバイアス電圧の変化を調べた。その結果、
図5に示すように、セルフバイアス電圧は時間の経過と
ともに減少する傾向がみられた。i型層形成開始直後の
セルフバイアス電圧を基準にすると、i型層形成終了直
前にはセルフバイアス電圧は約8%低下した。
【0140】次に、投入電力を一定にした場合(投入電
力制御)と、セルフバイアス電圧を一定にした場合(セ
ルフバイアス電圧制御)の形成速度の変化を調べた。図
6は、その結果を示す説明図である。
【0141】投入電力制御を行うと、図5のセルフバイ
アス電圧の低下に対応して、形成速度も低下することが
判った。i型層形成開始直後の形成速度を基準にする
と、i型層形成終了直前には形成速度は約10%低下し
た。
【0142】一方、セルフバイアス電圧制御を行うと、
形成速度はほぼ一定に保たれており、セルフバイアス電
圧制御の方が投入電力制御よりも形成条件の安定性に優
れていることが判った。
【0143】図7に示すように、セルフバイアス電圧制
御で形成したセルの効率は、投入電力制御で形成したセ
ル1よりも5%向上した。
【0144】〈実施例3〉投入電力を一定とする以外は
比較例1−2のi型層と同じ形成条件(形成速度:約
7.0Å/s)で、i型層を形成したセルを作製した。
このpin型光起電力素子をセル2と称する。
【0145】セル2のi型層を形成する際のセルフバイ
アス電圧の変化を調べた。その結果、図8に示すよう
に、セルフバイアス電圧は時間の経過とともに減少する
傾向がみられた。i型層形成開始直後のセルフバイアス
電圧を基準にすると、i型層形成終了直前にはセルフバ
イアス電圧は約10%低下した。
【0146】次に、投入電力を一定にした場合(投入電
力制御)と、セルフバイアス電圧を一定にした場合(セ
ルフバイアス電圧制御)の形成速度の変化を調べた。図
9は、その結果を示す説明図である。
【0147】投入電力制御を行うと、図8のセルフバイ
アス電圧の低下に対応して、形成速度も低下することが
判った。i型層形成開始直後の形成速度を基準にする
と、i型層形成終了直前には形成速度も約10%低下し
た。
【0148】一方、セルフバイアス電圧制御を行うと、
形成速度はほぼ一定に保たれており、セルフバイアス電
圧制御の方が投入電力制御よりも形成条件の安定性に優
れていることが判った。
【0149】図10に示すように、セルフバイアス電圧
制御で形成したセルの効率は、投入電力制御で形成した
セル2よりも8%向上した。向上率は形成速度=約2.
0Å/sの場合より大きく、セルフバイアス電圧制御は
5Å/s以上の高速形成でより効果を発揮することが判
った。
【0150】〈実施例4〉投入電力を一定とする以外
は、比較例1−3のi型層と同じ形成条件(形成速度:
約15Å/s)で、i型層を形成したセルを作製した。
このpin型光起電力素子をセル3と称する。
【0151】セル3のi型層を形成する際のセルフバイ
アス電圧の変化を調べた。その結果、図11に示すよう
に、セルフバイアス電圧は時間の経過とともに減少する
傾向がみられた。i型層形成開始直後のセルフバイアス
電圧を基準にすると、i型層形成終了直前にはセルフバ
イアス電圧は約10%低下した。
【0152】次に、投入電力を一定にした場合(投入電
力制御)と、セルフバイアス電圧を一定にした場合(セ
ルフバイアス電圧制御)の形成速度の変化を調べた。図
12は、その結果を示す説明図である。
【0153】投入電力制御を行うと、図11のセルフバ
イアス電圧の低下に対応して、形成速度も低下すること
が判った。i型層形成開始直後の形成速度を基準にする
と、i型層形成終了直前には形成速度は約15%低下し
た。
【0154】一方、セルフバイアス電圧制御を行うと、
形成速度はほぼ一定に保たれており、セルフバイアス電
圧制御の方が投入電力制御よりも形成条件の安定性に優
れていることが判った。
【0155】図13に示すように、セルフバイアス電圧
制御で形成したセルの効率は、投入電力制御で形成した
セル3よりも12%向上した。向上率は形成速度=約
2.0Å/sおよび、約7.0Å/sの場合より大き
く、セルフバイアス電圧制御は10Å/s以上の高速形
成で、さらなる効果を発揮することがわかった。
【0156】〈実施例5〉微結晶シリコンi型層を形成
する際、図14に示すように、投入電力やセルフバイア
ス電圧を連続的に増大させた場合について調べた。
【0157】まず、投入電力をある基準値から別の基準
値に連続的に増大(投入電力制御)させたセルを繰り返
し形成した。図15は、それらのセルの変換効率の比較
を示す説明図である。形成回数の増加とともに、変換効
率が低下する傾向がみられるとともに、効率のバラツキ
もやや大きい。投入電力制御では、再現性に関して改善
の余地があることを示唆している。
【0158】次に、セルフバイアス電圧をある基準値か
ら別の基準値に連続的に増大(セルフバイアス電圧制
御)させたセルを繰り返し形成した。図16は、それら
のセルの変換効率の比較を示す説明図である。形成の回
数が増加しても、変換効率はほぼ一定に保持されている
とともに、投入電力制御に比べて、効率のバラツキも小
さい。セルフバイアス電圧制御の採用により、形成セル
特性の再現性は大幅に改善された。
【0159】〈実施例6〉セルフバイアス電圧制御によ
り形成速度(D.R.)=約2.0Å/sに固定し、形
成室内のガス滞留時間(τ)がある値に限定される条件
のもとで、ガス総流量(M)を変化させた。M=500
sccmで作製した光起電力素子をセル4と称し、セル
4で得られた光電変換効率を基準値とし、変換効率のガ
ス総流量依存性を調べた。
【0160】図17に示すように、D.R.=約2.0
Å/sにおいては、ガス総流量の増加とともに、変換効
率は若干向上する傾向があることが判る。M=500s
ccmで形成したセル4に対し、M=4000sccm
としたセルでは13%の効率向上が見られた。
【0161】続いて、セルフバイアス電圧制御により
D.R.=約7.0Å/sに固定し、形成室内のガス滞
留時間(τ)がある値に限定される条件のもとで、ガス
総流量(M)を変化させた。M=500sccmで作製
した光起電力素子をセル5と称し、セル5で得られた光
電変換効率を基準値とし、変換効率のガス総流量依存性
を調べた。
【0162】図18に示すように、D.R.=約7.0
Å/sにおいても、ガス総流量の増加とともに、変換効
率は向上する傾向があることが判る。M=500scc
mで形成したセル5に対し、M=4000sccmとし
たセルでは32%の効率向上が見られた。
【0163】さらに、セルフバイアス電圧制御により
D.R.=約15Å/sに固定し、形成室内のガス滞留
時間(τ)がある値に限定される条件のもとで、ガス総
流量(M)を変化させた。M=500sccmで作製し
た光起電力素子をセル6と呼び、セル6で得られた光電
変換効率を基準値とし、変換効率のガス総流量依存性を
調べた。
【0164】図19に示すように、D.R.=約15Å
/sにおいては、ガス総流量の増加とともに、変換効率
は大幅に向上する傾向があることが判る。M=500s
ccmで形成したセル6に対し、M=4000sccm
としたセルでは45%もの効率向上が見られた。
【0165】〈実施例7〉セルフバイアス電圧制御によ
り形成速度(D.R.)=約2.0Å/sに固定し、形
成室内のガス滞留時間(τ)がある値に限定される条件
のもとで、原料ガスの希釈率(シリコン系ガス流量/希
釈ガス流量)を変化させた。希釈率=20で作製した光
起電力素子をセル7と称し、セル7で得られた光電変換
効率を基準値とし、変換効率の希釈率依存性を調べた。
【0166】図20に示すように、D.R.=約2.0
Å/sにおいては、希釈率の増大とともに、光電変換効
率は向上する傾向があり、特に、希釈率>20で良好な
効率が得られることが判る。希釈率=20で形成したセ
ル7に対し、希釈率=30としたセルでは24%、希釈
率=40としたセルでは20%の効率向上が見られた。
【0167】続いて、セルフバイアス電圧制御により
D.R.=約7.0Å/sに固定し、形成室内のガス滞
留時間(τ)がある値に限定される条件のもとで、原料
ガスの希釈率(シリコン系ガス流量/希釈ガス流量)を
変化させた。希釈率=20で作製した光起電力素子をセ
ル8と称し、セル8で得られた光電変換効率を基準値と
し、変換効率の希釈率依存性を調べた。
【0168】図21に示すように、D.R.=約7.0
Å/sにおいても、希釈率の増大とともに、光電変換効
率は向上する傾向があり、特に、希釈率>20で良好な
効率が得られることが判る。希釈率=20で形成したセ
ル8に対し、希釈率=30としたセルでは23%、希釈
率=40としたセルでは26%の効率向上が見られれて
おり、D.R.=約2.0Å/sのときよりも、希釈率
の大きい範囲(D>30)での効率向上の割合が大き
い。
【0169】さらに、セルフバイアス電圧制御により
D.R.=約15Å/sに固定し、形成室内のガス滞留
時間(τ)がある値に限定される条件のもとで、原料ガ
スの希釈率(シリコン系ガス流量/希釈ガス流量)を変
化させた。希釈率=20で作製した光起電力素子をセル
9と称し、セル9で得られた光電変換効率を基準値と
し、変換効率の希釈率依存性を調べた。
【0170】図22に示すように、D.R.=約15Å
/sにおいても、希釈率の増大とともに、光電変換効率
は向上する傾向があり、特に、希釈率>20で良好な効
率が得られることが判る。希釈率=20で形成したセル
9に対し、希釈率=30としたセルでは29%、希釈率
=40としたセルでは38%の効率向上が見られてお
り、D.R.=約2.0Å/sのときよりも、希釈率の
大きい範囲(D>30)での効率向上の割合が大きい。
【0171】〈実施例8〉形成速度(D.R.)=約
2.0Å/s、約7.0Å/s、約15Å/sの3つの
場合について、実質的に原料ガスの分解に寄与しない程
度の低パワーのRFバイアスを印加した場合、および印
加しない場合について比較した。
【0172】図23〜図25は、その結果を示す説明図
である。いずれの場合においても、RF印加によって特
性を改善することができた。特に、D.R.が大きいと
きに、特性改善の割合が大きいことが判る。また、図2
4および図25の結果より、RFバイアスについても、
投入電力制御よりもセルフバイアス電圧制御とする方
が、有利であることが判った。
【0173】〈実施例9〉比較例として図26と同様の
装置を用いて、下部に非晶質シリコンゲルマニウムセ
ル、上部に非晶質シリコンセルを連続的に積層したダブ
ルセルを形成した。このダブルセルをセル10と称す
る。
【0174】また、実施例29として図26の装置を用
いて、下部に微結晶シリコンセル、上部に非晶質シリコ
ンセルを連続的に積層したダブルセルを形成した。この
ダブルセルをセル11と称する。
【0175】図27は、セル10およびセル11の初期
変換効率の比較を示す説明図であり、図28は、セル1
0およびセル11を各々1SUN、50℃、500時間
の光劣化試験にかけた後の光電変換効率の比較を示す説
明図である。セル11は、初期変換効率、光劣化後効率
ともにセル10よりも優れた特性が得られており、本発
明によるダブルセルの優位性を確認することができた。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放電の安定性の向上、および形成膜の品質制御性の向上
が実現され、形成速度が2.0Å/s以上の高速領域で
良質の微結晶シリコンを形成することができる。
【0177】また、本発明による微結晶シリコン膜は光
起電力素子の光電変換層として好適なものであり、低コ
ストで高変換効率を有し、光安定性の高い光起電力素子
を実現することができ、特に薄膜太陽電池や薄膜トラン
ジスタ等の薄膜半導体装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の断面構造を示す模式図
である。
【図2】本発明に用いられる半導体薄膜の形成装置を示
す模式図である。
【図3】本発明の実施例及び比較例において、堆積膜の
ラマン散乱特性を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例及び比較例において、堆積膜の
X線回折特性を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例2において、i型層を形成する
際のセルフバイアス電圧の変化を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2において、投入電力制御およ
びセルフバイアス電圧制御における形成速度の変化を示
す説明図である。
【図7】本発明の実施例2において、投入電力制御およ
びセルフバイアス電圧制御で形成したセルの変換効率を
示す説明図である。
【図8】本発明の実施例3において、i型層を形成する
際のセルフバイアス電圧の変化を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例3において、投入電力制御およ
びセルフバイアス電圧制御における形成速度の変化を示
す説明図である。
【図10】本発明の実施例3において、投入電力制御お
よびセルフバイアス電圧制御で形成したセルの変換効率
を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例4において、i型層を形成す
る際のセルフバイアス電圧の変化を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例4において、投入電力制御お
よびセルフバイアス電圧制御における形成速度の変化を
示す説明図である。
【図13】本発明の実施例4において、投入電力制御お
よびセルフバイアス電圧制御で形成したセルの変換効率
を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例5において、投入電力および
セルフバイアス電圧を連続的に増大させた状態を示す説
明図である。
【図15】本発明の実施例5において、投入電力制御に
おけるセルの変換効率の比較を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例5において、投入電力制御に
おけるセルの変換効率の比較を示す説明図である。
【図17】本発明の実施例6において、D.R.=約
2.0Å/sにおけるガス総流量と変換効率の関係を示
す説明図である。
【図18】本発明の実施例6において、D.R.=約
7.0Å/sにおけるガス総流量と変換効率の関係を示
す説明図である。
【図19】本発明の実施例6において、D.R.=約1
5Å/sにおけるガス総流量と変換効率の関係を示す説
明図である。
【図20】本発明の実施例7において、D.R.=約
2.0Å/sにおける希釈率と変換効率の関係を示す説
明図である。
【図21】本発明の実施例7において、D.R.=約
7.0Å/sにおける希釈率と変換効率の関係を示す説
明図である。
【図22】本発明の実施例7において、D.R.=約1
5Å/sにおける希釈率と変換効率の関係を示す説明図
である。
【図23】本発明の実施例8において、D.R.=約
2.0Å/sにおけるRF印加と変換効率の関係を示す
説明図である。
【図24】本発明の実施例8において、D.R.=約
7.0Å/sにおけるRF印加と変換効率の関係を示す
説明図である。
【図25】本発明の実施例8において、D.R.=約1
5Å/sにおけるRF印加と変換効率の関係を示す説明
図である。
【図26】本発明の実施例9において、複数のセルを有
する積層型光起電力素子を連続的に積層するためのロー
ル・ツー・ロール方式の連続成膜装置の一例を示す概略
図である。
【図27】本発明の実施例9において、セル10および
セル11の初期変換効率の比較を示す説明図である。
【図28】本発明の実施例9において、セル10および
セル11を光劣化試験にかけた後の光電変換効率の比較
を示す説明図である。
【符号の説明】
101 基体 102 光反射層 103 n型層 104 i型層 105 p型層 105 透明電極層 106 集電電極層 201 基板 202 ヒータ 203 ガス導入管 204 バルブ 205 VHF電源 206 VHF電極 207 RF電源 208 RF電極 209 VHF読取器 210 VHF制御器 211 RF読取器 212 RF制御器 1201 供給ローラ 1202 巻取ローラ 1203 ウエブ 1204〜1209 形成室 1210,1212〜1215 RF電源 1211 VHF 電源

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシリコン化合物を含む原料ガ
    スを用いて、高周波プラズマCVD法により微結晶シリ
    コン膜を形成する微結晶シリコン膜の形成方法におい
    て、 高周波電極に生じるセルフバイアス電圧を読み出し、そ
    の電圧値に基づいて投入する高周波電力を調整すること
    を特徴とする微結晶シリコン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 高周波電極のセルフバイアス電圧が一定
    値となるように、投入電力を調整することを特徴とする
    請求項1に記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 高周波電源の周波数が50〜550MH
    zの範囲にあり、基体温度が150〜500℃の範囲、
    形成圧力が0.01〜0.5torrの範囲、かつ高周
    波の投入電力密度が0.001〜0.5W/cm3 の範
    囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の微
    結晶シリコン膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 高周波電源の周波数が50〜200MH
    zの範囲において、基体温度が150〜500℃の範
    囲、形成圧力が0.1〜0.5torrの範囲、かつ高
    周波の投入電力密度が0.001〜0.2W/cm3
    範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の微結晶シ
    リコン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 高周波電源の周波数が200〜550M
    Hzの範囲において、基体温度が150〜500℃の範
    囲、形成圧力が0.01〜0.3torrの範囲、かつ
    高周波の投入電力密度が0.01〜0.5W/cm3
    範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の微結晶シ
    リコン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 シリコン化合物ガスおよび希釈ガスから
    なる原料ガスの総流量が500sccm以上であり、か
    つシリコン化合物ガスに対する希釈ガスの比が20以上
    である請求項1〜5のいずれかに記載の微結晶シリコン
    膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 シリコン化合物ガスおよび希釈ガスから
    なる原料ガスの総流量が1000sccm以上であり、
    かつシリコン化合物ガスに対する希釈ガスの比が25以
    上である請求項1〜5のいずれかに記載の微結晶シリコ
    ン膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 微結晶シリコン膜の形成速度が5Å/s
    以上である請求項1〜7のいずれかに記載の微結晶シリ
    コン膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 微結晶シリコン膜の形成速度が10Å/
    s以上である請求項1〜7のいずれかに記載の微結晶シ
    リコン膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 実質的に原料ガスの分解に寄与しない
    第2の高周波をプラズマに重畳させることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の微結晶シリコン膜の形
    成方法。
  11. 【請求項11】 第1および第2の高周波電極に生じる
    セルフバイアス電圧を各々読み出し、各電圧値に基づい
    て投入する第1および第2の高周波電力を調整すること
    を特徴とする請求項10に記載の微結晶シリコン膜の形
    成方法。
  12. 【請求項12】 第1および第2の高周波電極のセルフ
    バイアス電圧が各々一定値となるように、投入電力を調
    整することを特徴とする請求項11に記載の微結晶シリ
    コン膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかの形成方法
    によって形成された微結晶シリコン膜を光電変換層とし
    て有することを特徴とする光起電力素子。
  14. 【請求項14】 複数のセルからなる積層型光起電力素
    子として形成され、下部セルとして請求項1〜12のい
    ずれかの形成方法によって形成された微結晶シリコン膜
    を光電変換層として有する微結晶シリコンセルを有する
    ことを特徴とする光起電力素子。
  15. 【請求項15】 ロール・ツー・ロール方式により、帯
    状基体上に半導体層を連続的に形成してなることを特徴
    とする請求項13または14に記載の光起電力素子。
  16. 【請求項16】 薄膜形成室内に少なくともシリコン化
    合物を含む原料ガスを導入し、高周波プラズマCVD法
    により、基体上に半導体薄膜を形成する半導体薄膜の形
    成装置において、 高周波電極に生じるセルフバイアス電圧を読み出す読出
    器と、その電圧値に基づいて投入する高周波電力を調整
    する制御器とを備えていることを特徴とする半導体薄膜
    の形成装置。
  17. 【請求項17】 高周波電極に生じるセルフバイアス電
    圧が一定値となるように、制御器により投入電力を調整
    することを特徴とする請求項16に記載の半導体薄膜の
    形成装置。
  18. 【請求項18】 実質的に原料ガスの分解に寄与しない
    第2の高周波電極を備え、第2の高周波をプラズマに重
    畳させることを特徴とする請求項16または17に記載
    の半導体薄膜の形成装置。
  19. 【請求項19】 読出器で第1および第2の高周波電極
    に生じるセルフバイアス電圧を各々読み出し、各電圧値
    に基づいて制御器で投入する第1および第2の高周波電
    力を調整することを特徴とする請求項18に記載の半導
    体薄膜の形成装置。
  20. 【請求項20】 第1および第2の高周波電極のセルフ
    バイアス電圧が各々一定値となるように、制御器で投入
    電力を調整することを特徴とする請求項19に記載の半
    導体薄膜の形成装置。
  21. 【請求項21】 帯状基体上に半導体層を連続的に形成
    するロール・ツー・ロール方式の連続成膜装置の構成部
    材であることを特徴とする請求項16〜20のいずれか
    に記載の半導体薄膜の形成装置。
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