WO2023162611A1 - 疎水性セルロースナノファイバー、該疎水性セルロースナノファイバー分散液、及び化粧料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、疎水性セルロースナノファイバーであって、(A)セルロースナノファイバー、及び(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンを含み、前記セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に前記イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンがウレタン結合を介して結合したものであることを特徴とする疎水性セルロースナノファイバーである。これにより、室温で液状の油剤、特にシリコーン油に分散可能な疎水性セルロースナノファイバー及びその分散液が提供される。

Description

疎水性セルロースナノファイバー、該疎水性セルロースナノファイバー分散液、及び化粧料
 本発明は、疎水性セルロースナノファイバー、該疎水性セルロースナノファイバー分散液、及び化粧料に関する。
 化粧品の処方中には、水を増粘させることで使用感を変えたり、粉の沈降を防止することで製剤の安定性を高めたりする目的で水溶性高分子が使用される。水溶性高分子は、キサンタンガムやタマリンドガムなどの天然高分子、ヒドロキシエチルセルロースなどの半合成高分子、ポリアクリル酸などの合成高分子に大別される。水溶性高分子の使用は、塗布後にべたつきが生じることで感触が損なわれる点、塩の存在や製剤のpHによっては十分な増粘効果が得られない点、が課題である。近年、水溶性高分子の一つとして、セルロースナノファイバーが注目を浴びている。べたつきのない使用感やチクソトロピー性に起因するみずみずしい使用感が特徴であり、上記の課題解決が可能である(特許文献1)。また、高強度・高弾性率・低熱膨張率といった優れた特性を示すため、化粧品用途以外でもガスバリア材料や高分子材料の補強材として応用展開されている(特許文献2)。
 上記の特性を最大限まで引き出すためには、セルロース繊維をナノサイズまで細かく解く必要があるが、その方法としてセルロース繊維の表面にアニオン性官能基を導入することで、ナノファイバー同士の電荷反発と水の浸透圧効果により、均一で透明なセルロースナノファイバー水分散液を調製することが可能である。そのアニオン性官能基としては、カルボキシル基、カルボキシメチル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、ザンテートエステル基などが挙げられ、現在まで様々な研究が行われている(特許文献3、4、5)。
 一方、セルロースナノファイバーは表面に親水基を多く有することから、分散媒の多くは水に限定される。そのため、極性が低く相溶性が悪い樹脂と加熱溶融した場合、樹脂中で凝集することから、元の樹脂よりも強度が落ちてしまう。また、水以外の分散媒への増粘性は乏しく、油中水型乳化物に代表される製剤の感触改良、または乳化安定性の向上は困難である。したがって、水以外の様々な有機溶媒にセルロースナノファイバーを分散させることが課題である。しかし、有機溶剤中ではセルロースナノファイバー表面に存在するアニオン性官能基の電離度が低く、荷電反発が弱まることから、水酸基同士の水素結合が優先されて凝集しやすい。
 特許文献6では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーを長鎖モノアルキルアミンで中和することで、アセトン:水=1:1の混合溶媒やイソプロパノールへの分散が可能と記述されている。しかし、極性が低い溶媒、特にシリコーン油への分散は達成されていない。また、特許文献7では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーをポリエーテルアミンで中和することで、分散媒として用いたトルエン・塩化メチレン・エチレングリコールの増粘・分散が可能、と記述されている。だが、シリコーン油への分散は達成されていない。また、特許文献8では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーをモノアミンで中和させた水分散液を用いることで、製剤に油性原料が配合された際の乳化安定性が向上したと記述されている。けれども、分散媒は水であり、他の分散媒への分散は達成されていない。
 また、シランやシリコーンで処理されたセルロースナノファイバーも知られている。特許文献9では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバー水分散液、低粘度ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンを混合することで、製剤中でシリコーンにより疎水化されたセルロースナノファイバーを用いることで、水中油型乳化物の乳化安定性が向上したと記述されている。だが、疎水性セルロースナノファイバーを油中水型乳化物に用いた記載はない。特許文献10では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバー表面の水酸基の一部をアルコキシシランやシラザンで疎水化することで、樹脂やゴム中への均一な分散が可能、と記述されている。しかしながら、有機溶媒やシリコーン油への分散は達成されていない。特許文献11では、極性有機溶媒で置換したカルボキシル基含有セルロースナノファイバーをアミノ変性シリコーンで処理することにより、トルエンやテトラヒドロフランへの分散が可能、と記述されているが、シリコーン油への分散は達成されていない。
 上記のように様々なアプローチにより、水以外の分散媒へのセルロースナノファイバーの分散の事例はあるが、シリコーン油のような極性が低い油剤に対する分散性はいまだ課題が残る。また、疎水化処理を簡便に行うために、分散媒である水から有機溶媒へと置換する際に、荷電反発が弱くなることで凝集が起こりやすくなる。一度凝集したセルロースナノファイバーは解繊しにくく、凝集体を形成せずに疎水化処理を行うアプローチ方法にはいまだ課題が残る。さらに、水中油型乳化物にセルロースナノファイバーを用いた事例はあるが、油中水型乳化物に適用した事例はなく、乳化安定性に寄与するかどうかは不明であった。
特開2014-141675号公報 特開2009-057552号公報 特開2017-071700号公報 特開2013-127141号公報 特開2018-141249号公報 特開2012-021081号公報 特開2017-019896号公報 特開2012-126786号公報 特開2021-095557号公報 特開2020-128476号公報 特開2020-164670号公報
 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、室温で液状の油剤、特にシリコーン油に分散可能な疎水性セルロースナノファイバー及びその分散液を提供することを目的とする。さらに、塗布性、瑞々しい使用感に優れ、製剤の経時安定性が良好な化粧料を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明では、疎水性セルロースナノファイバーであって、
(A)セルロースナノファイバー、及び
(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン
を含み、前記セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に前記イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンがウレタン結合を介して結合したものである疎水性セルロースナノファイバーを提供する。
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、室温で液状の油剤、特にシリコーン油に分散可能なものとなる。
 また、本発明では、前記(A)セルロースナノファイバーが、さらにアニオン性官能基を有するものであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、高い分散性を示すため好ましい。
 このとき、前記アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーの0.2質量%水分散液において、その600nmにおける光透過率が80%以上であり、前記水分散液中の前記アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーの繊維幅が300nm以下のものであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、分散液の光透過率が下がらず、皮膜の透明性が保たれるため好ましい。
 また、本発明では、前記アニオン性官能基が、カルボキシル基、カルボキシメチル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、及びザンテートエステル基のいずれかから選択されるものであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、セルロースナノファイバーが解繊されやすく、分散液の光透過率の高いものが得られやすく、水への溶解性も抑えられるため好ましい。
 また、本発明では、前記(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)または(2)で表されるものであることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(式中、Rは炭素数1~6の1価のアルキル基であり、Rは独立して炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、又は-OSiR (Rは独立して炭素数1~6の1価有機基である。)で示されるトリオルガノシロキシ基である。mは1~10の整数、aは0~1の整数である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(式中、Rは前記と同じであり、mは1~10の整数、nは1~500の整数である。)
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、本発明の効果をより向上させることができる。
 このとき、前記一般式(1)で示されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンが、トリストリメチルシロキシシリルプロピルイソシアネートであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバーであれば、本発明の効果をさらに向上させることができる。
 また、本発明では、上記に記載の疎水性セルロースナノファイバーが、(C)油剤に分散したものである疎水性セルロースナノファイバー分散液を提供する。
 このような疎水性セルロースナノファイバー分散液であれば、室温で液状の油剤、特にシリコーン油に分散可能なものとすることができる。
 このとき、前記(C)油剤が、脂肪族アルコール、シリコーン油、及び炭化水素油からなる群より選択される1種以上のものであることが好ましい。
 本発明では、このような油剤に分散した疎水性セルロースナノファイバー分散液とすることができる。
 また、本発明では、前記(C)油剤と前記疎水性セルロースナノファイバーとの質量比が、1:0.0001~1:0.5のものであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバー分散液であれば、セルロースナノファイバーの濃度が高くなりすぎず、高粘度にならないことから使用性の観点で好ましい。
 また、本発明では、前記疎水性セルロースナノファイバー分散液の0.2質量%シリコーン油分散液において、その600nmにおける光透過率が70%以上のものであることが好ましい。
 このような疎水性セルロースナノファイバー分散液であれば、透明性が十分で、凝集体が多く存在せず、反応性が低くならないため好ましい。
 また、本発明では、上記に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液を含有するものである化粧料を提供する。
 このような化粧料であれば、塗布性、瑞々しい使用感に優れ、製剤の経時安定性が良好なものとすることができる。
 このとき、前記疎水性セルロースナノファイバー分散液を乳化組成物として用いるものであることが好ましい。
 このような化粧料であれば、本発明の効果をより向上させることができる。
 本発明の疎水性セルロースナノファイバーは、特定の分散媒に対して容易に分散が可能であり、その分散媒が揮発することで、透明性が高く柔軟な皮膜を形成することができる。この疎水性セルロースナノファイバー分散液が配合された化粧料は、使用感が良好で、化粧持ちが良く、伸びや仕上がりが良好な化粧料となる。
 特に、アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーを原料とすることで、凝集体が少ない分散液を得ることが可能であり、油剤への高い増粘性が可能となる。また、セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に対するイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの結合比を変えることで、油剤への増粘性を制御することが可能である。そのため、本発明の疎水性セルロースナノファイバー分散液を感触改良剤として化粧料に配合することで、感触・経時安定性が非常に良好な化粧料を提供できる。また、凝集体が少ないため、分散媒が揮発することで、透明性の高い皮膜の形成が可能である。得られた皮膜は化粧料に配合した際に、塗布時にべたつくことがなく、使用感が良好で、耐水性・耐久性に優れ、皮膚への密着性が良い。また、この化粧料は化粧持ちが良く、伸びや仕上がりが良い。さらに、医薬品、農薬、トイレタリー製品、スプレー製品、塗料などといった各種用途での粘性付与剤や分散安定剤などとして優れた機能を発揮する。
 上述のように、室温で液状の油剤、特にシリコーン油に分散可能な疎水性セルロースナノファイバー、及びその分散媒の開発が求められていた。
 本発明者らは、イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンで、セルロースナノファイバーを疎水化することにより、水以外の分散媒に分散可能なことを見出した。また、この疎水性セルロースナノファイバーは、分散媒を揮発すれば皮膜を形成することも見出した。また、前記疎水性セルロースナノファイバーが分散媒を増粘することで、その分散媒が感触改良剤や安定剤となることを見出した。
 また、セルロースナノファイバーをイソシアネート基含有化合物で変性する際は、副反応の原因となるため反応系中に水がないことが好ましい。しかし、セルロースナノファイバーは親水性が高いため、通常水分散液の状態である。それゆえに、分散媒の水を有機溶媒などに置換すると、荷電反発が弱くなることで凝集しやすくなる。しかし、25℃1気圧で沸点が100℃以上の液体の水溶性有機化合物で置換することで、凝集体を形成させずにセルロースナノファイバー分散液を得ることが可能である。この方法であれば、凝集を抑制しつつ水の除去が可能であり、透明度の高いセルロースナノファイバーの有機溶媒分散液が得られる。そのため、副反応を伴うことなく、セルロースナノファイバーのヒドロキシ基とイソシアネート基との反応が可能である。得られる疎水性セルロースナノファイバー分散液は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
 即ち、本発明は、疎水性セルロースナノファイバーであって、
(A)セルロースナノファイバー、及び
(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン
を含み、前記セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に前記イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンがウレタン結合を介して結合したものである疎水性セルロースナノファイバーである。
 以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
 本発明は、(A)セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンがウレタン結合を介して結合した疎水性セルロースナノファイバーである。以下、それぞれについて詳述する。
(A)セルロースナノファイバー
 セルロースナノファイバーとは、パルプ繊維などの植物原料を解繊することで得られる微細なセルロース繊維のことである。セルロースミクロフィブリル単独、またはその集合体からなり、繊維幅が3~100nm、アスペクト比が10以上、長さが100μm以下のものである。セルロースナノファイバーを製造するためのセルロース原料としては、以下のものが挙げられる。広葉樹クラフトパルプや針葉樹クラフトパルプなどに代表される化学パルプ、ストーングランドパルプやサーモグランドパルプなどに代表される機械パルプ、茶古紙、新聞古紙、チラシ古紙などに代表される古紙パルプなどがある。これらの原料は、本発明の目的に応じて、単独で用いてもよく複数種を併用して用いることも可能である。
 セルロース繊維の解繊方法は公知の方法を用いることができる。大きく分けて機械的処理と化学的処理の2種類があり、その方法は限定されない。
 機械的処理による解繊方法としては、例えば砥石間で磨砕するグラインダー法、加圧した原料同士を高速衝突させ、衝突力・圧力差・マイクロキャビテーションにより解繊するマイクロフルイダイザ―法、ボールミル・ビーズミルなどを用いる粉砕法、樹脂中に混錬する2軸混錬法が挙げられる。
 近年では、製造に要するエネルギーを低減する目的で、化学処理による解繊技術が開発されている。化学的処理による解繊方法としては、原料のセルロース繊維に対して化学反応を行うことで、例えばアニオン性官能基の導入が可能となる。前記官能基の導入により、ナノファイバー同士の電荷反発と水の浸透圧効果が生じ、低いエネルギーで均一で透明なセルロースナノファイバー水分散液を調製することが可能である。
 本発明で原料として用いるセルロースナノファイバーは、高分散であるほうがイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンとの反応性に優れることから、繊維径(繊維幅)がより小さいほうが好まれる。特に低いエネルギーで高分散が可能という点で、化学処理による解繊が好まれる。
 本発明で用いる(A)セルロースナノファイバーが、さらにアニオン性官能基を有するものであることが好ましい。アニオン性官能基は、原料のセルロース繊維に対して化学反応を行うことで、導入することができる。
 アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーは、アニオン基同士の反発による高分散が可能であり、0.2質量%水分散液において、その600nmにおける光透過率が80%以上であることが好ましい。さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であることが好ましい。80%以上であれば透明性が十分で、凝集体が少なく、反応性が低くならない。600nmにおける光透過率の上限値としては特に限定されないが、例えば98%以下とすることができる。また、平均繊維径(繊維幅)は300nm以下であることが好ましい。さらに好ましくは100nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは80nm以下である。300nm以下であれば、分散液の光透過率が下がらず、皮膜の透明性が保たれる。平均繊維径(繊維幅)の下限値としては特に限定されないが、例えば2nm以上とすることができる。また、平均繊維長は0.1μm以上1,000μm以下であることが好ましく、0.1μm以上800μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上600μm以下であることがさらに好ましい。この範囲内であれば、増粘効果が損なわれず、樹脂に複合した際に強度が上がりやすい。
 なお、本発明において光透過率とは、紫外可視分光光度計で測定波長600nmにおける直接透過光を側光することで得られた透過率である。
 固形分濃度0.01質量%のセルロースナノファイバー分散液を調製し、銅グリッド上に滴下して乾燥したものを観察試料として、透過電子顕微鏡により観察を行う。繊維が重なっていない画像を3枚以上観察し、1枚に対して20本の繊維径・繊維長を算出する。その平均値を平均繊維径・平均繊維長とする。
 セルロースナノファイバーの平均アスペクト比(軸比、繊維長/繊維幅)は、好ましくは50以上であり、上限は特に限定されないが好ましくは20,000以下である。アスペクト比が50以上であれば繊維状であり、分散液の増粘性も十分であり安定する。アスペクト比が20,000以下であれば、分散液の粘度が高くなりすぎず、取り扱いやすい。また、平均アスペクト比は、平均繊維長/平均繊維径=平均アスペクト比で算出することが可能である。
 疎水性セルロースナノファイバーは、その原料として天然セルロースを使用していることに起因して、セルロースI型結晶構造を有することが望ましい。結晶化度は、皮膜性発現もしくは強度発現の観点から、65%以上、好ましくは70%以上である。I型結晶構造を有することは、広角X線回折より得られるプロファイルにおいて、2θ=14~17°付近と22~23°付近のピークから同定が可能である。
 セルロースナノファイバーの結晶化度は、JIS K0131:1996の「X線回折分析通則」に準拠して、X線回折法により測定した値である。セルロースナノファイバーは、非晶質と結晶質を有しており、結晶質の割合を結晶化度と表す。
 導入されるアニオン性官能基としては、カルボキシ基、カルボキシメチル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、及びザンテートエステル基のいずれかから選択されるものが挙げられる。これらの官能基は、セルロースナノファイバーに対して公知の方法で導入することが可能である。また、既にアニオン性官能基を導入した市販の変性セルロースナノファイバーを用いてもよい。
 導入されるアニオン性官能基の導入量は、官能基の種類によって最適化されるものである。具体的には以下のような範囲であることが好ましい。下記範囲内であれば、セルロースナノファイバーが解繊されやすく、分散液の光透過率の高いものが得られやすく、水への溶解性も抑えられる。
 例えば、カルボキシ基の場合は、カルボキシル化セルロースナノファイバーの重量に対して、0.6~2.0mmol/gとなることが好ましく、1.0~2.0mmol/gがより好ましい。また、カルボキシメチル基の場合は、カルボキシル化セルロースナノファイバーの重量に対して、0.6~2.0mmol/gとなることが好ましく、1.0~2.0mmol/gがより好ましい。また、硫酸エステル基の場合は、硫酸エステル化セルロースナノファイバーの重量に対して、0.4~3.0mmol/gとなることが好ましく、0.5~3.0mmol/g、特に好ましくは0.5~2.0mmol/gがより好ましい。また、リン酸エステル基の場合は、リン酸エステル基含有セルロースナノファイバーの重量に対して、0.1~2.0mmol/gとなることが好ましく、0.2~1.5mmol/gがより好ましい。また、亜リン酸エステル基の場合は、亜リン酸エステル化セルロースナノファイバーの重量に対して、0.1~3.5mmol/gとなることが好ましく、0.6~1.8mmol/gがより好ましく、0.9~1.5mmol/gが特に好ましい。そして、ザンテートエステル基の場合は、グルコース単位当たり0.3~1.2となることが好ましく、0.3~1.0がより好ましい。
 セルロースナノファイバー中のアニオン性官能基の導入量は、たとえば伝導度滴定法によって測定することができる。セルロースナノファイバーを含むスラリーもしくは分散液に、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液を滴下することで、導入量を測定する方法である。例えば、アニオン性官能基がカルボキシル基、アルカリ溶液が水酸化ナトリウム水溶液の場合、中和に必要な水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を算出することができる。
 導入したアニオン性官能基の対イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン、水素イオン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウムが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて適用することができる。好ましくはナトリウム、カリウムの陽イオンである。
 アニオン性官能基を含んだセルロースナノファイバーは、分散媒として水溶性有機化合物もしくは水を用いることが好ましい。水溶性有機化合物の例としては、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
 前記アニオン性官能基はセルロースナノファイバーへの修飾基の導入効率の観点や、シリコーンへの効率的な分散の観点から、カルボキシル基、リン酸エステル基、もしくは亜リン酸エステル基が好ましく、リン酸エステル基、もしくは亜リン酸エステル基がより好ましい。リン酸基や亜リン酸基はヒドロキシル基とオキソ基が結合しており、負電荷が高く、セルロースナノファイバー間の電荷反発が強く、解繊が容易となる。また、セルロースナノファイバーの黄変を抑制できるという観点から、亜リン酸エステル基がさらに好ましい。亜リン酸基よりもリン酸基は解離する水素イオンが多いため、pHが低くなる。pHが低いほうが、メイラード反応や還元反応によってセルロースに二重結合が生じやすくなり、黄変しやすくなると考えられる。
 本発明において、セルロースナノファイバーに対するオルガノポリシロキサンの結合様式は、ウレタン結合である。セルロースナノファイバーのヒドロキシ基とオルガノポリシロキサンのイソシアネート基が触媒存在下で反応することでウレタン結合を形成する。
(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン
 (B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンは、下記一般式(1)または(2)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式中、Rは炭素数1~6の1価のアルキル基であり、Rは独立して炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、又は-OSiR (Rは独立して炭素数1~6の1価有機基である。)で示されるトリオルガノシロキシ基である。mは1~10の整数、aは0~1の整数である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式中、Rは前記と同じであり、mは1~10の整数、nは1~500の整数である。)
 上記式(1)中、Rは炭素数1~6の1価のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基等のシクロアルキル基が例示される。また、Rは独立して炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、又は-OSiR で示される基(Rは独立して炭素数1~6の1価有機基である)である。炭素数1~6のアルキル基は、前記Rで例示したものと同じものが例示できる。-OSiR で示される基としては、トリメチルシロキシ基、エチルジメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、クロロメチルジメチルシロキシ基、3,3,3-トリフルオロプロピルジメチルシロキシ基等が例示される。
 上記一般式(1)中のaは0~1の整数であり、mは1~10の整数である。上記一般式(1)において好ましい態様は、mが3であり、R、Rが全てメチル基であり、aが0であることが好ましい。
 上記一般式(2)中のnは1~500の整数であり、好ましくは1~100であり、さらに好ましくは1~50である。この範囲内であればオルガノポリシロキサンが占める重量比率が高くならず、セルロースナノファイバー由来の特性が下がらない。
 本発明において(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンは、市販品を用いてもよいし、公知の方法に従って合成してもよい。1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 (B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンは、JIS Z8803:2011記載のキャノン-フェンスケ粘度計で測定した25℃での動粘度が1mm/s以上500mm/s以下のものが好ましく、さらに1mm/s以上100mm/s以下のものが好ましい。この範囲内であれば、使用性・反応性の面で好ましい。
 特に(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンとして、トリストリメチルシロキシシリルプロピルイソシアネート(上記一般式(1)中、m=3であり、Rがメチル基であり、aが0である。下記式(3))を用いることが好ましい。トリストリメチルシロキシシリルプロピルイソシアネートとセルロースナノファイバーを反応させれば、セルロースナノファイバー中のヒドロキシ基が反応することで、下記一般式(4)で示される疎水性セルロースナノファイバーが得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 例えば、セルロースナノファイバーが亜リン酸エステル含有セルロースナノファイバーの場合、C2位、C3位、C6位のいずれかのヒドロキシ基に対して、ウレタン結合を介して修飾する。
(C)油剤
 前記疎水性セルロースナノファイバーは、(C)油剤に分散したものである疎水性セルロースナノファイバー分散液とすることが好ましい。前記(C)油剤が、脂肪族アルコール、シリコーン油、及び炭化水素油からなる群より選択される1種以上を含むものであることが好ましい。
 前記脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-メチルブタノール、2-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、などに代表される1価脂肪族アルコール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、などに代表される2価脂肪族アルコール、が挙げられる。
 前記炭化水素油は、トルエン、キシレン、などに代表される芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などに代表される脂肪族ケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、イソオクタン、イソドデカン、イソヘキサデカン、などに代表される脂肪族炭化水素などが挙げられる。
 前記シリコーン油は、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs等)、オクタメチルテトラシロキサン(D4)、デカメチルペンタシロキサン(D5)(信越化学工業(株)製:KF-995)、ドデカメチルヘキサシロキサン(D6)、トリストリメチルシロキシメチルシラン(信越化学工業(株)製:TMF-1.5)、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-54、KF-54HV)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(信越化学工業(株)製:KF-56A)、メチルヘキシルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、などに代表されるシリコーンオイルが挙げられる。
 上記油剤の中でも、シリコーン油を用いることが好ましい。
 (C)油剤と疎水性セルロースナノファイバーとの質量比は、1:0.0001~1:0.5であることが好ましい。この範囲内であればセルロースナノファイバーの濃度が高くなりすぎず、高粘度にならないことから使用性の観点で好ましい。
 疎水性セルロースナノファイバー分散液の0.2質量%シリコーン油分散液の波長600nmにおける光透過率が70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。70%以上であれば透明性が十分で、凝集体が少なく、反応性が低くならない。600nmにおける光透過率の上限値としては特に限定されないが、例えば98%以下とすることができる。
 また、平均繊維径は300nm以下であることが好ましい。さらに好ましくは100nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは80nm以下である。300nm以下であれば、分散液の光透過率が下がらず、皮膜の透明性が保たれる。また、平均繊維長は0.1μm以上1,000μm以下であることが好ましく、0.1μm以上800μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上600μm以下であることがさらに好ましい。この範囲内であれば、増粘効果が損なわれず、樹脂に複合した際に強度が上がりやすい。
[製造方法]
 セルロースナノファイバーは親水性であることから、水やアルコールを代表とする水溶性の極性溶媒を分散媒とする。本発明の疎水性セルロースナノファイバーを作成する場合、水やアルコールはイソシアネート基と反応性を有し、反応溶媒には適さないため、分散媒の置換が必要である。そのため、一度水やアルコールの含有量が少ない親水性の分散媒で置換してから疎水化処理を行い、さらに目的の油剤で置換をすることが好ましい。
 上述した実施形態に関して、以下の工程1~3を含む疎水性セルロースナノファイバー分散液の製造方法を示す。
工程1:(A)セルロースナノファイバーの水分散液において、分散媒である水を(D)有機溶媒に置換し、セルロースナノファイバー分散液を得る工程
工程2:工程1で得られた分散液に(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンを添加し、分散液中の(A)セルロースナノファイバーを疎水化する工程
工程3:工程2で得られた疎水性セルロースナノファイバー分散液の有機溶媒を(C)油剤に置換する工程
 前記工程1において、前記(D)有機溶媒は、イソシアネート基反応性を有さない沸点100℃以上の水溶性液体である有機化合物である。沸点は、1気圧下での沸点であり、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。100℃以上であれば、水分を除去する際に、成分(D)も揮発する恐れがなく、セルロースナノファイバーが凝集する原因にならないことから好ましい。
 前記(D)成分の水への溶解度は、25℃の水100gあたり、30g以上が好ましく、50g以上がさらに好ましい。30g以上であれば、分散液中でセルロースナノファイバーが析出する恐れがないことから好ましい。
 前記(D)成分の具体例としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド類、ピリジンなどの複素環式化合物、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。この中でも、特にN-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
 前記工程1の分散工程において用いる解繊装置としては、次のいずれかの装置を使用することができる。例えば、家庭用ミキサー、高速回転下でのホモミキサー、ディスパー、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ボールミル、ジェットミル、2軸押し出し機、超音波分散処理、グラインダーなどを用いることができる。上記の装置に依らず、家庭用や工業生産用に汎用的に用いられる解繊装置を用いることができる。上記解繊装置の中でも、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
 前記工程2でセルロースナノファイバーのヒドロキシ基とイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンとを反応させる際、イソシアネート基と反応性を有する溶媒の残存は好ましくない。そのため、反応系中に水やアルコールの残存は好ましくなく、十分に除去する必要がある。特に分散媒である水は安定にセルロースナノファイバーを分散させる効果もあるため、他の分散媒がない状況で水を除去することは好ましくない。したがって、水を選択的に除去し、(D)有機溶媒に置換する方法としては、水を減圧下により留去することが好ましい。その圧力は100mmHg以下、さらに好ましくは50mmHg以下である。
 成分(D)で置換されたセルロースナノファイバー分散液中に含まれる水・アルコールの量は1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。1質量%以下であれば、成分(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンのイソシアネート基が失活せず、副生成物を生成する原因とならないため好ましい。
 用いる(D)有機溶媒の使用量は、反応液(系)全体の10~90質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましい。上記範囲内にすると、反応系中が均一に保持され、反応が効率よく進行する。10質量%以上の濃度であればセルロースナノファイバーにより成分(D)が増粘しないため、高粘度とならず反応性が下がらない。90質量%以下であれば、濃度が薄くならず、作業効率が低下しない。
 前記工程2において、(D)で置換された(A)セルロースナノファイバー中に含まれるセルロースナノファイバーに対する(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの混合量は、2~60質量%(イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの重量/セルロースナノファイバーの重量)の範囲で混合されることが好ましく、5質量%~40質量%がさらに好ましい。2質量%以上であれば、セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に反応したイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンが十分であるため(C)油剤への分散性が低下しない。60質量%以下であれば、(C)油剤の増粘に必要なヒドロキシ基が封鎖される量が増えすぎないことで、増粘性が低下しない。
 また、前記工程2において、成分(E)ウレタン化触媒を添加することが好ましい。
 前記(E)成分の具体例としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン等のアミン類、ジラウリン酸ジ-n-ブチル錫、オレイン酸第一錫等の有機金属化合物のようなウレタン結合形成に際して用いられる公知の触媒が挙げられる。添加量は、成分(B)の種類および添加量、反応温度に応じて任意に適切な量を加えてよい。
 ウレタン結合形成反応において、条件は特に限定されるものではないが、還流下において反応温度は25~100℃であることが好ましく、より好ましくは30~90℃である。反応温度が100℃以下であれば、セルロースの黄変や重合度の低下が起こらず、25℃以上であれば、反応速度の低下が懸念されない。反応時間は1~10時間加熱することが好ましい。反応時間がこの範囲内であれば、セルロースナノファイバーが黄変する可能性がないため好ましい。
 ウレタン結合形成反応後は、未反応の成分(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンを失活させるために、メタノールやエタノールなどの低級アルコールや水の添加が望ましい。特に除去が容易という観点で、メタノール、エタノール、2-プロパノールの利用が好ましい。添加量は成分(B)の1質量%以上10質量%以下が好ましく、さらに1質量%以上8質量%以下が好ましい。
 本発明では、前記工程3において、前記成分(D)を前記成分(C)で置換する前に、前記成分(D)を分散媒としたセルロースナノファイバー分散液を成分(F)25℃1気圧で液体の有機化合物で洗浄する工程を追加することが好ましい。
 成分(D)を分散媒としたセルロースナノファイバー分散液を成分(F)25℃1気圧で液体の有機化合物で洗浄、ろ過を繰り返すことで、成分(F)により疎水性セルロースナノファイバーが膨潤された膨潤ゲルを得ることができる。
 成分(F)の具体例としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、2-プロパノール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、などの炭素数1~4のアルコール類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。特に除去が容易という観点で、メタノール、エタノール、2-プロパノールの利用が好ましい。
 成分(F)で洗浄を行うことで、未反応の(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン、(B)由来の副生成物、(D)有機溶媒や(E)ウレタン化触媒の除去が可能である。
 特に原料として用いた未反応の(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン、および(B)由来の副生成物は、原料として不安定なため残存は好ましくない。成分(F)で洗浄を行うことで、疎水性セルロースナノファイバーに対するその合計量を1質量%以下まで低減することが好ましい。好ましくは0.1質量%、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
 本発明では、成分(C)油剤を加えて成分(F)を除去することで、成分(C)で置換された疎水性セルロースナノファイバー分散液を得ることができる。
 成分(F)を選択的に除去する方法としては、減圧下による留去が好ましい。圧力は100mmHg以下が好ましく、さらに好ましくは50mmHg以下である。また、成分(F)より沸点が低い成分(C)油剤を用いた場合、減圧下による留去により、成分(C)も除去されることで、疎水性セルロースナノファイバーが凝集する原因になるため好ましくない。成分(F)の分散液から液体成分の全部または一部を除去した疎水性セルロースナノファイバーの乾燥物やゲルに成分(C)を添加しても、凝集体の解繊が難しく、疎水性セルロースナノファイバーを成分(C)中に均一に分散させることは難しく、好ましくない。
[疎水性セルロースナノファイバーの物性]
 本発明の疎水性セルロースナノファイバーの性状は固体であり、皮膜形成性を有する。分散液中に凝集体を含む量に応じて、形成した皮膜の透明性・連続性が下がることから、分散液の光透過率は70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であることが好ましい。上記範囲内にあることにより、皮膜形成剤として好適に使用できる。
 本発明の疎水性セルロースナノファイバーが皮膜性を発現するかどうかの判断はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の樹脂板上に、(C)油剤で希釈された上記疎水性セルロースナノファイバー分散液を1.5g滴下し、105℃で3時間乾燥させ、皮膜を形成したかどうかで判定ができる。皮膜を形成しない場合、透明ではなく粉が浮き出たような外観となる。そのため、化粧料に配合した際に、皮膚との追随性が低いため、化粧料に配合した際に不自然な仕上がりとなってしまう。
 皮膜形成剤として化粧料に配合することで、塗布時べたつくことがなく、使用感が良好な化粧料が得られる。また、形成された皮膜は、耐水性・耐久性に優れ、皮膚への密着性が良いことから化粧持ちがよく、伸びや仕上がりに優れる。
 また、本発明の疎水性セルロースナノファイバーは、分散媒中でナノファイバー同士が相互作用により絡み合うことで、分散媒を増粘する効果を有する。特に分散媒がシリコーンのとき、増粘効果が高い。そのため、疎水性セルロースナノファイバー分散液を乳化組成物として用いた場合、油相を増粘することで、感触・経時安定性が非常に良好な化粧料を提供できる。そのため特に油中水型乳化組成物に用いた場合、外相を増粘することができることから、感触改良や安定化に寄与することができる。
[化粧料]
 本発明の疎水性セルロースナノファイバー、疎水性セルロースナノファイバー分散液は、各種用途に使用可能であり、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧品の原料として適用可能である。また、その場合、分散液の状態で適用することが望ましい。即ち、上記に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液を含有するものである化粧料とすることができる。疎水性セルロースナノファイバーの配合量は、化粧料全体の0.1~40質量%の範囲が好ましく、0.1~20質量%の範囲が更に好ましい。0.1質量%以上であれば十分な感触が得られ、40質量%以下であれば使用感が悪くならない。
 本発明の疎水性セルロースナノファイバー、疎水性セルロースナノファイバー分散液、及びそれを含有した化粧料には、その他の成分として、通常の化粧料に使用される種々の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、(G)(C)成分以外の油剤、(H)粉体、(I)界面活性剤、(J)架橋型オルガノポリシロキサン、(K)皮膜剤、(L)その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの成分は、化粧料の種類等に応じて適宜選択使用され、またその配合量も化粧料の種類等に応じた公知の配合量とすることができる。
(G)成分:(C)成分以外の油剤
 本発明の化粧料には、その目的に応じて(G)成分として、(C)成分以外の油剤から選択される1種又は2種以上の油剤を配合することができる。通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの油剤も使用することができ、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、シリコーン油、高級アルコール、エステル油、フッ素系油剤、紫外線吸収剤等を用いることができる。(C)成分以外の油剤を配合する場合、(C)成分以外の油剤の配合量は、特に限定されないが、化粧料全体の1~95質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。
・天然動植物油脂類及び半合成油脂
 天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボカド油(:表示名称(INCI:Persea Gratissima (Avocado) Oil))、アマニ油(:表示名称(INCI:Linum Usitatissimum (Linseed) Seed Oil))、アーモンド油(:表示名称(INCI:Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Oil))、エゴマ油、オリーブ油(:表示名称(INCI:Olea Europaea (Olive) Fruit Oil))、アメリカガヤ油(:表示名称(INCI:Torreya Californica (California Nutmeg) Oil))、コウスイガヤ油(:表示名称(INCI:Cymbopogon Nardus (Citronella) Oil))、キョウニン油(:表示名称(INCI:Kyounin Yu))、コムギ胚芽油(:表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))、ゴマ油(:表示名称(INCI:Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil))、コメ胚芽油(:表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Germ Oil))、コメヌカ油(:表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Oil))、サザンカ油(:表示名称(INCI:Camellia Kissi Seed Oil))、サフラワー油(:表示名称(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Seed Oil))、シナギリ油、シナモン油、スクワラン、スクワレン、大豆油、茶実油、ツバキ油(:表示名称(INCI:Camellia Japonica Seed Oil))、月見草油(:表示名称(INCI:Oenothera Biennis (Evening Primrose) Oil))、トウモロコシ油(INCI:Zea Mays (Corn) Oil)、ナタネ油(:表示名称(INCI:RAPE SHUSHI YU))、日本キリ油、トウモロコシ胚芽油(:表示名称(INCI:Zea Mays (Corn) Germ Oil))、パーシック油(:表示名称)、パーム油(:表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Oil))、パーム核油(:表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil))、ヒマシ油(:表示名称(INCI:Ricinus Communis (Castor) Seed Oil))、ヒマワリ油(:表示名称(INCI:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Oil))、ブドウ種子油(:表示名称(INCI:Vitis Vinifera (Grape) Seed Oil))、ホホバ油(:表示名称(INCI:Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil))、マカデミアナッツ油(:表示名称(INCI:Macadamia Ternifolia Seed Oil))、メドウフォーム油(:表示名称(INCI:Limnanthes Alba (Meadowfoam) Seed Oil))、綿実油(:表示名称(INCI:Gossypium Herbaceum (Cotton) Seed Oil))、モクロウ核油、ヤシ油(:表示名称(INCI:Cocos Nucifera (Coconut) Oil))、落花生油(INCI:Arachis Hypogaea (Peanut) Oil))などの天然植物油、サメ肝油(:表示名称(INCI:Shark Liver Oil))、タラ肝油(:表示名称(INCI:Cod Liver Oil))、魚肝油(:表示名称(INCI:Fish Liver Oil))、タートル油(:表示名称(INCI:Turtle Oil))、ミンク油(:表示名称(INCI:Mink Oil))、卵黄油(:表示名称(INCI:Egg Oil))などの天然動物油、水添ヤシ油(:表示名称(INCI:Hydrogenated Coconut Oil))、硬化ヒマシ油(:表示名称)、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、液状ラノリン(INCI:Lanolin Oil)、等の半合成油脂が挙げられる。
・炭化水素油
 炭化水素油としては、直鎖状又は分岐状の炭化水素油が挙げられ、揮発性の炭化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。具体的には、オレフィンオリゴマー、ドデカン(INCI)、ウンデカン(INCI)、スクワラン(INCI)、スクワレン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、ポリイソブチレン(:表示名称)、水添ポリイソブテン(:表示名称(INCI:Hydrogenated Polyisobutene))、(C13-15)アルカン(INCI)等が挙げられる。
・シリコーン油
 シリコーン油としては、例えば、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチコン(INCI)、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
・高級アルコール
 高級アルコールとしては、例えば、炭素原子数が6以上のアルコールが好ましい。具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2-デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
・エステル油
 エステル油としては、炭素数1~20の脂肪酸と炭素数1~20のアルコールが縮合した形をもつ液状油で、モノエステル、ジエステル、又はトリエステル等のポリエステルが挙げられる。具体的にはアジピン酸ジイソブチル(:表示名称(INCI:Diisobutyl Adipate))、アジピン酸ジヘキシルデシル(:表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(:表示名称(INCI:Diheptylundecyl Adipate))、イソステアリン酸イソステアリル(:表示名称(INCI:Isostearyl Isostearate))等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(:表示名称(INCI:Isocetyl Isostearate))、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(:表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate))、ジエチルヘキサン酸グリコール(:表示名称(INCI:Glycol Diethylhexanoate))、エチルヘキサン酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、トリエチルヘキサノイン(:表示名称(INCI:Triethylhexanoin))、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(:表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate))、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(:表示名称(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate))、オクタン酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(:表示名称(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate))等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(:表示名称(INCI:Oleyl Oleate))、オレイン酸オクチルドデシル(:表示名称(INCI:Octyldodecyl Oleate))、オレイン酸デシル(:表示名称(INCI:Decyl Oleate))、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(:表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate))、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(:表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate))、クエン酸トリエチル(:表示名称(INCI:Triethyl Citrate))、コハク酸ジエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylhexyl Succinate))、酢酸アミル(:表示名称(INCI:Amyl Acetate))、酢酸エチル(:表示名称(INCI:Etyl Acetate))、酢酸ブチル(:表示名称(INCI:Butyl Aceetate))、ステアリン酸イソセチル(:表示名称(INCI:Isocetyl Stearate))、ステアリン酸ブチル(:表示名称(INCI:Butyl Stearate))、セバシン酸ジイソプロピル(:表示名称(INCI:Diisopropyl Sebacate))、セバシン酸ジエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylhexyl Sebacate))、乳酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Lactate))、乳酸ミリスチル(:表示名称(INCI:Myristyl Lactate))、イソノナン酸イソノニル(:表示名称(INCI:Isononyl Isononanoate))、イソノナン酸イソトリデシル(:表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、パルミチン酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Palmitate))、パルミチン酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate))、パルミチン酸ヘキシルデシル(:表示名称(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate))等のパルミチン酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(:表示名称(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate))、ミリスチン酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Myristate))、ミリスチン酸オクチルドデシル(:表示名称(INCI:Octyldodecyl Myristate))、ミリスチン酸ミリスチル(:表示名称(INCI:Myristyl Myristate))等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Laurate))、ラウリン酸ヘキシル(:表示名称(INCI:Hexyl Laurate))、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(:表示名称(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate))、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(:表示名称(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate))、リンゴ酸ジイソステアリル(:表示名称(INCI:Diisostearyl Malate))、酢酸グリセリル(:表示名称(INCI:Glyceryl Acetate))、ステアリン酸グリセリル(:表示名称(INCI:Glyceryl Stearate))、等のグリセライド油が挙げられる。
・フッ素系油剤
 フッ素系油剤としては、ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル(:表示名称(INCI:Polyperfluoromethylisopropyl Ether))等のパーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン(:表示名称(INCI:Perfluorodecalin))、パーフルオロヘキサン(:表示名称(INCI:Perfluorohexane))等のパーフルオロカーボン等が挙げられる。
・紫外線吸収剤
 紫外線吸収剤としては、ホモサレート(INCI)、オクトクリレン(INCI)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(:表示名称(INCI:Butyl Methoxydibenzoylmethane))、サリチル酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Salicylate))、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate))、オキシベンゾン-6(:表示名称(INCI:Benzophenone-6))、オキシベンゾン-9(:表示名称(INCI:Benzophenone-9))、オキシベンゾン-1(:表示名称(INCI:Benzophenone-1))、ポリシリコーン-15(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))、オキシベンゾン-2(:表示名称(INCI:Benzophenone-2))、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(:表示名称(INCI:Terephthalylidene Dicamphor Sulfonic Acid))、エチルヘキシルトリアゾン(INCI)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(:表示名称(INCI:Isopentyl Trimethoxycinnamate Trisiloxane))、ドロメトリゾールトリシロキサン(INCI)、ジメチルPABAエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethyl PABA))、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Methoxycinnamate))、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate))、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(:表示名称(INCI:Bis-Ethylhexyloxyphenol Methoxyphenyl Triazine))、オキシベンゾン-3(:表示名称(INCI:Benzophenone-3))、オキシベンゾン-4(:表示名称(INCI:Benzophenone-4))、オキシベンゾン-5(:表示名称(INCI:Benzophenone-5))、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(:表示名称(INCI:Phenylbenzimidazole Sulfonic Acid))、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(:表示名称(INCI:Methylene Bis-Benzotriazolyl Tetramethylbutylphenol))、ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル(:表示名称(INCI:Glyceryl Ethylhexanoate Dimethoxycinnamate))、グリセリルPABA(:表示名称(INCI:Glyceryl PABA))、ジイソプロピルケイ皮酸メチル(:表示名称(INCI:Diisopropyl Methyl Cinnamate))、シノキサート(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))、等が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate))等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate))等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
(H)成分:粉体
 粉体は通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されないが、例えば、顔料、シリコーン球状粉体等が挙げられる。粉体を配合する場合、粉体の配合量は特に限定されないが、化粧料全体の0.1~90質量%配合することが望ましく、1~35質量%がさらに好ましい。
 顔料としては、一般にメーキャップ化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。例えばタルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、低次酸化チタン、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、オキシ塩化ビスマス、チタン-マイカ系パール顔料等の無機顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、黄色205号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色404号、緑色3号等のジルコニウム、バリウム、又はアルミニウムレーキ等の有機顔料;クロロフィル、β-カロチン等の天然色素;染料等が挙げられる。
 なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、製剤の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、疎水性を付与できれば特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。より好ましくはシリコーン処理剤で、カプリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、又は、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P,KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908,KF-9909等)等のシリコーンオイル、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等が挙げられる。さらに、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは、2種以上を組合せ使用してもよい。表面処理を施した着色顔料の具体例としては、信越化学工業(株)製:KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、09R、09Y、09B等が挙げられる。疎水化処理微粒子酸化チタンあるいは疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有する分散体の具体例としては、信越化学工業(株)製:SPD-T5、T6、T7、T5L、Z5、Z6、Z5L等が挙げられる。この成分を配合する場合は化粧料中の0.01~95質量%が好ましい。
 シリコーン球状粉体としては、架橋型シリコーン粉末(即ち、ジオルガノシロキサン単位の繰返し連鎖が架橋した構造を有するオルガノポリシロキサンからなる、いわゆるシリコーンゴムパウダー)、シリコーン樹脂粒子(三次元網状構造のポリオルガノシルセスキオキサン樹脂粒子)、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末等が挙げられる。架橋型シリコーン粉末、シリコーン樹脂粒子の具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等の名称で知られている。これらは粉体として、或いは、シリコーンオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KMP-598、KMP-590、KMP-591、KSG-016F等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は、球状粉体特有のローリング効果により、化粧料のすべり性を付与し、使用感を改善する。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
 シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末は、特に、べたつきの防止等の感触の向上効果や、しわ・毛穴等の凹凸補正効果等の点で好ましい。シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末の具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-22、ポリシリコーン-1クロスポリマー等の名称で知られている。これらは、KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-105、KSP-300、KSP-411、KSP-441等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。この成分を配合する場合は化粧料中の0.01~95質量%が好ましい。
(I)成分:界面活性剤
 界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性の界面活性剤がある。本発明の目的に応じて、通常の化粧料に使用されるものを使用することができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ピロリドン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10~70質量%を占めることが好ましい。また、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを用いる場合には、当該架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、任意成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、25℃の動粘度が0.65~100mm/sの低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリエチルヘキサノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、等のエステル油、ホホバ油等の天然動植物油が挙げられる。架橋型オルガノポリシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製:KSG-210、KSG-240、KSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340、KSG-320Z、KSG-350Z、KSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830、KSG-840、KSG-820Z、KSG-850Z等が挙げられる。非架橋型オルガノポリシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製:KF-6011、KF-6013、KF-6043、KF-6017、KF-6028、KF-6038、KF-6048、KF-6100、KF-6104、KF-6105、KF-6106等が挙げられる。何れの場合においても界面活性剤の配合量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましく、本発明の目的に応じて架橋型オルガノポリシロキサン、非架橋型オルガノポリシロキサン、又はその両方をそれぞれ1種、又は2種以上を適宜選択できる。
 (I)成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.01~15質量%が好ましい。
(J)成分:架橋型オルガノポリシロキサン
 架橋型オルガノポリシロキサンとしては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
 この架橋型オルガノポリシロキサンは、上記の(H)成分で説明したシリコーン球状粉体と異なり、球状形状を有していない。
 また、(J)成分は、上記の(I)成分の界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であることが好ましい。また、油剤で膨潤することにより、構造粘性を有するエラストマーであることが好ましい。具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらは室温で液状のオイルを含む膨潤物として市販され、具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG-15、KSG-1510、KSG-16、KSG-1610、KSG-18A、KSG-19、KSG-41A、KSG-42A、KSG-43、KSG-44、KSG-042Z、KSG-045Z、KSG-048Z等が挙げられる。
 (J)成分を配合する場合の配合量は、固形分として化粧料中0.01~30質量%が好ましい。
(K)成分:皮膜剤
 皮膜剤としては、既存の皮膜形成剤を併用することができる。既存の皮膜剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸アルキル等のラテックス類、デキストリン、アルキルセルロースやニトロセルロース等のセルロース誘導体、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン等のシリコーン化多糖化合物、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等のアクリル-シリコーン系グラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、シリコーン変性ポリノルボルネン、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリマーエマルジョン樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、ポリビニルピロリドン変性ポリマー、ロジン変性樹脂、ポリウレタン等が用いられる。
 これらの中でも特に、シリコーン系の皮膜剤が好ましく、中でもトリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン(市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:TSPL-30-D5、ID)、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー(市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KP-543、KP-545、KP-549、KP-550、KP-545L等)、トリメチルシロキシケイ酸(市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KF-7312J、X-21-5250等)、シリコーン変性ポリノルボルネン(市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:NBN-30-ID等)、及び、オルガノシロキサングラフトポリビニルアルコール系重合体等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
 (K)成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましい。
(L)成分:その他の添加剤
 その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、水溶性増粘剤、制汗剤、防腐剤・殺菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。これら(L)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(L)成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましい。
・油溶性ゲル化剤
 油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムクトライト、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
・水溶性増粘剤
 水溶性増粘剤として、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、カチオン化セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
 中でも、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、アクリル系高分子、及び、無機系水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた水溶性増粘剤を好ましく使用することができる。
・制汗剤
 制汗剤として、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム等のヒドロキシハロゲン化アルミニウム、塩化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、カキタンニン、硫酸アルミニウムカリウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム)等が挙げられる。特に、高い効果を発現する成分として、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、ならびに、これらのオキシハロゲン化ジルコニル及びヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体又は混合物(例えば、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム))等が好ましい。
・防腐剤・殺菌剤
 防腐剤・殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。
・香料
 香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては花、葉、材、果皮等から分離した植物性香料、ムスク、シベット等の動物性香料がある。合成香料としてはモノテルペン等の炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂環式ケトン等のケトン類、テルペン系エステル等のエステル類、ラクトン類、フェノール類、オキサイド類、含チッソ化合物類、アセタール類等が挙げられる。
・塩類
 塩類としては、無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩が挙げられる。アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩や、さらには、製剤処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
・酸化防止剤
 酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、トコフェノール、酢酸トコフェノール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。
・pH調整剤
 pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
・キレート剤
 キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
・清涼剤
 清涼剤としては、L-メントール、カンフル、乳酸メンチル等が挙げられる。
・抗炎症剤
 抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
・美肌用成分
 美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
・ビタミン類
 ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
・アミノ酸類
 アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
・核酸
 核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
・ホルモン
 ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
・包接化合物
 包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
 本発明における化粧料は、特に限定されるものではなく、例えば、美容液、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション、化粧下地、日焼け止め、コンシーラー、チークカラー、口紅、グロス、バーム、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、ボディーメーキャップ、デオドラント剤、爪用化粧料等、種々の製品に応用することが可能である。これらの中でも特に、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション等のメイクアップ化粧料や日焼け止め効果を付与した化粧料が好ましい。本発明の化粧料の性状としては、液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ムース状、スフレ状、粘土状、パウダー状、スティック状等の種々の性状を選択することができる。
以下、製造実施例、実施例、製造比較例、及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記製造実施例及び実施例に制限されるものではない。組成の「%」は特に説明がない場合は質量%である。なお、疎水性セルロースナノファイバーおよびその分散液を製造実施例、製造比較例とし、化粧料の例を実施例、比較例とする。
[製造実施例1]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/KF-96A-6cs分散液の製造>
(工程1)1.0質量%の亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/水分散液(大王製紙社製、平均繊維径:5nm、光透過率:92%)100g(セルロースナノファイバーの重量:1.0g)とN-メチル-2-ピロリドン(NMP)400gを2Lデスカップに秤量し、高速分散ミキサー(Silverson社製)を用いて混合することで、亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/水・NMP混合分散液を得た。その後、減圧留去を行うことで、十分に脱水を行い、亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/NMP分散液を得た。このときの含有する水の量は300ppmであった。
(工程2)工程1で得られた亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/NMP分散液に、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジ-n-ブチル錫0.3gを添加し、80℃に保持した。下記式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンを14.0g(イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの仕込み重量/セルロースナノファイバーの仕込み重量=14.0)滴下して、80℃で3時間加熱することで反応を継続した。FT-IRによりイソシアネート基由来のバンドの消失を確認後、エタノールを1.0g添加することで、未反応のイソシアネート基を失活させ、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/NMP分散液を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(工程3)工程2で得られた亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/NMP分散液に、2-プロパノールを加えて、ろ過によって回収する操作を計3回繰り返すことで、亜リン酸エステル基含有疎水化セルロースナノファイバーが2-プロパノールによって膨潤したゲルを得た。得られたゲル中にKF-96A-6cs100gを加え、高速分散ミキサー(Silverson社製)を用いて混合することで均一化した後、減圧留去を行うことで、残存した2-プロパノールを十分に除去することで、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/KF-96A-6cs分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例2]
<リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「1.0質量%の亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/水分散液(大王製紙社製、平均繊維径:5nm、光透過率:92%)100g(セルロースナノファイバーの重量:1.0g)」を「2.0質量%のリン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/水分散液(王子製紙社製、平均繊維径:4nm、光透過率:95%)50g(セルロースナノファイバーの重量:1.0g)」、「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例3]
<カルボキシル基含有セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「1.0質量%の亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/水分散液(大王製紙社製、平均繊維径:5nm、光透過率:92%)100g(セルロースナノファイバーの重量:1.0g)」を「2.0質量%のカルボキシル基含有セルロースナノファイバー/水分散液(第一工業製薬社製、平均繊維径:3nm、光透過率:95%)50g(セルロースナノファイバーの重量:1.0g)」、「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、カルボキシル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例4]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/デカメチルシクロペンタシロキサン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「デカメチルシクロペンタシロキサン」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/デカメチルシクロペンタシロキサン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例5]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例6]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」、「式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン13.8g」を「式(6)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン14.9g」、ウレタン化触媒として「ジラウリン酸ジ-n-ブチル錫0.3g」を「トリエチルアミン6.0g」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
[製造実施例7]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/トルエン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「トルエン」、「式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン13.8g」を「式(6)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン14.9g」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/トルエン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例8]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/1-ブタノール分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「1-ブタノール」、「N-メチル-2-ピロリドン」を「N,N-ジメチルホルムアミド」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/1-ブタノール分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例9]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」、イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの仕込み重量/セルロースナノファイバーの仕込み重量=4.5、ウレタン化触媒として「ジラウリン酸ジ-n-ブチル錫0.3g」を「トリエチルアミン6.0g」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造実施例10]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」、イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの仕込み重量/セルロースナノファイバーの仕込み重量=28.0、ウレタン化触媒として「ジラウリン酸ジ-n-ブチル錫0.3g」を「トリエチルアミン6.0g」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン分散液を得た。得られた分散液の物性を表1に記載する。
[製造比較例1]
<亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」に変更し、「式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン」を用いなかった以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物を得た。得られた混合物の物性を表1に記載する。
[製造比較例2]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」、「式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン」を「ブチルイソシアネート」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物を得た。得られた混合物の物性を表1に記載する。
[製造比較例3]
<亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物の製造>
 製造実施例1の「KF-96A-6cs」を「メチルトリメチコン」、「式(5)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン」を「ドデシルイソシアネート」に変更した以外は製造実施例1の工程を繰り返し、亜リン酸エステル基含有疎水性セルロースナノファイバー/メチルトリメチコン混合物を得た。得られた混合物の物性を表1に記載する。
<分散性>
 製造実施例1~10で得られたセルロースナノファイバー分散液、製造比較例1~3で得られたセルロースナノファイバー混合物について、目視でセルロースナノファイバーの沈降の有無を確認した。沈降が確認されなかった場合を〇、沈降が確認された場合を×で評価した。結果を表1に記載する。
<疎水性セルロースナノファイバーの平均繊維径の算出>
 製造実施例1~10で得られたセルロースナノファイバー分散液を固形分濃度0.01%質量%に調製し、銅グリッド上に滴下して乾燥したものを観察試料として、透過電子顕微鏡により観察を行う。繊維が重なっていない画像を3枚以上観察し、1枚に対して20本の繊維径を算出する。その平均値を平均繊維径として、結果を表1に記載する。
<光透過率>
 製造実施例1~10で得られたセルロースナノファイバー分散液を濃度0.2質量%になるように希釈し、光路長10mmの角型セル内に満たし、紫外可視分光光度計(UV-1800、株式会社島津製作所)を用いて、波長600nmにおける光透過率を測定した。結果を表1に記載する。
<粘度測定>
 製造実施例1~10で得られたセルロースナノファイバー分散液について、B型回転粘度計(ブルックフィールド社)で、6rpmでローターを回転させ、1分後の粘度測定を行った。結果を表1に記載する。
<皮膜性>
 製造実施例2~10で得られたセルロースナノファイバー分散液、製造比較例1~3で得られたセルロースナノファイバー混合物を105℃のオーブンで3時間乾燥させた。乾燥させて溶剤が揮発した状態を目視で観察を行い、下記の基準によって評価を行った。結果を表1に記載する。なお、製造実施例1は不揮発性の油剤を用いているため、皮膜性評価の対象からは外す。
◎:外観が無色透明で均一な皮膜が得られる
〇:外観が白色又は白濁した均一な皮膜が得られる
×:皮膜が得られない(粉状)、外観が不均一な皮膜(斑の状態)が得られる
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
*1:オルガノポリシロキサンの割合:オルガノポリシロキサンを混合した質量/セルロースナノファイバーの質量
KF-96A-6cs:ジメチコン(25℃での動粘度6mm/s、信越化学工業社製)
TMF-1.5:メチルトリメチコン(信越化学工業社製)
KF-995:デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業社製)
 表1の製造実施例1~10に示す通り、いずれも透過率が80%以上で、セルロースナノファイバーの平均繊維径が300nm以下である疎水性セルロースナノファイバー分散液が得られた。製造実施例4、5、8に示す通り、分散媒の性質が異なる場合でも高い分散性を有することが分かる。また、製造実施例2、3、5に示す通り、アニオン性官能基の種類が異なる場合においても、高い分散性を有することがわかる。一方、製造比較例1はヒドロキシ基を封鎖せずにメチルトリメチコンへの分散を試みたが、セルロースナノファイバーの凝集体が形成し、沈殿物を観測した。また、製造比較例2~3はシロキサン成分を含まないアルキルイソシアネートでの封鎖を試みたが、いずれも沈殿物を観測し、分散性は改善しなかった。これより、本発明の疎水性セルロースナノファイバーはイソシアネート基を含むシロキサン構造でヒドロキシ基を封鎖することで、疎水化およびアルコール、シリコーン油、炭化水素油といった特定の油剤への分散性に寄与していることが分かる。
(1)特性評価
 下記実施例1~12、及び比較例1~6の化粧料について、化粧料の使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)、塗布性(伸展性の良さ)、及び経時安定性(50℃・1か月保存後の状態)について、表2に示される評価基準により評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を表3~5に記載した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
判定基準
  ◎:平均点が4.5点以上
  ○:平均点が3.5点以上4.5点未満
  △:平均点が2.5点以上3.5点未満
  ×:平均点が1.5点以上2.5点未満
  ××:平均点が1.5点未満
<実施例>
 下記表3に示す組成のW/O乳液を調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF-6017(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルトリメチコン:TMF-1.5(信越化学工業(株)製)
 なお、配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
<化粧料の調製>
A:成分(1)を均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/O乳液を得た。
 上記表3の結果より、実施例1~4のW/O乳液は、使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)、塗布性(伸展性の良さ)、経時安定性(50℃・1ヶ月保存時の状態)が良好であることが分かった。一方、比較例1はセルロースナノファイバー分散液を加えない場合、セルロースナノファイバー由来の感触が付与されないため、使用感、さっぱり感、塗布性が損なわれる。また比較例2で水に分散したセルロースナノファイバーを用いた場合、油中水型の乳化物のためセルロースナノファイバーが内相に存在し、塗布時の感触に影響を与えないことから、使用感やさっぱり感が損なわれる。
 下記表4に示す組成のW/O乳液を調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF-6017(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルトリメチコン;TMF-1.5(信越化学工業(株)製)
 なお、配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
<化粧料の調製>
A:成分(1)を均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/O乳液を得た。
 上記表4の結果より、実施例5~8のW/O乳液は、使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)、塗布性(伸展性の良さ)、経時安定性(50℃・1ヶ月保存時の状態)が良好であることが分かった。一方、比較例3はセルロースナノファイバー分散液を加えない場合、セルロースナノファイバー由来の感触が付与されないため、使用感、さっぱり感、塗布性が損なわれる。また、水相が増えることで経時安定性が悪化した。これはセルロースナノファイバーが油相の増粘剤として寄与することから、系全体の安定性を高める効果があるためである。また、比較例4で水に分散したセルロースナノファイバーを用いた場合、油中水型の乳化物のためセルロースナノファイバーが内相に存在し、塗布時の感触に影響を与えないことから、使用感やさっぱり感が損なわれる。また内相にセルロースナノファイバーを用いた場合は、系全体の安定化に寄与しないことから、経時安定性が悪化する結果となった。
 下記表5に示す組成の乳化型クリームファンデーションを調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000015
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン:KSG-210(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ジメチルポリシロキサン:KSG-15(信越化学工業(株)製)
(注3)ポリエーテル変性シリコーン:KF-6017(信越化学工業(株)製)
(注4)ジメチルポリシロキサン:KF-96A-6cs(信越化学工業(株)製)
(注5)メチルトリメチコン:TMF-1.5(信越化学工業(株)製)
(注6)ポリメチルシルセスキオキサン粉体:KMP-590(信越化学工業(株)製)
(注7)シリコーン処理:KF-9909処理(信越化学工業(株)製)
<化粧料の調製>
 成分(1)~(4)、(5)の一部、(6)~(12)、(21)~(22)を攪拌し均一になるように混合した。これに別途成分(15)に均一溶解させた成分(13)~(14)及び(16)を穏やかに加え、乳化した。この乳化物に、成分(17)~(20)、(5)の残部、及び(23)を加えて混合した。これを所定の容器に充填し、乳化型クリームファンデーションを調製した。
 上記表5の結果より、実施例9~12の乳化型クリームファンデーションは、使用感(べたつきのなさ)、さっぱり感(みずみずしさ)、塗布性(伸展性の良さ)、経時安定性(50℃・1ヶ月保存時の状態)が良好であることが分かった。一方、比較例5はセルロースナノファイバー分散液を加えない場合、セルロースナノファイバー由来の感触が付与されないため、使用感、さっぱり感、塗布性が損なわれる。また、比較例6で水に分散したセルロースナノファイバーを用いた場合、油中水型の乳化物のためセルロースナノファイバーが内相に存在し、塗布時の感触に影響を与えないことから、使用感やさっぱり感が損なわれる。
 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (12)

  1.  疎水性セルロースナノファイバーであって、
    (A)セルロースナノファイバー、及び
    (B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサン
    を含み、前記セルロースナノファイバーのヒドロキシ基に前記イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンがウレタン結合を介して結合したものであることを特徴とする疎水性セルロースナノファイバー。
  2.  前記(A)セルロースナノファイバーが、さらにアニオン性官能基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
  3.  前記アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーの0.2質量%水分散液において、その600nmにおける光透過率が80%以上であり、前記水分散液中の前記アニオン性官能基を有するセルロースナノファイバーの繊維幅が300nm以下のものであることを特徴とする請求項2に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
  4.  前記アニオン性官能基が、カルボキシル基、カルボキシメチル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、及びザンテートエステル基のいずれかから選択されるものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
  5.  前記(B)イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)または(2)で表されるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、Rは炭素数1~6の1価のアルキル基であり、Rは独立して炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、又は-OSiR (Rは独立して炭素数1~6の1価有機基である。)で示されるトリオルガノシロキシ基である。mは1~10の整数、aは0~1の整数である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、Rは前記と同じであり、mは1~10の整数、nは1~500の整数である。)
  6.  前記一般式(1)で示されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンが、トリストリメチルシロキシシリルプロピルイソシアネートであることを特徴とする請求項5に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
  7.  請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の疎水性セルロースナノファイバーが、(C)油剤に分散したものであることを特徴とする疎水性セルロースナノファイバー分散液。
  8.  前記(C)油剤が、脂肪族アルコール、シリコーン油、及び炭化水素油からなる群より選択される1種以上のものであることを特徴とする請求項7に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液。
  9.  前記(C)油剤と前記疎水性セルロースナノファイバーとの質量比が、1:0.0001~1:0.5のものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液。
  10.  前記疎水性セルロースナノファイバー分散液の0.2質量%シリコーン油分散液において、その600nmにおける光透過率が70%以上のものであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液。
  11.  請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の疎水性セルロースナノファイバー分散液を含有するものであることを特徴とする化粧料。
  12.  前記疎水性セルロースナノファイバー分散液を乳化組成物として用いるものであることを特徴とする請求項11に記載の化粧料。
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