JP2020164670A - 疎水性セルロースナノファイバー、該疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液、及び疎水性セルロースナノファイバーの製造方法 - Google Patents

疎水性セルロースナノファイバー、該疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液、及び疎水性セルロースナノファイバーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、有機溶剤、特に非プロトン性有機溶媒に分散可能なセルロースナノファイバー、及び、その製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーと、少なくとも1のアミノ基を有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンとが結合してなる疎水性セルロースナノファイバーであって、前記カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーがカルボキシ基含有量0.1mmol/g〜3.0mmol/gを有し、当該セルロースナノファイバーと前記オルガノポリシロキサンとを、該セルロースナノファイバーのカルボキシ基の個数に対する前記オルガノポリシロキサンのアミノ基の個数比が0.3以上となる配合比で結合させて成る、疎水性セルロースナノファイバー。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースナノファイバー、及びセルロースナノファイバーの製造方法に関連し、詳しくは、有機溶媒に分散可能な疎水性セルロースナノファイバー、及び疎水性セルロースナノファイバーの製造方法に関する。
近年、環境対応型の素材としてバイオマス原料が注目されている。とりわけ、セルロースナノファイバー(CNF)は、その資源の豊富さ、優れた機械的特性や透明性から、ガスバリア材料や樹脂フィラー材料としての応用展開が行われている(特許文献1、特許文献2)。
セルロース原料を2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(TEMPO)と酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムとの共存下で処理するとセルロースミクロフィブリル表面にカルボキシ基を効率よく導入できることが知られており、こうして得られた酸化セルロースはわずかな解繊エネルギーを付与することにより、均一で透明なCNF水分散液へと調製することができる。このような酸化セルロースの製造方法や、CNFの製造方法に関して、様々な研究が行われている(特許文献3、特許文献4)。
一方で、CNFを様々な塗料や樹脂と複合化する際には、複合化対象に対して相溶性の高い溶媒にCNFが分散可能である必要がある。しかしながら、特許文献3や特許文献4に記載の製造方法で得られる酸化CNF分散液では、分散媒体が水であるため、複合化させる材料が大きく制限される。
通常、セルロースは親水性であり、単に有機溶媒に混合しても凝集・沈殿してしまい均一に分散させることができない。材料中でのCNFの凝集は、CNFの優れた機械的特性・透明性の発現を阻害するため好ましくない。したがって、様々な有機溶媒、特に極性の低い溶媒にも分散可能な疎水性CNFの開発はCNFの応用において大変重要である。特許文献4や特許文献5ではTEMPO酸化型CNFのカルボニル基とアルキルアミンあるいはアミノ基を有するシランカップリング剤とが反応したカルボン酸−アミン塩型CNFが水:アセトン=1:1混合溶媒やイソプロパノール中へ分散可能である事が記述されているが、低極性有機溶媒への分散は記載されていない。
また、特許文献6ではTEMPO酸化型CNFのカルボニル基とプロピレンオキシド・エチレンオキシド共重合部を有するアミンとが反応したCNFが、クロロホルムのような比較的比誘電率の高い有機溶媒中に分散可能である事が記述されている。一方で、特許文献6の実施例にて得られるCNFは、アセトンやエタノール等へは分散せず、分散性を付与する為には過剰の分散剤を添加する必要があることが示唆されている。また、特許文献6には、トルエンやベンゼン等のような比誘電率の小さな有機溶媒への分散に関する記述は無い。
特開2009−57552号公報 特開2008−266630号公報 特開2008−001728号公報 特許第5996082号公報 特許第5397910号公報 特許第5823599号公報
上記のように、様々な有機溶媒、特に比誘電率の低い低極性溶媒にも再分散可能な疎水性CNFの開発は依然として重要な課題である。加えて、特許文献6に記載のTEMPO酸化型CNFのカルボニル基とプロピレンオキシド・エチレンオキシド共重合部を有するアミンとが反応したCNFでは、エーテル鎖が酸化されやすく、着色・分解しやすい等の問題もあった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、有機溶剤、特に非プロトン性有機溶媒に分散可能なセルロースナノファイバー、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アミノ基を有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンのアミノ基を、特定量比以上で、カルボキシ基含有セルロースナノファイバーのカルボキシ基とイオン結合させることにより、有機溶媒、特には非プロトン性有機溶媒に分散可能な、疎水性セルロースナノファイバーを提供できることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーと、少なくとも1のアミノ基を有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンとが結合してなる疎水性セルロースナノファイバーであって、前記カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーがカルボキシ基含有量0.1mmol/g〜3.0mmol/gを有し、当該セルロースナノファイバーと前記オルガノポリシロキサンとを、該セルロースナノファイバーのカルボキシ基の数に対する前記オルガノポリシロキサンのアミノ基の個数比が0.3以上となる配合比で結合させて成る、疎水性セルロースナノファイバーを提供する。
また、本発明は、下記工程1〜4を含む、疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液の製造方法であって、
工程1:カルボン酸塩を有するセルロースナノファイバーを水系溶媒に分散させた分散物に酸を添加してカルボキシ基含有セルロースナノファイバーとし、第1のゲルを得る工程、
工程2:前記第1のゲルを水で洗浄する工程、
工程3:前記工程2で得られるゲル中の水系溶媒を極性有機溶媒で置換し、第2のゲルを得る工程、
及び、
工程4:前記第2のゲル、アミノ基を少なくとも1つ有し且つアルコキシシリル基を有さないオルガノポリシロキサン、及びさらに有機溶媒を混合してセルロースナノファイバーを解繊して、疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液を得る工程を含み、
前記カルボキシ基含有セルロースナノファイバーが0.1mmol/g〜3.0mmol/gとなる量のカルボキシ基を有し、前記工程4において混合するオルガノポリシロキサンの量が、前記カルボキシ基含有セルロースナノファイバー中のカルボキシ基の数に対する該オルガノポリシロキサン中のアミノ基の数の個数比0.3以上となる量であることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記工程4の後に有機溶媒を除去して疎水性セルロースナノファイバーを得る工程を更に含む、前記疎水性セルロースナノファイバーの製造方法を提供する。
本発明によれば、有機溶媒、特に低極性有機溶媒に分散可能な疎水性セルロースナノファイバー、及び、その製造方法を提供することができる。さらに、本発明の疎水性CNFは、優れた耐熱性と耐黄変性を有することができる。
図1は、[調整例1]、[実施例1]、[実施例2]、及び[実施例3]で製造したCNFのFT−IRスペクトルである。 図2は、[比較例1]、[実施例1]、[実施例4]、[実施例6]、[実施例8]、及び[実施例10]で製造したCNFの重量減少曲線である。
以下、本発明について詳細に説明する。尚、下記においてCNFは、セルロースナノファイバーの略である。
本発明は、カルボキシ基含有量0.1mmol/g〜3.0mmol/gであるカルボキシ基含有CNFのカルボキシ基と、アミノ基を少なくとも一つ有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンのアミノ基とが、イオン結合してなるカルボン酸−アミン塩型CNFである。疎水性セルロースナノファイバー中のオルガノポリシロキサンの量は、カルボキシ基含有CNFが有するカルボキシ基の数に対する前記オルガノシロキサン中のアミノ基の数の比が0.3以上となる配合比で結合させて成る量である。
<カルボキシ基含有CNF>
本発明においてカルボキシ基含有CNFとは、CNF分子を構成するセルロースにあるヒドロキシ基の一部がカルボキシ基に変換されているものである。カルボキシ基含有CNF中のカルボキシ基含有量は、より詳細には、カルボキシ基含有CNFの絶乾質量に対する量である。分散安定性や化学的な処理を容易にする観点から、カルボキシ基含有CNFの絶乾質量に対して0.1mmol/g〜3.0mmol/gであり、好ましくは0.4mmol/g〜2.0mmol/gであり、より好ましくは0.6mmol/g〜1.5mmol/gであるのがよい。また、カルボキシ基含有CNF中のカルボキシ基含有量は、カルボン酸塩含有CNFの絶乾質量に対するカルボン酸塩の量から求める事もできる。
上記カルボキシ基含有CNFの絶乾質量およびカルボン酸塩含有CNFの絶乾質量とは、それぞれ溶剤等を除外したカルボキシ基含有CNFおよびカルボン酸塩含有CNFの固形分質量である。例えば、カルボキシ基含有CNFの絶乾質量は、カルボキシ基含有CNFのゲルを100℃の乾燥機で三時間以上乾燥し溶剤を取り除いた後に残されるカルボキシ基含有CNF固体を、水洗によって洗浄した後、再度100℃の乾燥機で三時間以上乾燥させる事で得られた固体の質量として求められる。
<平均繊維径及び平均繊維長の測定方法>
CNFの平均繊維長及び平均繊維幅は、例えば原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができる。
カルボキシ基含有CNFの平均繊維径は、好ましくは0.1nm〜1,000nmであり、より好ましくは0.2nm〜200nmであり、さらに好ましくは0.5nm〜100nmであり、さらに好ましくは0.8nm〜50nmであり、よりさらに好ましくは1nm〜20nmであるのがよい。前記範囲の平均繊維径を有することにより、該カルボキシ基含有CNFを熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂に含有させて樹脂組成物とした時の硬化物の機械的強度を十分に向上させることができ、さらには得られる硬化物は透明性を確保することができる。一般に、高等植物から調製されるCNFの最小単位は6本×6本の分子鎖がほぼ正方形の形でパッキングされているものであり、AFMによる画像で分析される高さを繊維径と見なすことができる。
また、カルボキシ基含有CNFの平均繊維長は、好ましくは100〜3,000nmであり、より好ましくは150〜1,500nmであり、更に好ましくは200nm〜1,000nmである。平均繊維長が上記範囲内であることにより、該カルボキシ基含有CNFを熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂に含有させて樹脂組成物とした時の硬化物の機械的強度を十分に向上させることができ、さらには得られる硬化物は分散性を確保することができる。
<オルガノポリシロキサン化合物>
本発明は、アミノ基を少なくとも一つ有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンのアミノ基を、上記したカルボキシ基含有CNFのカルボキシ基にイオン結合を介して結合させることにより、CNFに疎水性、耐候性、及び有機溶媒への分散性を付与することを特徴とする。前記アミノ基は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、及び第3級アミノ基のいずれであってもよいが、カルボキシ基との反応性の観点から、第1級アミノ基又は第2級アミノ基であることが好ましい。
本発明においてオルガノポリシロキサンはアルコキシシリル基を有しない事が特徴の一つである。アルコキシシリル基を有すると、CNFとの反応処理工程、或いは溶媒置換工程において、アルコキシシリル間で加水分解縮合が進行し、CNF同士の凝集を引き起こすおそれがあるためである。
カルボキシ基含有CNFと反応させるアミノ基含有オルガノポリシロキサンの量は、前記カルボキシ基含有CNF中のカルボキシ基の数に対する前記オルガノポリシロキサン化合物中のアミノ基の数の比([アミノ基]/[カルボキシ基])が0.3以上となる量であり、好ましくは0.3〜5.0であり、より好ましくは0.3〜1.0の範囲である。当該範囲の量で反応させることにより、CNFに対して十分な疎水性を付与することができ、有機溶媒への分散性を向上することができる。アミノ基含有オルガノポリシロキサンの量比が上記値未満では、有機溶媒中への分散性が不十分なものとなる。
アミノ基含有オルガノポリシロキサン化合物としては、例えば下記式(1)、(2)、又は(3)で表される化合物が挙げられる。

X−Si(OSiR 3−m (1)
X−SiR O−(SiR O)−SiR (2)
SiO−[(SiXRO)−(SiR10 O)]−SiR (3)

上記各式中、Xは、1級、2級、又は3級アミノ基を1つ以上有する、炭素原子数1〜20の有機基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、mは1〜3の整数であり、nは3〜500の整数であり、kは1以上の整数であり、jは0以上の整数であり、k+j≦500であり、kおよびjが付された括弧を付されたシロキサン単位の配列順は任意である。
1級、2級、又は3級アミノ基を1つ以上有する炭素原子数1〜20の有機基としては、アミノ基を1つ以上有する、炭素原子数1〜20の、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3の炭化水素基であり、アミノアルキル基及びアミノアリール基等が挙げられる。例えば、3−アミノプロピル基、N−メチル−3−アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基、N,N−ジメチル−3−アミノプロピル基、2−ピロリジル基、4−ピペリジル基、3−ウレイドプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、4−アミノフェニル基等が挙げられる。安定性の面から好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3のアミノアルキル基であり、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基が特に好ましい。
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基である。炭素原子数1〜10の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基が挙げられる。好ましくは上記式(1)、(2)、及び(3)の各々において、ケイ素原子に結合する基(R〜R10)のうち一分子中に少なくとも1は一価炭化水素基であるのがよく、さらに好ましくはケイ素原子に結合する全てが一価炭化水素基であるのがよい。耐候性の面から、炭素原子数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が特に好ましい。
上記式(1)においてmは1〜3の整数である。上記式(2)におけるシロキサンの繰り返し単位数(n)及び式(3)におけるシロキサンの繰り返し単位数(k+j)は、3〜500であるのがよく、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜100、さらに好ましくは20〜100である。シロキサン単位数が当該範囲内であることにより、疎水性CNFの分散安定性を確保することができる。シロキサン単位数が上記上限値より多いと、疎水性CNFのうちのCNF部分の割合が低くなるため好ましくない。
特に直鎖状シロキサン鎖の片末端にのみアミノ基を有する式(2)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。該オルガノポリシロキサンはCNF間で架橋を形成せず、加えて、直鎖状シロキサン鎖が螺旋構造を取ることで分子間相互作用を抑制する。そのため、該オルガノポリシロキサンが結合した疎水性CNFは有機溶媒への分散性に特に優れる。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン[HNCSi(OSiMe]が挙げられる。式(2)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、片末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン[NH−C−SiMeO−(SiMeO)−SiBuMe]が挙げられる。式(3)で表されるオルガノポリシロキサンとしては側鎖アミノ変性シリコーンオイル等が挙げられ、例えば、信越化学工業社製のKF−868、KF−865、KF−864、KF−859、KF−393、KF−860、KF−880、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−8021、KF−869、KF−861、KF−877、及びKF−889等が挙げられる。なお、Meはメチル基、Buはn−ブチル基を表す(以下同様)。
本発明は、上述の通り、アミノ基を少なくとも一つ有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンのアミノ基と、上記したカルボキシ基含有CNFのカルボキシ基とがイオン結合してなる疎水性CNFを提供する。該疎水性CNFは、すなわち、表面にオルガノポリシロキサンを有するカルボン酸−アミン塩型CNFである。オルガノポリシロキサンによりCNF表面が疎水化され、有機溶媒への分散性を付与される。
本発明の疎水性CNFにおけるオルガノポリシロキサン含有割合は10〜90%であることが好ましく、より好ましくは15〜70%、さらに好ましくは20〜50であるのがよい。当該範囲内でシロキサンを有することにより、十分な疎水性を有し、有機溶媒への分散性が向上する。尚、該疎水性CNFにおけるオルガノポリシロキサン含有割合は、固体NMR、FT−IRで検出される各成分固有のピークの比から見積もることが出来る。
本発明はさらに疎水性CNFを含む有機溶媒分散液を提供する。有機溶媒は、低極性有機溶媒でも高極性有機溶媒でも、その混合でもよい。有機溶媒としては、エーテル、ケトン、アルコール等の高極性有機溶媒及びトルエン、キシレン等の低極性有機溶媒が挙げられる。本発明の疎水性CNFは有機溶媒への分散性に優れ、トルエン、キシレン等の低極性有機溶媒への分散性も良好である。後述する製造方法において工程3で使用するテトラヒドロフラン(THF)、アセトン、及びイソプロピルアルコール(IPA)等の極性有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒分散液中における疎水性CNFの濃度は、0.01〜50重量%であればよく、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.3〜10重量%であるのがよい。疎水性CNFは後述する解繊装置を用いて有機溶媒に分散させればよい。
本発明は、更に下記工程1〜4を含む、上記疎水性CNFの有機溶媒分散液の製造方法を提供する。
工程1:カルボン酸塩を有するセルロースナノファイバーを水系溶媒に分散させた分散物に酸を添加してカルボキシ基含有セルロースナノファイバーとし、第1のゲルを得る工程、
工程2:前記第1のゲルを水洗浄する工程、
工程3:前記工程2で得られるゲル中の水系溶媒を極性有機溶媒で置換し、第3のゲルを得る工程、
及び、
工程4:前記第3のゲル、アミノ基を少なくとも1つ有し且つアルコキシシリル基を有さないオルガノポリシロキサン、及びさらに有機溶媒を混合し、解繊して疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液を得る工程
また本発明は、更に上記工程4の後に有機溶媒を除去して疎水性セルロースナノファイバーを得る工程5を更に含む、前記疎水性セルロースナノファイバーの製造方法を提供する。
以下、各工程について、より詳細に説明する。
<工程1>
工程1は、カルボン酸塩を有するCNFを水系溶媒に分散させた分散物に酸を添加して、カルボキシ基を有するCNF(以下、第一のゲルと称する)とする工程である。
カルボン酸塩含有CNFの水分散液とは、好ましくは、セルロースの一部であるC6位の1級水酸基がカルボン酸アルカリ金属塩(例えば、カルボキシ基のナトリウム塩)に酸化されたCNFが水溶媒中、或いは水とアルコールの混合溶媒中に均一に分散されたものである。表面にカルボン酸アルカリ金属塩を有するCNFは、水中ではカルボン酸がイオン化し、カルボン酸イオン同士の荷電反発力によりCNFを良好に分散させることができる。
このようなカルボン酸アルカリ金属塩含有CNFとしては、例えば、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル)酸化型CNFが知られている。該TEMPO酸化型CNFの製造は特許文献5に記載の方法に従えばよい。例えば、天然セルロース原料を用い、水系溶媒中においてTEMPO等のN−オキシル化合物と、アルカリ金属臭化物と、酸化剤とを作用させることで酸化処理し、セルロースの水酸基をカルボン酸塩にする方法である。また、市販品としてセレンピア(日本製紙社製、TEMPO酸化型CNF水分散液)等を用いてもよい。
工程1では、上記カルボン酸塩含有CNFに含まれるナトリウム等のアルカリ金属を、酸を添加し中和する事で水素に置換し、カルボン酸型の基(−COOH基)とする。
CNF水分散液に酸を加えて酸性にすると、CNFの分散性に寄与しているカルボン酸イオンが塩基となって水素を受け取り、カルボン酸型の基となる。その結果、カルボン酸イオン同士の荷電反発力が失われ、CNFが凝集してゲル化する。本発明においてこれを第1のゲルと称する。
酸の種類は特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、過酸化水素などの無機酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アジピン酸、セバシン酸、セバシン酸ソーダ、ステアリン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸、グルコン酸などの有機酸のいずれであっても用いることができる。酸によるCNFの変質や損傷を回避でき、廃液処理の容易さなどの観点から、塩酸を用いることが好ましい。
該工程は、CNFに含まれるカルボン酸アルカリ金属塩(例えば、カルボン酸ナトリウム塩)をカルボン酸型の基に、所望の置換率で置換するために、CNFを酸を加えた分散液に保持する。保持時間は、酸の種類や酸性溶液のpH、CNFの含有量等に応じて適宜設定すればよい。酸性溶液のpHが一定であれば、保持時間に応じてカルボン酸基への置換率は高くなる。
本発明において、カルボキシ基含有CNFのカルボキシ基含有量は、分散安定性や化学的な処理を容易にする観点から、カルボキシ基含有CNFの絶乾質量に対して0.1mmol/g〜3.0mmol/gであり、好ましくは0.4mmol/g〜2.0mmol/g、より好ましくは0.6mmol/g〜1.5mmol/gであるのがよい。上述した通り、カルボキシ基含有CNFのカルボキシ基含有量は、上記カルボン酸塩含有CNFの絶乾質量に対するカルボン酸塩の量からも求めることができる。カルボキシ基含有CNFの絶乾質量およびカルボン酸塩含有CNFの絶乾質量とは、それぞれ溶剤等を除外したカルボキシ基含有CNFおよびカルボン酸塩含有CNFの固形分質量である。
前記カルボン酸塩含有CNFの平均繊維径は、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂に含有させて樹脂組成物とした時の機械的強度を十分に向上させると共に透明性を維持する観点から、好ましくは0.1nm〜1,000nm、より好ましくは0.2nm〜200nm、さらに好ましくは0.5nm〜100nm、さらに好ましくは0.8nm〜50nm、よりさらに好ましくは1nm〜20nmである。
前記カルボン酸塩含有CNFの平均繊維長は、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂に含有させて樹脂組成物とした時の機械的強度を十分に向上させると共に分散性を維持する観点から、好ましくは100〜3,000nmであり、より好ましくは150〜1,500nm、更に好ましくは200nm〜1,000nmである。
前記カルボン酸塩含有CNF水分散液中のCNF濃度は、0.05重量%〜2重量%の範囲とすることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%〜1.5重量%であるのがよい。水分散液において用いる水系溶媒は、典型的には水であるのがよいが、20重量%未満の水と相溶性のアルコール等の有機溶媒と水との混合溶媒であってもよい。分散装置(解繊装置)は特に制限されず、ホモジナイザー等公知の装置を適宜用いればよい。
<工程2>
工程2は、前記工程1で得たカルボキシ基含有CNFのゲル(第1のゲル)を洗浄する工程である。洗浄操作は従来公知の方法に従えばよい。例えば、前記工程1において得られた第1のゲルをろ集し、弱酸性より大きい酸性度(pH)の水(例えば蒸留水)で洗浄することで酸と副生成物(塩酸を用いた場合にはアルカリ金属の塩化物)を除去する方法が挙げられる。尚、弱酸性より大きい酸性度(pH)の水とは、弱酸性から弱アルカリ性が好ましく、中性に近づくとより好ましい。より詳細には、分散させる水のpHは4〜10が好ましく、5〜9がより好ましく、5〜7が更に好ましい。本工程はろ液が添加した酸よりも大きなpHを示すまで繰り返す事が好ましく、ろ液のpHが1以上になるまで繰り返す事がより好ましく、ろ液のpHが2以上になるまで繰り返す事がさらに好ましい。当該工程により、分散媒が水系溶媒であるカルボキシ基含有CNFのゲルを得る。
<工程3>
工程3は、前記工程2で得たカルボキシ基含有CNFのゲルを含む水系溶媒を極性有機溶媒で置換する。本工程は、後述の工程4において、水と相溶性の低いオルガノポリシロキサンとCNFを効果的に反応させる為に重要であり、水との相溶性に優れ、且つオルガノポリシロキサンとの相溶性にも優れる極性有機溶媒で、水を置換するのが好ましい。溶媒置換操作の例としては、前記工程2と同様に、前記工程2において得られたゲルをろ集し、極性有機溶媒で洗浄する方法が挙げられる。本工程はろ液の水分量が10重量%以下になるまで繰り返す事が好ましく、ろ液の水分量が5重量%以下になるまで繰り返す事がより好ましく、ろ液の水分量が1重量%以下になるまで繰り返す事がさらに好ましい。
極性有機溶媒としては、水およびオルガノポリシロキサンに対して相溶性を有するプロトン性極性溶媒及び非プロトン性極性溶媒であればよい。たとえば、エーテル、ケトン、及びアルコール等が挙げられる。相溶性、留去容易性の観点から、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、及びイソプロピルアルコール(IPA)等を用いる事が好ましい。当該工程により、分散媒が極性有機溶媒であるカルボキシ基含有CNFのゲル(本発明においてこれを第2のゲルと称する)が得られる。
本工程で得られる第2のゲル中のカルボキシ基含有CNF濃度は、0.1重量%〜3重量%の範囲であるのが好ましい。さらに好ましくは0.5重量%〜2.5重量%である。この範囲にあることにより、第2のゲルは後述の工程4において優れた分散性を示す。
<工程4>
工程4は、前記第2のゲル、アミノ基を少なくとも1つ有し且つアルコキシシリル基を有さないオルガノポリシロキサン、及びさらに有機溶媒を混合及び解繊して、疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液を得る工程である。該工程により、オルガノポリシロキサンのアミノ基がカルボキシ基含有CNFのカルボキシ基とイオン結合して、表面にオルガノポリシロキサンを有するカルボン酸−アミン塩型CNFとなる。オルガノポリシロキサンによりCNF表面が疎水化され、有機溶媒への分散性を付与される。
アミノ基を少なくとも1つ有し且つアルコキシシリル基を有さないオルガノポリシロキサンについての詳細は、上述した通りである。カルボキシ基含有CNFと反応させるアミノ基含有オルガノポリシロキサンの量は、前記カルボキシ基含有CNF中のカルボキシ基の数に対する前記オルガノポリシロキサン化合物中のアミノ基の数の比([アミノ基]/[カルボキシ基])が0.3以上となる量であり、好ましくは0.3〜5.0であり、より好ましくは0.3〜1.0の範囲である。当該範囲の量で反応させることにより、CNFに対して十分な疎水性を付与することができ、有機溶媒への分散性を向上することができる。アミノ基含有オルガノポリシロキサンの量比が上記値未満では、有機溶媒中への分散性が不十分なものとなる。
工程4における有機溶媒としては、前記第2のゲル中に含まれる極性有機溶媒と前記シロキサン化合物との双方に対して相溶性を有する溶媒であればよく、エーテル、ケトン、アルコール等の高極性有機溶媒及びトルエン、キシレン等の低極性有機溶媒を使用することができる。
混合及び解繊(分散)に用いる装置としては、例えば、家庭用ミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、二軸混練り装置、石臼等の解繊装置を用いることができる。特に、各種ホモジナイザーや各種レファイナーのような強力で叩解能力のある解繊装置を用いることにより効率的にCNF分散液を得ることができる。
<工程5>
本発明は、更に上記工程4の後に有機溶媒を除去して疎水性セルロースナノファイバーを得る工程5を更に含む、前記疎水性セルロースナノファイバーの製造方法を提供する。本工程により固体の疎水性CNFを得ることができる。有機溶媒を除去する方法としては、減圧濃縮や限外ろ過等の公知の方法を用いる事ができる。
また、前記工程5により得られる疎水性CNFは、前記解繊装置を用いて有機溶媒に再分散させることができる。特に、前記式(2)で表されるオルガノポリシロキサン化合物で処理されたCNFはトルエン、キシレン等の極性の低い有機溶媒への再分散性に優れる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[調製例1]
<CNF/THFゲルの製造>
(工程1)1.3wt%のTEMPO酸化型CNF水分散液(カルボン酸ナトリウム塩含有CNFの水分散液、日本製紙社製、数平均繊維長:600nm、数平均繊維径:4nm)100gとイオン交換水100gを500mlビーカーに秤量し、ホモジェナイザー(ヒスコトロン「NS−56S」、オープン型ジェネレーターシャフト「NS−30U」、株式会社マイクロテック・ニチオン社製)を用いて回転数10,000rpmで混合した。ビーカーに撹拌子を入れ、スターラーを用いて撹拌しながら濃塩酸5gを滴下した。10分間撹拌を続け、生じた酸化CNFゲル(カルボキシ基含有CNF)をろ過により回収した。
(工程2)回収したゲルを再度500mlビーカーに移し、イオン交換水200gを加えて30分間撹拌し、ろ過によって回収する操作を3回繰り返した。
(工程3)その後、THF200gを加えて30分間撹拌し、再度ろ過によって回収する操作を3回繰り返すことでTHFによって膨潤したカルボキシ基含有CNFゲル(CNF/THFゲル)を得た。ゲル中のカルボキシ基含有CNF重量は1.9wt%であり、カルボキシ基量はCNF絶乾質量に対して1.6mmol/gであった。得られたゲルを100℃のオーブンで3時間乾燥した後のカルボキシ基含有CNF固体のIR吸収スペクトルを図1に示した。
<CNFの有機溶媒分散液の製造>
[実施例1]
調製例1で得たCNF/THFゲル5gを300mlビーカーに秤量し、24mgの3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(HNCSi(OSiMe、アミン当量:354g/mol、カルボキシ基含有CNF中のカルボキシ基の個数に対するアミノ基の個数:[アミノ基]/[カルボキシ基]=0.44)を滴下し、薬匙で混合した。そこにトルエン20gを加え、ホモジェナイザー(ヒスコトロン「NS−56S」、オープン型ジェネレーターシャフト「NS−30U」、株式会社マイクロテック・ニチオン社製)を用いて回転数10,000rpmで混合・解砕処理を10分間行い、疎水性CNF分散液を得た(工程4)。分散媒はトルエン及びTHFである。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。得られた分散液を100℃のオーブンで3時間乾燥した後の疎水性CNF固体のIR吸収スペクトルを図1に示した。
[実施例2]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(HNCSi(OSiMe)の滴下量を48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.88)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。得られた分散液を100℃のオーブンで3時間乾燥する事で得られた疎水性CNF固体のIR吸収スペクトルを図1に示した。
[実施例3]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(HNCSi(OSiMe)の滴下量を240mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=4.40)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。得られた分散液を100℃のオーブンで3時間乾燥する事で得られた疎水性CNF固体のIR吸収スペクトルを図1に示した。
[実施例4]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル(HNC(SiMeO)SiBuMe、アミン当量:484g/mol)を24mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.32)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例5]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル(HNC(SiMeO)SiBuMe、アミン当量:484g/mol)を48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.65)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例6]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル(HNC(SiMeO)10SiBuMe、アミン当量:900g/mol)を48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.35)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例7]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル(HNC(SiMeO)10SiBuMe、アミン当量:900g/mol)を137mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=1.00)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例8]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル([HNC(SiMeO)60SiBuMe]、アミン当量:4,800g/mol)を366mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.50)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例9]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル([HNC(SiMeO)60SiBuMe]、アミン当量:4,800g/mol)を731mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=1.00)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例10]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを側鎖ジアミノ変性シリコーンオイル(KF−393、信越化学工業社製、アミン当量:350g/mol、シロキサンの重合度(k+j)=30〜40)を36mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.67に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例11]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを側鎖ジアミノ変性シリコーンオイル(KF−393、信越化学工業社製、アミン当量:350g/mol)を48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.89)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[実施例12]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを側鎖アミノ変性シリコーンオイル(KF−864、信越化学工業社製、アミン当量:3,800g/mol、シロキサンの重合度(k+j)≒400〜500)240mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.41)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、疎水性CNF分散液を得た。疎水性CNF分散液中の疎水性CNFの濃度を表1に記載する。
[比較例1]
調製例1で得られたCNF/THFゲルを5g秤量し、そこにトルエン20gを加え、ホモジェナイザー(ヒスコトロン「NS−56S」、オープン型ジェネレーターシャフト「NS−30U」、株式会社マイクロテック・ニチオン社製)を用いて回転数10,000rpmで混合・解砕処理を10分間行い、カルボキシ基含有CNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例2]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(HNCSi(OSiMe)の滴下量を10mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.18)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例3]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル([HNC(SiMeO)SiBuMe]、アミン当量:484g/mol)を10mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.13)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例4]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを片末端アミノ変性シリコーンオイル([HNC(SiMeO)10SiBuMe]、アミン当量:900g/mol)37mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.26)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例5]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを側鎖アミノ変性シリコーンオイル(KF−864、信越化学工業社製、アミン当量:3,800g/mol)48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=0.08)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例6]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを側鎖ポリエチレンオキシド変性シリコーンオイル(KF−642、信越化学工業社製)48mgに変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例7]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランをn−ブチルアミン(アミン当量:73g/mol)48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=4.28)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例8]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランをt−ブチルアミン(アミン当量:73g/mol)48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=4.28)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
[比較例9]
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランをアミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業社製、アミン当量:179g/mol)48mg([アミノ基]/[カルボキシ基]=1.75)に変更した以外は実施例1の工程を繰り返し、カルボン酸−アミン塩を有するCNF、トルエン、及びTHFの混合物を得た。混合物中のCNFの濃度を表2に記載する。
<分散性>
実施例1−12で得られたCNF分散液、比較例1−9で得られた混合物について、目視によってCNFの沈降の有無を確認した。沈降が確認されなかった場合を○、沈降が確認された場合を×として評価した。結果を表1および表2に示す。
<耐熱性>
実施例1−12で得られたCNF分散液および比較例1で得られた混合物を100℃のオーブンで3時間乾燥させた。得られたCNF固体について、熱重量測定装置(Rigaku社製、Thermo Plus)を用いた窒素下での測定において重量が10%減少する温度を10%重量減少温度(Tg10)として評価した。結果を表1および表2に示す。
また、比較例1のCNF、実施例1、実施例4、実施例6、実施例8、及び実施例10で得た疎水性CNFの重量減少曲線を図2に示す。
<耐黄変性>
実施例1−12で得られたCNF分散液および比較例1で得られた混合物を100℃のオーブンで12時間乾燥し、目視により観察を行って下記の基準により評価した。結果を表1および表2に示す。
◎:黄変が見られない
○:黄変が僅かに確認される
×:明らかに黄変が見られる
[実施例13]
実施例7で調製した疎水性CNF分散液中の分散媒を80℃で減圧留去し、疎水性CNF固体を得た。その後、再び固形分が0.1wt%になるようにトルエンを加え、超音波解砕を行う事で再分散性を評価した。その結果、疎水性CNFはトルエン中に沈降無く均一に分散した。
[実施例14]
実施例8で調製した疎水性CNF分散液中の分散媒を80℃で減圧留去し、疎水性CNF固体を得た。その後、再び固形分が0.1wt%になるようにトルエンを加え、超音波解砕を行う事で再分散性を評価した。その結果、疎水性CNFはトルエン中に沈降無く均一に分散した。
[実施例15]
実施例9で調製した疎水性CNF分散液中の分散媒を80℃で減圧留去し、疎水性CNF固体を得た。その後、再び固形分が0.1wt%になるようにトルエンを加え、超音波解砕を行う事で再分散性を評価した。その結果、疎水性CNFはトルエン中に沈降無く均一に分散した。
図1に示す通り、調製例1および実施例1−3で得られたCNF固体のIRスペクトルにおいて、カルボン酸(−COOH)由来の1700cm−1付近のピークが、アミノ基含有オルガノポリシロキサンの添加量増加に伴って減少し、カルボン酸塩(−COO)由来の1600cm−1付近のピークが増加していることが確認された。このことは、カルボキシ基含有CNFのカルボキシ基とアミノ基含有オルガノポリシロキサンのアミノ基とのイオン結合の形成を示唆している。
上記表2の比較例1−5に示す通り、CNFに含まれるカルボキシ基の個数に対する、シロキサン化合物に含まれるアミノ基の個数の比([アミノ基]/[カルボキシ基])が0.30未満であると、得られるCNFはトルエン中への分散性が悪く、CNFの疎水化が十分でない。これに対し、上記表1に示す通り、実施例1−12において得られた疎水性CNFは、トルエン溶媒中において優れた分散性を示し、高度に疎水化されている。
また、比較例5のようにアミノ基を含まないシリコーンオイルでは分散性の改善が見られない。すなわち、本発明の疎水化CNFにおいて、オルガノシロキサンのアミノ基がCNFのカルボキシ基とイオン結合することがCNF疎水化に効果的に作用している。
さらに、比較例7や比較例8に示すように、シロキサン成分を含まないアルキルアミンによる処理ではCNFの分散性は改善されない。これに対し、上記の通り、本発明の疎水性CNFは優れた分散性を示しており、本発明の疎水化CNFにおいてシロキサン構造特有の優れた疎水性及び分散性が、CNFの疎水化、及び有機溶媒への分散性に寄与している。
また、比較例9に示すように、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤による処理ではCNFの分散性は改善されない。この原因としては、シランカップリング剤中のアルコキシシリル基間の縮合やCNF上に存在するヒドロキシル基とアルコキシシリル基が反応することでCNF間の架橋が進行してしまった為であると考えられる。
加えて、比較例1で調製した表面処理を施していないCNFと比較して、実施例1−12の疎水性CNFは10%重量減少温度が10℃以上向上している。特に、表1に示す通り、シロキサン構造の比率が多い(即ち、シロキサン繰り返し単位数が多い)アミノ基含有シロキサン化合物で処理するほど耐熱性が向上する傾向にある。また、加熱時の黄変を抑制する効果も有しており、シロキサンの優れた耐候性がCNFに付与される。
さらに、実施例13−15にて確認された通り、直鎖状シロキサン鎖の片末端にのみアミノ基を有するオルガノポリシロキサンを用いた疎水性CNF固体は、トルエンなどの無極性溶媒に対して優れた再分散性を示す。
以上の結果から、本発明の疎水性CNFは、疎水性材料に対して高い分散性を有する事が期待でき、CNFの各種低極性溶媒や樹脂への複合化に有効である。
本発明によれば、従来困難であったCNFの有機溶媒への分散、特に非プロトン性有機溶媒への分散を簡便な手法で行うことができる。本発明の疎水性CNFは、極性の低い有機溶媒にも分散可能である為、広範な塗料や樹脂との複合化も容易に行うことができる。したがって、本発明は当該分野の産業発展に資する。

Claims (8)

  1. カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーと、少なくとも1のアミノ基を有し且つアルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンとが結合してなる疎水性セルロースナノファイバーであって、前記カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーがカルボキシ基含有量0.1mmol/g〜3.0mmol/gを有し、当該セルロースナノファイバーと前記オルガノポリシロキサンとを、該セルロースナノファイバーのカルボキシ基の個数に対する前記オルガノポリシロキサンのアミノ基の個数比が0.3以上となる配合比で結合させて成る、疎水性セルロースナノファイバー。
  2. 前記オルガノポリシロキサンが、下記式(1)、下記式(2)又は下記式(3)で表される、請求項1に記載の疎水性セルロースナノファイバー。

    X−Si(OSiR 3−m (1)
    X−SiR O−(SiR O)−SiR (2)
    SiO−[(SiXRO)−(SiR10 O)]−SiR (3)

    (式中、Xは、1級、2級、又は3級アミノ基を1つ以上有する、炭素原子数1〜20の有機基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、mは1〜3の整数であり、nは3〜500の整数であり、kは1以上の整数であり、jは0以上の整数であり、k+j≦500であり、kおよびjが付された括弧を付されたシロキサン単位の配列順は任意である)。
  3. 前記オルガノポリシロキサンが前記式(2)で表される化合物であって、Xは炭素原子数1〜6のアミノアルキル基であり、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、nは10〜100の整数である、請求項2に記載の疎水性セルロースナノファイバー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の疎水性セルロースナノファイバーを含む有機溶媒分散液。
  5. 下記工程1〜4を含む、疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液の製造方法であって、
    工程1:カルボン酸塩を有するセルロースナノファイバーを水系溶媒に分散させた分散物に酸を添加してカルボキシ基含有セルロースナノファイバーとし、第1のゲルを得る工程、
    工程2:前記第1のゲルを水で洗浄する工程、
    工程3:前記工程2で得られるゲル中の水系溶媒を極性有機溶媒で置換し、第2のゲルを得る工程、
    及び、
    工程4:前記第2のゲル、アミノ基を少なくとも1つ有し且つアルコキシシリル基を有さないオルガノポリシロキサン、及びさらに有機溶媒を混合してセルロースナノファイバーを解繊して、疎水性セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液を得る工程を含み、
    前記カルボキシ基含有セルロースナノファイバーが0.1mmol/g〜3.0mmol/gとなる量のカルボキシ基を有し、前記工程4において混合するオルガノポリシロキサンの量が、前記カルボキシ基含有セルロースナノファイバー中のカルボキシ基の数に対する該オルガノポリシロキサン中のアミノ基の数の個数比0.3以上となる量であることを特徴とする、前記製造方法。
  6. 前記オルガノポリシロキサンが、下記式(1)、下記式(2)又は下記式(3)で表される、請求項5に記載の製造方法。

    X−Si(OSiR 3−m (1)
    X−SiR O−(SiR O)−SiR (2)
    SiO−[(SiXRO)−(SiR10 O)]−SiR (3)

    (式中、Xは、1級、2級、又は3級アミノ基を1つ以上有する、炭素原子数1〜20の有機基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、mは1〜3の整数であり、nは3〜500の整数であり、kは1以上の整数であり、jは0以上の整数であり、k+j≦500であり、kおよびjが付された括弧を付されたシロキサン単位の配列順は任意である)。
  7. 前記オルガノポリシロキサンが前記式(2)で表される化合物であって、Xは炭素原子数1〜6のアミノアルキル基であり、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、nは10〜100の整数である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の製造方法において、工程4の後に有機溶媒を除去して疎水性セルロースナノファイバーを得る工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の疎水性セルロースナノファイバーの製造方法。
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