WO2022014663A1 - 樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電特性が優れた樹脂組成物及びその成形品を提供する。 【解決手段】全芳香族ポリエステル及びマイカを含有し、全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として、所定の構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV): (式中、Ar及びArは、それぞれ独立して、アリーレン基を表す) を含有し、 全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して、構成単位(I)の含有量が40~75モル%であり、構成単位(II)の含有量が0.5~7.5モル%であり、構成単位(III)の含有量が8.5~30モル%であり、構成単位(IV)の含有量が8.5~30モル%であり、全芳香族ポリエステルの含有量が樹脂組成物の全量に対して50~95質量%であり、マイカの含有量が樹脂組成物の全量に対して5~50質量%であり、測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下である、樹脂組成物とする。

Description

樹脂組成物及びその成形品
 本発明は、樹脂組成物及びその成形品に関する。
 全芳香族ポリエステル樹脂に代表される液晶性樹脂は、優れた機械的強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等をバランス良く有し、優れた寸法安定性も有するため高機能エンジニアリングプラスチックとして広く利用されている。一方、近年、携帯電話;無線LAN;GPS、VICS(登録商標)、ETC等のITS技術等の情報通信分野において著しい技術発達がなされている。これに応じて、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において適用できる高性能な高周波対応電子部品のニーズが強くなっている。このような電子部品を構成する材料は、個々の電子部品の設計に応じて、適切な誘電特性を有することが求められている。伝送損失の低下を防ぐ観点からは、誘電率及び/又は誘電正接が低い材料であることが求められている。特許文献1には、液晶性樹脂と所定のアスペクト比を有する中空フィラーとを含む低誘電率の液晶性樹脂組成物が提案されている。
国際公開第2017/179474号パンフレット
 本発明は、誘電特性が優れた樹脂組成物及びその成形品を提供することを課題とする。
 全芳香族ポリエステル樹脂等の液晶性樹脂は、誘電特性が優れているため、高性能な高周波対応電子部品への利用が期待されている。一方、液晶性樹脂を射出成形用途で使用する場合、機械的強度、低そり性等の各種特性を向上させるために無機充填剤を配合することが多いが、無機充填剤を配合すると誘電特性は悪化する傾向にある。特許文献1では、所定のアスペクト比を有する中空フィラーを配合することで、低誘電率を実現し誘電特性の悪化を抑制している。本発明者の研究により、所定の構成単位を有する全芳香族ポリエステル樹脂にマイカを配合した場合は、誘電正接が低くなり誘電特性の悪化を抑制できることが分かった。
 本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を有する。
[1]全芳香族ポリエステル及びマイカを含有し、全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として、下記構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV):
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立して、アリーレン基を表す)
を含有し、全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して、構成単位(I)の含有量が40~75モル%であり、構成単位(II)の含有量が0.5~7.5モル%であり、構成単位(III)の含有量が8.5~30モル%であり、構成単位(IV)の含有量が8.5~30モル%であり、
 全芳香族ポリエステルの含有量が樹脂組成物の全量に対して50~95質量%であり、
 マイカの含有量が樹脂組成物の全量に対して5~50質量%であり、
 測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下である、樹脂組成物。
[2]測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.001以下である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]全芳香族ポリエステル中の構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量が100モル%である、[1]から[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]アンテナ基板又は高速通信用コネクタ製造用である、[1]から[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]アンテナ基板又は高速通信用コネクタを製造するための、[1]から[4]のいずれかに記載の樹脂組成物の使用。
[7][1]から[5]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、成形品。
[8]アンテナ基板又は高速通信用コネクタである、[7]に記載の成形品。
 本発明によれば、誘電特性が優れた樹脂組成物及びその成形品を提供することができる。
実施例及び比較例の樹脂組成物の誘電特性を評価するために用いた試験片の作製方法を示す説明図である。 実施例及び比較例の樹脂組成物の成形安定性を評価するために用いた金型の形状を示す説明図であり、(a)は全体の平面図であり、(b)は金型の寸法を示す部分的な平面図であり、(c)は金型の寸法を示す側面図であり、(d)は金型の構成を示す側面図である。なお、図中の数値の単位はmmである。「PL」はパーティングラインを表す。「トンネルゲート」は、金型が有するトンネル型のゲートを表す。
 以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[樹脂組成物]
 本実施形態に係る樹脂組成物は、全芳香族ポリエステル及びマイカを含有する。
(全芳香族ポリエステル)
 全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として、下記構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV):
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立して、アリーレン基を表す。)
を含有する。
 全構成単位に対して構成単位(I)の含有量は40~75モル%であり、全構成単位に対して構成単位(II)の含有量は0.5~7.5モル%であり、全構成単位に対して構成単位(III)の含有量は8.5~30モル%であり、全構成単位に対して構成単位(IV)の含有量は8.5~30モル%である。
 構成単位(I)は、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(以下、「HNA」ともいう。)から誘導される。全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(I)を40~75モル%含む。構成単位(I)の含有量が40モル%未満であると、融点が低下し、耐熱性が不足する。また、樹脂組成物の誘電正接の値が高くなる。構成単位(I)の含有量が75モル%を超えると、重合時に固化が発生し、ポリマーが得られない。耐熱性と重合性の観点から、構成単位(I)の含有量は、好ましくは40~70モル%であり、より好ましくは40~65モル%であり、更に好ましくは40~63モル%であり、より更に好ましくは40~62モル%であり、特に好ましくは40~60モル%である。
 構成単位(II)は、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸及び4-ヒドロキシ安息香酸(以下、「HBA」ともいう。)から選択される1以上のヒドロキシ安息香酸から誘導される。構成単位(II)は、3-ヒドロキシ安息香酸及び4-ヒドロキシ安息香酸から選択される1以上から誘導されることが好ましく、4-ヒドロキシ安息香酸(HBA)から誘導されることがより好ましい。
 構成単位(II)は、以下:
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
から選択される少なくとも1つの構造を有していることが好ましい。
 全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(II)を0.5~7.5モル%含む。構成単位(II)の含有量が0.5モル%未満であると、重合時に固化が発生し、ポリマーを排出できない。構成単位(II)の含有量が7.5モル%を超えると、融点が低下し、耐熱性が不足する。また、構成単位(II)の含有量が7.5モル%を超えると、樹脂組成物の誘電正接の値が高くなる。耐熱性と重合性の観点から、構成単位(II)の含有量は、好ましくは0.5~7.0モル%であり、より好ましくは1.0~7.0モル%であり、更に好ましくは1.2~7.0モル%であり、より更に好ましくは1.5~6.5モル%であり、特に好ましくは2.0~6.0モル%である。
 構成単位(III)において、Arは、アリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば、p-フェニレン基、m-フェニレン基、o-フェニレン基、置換フェニレン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基等が挙げられる。構成単位(III)は、芳香族ジカルボン酸から誘導される。例えば、構成単位(III)は、1,4-フェニレンジカルボン酸(以下、「テレフタル酸」又は「TA」ともいう。)、1,3-フェニレンジカルボン酸(以下、「イソフタル酸」又は「IA」ともいう。)、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体から誘導される。構成単位(III)は、1,4-フェニレンジカルボン酸、1,3-フェニレンジカルボン酸、及び2,6-ナフタレンジカルボン酸から選択される1以上から誘導されることが好ましく、1,4-フェニレンジカルボン酸及び/又は1,3-フェニレンジカルボン酸から誘導されることがより好ましく、1,4-フェニレンジカルボン酸から誘導されることがさらに好ましい。
 構成単位(III)は、以下:
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
から選択される少なくとも1つの構造を有していることが好ましい。
 全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(III)を8.5~30モル%含む。構成単位(III)の含有量が8.5モル%未満、または30モル%を超えると、低融点化及び耐熱性の少なくとも一方が不十分となりやすい。低融点化と耐熱性との両立の観点から、構成単位(III)の含有量は、好ましくは10~30モル%であり、より好ましくは12~28モル%であり、更に好ましくは14~28モル%であり、より更に好ましくは15~28モル%であり、特に好ましくは17~27モル%である。
 構成単位(IV)において、Arは、アリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば、p-フェニレン基、m-フェニレン基、o-フェニレン基、置換フェニレン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジイル、ビフェニル-3,4’-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン1,4-ジイル等が挙げられる。構成単位(IV)は、芳香族ジオールから誘導される。例えば、構成単位(IV)は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(以下、「BP」ともいう。)、1,4-ジヒドロキシベンゼン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体から誘導される。構成単位(IV)は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、1,4-ジヒドロキシベンゼン、及び2,6-ジヒドロキシナフタレンから選択される1以上から誘導されることが好ましく、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(BP)から誘導されることがより好ましい。
 構成単位(IV)は、以下:
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000006
から選択される少なくとも1つの構造を有していることが好ましい。
 全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(IV)を8.5~30モル%含む。構成単位(IV)の含有量が8.5モル%未満、または30モル%を超えると、低融点化及び耐熱性の少なくとも一方が不十分となりやすい。低融点化と耐熱性との両立の観点から、構成単位(IV)の含有量は、好ましくは10~30モル%であり、より好ましくは12~28モル%であり、更に好ましくは14~28モル%であり、より更に好ましくは15~28モル%であり、特に好ましくは17~27モル%である。
 全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分である構成単位(I)~(IV)として、下記構成単位(I’)、(II’)、(III’)及び(IV’):
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000007
を含有することが好ましい。
 全芳香族ポリエステルは、構成単位(I)~(IV)以外の他の構成単位を有していてもよいが、高剛性及び高流動性の観点から、全構成単位に対して構成単位(I)~(IV)を合計で100モル%含むように構成することが好ましい。
 全芳香族ポリエステルは、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下であることが好ましい。構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を0.150モル%以下にすることで、重合反応時の昇華物の発生が少なく、射出成形時のゲート詰まりを抑制することができる。また、重合反応時の昇華物が重合容器の内壁等に析出堆積し、そこで重縮合したり、劣化したり、あるいは炭化したりしたものが、異物としてポリマーに混入することを抑制することもできる。構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差は、ゲート詰まりを抑制する観点、及び異物混入を抑制する観点から、0.145モル%以下であることが好ましく、0.140モル%以下であることがより好ましく、0.135モル%以下であることが更に好ましく、0.130モル%以下であることがより更に好ましく、0.125モル%以下であることが特に好ましい。
 次いで、全芳香族ポリエステルの性質について説明する。全芳香族ポリエステルは、溶融時に光学的異方性を示す。溶融時に光学的異方性を示すことは、全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることを意味する。
 本実施形態において、全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることは、全芳香族ポリエステルが熱安定性と易加工性を併せ持ち、優れた耐熱性及び成形性を有する成形品を与える上で不可欠な要素である。上記構成単位(I)~(IV)から構成される全芳香族ポリエステルは、構成成分及びポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本実施形態で用いるポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルに限られる。
 溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
 ネマチックな液晶性ポリマーは融点以上で著しく粘性低下を生じるので、一般的に融点又はそれ以上の温度で液晶性を示すことが加工性の指標となる。
 全芳香族ポリエステルの融点は、でき得る限り高い方が耐熱性の観点からは好ましいが、ポリマーの溶融加工時の熱劣化や成形機の加熱能力等を考慮すると、380℃以下であることが好ましい目安となる。全芳香族ポリエステルの融点は、耐熱性及び成形性の観点から、より好ましくは260~370℃であり、更により好ましくは270~370℃であり、特に好ましくは280~360℃である。
 なお、「融点」とは、示差走査熱量計で測定される融点Tm2を意味している。融点Tm2は、JIS K-7121(1999)に基づいた方法により、室温から20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)した際に観測される吸熱ピークにおけるピークトップの温度(融点Tm1)の測定後、(融点Tm1+40)℃で2分間保持し、次いで20℃/分の降温速度で室温まで冷却し、再度室温から20℃/分の昇温速度で加熱(2stRUN)した際に観測される2ndRUNの吸熱ピークにおけるピークトップの温度とする。
 全芳香族ポリエステルは、全芳香族ポリエステルの融点より10~40℃高いシリンダー温度、かつ、剪断速度1000/秒における溶融粘度が、1000Pa・s以下であることが好ましい。上記溶融粘度を1000Pa・s以下にすることで、樹脂組成物の成形時において、流動性が確保されやすく、充填圧力が過度になりにくい。全芳香族ポリエステルの溶融粘度は、流動性及び成形性の観点から、好ましくは4~500Pa・sであり、更により好ましくは4~250Pa・sであり、特に好ましくは5~100Pa・sである。なお、本明細書において、溶融粘度とは、ISO11443に準拠して測定した溶融粘度をいう。
 本明細書において、「融点より10~40℃高いシリンダー温度」で測定した溶融粘度とは、シリンダー温度が前記した融点Tm2よりも10~40℃高い温度のうち全芳香族ポリエステルの組成によって適宜選択したいずれか一の温度で測定した溶融粘度を意味しており、融点Tm2よりも10~40℃高い温度範囲の全てにおいて測定した溶融粘度が上記範囲内でなくともよい。溶融粘度の調整は、全芳香族ポリエステルの溶融重合時の最終重合温度を調整することで行うことができる。
 次いで、全芳香族ポリエステルの製造方法について説明する。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、直接重合法やエステル交換法等を用いて重合される。重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等、又はこれらの2種以上の組み合わせが用いられ、溶融重合法、又は溶融重合法と固相重合法との組み合わせが好ましく用いられる。
 重合反応の条件としては、上記の構成単位の重合が進行する条件であれば特に限定されず、例えば、反応温度200~380℃、最終到達圧力0.1~760Torr(すなわち、13~101,080Pa)であってもよい。
 一実施形態において、重合反応時の温度を140℃から360℃まで段階的に分けて(2段階以上、又は3段階以上に分けて)昇温させることができる。重合反応時の温度を140℃から360℃まで段階的に分けて昇温させることで、得られる全芳香族ポリエステル中の構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を容易に0.150モル%以下にすることができる。
 一実施形態において、140℃から200℃、200℃から270℃、270℃から360℃に分けて昇温速度を変更して昇温させることができる。
 一実施形態において、140℃から200℃への昇温速度を、0.4℃/分以上0.8℃/分未満にすることができる。200℃から270℃への昇温速度を、0.8℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。270℃から360℃への昇温速度を、0.4℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。
 本実施形態の全芳香族ポリエステルの製造方法は、高分子量化の観点から、芳香族ジカルボン酸の使用量(モル%)と芳香族ジオールの使用量(モル%)が等しいことが好ましい。なお、本実施形態の全芳香族ポリエステルの製造中に昇華物が発生することで、これらの含有量に差が生じる。
 本実施形態では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の脂肪酸無水物等が挙げられる。
 これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものとしては、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、トリス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(III)等の金属塩系触媒、1-メチルイミダゾール、4-ジメチルアミノピリジン等の有機化合物系触媒を挙げることができる。
 反応は、全原料モノマー(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ヒドロキシ安息香酸、芳香族ジカルボン酸、及び芳香族ジオール)、アシル化剤、及び触媒を同一反応容器に仕込んで反応を開始させることもできるし(一段方式)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ヒドロキシ安息香酸、及び芳香族ジオールの水酸基をアシル化剤によりアシル化させた後、芳香族ジカルボン酸のカルボキシル基と反応させることもできる(二段方式)。
 溶融重合は、反応系内が所定温度に達した後、減圧を開始して所定の減圧度にして行う。撹拌機のトルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系から全芳香族ポリエステルを排出する。
 上記重合方法により製造された全芳香族ポリエステルは、更に常圧又は減圧、不活性ガス中で加熱する固相重合により分子量の増加を図ることができる。
(マイカ)
 マイカは、板状無機充填剤として一般的に用いられている。本発明者の研究により、上記した全芳香族ポリエステルにマイカ以外の他の板状無機充填剤を添加した場合は樹脂組成物の誘電正接が高くなってしまうが、マイカを添加した場合は、驚くべきことに、誘電正接が低い樹脂組成物が得られることが分かった。
 マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。マイカとしては、白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等が挙げられるが、これらのうち色相が良好であり、低価格であるという点で白雲母が好ましい。
 マイカの製造において、鉱物を粉砕する方法としては、湿式粉砕法及び乾式粉砕法が知られている。湿式粉砕法とは、マイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕で本粉砕し、その後、脱水、乾燥を行う方法である。湿式粉砕法と比較して、乾式粉砕法は低コストで一般的な方法であるが、湿式粉砕法を用いると、鉱物を薄く細かく粉砕することがより容易である。後述する好ましい平均粒径及び厚みを有するマイカがより容易に得られるという理由で、薄く細かい粉砕物を使用することが好ましい。したがって、湿式粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好ましい。
 湿式粉砕法においては、被粉砕物を水に分散させる工程が必要であるため、被粉砕物の分散効率を高めるために、被粉砕物に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を加えることが一般的である。凝集沈降剤及び沈降助剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス(硫酸第ニ鉄と塩化第二鉄との混合物)、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄-シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄-シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH))、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(NaCO)等が挙げられる。これらの凝集沈降剤及び沈降助剤は、pHがアルカリ性又は酸性である。
 マイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を使用していないものが好ましい。凝集沈降剤及び/又は沈降助剤で処理されていないマイカを使用すると、樹脂組成物中のポリマーの分解が生じにくく、多量のガス発生やポリマーの分子量低下等が起きにくいため、成形品の性能をより良好に維持するのが容易である。
 マイカは、マイクロトラックレーザー回折法により測定した平均粒子径が10~100μmであるものが好ましく、平均粒子径が20~80μmであるものが特に好ましい。マイカの平均粒径が10~100μmであると成形時の樹脂組成物の流動性を確保しつつ、機械的強度及び低そり性を向上させることができる。
 マイカの厚みは、電子顕微鏡の観察により100個について実測した平均厚みが0.01~1μmであることが好ましく、0.03~0.3μmであることが特に好ましい。マイカの平均厚みが0.01~1μmであると、成形時の樹脂組成物の流動性を向上させることができる。
 マイカは、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、かつ/又は、結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
(含有量)
 全芳香族ポリエステルの含有量は、全樹脂組成物中に50~95質量%である。全芳香族ポリエステルの含有量を50~95質量%の範囲内にすることで、全芳香族ポリエステルが有する優れた流動性、剛性、機械強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等を十分に発現させることができる。樹脂組成物中の全芳香族ポリエステルの含有量は、耐熱性、高剛性、高流動性の観点から、好ましくは55~95質量%であり、より好ましくは60~90質量%である。
 マイカの含有量は、全樹脂組成物中に5~50質量%である。マイカの含有量を5~50質量%の範囲内にすることで、誘電正接が低く誘電特性に優れた樹脂組成物にすることができる。マイカの含有量は、より低い誘電正接を実現する観点から、好ましくは5~45質量%であり、より好ましくは10~45質量%である。
(離型剤)
 樹脂組成物には、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、一般的に入手可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪酸エステル類、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類、低分子量ポリオレフィン等が挙げられ、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル(例えば、ペンタエリスリトールテトラステアレート)が好ましい。
 離型剤の配合量としては、樹脂組成物において、0.1~3質量%の範囲が好ましい。離型剤の配合量が0.1質量%以上であると、成形時の離型性が向上するとともに、表面にめっき層を有する物品と接触してもめっき剥がれがより少ない成形品を得やすい。離型剤の配合量が3質量%以下であるとモールドデポジット(即ち、成形における金型への付着物をいう。)が低減しやすい。
(充填剤)
 樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、無機又は有機充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、繊維状、粉粒状、球状、マイカ以外の板状充填剤、及び中空充填剤等が挙げられる。
 繊維状充填剤としては、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、扁平ガラス繊維、低誘電ガラス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ケイ酸カルシウムウィスカー(ウォラストナイト)等が挙げられる。
 繊維状充填剤の配合量は、樹脂組成物の誘電正接が所定の範囲を超えない範囲で特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中に5~20質量%であることが好ましく、より好ましくは5~15質量%であり、さらに好ましくは5~10質量%である。繊維状充填剤を含まない構成にすることもできる。繊維状充填剤の含有量を全樹脂組成物中に5~20質量%にすることで、機械的強度を向上させることができる。
 粉粒状無機充填剤としては、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナなどの金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
 粉粒状充填剤の配合量は、樹脂組成物の誘電正接が所定の範囲を超えない範囲で特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中に5~20質量%であることが好ましく、より好ましくは5~15質量%であり、さらに好ましくは5~10質量%である。粉粒状充填剤を含まない構成にすることもできる。粉粒状充填剤の含有量を全樹脂組成物中に5~20質量%にすることで、成形収縮率の異方性を低減させることができる。
 中空充填剤としては、球状の中空体が挙げられ、例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、炭素バルーン、及び/又は各種炭素数のフラーレンが挙げられる。
 中空充填剤の配合量は、樹脂組成物の誘電正接が所定の範囲を超えない範囲で特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中に5~15質量%であることが好ましく、より好ましくは5~10質量%であり、さらに好ましくは5~8質量%である。球状充填剤を含まない構成にすることもできる。球状充填剤の含有量を全樹脂組成物中に5~15質量%にすることで、誘電率を低くすることができる。
 板状無機充填剤(マイカを除く)としては、ガラスフレーク、タルク、各種の金属箔等が挙げられる。
 板状充填剤(マイカを除く)の配合量は、樹脂組成物の誘電正接が所定の範囲を超えない範囲で特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中に5~20質量%であることが好ましく、より好ましくは5~15質量%であり、さらに好ましくは5~10質量%である。マイカ以外の板状充填剤を含まない構成にすることもできる。板状充填剤の含有量を全樹脂組成物中に5~20質量%にすることで、低そり性を向上させることができる。
 有機充填剤の例としては、芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維等が挙げられる。
 有機充填剤の配合量は、樹脂組成物の誘電正接が所定の範囲を超えない範囲で特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中に1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは1~15質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%である。有機充填剤を含まない構成にすることもできる。有機充填剤の含有量を全樹脂組成物中に1~20質量%にすることで、成形品の表面性を向上させることができる。
 上記各種の充填剤の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することができる。これらの無機及び有機充填剤は一種又は二種以上を併用することができる。
(その他の添加剤)
 樹脂組成物は、全芳香族ポリエステル以外のその他の樹脂や、酸化防止剤、安定剤、顔料、結晶核剤等の添加剤を含有していてもよい。その他の樹脂及び添加剤の含有量は、樹脂組成物中に20質量%以下であることが好ましい。
(樹脂組成物)
 本実施形態に係る樹脂組成物は、測定周波数3GHzにおける誘電正接が、0.002以下である。測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下であるので、誘電正接が低い成形品を与えることができる。樹脂組成物は、測定周波数3GHzにおける誘電正接が、好ましくは0.0015以下であり、より好ましくは0.001以下である。
 樹脂組成物の測定周波数3GHzにおける誘電正接を0.002以下にするためには、全芳香族ポリエステルにマイカを添加すること、並びに、全芳香族ポリエステルが所定の構成単位を含むこと及び各構成単位の含有量を上記した範囲にすることが重要である。
 マイカ以外の他の充填剤を含有する場合は誘電正接が高くなることがあるので、その含有量は、樹脂組成物の測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下となる範囲とする。マイカ以外の他の充填剤の含有量は、樹脂組成物の測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下となる範囲に容易に調整可能なように、例えば各充填剤の含有量がそれぞれ上記した範囲内から選択されることが好ましい。マイカ以外の他の充填剤の総含有量が、全樹脂組成物中に5~20質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは5~15質量%であり、特に好ましくは5~10質量%である。
 ガラス成分は誘電正接を高くさせることがあるので、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、扁平ガラス繊維、低誘電ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラス粉、ガラスバルーン、ガラスフレーク等のガラス成分を含む場合は、その含有量は、全樹脂組成物中に合計で20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
 一実施形態において、ガラスバルーンの含有量が、全樹脂組成物中に8質量%未満であることが好ましく、7.5質量%以下であることがより好ましい。
 測定周波数3GHzにおける誘電正接の測定方法は、樹脂組成物を用いて成形した80mm×80mm×厚さ1mmの平板状成形品から、樹脂の流動方向を長手方向として80mm×1mm×厚さ1mmの試験片を切り出した試験片を用いて、空洞共振器摂動法複素誘電率評価装置により測定する。
 樹脂組成物は、比誘電率が、好ましくは4.50以下であり、より好ましくは4.30以下であり、さらに好ましくは4.20以下である。比誘電率が4.50以下である場合は、低誘電率の成形品を与える樹脂組成物にすることができる。
 樹脂組成物の溶融粘度は、全芳香族ポリエステルの融点より10~40℃高いシリンダー温度、かつ、剪断速度1000/秒における溶融粘度として、1000Pa・s以下であることが好ましい。樹脂組成物の上記溶融粘度を1000Pa・s以下にすることで、流動性が確保されやすく、充填圧力が過度になりにくい。流動性及び成形性を確保する観点から、樹脂組成物の上記溶融粘度は、好ましくは4~500Pa・sであり、更により好ましくは4~250Pa・sであり、特に好ましくは5~100Pa・sである。
 樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で調製することができる。例えば、各成分を配合して、これらを1軸又は2軸押出機を用いて溶融混練処理することで、樹脂組成物の調製が行われる。
[用途]
 本実施形態に係る樹脂組成物は、耐熱性、高機械強度、高剛性及び高流動性を有しているので、種々の立体成形品、繊維、フィルム等に加工できる。例えば、コネクタ、CPUソケット、リレースイッチ部品、ボビン、アクチュエータ、ノイズ低減フィルターケース、電子回路基板又はOA機器の加熱定着ロール等の製造に好ましく用いることができる。中でも、この樹脂組成物は、誘電正接が低い成形品を与えることができるので、情報通信分野における部品、例えばアンテナ基板又は高速通信用コネクタの製造に好ましく用いることができる。
 情報通信分野における電子部品には、伝送損失が少ないことが求められる。伝送損失(a)は、以下の式:
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008
 により求められる。上記式において、ε’rは比誘電率であり、tanδは誘電性正接である。上記式からわかるように、伝送損失は誘電正接に比例する。本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電正接が低いので伝送損失を低減することができる。
[成形品]
 本実施形態に係る成形品は、上記樹脂組成物を成形して得ることができる。成形方法としては、特に限定されず一般的な成形方法を採用することができる。一般的な成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクション成形、インフレーション成形等の方法を例示することができる。
 成形品は、変形による破損を防ぐ観点から、ISO178に準拠して測定された曲げ弾性率が12,000MPa以上であることが好ましい。成形品は、変形による破損を防ぐ観点から、ISO178に準拠して測定された曲げ強度が、160MPa以上であることが好ましい。
 上記樹脂組成物を成形して得られる成形品は、耐熱性、高機械強度、高剛性及び高流動性を有しているので、種々の用途に用いることができる。例えば、成形品は、コネクタ、CPUソケット、リレースイッチ部品、ボビン、アクチュエータ、ノイズ低減フィルターケース、電子回路基板又はOA機器の加熱定着ロール等とすることができる。中でも、この成形品は、誘電正接が低いので、情報通信分野における部品、例えばアンテナ基板又は高速通信用コネクタとして好ましく用いることができる。
 以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の解釈が限定されるものではない。
[製造例1]
 撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
 (I)6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸 0.883モル(48モル%)(HNA)
 (II)4-ヒドロキシ安息香酸 0.037モル(2モル%)(HBA)
 (III)1,4-フェニレンジカルボン酸 0.46モル(25モル%)(TA)
 (IV)4,4’-ジヒドロキシビフェニル 0.46モル(25モル%)(BP)
 酢酸カリウム触媒 150ppm
 トリス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(III)触媒 150ppm
 無水酢酸 1.91モル(HBAとBPとの合計の水酸基当量の1.04倍)
 原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に表1に示す速度条件で昇温し、そこから20分かけて10Torr(すなわち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から生成物を排出し、ペレタイズしてペレット状のプレポリマーを得た。得られたプレポリマーを、窒素気流下、300℃で3時間、熱処理(固相重合)を行い、目的とする液晶性樹脂(全芳香族ポリエステル)を得た。
[製造例2]
 撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
 (I)6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸 157g(5モル%)(HNA)
 (II)4-ヒドロキシ安息香酸 1380g(60モル%)(HBA)
 (III)1,4-フェニレンジカルボン酸 484g(17.5モル%)(TA)
 (IV)4,4’-ジヒドロキシビフェニル 388g(12.5モル%)(BP)
 (V)N-アセチル-p-アミノフェノール 126(5モル%)(APAP)
 酢酸カリウム触媒 110mg
 無水酢酸 1659g
 原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(すなわち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から生成物を排出し、ペレタイズしてペレット状のプレポリマーを得た。得られたプレポリマーを、窒素気流下、300℃で2時間、熱処理(固相重合)を行い、目的とする液晶性樹脂(全芳香族ポリエステルアミド)を得た。
[製造例3]
 撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
 (II)4-ヒドロキシ安息香酸(HBA):1347g(60モル%)
 (III)1,4-フェニレンジカルボン酸(TA):378g(14モル%)
 (III)1,3-フェニレンジカルボン酸(IA):162g(6モル%)
 (IV)4,4’-ジヒドロキシビフェニル(BP):605g(20モル%)
 酢酸カリウム触媒 330mg
 無水酢酸 1710g
 原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で3時間反応させた。その後、更に360℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(すなわち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から生成物を排出し、ペレタイズしてペレット状の目的とする液晶性樹脂(全芳香族ポリエステル)を得た。
[液晶性樹脂の物性測定]
 液晶性樹脂の溶融粘度、融点、重合時の昇華物量、モノマー組成(含有量)の測定方法は以下のとおりである。
(溶融粘度)
 製造例の液晶性樹脂の溶融粘度を、上記ペレットを用いて測定した。
 具体的には、キャピラリー式レオメーター((株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1D:ピストン径10mm)により、液晶性樹脂の融点よりも10~40℃高いシリンダー温度で、剪断速度1000sec-1の条件での見かけの溶融粘度をISO11443に準拠して測定した。測定には、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いた。
 なお、具体的な測定温度は、製造例1の液晶性樹脂については380℃、製造例2の液晶性樹脂については350℃、製造例3の液晶性樹脂については350℃であった。結果を表1に示す。
(融点)
 示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)にて、液晶性樹脂を室温から20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の測定後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピークの温度(Tm2)を測定した。結果を表1に示す。
(昇華物量)
 上述の溶融重合において、還流カラムおよびリアクター上部の質量変化から、液晶性樹脂の重合時の昇華物量を測定した。結果を表1に示す。なお、表1において「-」は未測定であることを示す。
(TAとBPの含有量の差)
 Polymer Degradation and Stability 76(2002)85-94に記載される、熱分解ガスクロマトグラフィー法によってモノマー組成を算出した。具体的には、熱分解装置(フロンティア・ラボ(株)製「PY2020iD」)を用いて、全芳香族ポリエステルを水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)共存下で加熱し、熱分解/メチル化によりガスを発生させた。このガスをガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー(株)製「GC-6890N」)を用いて分析し、1,4-フェニレンジカルボン酸に由来するピーク面積と4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来するピーク面積との比から、1,4-フェニレンジカルボン酸から誘導される構成単位の含有量と4,4’-ジヒドロキシビフェニルから誘導される構成単位の含有量との差を算出した。結果を表1に示す。なお、表1において「-」は未測定であることを示す。
[その他の材料]
 液晶性樹脂以外の材料を以下に示す。
 マイカ:AB-25S((株)ヤマグチマイカ製、平均粒子径24μm)
 タルク:クラウンタルクPP(松村産業(株)製、平均粒子径10μm)
 ミルドガラスファイバー:EPH-80M(日本電気硝子(株)製、繊維径10.5μm、平均繊維長80μm)
 扁平ガラス繊維:CSG3PA-830(日東紡績(株)製、長径28μm、短径7μm、長さ3mmの異形断面チョップドストランド)
 低誘電ガラス繊維:TLD-CS10-3.0-T-436S(泰山ガラス繊維有限公司製、繊維径13.5μm、長さ3mmの低誘電チョプドストランド)
 ガラス繊維:ECS03T-786H(日本電気硝子(株)製、繊維径10μm、長さ3mmのチョプドストランド)
 ガラスバルーン:Y12000((株)セイシン企業製、平均粒子径(D50)35μm)
[実施例1~9、比較例1~3]
 製造例1で得られた液晶性樹脂及び表1に示す材料を表1に示す割合で、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて、シリンダー温度370℃で溶融混練し、樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例4]
 製造例2で得られた液晶性樹脂及び表1に示す材料を表1に示す割合で、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて、シリンダー温度350℃で溶融混練し、樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例5]
 製造例3で得られた液晶性樹脂及び表1に示す材料を表1に示す割合で、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて、シリンダー温度340℃で溶融混練し、樹脂組成物ペレットを得た。
[測定及び評価]
(溶融粘度)
 実施例及び比較例の樹脂組成物の溶融粘度を、上記ペレットを用いて測定した。
 具体的には、キャピラリー式レオメーター((株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1D:ピストン径10mm)により、液晶性樹脂の融点よりも10~40℃高いシリンダー温度で、剪断速度1000sec-1の条件での見かけの溶融粘度をISO11443に準拠して測定した。測定には、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いた。
 なお、具体的な測定温度は、実施例1~9、比較例1~3の樹脂組成物については380℃、比較例4の樹脂組成物については350℃、比較例5の樹脂組成物については350℃であった。結果を表1に示す。
(曲げ試験)
 実施例及び比較例のペレットを、成形機(住友重機械工業(株)製「SE100DU」)を用いて、以下の成形条件で成形し、ISO試験片A形を得た。この試験片を切り出し、測定用試験片(80mm×10mm×4mm)を得た。この測定用試験片を用いて、ISO 178に準拠し、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
 〔成形条件〕
 シリンダー温度:
  370℃(実施例1~9、比較例1~3)
  350℃(比較例4)
  350℃(比較例5)
 金型温度:90℃
 射出速度:33mm/sec
(誘電特性)
 実施例及び比較例のペレットを、成形機(住友重機械工業(株)製「SE-100DU」)を用いて、以下の成形条件で成形し、80mm×80mm×1mmの平板状成形品(図1を参照)を作製した。図1に示すとおり、80mm×80mm×1mmの平板状成形品の流動方向(A)に沿う一辺から内側に10mmの箇所から、流動方向Aが長手方向になるように80mm×1mm×1mmの試験片(2)を切り出し、これを比誘電率測定用試験片とした。なお、図1の符号1は、ゲートを示す。
 〔成形条件〕
 シリンダー温度:
  370℃(実施例1~9、比較例1~3)
  350℃(比較例4)
  350℃(比較例5)
 金型温度:80℃
 射出速度:33mm/sec
 保圧:60MPa
 この試験片について、(株)関東電子応用開発製の以下の構成の空洞共振器摂動法複素誘電率評価装置を用いて、3GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。
 カラーネットワークアナライザー:アジレントテクノロジー8757D
 周波数シンセサイザー:アジレントテクノロジー83650LスイープCWジェネレータ
 固定減衰器:アジレントテクノロジー85025Dディテクター
 空洞共振器:関東電子応用開発CP431
 測定プログラム:関東電子応用開発CPMA-S2/V2
(ゲート詰まり:成形安定性) 
 実施例1~9、比較例1~3の樹脂組成物について、図2に示す金型を用いて、以下の条件で射出成形し成形安定性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1において「-」は未測定であることを示す。
〔成形条件〕
 金型:トンネルゲート型、ゲート直径0.1mm、2個取り(同じ形状の金型2個に同時に射出する)
 シリンダー温度:
  370℃(実施例1~9、比較例1~3)
 金型温度:80℃
 射出速度:33mm/sec
 保圧:50MPa
 ショット数:360ショット
〔成形安定性〕
 成形安定性を、以下の基準で評価した。
 2:ゲート詰まりが発生しない。
 1:ゲート詰まりが1回以上発生する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表1から明らかなように、実施例1~9の樹脂組成物は、測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下であり、誘電正接が低い成形品を与えることができる。また、全芳香族ポリエステルが有する優れた流動性、剛性、機械強度、及び耐熱性を十分に発現させることができる。
 これに対して、比較例1~5の樹脂組成物は、測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002を超えており、実施例よりも誘電正接が高い成形品となってしまう。
 なお、実施例7と比較例2、実施例8と実施例9、実施例2と比較例3のそれぞれの対比から明らかなように、比誘電率が同程度の場合であっても誘電正接が異なることがあり、低誘電率の樹脂組成物が必ずしも低誘電正接を実現できるわけではない。
1 ゲート
2 試験片
A 流動方向

Claims (8)

  1.  全芳香族ポリエステル及びマイカを含有し、
     全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として、下記構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
    (式中、Ar及びArは、それぞれ独立して、アリーレン基を表す)
    を含有し、
     全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して、構成単位(I)の含有量が40~75モル%であり、構成単位(II)の含有量が0.5~7.5モル%であり、構成単位(III)の含有量が8.5~30モル%であり、構成単位(IV)の含有量が8.5~30モル%であり、
     全芳香族ポリエステルの含有量が樹脂組成物の全量に対して50~95質量%であり、
     マイカの含有量が樹脂組成物の全量に対して5~50質量%であり、
     測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.002以下である、樹脂組成物。
  2.  測定周波数3GHzにおける誘電正接が0.001以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3.  全芳香族ポリエステル中の構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4.  全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量が100モル%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5.  アンテナ基板又は高速通信用コネクタ製造用である、請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6.  アンテナ基板又は高速通信用コネクタを製造するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の使用。
  7.  請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、成形品。
  8.  アンテナ基板又は高速通信用コネクタである、請求項7に記載の成形品。
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