WO2018194077A1 - ピリジン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ピリジン化合物を得る方法として、3-アミノクロトン酸エチルエステルに対しアクロレインを作用させてジヒドロピリジン化合物を取得し、さらにクロラニルを用いて該ジヒドロピリジン化合物を酸化する方法も知られている(たとえば特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載の製造方法において単離する必要のあるジヒドロピリジン化合物は、一般的に光や熱に敏感であり、さらに、水やアルコール等の求核剤により分解される性質を有している。そのため、該ジヒドロピリジン化合物から誘導して得られるピリジン化合物の収率は、30%にも満たない。
また、α-ヒドロキシジヒドロピラン化合物に対して酢酸アンモニウムを作用させてα-ヒドロキシテトラヒドロピリジン化合物を得た後、4-トルエンスルホン酸の存在下で該化合物を脱水してジヒドロピリジン化合物を取得し、さらに2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンを用いて該ジヒドロピリジン化合物を酸化する方法も知られている(たとえば非特許文献1参照)。しかし、非特許文献1において、α-ヒドロキシテトラヒドロピリジン化合物の生成反応の収率は、基質によって大きく異なることが記されている。特に、α-ヒドロキシジヒドロピラン化合物の6位に電子求引性の置換基を有する場合、α-ヒドロキシテトラヒドロピリジン化合物の生成反応が非常に遅いため副生成物が生成し、ピリジン環構築のための中間体であるα-ヒドロキシテトラヒドロピリジン化合物が低収率でしか得られない。
[1] 式(2)
Qは、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、又はピリダジニル基(該ピリジル基、該ピリミジニル基、該ピラジニル基、及び該ピリダジニル基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)を表し、
R1は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、
R2は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、
R3は、C1-C6アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基(該C1-C6アルキル基、該アリール基、及び該へテロアリール基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)、OR10、NR10R11、NR10OR11、S(O)yR10、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、ハロゲン原子、又は水素原子を表し、
R4及びR5は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基(該アリール基及び該へテロアリール基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)、又は水素原子を表し、
R10及びR11は、同一または相異なり、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、そして、
n及びyは、それぞれ独立して、0、1又は2を表す。]
で表される化合物と、キノン系酸化剤、N-ハロスクシンイミド系酸化剤、超原子価ヨウ素系酸化剤、及びN-オキシド化合物からなる群より選ばれる有機系酸化剤とを反応させる工程を含む、式(4)
で表される化合物の製造方法。
[2] R3が、OR10、NR10R11、NR10OR11、S(O)yR10、又は水素原子であり、R4及びR5が、水素原子である、[1]に記載の製造方法。
[3] R1が、エチル基であり、R2が、C1-C6アルキル基であり、R3が、水素原子又はベンジルオキシ基であり、R4及びR5が、水素原子であり、nが、2であり、そして、Qが、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基又はピリダジニル基であって、これらの基は各々、ハロゲン原子、又は1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6アルコキシ基で置換されていてもよい、[1]に記載の製造方法。
[4] 有機系酸化剤が、式(7)
で表されるp-キノン系酸化剤、式(8)
で表されるo-キノン系酸化剤、又はN-ハロスクシンイミド系酸化剤である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5] 式(6)
で表される化合物及び式(3)
で表される化合物を、
R2OH
[式中、記号は前記と同じ意味を表す。]
で表されるアルコール存在下において反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6] 式(5a)
で表される化合物又は式(5b)
で表される化合物とアンモニア又はアンモニウム塩とを
R2OH
[式中、記号は前記と同じ意味を表す。]
で表されるアルコール存在下で反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7] 式(1)
で表される化合物とアンモニア又はアンモニウム塩とを反応させて、式(6)で表される化合物を得る工程を含む、[5]に記載の製造方法。
[8] 式(1)
で表される化合物と式(3)
で表される化合物とを反応させて、式(5a)で表される化合物又は式(5b)で表される化合物を得る工程を含む、[6]に記載の製造方法。
「置換基を有していてもよい」とは、置換基を有しているか、又は有していないことを意味する。2以上の置換基を有している場合、それらの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
Qで示されるピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、又はピリダジニル基が有していてもよい酸化反応に不活性な置換基としては、例えば、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6アルコキシ基、1以上のC1-C6アルキル基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、1以上のニトロ基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、OR12、NR13R14、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子が挙げられ、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、OR12、ニトロ基、及びハロゲン原子が好ましく、OR12、及びハロゲン原子がより好ましい。
R12は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C10鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルオキシ)C2-C5アルキル基、1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルファニル)C2-C5アルキル基、1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルフィニル)C2-C5アルキル基、1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルホニル)C2-C5アルキル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、1以上のC1-C6アルキル基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、1以上のニトロ基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、1以上のヘテロ原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、群Gより選ばれる1以上の置換基を有する(C3-C7シクロアルキル)C1-C3アルキル基、又は群Gより選ばれる1以上の置換基を有するC3-C7シクロアルキル基を表す。
群G:ハロゲン原子、及びC1-C6ハロアルキル基からなる群。
R13及びR14は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基を表す。
R3で示されるC1-C6アルキル基が有していてもよい酸化反応に不活性な置換基としては、例えば、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルファニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルフィニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6シクロアルキル基、シアノ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
R3で示されるアリール基又はヘテロアリール基が有していてもよい酸化反応に不活性な置換基としては、例えば、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルファニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルフィニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、NR15R16、C(O)R15、OC(O)R15、C(O)OR15、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
R15及びR16は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表す。
R4及びR5で示されるアリール基又はヘテロアリール基が有していてもよい酸化反応に不活性な置換基としては、例えば、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルファニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルフィニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、NR17R18、C(O)R17、OC(O)R17、C(O)OR17、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
R17及びR18は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表す。
R10及びR11で示されるC1-C6アルキル基が有していてもよい酸化反応に不活性な置換基としては、例えば、群Dより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいアリール基、群Dより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子、及びS(O)2R19が挙げられる。
群H:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群。
群D:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルファニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルフィニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、NR17R18、C(O)R17、OC(O)R17、C(O)OR17、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群。
R19は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、又は群Cより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
群C:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6鎖式炭化水素基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルケニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6アルキニルオキシ基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルファニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルフィニル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、NR15R16、C(O)R15、OC(O)R15、C(O)OR15、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群。
本明細書中「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
「鎖式炭化水素基」とは、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を表す。
「アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基(または、t-ブチル基)、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基が挙げられる。
「アルケニル基」としては、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、1-エチル-1-プロペニル基、1-エチル-2-プロペニル基、3-ブテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、及びデセニル基が挙げられる。
「アルキニル基」としては、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-メチル-2-プロピニル基、1,1-ジメチル-2-プロピニル基、1-エチル-2-プロピニル基、2-ブチニル基、4-ペンチニル基、5-ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、及びデシニル基が挙げられる。
「アルコキシ基」(本明細書では、「アルキルオキシ基」ともいう)としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、1-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、及びベンジルオキシ基が挙げられる。
「アルケニルオキシ基」としては、例えばビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、1-イソブテニルオキシ基、2-イソブテニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、2-ペンテニルオキシ基、3-ペンテニルオキシ基、及び4-ペンテニルオキシ基が挙げられる。
「アルキニルオキシ基」としては、例えばエチニルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチニルオキシ基、1-ペンチニルオキシ基、2-ペンチニルオキシ基、3-ペンチニルオキシ基、4-ペンチニルオキシ基、1-ヘキシニルオキシ基、2-ヘキシニルオキシ基、及び3-ヘキシニルオキシ基が挙げられる。
「C2-C10ハロアルキル基」とは、C2-C10アルキル基の1以上の水素原子がハロゲン原子で置換された基を表す。「C2-C10ハロアルキル基」としては、例えば、クロロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、1-メチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、ペルフルオロヘキシル基及びペルフルオロデシル基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基」としては、C1-C6アルキル基の1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロプロピル基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6アルコキシ基」としては、C1-C6アルコキシ基の1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し、例えば、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロプロポキシ基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルオキシ)C2-C5アルキル基」とは、(C1-C5アルキルオキシ)及び/または(C2-C5アルキル)が1以上のハロゲン原子を有する基を表し、例えば、2-(トリフルオロメトキシ)エチル基、2,2-ジフルオロ-3-メトキシプロピル、2,2-ジフルオロ-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)プロピル基、及び3-(2-クロロエトキシ)プロピル基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルファニル)C2-C5アルキル基」とは、(C1-C5アルキルスルファニル)及び/または(C2-C5アルキル)が1以上のハロゲン原子を有する基を表し、例えば、2,2-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチルチオ)エチル基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルフィニル)C2-C5アルキル基」とは、(C1-C5アルキルスルフィニル)及び/または(C2-C5アルキル)が1以上のハロゲン原子を有する基を表し、例えば、2,2-ジフルオロ-2-(トリフルオロメタンスルフィニル)エチル基が挙げられる。
「1以上のハロゲン原子を有する(C1-C5アルキルスルホニル)C2-C5アルキル基」とは、(C1-C5アルキルスルホニル)及び/または(C2-C5アルキル)が1以上のハロゲン原子を有する基を表し、例えば、2,2-ジフルオロ-2-(トリフルオロメタンスルホニル)エチル基が挙げられる。
「群Gより選ばれる1以上の置換基を有する(C3-C7シクロアルキル)C1-C3アルキル基」とは、(C3-C7シクロアルキル)及び/または(C1-C3アルキル)が群Gより選ばれる1以上の置換基を有する基を表し、例えば、(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル基、[1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル]メチル基、[2-(トリフルオロメチル)シクロプロピル]メチル基、2-シクロプロピル-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、2-シクロプロピル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、及び1,1,2,2-テトラフルオロ-2-[2-(トリフルオロメチル)シクロプロピル]エチル基が挙げられる。
「群Gより選ばれる1以上の置換基を有するC3-C7シクロアルキル基」とは、例えば、2,2-ジフルオロシクロプロピル基、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)シクロプロピル基、及び4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基が挙げられる。
「アルキルスルファニル基」とは、前記アルキル基を有するスルファニル基を表し、例えばメチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、及びイソプロピルスルファニル基が挙げられる。
「アルキルスルフィニル基」とは、前記アルキル基を有するスルフィニル基を表し、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、及びイソプロピルスルフィニル基が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」とは、前記アルキル基を有するスルホニル基を表し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、及びイソプロピルスルホニル基が挙げられる。
「アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。
「アリールスルホニル基」としては、フェニルスルホニル基、1-ナフチルスルホニル基、2-ナフチルスルホニル基等が挙げられる。
「5又は6員芳香族複素環基」としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基等が挙げられる。
「3-7員非芳香族複素環基」としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ヘキサヒドロピリミジン環、ピペラジン環、アゼパン環、オキサゾリジン環、イソオキサゾリジン環、1,3-オキサジナン環、モルホリン環、1,4-オキサゼパン環、チアゾリジン環、イソチアゾリジン環、1,3-チアジナン環、チオモルホリン環、1,4-チアゼパン環等が挙げられる。
「N-ハロスクシンイミド系酸化剤」としては、N-ブロモスクシンイミド、N-クロロスクシンイミド等が挙げられる。
「キノン系酸化剤」としては、p-キノン系酸化剤及びo-キノン系酸化剤等が挙げられる。
「R2OH(R2は、前記と同じ意味を表す)で表されるアルコール」としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール等が挙げられる。
式(2)において、Qが酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいピリジル基、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいピリミジニル基、又は酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいピラジニル基である化合物;
式(2)において、Qが、群Iより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリジル基、群Iより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリミジニル基、又は群Iより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピラジニル基である化合物;
群I:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキルスルホニル基、1以上のC1-C6アルキル基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、1以上のニトロ基を有していてもよいC6-C10アリールスルホニル基、OR12、NR13R14、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群。
式(2)において、Qが、群Jより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリジル基、群Jより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリミジニル基、又は群Jより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピラジニル基である化合物;
群J:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、OR12、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群。
式(2)において、Qが、群Kより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリジル基、群Kより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリミジニル基、又は群Kより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピラジニル基である化合物;
群K:OR12、及びハロゲン原子からなる群。
式(2)において、Qが、群Lより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリジル基、群Lより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピリミジニル基、又は群Lより選ばれる1以上の置換基を有していてもよいピラジニル基である化合物;
群L:1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C10アルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群。
式(2)において、R1がメチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基である化合物;
式(2)において、R2がメチル基又はエチル基である化合物;
式(2)において、R3が酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいC1-C6アルキル基、OR10、NR10R11、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、S(O)yR10、ハロゲン原子、又は水素原子である化合物;
式(2)において、R3が酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいC1-C6アルキル基、OR10、NR10R11、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、S(O)yR10、又は水素原子である化合物;
式(2)において、R3がOR10又は水素原子である化合物;
式(2)において、R10がメチル基、エチル基、プロピル基、又はベンジル基である化合物;
式(2)において、R11がメチル基、エチル基、プロピル基、又はベンジル基である化合物;
式(2)において、R4及びR5が、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基である化合物;
式(2)において、R4及びR5が、同一又は相異なり、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいアリール基又は酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である化合物;
式(2)において、R4及びR5が水素原子である化合物;
式(2)において、nが1又は2である化合物。
本発明において、R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、又はベンジル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
本発明において、R3は、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいC1-C6アルキル基、OR10、NR10R11、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、S(O)yR10、ハロゲン原子、又は水素原子が好ましく、OR10、NR10R11、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、S(O)yR10、又は水素原子がより好ましく、OR10又は水素原子が特に好ましい。
本発明において、R10は、メチル基、エチル基、プロピル基、又はベンジル基が好ましい。
本発明において、R11は、メチル基、エチル基、プロピル基、又はベンジル基が好ましい。
本発明において、R4及びR5は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明において、nは、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、tert-ブチル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。]
で表されるp-キノン系酸化剤(以下、化合物(7)とも記す。);式(8)
で表されるo-キノン系酸化剤(以下化合物(8)とも記す。);N-ハロスクシンイミド系酸化剤;(ジクロロヨード)ベンゼン、(ジアセトキシヨード)ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オン、2-ヨードキシ安息香酸等の超原子価ヨウ素系酸化剤;ピリジンN-オキシド、4-クロロピリジンN-オキシド、4-メチルピリジンN-オキシド、2,6-ジクロロピリジンN-オキシド、2,6-ジブロモピリジンN-オキシド、4-シアノピリジンN-オキシド、4-メトキシピリジンN-オキシド、4-(ジメチルアミノ)ピリジンN-オキシド、4-ニトロピリジンN-オキシド、2-ヒドロキシピリジンN-オキシド、イソニコチン酸N-オキシド、4-フェニルピリジンN-オキシド、4-ニトロキノリンN-オキシド、2,6-ルチジンN-オキシド等のN-オキシド化合物等が挙げられ、好ましくは化合物(7)、化合物(8)又はN-ハロスクシンイミド系酸化剤、さらに好ましくは化合物(7)又は化合物(8)が挙げられる。
有機系酸化剤の使用量は、化合物(2)1モルに対して通常1~10モルの割合、好ましくは1~5モルの割合である。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸、ギ酸等のカルボン酸溶媒;水及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(2)の重量に対し、通常1~20倍の重量であり、好ましくは3~20倍の重量である。
酸化反応の促進を目的として酸を添加してもよい。酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、3-フェニルアクリル酸、安息香酸、4-クロロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1-ナフタレンカルボン酸等のカルボン酸;リン酸;メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸一水和物等のスルホン酸;塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素;次亜塩素酸、亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ヨウ素酸等のハロゲンオキソ酸;硫酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、クロム酸等が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(2)1モルに対して通常0.01~100モルの割合、好ましくは1~10モルの割合である。
化合物(2)と有機系酸化剤を混合する順序として、化合物(2)と溶媒を混合した後有機系酸化剤を加える方法と、有機系酸化剤と溶媒を混合した後化合物(2)の結晶又は化合物(2)の溶液を加える方法等が挙げられる。
反応温度は、通常-20~150℃、好ましくは20~120℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~30時間、好ましくは0.5~20時間の範囲内である。
反応終了後は、例えば、反応混合物と水とを混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する;反応混合物及びアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)の水溶液を混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する等の後処理操作を行うことにより化合物(4)を単離することができる。単離された化合物(4)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
化合物(6)と化合物(3)とを反応させることにより化合物(2)を得ることができる。
化合物(3)は、市販の化合物であるか、又はEur. J. Org. Chem. 2007, 4205-4216に記載の方法により製造することができる。
化合物(3)の使用量は、化合物(6)1モルに対して、通常0.8~10モルの割合、好ましくは1~5モルの割合である。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ギ酸、酢酸等のカルボン酸溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(6)の重量に対し、通常1~10倍の重量、好ましくは2~8倍の重量である。
反応促進を目的として酸を添加してもよい。酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、3-フェニルアクリル酸、安息香酸、4-クロロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1-ナフタレンカルボン酸等のカルボン酸;リン酸;メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸一水和物等のスルホン酸;塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素;次亜塩素酸、亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ヨウ素酸等のハロゲンオキソ酸;硫酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、クロム酸等が挙げられ、好ましくはカルボン酸、さらに好ましくは酢酸が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(6)1モルに対して、通常0.01~10モルの割合である。
反応温度は、通常-20~150℃、好ましくは20~120℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~20時間、好ましくは0.5~12時間の範囲内である。
反応終了後は、例えば、反応混合物を濃縮する;反応混合物と水とを混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する;反応混合物及びアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)の水溶液を混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する等の後処理操作を行うことにより化合物(2)を単離することができる。単離された化合物(2)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
アンモニア又はアンモニウム塩の使用量は、化合物(1)1モルに対して、有効窒素原子数換算で通常1~10モルの割合、好ましくは2~5モルの割合である。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(1)の重量に対し、通常1~10倍の重量であり、好ましくは1~5倍の重量である。
化合物(9)は、市販の化合物であるか、公知の方法に準じて製造することができる。
化合物(11)は、市販の化合物であるか、又はJournal of Molecular Catalysis A: Chemical, 2011, 341(1-2), 57-62に記載の方法により製造することができる。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えばブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及び、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物が挙げられる。
反応には、化合物(9)1モルに対して、化合物(11)が通常0.8~5モルの割合、塩基が通常1~5モルの割合で用いられる。好ましくは、化合物(9)1モルに対して、化合物(11)が1.0~1.1モルの割合、塩基が1~2モルの割合で用いられる。
反応温度は、通常-78~100℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
反応終了後は、反応混合物を濃縮することにより、化合物(6)を得ることができる。また単離した化合物(6)をさらに再結晶、クロマトグラフィー又は塩析等の方法により精製することもできる。
化合物(5a)又は化合物(5b)とアンモニア又はアンモニウム塩とをアルコールの存在下で反応させることにより、化合物(2)を得ることができる。
アンモニア又はアンモニウム塩の使用量は、化合物(5a)又は化合物(5b)1モルに対して、有効窒素原子数換算で通常1~10モルの割合、好ましくは5~10モルの割合である。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール及びこれらの混合物が挙げられる。
アルコールの使用量は、化合物(5a)又は化合物(5b)の重量に対し、通常0.5~10倍の重量である。
該アルコールを溶媒として用いて反応を行うことができるが、さらに他の溶媒を混合して反応を行ってもよい。
他の溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ギ酸、酢酸等のカルボン酸溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
他の溶媒の使用量は、化合物(5a)又は化合物(5b)の重量に対し、通常0.5~10倍の重量である。
反応促進を目的として酸の添加が可能であり、酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、3-フェニルアクリル酸、安息香酸、4-クロロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1-ナフタレンカルボン酸等のカルボン酸;リン酸;メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸一水和物等のスルホン酸;塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素;次亜塩素酸、亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ヨウ素酸等のハロゲンオキソ酸;硫酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、クロム酸等が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(5a)又は化合物(5b)1モルに対して、通常0.01~10モルの割合である。
反応温度は、通常-20~150℃、好ましくは20~120℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~30時間、好ましくは0.5~25時間の範囲内である。
反応終了後は、例えば、反応混合物を濃縮する;反応混合物と水とを混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する;反応混合物及びアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)の水溶液を混合した後、有機溶媒で抽出を行い、得られた有機層を乾燥又は濃縮する等の後処理操作を行うことにより化合物(2)を単離することができる。単離された化合物(2)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
化合物(1)と化合物(3)との反応は、例えば塩基の存在下で行うことができる。
塩基としては、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、4-メチルモルホリン、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等のアミン系塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常0.01~10モルの割合、好ましくは0.01~5モルの割合である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(1)の重量に対し、通常1~10倍の重量である。
反応温度は、通常-20~150℃、好ましくは20~120℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~10時間、好ましくは0.5~6時間の範囲内である。
付加反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
付加反応に用いられる塩基としては、例えばブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及び、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物が挙げられる。
付加反応には、化合物(9)1モルに対して、化合物(11)が通常0.8~5モルの割合、塩基が通常1~5モルの割合で用いられる。好ましくは、化合物(9)1モルに対して、化合物(11)が0.8~1.1モルの割合、塩基が1~2モルの割合で用いられる。
反応温度は、通常-78~100℃、好ましくは-78~50℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
加水分解反応に用いられる酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、3-フェニルアクリル酸、安息香酸、4-クロロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1-ナフタレンカルボン酸等のカルボン酸;リン酸;メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸一水和物等のスルホン酸;塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素;次亜塩素酸、亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ヨウ素酸等のハロゲンオキソ酸;硫酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、クロム酸等が挙げられる。
加水分解反応には、化合物(9)1モルに対して、酸が通常3~20モルの割合、好ましくは、3~10モルの割合で用いられる。
反応温度は、通常0~80℃、好ましくは0~50℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
反応混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を単離することができる。また単離した化合物(1)をさらに再結晶、クロマトグラフィー又は塩析等の方法により精製することもできる。
化合物(10)は、市販の化合物であるか、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
塩基としては、例えばブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及び、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物が挙げられる。
反応には、化合物(10)1モルに対して、化合物(11)が通常0.8~5モルの割合、塩基が通常1~5モルの割合で用いられる。好ましくは、化合物(10)1モルに対して、化合物(11)が0.8~1.1モルの割合、塩基が1~2モルの割合で用いられる。
反応温度は、通常-78~100℃、好ましくは-78~50℃の範囲内である。
反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を単離することができる。また単離した化合物(1)をさらに再結晶、クロマトグラフィー又は塩析等の方法により精製することもできる。
化合物(15)は、市販の化合物であるか、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;モノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(10)の重量に対し、通常1~20倍の重量であり、好ましくは3~10倍の重量である。
化合物(15)と化合物(10)との反応に使用する塩基としては、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、4-メチルモルホリン、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等のアミン系塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(10)1モルに対し、通常0.5~5モルの割合、好ましくは、0.8~4モルの割合で用いられる。
化合物(15)の使用量は、化合物(10)1モルに対し、通常0.8~5モルの割合、好ましくは、0.8~3モルの割合で用いられる。
反応の促進を目的として、ルイス酸を添加することができる。
ルイス酸としては、塩化マグネシウム、塩化スカンジウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属が挙げられる。
ルイス酸の使用量は、化合物(10)1モルに対し、通常0.5~3モルの割合、好ましくは、1~2モルの割合である。
化合物(15)と化合物(10)との反応温度は、通常-20~70℃、好ましくは0~50℃の範囲内である。
化合物(15)と化合物(10)との反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
脱アセチル化反応における酸の使用量は、化合物(10)1モルに対し、通常1~5モルの割合、好ましくは1~3モルの割合である。
脱アセチル化反応の反応温度は、通常-20~70℃の範囲内、好ましくは0~50℃の範囲内である。
脱アセチル化反応の反応時間は、通常0.5~24時間、好ましくは0.5~10時間の範囲内である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を得ることができる。また単離した化合物(1)をさらに再結晶、クロマトグラフィー又は塩析等の方法により精製することもできる。
実施例において、「部」は特に記載がない場合、重量部を意味する。
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.40 (3H, t, J=7.6Hz), 3.09 (2H, q, J=7.6Hz), 3.92 (3H, s), 5.26 (1H, s), 6.81 (2H, br), 7.24 (1H, d, J=2.8Hz), 7.64(1H, d, J=8.8Hz), 8.30(1H, d, J=2.8Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.23 (6H, m), 2.63 (2H, m), 2.92(2H, m), 3.46(1H, m), 3.74(2H, m), 3.88(3H, s), 3.91(1H, d, J=4.0Hz), 4.69(1H, m), 5.16(1H, m), 7.20(1H, dd, J=3.2, 8.8Hz), 7.55(1H, d, J=8.4Hz), 8.25(1H, d, J=2.8Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.48(3H, t, J=7.6Hz), 3.28(2H, q, J=7.6Hz), 4.89(2H, s), 8.70(1H, d, J=1.2Hz), 9.08(1H, d, J=1.2Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.42 (3H, t, J=7.6Hz), 3.12 (2H, q, J=7.6Hz), 5.44 (1H, s), 6.68 (2H, br), 8.62 (1H, d, J=1.2Hz), 8.76 (1H, d, J=1.6Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.22(3H, t, J=7.2Hz), 1.77(1H, ddt, J=2.4, 5.6, 13.2Hz), 2.22(1H, ddd, J=1.6, 4.4, 12.4Hz), 2.53(1H, ddd, J=2.8, 5.6, 16.0Hz), 2.69(1H, ddd, J=2.0, 5.6, 16.0Hz), 2.96(2H, m), 3.41(3H, s), 4.60(1H, dd, J=2.8, 6.4Hz), 5.12(1H, br s), 8.54(2H, m)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.40 (3H, t, J=7.4Hz), 3.10 (2H, q, J=7.4Hz), 4.62 (2H, t, J=11.8Hz), 6.11 (1H, s), 6.68 (2H, br), 8.52 (2H, s)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.31 (3H, t, J=7.4Hz), 3.79 (2H, q, J=7.5Hz), 4.60 (2H, t, J=11.8Hz), 5.26 (2H, s), 7.52-7.33 (5H, m), 7.96 (1H, d, J=2.7Hz), 8.57 (2H, s), 8.67 (1H, d, J=2.7Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.32 (3H, t, J=7.2Hz), 3.86 (2H, q, J=7.2Hz), 4.52 (2H, dt, J=1.2, 12.4Hz), 5.25 (2H, s), 7.42 (6H, m), 7.79 (1H, dd, J=0.8, 8.8Hz), 8.03 (1H, d, J=2.4Hz), 8.33 (1H, dd, J=0.4, 2.8Hz), 8.59 (1H, d, J=2.8Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.32 (3H, t, J=7.6Hz), 3.80 (2H, q, J=7.6Hz) , 5.27 (2H, s), 7.41 (5H, m), 8.03 (1H, d, J=2.8Hz), 8.55 (1H, s), 8.63 (1H, d, J=2.4Hz), 8.84 (1H, d, J=1.2Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.41(3H, t, J=7.2Hz), 3.11 (2H, q, J=7.2Hz), 4.03 (3H, s), 5.31 (1H, s), 6.69 (2H, br), 8.21 (1H, d, J=1.2Hz), 8.52 (1H, d, J=1.2Hz)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.22 (3H, t, J=7.6Hz), 2.53 (1H, dd, J=2.8, 5.2Hz), 2.70(1H, dd, J=2.0, 5.2Hz), 2.95(2H, m), 3.40(3H, s), 3.49(1H, s), 4.00(3H, s), 4.04(1H, dd, J=3.2, 11.2Hz), 4.59(1H, m), 5.17(1H, br s), 8.15(1H, d, J=1.6Hz), 8.32(1H, d, J=1.6Hz)
48%水酸化ナトリウム水溶液79.3g及び水280gの混合物に、クロロアセトン80.0g及びエタンチオール59.1gを20℃で滴下し、10℃から20℃に保温して1時間撹拌した。該混合物をメチルt-ブチルエーテル160gで抽出し、得られた有機層を水100gにて洗浄した後、濃縮することで、1-(エチルチオ)-2-プロパノンを含む粗生成物104.9gを得た。氷浴下で該粗生成物、タングステン酸ナトリウム5.7g及び水306.6gを混合し、撹拌している混合物に対して、35%過酸化水素水184.8gを滴下した後、20℃で3時間撹拌した。22%亜硫酸ナトリウム水溶液118.9gを加えて20℃で30分撹拌した後、塩化ナトリウム120gを加えた。酢酸エチル408.8gで5回抽出し、全ての有機層を合一して濃縮した。得られた濃縮物をトルエンで希釈し、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過により硫酸ナトリウムを除き、減圧濃縮して有機溶媒を留去し、1-(エタンスルホニル)-2-プロパノンを110.3g得た。
亜硫酸ナトリウム58重量部及び炭酸水素ナトリウム44重量部を、水150重量部中20℃で撹拌し、その後内温を50℃に昇温する。該混合物に対し、エタンスルホニルクロリド34重量部を45分以上かけて滴下し、50℃で5時間撹拌した後、濃硫酸5.1重量部を滴下する。該混合物を50℃で1時間撹拌した後、70℃に昇温しクロロアセトン22.6重量部を10分以上かけて滴下する。得られた混合物を70℃で12時間撹拌した後、50℃で酢酸エチルを用いて抽出し、得られた有機層を濃縮して1-(エタンスルホニル)-2-プロパノンを得る。
塩化マグネシウム19.4g及びテトラヒドロフラン45gを20℃で混合した後、トリエチルアミン34.3gを20℃で20分かけて滴下した。得られた混合物に対し、1-(エタンスルホニル)-2-プロパノン30.6g及びテトラヒドロフラン15gの混合物を20℃で40分かけて滴下し、20℃で1時間撹拌した。得られた混合物に対し、国際公開第2010/103438号を参考に合成した5-クロロ-2-ピラジンカルボン酸クロリド30.0g及びトルエン60gの混合物を20℃で30分かけて滴下し、20℃で2時間撹拌した。得られた混合物を0℃に冷却した後、35%塩酸35.3g及び水60gの混合物を0℃で20分かけて滴下した後、トルエン60g、水30g及びテトラヒドロフラン60gの混合物を加えて20℃で24時間撹拌した。分液により水層を除去し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液60gにて1回、水60gにて1回洗浄した。該有機層から不溶物を濾過により除去し、濾液を濃縮乾固して式(1-2)
5-クロロ-2-シアノピリミジン13g、水素化ナトリウム(60%、油状)4.6g、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール12mL、及びDMF96mLの混合物を、20℃にて1日撹拌した。得られた反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、式(9-4)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 4.65 (2H, t, J=11.7Hz), 8.57 (2H, s)
エチルメチルスルホン5.8g、及びTHF90mLの混合物に、氷冷下で2.6Mブチルリチウムヘキサン溶液20mLを加えた。この混合物を氷冷下で1時間撹拌した。得られた反応混合物に、氷冷下で式(9-4)で表される化合物11g及びTHF30mLの混合物を滴下した後、20℃に昇温し、5時間撹拌した。得られた混合物に1N塩酸100mLを加え、2時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、式(1-4)
1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm): 1.51-1.37 (3H, m), 3.30 (2H, q, J=7.5Hz), 4.68 (2H, t, J=11.8Hz), 4.98 (2H, s), 8.67 (2H, s)
式(1-4)で表される化合物7.8g、酢酸アンモニウム8.3g、及びメタノール22mLの混合物を60℃で10時間加熱撹拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、式(6-4)
[表1]に示す無機系酸化剤、添加剤、溶媒、及び反応温度で行う以外は実施例2と同様にして、式(2-1)で表される化合物を酸化した場合に、式(4-1)で表される化合物(以下、化合物(4-1)とも記す。)が得られた結果を[表1]に示す。
60℃で6時間撹拌した後、得られた混合物を20℃まで冷却し、水を加えて分液した。得られた有機層を減圧濃縮したところ、化合物(12-2)の二量化が進行し、化合物(12-2)を単離することはできなかった。
Claims (8)
- 式(2)
Qは、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、又はピリダジニル基(該ピリジル基、該ピリミジニル基、該ピラジニル基、及び該ピリダジニル基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)を表し、
R1は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、
R2は、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、
R3は、C1-C6アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基(該C1-C6アルキル基、該アリール基、及び該へテロアリール基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)、OR10、NR10R11、NR10OR11、S(O)yR10、NR10C(O)R11、NR10C(O)OR11、ハロゲン原子、又は水素原子を表し、
R4及びR5は、同一又は相異なり、1以上のハロゲン原子を有していてもよいC1-C6アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基(該アリール基及び該へテロアリール基は、それぞれ独立して、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよい。)、又は水素原子を表し、
R10及びR11は、同一または相異なり、酸化反応に不活性な1以上の置換基を有していてもよいC1-C6アルキル基を表し、そして、
n及びyは、それぞれ独立して、0、1又は2を表す。]
で表される化合物と、キノン系酸化剤、N-ハロスクシンイミド系酸化剤、超原子価ヨウ素系酸化剤、及びN-オキシド化合物からなる群より選ばれる有機系酸化剤とを反応させる工程を含む、式(4)
で表される化合物の製造方法。 - R3が、OR10、NR10R11、NR10OR11、S(O)yR10、又は水素原子であり、R4及びR5が、水素原子である、請求項1に記載の製造方法。
- R1が、エチル基であり、R2が、C1-C6アルキル基であり、R3が、水素原子又はベンジルオキシ基であり、R4及びR5が、水素原子であり、nが、2であり、そして、Qが、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基又はピリダジニル基であって、これらの基は各々、ハロゲン原子、又は1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6アルコキシ基で置換されていてもよい、請求項1に記載の製造方法。
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