WO2017170250A1 - 共重合体の製造方法、及びラテックスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、特定の有機テルル化合物をラジカル重合開始剤として用いてラジカル重合性単量体の重合反応を行うことで、分子末端に二重結合を有する重合体を製造する方法が記載されている。
本発明は、この問題を解決することを目的になされたものである。すなわち、本発明は、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体との共重合反応において、ディールス・アルダー反応による副生物が生じにくい、共重合体の製造方法、及びこの方法を用いるラテックスの製造方法を提供することを目的とする。
で示される化合物であり、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする共重合体の製造方法。
〔2〕ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記ラジカル重合開始剤が、前記式(1)で示される化合物であり、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体を乳化重合又は懸濁重合した後、反応系内で、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする、〔1〕に記載の共重合体の製造方法。
〔3〕マクロラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記マクロラジカル重合開始剤が、式(2)
で示される化合物であり、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする共重合体の製造方法。
〔4〕マクロラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記マクロラジカル重合開始剤が、前記式(2)で示される化合物であり、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体を乳化重合又は懸濁重合した後、反応系内で、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする、〔3〕に記載の共重合体の製造方法。
〔5〕前記式(2)で示されるマクロラジカル重合開始剤が、式(1)
で示される化合物と親水性単量体とを反応させることにより得られるものである、〔3〕又は〔4〕に記載の共重合体の製造方法。
〔6〕重合反応系に、さらに、式(3)
で示されるジテルリド化合物を存在させることを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
〔7〕水中に共重合体の粒子が分散してなるラテックスの製造方法であって、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の方法により、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体を合成することを特徴とする、ラテックスの製造方法。
製造方法(I):ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記ラジカル重合開始剤が、前記式(1)で示される化合物であり、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体(以下、「ラジカル重合性単量体(α)」ということがある。)とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする共重合体の製造方法
製造方法(I)によれば、各単量体の結合様式は、たとえば、ブロック状、及びランダム状などの種々の結合様式とすることができるため、ランダム共重合体、またはブロック共重合体等を得ることができる。
製造方法(II)によれば、各単量体の結合様式は、たとえば、ブロック状、及びランダム状などの種々の結合様式とすることができるため、ランダム共重合体、またはブロック共重合体等を得ることができる。
下記式(1)で示される有機テルル化合物は、製造方法(I)においてはラジカル重合開始剤として用いられる。また、この有機テルル化合物は、後述するように、製造方法(II)においては、マクロラジカル重合開始剤の前駆体として好ましく用いられる。
R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の分岐アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;等が挙げられる。
R1の無置換アリール基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
R1の置換アリール基の置換基は、共重合反応を妨げないものであれば特に限定されない。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;水酸基;メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の炭素数1~8のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~8のアルコキシ基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;-CORaで示される基(Raは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1~8のアルキル基;フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の炭素数6~10のアリール基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~8のアルコキシ基;フェノキシ基、2,4,6-トリメチルフェニルオキシ基等の置換基を有していてもよい炭素数6~10のアリーロキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1~8のハロアルキル基;等が挙げられる。
R1の無置換芳香族ヘテロ環基としては、ピロリル基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基等の5員環の芳香族複素環基;ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジニル基等の6員環の芳香族複素環基;ベンズイミダゾリル基、キノリル基、ベンゾフラニル基等の縮合芳香族複素環基;等が挙げられる。
R1の置換芳香族ヘテロ環基の置換基は、共重合反応を妨げないものであれば特に限定されない。かかる置換基としては、R1の置換アリール基の置換基として示したものと同様のものが挙げられる。
R2及びR3のアルキル基としては、R1のアルキル基として示したものと同様のものが挙げられる。
R4の置換ビニル基の置換基は、共重合反応を妨げないものであれば特に限定されない。かかる置換基としては、R1の置換アリール基の置換基として例示したものと同様の者が挙げられる。
R4の無置換若しくは置換アリール基としては、R1の無置換若しくは置換アリール基として示したものと同様のものが挙げられる。
R4の無置換若しくは置換芳香族ヘテロ環基としては、R1の無置換若しくは置換芳香族ヘテロ環基として示したものと同様のものが挙げられる。
R4のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
R4のヒドロカルビルオキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基;エテニルオキシカルボニル基、2-プロペニルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;プロパギルオキシカルボニル基等のアルキニルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、4-メチルフェニルオキシカルボニル基、4-クロロフェノキシカルボニル基、1-ナフチルオキシカルボニル基、2-ナフチルオキシカルボニル基等の、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基;等が挙げられる。
(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(1-メチルテラニルエチル)ベンゼン、1-クロロ-4-(1-メチルテラニルエチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(1-メチルテラニルエチル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(1-メチルテラニルエチル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(1-メチルテラニルエチル)ベンゼン、2-メチルテラニルプロピオニトリル、2-メチル-2-メチルテラニルプロピオニトリル、メチル2-メチルテラニル-2-メチル-プロピオネート、エチル2-メチル-2-フェニルテラニルプロピオネート等が挙げられる。本発明で用いられる有機テルル化合物はこれらに限定されるものではない。
式(5)中、R1は、式(1)中のR1と同じものを表す。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;または銅;を表す。Mがアルカリ金属のとき、mは1、Mがアルカリ土類金属のとき、mは2、Mが銅のとき、mは1または2である。なお、式(5)において、Mがマグネシウムである場合は、R1で表される2つの基のうちの1つは、ハロゲン原子であってもよい。すなわち、式(5)で示される化合物は、いわゆるグリニヤール試薬であってもよい。
式(4)で示される化合物の使用量は、金属テルル1モルに対して、通常、0.5モル以上、好ましくは0.8モル以上であり、通常、1.5モル以下、好ましくは1.2モル以下である。また、金属テルル1モルに対して、通常、0.5モル以上1.5モル以下、好ましくは0.8モル以上1.2モル以下である。
用いる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
反応条件は、特に限定されない。例えば、反応時間が5分~24時間、反応温度が-20℃~80℃である。
本発明の共重合体の製造方法に用いるラジカル発生剤は、加熱又は光の照射によりラジカルを発生させるものであれば、特に限定されず、例えば、過酸化物(ヒドロペルオキシドを含む。以下同じ)、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系ラジカル発生剤等が用いられる。なかでも、ラジカル発生剤としては、アゾ系ラジカル発生剤、過酸化物、過硫酸塩が好ましい。
これらのラジカル発生剤の存在下で共重合反応を行うことで、共重合反応がより促進され、共重合体を効率よく得ることができる。
例えば、ジイソブチリルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシド、t-ブチルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等が挙げられる。
例えば2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)(ACHN)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチルアミド)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
これらのアゾ系ラジカル発生剤は、一種を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば低温(40℃以下)で重合反応を行う場合は、ジイソブチリルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシド、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)が好ましく、中温(40~80℃)で重合反応を行う場合は、t-ブチルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)(ACHN)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)が好ましく、高温(80℃以上)で重合反応を行う場合は、t-ブチルクミルペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)(ACHN)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)が好ましい。
本発明の共重合体の製造方法においては、単量体として共役ジエン系単量体を用いる。
共役ジエン系単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン等が挙げられる。これらのなかでも、1,3-ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。
本発明の共重合体の製造方法においては、単量体として共役ジエン系単量体に加えて、ラジカル重合性単量体(α)を用いる。
ラジカル重合性単量体(α)は、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体であって、共役ジエン単量体とラジカル共重合可能なものであれば、特に限定されない。
ラジカル重合性単量体(α)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸3-ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアクリル系単量体〔ここで、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味する。〕;
エチレン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等のα-オレフィン系単量体;
2-ビニルチオフェン、N-メチル-2-ビニルピロール、1-ビニル-2-ピロリドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル系単量体;
4-メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の非共役ジエン系単量体;等が挙げられる。
製造方法(I)は、ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記ラジカル重合開始剤が、前記式(1)で示される化合物であり、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とするものである。
懸濁重合とは、水性媒体に前記単量体を混合し、これに前記ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を加え、主にミセルを介さないで重合反応を行うものをいう。反応により得られる共重合体粒子が分散するように、必要に応じて分散剤や界面活性剤が用いられる。
一方、乳化重合法又は懸濁重合法を使用することで、この副反応生成物を低減化することができ、目的の共重合体を高純度で合成することができる。
式(1)で示される有機テルル化合物の量は、通常は、単量体1モルに対して、0.00005モル以上、好ましくは0.0001モル以上であり、0.2モル以下、好ましくは0.02モル以下である。また、単量体1モルに対して、0.00005モル以上0.2モル以下、好ましくは0.0001モル以上0.02モル以下である。
ラジカル発生剤の量は、通常は、式(1)で示される有機テルル化合物1モルに対して、0.01モル以上、好ましくは0.05モル以上であり、100モル以下、好ましくは10モル以下である。また、式(1)で示される有機テルル化合物1モルに対して、0.01モル以上100モル以下、好ましくは0.05モル以上10モル以下である。
また、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)のモル比〔共役ジエン系単量体:ラジカル重合性単量体(α)〕は、通常は、10:90~90:10、好ましくは20:80~80:20、より好ましくは、30:70~75:25である。
水性媒体の使用量は、特に限定されないが、単量体100重量部に対して、通常、50重量部以上、好ましくは70重量部以上であり、通常、2000重量部以下、好ましくは1500重量部以下である。また、単量体100重量部に対して、通常、50重量部以上2000重量部以下、好ましくは70重量部以上1500重量部以下である。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノレン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム等の脂肪酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のモノアルキルリン酸塩;等が挙げられる。
これらの乳化剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
乳化剤の使用量は特に限定されないが、単量体100重量部に対して、通常、0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上であり、通常、50重量部以下である。また、単量体100重量部に対して、通常、0.01重量部以上50重量部以下、好ましくは0.1重量部以上50重量部以下である。
これらの分散剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤の使用量は特に限定されないが、単量体100重量部に対して、通常、0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上であり、通常、30重量部以下、好ましくは10重量部以下である。また、単量体100重量部に対して、通常、0.01重量部以上30重量部以下、好ましくは0.05重量部以上10重量部以下である。
これらのジテルリド化合物は、一種を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
式(3)で示されるジテルリド化合物の多くは公知物質であり、公知の方法により製造し、入手することができる。
重合温度は特に限定されないが、通常、0~100℃、好ましくは40~90℃である。
重合時間は特に限定されないが、通常、1分から100時間、好ましくは1分から30時間である。
重合反応系に光を照射しながら重合反応を行うことで、重合反応がより促進され、共重合体を効率よく得ることができる。
照射する光としては、紫外線または可視光が好ましい。光の照射は、光重合反応において通常用いられる方法により行うことができ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、クリプトンランプ、LEDランプなどの光源を用いて光を照射すればよい。
したがって、反応系内に、共役ジエン系単量体、および必要に応じてラジカル重合性単量体(α)をさらに添加することで、第2の重合反応を行うことができる。この第2の重合反応が、先に説明した、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)とを、乳化重合又は懸濁重合する反応である。第2の重合反応において、第1の重合反応で使用したラジカル重合性単量体(α)を使用し、第1の重合反応終了時点で、未反応のラジカル重合性単量体(α)が残っている場合は、第2の重合反応開始時点で、反応系内に、ラジカル重合性単量体(α)を追加しなくてもよい。
また、反応活性をより高めるために、これらの単量体を添加する際に、ラジカル発生剤を系内に追加してもよい。
このリビング性を有する重合体鎖の成長末端が空気中に晒されると、その成長末端が水素原子や水酸基に置き換わり、成長末端は失活する。
製造方法(II)は、マクロラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、前記マクロラジカル重合開始剤が、下記式(2)で示される化合物であり、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とするものである。
Q1、Q2、Q3の親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基、水酸基、アミノ基、イオン基、これらの基を含む基(例えば、2-ヒドロキシエチル基)等が挙げられる。
反応時間は特に限定されないが、通常、1分から12時間、好ましくは1分から6時間である。
得られた式(2)で示される化合物は、常法に従って単離精製した後、製造方法(II)に用いてもよいし、この反応で得られた反応液をそのまま製造方法(II)に用いてもよい。また、この場合、式(2)で示される化合物を含む反応液を得る反応を、共役ジエン系単量体とラジカル重合性単量体(α)を乳化重合又は懸濁重合させる溶媒系と同じ溶媒系で行い、引き続き、反応系に、共役ジエン系単量体とラジカル重合性単量体(α)を添加して、乳化重合又は懸濁重合を行ってもよいし、式(2)で示される化合物を含む反応液を得た後、反応溶媒系を共役ジエン系単量体とラジカル重合性単量体(α)を乳化重合又は懸濁重合させる溶媒系とした後に、反応系に、共役ジエン系単量体とラジカル重合性単量体(α)を添加して、乳化重合又は懸濁重合を行うようにしてもよい。
製造方法(I)又は(II)により得られる共重合体の分子量は、反応時間及び有機テルル化合物の量により調整可能であるが、例えば、ポリスチレン換算の数平均分子量が、500~1,000,000、好ましくは1,000~200,000である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.01~2.50、好ましくは1.01~2.00、より好ましくは1.01~1.60である。
ディールス・アルダー反応による副生物に関する収率は、通常は、20%以下、好ましくは10%以下である。
本発明のラテックスの製造方法は、水中に共重合体の粒子が分散してなるラテックスの製造方法であって、本発明の共重合体の製造方法により、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体を合成することを特徴とするものである。
すなわち、上記の製造方法(I)又は(II)で得られた反応液又はその濃縮液若しくは希釈液は、本発明の製造方法により得られるラテックスである。
下記の各例において、各種の測定については、以下の方法に従って行った。
測定装置としてBRUKER社製「BRUKER-500」を用い、溶媒としてCDCl3を用いて測定した。
測定装置として島津製作所社製「GC2010」を用い、カラムとしてphenomenex社製「ZB-5」を用いて測定し、定量はメシチレンを用いた内部標準法に基づいて行った。
重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶出液とし、測定装置として東ソー社製「HLC-8220」を、カラムとして東ソー社製「TSK―GEL」の「SuperMultiporeHZ-H」を4本連結したものを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)測定により、ポリスチレン換算の値として求めた。
窒素雰囲気下、300mLの三口フラスコ内で、金属テルル(Aldrich社製、以下同じ)11.48g(90mmol)をTHF86mlに懸濁させた。得られた懸濁液を撹拌しながら0℃に冷却した。懸濁液の撹拌と冷却を続けながら、この懸濁液に、メチルリチウム(1.10Mジエチルエーテル溶液、関東化学社製、以下同じ)86.0ml(94.5mmol)を、10分かけて滴下した。滴下終了後、三口フラスコ内の内容物を、室温(25℃)で20分撹拌することで、金属テルルが完全に消失した反応溶液を得た。
得られた反応溶液を撹拌しながら0℃に冷却した。反応溶液の撹拌と冷却を続けながら、この反応溶液に、臭化アリル(東京化成工業社製、以下同じ)11.4g(94.5mmol)を加えた。そのまま、三口フラスコ内の内容物の撹拌を2時間続けて反応を行った後、反応溶液を室温に戻した。
得られた反応溶液を、脱気水、脱気飽和NH4Cl水溶液、脱気飽和NaCl水溶液で順次洗浄した。次いで、有機層(洗浄後の反応溶液)に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥後、窒素雰囲気下でセライトろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、次いで、濃縮物を減圧蒸留することにより、黄色油状物として、3-メチルテラニル-1-プロペン6.55g(収率40%)を得た。
得られた3-メチルテラニル-1-プロペンの1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm)1.85(s,3H),3.31(d,J=8.5Hz,2H),4.80(d,J=9.0Hz,1H),4.85(d,J=17.0Hz,1H),5.90-5.99(m,1H)
メチルリチウムの代わりにフェニルリチウム(0.98Mシクロヘキサン-ジエチルエーテル溶液、関東化学社製)96.4ml(94.5mmol)を用いたこと、及び臭化アリルの代わりにエチル-2-ブロモイソブチレート(東京化成社製)18.45g(94.5mmol)を用いたこと以外は、合成例1と同様にして反応・精製を行い、黄色油状物としてエチル2-メチル-2-フェニルテラニルプロピオネート13.4g(収率51%)を得た。
得られたエチル2-メチル-2-フェニルテラニルプロピオネートの1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm)1.18(t,J=7.2Hz、3H),1.73(s,6H),4.07(q,J=7.2Hz,2H),7.26-7.30(m,2H),7.39-7.43(m,1H),7.88-7.90(m,2H)
臭化アリルの代わりに2-ブロモ-2-メチルプロピオニトリル13.99g(94.5mmol)を用いたこと以外は、合成例1と同様にして反応・精製を行い、黄色油状物として2-メチル-2-メチルテラニルプロピオニトリル5.97g(収率31%)を得た。
得られた2-メチル-2-メチルテラニルプロピオニトリルの1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm)1.88(s,6H),2.39(s,3H)
合成例1で得た3-メチルテラニル-1-プロペン0.030部にメタクリル酸(和光純薬工業社製)0.426部を加えて、これを25℃で30分間撹拌して、マクロラジカル重合開始剤を得た。
得られた反応液から、マクロラジカル重合開始剤を単離し、その構造を確認したところ、このマクロラジカル重合開始剤は、式(2a)で表される構造を有する化合物(n1の平均値は30)であることが分かった。
合成例1で得た3-メチルテラニル-1-プロペン0.030部にアクリルアミド(東京化成工業社製)0.351部を加えて、これを60℃で1時間撹拌して、マクロラジカル重合開始剤を得た。
得られた反応液から、マクロラジカル重合開始剤を単離し、その構造を確認したところ、このマクロラジカル重合開始剤は、式(2b)で表される構造を有する化合物(n2の平均値は30)であることが分かった。
窒素雰囲気下、300mLの三口フラスコ内で、金属テルル5.23g(41mmol)をTHF45mlに懸濁させた。得られた懸濁液を撹拌しながら0℃に冷却した。懸濁液の撹拌と冷却を続けながら、この懸濁液に、メチルリチウム(1.10Mジエチルエーテル溶液)45.0ml(43.0mmol)を、10分かけて滴下した。滴下終了後、三口フラスコ内の内容物を、室温(25℃)で20分撹拌することで、金属テルルが完全に消失した反応溶液を得た。
得られた反応溶液を撹拌しながら、この反応溶液に、飽和NH4Cl水溶液30mLを加え、1時間空気中で撹拌した。有機層を分離し、水、飽和NaCl水溶液で順次洗浄した。次いで、有機層(洗浄後の反応溶液)に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥後、セライトろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、次いで、濃縮物を減圧蒸留(0.6mmHg、43℃)することにより、褐色油状物として、ジメチルジテルリド2.48g(収率42%)を得た。
得られたジメチルジテルリドの1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR(500MHz,CDCl3,TMS,δppm)2.67(s,6H)
イソプレン(IP):東京化成工業社製
1,3-ブタジエン(BD):東京化成工業社製
アクリロニトリル(AN):和光純薬工業社製
アクリル酸エチル(EA):和光純薬工業社製
アクリル酸ブチル(BA):和光純薬工業社製
スチレン(St):和光純薬工業社製
メタクリル酸メチル(MMA):和光純薬工業社製
ラジカル重合開始剤(2):エチル-2-メチル-2-フェニルテラニルプロピオネート(合成例2)
ラジカル重合開始剤(3):2-メチル-2-メチルテラニルプロピオニトリル(合成例3)
ラジカル重合開始剤(4):マクロラジカル重合開始剤(合成例4)
ラジカル重合開始剤(5):マクロラジカル重合開始剤(合成例5)
ラジカル発生剤(2):2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン](和光純薬工業社製)
ラジカル発生剤(3):過硫酸アンモニウム(APS)(和光純薬工業社製)
80mLのガラス製反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(東京化成工業社製)2.0部と蒸留水216部を入れて混合し、界面活性剤水溶液を得た。次いで、この界面活性剤水溶液に、ラジカル発生剤(1)0.027部、イソプレン56.2部、アクリロニトリル43.8部、ガスクロマトグラフ分析用内部標準(以下、「内部標準」という。)としてメシチレン(和光純薬工業社製、以下同じ)10部を加えて撹拌し、単量体の乳化液を調製した。
この単量体の乳化液を窒素バブリングにより十分に脱気した後、このものに、ラジカル重合開始剤(1)0.030部を加え、これを60℃で18時間撹拌し、重合反応を行った。
重合反応液をメタノール中に注ぎ、重合反応生成物を析出させた。析出物をろ取、乾燥することにより、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は62%、アクリロニトリルの転化率は40%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は4%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは146,000、Mnは94,000、Mw/Mnは1.55であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は75%、アクリロニトリルの転化率は60%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は5%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは164,200、Mnは116,400、Mw/Mnは1.41であった。
反応容器として80mLの金属製オートクレーブを使用したことと、第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、1,3-ブタジエン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、1,3-ブタジエンの転化率は75%、アクリロニトリルの転化率は54%、副生成物として得られた1,3-ブタジエンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は4%であった。
GPC分析の結果、1,3-ブタジエン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは203,300、Mnは123,200、Mw/Mnは1.65であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は42%、アクリロニトリルの転化率は59%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は2%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは89,900、Mnは63,300、Mw/Mnは1.42であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は63%、アクリロニトリルの転化率は40%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は5%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは168,700、Mnは92,700、Mw/Mnは1.82であった。
合成例6で得たジメチルジテルリド0.009部を、ラジカル重合開始剤(1)を加えた後にさらに添加して重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は59%、アクリロニトリルの転化率は39%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は4%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは152,100、Mnは102,100、Mw/Mnは1.49であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は65%、アクリロニトリルの転化率は43%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は4%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは175,300、Mnは108,900、Mw/Mnは1.61であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は61%、アクリロニトリルの転化率は43%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は4%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは139,400、Mnは92,300、Mw/Mnは1.51であった。
第1表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと、及び重合温度を60℃から55℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は61%、アクリロニトリルの転化率は49%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は5%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは139,200、Mnは71,000、Mw/Mnは1.96であった。
第2表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は60%、アクリロニトリルの転化率は55%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は6%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは117,500、Mnは68,300、Mw/Mnは1.72であった。
80mLのガラス製反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(東京化成工業社製)2.0部と蒸留水216部を入れて混合し、界面活性剤水溶液を得た。次いで、この界面活性剤水溶液に、ラジカル発生剤(1)0.027部、アクリル酸エチル3.3部、内部標準としてメシチレン10部を加えて撹拌し、単量体の乳化液を調製した。
この単量体の乳化液を窒素バブリングにより十分に脱気した後、このものに、ラジカル重合開始剤(1)0.030部を加え、これを50℃で7時間撹拌し、重合反応を行った。
次いで、この重合反応液に、ラジカル発生剤(1)0.027部、イソプレン56.2部、アクリロニトリル43.8部を混合して窒素バブリングにより十分に脱気したものを加え、これを60℃で18時間撹拌し、重合反応を行った。
重合反応液をメタノール中に注ぎ、重合反応生成物を析出させた。析出物をろ取、乾燥することにより、アクリル酸エチルブロックと、イソプレン-アクリロニトリルランダムブロックとを有するブロック共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、アクリル酸エチルの転化率は99%、イソプレンの転化率は55%、アクリロニトリルの転化率は36%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は6%であった。
GPC分析の結果、ブロック共重合体のMwは148,200、Mnは85,400、Mw/Mnは1.74であった。
第2表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は85%、アクリロニトリルの転化率は79%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は3%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは17,600、Mnは12,400、Mw/Mnは1.42であった。
第2表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-アクリル酸ブチルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は72%、アクリル酸ブチルの転化率は61%、副生成物として得られたイソプレンとアクリル酸ブチルのディールス・アルダー体の収率は3%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリル酸ブチル共重合体のMwは13,500、Mnは9,800、Mw/Mnは1.38であった。
第2表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-スチレンランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は65%、スチレンの転化率は54%、副生成物として得られたイソプレンとスチレンのディールス・アルダー体の収率は1%未満であった。
GPC分析の結果、イソプレン-スチレン共重合体のMwは19,400、Mnは14,300、Mw/Mnは1.36であった。
第2表に記載の化合物を用いて重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、イソプレン-メタクリル酸メチルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は54%、メタクリル酸メチルの転化率は42%、副生成物として得られたイソプレンとメタクリル酸メチルのディールス・アルダー体の収率は1%未満であった。
GPC分析の結果、イソプレン-メタクリル酸メチル共重合体のMwは19,000、Mnは13,200、Mw/Mnは1.44であった。
80mLのガラス製反応容器に、ラジカル発生剤(1)0.027部、イソプレン56.2部、アクリロニトリル43.8部、内部標準としてメシチレン10部を加えて撹拌し、単量体溶液を調製した。
この単量体溶液を窒素バブリングにより十分に脱気した後、このものに、ラジカル重合開始剤(1)0.030部を加え、これを60℃で24時間撹拌し、重合反応を行った。
重合反応液の一部をメタノール中に注ぎ、重合反応生成物を析出させた。析出物をろ取、乾燥することにより、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体を得た。
ガスクロマトグラフ分析の結果、イソプレンの転化率は24%、アクリロニトリルの転化率は24%、副生成物として得られたイソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は12%であった。
GPC分析の結果、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは15,600、Mnは11,200、Mw/Mnは1.39であった。
また、重合反応液の残りをさらに重合を168時間まで延長したところ、イソプレンの転化率は62%、アクリロニトリルの転化率は66%となったが、イソプレンとアクリロニトリルのディールス・アルダー体の収率は44%であり、イソプレン-アクリロニトリルランダム共重合体のMwは48,300、Mnは38,200、Mw/Mnは1.26であった。
実施例1~15においては、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)との共重合反応(懸濁重合又は乳化重合)により行うことで、ディールス・アルダー反応による副生物の量が抑制されている。
一方、比較例1では、共役ジエン系単量体と、ラジカル重合性単量体(α)との共重合反応を塊状重合により行ったが、反応時間が24時間の場合、共役ジエン系単量体、及びラジカル重合性単量体(α)の転化率は低い。
また、この反応を168時間まで延長した場合、共役ジエン系単量体、及びラジカル重合性単量体(α)の転化率は高くなるが、ディールス・アルダー反応による副生物が大量に生じるという結果になった。
Claims (7)
- ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、
前記ラジカル重合開始剤が、式(1)
で示される化合物であり、
共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする共重合体の製造方法。 - ラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、
前記ラジカル重合開始剤が、前記式(1)で示される化合物であり、
共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体を乳化重合又は懸濁重合した後、反応系内で、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体の製造方法。 - マクロラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、
前記マクロラジカル重合開始剤が、式(2)
で示される化合物であり、
共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする共重合体の製造方法。 - マクロラジカル重合開始剤及びラジカル発生剤を用いる、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体の製造方法であって、
前記マクロラジカル重合開始剤が、前記式(2)で示される化合物であり、
共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体を乳化重合又は懸濁重合した後、反応系内で、共役ジエン系単量体と、共役ジエン系単量体以外のラジカル重合性単量体とを、乳化重合又は懸濁重合することを特徴とする、請求項3に記載の共重合体の製造方法。 - 水中に共重合体の粒子が分散してなるラテックスの製造方法であって、請求項1~6のいずれかに記載の方法により、共役ジエン系単量体由来の繰り返し単位を有する共重合体を合成することを特徴とする、ラテックスの製造方法。
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