JP2017210466A - 環状イミド化合物およびその製造方法 - Google Patents

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三浦 雅博
Masahiro Miura
雅博 三浦
佐藤 哲也
Tetsuya Sato
哲也 佐藤
智大 森田
Tomohiro Morita
智大 森田
三俊 秋田
Mitsutoshi Akita
三俊 秋田
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Abstract

【課題】置換基を有する環状イミド化合物、及びその製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)で表される化合物。該化合物は、例えばカルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム等のルテニウム触媒を用いて、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物とアクリル酸ブチル等のオレフィン化合物とのカップリング反応により製造できる。[R1はC1〜24の有機基;R2は置換/非置換のC1〜13のカルボン酸エステル又はカルボン酸アミド、カルボン酸或いはその塩、ニトリル]【選択図】なし

Description

本発明は、環状イミド化合物およびその製造方法に関する。より詳しくは、イミド環に置換基を有する環状イミド化合物およびその製造方法に関する。
マレイミド環等のイミド環に置換基を有する環状イミド化合物は、有用な薬理活性物質の前駆体として知られ、光機能物質、重合性モノマーおよび樹脂原料としても高機能が期待される化合物である(例えば、非特許文献1〜2)。
European Journal of Medicinal Chemistry,2007,42,243 Tetrahedron Letters,2006,47,7409
上記のとおり、イミド環に置換基を有する環状イミド化合物は、種々の用途への適用が期待されているが、イミド環に置換基を有する環状イミド化合物の合成には多段階の反応が不可欠であるため、所望の置換基を有する環状イミド化合物を製造することは容易ではなかった。そのため、知られているイミド環に置換基を有する環状イミド化合物の種類も限られていた。
よって、本発明は、置換基を有する環状イミド化合物を簡便に製造することが可能な製造方法、および、新規な置換基を有する環状イミド化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。
すなわち本発明の環状イミド化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2017210466
上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表し、Rは、炭素数1〜13の置換基を有する若しくは置換基を有さないカルボン酸エステル、炭素数1〜13の置換基を有する若しくは置換基を有さないアミド基、カルボキシル基若しくはその塩、またはシアノ基を表す。
また、本発明の環状イミド化合物の製造方法は、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを、遷移金属触媒の存在下で反応させる工程を含む、環状イミド化合物の製造方法である。
Figure 2017210466
上記一般式(2)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表す。
Figure 2017210466
上記一般式(3)において、Rは、水素原子または炭素数1〜13の有機基を表す。
本発明の環状イミド化合物の製造方法は、環状イミド環に置換基を有する環状イミド化合物を、簡便かつ効率的に製造することが可能である。また、本発明の、環状イミド化合物の製造方法は、これまでに知られていなかった環状イミド化合物を提供することが可能となる。本発明の環状イミド化合物は、薬理活性物質の前駆体、光機能物質、重合性モノマーおよび樹脂原料等として適用できる可能性がある。
実施例1で得られた環状イミド化合物(1)のHNMRチャートである。 実施例2で得られた環状イミド化合物(2)のHNMRチャートである。 実施例3で得られた環状イミド化合物(3)のHNMRチャートである。 実施例4で得られた環状イミド化合物(4)のHNMRチャートである。 実施例5で得られた環状イミド化合物(5)のHNMRチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[本発明の環状イミド化合物]
本発明の環状イミド化合物は、上記一般式(1)で表される。
上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表す。上記有機基としては、特に制限は無いが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、環状アミノ基、環状アミド基、環状エーテル基等が好ましく例示され、これらは置換基を有しても良い。
置換基としては、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基およびその塩、カルボン酸エステル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、スルホン酸基及びその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、環状アミノ基、環状アミド基、環状エーテル基等が好ましく例示され、これらの置換基は、さらに置換基を有していても良い。
なお、「置換基を有しても良い」とは、有機基の水素原子の1または2以上が置換基で置換されていることを意味し、例えば置換基を有するアルキル基とは、アルキル基の水素原子の1または2以上が置換基で置換されている構造のアルキル基を表す。
の有機基が置換基を有する場合、全体として炭素数1〜24であればよく、置換基を複数有していても、2種以上の置換基を有していても良い。
としては、効率よく製造できることから、置換基を有する若しくは置換基を有さないアルキル基、置換基を有する若しくは置換基を有さないシクロアルキル基、置換基を有する若しくは置換基を有さないアリール基であることがより好ましい。
は、炭素数1〜24の有機基であるが、炭素数は1〜18であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子または炭素数1〜13の有機基を表すが、該有機基としては、特に制限は無いが、カルボン酸エステル基、カルボキシル基及びその塩、アミド基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、環状アミノ基、環状アミド基、環状エーテル基等が好ましく例示され、これらは置換基を有しても良い。Rの置換基としては、Rの置換基と同様の基が例示される。
の有機基が置換基を有する場合、全体として炭素数1〜13であればよく、置換基を複数有していても、2種以上の置換基を有していても良い。Rがフェニル基の場合にはRは、炭素数3〜13の有機基であっても良い。
としては、効率よく製造できることから、また、広範な用途に使用できる可能性があることから、置換基を有する若しくは置換基を有さないカルボン酸エステル、置換基を有する若しくは置換基を有さないアミド基、カルボキシル基若しくはその塩、またはシアノ基であることがより好ましい。
は、炭素数1〜13の有機基であるが、炭素数は10以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。また、炭素数は3以上であることがより好ましい。
[本発明の環状イミド組成物]
本発明の環状イミド組成物は、本発明の環状イミド化合物を含む。本発明の環状イミド組成物は、本発明の環状イミド化合物以外の化合物を含んでいても良く、例えば、溶剤、本発明の環状イミド化合物以外の重合性化合物(単量体)、重合開始剤、重合禁止剤、本発明の環状イミド化合物の製造原料やそれらに由来する副生物、本発明の環状イミド化合物の製造時における触媒残渣等が例示される。
本発明の環状イミド組成物は、本発明の環状イミド化合物を例えば0.1質量%以上、99.9質量%以下含むことが好ましく、1質量%以上、99.5質量%以下含むことがより好ましい。
なお、上記溶剤としては、例えば後述する本発明の環状イミド化合物の製造時に使用可能な溶剤が例示される。本発明の環状イミド組成物における溶剤の含有量は、例えば、0質量%以上、99.9質量%以下である。
上記重合開始剤としては、熱および/または光によりラジカルを発生する化合物等が例示される。具体的には、後述する重合工程で使用できるものを使用しても良い。本発明の環状イミド組成物における重合開始剤の含有量は、例えば、0質量%以上、10.0質量%以下である。より好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
上記単量体としては、本発明の環状イミド化合物と共重合可能な化合物等が例示される。本発明の環状イミド組成物における本発明の環状イミド化合物以外の単量体の含有量は、例えば、0質量%以上、99質量%以下である。
上記重合禁止剤としては、特に制限は無いが、例えばヒドロキノン、p−メトキシフェノール(メトキノン)、フェノチアジン、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン1−オキシル(4H−TEMPO)等が例示される。これらは、1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
上記重合禁止剤の含有量は、0〜10000ppmであることが好ましい。より好ましくは0〜5000ppmであり、さらに好ましくは0〜1000ppmである。上記範囲で含むことにより、本発明の組成物の取扱い性や保存安定性が向上する傾向にある。
[本発明の環状イミド重合体]
本発明の環状イミド重合体は、本発明の環状イミド化合物に由来する構造単位を含む。本発明の環状イミド化合物に由来する構造単位とは、本発明の環状イミド化合物が重合して形成される構造単位と同じ構造の構造単位であり(本発明の環状イミド化合物が重合して形成された構造単位には限定されない)、本発明の環状イミド化合物の炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造の構造単位である。
本発明の環状イミド化合物に由来する構造単位は、具体的には下記の一般式(4)で表すことができる。
Figure 2017210466
上記一般式(4)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表し、Rは、炭素数1〜13の有機基を表す。上記一般式(4)におけるR、Rの態様、好ましい態様は、上記一般式(1)におけるR、Rの態様、好ましい態様と同様である。
本発明の環状イミド重合体は、本発明の環状イミド化合物以外の単量体(以下、「その他の単量体」ともいう)に由来する構造単位を含んでいても良い。その他の単量体に由来する構造単位とは、その他の単量体の炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造の構造単位である。
本発明の環状イミド重合体は、本発明の環状イミド化合物に由来する構造単位を1質量%以上、100質量%以下含むことが好ましく、10質量%以上、100質量%以下含むことがより好ましい。
本発明の環状イミド重合体における、その他の単量体に由来する構造単位の含有量は、0質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、0質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。
本発明の環状イミド重合体は、重量平均分子量が例えば500以上、1000000以下であることが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定することができる。
[本発明の環状イミド化合物の製造方法]
本発明の環状イミド化合物の製造方法は、上記一般式(2)で表される化合物と、上記一般式(3)で表される化合物とを、遷移金属触媒の存在下で反応させる工程を含む(以下、「反応工程」ともいう)、環状イミド化合物の製造方法である。
上記一般式(2)におけるR、上記一般式(3)におけるRの態様、好ましい態様は、上記一般式(1)におけるR、Rの態様、好ましい態様と同様である。上記一般式(2)の化合物として、具体的には、N−メチルマレイミド、N−ターシャリーブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−オクタデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−アルキルマレイミド(アルキル基は置換基を有していても良い);N−シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキルマレイミド(シクロアルキル基は置換基を有していても良い);N−フェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド(アリール基は置換基を有していても良い);等が好ましく例示される。上記一般式(2)で表される化合物は、市販されているものは市販品を使用しても構わないが、公知の製法(例えば、特開平01−242568号公報、特開平02−001476号公報等)に記載の方法に準じて、若しくは適宜変更を加えて製造した化合物を使用しても構わない。
上記一般式(3)の化合物として、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸Tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル;アクリルアミド、N,N,ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;アクリロニトリル;等が好ましく例示される。
上記反応工程において、上記一般式(2)で表される化合物と、上記一般式(3)で表される化合物との使用比率は、上記一般式(2)で表される化合物:上記一般式(3)で表される化合物のモル比が、0.5:5.0〜1.0:0.2であることが好ましく、0.5:4.0〜1.0:0.5であることがより好ましく、0.3:3.0〜1.0:0.8であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、本発明の環状イミド化合物の収率が向上しつつ、反応の効率を向上させることが可能となる傾向にある。
上記反応工程において、使用する遷移金属触媒としては、ルテニウムを含有する錯体であることが好ましく、0価のルテニウムを発生できる錯体であることがより好ましく、ルテニウムヒドリド錯体がさらに好ましく、RuHX(CO)(PRで表される化合物(ただし、式中のXは、水素原子またはハロゲン原子を表し、R〜Rはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基を表す)がよりさらに好ましく、カルボニル(ジヒドリド)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム等が使用時に特に良好な収率でマレイミド化合物が得られる傾向にあることから特に好ましい。ルテニウム上の配位子の芳香環にフッ素等の電子吸引性の置換基が結合している錯体を使用するとさらに収率が向上する。
上記RuHX(CO)(PRで表される化合物において、R〜Rはそれぞれ独立に置換または無置換のアリール基であるが、R〜Rは炭素数6〜24であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。上記「置換のアリール基」とは、アリール基の水素原子の1または2以上が置換基で置換された構造を有する基であり、置換基としては上記Rの置換基と同様の基が例示されるが、ハロゲン原子、アルキル基が好ましい。上記置換のアリール基は置換基は複数有していても良いが、炭素数は置換のアリール基全体として上記範囲であることが好ましい。上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
上記反応工程における遷移金属触媒の使用量は、上記一般式(2)で表される化合物に対して、0.1〜20モル%の範囲で使用することが好ましく、0.5〜15モル%の範囲で使用することがより好ましく、1.0〜10モル%の範囲で使用することがさらに好ましい。
上記反応工程は、無溶媒で行っても良いが、溶媒を使用しても良い。使用可能な溶媒(溶剤)としては、水;ブチルアルコール、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;などが挙げられる。これらの溶剤は、1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
上記反応工程で溶剤を使用する場合、溶剤の使用量としては、例えば上記一般式(2)で表される化合物の濃度が0.01モル/L〜2モル/Lになるようにすることが好ましい。
上記反応工程における反応温度は50℃以上、180℃以下で行うことが好ましく、60℃以上、160℃以下で行うことがさらに好ましく、70℃以上、150℃以下で行うことがよりさらに好ましい。上記範囲であれば、本発明の環状イミド化合物の収率が向上しつつ、反応の効率を向上させることが可能となる傾向にある。
なお、反応温度は反応中一定にする必要は無く、1回または2回以上変動させても良い。反応温度を変動させる場合には、少なくとも一部の時間を上記範囲に設定することが好ましい。
上記反応工程は、特に制限されないが、不活性雰囲気下で行っても良い。例えば、窒素雰囲気下、希ガス雰囲気下、窒素や希ガスで空気を希釈した雰囲気下、等で行っても良い。
上記反応工程は、上記一般式(2)で表される化合物と、上記一般式(3)で表される化合物とを反応器に一括で仕込んでも構わないが、いずれか一方、または両方を、逐次的に反応器に添加しても良い。
本発明の環状イミド化合物の製造方法は、上記反応工程を必須に含むが、その他の工程を含んでいても良い。例えば、精製工程、触媒不活性化工程、希釈工程、濃縮工程、抽出工程、未反応原料の回収工程等が例示される。
[本発明の環状イミド重合体の製造方法]
本発明の環状イミド重合体は、特に制限されないが、本発明の環状イミド化合物を必須とし、必要に応じて本発明の環状イミド化合物以外の単量体(その他の単量体)を含む単量体組成物を重合する工程(以下、「重合工程」ともいう)を含み、製造することが好ましい。
上記その他の単量体としては、重合性の炭素炭素二重結合を、一分子に一つ有する化合物が例示される。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の、(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の、(メタ)アクリルアミド誘導体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の、塩基性不飽和単量体およびその塩または第4級化物;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の、カルボキシル基含有不飽和単量体およびその塩;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の、不飽和無水物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の、ビニルエステル類;ビニルエチレンカーボネートおよびその誘導体;スチレンおよびその誘導体;(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチルおよびその誘導体;ビニルスルホン酸およびその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の、ビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等の、オレフィン類;などが挙げられる。これらを使用する場合には、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記重合工程における本発明の環状イミド化合物の使用量は、本発明の環状イミド化合物とその他の単量体の合計のモル数に対して、1質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、100質量%以下であることがより好ましい。
上記重合工程は、重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。 上記重合開始剤としては、熱または光でラジカルを発生する化合物が好ましい。熱重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;過酸化水素;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられる。光重合開始剤としては、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤等が例示される。これらの重合開始剤を使用する場合には、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記重合工程は、溶媒を使用しても良い。使用できる溶媒としては、例えば上記反応工程の説明で例示した溶剤が例示される。
上記反応工程は、特に制限されないが、不活性雰囲気下で行っても良い。不活性雰囲気下としては、例えば上記反応工程の説明で例示した雰囲気下が例示される。
上記重合工程は、公知のマレイミド化合物等の環状イミド化合物の重合方法を、そのまままたは変形して適用しても良い。
[本発明の環状イミド化合物の用途]
本発明の環状イミド化合物は、有用な薬理活性物質の前駆体、光機能物質、重合性モノマーおよび樹脂原料等として好ましく使用することができる。また、塗料用途、接着剤用途、レジスト用途等に好ましく使用することができる。すなわち、本発明の環状イミド組成物は、薬理活性物質用組成物、光機能物質用組成物、重合性モノマー組成物、樹脂用組成物、塗料用組成物、接着剤用組成物、レジスト用組成物等として使用することが好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
Figure 2017210466
15mLのシュレンクチューブに原料としてN−シクロヘキシルマレイミド(89.6 mg,0.50mmol)、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム (27.0mg,0.025mmol)を加え、窒素置換した。アクリル酸ブチル(128.1mg,1.0mmol)を脱気したトルエン(3mL)に溶解させ、シュレンクチューブに加え、120℃で5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル(20mL)、水(20mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウム、活性アルミナを用いて乾燥およびろ過を行った。ろ液から溶媒を留去した後、残存した固体をトルエン(3mL)に溶解させ、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(3:1)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより目的生成物(本発明の環状イミド化合物(1))を白色固体(142.5mg,93%)として得た。
mp75−76℃,142mg,93%;HNMR(400MHz,CDCl)δ0.94(t,J=7.4Hz,3H),1.20−1.43(m,5H),1.59−1.68(m,5H),1.81−1.85(m,2H),2.12−2.22(m,2H),3.19−3.21(m,4H),4.05(tt,J=3.9Hz,J=12.3Hz,1H),4.13(t,J=6.7Hz,2H),6.88−6.92(m,1H),;13CNMR(100MHz,CDCl)δ13.66,19.08,25.02,25.84,28.85,30.53,31.90,35.14,51.72,65.35,128.68,128.72,169.22,169.33,173.52;HRMSm/zcalcdforC1726NO(M+H)308.1856,found308.1843.
<実施例2>
Figure 2017210466
15mLのシュレンクチューブに原料としてN−シクロヘキシルマレイミド(89.6mg,0.50mmol)、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム(27.0mg,0.025mmol)を加え、窒素置換した。アクリル酸tert−ブチル(128.1mg,1.0mmol)を脱気したトルエン(3mL)に溶解させ、シュレンクチューブに加え、120℃で5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル(20mL)、水(20mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウム、活性アルミナを用いて乾燥およびろ過を行った。ろ液から溶媒を留去した後、残存した固体をトルエン(3mL)に溶解させ、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(3:1)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより目的生成物(本発明の環状イミド化合物(2))を白色固体(144.0mg,94%)として得た。
mp123−124℃,144mg,94%;HNMR(400MHz,CDCl)δ1.18−1.38(m,3H),1.47(s,9H),1.58−1.68(m,3H),1.81−1.85(m,2H),2.12−2.22(m,2H),3.11−3.13(m,2H),3.18−3.19(m,2H),4.04(tt,J=3.9Hz,J=12.3Hz,1H),6.88(tt,J=2.3Hz,J=7.4Hz,1H);13CNMR(100MHz,CDCl)δ25.02,25.83,28.01,28.83,31.94,36.40,51.65,81.95,128.36,129.32,168.43,169.30,173.62;HRMSm/zcalcdforC1726NO(M+H)308.1856,found308.1846.
<実施例3>
Figure 2017210466
15mLのシュレンクチューブに原料としてN−シクロヘキシルマレイミド(89.6mg,0.50mmol)、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム(27.0mg,0.025mmol)を加え、窒素置換した。アクリル酸メチル(86.1mg, 1.0mmol)を脱気したトルエン(3mL)に溶解させ、シュレンクチューブに加え、120℃で5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル(20mL)、水(20mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウム、活性アルミナを用いて乾燥およびろ過を行った。ろ液から溶媒を留去した後、残存した液体をトルエン(3mL)に溶解させ、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(3:1)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより目的生成物(本発明の環状イミド化合物(3))を黄色固体(111.1mg,84%)として得た。
mp86−87℃,111mg,84%;HNMR(400MHz,CDCl)δ1.18−1.38(m,3H),1.59−1.68(m,3H),1.82−1.86(m,2H),2.12−2.22(m,2H),3.19−3.23(m,4H),3.74(s,3H),4.05(tt,J=3.9Hz,J=12.3Hz,1H),6.89(tt,J=2.3Hz,J=7.4Hz,1H);13CNMR(100MHz,CDCl)δ25.02,25.84,28.84,31.87,34.89,51.74,52.40,128.42,128.85,169.22,169.68,173.48;HRMSm/zcalcdforC1420NO(M+H)266.1387,found266.1379.
<実施例4>
Figure 2017210466
15mLのシュレンクチューブに原料としてN−ベンジルマレイミド(93.6mg,0.50mmol)、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム(27.0mg,0.025mmol)を加え、窒素置換した。アクリル酸ブチル(128.1mg,1.0mmol)を脱気したトルエン(3mL)に溶解させ、シュレンクチューブに加え、120℃で5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル(20mL)、水(20mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウム、活性アルミナを用いて乾燥およびろ過を行った。ろ液から溶媒を留去した後、残存した液体をトルエン(3mL)に溶解させ、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(3:2)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより目的生成物(本発明の環状イミド化合物(4))を黄色液体(131.3mg,83%)として得た。
HNMR(400MHz,CDCl)δ0.93(t,J=7.4Hz,3H),1.32−1.42(m,2H),1.58−1.65(m,2H),3.18−3.21(m,2H),3.23−3.24(m,2H),4.12(t,J=6.7Hz,2H),4.73(s,2H),6.96(tt,J=2.4Hz,J=7.5Hz,1H),7.24−7.33(m,3H),7.38−7.41(m,2H);13CNMR(100MHz,CDCl)δ13.66,19.08,30.53,31.98,35.20,42.42,65.40,127.99,128.63,128.66,128.92,129.64,135.71,168.84,169.15,173.07;HRMSm/zcalcdforC1822NO(M+H)316.1543,found316.1528.
<実施例5>
Figure 2017210466
15mLのシュレンクチューブに原料としてN−フェニルマレイミド(86.6mg,0.50mmol)、カルボニルジヒドリドトリス(トリp−フルオロフェニルホスフィン)ルテニウム(27.0mg,0.025mmol)を加え、窒素置換した。アクリル酸ブチル(128.1mg,1.0mmol)を脱気したトルエン(3mL)に溶解させ、シュレンクチューブに加え、120℃で5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル(20mL)、水(20mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウム、活性アルミナを用いて乾燥およびろ過を行った。ろ液から溶媒を留去した後、残存した固体をトルエン(3mL)に溶解させ、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(3:2)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより目的生成物(本発明の環状イミド化合物(5))を茶色固体(100.8mg,67%)として得た。
mp97−99℃,101mg,67%;HNMR(400MHz,CDCl)δ0.95(t,J=7.4Hz,3H),1.35−1.44(m,2H),1.61−1.69(m,2H),3.27−3.29(m,2H),3.43−3.44(m,2H),4.16(t,J=6.7Hz,2H),7.09(tt,J=2.4Hz,J=7.5Hz,1H),7.31−7.34(m,2H),7.38−7.42(m,1H),7.46−7.51(m,2H);13CNMR(100MHz,CDCl)δ13.71,19.11,30.54,32.14,35.29,65.50,126.41,128.38,128.69,129.18,130.64,131.77,168.18,169.17,172.51;HRMSm/zcalcdforC1720NO(M+H)302.1387,found302.1376.
以上のとおり、本発明の環状イミド化合物の製造方法は、マレイミド環等の環状イミドに置換基を有する環状イミド化合物を簡便に、効率よく、良好な収率で製造できることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有する化合物。
    Figure 2017210466
    上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表し、Rは、炭素数1〜13の置換基を有する若しくは置換基を有さないカルボン酸エステル、炭素数1〜13の置換基を有する若しくは置換基を有さないアミド基、カルボキシル基若しくはその塩、またはシアノ基を表す。
  2. 上記一般式(1)で表される構造を有する化合物を1質量%以上、100質量%以下含む組成物。
  3. 下記一般式(4)で表される構造単位を含む重合体。
    Figure 2017210466
    上記一般式(4)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜13の有機基を表す。
  4. 下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを、遷移金属触媒の存在下で反応させる工程を含む、環状イミド化合物の製造方法。
    Figure 2017210466
    上記一般式(2)において、Rは、炭素数1〜24の有機基を表す。
    Figure 2017210466
    上記一般式(3)において、Rは、水素原子または炭素数1〜13の有機基を表す。
  5. 上記遷移金属触媒がルテニウムを含む、請求項4に記載の環状イミド化合物の製造方法。
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