JP6844106B2 - 不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中防汚塗料、機能性高分子材料などの原料モノマーとして幅広く使用されている、側鎖にシリル基を有する不飽和カルボン酸シリルエステルを、その合成後に精製の目的で蒸留する方法に関するものである。
不飽和カルボン酸シリルエステルの製造法としては様々な方法が報告されているが、例えば溶媒中、カルボン酸化合物とモノクロロシランを塩基存在下で製造する方法が報告されている(特許文献1)。不飽和カルボン酸シリルエステルは、一般に光や熱を受けることにより容易に重合することが知られている。不飽和カルボン酸シリルエステルの重合禁止剤として、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(特許文献1、特許文献2)の使用が提案されている。
しかしながら、前記の従来方法に使用される重合禁止剤には次のような問題点があることが指摘されている(特許文献3)。すなわち、高温下、長時間の蒸留工程では十分な重合抑制効果を示さず、蒸留後の製品の収率が低下すること。目的物よりも重合禁止剤の沸点が低い場合、目的物が蒸留缶内に残っているのに、蒸留缶内から重合禁止剤が消失してしまったり、また目的物と重合禁止剤の沸点が同程度の場合には、重合禁止剤が目的物とともに留出してしまう。このため、製品への重合禁止剤の不必要な混入や蒸留缶内の重合禁止剤が消失することで重合が起こりやすくなること。目的物よりも重合禁止剤の沸点が高い場合には、蒸留塔内は重合禁止剤不在となり、蒸留塔内で目的物の重合が起こり、蒸留塔内や配管を閉塞させること、などが挙げられる。
特開平4−342593号公報 特開平10−195084号公報 特開2003−321478号公報
本発明の目的は、従来の方法の欠点を克服できる不飽和カルボン酸シリルエステルの新しい蒸留方法を提供することにある。つまり、従来の方法で起きたポリマー状物質の形成がほとんどなく、また長時間に及ぶ蒸留操作によっても、高い製品回収率で不飽和カルボン酸シリルエステルを蒸留により精製しうる蒸留方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行い検討した結果、下記の一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留工程において、重合禁止剤として、アミン系化合物の存在下で蒸留することにより、重合を起こすことなく不飽和カルボン酸シリルエステルが高収率で得られることを見出した。
即ち、本発明は、
一般式(1)
(式中、R、RおよびRは、同一または異なる、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。R、RおよびRは、同一または異なる、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに、前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに対し、5〜100,000ppm(質量換算)の、ジアミン系重合禁止剤を添加し、その禁止剤の存在下に蒸留する不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法であって、前記ジアミン系重合禁止剤は、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの群から選ばれる少なくとも1種である、不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法である。
また、本発明は、一般式(2)
(式中、R、RおよびRは、同一または異なる、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。)で表される不飽和カルボン酸と、一般式(3)
(式中、R、RおよびRは、同一または異なる、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で表されるトリオルガノモノクロロシランと、塩基とを溶媒中で反応させて不飽和カルボン酸シリルエステルを製造して蒸留する際に、反応終了後の反応液に前記不飽和カルボン酸もしくは前記トリオルガノモノクロロシランのmol量が少ない方に対して、その全量が不飽和カルボン酸シリルエステルとして得られた際の不飽和カルボン酸シリルエステルの質量に対し、5〜100,000ppm(質量換算)のジアミン系重合禁止剤を添加してから、蒸留する方法であって、前記ジアミン系重合禁止剤は、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの群から選ばれる少なくとも1種である、蒸留方法である。
本発明方法を実施すると、次のような効果がもたらされる。すなわち、蒸留工程において効果的に重合を抑制でき、蒸留後の回収物への重合禁止剤の混入も僅かであり、蒸留後の釜内に高粘調性の液状物質も残らず、高い回収率で不飽和カルボン酸シリルエステルを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
一般式(1)において、R、RおよびRは、同一または異なってもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、一般式(1)において、R、RおよびRは、同一または異なってもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、前述のものが挙げられる。シクロアルキル基としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。アリール基としては、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、具体的には、フェニルメチル基、フェニルエチル基が挙げられる。
本発明で使用されるアミン系重合禁止剤は、具体的には、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ジクミルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、3,7−ジクミルフェノチアジン、ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノチアジン、4,4'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジンなどが挙げられる。これらのなかでも、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらのアミン系重合禁止剤は単独で用いてもよいが、数種類を混合して用いてもよい。
アミン系重合禁止剤の添加量は、蒸留される一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに対し、5〜100,000ppm(質量換算)であることが好ましい。添加量が少ないと蒸留時の重合が起きやすくなり、添加量が多いと蒸留後の精製不飽和カルボン酸シリルエステルへの混入や着色が起きやすくなることから、より好ましくは10〜5,000ppm(質量換算)の範囲である。
一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに、アミン系重合禁止剤を添加し、その禁止剤の存在下に蒸留する。蒸留方法については、減圧蒸留や薄膜蒸留などが候補として挙げられるが、これらの蒸留方法を限定する必要はなく、不飽和カルボン酸シリルエステルを精製できる方法であればよい。また、重合禁止剤は蒸留原液に添加するのみで蒸留するか、あるいは蒸留原液に添加するとともに精留塔の塔頂部の還流回路からも添加して蒸留するかのいずれでもよい。
精留塔の塔頂部の還流回路に加えるアミン系化合物の添加量は、蒸留される一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに対し、5〜100,000ppm(質量換算)であることが好ましい。添加量が少ないと蒸留時の重合が起きやすくなり、添加量が多いと蒸留後の精製不飽和カルボン酸シリルエステルへの混入や着色が起きやすくなったり、不飽和カルボン酸シリルエステルが分解しやすくなったりすることから、より好ましくは10〜5,000ppm(質量換算)の範囲であり、適当な溶媒に溶解させた溶液として供給されることが好ましい。この溶液は不飽和カルボン酸シリルエステルの留出開始から終了まで、精留塔の塔頂部の還流回路から少量ずつ断続的または連続的に供給されることが好ましい。
上記の重合禁止剤を溶解させる溶媒としては、目的物である不飽和カルボン酸シリルエステルそのものか、あるいは目的物である不飽和カルボン酸シリルエステルよりも沸点の高い有機溶媒が好ましい。
蒸留時は空気もしくは分子状酸素を導入せずに密閉系で行うことができるが、重合防止効果を期待する上で空気もしくは分子状酸素を導入しながら蒸留することもできる。この場合、導入する空気もしくは分子状酸素に含まれる水分による不飽和カルボン酸シリルエステルの加水分解を防止するため、乾燥処理をされたものを用いることが好ましい。
本発明の蒸留は、0.001mmHg〜常圧の範囲であることが好ましい。減圧が強いと目的物である不飽和カルボン酸シリルエステルと沸点の近い不純物が混入しやすく、減圧が弱いと蒸留温度が高温になるため、重合が起こりやすく、また、重合禁止剤が混入しやすくなるため、好ましくは0.01〜500mmHgの減圧下で行われる。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸と、一般式(3)で表されるトリオルガノモノクロロシランと、塩基とを溶媒中で反応させて不飽和カルボン酸シリルエステルを製造して蒸留する際に、反応終了後の反応液にアミン系重合禁止剤を添加して蒸留することもできる。
一般式(2)において、R、RおよびRは、前記一般式(1)のそれらと同じである。
一般式(3)において、R、RおよびRは、前記一般式(1)のそれらと同じである。
不飽和カルボン酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、2−フェニルアクリル酸、けい皮酸、クロトン酸などが挙げられる。
トリオルガノモノクロロシランとしては、たとえば、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリn−プロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリn−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、トリsec−ブチルクロロシラン、トリn−ヘキシルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ジメチルt−ブチルクロロシラン、ジメチルシクロヘキシルクロロシラン、エチルジn−ブチルクロロシラン、エチルジフェニルクロロシラン、ブチルジフェニルクロロシラン、ジエチルフェニルクロロシラン、ジイソプロピルn−ブチルクロロシラン、n−ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシランなどが挙げられる。
反応させる不飽和カルボン酸とトリオルガノモノクロロシランのmol比率としては、トリオルガノモノクロロシランに対し、不飽和カルボン酸が、0.1〜5の範囲であることが好ましい。不飽和カルボン酸の量が少なすぎると生産効率が低下し、未反応のトリオルガノモノクロロシランが存在することで、蒸留時に不飽和カルボン酸シリルエステルとトリオルガノモノクロロシランを分離することが困難になったり、重合が進みやすくなる。逆に不飽和カルボン酸の量が多すぎると蒸留時に重合する可能性が高まる。より好ましくは0.5〜3の範囲である。
塩基としては、三級アミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリイソペンチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリベンジルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンや、アミン系複素環式化合物であるピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。この三級アミンやアミン系複素環式化合物に代えて、一級や二級のアミンを用いると、不飽和カルボン酸への付加反応が生じたり、モノクロロシランとの副反応が起きやすくなるため好ましくない。
塩基の量は、不飽和カルボン酸もしくはトリオルガノモノクロロシランのmol量が少ない方に対して、塩基のmol比率が、0.1〜5の範囲であることが好ましい。塩基の量が少なすぎると反応が遅くなり、生産効率が低下する。逆に多すぎると未反応のまま残る塩基を処理するために多くの操作が必要となり、生産効率が低下する。より好ましくは0.5〜3の範囲である。
不飽和カルボン酸シリルエステルを製造する際の溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホアミド、N−メチルピロリドン、トリエチルアミンなど非プロトン系極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどアルコール系溶媒、エチレンジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など塩素化炭化水素系溶媒などが挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を混合して使用してもよい。
溶媒量は、トリオルガノモノクロロシランに対し、0.01mol/L〜10.0mol/Lの範囲であることが好ましい。少なすぎると副生する塩酸塩が析出することにより、原料の溶媒への溶解性が妨げられたり、撹拌混合がしにくくなることで反応が遅くなったり、反応熱の除熱が困難となる。逆に多すぎると、生産効率が低くなることから、より好ましくは0.05mol/L〜8.0mol/L、さらに好ましくは0.1mol/L〜5.0mol/Lの範囲である。
反応温度は、−80℃〜溶媒の沸点以下の範囲で実施することが好ましい。反応温度が低すぎると、反応速度が遅く、生産効率が低くなる。高すぎると副反応が起きやすくなったり、重合が進みやすくなったりすることから,収率の低下と純度の低下につながるため、より好ましくは−50℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃の範囲である。
反応は、空気のような酸素含有ガス雰囲気もしくは、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で実施してもよい。
未反応のトリオルガノモノクロロシランが存在すると、蒸留時に不飽和カルボン酸シリルエステルとトリオルガノモノクロロシランを分離することが困難となったり、重合が進みやすくなったりすることから、トリオルガノモノクロロシランの転化率の範囲を定めることが好ましい。トリオルガノモノクロロシランの転化率としては、98.5%以上が好ましいが、より好ましくは、99.9%以上である。
このようにして得られる不飽和カルボン酸シリルエステルは、ついで、アミン系重合禁止剤を添加して、精製工程に供することができる。重合禁止剤としてアミン系化合物を添加し、溶剤を留去するために濃縮してから蒸留により精製し、目的とする不飽和カルボン酸シリルエステルを得ることが好ましい。
アミン系重合禁止剤の添加量は、不飽和カルボン酸もしくはトリオルガノモノクロロシランのmol量が少ない方に対して、その全量が不飽和カルボン酸シリルエステルとして得られた際の不飽和カルボン酸シリルエステルの質量に対し、5〜100,000ppm(質量換算)であることが好ましい。添加量が少ないと濃縮時や蒸留時の重合が起きやすくなり、添加量が多いと蒸留後の精製不飽和カルボン酸シリルエステルへの混入や着色が起きやすくなることから、より好ましくは10〜5,000ppm(質量換算)の範囲である。
アミン系重合禁止剤を添加するタイミングとしては、重合を防止する効果を十分に期待できることと濃縮による重合を回避できることから、トリオルガノモノクロロシランが十分に消費された反応後から濃縮や蒸留を行う直前までに添加することが好ましい。こうした後に濃縮操作や蒸留操作を行えばよい。
蒸留方法としては、前述の方法が挙げられる。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例により、本発明は何ら限定されるものではない。
分析はガスクロマトグラフィー(GC)にて追跡した。
ガスクロマトグラフィー(GC)条件
GC:SHIMADZU製 GC−1700
カラム:Agilent J&W GC Column DB−1
内径 0.25 mm,長さ 30 m,膜厚 0.25 mm
注入口温度:200℃
検出器温度:250℃
検出器:FID
カラム温度:50℃(2分保持),10℃/分で280℃まで昇温,280℃(0分保持)
[実施例1]
ト字管及びコンデンサーを取り付けた1リットル容量の四つ口フラスコに、特開2010−235877号公報の方法で合成したトリイソプロピルシリルアクリレート300.0gに重合禁止剤としてN−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、オゾノン3C)150mg(500ppm相当)を添加して蒸留原液を装入した。この蒸留原液より沸点96〜102℃/10mmHgの留分294.8gを得た。蒸留で留出し、回収されたトリイソプロピルシリルアクリレートの回収率は98質量%であった。結果を表1に示す。
[実施例2〜3]
実施例1で用いた重合禁止剤をN−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、オゾノン3C)から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、オゾノン6C)もしくは、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、ノンフレックスF)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例4〜6]
実施例1で用いたトリイソプロピルシリルアクリレートをトリイソプロピルシリルメタクリレートに代え、重合禁止剤をN−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、オゾノン3C)に加え、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、オゾノン6C)もしくは、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(精工化学株式会社、ノンフレックスF)を用い、蒸留原液より沸点108〜114℃/10mmHgにて留分を得る以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、トリイソプロピルクロロシラン470.0g(2.4モル)、アクリル酸202.0g(2.8モル)、トルエン2000mlを仕込み、トリエチルアミン283.7g(2.8モル)を反応温度が15〜25℃の範囲となるように0.5時間かけて滴下し、そのまま2時間撹拌し、トリイソプロピルクロロシランの転化率が99.9%以上であることを確認した。続いて水洗を行うことで反応中に生じたトリエチルアミン塩酸塩を除去した後、得られた有機相にN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを278mg添加してから有機相を濃縮することで、トリイソプロピルシリルアクリレート529.1gを得た。このトリイソプロピルシリルアクリレートに対して減圧蒸留を実施し、沸点96〜102℃/10mmHgの留分508.9gを得た。得られたトリイソプロピルシリルアクリレートの回収率は96質量%であった。結果を表2に示す。
[実施例8]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、トリイソプロピルクロロシラン360.0g(1.9モル)、メタクリル酸184.9g(2.1モル)、トルエン1600mlを仕込み、トリエチルアミン217.0g(2.1モル)を反応温度が15〜25℃の範囲となるように0.5時間かけて滴下し、そのまま2時間撹拌し、トリイソプロピルクロロシランの転化率が99.9%以上であることを確認した。続いて水洗を行うことで反応中に生じたトリエチルアミン塩酸塩を除去した後、得られた有機相にN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを226mg添加してから有機相を濃縮することで、トリイソプロピルシリルメタクリレート440.7gを得た。このトリイソプロピルシリルメタクリレートに対して減圧蒸留を実施し、沸点108〜114℃/10mmHgの留分413.4gを得た。得られたトリイソプロピルシリルメタクリレートの回収率は94質量%であった。結果を表2に示す。
[参考例1〜6]
トリイソプロピルシリルアクリレートに対して、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンをそれぞれ500ppmもしくは1000ppm添加し、撹拌しながら135℃もしくは150℃で50時間加熱を実施して、モノマーの粘度の増加や固化の有無を確認した。結果を表3に示す。
[参考例7〜12]
参考例1〜6で用いた重合禁止剤の代わりに、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル,ラジカル、[4,4’−(フタロイルジオキシ)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)]−1,1’−ジイルビスオキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン,アルミニウム塩を用いた以外は、参考例1〜6と同様の操作を行った。またトリイソプロピルシリルアクリレートに重合禁止剤を添加せずに同様な操作を行った。これらの結果を表4に示す。
[参考例13〜18]
参考例1〜6で用いたトリイソプロピルシリルアクリレートをトリイソプロピルシリルメタクリレートに代え、参考例1〜6で用いた重合禁止剤の代わりにN−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンを用いた以外は、参考例1〜6と同様の操作を行った。結果を表5に示す。
[参考例19〜22]
参考例13〜18で用いた重合禁止剤の代わりに、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン,アルミニウム塩を用いた以外は、参考例13〜18と同様の操作を行った。またトリイソプロピルシリルメタクリレートに重合禁止剤を添加せずに同様な操作を行った。これらの結果を表6に示す。
[参考例23〜32]
トリイソプロピルクロロシランを1.7%(ガスクロマトグラフィー面百率)含有するトリイソプロピルシリルアクリレートに対して、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル,ラジカル、[4,4’−(フタロイルジオキシ)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)]−1,1’−ジイルビスオキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン,アルミニウム塩をそれぞれ500ppm添加し、撹拌しながら135℃で50時間加熱を実施して、モノマーの粘度の増加や固化の有無を確認した。またトリイソプロピルシリルアクリレートに重合禁止剤を添加せずに同様な操作を行った。結果を表7に示す。
[参考例33] トリイソプロピルシリルメタクリレート20gに対して、重合禁止剤としてN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン 10mgを添加して、反応容器内に乾燥した空気(水分率0%)を流量300ml/minで供給しながら、135℃で2時間加熱して、加水分解時の生成物であるトリイソプロピルシリルアルコールの量をガスクロマトグラフィーで分析した。分析結果を表8に示す。
[参考例34]
反応容器内に湿った空気(水分率70%)を流量300ml/minで供給する以外は、参考例33と同様の操作を行った結果を表9に示す。
[参考例35]
反応容器内にトリイソプロピルシリルメタクリレート10gと、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン 5mgを加え、130℃で3時間加熱して、加水分解時の生成物であるトリイソプロピルシリルアルコールの量をガスクロマトグラフィーで分析した。分析結果を表10に示す。
[参考例36]
反応容器内にトリイソプロピルシリルメタクリレート10gと、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン 1.11gを加え、130℃で3時間加熱して、加水分解時の生成物であるトリイソプロピルシリルアルコールの量をガスクロマトグラフィーで分析した。分析結果を表11に示す。
[参考例37〜42]
トリイソプロピルシリルメタクリレートに対して、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、3,7−ジオクチルフェノチアジン(精工化学株式会社)、3,7−ジクミルフェノチアジン(精工化学株式会社)をそれぞれ500ppm添加し、撹拌しながら135℃もしくは150℃で50時間加熱を実施して、モノマーの粘度の増加や固化の有無を確認した。結果を表12に示す。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なる、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。R、RおよびRは、同一または異なる、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに、前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに対し、5〜100,000ppm(質量換算)の、ジアミン系重合禁止剤を添加し、その禁止剤の存在下に蒸留する不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法であって、前記ジアミン系重合禁止剤は、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの群から選ばれる少なくとも1種である、不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法。
  2. 一般式(2)
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なる、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。)で表される不飽和カルボン酸と、一般式(3)
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なる、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で表されるトリオルガノモノクロロシランと、塩基とを溶媒中で反応させて不飽和カルボン酸シリルエステルを製造して蒸留する際に、反応終了後の反応液に前記不飽和カルボン酸もしくは前記トリオルガノモノクロロシランのmol量が少ない方に対して、その全量が不飽和カルボン酸シリルエステルとして得られた際の不飽和カルボン酸シリルエステルの質量に対し、5〜100,000ppm(質量換算)のジアミン系重合禁止剤を添加してから、蒸留する方法であって、前記ジアミン系重合禁止剤は、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの群から選ばれる少なくとも1種である、蒸留方法。
  3. 不飽和カルボン酸シリルエステルが、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレートである請求項1または2記載の蒸留方法。
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