JP2003321478A - 不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法

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JP2003321478A JP2002131066A JP2002131066A JP2003321478A JP 2003321478 A JP2003321478 A JP 2003321478A JP 2002131066 A JP2002131066 A JP 2002131066A JP 2002131066 A JP2002131066 A JP 2002131066A JP 2003321478 A JP2003321478 A JP 2003321478A
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Hiroyuki Yamada
裕之 山田
Hideyuki Iwasaki
秀行 岩崎
Shin Masaoka
伸 正岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】不飽和カルボン酸シリルエステルの新しい蒸留
方法の提供。 【解決手段】一般式(1) [R;水素原子、アルキル基または−(CH
OOR基(R;水素原子、アルキル基またはシクロ
アルキル基、n;1〜6の整数)RおよびR;それ
ぞれ水素原子、メチル基あるいは−COOR
(R;水素原子、アルキル基またはシクロアルキル
基)RおよびRの少なくとも一方は水素原子。ただ
し、Rがアルキル基または−(CHCOOR
基のときは、RおよびRはいずれも水素原子。
、RおよびRは、互いに同一であるかあるいは
異なってもよく、アルキル基またはシクロアルキル基を
示す。]で表される不飽和カルボン酸シリルエステル
に、重合禁止剤としてニトロソ化合物を単独に添加する
か、あるいはニトロソ化合物とヒンダードフェノール化
合物とを併用して添加し、蒸留することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水中防汚塗料、機
能性高分子材料などの原料モノマーとして幅広く使用さ
れている、側鎖にシリル基を有するところの不飽和カル
ボン酸シリルエステルを、その合成後に精製の目的で蒸
留する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和カルボン酸シリルエステルは、一
般に光や熱を受けることにより容易に重合することが知
られている。この種の重合しやすい化合物を蒸留する場
合には、通常、重合禁止剤としてハイドロキノンやp−
メトキシフェノールなどが使用されている。また、不飽
和カルボン酸シリルエステルの重合禁止剤として、2,
6−ジ−tert−ブチルフェノール(特開平10−1
95084号公報)、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノール(特開平3−56493号公報)の
使用が提案されている。
【0003】しかしながら、前記の従来方法に使用され
る重合禁止剤には次のような問題点がある。すなわち、
高温下、長時間の蒸留工程では十分な重合抑制効果を
示さず、蒸留後の製品の収率が低下する。目的物より
も重合禁止剤の沸点が低い場合、目的物が蒸留缶内に残
っているのに、蒸留缶内から重合禁止剤が消失してしま
ったり、また目的物と重合禁止剤の沸点が同程度の場合
には、重合禁止剤が目的物とともに留出してしまう。こ
のため、製品へ重合禁止剤の不必要な混入による製品の
着色が生じたり、蒸留缶内の重合禁止剤が消失すること
で重合が起こりやすくなる。目的物よりも重合禁止剤
の沸点が高い場合には、蒸留塔内は重合禁止剤不在とな
り、蒸留塔内で目的物の重合が起こり、蒸留塔内や配管
を閉塞させる、などが挙げられる。
【0004】また、重合性ケイ素化合物の蒸留工程にお
いて、重合禁止剤を蒸留原液に添加するとともに、蒸留
塔の塔頂からも重合禁止剤を含む液を供給しながら行う
方法が、特開平9−286790号公報に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の方法の欠点を克服できる不飽和カルボン酸シリルエス
テルの新しい蒸留方法を提供することにある。つまり、
従来の方法で起きたポリマー状物質の形成がほとんどな
く、また長時間に及ぶ蒸留操作によっても、高い製品回
収率で不飽和カルボン酸シリルエステルを蒸留により精
製しうる新規な蒸留方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究を行い、検討した。その結果、下
記の一般式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエ
ステルを合成した後の蒸留工程において、重合禁止剤と
して、ニトロソ化合物を単独で、あるいはニトロソ化合
物とヒンダードフェノール化合物を併用して添加し、そ
の存在下で蒸留することにより、重合を起こすことなく
不飽和カルボン酸シリルエステルが高収率で得られるこ
とを見出した。また、重合禁止剤を蒸留原液に添加する
とともに、蒸留塔の塔頂部の還流回路からも重合禁止剤
を含む液を供給しながら蒸留することで、より効果的に
重合を抑制できることも見出した。この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。したがって、本発明は以下
のように要約される。
【0007】一般式(1)
【化2】 [式中、Rは、水素原子、アルキル基または−(CH
COOR基(ここで、Rは、水素原子、アル
キル基またはシクロアルキル基を示し、nは、1〜6の
整数を示す。)を示し、RおよびRは、それぞれ水
素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、R
は、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を
示す。)を示し、RおよびRの少なくとも一方は水
素原子である。ただし、Rがアルキル基または−(C
COOR基のときは、R およびRはいず
れも水素原子である。R、RおよびRは、互いに
同一であるかあるいは異なってもよく、アルキル基また
はシクロアルキル基を示す。]で表される不飽和カルボ
ン酸シリルエステルに、重合禁止剤としてニトロソ化合
物を単独に添加するか、あるいはニトロソ化合物とヒン
ダードフェノール化合物とを併用して添加し、添加され
た該化合物の存在下に蒸留することを特徴とする、一般
式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルの
蒸留方法。
【0008】不飽和カルボン酸シリルエステルに、重
合禁止剤としてニトロソ化合物とヒンダードフェノール
化合物とを併用して添加し、添加された該化合物の存在
下に蒸留することを特徴とする、上記に記載の蒸留方
法。
【0009】重合禁止剤を不飽和カルボン酸シリルエ
ステルの蒸留原液に添加し蒸留するか、あるいは重合禁
止剤を不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留原液に添
加し、さらに精留塔の塔頂部の還流回路からも添加しな
がら蒸留することを特徴とする、上記、に記載の蒸
留方法。
【0010】重合禁止剤を不飽和カルボン酸シリルエ
ステルの蒸留原液に添加し、さらに精留塔の塔頂部の還
流回路からも添加しながら蒸留することを特徴とする、
上記〜に記載の蒸留方法。
【0011】一般式(1)で表される不飽和カルボン
酸シリルエステルが、トリイソプロピルシリル(メタ)
アクリレートあるいはtert−ブチルジメチルシリル
(メタ)アクリレートであることを特徴とする、上記
〜に記載の蒸留方法。
【0012】ニトロソ化合物が、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩であることを特徴
とする、上記〜に記載の蒸留方法。
【0013】ヒンダードフェノール化合物が、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールである
ことを特徴とする、上記〜に記載の蒸留方法。
【0014】上記した一般式(1)において、Rがア
ルキル基である場合、Rで示されるアルキル基として
は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基などが挙げられる。
【0015】一般式(1)において、R1が−(C
COORである場合、Rで示されるアルキ
ル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘ
キシル基、n−オクチル基などが挙げられる。また、R
で示されるシクロアルキル基としては、具体的にはシ
クロプロピル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0016】一般式(1)において、RまたはR
−COORである場合、Rで示されるアルキル基と
しては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基などが挙げられる。また、シクロア
ルキル基としては、具体的には、シクロプロピル基、シ
クロヘキシル基などが挙げられる。
【0017】一般式(1)において、R、Rおよび
で示されるアルキル基としては、具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などが
挙げられる。また、シクロアルキル基としては、具体的
には、シクロプロピル基、シクロヘキシル基などが挙げ
られる。
【0018】本発明で使用される重合禁止剤としては、
ニトロソ化合物の単独使用でもよいが、ニトロソ化合物
とヒンダードフェノール化合物との併用が特に好まし
い。
【0019】これらのうちのニトロソ化合物としては、
具体的には、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
アンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンナトリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンカリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩、2−メチル−4−ニトロソフェ
ノール、ニトロソトルエン、ニトロソベンゼン、p−ニ
トロソフェノール、ニトロソレゾルシノール、1−ニト
ロソ−2−ナフトール、2−ニトロソー1−ナフトー
ル、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N
−メチルアニリン、N−ニトロソ−N−フェニルアニリ
ンなどが挙げられる。
【0020】また、上記のニトロソ化合物と併用される
ヒンダードフェノール化合物としては、具体的には、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−
ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェ
ノールなどが挙げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は次のように実施される。
すなわち、蒸留しようとする一般式(1)で表される不
飽和カルボン酸シリルエステルを製造した後に、重合禁
止剤として上記したニトロソ化合物を単独で、またはニ
トロソ化合物とヒンダートフェノール化合物とを併用し
て添加する。こうした後に蒸留操作を行えばよい。ま
た、重合禁止剤は蒸留原液に添加するのみで蒸留する
か、あるいは蒸留原液に添加するとともに精留塔の塔頂
部の還流回路からも添加して蒸留するかのいずれでもよ
いが、後者の方法がより好ましい。
【0022】蒸留前に蒸留原液に加えるニトロソ化合物
の添加量、またはニトロソ化合物とヒンダードフェノー
ル化合物の合計添加量は、蒸留される一般式(1)で表
される不飽和カルボン酸シリルエステルに対し、10〜
100,000ppm(重量換算)、好ましくは10〜
1,000ppm(重量換算)の範囲である。
【0023】精留塔の塔頂部の還流回路に加えるニトロ
ソ化合物の添加量、またはニトロソ化合物とヒンダード
フェノール化合物の合計添加量は、蒸留される一般式
(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルに対
し、10〜100,000ppm(重量換算)、好まし
くは10〜1,000ppm(重量換算)の範囲であ
り、適当な溶媒に溶解させた溶液として供給される。こ
の溶液は不飽和カルボン酸シリルエステルの留出開始か
ら終了まで、精留塔の塔頂部の還流回路から少量ずつ断
続的または連続的に供給される。
【0024】上記の重合禁止剤を溶解させる溶媒として
は、目的物である不飽和カルボン酸シリルエステルその
ものか、あるいは目的物である不飽和カルボン酸シリル
エステルよりも沸点の高い有機溶媒が好ましい。
【0025】本発明で重合禁止剤を併用する場合、ニト
ロソ化合物とヒンダードフェノール化合物の混合比率
(重量換算)は特に限定されないが、好ましくは1:
0.1〜10、特に好ましくは1:0.5〜2の範囲で
ある。
【0026】本発明の蒸留は、0.001〜100mm
Hg、好ましくは0.001〜20mmHgの減圧下で
行われ、蒸留温度は通常20〜180℃、好ましくは4
0〜160℃の範囲である。
【0027】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により、本発明は何ら限定
されるものではない。
【0028】実施例1 コンデンサー付き精留管を取り付けた1リットル容量の
四頚フラスコに、特開平4−342593号公報の方法
で合成したトリイソプロピルシリルアクリレート1kg
(ガスクロマトグラフィー分析による純度98.0%)
に重合禁止剤としてN−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩0.5g(500ppm相当)お
よび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール0.5g(500ppm相当)を添加してなる蒸留
原液を装入した。この蒸留原液を12時間減圧蒸留し
て、沸点107〜109℃/10mmHgの留分を92
5.8g得た。この留分をガスクロマトグラフィーで分
析し、トリイソプロピルシリルアクリレート(純度9
9.5%)であることを確認した。フラスコ底部には約
74gの高粘稠性の液状物質が蒸留されずに残留した。
蒸留で留出し、回収されたトリイソプロピルシリルアク
リレートの回収率(%)を次式により計算した。
【0029】
【数1】
【0030】得られた回収率(%)を後記の表1に示
す。
【0031】実施例2 実施例1で用いたトリイソプロピルシリルアクリレート
に代えてtert−ブチルジメチルシリルアクリレート
(純度98.0%)を用いた以外は、実施例1と同様に
蒸留操作を行い、tert−ブチルジメチルシリルアク
リレート留分923.8g(沸点92〜96℃/10m
mHg、純度99.4%)を得た。回収率(%)を表1
に示す。
【0032】実施例3 滴下ロートを塔頂に装着したコンデンサー付き精留管を
取り付けた1リットル容量の四頚フラスコに、特開平4
−342593号公報の方法で合成したトリイソプロピ
ルシリルアクリレート1kg(ガスクロマトグラフィー
分析による純度98.0%)に重合禁止剤としてN−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩0.
5g(500ppm相当)を添加してなる蒸留原液を装
入した。この蒸留原液を12時間減圧蒸留した。またト
リイソプロピルシリルアクリレート50g(純度98.
0%)に、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ルミニウム塩0.5g(500ppm相当)を添加して
なる液を、精留管塔頂に取り付けた滴下ロートから、ト
リイソプロピルシリルアクリレートの留出開始から終了
まで滴下した。この蒸留操作により、沸点110〜11
2℃/12mmHgの留分を959.8g得た。この留
分をガスクロマトグラフィーで分析し、トリイソプロピ
ルシリルアクリレート(純度99.6%)であることを
確認した。フラスコ底部には約90gの高粘稠性の液状
物質が蒸留されずに残留した。蒸留で留出し、回収され
たトリイソプロピルシリルアクリレートの回収率(%)
を実施例1と同様に計算した。その結果を表1に示す。
【0033】実施例4 実施例3で用いたトリイソプロピルシリルアクリレート
に代えてtert−ブチルジメチルシリルアクリレート
(純度98.0%)を用いた以外は、実施例3と同様に
蒸留操作を行い、tert−ブチルジメチルシリルアク
リレート留分953.4g(沸点93〜98℃/12m
mHg、純度99.4%)を得た。回収率(%)を表1
に示す。
【0034】実施例5 実施例3で用いた重合禁止剤であるN−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩の単独使用に代え
てN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウ
ム塩0.5g(500ppm相当)および2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5g(5
00ppm相当)を併用した以外は、実施例3と同様に
蒸留操作を行い、トリイソプロピルシリルアクリレート
留分990.9g(沸点110〜112℃/12mmH
g、純度99.6%)を得た。回収率(%)を表1に示
す。
【0035】実施例6 実施例5で用いたトリイソプロピルシリルアクリレート
に代えてtert−ブチルジメチルシリルアクリレート
(純度98.0%)を用いた以外は、実施例5と同様に
蒸留操作を行い、tert−ブチルジメチルシリルアク
リレート留分986.6g(沸点93〜98℃/12m
mHg、純度99.6%)を得た。回収率(%)を表1
に示す。
【0036】実施例7 実施例5で用いたトリイソプロピルシリルアクリレート
に代えてトリイソプロピルシリルメタクリレート(純度
98.0%)を用いた以外は、実施例5と同様に蒸留操
作を行い、トリイソプロピルシリルメタクリレート留分
990.7g(沸点110〜113℃/10mmHg、
純度99.5%)を得た。回収率(%)を表1に示す。
【0037】実施例8 実施例5で用いたトリイソプロピルシリルアクリレート
に代えてtert−ブチルジメチルシリルメタクリレー
ト(純度98.0%)を用いた以外は、実施例5と同様
に蒸留操作を行い、tert−ブチルジメチルシリルメ
タクリレート留分981.5g(沸点100〜102℃
/12mmHg、純度99.6%)を得た。回収率
(%)を表1に示す。
【0038】比較例1 実施例1で用いた重合禁止剤であるN−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩および2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノールの併用に代
えて、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール1.0g(1000ppm相当)を単独使用した
以外は、実施例1と同様に蒸留操作を行い、トリイソプ
ロピルシリルアクリレート留分844.4g(沸点10
7〜109℃/10mmHg、純度99.0%)を得
た。回収率(%)を表1に示す。
【0039】比較例2 実施例2で用いた重合禁止剤であるN−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩および2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノールの併用に代
えて、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール1.0g(1000ppm相当)を単独使用した
以外は、実施例2と同様に蒸留操作を行い、tert−
ブチルジメチルシリルアクリレート留分849.3g
(沸点92〜96℃/10mmHg、純度99.0%)
を得た。回収率(%)を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明方法を実施すると、次のような効
果がもたらされる。すなわち、蒸留工程において効果
的に重合を抑制でき、高い回収率で不飽和カルボン酸
シリルエステルを得ることができる。したがって、本発
明による不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留方法
は、従来の蒸留方法が有していた諸問題を解決し、工業
的な方法として有用性が高い。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、Rは、水素原子、アルキル基または−(CH
    COOR基(ここで、Rは、水素原子、アル
    キル基またはシクロアルキル基を示し、nは、1〜6の
    整数を示す。)を示し、RおよびRは、それぞれ水
    素原子、メチル基あるいは−COOR基(ここで、R
    は、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を
    示す。)を示し、RおよびRの少なくとも一方は水
    素原子である。ただし、Rがアルキル基または−(C
    COOR基のときは、R およびRはいず
    れも水素原子である。R、RおよびRは、互いに
    同一であるかあるいは異なってもよく、アルキル基また
    はシクロアルキル基を示す。]で表される不飽和カルボ
    ン酸シリルエステルに、重合禁止剤としてニトロソ化合
    物を単独に添加するか、あるいはニトロソ化合物とヒン
    ダードフェノール化合物とを併用して添加し、添加され
    た該化合物の存在下に蒸留することを特徴とする、一般
    式(1)で表される不飽和カルボン酸シリルエステルの
    蒸留方法。
  2. 【請求項2】不飽和カルボン酸シリルエステルに、重合
    禁止剤としてニトロソ化合物とヒンダードフェノール化
    合物とを併用して添加し、添加された該化合物の存在下
    に蒸留することを特徴とする、請求項1に記載の蒸留方
    法。
  3. 【請求項3】重合禁止剤を不飽和カルボン酸シリルエス
    テルの蒸留原液に添加し蒸留するか、あるいは重合禁止
    剤を不飽和カルボン酸シリルエステルの蒸留原液に添加
    し、さらに精留塔の塔頂部の還流回路からも添加しなが
    ら蒸留することを特徴とする、請求項1および2に記載
    の蒸留方法。
  4. 【請求項4】重合禁止剤を不飽和カルボン酸シリルエス
    テルの蒸留原液に添加し、さらに精留塔の塔頂部の還流
    回路からも添加しながら蒸留することを特徴とする、請
    求項1〜3に記載の蒸留方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)で表される不飽和カルボン酸
    シリルエステルが、トリイソプロピルシリル(メタ)ア
    クリレートあるいはtert−ブチルジメチルシリル
    (メタ)アクリレートであることを特徴とする、請求項
    1〜4に記載の蒸留方法。
  6. 【請求項6】ニトロソ化合物が、N−ニトロソフェニル
    ヒドロキシルアミンアルミニウム塩であることを特徴と
    する、請求項1〜5に記載の蒸留方法。
  7. 【請求項7】ヒンダードフェノール化合物が、2,6−
    ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールであるこ
    とを特徴とする、請求項1〜6に記載の蒸留方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103709190A (zh) * 2014-01-08 2014-04-09 浙江胡涂硅有限公司 一种三异丙基硅基丙烯酸酯的制备方法

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CN103709190A (zh) * 2014-01-08 2014-04-09 浙江胡涂硅有限公司 一种三异丙基硅基丙烯酸酯的制备方法

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