JP2000007687A - (メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合物およびその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合物およびその製造方法

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JP2000007687A
JP2000007687A JP18701798A JP18701798A JP2000007687A JP 2000007687 A JP2000007687 A JP 2000007687A JP 18701798 A JP18701798 A JP 18701798A JP 18701798 A JP18701798 A JP 18701798A JP 2000007687 A JP2000007687 A JP 2000007687A
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meth
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Tadashi Sugiya
杉矢  正
Yoshiko Inaba
佳子 稲葉
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性に優れた(メク)アクリル基を有する
ホスホン酸化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数3
〜10の直鎖状または分岐状のアルキレンを示す。)で
表される(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は(メタ)アクリル基
を有するホスホン酸化合物およびその製造方法に関し、
特に共重合可能な新規の(メタ)アクリル基を有するホ
スホン酸化合物およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、リンを含む重合可能な(メタ)ア
クリル系モノマーとしては、下記の一般式(4)で表さ
れるようなリン酸型が知られており、すでに市場に供給
されている。
【0003】
【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【0004】また、下記一般式(5)に示されるような
(メタ)アクリル基を有するビスホスホン酸エステル
は、歯科用セメントの接着成分として用いられることが
報告されている。(特開昭58−222095号公報)
【0005】
【化6】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウム又は置換アンモニウムより選ばれ、少
なくとも1個は水素原子でない。)
【0006】一般に、P−O−C結合に比べて、P−C
結合はC−C結合に匹敵するほどの強力な結合エネルギ
ーを持つので、P−C結合は従来のリン酸型にはない、
耐熟性、耐加水分解性、耐候性等の機能性を高めること
が一般に知られている。特に、耐加水分解特性に優れて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来の課題に鑑み、P−C結合を有する機能性に優れた新
規な(メク)アクリル基を有するホスホン酸化合物およ
びその製造方法について鋭意研究を重ねた結果、次亜リ
ン酸または次亜リン酸塩と不飽和アルコールより得られ
る(ヒドロキシアルキル)ホスホン酸と、(メタ)アク
リル酸ハロゲン化物とを反応させることにより、新規な
(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合物が得られ
ることを知見し、本発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(1)
【0009】
【化7】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数3
〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示す。)
で表される(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合
物である。
【0010】また、本発明は、次亜リン酸または次亜リ
ン酸塩と不飽和アルコールとをアルコール溶媒中でラジ
カル開始剤の存在下で反応させて、下記一般式(2)
【0011】
【化8】 (式中、Aは炭素数3〜10の直鎖状または分岐状のア
ルキレン基を示す。)で表されるヒドロキシアルキルホ
スフィン酸を生成させる第一工程、次いで該ヒドロキシ
アルキルホスフィン酸を酸化して、下記一般式(3)
【0012】
【化9】 (式中、Aは前記と同義を示す。)で表されるヒドロキ
シアルキルホスホン酸を生成させる第二工程、次いで該
ヒドロキシアルキルホスホン酸と(メタ)アクリル酸ハ
ロゲン化物を反応させる第三工程からなることを特徴と
する下記一般式(1)
【0013】
【化10】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、Aは前
記と同義を示す。)で表される(メタ)アクリル基を有
するホスホン酸化合物の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係わる下記一般式(1)で表されるアクリル基
を有するホスホン酸化合物の製造方法は、次の第一工程
〜第三工程からなる3つの工程からなる。
【0015】
【化11】
【0016】式中、R1は水素原子またはメチル基を示
す。Aは炭素数3〜10の直鎖状または分岐状のアルキ
レン基を示し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、2
−メチルブチレン、3−メチルブチレンなどが挙げられ
る。また、Aは好ましくは炭素数3〜5の直鎖状または
分岐状のアルキレン基である。
【0017】(第一工程)まず、第一工程は、次亜リン
酸または次亜リン酸塩と不飽和アルコールとをアルコー
ル溶媒中でラジカル開始剤の存在下で反応させて、下記
一般式(2)
【0018】
【化12】 (式中、Aは炭素数3〜10の直鎖状または分岐状のア
ルキレン基を示す。)で表されるヒドロキシアルキルホ
スフィン酸を生成させる工程である。
【0019】次亜リン酸または次亜リン酸塩としては、
次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウ
ム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、
または次亜リン酸アンモニウム等が挙げられるが、工業
的には最も安価な次亜リン酸ナトリウムが用いられる。
【0020】反応原料である不飽和アルコールとして
は、炭素数3〜10の直鎖状または分岐状の不飽和アル
キル基のアルコールが用いられ、例えばアリルアルコー
ル、β−メタリルアルコール、3−ブテン−1−オー
ル、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル
−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オー
ル、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オ
ール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オ
ール、9−デセン−1−オール等が挙げられる。
【0021】上記二つの原料をアルコール溶媒中でラジ
カル開始剤の存在下で反応させる。反応条件は、原料の
物性、溶媒の種類およびラジカル開始剤によって異なる
が、反応温度は通常50〜120℃、好ましくは50〜
100℃であり、反応時間は通常1〜24時間、好まし
くは2〜10時間である。反応は常圧または加圧下のい
ずれで行ってもよいが、好ましくは常圧下で行うのが工
業的に有利である。
【0022】不飽和アルコールと次亜リン酸または次亜
リン酸塩とのモル比は、1:1〜1:5モル、好ましく
は1:1〜1:2モルが適当である。反応溶媒は、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プ
ロピルアルコール等の低級アルコールを使用するのが好
ましく、容量で1〜50%の水分を含んでいてもかまわ
ない。
【0023】また使用するラジカル開始剤は、半減期が
上記反応温度に適したものを使用するのが好ましく、例
えばアセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイ
ド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキ
サイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピル
パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパ
ーオキシジカルボネート等のパーオキシジカルボネート
類、t−ブチルパーオキシイソブチレー卜、t−ブチル
パーピバレート等のパーオキシエステル類、2,2′−
アゾビス(2−メチルプロピルニトリル)、2,2′−
アゾビス(2−メチルプロピオネイト)等のアゾビス類
等が挙げられる。ラジカル開始剤の使用量は、不飽和ア
ルコールに対して、0.05〜5%モル、好ましくは
0.1〜1%モルが適当である。
【0024】反応終了後は、過剰の次亜リン酸または次
亜リン酸塩、および溶媒のアルコールを分離し、生成し
た一般式(2)で表されるヒドロキシアルキルホスフィ
ン酸を抽出等の操作により得ることができる。
【0025】(第二工程)次に、第二工程は、上記で得
られた一般式(2)で表されるヒドロキシアルキルホス
フィン酸を過酸化水素のような酸化剤で酸化させて、下
記一般式(3)
【0026】
【化13】 (式中、Aは前記と同義を示す。)で表されるヒドロキ
シアルキルホスホン酸を生成させる工程である。
【0027】酸化剤は、過酸化水素、過酢酸、ジ−te
rt−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、tert−ブチルパーオキシドピバレートなどの有
機過酸化物、空気、酸素、オゾンなどが使用できるが、
過酸化水素が好ましい。
【0028】反応条件は、反応温度は室温〜100℃、
好ましくは50〜80℃であり、反応時間は通常l〜2
4時間、好ましくは2〜5時間である。
【0029】上記の一般式(2)で表されるヒドロキシ
アルキルホスフィン酸に対して、酸化剤はモル比で、
1:1〜1:2モル、好ましくは1:1〜1:1.5モ
ルが適当である。なおこの工程の反応において、反応溶
媒は必ずしも必要ではなく無溶媒でよいが、反応等を制
御する必要がある場合は、溶媒を使用しても差し支えな
い。その場合、例えばメタノール、エタノールなどのア
ルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの
ニトリル類、水などの溶媒を挙げることができる。反応
終了後は、溶媒を濃縮分離し、生成した一般式(3)で
表されるヒドロキシアルキルホスホン酸を抽出、晶析等
の操作により得ることができる。
【0030】上記の工程で得られる、一般式(3)で表
されるヒドロキシアルキルホスホン酸は、例えば、3−
ヒドロキシプロピルホスホン酸、4−ヒドロキシブチル
ホスホン酸、5−ヒドロキシペンチルホスホン酸、6−
ヒドロキシヘキシルホスホン酸、7−ヒドロキシヘプチ
ルホスホン酸、8−ヒドロキシオクチルホスホン酸、9
−ヒドロキシノニルホスホン酸、10−ヒドロキシデシ
ルホスホン酸、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルホス
ホン酸などが挙げられる。
【0031】(第三工程)次に、第三工程は、上記で得
られた一般式(3)で表されるヒドロキシアルキルホス
ホン酸と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物とを反応させ
て、目的物の一般式(1)で表される(メタ)アクリル
基を有するホスホン酸化合物を生成させる工程である。
【0032】また、反応後、目的物は、有機溶媒で抽出
し、必要に応じて水、飽和食塩水などで洗浄し、分液後
抽出溶媒を留去させることにより得ることができる。反
応温度は、限定的ではなく、通常−30〜100℃、好
ましくは0〜20℃であり、反応時間は通常1〜24時
間、好ましくは1〜10時間である。また必要に応じて
熟成反応を行えばよい。
【0033】(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と一般式
(3)で表されるヒドロキシアルキルホスホン酸とのモ
ル比は、1:1〜2:1モル、好ましくは1.05:1
〜1.2:1モルが適当である。
【0034】また、必要に応じて重合禁止剤および反応
溶媒を添加して反応を行う。重合禁止剤の種類は、例え
ば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−
p−クレゾール、チオ尿素、尿素、N−フェニル−N′
−インプロピル−p−フェニレンジアミン等を挙げるこ
とができるが、これに特に制限されるものではない。ま
た、重合禁止剤の添加量は、得られる目的物に対して1
00〜10000ppm、好ましくは500〜5000
ppm程度であるが、これらは特に制限されるものでは
ない。
【0035】また溶媒は、アセトニトリル、プロピオニ
トニル、ブチロニトリル等のニトリル化合物、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ア
セトン、メチルエチルケトン、MIBK等のケトン類、
DMSO、スルホラン、THF、DMF、ジメチルアセ
トアミド、水等が挙げられるが、特に限定されるもので
ない。
【0036】本発明の製造方法により得られる、一般式
(1)で表される(メタ)アクリル基を有するホスホン
酸化合物((メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホ
ン酸)は、例えば、3−アクリロイルオキシプロピルホ
スホン酸、4−アクリロイルオキシブチルホスホン酸、
5−アクリロイルオキシペンチルホスホン酸、6−アク
リロイルオキシヘキシルホスホン酸、7−アクリロイル
オキシヘプチルホスホン酸、8−アクリロイルオキシオ
クチルホスホン酸、9−アクリロイルオキシノニルホス
ホン酸、10−アクリロイルオキシデシルホスホン酸、
4−アクリロイルオキシ−2−メチルブチルホスホン
酸、4−メタクリロイルオキシブチルホスホン酸、5−
メタクリロイルオキシペンチルホスホン酸、6−メタク
リロイルオキシヘキシルホスホン酸、7−メタクリロイ
ルオキシヘプチルホスホン酸、8−メタクリロイルオキ
シオクチルホスホン酸、9−メタクリロイルオキシノニ
ルホスホン酸、10−メタクリロイルオキシデシルホス
ホン酸、4−メタクリロイルオキシ−2−メチルブチル
ホスホン酸などが挙げられる。
【0037】本発明の一般式(1)で表される(メタ)
アクリル基を有するホスホン酸化合物は、有機系の化合
物や組成物に添加もしくは共重合させることによつて、
接着剤組成物、コーティング組成物、ラテックス組成
物、塗料組成物等を改質することができ、鉄、アルミ、
銅などの金属への密着性、接着性の向上、防錆性、耐薬
品性、防汚性、難燃性などの機能を付与することができ
る。特に、メタクリル酸メチル等と共重合させる際に、
安息香酸銅、酢酸銅等の銅塩を添加することにより得ら
れるプラスチック製の光学フィルターに好適である。光
学フィルターに使用した場合、高湿度、高温雰囲気下で
もフィルターが失透し難い効果が期待できる。
【0038】さらに、本発明の一般式(1)で表される
(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合物は、ホス
ホン酸がP−C結合から成るので、P−O−C結合のリ
ン酸基に比べて、耐熱性、耐加水分解性等が良好で、樹
脂、塗料、接着剤等において耐候性、耐久性、耐熱性、
耐加水分解性などを向上させることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に説明する
が、これらに限定されるものではない。
【0040】実施例1 (3−アクリロイルオキシプロピル)ホスホン酸の合成 (第一工程)撹拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサ
ーを備えた1000mlの四つ口フラスコに、次亜リン
酸ナトリウム・1水塩106.0g(1.0モル)と純
水30ml、エタノール300mlを仕込み、ラジカル
開始剤のtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サネート3.50gをアリルアルコール58.lg
(1.0モル)に溶解させた溶液を、約4時間かけてエ
タノール還流下に、滴下反応させた。滴下終了後、還流
温度で2時間熟成させ、室温まで冷却した。
【0041】この反応液に(1+1)塩酸水溶液をpH
lの酸性となるまで添加したところ、塩化ナトリウムが
析出してきた。液量を1/2まで濃縮し、生成した塩化
ナトリウムを濾別除去し、濃縮することにより無色透明
液体128.6gを得た。
【0042】分析結果は、以下の通りで、生成物は3−
ヒドロキシプロピルホスフィン酸であった。中和滴定よ
り求めた純度は、93.7%で、収率は97.1%であ
った。
【0043】 1H−NMR(CD3 OD、δ);1.7
0〜1.96(m、4H)、3.68(t、J=5.6
Hz、2H)、5.84(s、1H)、7.06(d、
J=543Hz、1H)FT−IR(液膜、cm-1); 3250(ν−OH)、
2950、2880(ν−CH)、2760(ν−PO
OH)、2370(ν−PH)、1145(ν−P=
O)、952(ν−P−OH)
【0044】(第二工程)得られた3−ヒドロキシプロ
ピルホスフィン酸105.9g(0.8モル)、純水2
00mlを500ml四つ口フラスコに仕込み、80℃
に昇温した。次いで、滴下ロートに仕込んだ35%過酸
化水素81.6g(0.84モル)を、90〜95℃に
保ちながら、約1時間かけて滴下した。滴下終了後、同
温度で2時間熟成した。冷却後、溶媒を濃縮し、さらに
乾燥させて、無色透明な粘性液体113.2gを得た。
分析の結果、生成物は、(3−ヒドロキシプロピル)ホ
スホン酸で、中和滴定純度95.2%、収率は96.2
%であった。分析結果は、以下の通りである。
【0045】 1H−NMR(D2 O、δ);1.74〜
2.02(m、4H)、3.60〜3.68(m、2
H)、5.40(d、J=6.1Hz、2H)FT−IR(液膜、cm-1); 3290(ν−OH)、
2910(ν−CH)、2760(ν−POOH)、1
140(ν−P=O)、970(ν−P−OH)
【0046】(第三工程)撹拌機、温度計、および蒸留
ラインを備えたlLの四つ口フラスコに、3−ヒドロキ
シプロピルホスホン酸44.lg(0.3モル)、アセ
トニトリル500mlを仕込み、常圧にて撹拌しながら
加熟して、アセトニトリルを約200ml留出させた。
アクリル酸クロライド36.3g(0.4モル)、重合
禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.5
gを添加し、窒素ガスを系内に絶えず導入しながら、5
0℃にて3時間反応させた。
【0047】反応液を濃縮し、さらに乾燥させて、無色
透明な粘性液体を59.6g得た。中和滴定純度95.
0%で、収率は97.2%であった。
【0048】 1H−NMR(CDCl3 、δ);1.8
2〜2.04(m、4H)、4.19〜4.25(m、
2H)、5.84(dd、J=10.4Hz、J=1.
5Hz、1H)、6.12(dd、J=10.4Hz、
J=17.4Hz、1H)、6.41(dd、J=1
7.1Hz、J=1.5Hz、1H)、10.96
(s、2H)FT−IR(液膜、cm-1); 2920(ν−CH)、
2730(ν−POOH)、1715(ν−C=O)、
1630(ν−C=C−C=O)、1170(ν−P=
O)、975(ν−P−OH)
【0049】実施例2 (3−メタクリロイルオキシプロピル)ホスホン酸の合
成 (第一工程)、(第二工程) 実施例1と同様に行なった。
【0050】(第三工程)実施例1と同様にして、アク
リル酸クロライドの代わりに、メタクリル酸クロライド
41.8g(0.4モル)を反応させることにより、無
色透明な粘性液体を62.4g得た。中和滴定純度9
6.2%で、収率は96.1%であった。
【0051】 1H−NMR(CDCl3 、δ);1.8
9〜2.02(m、7H)、4.12〜4.27(m、
2H)、5.65(d、J=1.8Hz、1H)、6.
21(d、J=1.8Hz、1H)、11.62(s、
2H)FT−IR(液膜、cm-1); 2930(ν−CH)、
2700(ν−POOH)、1710(ν−C=O)、
1632(ν−C=C−C=O)、1160(ν−P=
O)、980(ν−P−OH)
【0052】実施例3 (4−アクリロイルオキシ−2−メチルブチル)ホスホ
ン酸の合成 (第一工程)撹拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサ
ーを備えた1000mlの四つ口フラスコに、次亜リン
酸ナトリウム・1水塩106.0g(1.0モル)と純
水30ml、エタノール300mlを仕込み、ラジカル
開始剤のtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サネート3.52gを3−メチルー3−ブテン1−オー
ル86.lg(1.0モル)に溶解させた溶液を、約2
時間かけてエタノール還流下に、滴下反応させた。滴下
終了後、還流温度で6時間熟成させ、室温まで冷却し
た。
【0053】この反応液に(1+1)塩酸水溶液をpH
lの酸性となるまで添加したところ、塩化ナトリウムが
析出してきた。液量を1/2まで濃縮し、生成した塩化
ナトリウムを濾別除去し、濃縮することにより無色透明
液体l38.7gを得た。
【0054】分析結果は、以下の通りで、生成物は4−
ヒドロキシ−2−メチルブチルホスフィン酸であった。
中和滴定より求めた純度は、97.2%で、収率は8
8.7%であった。
【0055】 1H−NMR(CD3 OD、δ);1.0
8〜1.12(m、3H)、1.45〜1.72(m、
2H)、1.77〜2.13(m、2H)、3.59〜
3.64(m、2H)、4.21〜4.40(m、1
H)、5.08(s、1H)、7.12(d、J=53
6Hz、1H)FT−IR(液膜、cm-1); 3400(ν−OH)、
2980、2950(ν−CH)、2760(ν−PO
OH)、2350(ν−PH)、1200(ν−P=
O)、960(ν−P−OH)
【0056】(第二工程)得られた4−ヒドロキシ−2
−メチルブチルホスフィン酸62.6g(0.4モ
ル)、純水200mlを500ml四つ口フラスコに仕
込み、80℃に昇温した。次いで、滴下ロートに仕込ん
だ35%過酸化水素81.6g(0.45モル)を、9
0〜95℃に保ちながら、約2時間かけて滴下した。滴
下終了後、90℃で2時間熟成した。冷却後、溶媒を濃
縮し、さらに乾燥させて、無色透明な粘性液体65.2
gを得た。分析の結果、生成物は、4−ヒドロキシ−2
−メチルブチルホスホン酸で、中和滴定純度95.8
%、収率は92.9%であった。分析結果は、以下の通
りである。
【0057】 1H−NMR(CD3 OD、δ);1.0
5〜1.15(m、3H)、1.41〜1.69(m、
2H)、1.80〜2.15(m、2H)、3.66〜
3.70(m、2H)、4.21〜4.42(m、1
H)、5.08(s、2H)FT−IR(液膜、cm-1); 3380(ν−OH)、
2950(ν−CH)、2760(ν−POOH)、1
190(ν−P=O)、965(ν−P−OH)
【0058】(第三工程)撹拌機、温度計、および蒸留
ラインを備えたlLの四つ口フラスコに、4−ヒドロキ
シ−2−メチルブチルホスホン酸17.5g(0.1モ
ル)、アセトニトリル500mlを仕込み、常圧にて撹
拌しながら加熱して、アセトニトリルを約200ml留
出させた。アクリル酸クロライド13.6g(0.15
モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエ
ーテル0.6gを添加し、窒素ガスを系内に絶えず導入
しながら、50℃にて3時間反応させた。
【0059】反応液を濃縮し、さらに乾燥して、無色透
明な粘性液体を22.7g得た。中和滴定純度95.0
%で、収率は97.2%であった。
【0060】 1H−NMR(CDCl3 、δ);1.0
5〜1.16(m、3H)、1.60〜2.04(m、
4H)、4.17〜4.23(m、1H)、4.94〜
4.21(m、2H)、5.84(dd、J=10.4
Hz、J=1.5Hz、1H)、6.12(dd、J=
10.4Hz、J=17.1Hz、1H)、6.41
(dd、J=17.1Hz、J=1.5Hz、1H)、
10.08(s、2H)FT−IR(液膜、cm-1); 2900(ν−CH)、
2720(ν−POOH)、1712(ν−C=O)、
1625(ν−C=C−C=O)、1150(ν−P=
O)、970(ν−P−OH)
【0061】実施例4 (4−メタアクリロイルオキシ−2−メチルブチル)ホ
スホン酸の合成 (第一工程)、(第二工程) 実施例3と同様に行なった。
【0062】(第三工程)実施例3と同様にして、アク
リル酸クロライドの代わりに、メタクリル酸クロライド
10.5g(0.1モル)を反応させることにより、無
色透明な粘性液体を24.7g得た。中和滴定純度9
2.7%で、収率は97.0%であった。
【0063】 1H−NMR(CDCl3 、δ);1.0
5〜1.14(m、3H)、1.60〜2.24(m、
7H)、4.11〜4.25(m、1H)、4.92〜
4.25(m、2H)、5.60(d、J=1.8H
z、1H)、6.15(d、J=1.8Hz、1H)、
11.55(s、2H)FT−IR(液膜、cm-1); 2970(ν−CH)、
2750(ν−POOH)、1715(ν−C=O)、
1635(ν−C=C−C=O)、1170(ν−P=
O)、975(ν−P−OH)
【0064】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、P
−C結合を有する機能性に優れた新規な一般式(1)で
表される(メク)アクリル基を有するホスホン酸化合物
を提供することができる。また、本発明の製造方法によ
れば、上記の(メク)アクリル基を有するホスホン酸化
合物を高純度、高収率で容易に得ることができる効果を
奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数3
    〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示す。)
    で表される(メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合
    物。
  2. 【請求項2】 次亜リン酸または次亜リン酸塩と不飽和
    アルコールとをアルコール溶媒中でラジカル開始剤の存
    在下で反応させて、下記一般式(2) 【化2】 (式中、Aは炭素数3〜10の直鎖状または分岐状のア
    ルキレン基を示す。)で表されるヒドロキシアルキルホ
    スフィン酸を生成させる第一工程、次いで該ヒドロキシ
    アルキルホスフィン酸を酸化して、下記一般式(3) 【化3】 (式中、Aは前記と同義を示す。)で表されるヒドロキ
    シアルキルホスホン酸を生成させる第二工程、次いで該
    ヒドロキシアルキルホスホン酸と(メタ)アクリル酸ハ
    ロゲン化物を反応させる第三工程からなることを特徴と
    する下記一般式(1) 【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、Aは前
    記と同義を示す。)で表される(メタ)アクリル基を有
    するホスホン酸化合物の製造方法。
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