JP6021700B2 - アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルの製造法 - Google Patents
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Description
(1)(メタ)アクリル酸と一般式:
R'及びR''は同じか又は異なっていてよく、かつそれぞれメチル又はエチルであり、かつR'''は水素、メチル又はエチルである]の少なくとも1種のオレフィンとを、均質相中で酸性触媒の存在で反応器中で反応させる工程、
(2)得られた反応混合物(1)を反応器から排出する工程、
(3)排出された反応混合物(2)を、触媒を含有する混合物(3.1)と、アルキル基中に4〜8個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを含有する混合物(3.2)とに分離する工程、及び
(4)アルキル基中に4〜8個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを混合物(3.2)から除去する工程
を含む、アルキル基中に4〜8個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルの製造法は、ドイツ特許出願DE10036959A1の記載から公知である。前記刊行物においては、処理工程(1)における当該反応を、安定剤、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、p−ニトロソフェノール(PNP)、フェノチアジン(PTZ)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシルピペリジン(OH−Tempo)及び/又はメチレンブルーの存在で実施することが提案されている。
(1)(メタ)アクリル酸と一般式I:
R1及びR2は同じか又は異なっていてよく、かつそれぞれアルキル基であり、
R3は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、脂肪族又は脂環式炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキル基、脂肪族又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルアリール基、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているシクロアルキルアリール基、又は脂肪族、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキルアリール基である]の少なくとも1種のオレフィンとを、均質相中で酸性触媒の存在で反応器中で反応させる工程、
(2)得られた反応混合物(1)を反応器から排出する工程、
(3)排出された反応混合物(2)を、触媒を含有する混合物(3.1)と、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを含有する混合物(3.2)とに分離する工程、及び
(4)アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを混合物(3.2)から除去する工程
を含み、かつ、もはや従来技術の欠点を有しない、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルの新規の製造法を提供することである。特に、この新規の方法は、PNPを使用せずに反応混合物の残りの成分から(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを除去すること、及び、重合、汚損及び/又は再解離なしに、特に高純度かつ特に高収率で該アルキルエステルを単離することを可能にするのが望ましい。
(1)(メタ)アクリル酸と一般式I:
R1及びR2は同じか又は異なっていてよく、かつそれぞれアルキル基であり、
R3は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、脂肪族又は脂環式炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキル基、脂肪族又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルアリール基、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているシクロアルキルアリール基、又は脂肪族、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキルアリール基である]の少なくとも1種のオレフィンとを、均質相中で酸性触媒の存在で反応器中で反応させる工程、
(2)得られた反応混合物(1)を反応器から排出する工程、
(3)排出された反応混合物(2)を、触媒を含有する混合物(3.1)と、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを含有する混合物(3.2)とに分離する工程、及び
(4)アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを混合物(3.2)から除去する工程
を含む、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルの新規の製造法において、
(5)前記処理工程(4)において、少なくとも1個のN−オキシル基を含む少なくとも1種の化合物Sを安定剤として添加することを特徴とする方法が見出された。
− 水素原子;
− 有利に1〜20個、更に有利に1〜10個、更に有利に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、最も有利にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチル、特にメチル又はエチル;
− 有利に4〜20個、更に有利に5〜16個、更に有利に6〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、特にシクロヘキサン、及び、ノルボルナン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、デカリン、ヒドリンダン又はアダマンタン;
− 有利に6〜30個、更に有利に6〜20個、更に有利に6〜14個の炭素原子を有するアリール基、特にフェニル、又は、ナフタレン又はフェナントレンから誘導される基;
− 有利に5〜30個、更に有利に7〜20個、更に有利に7〜10個の炭素原子を有する、脂肪族又は脂環式炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキル基、特に、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン又はt−ブチルシクロヘキサンから誘導される基;
− 有利に7〜30個、更に有利に7〜20個、更に有利に7〜10個の炭素原子を有する、脂肪族又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルアリール基、特に、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン又はt−ブチルベンゼンから誘導される基;
− 有利に10〜30個、更に有利に10〜20個、更に有利に10〜16個の炭素原子を有する、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているシクロアルキルアリール基、特に、シクロヘキシルベンゼンから誘導される基;
− 有利に11〜30個、更に有利に11〜20個、更に有利に11〜16個の炭素原子を有する、脂肪族、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキルアリール基、特に、1−メチル−2−、−3−又は−4−シクロヘキシルベンゼンから誘導される基;
であるが、特に、水素原子又はメチル又はエチル基である。
− 水素原子、
− ハロゲン原子、有利にフッ素、塩素又は臭素原子、
− 官能基、有利にヒドロキシル基、アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ニトリル基、イソシアネート基又はニトロ基、有利にヒドロキシル基、又は
− 有機基、有利に、場合により少なくとも1個のヘテロ原子、例えばケイ素、酸素、硫黄又は窒素を含み、有利に1〜40個、更に有利に1〜30個の炭素原子を有する一価、二価又は三価、有利に一価又は二価の有機基、ここで、該有機基は炭素−炭素結合を介して4位に結合していてよく、エーテル基、エステル基(−C(O)−O−基又は−O−C(O)−基)、アミノ基、アミド基(−NHC(O)−基又は−C(O)−NH−基)又はウレタン基(−NH−C(O)−O−基又は−O−C(O)−NH−基)、例えばアジペート基又はセバケート基。
イソブテン、硫酸、フェノチアジン(TBA中で4%)及びアクリル酸(純度99.9%の新鮮なアクリル酸、精留の塔底からのヒドロキノンモノメチルエーテル及びアクリル酸で安定化されたもの、OH−Tempoを含有する)のための供給導管、生じる反応混合物のための排出部及び排ガス導管を有する慣用かつ公知の反応器中で、イソブテンを過剰のアクリル酸(50モル%)と反応させた。TBA、アクリル酸、PTZ、ヒドロキノンモノメチルエーテル及び触媒を含有する生じる反応混合物を排出した。触媒を、DE10036958A1、実施例1、第9〜10欄、段落[0057]に記載の通りに、排出された反応混合物から除去した。TBAを含有する生じる留出物を熱交換器中で冷却し、TBA中で1%のOH−Tempo溶液と混合し、外部循環蒸発器(自然循環)、40のデュアルフロートレー(供給トレー22)を有する蒸留塔及び直列に配置された2つの冷却器からなる蒸留ユニットに供給した。塔頂で、TBA中で1%のOH−Tempo溶液を、同様に、塔底におけるOH−Tempoの全濃度が200ppmとなるような量で供給した。低沸点成分(残留イソブテン、ジイソブテン及びt−ブタノール)を除去し、実質的にアクリル酸、TBA及びOH−Tempoからなる塔底生成物をもう1つの蒸留ユニット中で精留した。該蒸留ユニットは、外部管束型蒸発器、40のデュアルフロートレー(供給トレー18)を有する蒸留塔及び直列に配置された2つの冷却器からなっていた。TBA中で1%のOH−Tempo溶液を、同様に、塔底におけるOH−Tempoの濃度が400〜700ppmとなるような量で塔の中央部に供給した。実質的にアクリル酸からなる塔底生成物を反応器中に再循環させた。留去されたTBAは99.8%の純度を有していた。OH−Tempoの量を電子スピン共鳴(ESR)を用いて測定した;しかしながら、シグナルは検出不可能であった。従って、該量は0.3ppmの検出限界未満であった。60日間の運転時間後に製造を終了させたが、これは単にこれ以上貯蔵槽が利用不可能であったためである。前記時間後に、塔底において汚損は生じず、かつ塔段上でポリマーの堆積は生じなかったため、いかなる問題もなく、連続的な製造を確実に継続させることができた。
Claims (15)
- 以下の工程:
(1)(メタ)アクリル酸と一般式I:
R1及びR2は同じか又は異なっていてよく、かつそれぞれアルキル基であり、
R3は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、脂肪族又は脂環式炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキル基、脂肪族又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルアリール基、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているシクロアルキルアリール基、又は脂肪族、脂環式又は芳香族炭素原子を介してオレフィン性不飽和炭素原子に結合しているアルキルシクロアルキルアリール基である]の少なくとも1種のオレフィンとを、均質相中で酸性触媒の存在で反応器中で反応させる工程、
(2)得られた反応混合物(1)を反応器から排出する工程、
(3)排出された反応混合物(2)を、触媒を含有する混合物(3.1)と、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを含有する混合物(3.2)とに分離する工程、及び
(4)アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを混合物(3.2)から、第1の蒸留工程(4.1)及び第2の蒸留工程(4.2)により除去する工程
を含む、p−ニトロソフェノールを使用しない、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルの製造法において、
(5)前記処理工程(4)において、少なくとも1個のN−オキシル基を含む少なくとも1種の化合物Sとして、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシルピペリジンを安定剤として添加し、
前記工程(1)において、阻害剤として、フェノチアジン及び/又はヒドロキノンモノメチルエーテルのみが使用される、ことを特徴とする方法。 - フェノチアジン及び/又はヒドロキノンモノメチルエーテルのみが阻害剤として使用され、かつ、少なくとも1つのN−オキシル基を有する少なくとも1種の化合物S及びヒドロキノンモノメチルエーテルが安定剤として使用される、請求項1に記載の方法。
- 混合物(3.1)を部分的にか又は完全に反応器中に再循環させる、請求項1又は2に記載の方法。
- 混合物(3.2)を留出物として除去する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを、処理工程(4)における二段蒸留により混合物(3.2)から除去する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 化合物Sを第一の蒸留工程(4.1)及び第二の蒸留工程(4.2)において添加する、請求項5に記載の方法。
- 化合物Sを第一の蒸留工程(4.1)の前に混合物(3.2)に添加する、請求項6に記載の方法。
- 混合物(3.2)を、第一の蒸留工程(4.1)において、低沸点留出物(4.1.1)と、アルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステル及び化合物Sを含有する塔底生成物(4.1.2)とに分離する、請求項6又は7に記載の方法。
- 塔底生成物(4.1.2)を、第二の蒸留工程(4.2)において、実質的にアルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルからなる留出物(4.2.1)と、化合物Sを含有する塔底生成物(4.2.2)とに分離する、請求項8に記載の方法。
- 塔底生成物(4.2.2)を部分的にか又は完全に反応器中に再循環させる、請求項9に記載の方法。
- 一般式Iのオレフィンがイソブテンである、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
- PNPを使用せずに反応混合物の残りの成分からアルキル基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の3級アルキルエステルを除去する、請求項1に記載の方法。
- 付加的な安定化のために、塔底生成物(4.2.2)中にヒドロキノンモノメチルエーテルが存在するようにヒドロキノンモノメチルエーテルを蒸留塔の還流に計量供給する、請求項1に記載の方法。
- 化合物Sを希釈液の形で、溶液として、特に単離すべき目的エステル中に計量供給する、請求項1に記載の方法。
- 化合物Sを、低沸点物質除去(4.1)のために使用される塔頂で、希釈液の形で溶液として、計量供給し、かつ、化合物Sを、第二の蒸留工程(4.2)で、希釈液の形で、溶液として精留(4.2)のために使用される塔の低い部分に供給する、請求項1に記載の方法。
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