JP2005502695A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
反応器b1)で温度を120〜150℃に調整し、かつ
所望の(メタ)アクリル酸:アルコールの化学量論比に調整し、
蒸留装置b2)の蒸留物を洗浄液で処理し(スクラビング工程c)、
スクラビング工程c)からの排出物を少なくとも1つの有機相c1)及び少なくとも2つの水相c2)及びc3に分け、
有機相c1)を部分的に還流として蒸留装置b2)中に、かつ部分的に更にスクラビングせずに(メタ)アクリル酸エステルの蒸留による後精製g)に導き、かつ
水相c2)及びc3)を少なくとも部分的にアルコール回収d)に導く
製造方法に関する。
Description
【0001】
本発明は、アルコールと十分に水不含の粗製(メタ)アクリル酸とを少なくとも1種の強酸性触媒及び禁止剤又は禁止剤混合物の存在下に均質な液相中で反応させることによって、粗製(メタ)アクリル酸の使用にもかかわらず高純度の(メタ)アクリル酸エステルが高い収率で得られる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
粗製(メタ)アクリル酸とは、ここでは、プロパン/プロペン/アクロレイン酸化もしくはイソブタン/イソブテン/メタアクロレイン酸化の反応ガスを吸着剤中で吸着させ、引き続き吸着剤を分離した後に生じる、もしくは該反応ガスの分別凝縮によって得られる(メタ)アクリル酸含有の混合物を表す。
【0003】
得られる(メタ)アクリル酸エステルは、粗製(メタ)アクリル酸を使用しても高い純度で得られ、かつ実質的にエーテル、飽和エステル、例えば酢酸エステル及びプロピオン酸エステル、アルデヒド系副成分及び別のカルボニル含有の副成分並びに高沸点副生成物を含まずに得られる。
【0004】
(メタ)アクリル酸エステルを基礎として製造されたポリマーもしくはコポリマーは一般にポリマー分散液の形で、例えば接着剤、塗料又は織物助剤、皮革助剤及び紙助剤として高い経済的意義を有する。特に食品分野又は化粧品分野での使用のためには、該ポリマー分散液は、揮発性不純物、例えば低級アルデヒド、特にC1〜C4−アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン、メタアクロレイン及びイソブチルアルデヒド又はフルフラール、ベンズアルデヒド及び別のカルボニル含有の副生成物、例えばアセトン並びに酢酸、プロピオン酸、プロトアネモニン(5−メチレン−2(5H)−フラノン)並びに使用されるアルコールのエーテル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、マレイン酸エステル及び使用されるアルコールと(メタ)アクリル酸とのマイケル付加生成物及び(アルコキシプロピオン酸エステル及びアクリルオキシプロピオン酸エステル及びそれらの高級同族体)を実質的に含有せず、その際、酢酸エステル、プロピオン酸エステル及びマレイン酸エステルは該粗製(メタ)アクリル酸中に存在する酢酸、プロピオン酸及びマレイン酸のエステル化によって得られる。
【0005】
従って環境的かつ経済的な理由から、極めて純粋な(メタ)アクリル酸エステルが出発物質として必要なので、不所望な不純物を、例えば費用のかかる化学的又は物理的な脱臭によって後に除去せねばならない。
【0006】
(メタ)アクリル酸の低級アルコールによる強酸の存在下でのエステル化による低級(メタ)アクリル酸エステルの製造は一般に公知である。(メタ)アクリル酸としてはこの場合、一般に純粋な又は前精製された(メタ)アクリル酸を使用する、例えばChem Systems, Acrylic Acid/Acrylates 96/97-8, Nov.1997, 24頁を参照のこと。
【0007】
純粋なもしくは前精製された(メタ)アクリル酸とは、一般に純度が少なくとも99.5質量%であり、かつ実質的にアルデヒド成分、別のカルボニル含有成分及び高沸点成分を含有しない(メタ)アクリル酸を表す。前記の(メタ)アクリル酸の精製は、一般に多段階の結晶化又は場合によりアルデヒド捕捉剤による化学処理及び蒸留によって行われる。
【0008】
公知のように(メタ)アクリル酸及びアルコールからのエステルの形成は平衡反応を基礎とするので、経済的な変換率を達成するために一般に使用物質を過剰に使用し、かつ/又は形成されるエステル化水及び/又は所望のエステルを平衡から遠ざける。しかしながら過剰のアルコールを使用することによるエステル化平衡の影響は、それにより出発アルコールからのエーテルの形成及びマイケル付加生成物の形成がとりわけ促されるので不利である(例えばUS4280010号、第1段落を参照のこと)。
【0009】
(メタ)アクリル化合物は、特に熱の作用下に容易に不所望な重合を生ずる傾向にあるので、エステル化及び所望のエステルの単離の間の重合体の形成を回避するために一般に多大な尽力が費やされている。
【0010】
一般に前記のポリマー形成はすなわち反応器壁、熱交換器面及び塔トレイの被膜形成(ファウリング)をもたらし、かつ導管、ポンプ、弁などの閉塞をもたらす(EP−A522709号、第2頁、第9〜18行;US5171888号、第1段落、第19〜38行)。費用のかかる運転停止及び高価な純化、例えばDE−A19536179号に記載されるような、後に費用を費やして廃棄せねばならない塩基性溶液との煮沸という結果を招く。
【0011】
W.Bauer jrは"Encyclopedia of Chemical Technology", Kirk-Othmer, 4.Ed., 1994, Vol.1, 301-302頁で、エステル化を80℃で硫酸の存在下に実施し、所望のエステル、反応水及び過剰のアルコールを蒸留により分離し、一部の蒸留物を還流として反応器に設けられた塔に戻し、かつ残りをスクラバー塔に供給し、スクラビングされた湿性エステル相を蒸留塔中で高い還流下に脱水し、かつ更なる蒸留工程で所望のエステルを水不含の塔底生成物から単離することからなる方法を記載している。この場合に再び生じる塔底生成物を更なる蒸留において、エステル蒸留に戻される有用な生成物留分及び排出される塔底留分に分離する。反応器から連続的に流れを取り出し、かつ蒸留工程で高沸点物を除去し、その際、蒸留物はエステル化に戻される。生じる全ての水相を合し、かつ該水相に溶解されるアルコールを蒸留により回収する。
【0012】
この方法は、少なくとも1種の前精製されたアクリル酸を必要とする。さもなくば易揮発性の酢酸エステル及びプロピオン酸エステルは還流によって反応器に設けられた塔中に蓄積するからである。
【0013】
Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5.Ed., 1985, Vol.Al, 167-168頁において、低級エステル(メチルアクリレート及びエチルアクリレート)の製造においてカチオン交換樹脂は、他方で高級エステルの製造において有利な硫酸よりも触媒として有利であると指摘している。記載される方法は、エステル化をカチオン交換体固定床において60〜80℃で実施し、かつ液状の反応器排出物を前記の方法に匹敵する蒸留によって後処理することからなる。
【0014】
US5187309号は、水性アクリル酸(30〜50%の水)から出発するエステル化方法を提案している。該エステル化は、触媒としての酸の存在下に50〜110℃で実施し、かつ該エステル化混合物を水性アクリル酸と一緒に蒸留装置に供給する。塔底生成物としてアクリル酸が生成し、塔頂部で水、アルカノール及びアクリルエステルを凝縮させ、かつ引き続き再び後処理する。該アクリル酸を直接、エステル化に戻し、もしくは部分流を予め蒸留により精製する(高沸点物とポリマーの分離)。エステル含有混合物を水でスクラビングしてアルカノール不含にし、かつ引き続きそこから蒸留により所望のエステルを単離する。
【0015】
該方法の欠点は、有用生成物の高い損失(エステル生成に対して約5.9%、例1、表1、列F9を参照)を生じ、高い残留物量(所望のエステルに対して約4.5%、列F4を参照)を引き起こし、かつ高いエネルギー需要が必須なことである。それというのも大量の水(エステル化水及び水性アクリル酸の水;約3モル/モル(エステル))を蒸発させねばならないからである。洗浄水中のアクリル酸損失も高い(エステルに対して約1%、列F7)。
【0016】
US3875212号は、エステル化水を共沸混合物として反応混合物から除去するためにエステル化の際に沸点100〜160℃を有する有機溶剤を使用することを提案している。前記のように、触媒としての硫酸の使用を可能にし、一定の触媒濃度の調整を容易にし、かつより良好に取り扱いが可能なポリマーが生成するべきである。該方法は、アクリル酸をアルカノールにより硫酸及び溶剤の存在下でエステル化させ、かつエステル化水を連続的に蒸留によって共沸混合物としてアクリルエステル及び溶剤と一緒に分離することからなる。反応器排出物を水相と有機相に分け、該相に水蒸気蒸留を行い、アクリルエステル及び溶剤を回収し、かつポリマー及び高沸点物を分離する。未反応のアクリル酸、硫酸及びポリマーを含有する水相をポリマーの分離のために濾過し、かつ再び反応器に供給する。
【0017】
該方法は、例えば水蒸気蒸留及び濾過の必要条件によって技術的に複雑かつ面倒なものであり、従って経済的に重要でない。
【0018】
US4280010号は、エーテル不含の低級アクリル酸エステルの製造方法であって、エステル化を80〜130℃で0.1〜3%の硫酸又は1〜8%のスルホン酸の存在下に、かつアクリル酸:アルカノールの比1:1〜2で実施する方法を記載している。有利には85〜110℃の反応温度が提案される。それというのも、より高い温度ではエーテル形成及び重合傾向が増大するからである(第2段落、第53〜57行)。所望のエステル、エステル化水及びアルカノールは気体状で排出され、かつ凝縮される。
【0019】
凝縮物を2相に分け、その際、水相を分離し、かつ有機相を部分的に蒸留により後処理し、かつ部分的に還流として使用する。先ずアルカノールを所望のエステルと一緒に共沸混合物として分離し、かつ反応器中に戻し、かつ引き続き所望のエステルを塔底生成物から単離する。
【0020】
前記の方法の欠点は、純粋なアクリル酸を使用せねばならないことと、高い残留物量(所望のエステルに対して3〜7%)が生じることである。
【0021】
US4076950号は、アクリル酸のアルカノールによる酸性触媒によるエステル化及び、所望のエステル、エステル化水及び過剰のアルカノールからなる粗製エステル蒸留物の分離によって、実質的に水不含(“実質的に無水の”)エステルを反応器に供給し、アクリル酸不含の粗製エステル蒸留物を得て、かつエステル/アルカノール共沸混合物及びエステル/水共沸混合物の組成を維持するアクリル酸エステルの製造方法を記載している。粗製エステル蒸留物を次いで更に微細中和(“ポリッシュ中和”)をせねばならず、その場合には通常の相分離問題及びそれに関連する問題が蒸留による後処理で多少なり生じる。粗製エステル蒸留物を凝縮の際に水で洗浄し、相分離の後に有機エステル相をもう一度水で洗浄し、かつ引き続き蒸留により脱水する。
【0022】
該方法は、反応器中で共沸混合物の維持のために既に精製されたエステルの使用が必要であり、かつ2つのスクラビング工程及び複数の蒸留工程が必要であり、従って非経済的である。更に粗製アクリル酸の使用は不可能である。
【0023】
US4464229号は、アクリル酸を1モル過剰のアルカノール(1:0.5〜1)でエステル化を実施することが提案される。
【0024】
該方法は、アクリル酸、アクリルエステル、水及びアルカノールからなるエステル化混合物から蒸留塔においてアクリルエステル、水及びアルカノールを塔頂を介して、還流として水不含及びアルカノール不含のアクリルエステルを使用して(低沸点物分離の塔底生成物)分離する。還流量はこの場合に、蒸留物中で規定の含水量が達成されるように調整される。メタクリレートの場合には、該量は3〜8%である。しかしながら、形成されるメタクリレート100kgあたりに蒸留により前精製されたメタクリレート116〜477kgを還流として必要とすることを意味する。
【0025】
エステル化水の分離後に、蒸留物の有機相を、場合により抽出(第4段落、第21行)の実施後、低沸点物蒸留に供給する。主にアクリル酸からなる塔底生成物は新たに供給された(メタ)アクリル酸の少なくとも200〜600%であり、かつエステル化反応器中に、有利には高沸点副生成物及びポリマーの蒸留による分離の後に供給する。低沸点物蒸留の凝縮物を排出される水相及び完全に還流として戻される有機相に分ける。低沸点物塔の塔底生成物を部分的に還流で第一の蒸留塔として使用し(前記参照)、かつ残りを更なる蒸留工程で後処理してアクリルエステルにする。生成する水相を、詳細に説明されないアルコール回収で後処理できる。
【0026】
該方法は複雑であり、出発生成物として純粋な(メタ)アクリル酸を必要とし、かつ大量の(メタ)アクリル酸量及び大量の蒸留により前精製されたエステル量が還流として循環される。
【0027】
本発明の課題は粗製(メタ)アクリル酸から出発でき、技術的に簡単であり、高い収率及び高純度の生成物を提供し、かつ廃棄物が少なく、かつポリマーの生成ができるだけ少ない簡単かつ経済的な(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することである。
【0028】
前記課題は、(メタ)アクリル酸エステルの製造にあたり、(メタ)アクリル酸とアルコールとを少なくとも1種の酸性触媒及び少なくとも1種の重合禁止剤の存在下に少なくとも1つの反応器b1)と接続された少なくとも1つの蒸留装置b2)とからなる反応帯域b)で反応させ、
− 反応器b1)で温度を120〜150℃に調整し、かつ
− 所望の(メタ)アクリル酸:アルコールの化学量論比に調整し、
− 蒸留装置b2)の蒸留物を洗浄液で処理し(スクラビング工程c)、
− スクラビング工程c)からの排出物を少なくとも1つの有機相c1)及び少なくとも2つの水相c2)及びc3)に分け、
− 有機相c1)を部分的に還流として蒸留装置b2)中に、かつ部分的に更にスクラビングせずに(メタ)アクリル酸エステルの蒸留による後精製g)に導き、かつ
− 水相c2)及びc3)を少なくとも部分的にアルコール回収d)に導く
ことによる方法によって解決された。
【0029】
本発明による方法は前記課題を解決し、かつ以下の特徴を有する:
1. 出発物質として粗製(メタ)アクリル酸を使用できる。
【0030】
2. マイケル付加物が部分的に分解される温度で実施する。
【0031】
3. 所望のエステル、水、アルコール、アルコキシエステル及び低沸点物からなる混合物が連続的に反応器b1)から、接続された蒸留装置b2)を介して排出される。
【0032】
4. マイケル付加生成物がアルコール回収塔d)中で分離され、かつ反応器b1)に戻される。
【0033】
5. 低沸点物分離e)の低沸点物留分中に含まれる所望のエステルは更なる蒸留工程(低沸点物後処理f)において塔底生成物f2)として回収され、かつ部分的に低沸点物分離e)に導入され、かつ部分的に還流として反応器塔b2)に導入されてよい。
【0034】
6. 該反応器から排出される塔底生成物b3)は最大で10%の所望のエステル及び最大で15%の(メタ)アクリル酸を含有する。
【0035】
7. 排出された残留物b3)は残留物後処理(工程8)及び/又は硫酸回収に供給されてよい。
【0036】
本発明による方法はメタクリル酸エステルの製造のためにも、アクリル酸エステルの製造のためにも、有利にはアクリル酸エステルの製造のために使用でき、かつ以下に例としてアクリル酸エステルについて記載する。
【0037】
粗製(メタ)アクリル酸の製造は、自体公知の方法で一般に、(メタ)アクリル酸の少なくともC3もしくはC4前駆体、例えばプロパン、プロペン、アクロレイン又はイソブタン、イソブテン又はメタアクロレインの、高められた温度での分子酸素による不均一系触媒による気相部分酸化によって行われる。
【0038】
このために、(メタ)アクリル酸の製造の場合に一般に出発ガスを、選択された反応条件下に不活性のガス、例えば窒素(N2)、CO2、飽和C1〜C6−炭化水素及び/又は水蒸気で希釈し、かつ該混合物において分子酸素(O2)又は酸素含有ガスを用いて高められた温度(通常は200〜450℃)で、並びに場合により高められた圧力で固体の遷移金属、例えばMo及びVもしくはMo、W、Bi及びFeを含有する混合酸化物触媒上に導き、かつ酸化的に(メタ)アクリル酸に変換する。
【0039】
この変換は、反応帯域から反応帯域までの可変の組成及び/又は反応性を有してよいあらゆる1、2又はそれ以上の反応帯域及び/又は触媒充填物を用いて多段階又は一段階で実施できる。例示される方法は、例えばDE−A1962431号、DE−A2943707号、DE−C1205502号、EP−A257565号、EP−A253409号、DE−A2251364号、EP−A117146号、GB−B1450986号及びEP−A293224号に記載されている。
【0040】
もちろんメタアクロレインをプロピオンアルデヒド及びホルムアルデヒドのアルドール縮合を介しても得られ、かつ引き続き例えば前記のようにメタクリル酸に変換できる。
【0041】
有利には本発明により使用されるアクリル酸含有の生成ガス混合物はプロパン、プロペン及び/又はアクロレインの部分酸化から得られる。
【0042】
生成する高温の反応混合物は(縮合可能な)アクリル酸及び縮合可能な副成分、例えば酢酸、プロピオン酸、アセトン、アクロレイン、アリルアクリレート、前記で挙げた低級アルデヒド及び水の他に高い割合の縮合可能な成分、例えば炭素酸化物、窒素又は酸素を含有する。
【0043】
かかる反応混合物からのアクリル酸の分離のために多数の方法が公知である。このように例えばDE−C2136396号又はDE−A2449780号において、接触気相酸化において得られる反応ガスからアクリル酸を向流吸着によって高沸点の疎水性溶剤と一緒に分離する。生成するアクリル酸含有の混合物から粗製アクリル酸を蒸留により分離する。高沸点溶剤におけるアクリル酸の吸着がDE−OS2241714号及びDE−OS4308087号に記載されている。
【0044】
DE−OS2241714号は、30℃未満の融点及び常圧での160℃より高い沸点を有する脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジカルボン酸のエステルの使用を記載している。
【0045】
DE−OS4308087号は、接触酸化の反応ガスからの向流吸着によるアクリル酸の分離のために、70〜75質量%のジフェニルエーテル及び25〜30質量%のジフェニルからなる混合物に対して、0.1〜25質量%のオルト−ジメチルフタレートからなる高沸点混合物の使用を推奨している。
【0046】
また反応ガスの吸着は吸着剤として水又はアクリル酸水溶液中でも広く使用されている。
【0047】
引き続き粗製アクリル酸は吸着剤の蒸留による分離によって得られる。
【0048】
この場合に、吸着されたアクリル酸に吸着の後又は蒸留の前になおも脱着工程又はストリッピング工程を行い、アルデヒド成分又は別のカルボニル含有の副成分の含量を低減させてよい。
【0049】
また接触気相酸化からの反応混合物をアクリル酸の製造のために、例えばDE−A19740253号に記載のように分離に有用な内部構造物を有する塔中に下方から導き、かつ縮合された成分を冷却によって凝縮させるか、又はドイツ国出願番号10053086.9号に記載されるように高沸点留分を側方排出口を介して排出する類似の方法に従って分別凝縮することも可能である。
【0050】
有利には本発明により使用可能な粗製アクリル酸を分別凝縮又は吸着によってジフェニルエーテル−ジフェニル−フタル酸エステル混合物中に得る。
【0051】
使用可能な粗製(メタ)アクリル酸が得られる方法については重要でない。
【0052】
本発明による方法は以下の工程からなる:
1. 前処理(随時)
任意の方法により製造される本発明による方法で使用される粗製アクリル酸又はそのほかの酢酸含有流又はプロピオン酸含有流は、例えば以下の成分を含有してよい:
かかる粗製アクリル酸の使用において、これらは、有利にはエステル化での使用の前にアミン、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体、有利には第一級又は第二級アミン又はヒドラジン(誘導体)、特に有利にはヒドラジンの存在下で、0.5〜2モル/モルのカルボニル含有不純物、有利には1〜2、特に有利には1〜1.5モル/モルのカルボニル含有不純物の量で及び20〜40℃の温度で0.1〜10時間、有利には0.5〜7時間、特に有利には1〜5時間処理される。
【0053】
有利にはアミノフェノール、アミノグアニジン及びそれらの塩、例えばアミノグアニジンヒドロゲンカーボネート、カルボン酸ヒドラジン、例えばアジピン酸ジヒドラジド、アニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、フェニルヒドラジン、4−ニトロフェニルヒドラジン又は2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、特に有利にはヒドラジン水和物が使用される。
【0054】
該反応は、有利には300〜3000ppmの安定剤としてのフェノチアジン又は同作用量の別の適当な安定剤の存在下に実施される。
【0055】
付加的な装置を避けるために、該反応を、例えば有利には循環、撹拌又はポンプ循環を備えている貯蔵槽又は受容器又は中間容器中で実施できる。
【0056】
選択的に前処理は、場合により例えば二重マントルを介して随伴加熱されるか、又は入口帯域における、例えば熱交換器を介する加熱の後に、断熱されている管型反応器中でも実施できる。
【0057】
出発酸として、粗製アクリル酸の精製で純粋アクリル酸製造において生じるアルデヒド不含のアクリル酸含有の、カルボニル含量50ppm未満、有利には10ppm未満を有する留分を使用すれば、記載される前処理を省くことができる。
【0058】
もちろん、本発明による方法のためにも純粋なアクリル酸を使用でき、この場合には一般に前処理を行わない。
【0059】
かかる純粋なアクリル酸は、例えば以下の粗製を有する:
2. エステル化
場合により前処理(工程1)に由来するアクリル酸含有混合物を少なくとも1種の酸性触媒の存在下にアルコールと、反応帯域b)において反応させる。
【0060】
適当な酸性触媒は、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸又はそれらの混合物であり、また酸性イオン交換体も考慮される。
【0061】
有利には硫酸、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸、特に有利には硫酸が使用される。
【0062】
反応混合物に対する触媒濃度は、例えば1〜20質量%、有利には5〜15質量%である。
【0063】
反応のために適当なアルコールは、1〜8個の炭素原子を有するアルコール、有利には1〜4個の炭素原子を有するアルコール、特に有利には1〜3個の炭素原子を有するアルコールである。
【0064】
有利にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及び2−エチルヘキサノール、特に有利にはメタノール及びエタノールを使用する。
【0065】
アルコールの供給は、この場合に液状及び/又は気体状で行ってよい。
【0066】
エステル化は、少なくとも1つの加熱可能な反応器b1)中で行い、その際、良好な混合のために適当な措置によって保証される。複数の、例えば2〜4つの反応器を使用する場合に、該反応器はカスケードに配置されていてよい。
【0067】
有利には反応は1つの反応器中で行われる。
【0068】
反応器b1)は、有利には30〜50理論段を有する少なくとも1つの蒸留装置と接続されている。
【0069】
有利には蒸留装置b2)が反応器b1)に設けられている。
【0070】
また複数の反応器が蒸留装置に接続されていてよい。蒸留装置からの還流を次いで有利には第一の反応器に戻す。
【0071】
蒸留装置は自体公知の構築様式であり、かつ慣用の内部構造物を有する。塔内部構造物としては、原則的に全ての慣用の内部構造物、例えばトレイ、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トールマントレイ及び/又はデュアルフロートレイが有利であり、充填物のうち、リング、コイル、サドル、ラシヒリング、イントスリング又はポールリング、バレルサドル又はインタロックスバレル、トップパックなど、又はブレードが有利である。
【0072】
凝縮器は存在するのであれば従来の様式である。
【0073】
有利な実施態様は、塔底領域及び反応器b1)としての蒸留装置の蒸発器を使用することにある。
【0074】
アルコールを気体状で供給する(前記参照)のであれば、有利な供給位置は蒸留装置b2)の分離に有用な内部構造物の下方又は循環中にある。
【0075】
反応混合物を適当な安定剤、例えばフェノチアジン(反応混合物に対して0.05〜0.5%)で不所望な重合に対して安定化し、その際、該安定剤の供給はアクリル酸と一緒に行う。
【0076】
反応は120〜150℃及び大気圧で実施し、より高い又はより低い圧力を使用してもよく、有利には大気圧である。
【0077】
反応時間は一般に0.5〜10時間、有利には1〜6時間である。
【0078】
出発物質のアクリル酸及びアルコールを一般に1:0.7〜3.0、有利には1:0.9〜2.5、特に有利には1:1.0〜2.0、特に1:1.0〜1.5の化学量論比で供給する。
【0079】
エステル化において生成する所望のエステル、低沸点物、マイケル付加生成物、そのうち有利にはアルコキシプロピオン酸エステル及び形成される反応水をエステル化反応器b1)と接続された塔b2)を介して塔頂生成物として分離する(塔頂温度70〜90℃、塔頂圧 1バール)。
【0080】
凝縮された塔頂生成物(一般に20〜40℃の温度)を禁止剤で安定化し、かつ実質的に所望のエステル、未反応のアルコール、水、酢酸エステル、マイケル付加生成物、例えばアルコキシプロピオン酸エステル及び種々の副生成物からなる。塔頂生成物中のアクリル酸含量は一般に0.1%以下、有利には0.01%以下である。
【0081】
禁止剤としては、アルキルフェノール、例えばo−、m−又はp−クレゾール(メチルフェノール)、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール又は2,2′−メチレン−ビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、ヒドロキシフェノール、例えばヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ピロカテキン(1,2−ジヒドロキシベンゼン)又はベンゾキノン、アミノフェノール、例えばp−アミノフェノール、ニトロソフェノール、例えばp−ニトロソフェノール、アルコキシフェノール、例えば2−メトキシフェノール(グアイアコール、ピロカテキンモノメチルエーテル)、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシフェノール、4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、モノ−又はジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、トコフェロール、例えばα−トコフェロール並びに2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ヒドロキシベンゾフラン(2,2−ジメチル−7−ヒドロキシクマラン)、N−オキシル、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4,4′,4′′−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル)ホスファイト又は3−オキソ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル、芳香族アミン又はフェニレンジアミン、例えばN,N−ジフェニルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン、N,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン(アルキル基は同一又は異なってよく、かつそれぞれ互いに無関係に1〜4個の炭素原子からなり、かつ直鎖状又は分枝鎖状であってよい)、ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、リン含有化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、次リン酸又はトリエチルホスファイト、硫黄含有化合物、例えば硫化ジフェニル又はフェノチアジン(場合により金属塩、例えば銅、マンガン、セリウム、ニッケル又はクロムの塩化物、ジチオカルバミン酸塩、硫酸塩、サリチル酸塩又は酢酸塩との組み合わせ)が使用される。
【0082】
それに関連して水溶性の安定剤、特に有利にはN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン、例えばN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミン又はN,N′−ジ−イソ−プロピル−p−フェニレンジアミン及びN−オキシル、特にp−フェニレンジアミン又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシルが有利である。
【0083】
安定剤は、蒸留物に対して10〜1000ppm、有利には50〜500ppmの量で使用される。
【0084】
更なる安定剤の支持のために、酸素含有ガス、有利には空気又は空気及び窒素からなる混合物(酸素含量が低い空気)を使用してよい。
【0085】
前記の酸素含有ガスを、有利には塔の底部領域及び/又は循環蒸発器に供給する。
【0086】
また選択的に凝縮も省略でき、この場合に蒸留物を実質的に気体状で後続のスクラビング(工程3)に供給する。
【0087】
還流として工程3で生成する十分にアルコール不含のアクリル酸エステル含有混合物c1)を最上塔段に導入する。有利には反応混合物に対して20〜80質量%、特に有利には30〜60質量%、殊に有利には40〜60質量%を還流として導入する。
【0088】
エステル化塔底生成物の一部、有利には所望のエステルに対して0.1〜1%をb3)として連続的に分離し、高沸点物を排出し、かつ廃棄、例えば焼却するか、又は高沸点物の後処理(工程8)に供給してよい。
【0089】
エステル化は、塔底生成物が最大で10%の所望のエステル及び最大で15%のアクリル酸を含有するように実施する。
【0090】
他の変法は、エステル化を加熱可能な予備反応器中で場合により圧力下に実施し、かつ得られる液状反応混合物を塔、循環蒸発器及び凝縮器からなる蒸留装置に供給することにある。該反応混合物を前記のように分離する。触媒含有の塔底生成物を完全に又は部分的に反応器中に戻す。
【0091】
3. スクラビング
工程2で生成する、実質的にアクリル酸エステル(75〜90%)、アルコール(1〜10%)、水(7〜13%)、マイケル付加生成物、特にアルコキシプロピオン酸アルキルエステル(0.5〜2.5%)、酢酸エステル(0.05〜1%)及び種々の低沸点物、例えばプロピオン酸エステル、アルデヒド及びエーテル(0.5〜3%)からなる蒸留物もしくは凝縮物を、場合により付加的に他の安定剤と混合し、洗浄液でのスクラビングを実施する。
【0092】
洗浄液の量は蒸留物/凝縮物に対して10〜200質量%、有利には40〜150質量%、特に有利には50〜100質量%である。
【0093】
洗浄液は、例えば水、場合により更に塩基性の化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸カリウムを添加してよく、有利には水を使用する。
【0094】
洗浄液としては、場合により前記の添加剤を有する飲料水、凝縮物又は脱イオン水を使用してよい。
【0095】
更なる実施態様は、工程中に生成する、例えば相分離器からの水相、例えば工程4又は5からの水相又は真空装置、例えば水封ポンプからの水、アルコール回収(工程4)からの水性留分d2)を使用又は一緒に使用することにある。
【0096】
本発明によれば、スクラビングによってエステル化からの未反応のアルコール並びに洗浄液に可溶の別の副生成物を除去することが重要である。
【0097】
方法技術的にスクラビングのために本発明による方法において原則的に全ての自体公知の抽出法及びスクラビング法並びに洗浄装置、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th ed, 1999 Electronic Release, Kapitel : Liquid-Liquid Extraction-Apparatusに記載されるものを使用してよい。例えばこれは1段階又は多段階、有利には多段階の抽出並びに順流又は向流様式での、有利には向流様式での抽出であってよい。
【0098】
有利にはシーブトレイ塔、規則充填塔もしくは不規則充填塔、撹拌容器又はミキサ−セトラ装置並びに回転内部構造物を有する塔又はパルスカラムを使用する。
【0099】
特に有利には70〜150理論段を有する塔が使用される。塔内部構造物としては、原則的に全ての慣用の内部構造物、例えばトレイ、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トールマントレイ及び/又はデュアルフロートレイが有利であり、充填物のうち、リング、コイル、サドル、ラシヒリング、イントスリング又はポールリング、バレルサドル又はインタロックスバレル、トップパックなど、又はブレードが有利である。
【0100】
工程2からの蒸留物/凝縮物は有利には塔の下端で、洗浄液は有利には塔頂で供給する。
【0101】
塔頂で生じる有機相を自体公知の分離容器に導入し、残留水を相c2)として分離し、かつ禁止剤で安定化する。
【0102】
十分にアルコール不含の、一般に0.1質量%以下、有利には0.02%以下のアルコール含量を有するエステル相c1)を部分的に蒸留装置b2)に工程2で還流として、かつ部分的にアクリル酸エステルの蒸留による後精製に、30:70〜70:30、有利には40:60〜60:40の比で供給する。
【0103】
有機相c1)をこの場合に本発明によれば更にスクラビング又は中和をせずに蒸留により後処理する。
【0104】
相分離器からの水相c2)を有利には完全にアルコール回収(工程4)に供給する。
【0105】
禁止剤として、ここでは前記のアルキルフェノール、アルコキシフェノール、ヒドロキシフェノール、アミノフェノール、トコフェロール、N−オキシル、芳香族アミン又はフェニレンジアミン、ヒドロキシルアミン、リン含有化合物又は硫黄含有化合物を、場合により金属塩と組み合わせて使用してよい。
【0106】
それに関連して水溶性の安定剤、特に有利にはN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン及びN−オキシル、特にN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミン又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシルが有利である。
【0107】
安定剤は、塔頂で生じる有機相に対して10〜1000ppm、有利には50〜500ppmの量で使用される。
【0108】
塔の下端で生じる、一般に5〜10質量%のアルコール、3〜7質量%のアクリルエステル、0.1〜1質量%のマイケル付加生成物、例えばアルコキシプロピオン酸アルキルエステル及び0.1〜1質量%の低沸点物を含有する水相c3)を工程4(アルコール回収)で完全に又は部分的に後処理する。
【0109】
前記の水相c3)の一部をまた再び洗浄液としてスクラビングに戻してもよい。
【0110】
更なる可能性は、工程2からの蒸留物を凝縮させず、気体状で工程3に供給し、かつ洗浄液で急冷させることにある。
【0111】
排水量を低減させるためには、例えば塔b2)の頂部で生成する蒸留物/凝縮物を完全に又は部分的に直接蒸留による後処理、例えば、場合により該反応で生じる水の分離のために相分離容器が前接続されている低沸点物分離(工程5)に供給して、スクラビング(工程3)を完全に又は部分的に回避することが合理的であることがある。蒸留による後処理で生じる塔底生成物、例えばe3)を場合により部分的に還流として塔b2)のために使用してよい。
【0112】
4. アルコール回収
塔及び分離容器からの工程3で生成する水相c2)及びc3)を場合により工程5で及び真空発生(水封ポンプ)において生じる水相と一緒にアルコール、アクリルエステル及びマイケル付加生成物の有用生成物回収に供給する。
【0113】
回収装置は、有利にはそれぞれ慣用の様式の蒸発器、凝縮器を有する蒸留塔d)及び側方排出口からなる。
【0114】
トレイのうち、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トールマントレイ及び/又はデュアルフロートレイが有利であり、充填物のうち、リング、コイル、サドル、ラシヒリング、イントスリング又はポールリング、バレルサドル又はインタロックスバレル、トップパックなど、又はブレードが有利である。
【0115】
精製された水相の供給を塔の下半分の上端で行い、その際、供給は有利にはアルコール回収塔の排出物との熱交換によって40〜90℃、有利には60〜90℃に加熱する。
【0116】
塔底温度は多少低減された圧力又は大気圧、有利には大気圧で100〜110℃であり、塔頂温度60〜80℃である。
【0117】
塔頂で生成する蒸気を凝縮させ、禁止剤で安定化し、かつ部分的に再び塔d)に還流として供給する。凝縮物d1)の他の部分を直接、エステル化(工程2)に供給する。この場合に工程2への供給物を、それが、ほぼ塔b2)の中央で、反応器b1)において又はその供給において液状であるか、又は分離に有用な内部構造物の下方で又は循環において気体状である場合に供給してよい。
【0118】
蒸気は実質的にアルコール(40〜70%)及びアクリル酸エステル(30〜50%)からなる。
【0119】
禁止剤として、ここでは前記のアルキルフェノール、ヒドロキシフェノール、アミノフェノール、トコフェロール、N−オキシル、芳香族アミン又はフェニレンジアミン、ヒドロキシルアミン、リン含有化合物又は硫黄含有化合物を、場合により金属塩と組み合わせて使用してよい。
【0120】
それに関連して水溶性の安定剤、特に有利にはN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン及びN−オキシル、特にN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミン又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシルが有利である。
【0121】
安定剤は、蒸留物に対して10〜500ppm、有利には50〜300ppmの量で使用される。
【0122】
更なる安定剤の支持のために、酸素含有ガス、有利には空気又は空気及び窒素からなる混合物(酸素含量が低い空気)を使用してよい。
【0123】
前記の酸素含有ガスを、有利には塔の底部領域及び/又は循環蒸発器に供給する。
【0124】
また部分的に凝縮させ、有利には還流のために必要な部分及び気体状の蒸気を直接的にエステル化に導いてよい。
【0125】
有利には塔の上半分の下方部で中沸点留分d3)を気体形又は液体形で側方排出口を介して塔から排出し、該留分は主にマイケル付加生成物、特にアルコキシプロピオン酸アルキルエステル(5〜10質量%)、アルコール(40〜60質量%)及び水を含有し、かつ再びエステル化(工程2)の反応器b1)に供給する。そこでマイケル付加生成物、特にアルコキシプロピオン酸アルキルエステルを少なくとも部分的にアルコール及びアクリルエステルに分け、かつこうして遊離されたアルコールを存在するアクリル酸によってエステル化する。
【0126】
回収塔d)の塔底で生じる水相d2)を有利にはd)からの塔供給への熱移動によって熱交換器中で冷却し、少なくとも部分的にスクラビング(工程3)に戻し、かつそこで洗浄液として使用し、かつ部分的に、有利には1〜50%、特に有利には5〜40%、特に10〜30%まで排出する。排出された部分を自体公知のように、例えば汚水処理プラントを介して廃棄してよい。
【0127】
他の有利な実施態様は、エステル化のために必要な新鮮なアルコールを塔d)の塔頂で還流として導入し、かつ蒸気を直接的に、有利には気体状でエステル化(工程2)の反応帯域b)に供給することにある。
【0128】
該供給を更に前記のように実施する。
【0129】
5. 低沸点物分離
低沸点物分離を次いで、特に粗製アクリル酸を使用物質として使用する及び/又は特に低沸点物が少ないアクリル酸エステルを製造すべき場合に行う。
【0130】
工程3で生じる十分にアルコール不含の工程3からの相分離器のアクリル酸エステル混合物(有機相c1)の一部を、それぞれ慣用の様式の蒸留塔、蒸発器及び相分離容器を有する凝縮器からなる蒸留装置e)で、低沸点物留分及び所望のエステルを含有する塔底生成物e3)に分離する。
【0131】
塔は、有利には20〜60理論段及び工程4に記載される内部構造物を有する。
【0132】
供給口は有利には塔中央の上方に存在する。
【0133】
塔底温度は80〜100℃であり、該塔は常圧又は多少低減された圧力で、例えば500ミリバール乃至常圧、有利には700ミリバール乃至常圧、特に有利には800ミリバール乃至常圧で実施する。
【0134】
凝縮された低沸点物留分をアルコール回収工程(工程4)及び/又はスクラビング(工程3)に戻される水相e2)及び主に酢酸アルキルエステル、エーテル及びアルキルアクリレートを含有する有機相e1)に分ける。
【0135】
有機相e1)を安定剤と混合し、かつ部分的に還流として塔e)の最上塔段に導入し(還流比20〜40)、部分的に更なる蒸留装置(工程6)に供給してよい。
【0136】
禁止剤として、ここでは前記のアルキルフェノール、アルコキシフェノール、ヒドロキシフェノール、アミノフェノール、トコフェロール、N−オキシル、芳香族アミン又はN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン、ヒドロキシルアミン、リン含有化合物又は硫黄含有化合物を、場合により金属塩と組み合わせて使用してもよい。
【0137】
更なる安定剤の支持のために、酸素含有ガス、有利には空気又は空気及び窒素からなる混合物(酸素含量が低い空気)を使用してよい。
【0138】
前記の酸素含有ガスを、有利には塔の底部領域及び/又は循環蒸発器に供給する。
【0139】
それに関連してフェノチアジン及びp−ニトロソフェノール及び/又はニトロソジエチルアニリン及び/又はテトラメチルピペリジン−1−オキシル及び/又はN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる混合物が有利には使用される。
【0140】
工程5の凝縮器に、有利には部分的に水溶性の禁止剤の溶液を、有利には冷却面での重合形成を回避するために噴霧導入によって添加する。
【0141】
そのためにはp−フェニレンジアミン及びN−オキシル、特に有利にはp−フェニレンジアミン又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが有利である。
【0142】
6. 低沸点物後処理
低沸点物処理を次いで、特に粗製アクリル酸を使用物質として使用する及び/又は特に低沸点物が少ないアクリル酸エステルを製造すべき場合に実施する。
【0143】
工程5からの低沸点物留分の有機相e1)の還流に使用されない部分を、慣用の様式の凝縮器及び相分離容器を有する更なる蒸留装置f)において主にアルキルアセテート及びエーテルを含有する低沸点物留分f1)及び実質的にアルキルアクリレートからなる塔底生成物f2)に分離してよい。該凝縮物f1)を部分的に排出し、かつ例えば熱的に利用又は鹸化させ、かつ部分的に工程5に類似の安定化の後に、還流として例えば20〜40:1の還流比で蒸留塔f)に戻す。
【0144】
排出された部分をまたアルカリ性、例えば水酸化ナトリウム液で鹸化して、アセテートを含有するアルコールを回収してよい。鹸化排出物を次いで、例えばアルコール回収d)に供給してよい。
【0145】
実質的にアクリル酸エステルを含有する塔の塔底生成物f2)を工程5に戻す。
【0146】
更なる可能性は、塔底物生成物f2)を還流として工程2の蒸留装置b2)で使用することにある。
【0147】
塔底温度は60〜100℃であり、圧力は常圧又は多少低減された圧力で、例えば500ミリバール乃至常圧、有利には700ミリバール乃至常圧、特に有利には800ミリバール乃至常圧が有利である。
【0148】
有利な実施態様は、有利には10〜30理論段を有する充填塔を使用することにある。
【0149】
7. 精製蒸留
工程5で生じる、一般に少なくとも98%の純度、有利には少なくとも99%の純度を有する塔底生成物e3)から、もしくは工程5及び6を行わなかった場合には有機相c1)から、更なる蒸留工程g)で有利には5〜20理論段及び慣用の様式の蒸発器及び凝縮器を有する蒸留塔において、40〜80℃の塔底温度及び0.1〜0.7バール、有利には0.2〜0.6バールの塔頂圧で所望のエステルを塔頂生成物g1)として単離する。該凝縮物にこの場合、所望のエステル中の貯蔵安定剤の溶液を添加し、有利には安定剤溶液を噴霧導入される。
【0150】
塔のための塔内部構造物としては、原則的に全ての慣用の内部構造物、例えばトレイ、充填物及び/又は充填物が該当する。トレイのうち、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トールマントレイ及び/又はデュアルフロートレイが有利であり、充填物のうち、リング、コイル、サドル、ラシヒリング、イントスリング又はポールリング、バレルサドル又はインタロックスバレル、トップパックなど、又はブレードが有利である。
【0151】
禁止剤として、ここでは前記のアルキルフェノール、アルコキシフェノール、ヒドロキシフェノール、アミノフェノール、トコフェロール、N−オキシル、芳香族アミン又はN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミンを、場合により金属塩と組み合わせて使用してもよい。
【0152】
更なる安定剤の支持のために、酸素含有ガス、有利には空気又は空気及び窒素からなる混合物(酸素含量が低い空気)を使用してよい。
【0153】
前記の酸素含有ガスを、有利には塔の底部領域及び/又は循環蒸発器に供給する。
【0154】
有利にはヒドロキノンモノメチルエステルを貯蔵安定剤として使用する。
【0155】
該量を、凝縮物中の貯蔵安定剤含量が10〜20ppmであるように調整する。
【0156】
所望のエステルの一部を工程5(前記参照)からの禁止剤混合物と、有利には50〜100ppmで混合し、かつ還流として塔に供給する(還流比0.1〜1:1、有利には0.1〜0.7:1、特に有利には0.1〜0.5:1)。
【0157】
主にアルキルアクリレート及びマイケル付加生成物、特にアルコキシプロピオン酸アルキルエステルを含有する塔g2)の塔底生成物を有利には反応器b1)に供給し、そこでエステル化条件下にマイケル付加生成物を少なくとも部分的にアルコール及びアクリレートに分解する。
【0158】
本発明による方法により得られるアクリル酸エステルは、少なくとも99%、有利には99.5%、特に有利には少なくとも99.8%、特に少なくとも99.9%の純度を有し、かつ1000ppm以下、有利には500ppm以下のアルキルプロピオネート含量、100ppm以下、有利には50ppm以下のアルキルアセテートの含量並びに100ppm以下、有利には50ppm以下のアクリル酸の含量を有する。
【0159】
8. 高沸点物後処理(任意)
エステル化(工程2)からの流れb3)に場合により少なくとも部分的に高沸点物分離を行ってよい。
【0160】
このために流れb3)又は場合によりマイケル付加生成物を含有する流れd3)及び/又はg2)を反応器又は場合により循環運転される蒸留装置に供給し、そこで熱的及び/又は触媒的に処理する。
【0161】
分解における温度は、一般に110〜220℃、有利には120〜200℃、特に有利には130〜180℃である。
【0162】
残りのアクリル酸エステル及び更に生じる分解生成物の分離は反応条件下に実質的に不活性な気流の導通(ストリッピング)、例えば窒素、水蒸気又は有利には酸素含有ガス、例えば空気の導通によって支持できる。
【0163】
残留物を、例えば部分的に排出し、蒸留し、又はもう一度分解させるか、又は硫酸の回収のために使用してよい。
【0164】
分解から得られる、実質的にアクリル酸エステル、アルコール、アクリル酸並びに場合によりエーテル及び安定剤を含有してよい気体状の流れは、場合により凝縮及び/又は更なる冷却の後に、有利にはエステル化反応器b1)において又はb2)の分離に有用な内部構造物の下方で又は反応帯域b)の循環において供給してよい。
【0165】
この高沸点物後処理の代わりに流れb3)を有利には硫酸の回収のために使用してもよい。
【0166】
このために、硫黄含有流を自体公知のように硫黄酸化物含有流中に移送し、かつ例えば接触法プラントにおいて硫酸に変換させる。
【0167】
本発明による方法の利点は、
− 粗製アクリル酸、すなわち更に酢酸、プロピオン酸、アルデヒド及び無水マレイン酸を含有してよいアクリル酸の使用可能性、
− 反応器及び蒸発器の僅かだけの被膜形成(ファウリング)、
− 戻すことによる排水量の低減、
− 生じる排水及び低沸点物留分の後処理による有用生成物損失の回避、及びそれによる
− 低い環境への負荷、
− 蒸留装置の長い通過時間、
− 高い収率((メタ)アクリル酸に対して少なくとも98%)、
− 非常に高い純度を有する所望のエステル(>99.9%、アルデヒド不含)、
− 例えば蒸発器における固体ポリマーの生成がないこと
である。ここで示される部、パーセント及びppm表示は、特に記載がない限り質量部、質量%及び質量ppmである。
【0168】
例1
以下の組成の粗製アクリル酸を使用する:
99.6%のアクリル酸、
0.18%の酢酸、
0.03%のプロピオン酸、
0.05%のフルフラール、
0.01%のベンズアルデヒド、
0.06%の水、
0.01%の無水マレイン酸、
0.05%のフェノチアジン。
【0169】
粗製アクリル酸をエステル化前に23℃でヒドラジン水和物(1.5モル/モル(アルデヒド))で処理した(滞留時間1時間)。
【0170】
40個のデュアルフロートレイ及び外部に存在する循環蒸発器を有する塔の塔底において一時間当たりに5360部の処理された粗製アクリル酸、676部の精製塔の塔底生成物、400部のマイケル付加生成物を含有するメタノール回収の留分及び20部の硫酸(96%)を供給した。塔の第1段目の下方で一時間当たり4302部のメタノール回収で生じる塔頂生成物を気体状で供給した。反応器の塔底から、連続的に主に触媒、高沸点副生成物及び禁止剤を含有する70部を排出した。最上の塔トレイで7000部のスクラビングされた粗製エステルを供給した。反応温度は130℃であった。
【0171】
塔の頂部で、実質的にメチルメタクリレート(82.1%)、水(9.5%)、メタノール(6.5%)、低沸点物(1.0%)及びメトキシプロピオン酸メチルエステル(0.9%)からなる17622部/hの混合物を排出し、かつ凝縮させた。該凝縮物に、メチルアクリレート中の0.4%のN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミンの溶液からなる安定剤溶液(160部/h)を添加した。
【0172】
粗製エステル混合物をスクラバー塔(120段)中で10000部/hのメタノール回収の排水で処理し、その際、低沸点物蒸留の相分離容器の水相(179部/h)及び真空ポンプの排水(580部/h)を添加した。スクラビングされる有機相を160部/hの安定剤溶液(前記参照)と混合し、かつ部分的に(7000部/h)を反応器塔の還流としてかつ部分的に(7242部/h)低沸点物後処理の塔底生成物(86部/h)と一緒に低沸点物分離に供給した。
【0173】
スクラバー塔の排水を40℃に加熱し、かつメタノール回収塔(60個のデュアルフロートレイ、外部循環蒸発器、105℃の塔底温度の第25段目)に供給した。塔の頂部で2400部のメタノール(99.9質量%、新たな供給)を還流として、かつ100部の安定剤溶液(前記参照)を導入した。主にメタノール(77.8%)及びメチルアクリレート(20.6%)からなる生成する蒸留物を気体状でエステル化に戻した。側方排出口(40段)を介して、液状で400部/hのマイケル付加生成物を含有する留分を排出し(6%のメトキシプロピオン酸メチルエステル、48%のメタノール及び56%の水)、かつエステル化反応器に供給した。
【0174】
メタノール不含の排水を部分的にスクラビングに戻し(10000部/h)、かつ部分的に排出させた(2100部/h)。
【0175】
低沸点物分離を52個のデュアルフロートレイ(32段に供給)及び循環蒸発器を有する塔において塔底温度88℃で実施した。
【0176】
塔の頂部で排出される低沸点物留分を抽出塔に供給される水相(179部/h)及び部分的に還流(2000部/h)として塔に戻され、かつ部分的に(60部/h)低沸点物後処理に戻される有機相に分けた。凝縮物に、アクリル酸メチルエステル中の0.2%のフェノチアジン及び0.1%のN,N′−ジ−イソ−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる200部/hの安定剤溶液を添加した。
【0177】
主にメチルアクリレート(99%)からなる塔底生成物(7796部/h)を精製塔において塔頂生成物、所望のエステル(7335部/h、アクリル酸に対して98.5%の収率)及び実質的に89%のメチルアクリレート及び10.5%のマイケル付加生成物からなり、かつ再びエステル化に供給される塔底生成物に分離した。
【0178】
精製蒸留は、15個のデュアルフロートレイ及び外部に存在する循環蒸発器を有する塔中で行う。頂部温度は43℃(0.3バール)であり、還流比は0.3である。
【0179】
蒸気導管において160部/hの、メチルメタクリレート中の0.2%ヒドロキノンモノメチルエーテルの溶液を供給し、かつ凝縮器管を100部/hの前記溶液で噴霧した。還流比は0.3であり、還流を120部の安定剤溶液(前記参照)と混合した。
【0180】
低沸点物後処理を充填塔(16個の分離段)において大気圧で72℃の塔底温度でかつ還流比25で行った。
【0181】
塔底生成物、主にメチルアクリレート(94%)を再び低沸点物分離に供給し、還流として使用されない塔頂生成物(19部/h)を排出した。塔の還流を50部/hの安定剤溶液(前記参照)と混合した。
【0182】
得られたメチルアクリレートはガスクロマトグラフィー分析(DIN55686に類似)に相応して99.96%の純度を有し、かつ副生成物としてなおも310ppmのメチルプロピオネート、25ppmのアクリル酸、60ppmの水、10ppm未満のメチルアセテート及び1ppm未満のアルデヒドを含有していた。
【0183】
プラントは少なくとも30日間問題なく運転できた。
【0184】
比較例1
例1と同様であるが、同じ粗製アクリル酸をヒドラジンによる前処理せずに使用した。
【0185】
1週間後にプラントを蒸発器の被膜形成のため停止せねばならなかった。
【0186】
比較例2
例1と同様であるが、低沸点物分離及び低沸点物排出を行わなかった。
【0187】
生成物の純度は99.78%であり、1700ppmのメチルアセテート及び300ppmのメチルプロピオネートを含有していた。
Claims (16)
- (メタ)アクリル酸エステルを、(メタ)アクリル酸とアルコールとを少なくとも1種の酸性触媒及び少なくとも1種の重合禁止剤の存在下に少なくとも1つの反応器b1)と接続された少なくとも1つの蒸留装置b2)とからなる反応帯域b)で反応させることにより製造する方法において、
− 反応器b1)で温度を120〜150℃に調整し、かつ
− 所望の(メタ)アクリル酸:アルコールの化学量論比に調整し、
− 蒸留装置b2)の蒸留物を洗浄液で処理し(スクラビング工程c)、
− スクラビング工程c)からの排出物を少なくとも1つの有機相c1)及び少なくとも2つの水相c2)及びc3)に分け、
− 有機相c1)を部分的に還流として蒸留装置b2)中に、かつ部分的に更にスクラビングせずに(メタ)アクリル酸エステルの蒸留による後精製g)に導き、かつ
− 水相c2)及びc3)を少なくとも部分的にアルコール回収d)に導く
ことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。 - 水相c2)及びc3)からのアルコール回収d)において実質的に(メタ)アクリル酸エステル及びアルコールを含有する留分d1)を分離し、かつこれを少なくとも部分的に反応帯域b)に供給する、請求項1記載の方法。
- 水相c2)及びc3)のアルコール回収d)において実質的に水を含有する留分d2)を分離し、かつこれを少なくとも部分的に洗浄液としてスクラビング工程c)で使用する、請求項1又は2記載の方法。
- 水相c2)及びc3)のアルコール回収d)においてマイケル付加生成物を含有する留分d3)を分離し、かつこれを反応帯域b)に供給する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- (メタ)アクリル酸エステルの蒸留による後精製g)の前に、実質的に(メタ)アクリル酸エステルを含有する留分e3)と実質的に水、酢酸アルキルエステル、エーテル及び(メタ)アクリル酸エステルを含有する留分とを分離して低沸点物分離e)を実施する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 水、酢酸アルキルエステル、エーテル及び(メタ)アクリル酸エステルを実質的に含有する留分を、実質的に酢酸アルキルエステル、エーテル及び(メタ)アクリル酸エステルを含有する有機相e1)及び水相e2)に分ける、請求項5記載の方法。
- 水相e2)を少なくとも部分的にアルコール回収d)及び/又はスクラビング工程c)に供給する、請求項6記載の方法。
- 有機相e1)を低沸点物後処理f)に供給し、そこで実質的に(メタ)アクリル酸エステルを含有する留分f2)及び実質的に酢酸アルキルエステル及びエーテルを含有する留分f1)に分ける、請求項6又は7記載の方法。
- 留分e3)を精製蒸留g)に導き、かつそこで少なくとも99.9%の純度で(メタ)アクリル酸エステルを含有する留分g1)及び(メタ)アクリル酸エステル及びマイケル付加生成物を含有する留分g2)に分ける、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 留分f2)を低沸点物分離e)に導く及び/又は還流として蒸留装置b2)で使用する、請求項8又は9記載の方法。
- 留分g2)を少なくとも部分的に反応帯域b)に導く、請求項9又は10記載の方法。
- 使用される(メタ)アクリル酸が粗製(メタ)アクリル酸である、請求項5から11までのいずれか1項記載の方法。
- 粗製(メタ)アクリル酸をエステル化の前にまず前処理a)においてアミン、ヒドラジン又はヒドラジン誘導体の存在下に処理する、請求項12記載の方法。
- 供給されるアルコールを反応帯域b)に導かず、還流としてアルコール回収d)で使用し、かつ留分d1)を反応帯域b)に供給する、請求項2から13までのいずれか1項記載の方法。
- 留分d1)を気体状で反応帯域b)に供給する、請求項14記載の方法。
- アルコールとしてメタノール又はエタノールを使用し、かつ(メタ)アクリル酸としてアクリル酸を使用する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
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