JP6787824B2 - 加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)分子内にハロゲン基を1つ有するラジカル開始剤(A)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を1〜100モル等量の割合で重合し、マクロ開始剤を合成する第1の工程、
(2)第1の工程で合成したマクロ開始剤1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を2〜600モル等量添加し、中間体ポリマー(D)を合成する第2の工程、
(3)第2の工程で合成した中間体ポリマー(D)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量添加し、中間体ポリマー(E)を合成する第3の工程、
を含むことを特徴とする加水分解性シリル基含有ポリ(メタ)アクリレートの製造方法である。
(ただし、R1は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。R2は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。)
好ましい実施態様としては、一般式(1)で示されるオレフィン化合物が、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、α−メチルスチレン、イタコ酸ジメチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
(ただし、R3は水素またはメチル基を示す。R4は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはエポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基を有する炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。)
好ましい実施態様としては、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)が一般式(3)で示される(メタ)アクリレートであることを特徴とする加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
(ただし、R5は水素またはメチル基を示す。R6は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。R7は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。mは0〜10の範囲にある整数を示す。nは0〜3の範囲にある整数を示す。)
好ましい実施態様としては、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)が、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−メトキシエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
[第1の工程]
第1の工程は、原子移動ラジカル重合(ATRPと記載される場合も多い)によって、分子内にハロゲン基を1つ有するラジカル開始剤(A)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を1〜100モル等量の割合で重合し、マクロ開始剤を合成する工程である。
ATRPは、例えば銅錯体では、1価銅錯体が重合体末端のハロゲンを引き抜いてラジカルを発生させて2価銅錯体になる。2価銅錯体は重合末端のラジカルに対してハロゲンを戻して1価銅錯体になる。これら平衡からなるリビングラジカル重合がATRPである。また、還元剤を用いて重合遅延、停止の原因となる高酸化遷移金属錯体を減らすことで、遷移金属錯体が少ない低濃度触媒条件であっても速やかに、高反応率まで重合反応を進行させることができるActivators Regenerated by Electron Transfer:ARGET(Macromolecules.2006,39,39)はATRPの改良処方として報告されている。本特許では、ARGETもATRPの範疇として扱う。
配位子として使用される多座アミンを以下に例示するが、この限りではない。二座配位の多座アミン:2,2−ビピリジン、三座配位の多座アミン:N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、四座配位の多座アミン:トリス[(2−ジメチルアミノ)エチル]アミン(Me6TRENと略されることが多い)、トリス(2−ピコリル)アミン、六座配位の多座アミン:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン、ポリアミン:ポリエチレンイミンなどが挙がられる。
ARGETで使用できる溶媒を以下に例示するが、この限りではない。クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸エステル等の有機酸化合物が挙げられる。これらの他、金属、金属水素化物、ヒドラジン、ジイミド等の窒素水素化合物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物。固体の還元剤はそのまま添加しても良いし、溶媒で溶解させて添加しても良い。これら還元剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。また、還元剤は、直接反応系に添加してもよいし、反応系中で発生させてもよい。後者には、電解還元も含まれる。電解還元では陰極で生じた電子が直ちに、あるいは一度溶媒和した後、還元作用を示すことが知られている。つまり、還元剤が電気分解により生じるものも用いることができる。
ATRPで使用できる還元剤を以下に例示するが、この限りではない。メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン等の高極性非プロトン性溶媒、上記溶媒は単独又は2種以上を混合して用いることができる。
重合系中に存在する酸あるいは発生する酸を中和し、酸の蓄積を防ぐために塩基を添加してもよい。塩基としては以下に例示するが、この限りではない。
(A)として、以下に例示するが、この限りではない。2−ブロモイソ酪酸エチル(別名、α−ブロモ酪酸エチル)、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸メチル、(1−ブロモエチル)ベンゼン、アリルブロミド、2−ブロモプロピオン酸メチル、クロロ酢酸メチル、2−クロロプロピオン酸メチル、(1−クロロエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)は、特に制限はないが一般式(3)で示される(メタ)アクリレートであることが、入手性に優れるという点で好ましい。
(ただし、R5は水素またはメチル基を示す。R6は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。R7は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。mは0〜10の範囲にある整数を示す。nは0〜3の範囲にある整数を示す。)
(B)として、以下に例示するが、この限りではない。3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)は、特に制限はないが一般式(2)で示される(メタ)アクリレートであることが、良好な重合活性を有している点で好ましい。
(ただし、R3は水素またはメチル基を示す。R4は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはエポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基を有する炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。)
(C)として、以下に例示するが、この限りではない。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸系モノマーなどが挙げられ、これらは単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
第1の工程を終了し、第2の工程に移るタイミングは、第1の工程で添加した加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の消費率で決定するのが好ましい。
第1の工程で合成したマクロ開始剤1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を2〜600モル等量添加し、中間体ポリマー(D)を合成する工程である。
第2の工程を終了し、第3の工程に移るタイミングは、第1、第2の工程で添加した加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の総和量の消費率で決定するのが好ましい。第1の工程、及び第2の工程で添加された加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の総モル量の90%以上が消費された時点で第3の工程を実施することは、従来プロセスで合成された加水分解性シリル基含有ポリ(メタ)アクリレートと同等の力学物性を発現できる点で好ましい。第1の工程、及び第2の工程で添加された加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の総モル量の90%以上、97%未満が消費された時点で、第3の工程を実施すると、得られるポリマー硬化物の力学物性が高強度、高モジュラス化するため、本ポリマーを用いた強度の高い硬化性組成物が得られる点で好ましい。
第3の工程は、第2の工程で合成した中間体ポリマー(D)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量添加し、中間体ポリマー(E)を合成する工程である。
第3の工程の終了は第1、第2の工程で添加した加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の総和量の消費率で決定するのが好ましい。加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を添加後、適時、ガスクロマトグラフで消費率を確認し、消費率が96%以上となった時点で、揮発成分の減圧留去を開始し、第3の工程を終了とする。
第3の工程終了後に得られたポリマーを精製溶媒で希釈溶解させ、吸着剤と共に加熱攪拌する。次にフィルター濾過することで、清澄なポリマー溶液を得ることが出来る。このポリマー溶液の溶媒を減圧留去することで、精製された加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートを得ることが出来る。
第4の工程は、精製を実施する前のポリマーに対して貯蔵安定性を改善するために行う処理工程であり、第3の工程後に以下に示す特定のオレフィン化合物を重合系に添加し、攪拌操作を行う。よって、第4の工程を経なくても加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートは得られる。
(ただし、R1は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。R2は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。)。
第3、または第4の工程後に以下に示す特定のヒンダード系アミン化合物を重合系に添加し、攪拌操作を行い、硬化性組成物とすることができる。
各実施例で得られたポリマー100重量部に対して、オクチル酸スズ2重量部とラウリルアミン0.5重量部の反応物を加えてよく混合し、組成物を型枠に流し込んで、減圧脱気した。50℃で20時間加熱硬化させ、ゴム弾性を有するシート状硬化物を得た。
(準備)
2000mlの3つ口フラスコを用意し、これにアクリル酸n−ブチル(株式会社日本触媒製)707g、アクリル酸エチル(株式会社日本触媒製)108g、アクリル酸ステアリル(大阪有機化学工業株式会社)186gを混合し、実施例1の(C)成分とした。
窒素気流下において、ジャケット温調付き攪拌装置のジャケット温度を55℃に設定し、攪拌装置にメタノール154g(和光純薬化学工業株式会社製)、(A)成分としてα―ブロモ酪酸エチル5.8g、(B)成分として3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン13.9g、上記で調整した銅溶液を入れ、30分間攪拌し、均一溶液とした。
次に、(C)成分の残りの80wt%分を90分間かけて、第1の工程の重合系に連続的に滴下していった。モノマーの滴下終了後、都度、サンプリングを行い、ガスクロマトグラフ分析で、滴下した(C)成分全量の内、98wt%が消費されるまで重合を行った。
次に、この重合系に、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン15.3gを添加した。アスコルビン酸溶液の連続滴下を1.5時間継続した後、アスコルビン酸溶液の滴下を終了し、重合を終了した。
酢酸ブチル1000gを用意し、ジャケット温調付き攪拌装置に全量添加し、脱揮を終えたポリマーと均一溶液になるまで混合攪拌した。このポリマー溶液に対して、吸着剤としてキョーワード500SH;10g(協和化学工業株式会社製)、キョーワード700SEN−S
で1時間攪拌した。
(実施例16)
実施例1と同様の操作を行い、添加するモノマー種、量については表1、表2に記載した通り添加した。
実施例1と同様の操作を行うが、第4の工程として、中間体ポリマーに対して、3モル等量に相当する表1、表2記載の脱酸素処理済みのオレフィン化合物を入れ、追加重合を1.5時間実施。実施例1の追加重合を実施していないポリマーよりも貯蔵安定性が改善されている。
実施例1と同様の操作を行うが、第4の工程として、中間体ポリマーに対して、3モル等量に相当する表1、表2記載の脱酸素処理済みのオレフィン化合物を入れ、追加重合を1.5時間実施した。その後、吸着剤を使用した精製を実施し、溶媒脱揮前の精製済みポリマー溶液を準備する。これに表1、表2記載のヒンダードアミン化合物をポリマー100重量部に対して0.2重量部または0.01重量部の比率で添加し、攪拌溶解させた後、ジャケット温度80℃で溶媒を留去し、ポリマーを得ている。貯蔵安定性は、ヒンダードアミン系化合物を添加することでそれぞれ改善していることが分かる。
(重合)
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第1銅6.93g、混合アクリルモノマー200gを仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル94g、開始剤としてジエチル2,5−ジブロモアジペート11.3gを添加、混合し、混合液の温度を約65℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)0.17gを添加し、重合反応を開始した。残りの混合アクリルモノマー800gを逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量は1.71gであった。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。モノマー転化率(重合反応率)が96%の時点で揮発分を減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。これまでに要した時間は5時間であった。
ジエン反応が終了した時点で反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を4時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。酸素との接触、濃縮に要した時間は6時間であった。
(重合)
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第1銅6.71g、アクリル酸n−ブチル200gを仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル88g、開始剤としてジエチル2,5−ジブロモアジペート11.7gを添加、混合し、混合液の温度を約65℃に調節した段階でトリアミン0.15gを添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸n−ブチル800gを逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量は1.52gであった。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。モノマー転化率(重合反応率)が96%の時点で揮発分を減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。これまでに要した時間は5時間であった。
ジエン反応が終了した時点で反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を6時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。酸素との接触、濃縮に要した時間は8時間であった。
(準備)
2000mlの3つ口フラスコを用意し、これにアクリル酸n−ブチル(株式会社日本触媒製)707g、アクリル酸エチル(株式会社日本触媒製)108g、アクリル酸ステアリル(大阪有機化学工業株式会社)186gを混合し、比較例3の(C)成分とした。この(C)成分に、(B)成分として3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン29.1gを混合する。
窒素気流下において、ジャケット温調付き攪拌装置のジャケット温度を55℃に設定し、攪拌装置内に、メタノール154g(和光純薬化学工業株式会社製)、(A)成分としてα―ブロモ酪酸エチル5.8g、(準備)で調整した(C)成分と(B)成分の混合モノマーの20wt%分、上記で調整した銅溶液を添加し、10分間攪拌を行い、均一溶液とした。
(第2の工程)
(準備)で調整した(C)成分と(B)成分の混合モノマーの残り80wt%分を90分間かけて、第1の工程のの重合系に連続的に滴下していった。モノマーの滴下終了後、都度、サンプリングを行い、ガスクロマトグラフ分析で、滴下した(C)成分全量の内、98wt%が消費されるまで重合を行い、アスコルビン酸溶液の滴下を終了した。
(第3の工程)
重合系に(B)成分の添加は行わず、第3の工程は実施しなかった。
酢酸ブチル1000gを用意し、ジャケット温調付き攪拌装置に全量添加し、脱揮を終えたポリマーと均一溶液になるまで混合攪拌した。このポリマー溶液に対して、吸着剤としてキョーワード500SH;10g(協和化学工業株式会社製)、キョーワード700SEN−S(協和化学工業株式会社製)をそれぞれ10gずつ添加し、60℃のジャケット温度設定下で1時間攪拌した。
Claims (10)
- 原子移動ラジカル重合による加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法であって、
(1)分子内にハロゲン基を1つ有するラジカル開始剤(A)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を1〜100モル等量の割合で重合し、マクロ開始剤を合成する第1の工程、
(2)第1の工程で合成したマクロ開始剤1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)を2〜600モル等量添加し、中間体ポリマー(D)を合成する第2の工程、
(3)第2の工程で合成した中間体ポリマー(D)1モル等量に対して、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)を1〜10モル等量添加し、中間体ポリマー(E)を合成する第3の工程、
を含むことを特徴とする加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。 - 第1の工程で添加した加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の80%以上が消費された時点で、第2の工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 第1の工程、及び第2の工程で添加された加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)の総モル量の90%以上、97%未満が消費された時点で、第3の工程を実施することを特徴とする請求項1または2に記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 第3の工程後に、一般式(1)で示されるオレフィン化合物を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
H2C=CR1R2 (1)
(ただし、R1は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。R2は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはカルボン酸エステル基を有する炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。) - 一般式(1)で示されるオレフィン化合物が、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、α−メチルスチレン、イタコ酸ジメチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)が一般式(2)で示される(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
H2C=CR3C(=O)OR4 (2)
(ただし、R3は水素またはメチル基を示す。R4は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはエポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基を有する炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。) - 加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)が一般式(3)で示される(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
H2C=CR5C(=O)O−(CH2)m−SiR6 n(OR7)3−n (3)
(ただし、R5は水素またはメチル基を示す。R6は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。R7は水素、メチル基、エチル基のいずれかを示す。mは0〜10の範囲にある整数を示す。nは0〜3の範囲にある整数を示す。) - 加水分解性シリル基を有さない(メタ)アクリルモノマー(C)が、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−メトキシエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6または7に記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)が、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法によって得られた加水分解性シリル基を含有するポリ(メタ)アクリレート100重量部に対して、ヒンダード系アミン化合物を0.005〜0.5重量部を含有することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
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