WO2017138084A1

WO2017138084A1 - 自動車用ボディカバー

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Publication number: WO2017138084A1
Application number: PCT/JP2016/053713
Authority: WO
Inventors: 石塚　正夫
Original assignee: 石塚　正夫; 株式会社パテックジャパン
Priority date: 2016-02-08
Filing date: 2016-02-08
Publication date: 2017-08-17

Abstract

自動車の少なくともリアガラス、ドアガラス及びフロントガラスを覆う本体部と、前記本体部の後方に設けられ、かつ、自動車の後方の開閉部に固定される後方固定部と、前記本体部の側方であって、自動車の左右のドアミラーに固定される側方固定部とを備えている自動車用ボディカバー。

Description

自動車用ボディカバー

　本発明は、自動車用ボディカバーに関する。

　従来から、自動車用ボディカバーとしては、車体全体を覆うフルカバーと窓周りのみ、又は、たとえば、窓周り及びボンネットまでを覆うハーフカバーとが知られている。
　従来のフルカバーは、車体に対して大きめのサイズで形成されているものが多く、このカバーの周囲全体あるいは周囲の一部にゴムを入れ、ゴムの伸縮作用で車体に固定していた。

　また、従来のハーフカバーは、車体を覆うカバー生地自体には車体と固定するための手段がなかった。そのため、カバー生地の他にバンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を設け、この固定具を車体の一部に引っかけることでカバー生地を車体に固定していた。
　たとえば、特開２００７－１３１１８５号公報の自動車用ボディカバーは、シートカバーに固定用バンドが接続され、この固定用バンドに装着されたフックをフロントバンパーの底面及びリアバンパーの底面に引っかけることで、カバーを車体に固定している。

特開２００７－１３１１８５号公報

　しかし、これら従来の自動車用ボディカバーについては、以下の問題があった。
　従来の自動車用ボディカバーは、車体に対して大きめのサイズに形成されているものが多いため、カバーの車体へのフィット感がなかった。
　そのため、従来の自動車用ボディカバーは、車体とカバーとの隙間から風を巻き込んでしまい、少しの風でバタついたり、カバーの内部に巻き込んだ風によりカバーが外れてしまったり、強風時の装着が大変であった。

　また、従来の自動車用ボディカバーは、カバーの周囲全体あるいはカバーの周囲の一部に入れたゴムの伸縮作用で車体に固定していたが、そのゴムは縫製用ゴムが用いられていた。縫製用ゴムは、屋外での使用においては耐久性が弱く短期間でゴムが伸び切ってしまうことから、従来の自動車用ボディカバーは、ゴムが伸びきることでカバーを固定する術を失い、カバーが外れてしまうおそれがあった。

　そのため、従来の自動車用ボディカバーは、車体全体を覆うカバー生地の他に、バンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を設けなければならなかった。さらに、この固定具は、車体の一部に引っかけることにより車体とカバー生地とを固定するため、従来の自動車用ボディカバーは、装着及び着脱に手間及び時間がかかっていた。

　また、上記のバンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具は、ドアノブ、ワイパー、タイヤハウス、タイヤホイール及び車体下部等に引っかけるものである。そのため、従来の自動車用ボディカバーは、固定具により車体を傷つけることがあった。
　そこで、本発明の一実施形態は、一切のバンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を使わないうえに簡単に装着でき、強風でも外れない自動車用ボディカバーを提供することを課題とする。

　上記課題を解決するために、本発明の一実施形態は、以下のような構成を備える。
　（第１の発明）
　本発明の一実施形態のうち第１の発明に係る自動車用ボディカバーは、自動車の少なくともリアガラス、ドアガラス及びフロントガラスを覆う本体部と、前記本体部の後方に設けられ、かつ自動車の後方の開閉部に固定される後方固定部と、前記本体部の側方であって、自動車の左右のドアミラーに固定される側方固定部とを備えている。

　ここで、「後方の開閉部」とは、「トランク」や「リアゲート」等の自動車の後方に設けられた開閉部分をいう。

　（第２の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第２の発明は、前記した第１の発明に加え、前記本体部は、伸縮性を有する伸縮生地で形成されている。
　ここで、「伸縮生地」は、伸縮性を有する素材から形成された生地である。

　（第３の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第３の発明は、前記した第１の発明に加え、前記本体部のうち、自動車の少なくとも１箇所の角部に相当する部分に、伸縮性を有する伸縮生地を備えている。
　ここで、「角部」とは、車体の４隅や、ヘッドライト、テールライト、フロントスポイラ又はリアスポイラ等の車体の突出部分や、たとえば、ルーフとドアガラスとの間の縁部分等の車体を構成する各面の接続部分を意味する。

　（第４の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第４の発明は、前記した第１、第２又は第３の発明に加え、前記後方固定部は、前記本体部から後方に延出する延出部と、前記延出部に設けられた芯材とを備えている。
　ここで、「芯材」は、開閉部を閉じた状態において生じる、開閉部と車体との隙間よりも大きな径で形成された部材である。

　（第５の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第５の発明は、前記した第１、第２又は第３の発明に加え、前記後方固定部は、その裏側に前方に向けて開口を有するポケットである。

　（第６の発明）
　また本発明の一実施形態のうち第６の発明は、前記した第１、第２、第３、第４又は第５の発明に加え、前記側方固定部は、第１生地と、前記第１生地の下側に位置する第２生地とを備え、前記側方固定部の前方側は、前記第２生地が前記第１生地の表側に固定され、前記側方固定部の後方側は、前記第１生地が前記第２生地の表側に固定され、前記第１生地と前記第２生地との間に窓部が形成されている。

　（第７の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第７の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５又は第６の発明に加え、前記本体部の側端近傍には、前後方向に伸縮する伸縮部材が設けられており、前記本体部を自動車に装着した場合に、前記本体部の側端が自動車のルーフ方向に凸となるアーチ状に形成されている。

　ここで、「伸縮部材」とは、引張力に応じて伸縮を伴う材料から形成されたものをいう。
　ここで、「自動車のルーフ方向に凸となるアーチ状」とは、本体部の側端の中央部分が上方向に向けてカーブしている状態をいう。

　（第８の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第８の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５、第６又は第７の発明に加え、前記本体部には、少なくとも１箇所の通風口が形成されている。

　（第９の発明）
　また、本発明の一実施形態のうち第９の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５、第６、第７又は第８の発明に加え、前記本体部のフロントガラスに対応する部分には棒材が設けられ、前記側方固定部を結ぶ線を固定線としたときに、前記棒材の後端は、前記固定線より後方に配し、前記棒材の前端は前記固定線より前方に配している。

　ここで、「棒材」は、適度な重さを備えるとともに、加圧により適度なしなりが生じる素材から形成された棒状の部材である。棒材は、たとえば樹脂チューブ等が採用される。
　ここで、「固定線」とは、本体部を自動車に装着した場合において、側方固定部を結ぶ線のことを意味する。

　（第１０の発明）
　さらに、本発明の一実施形態のうち第１０の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５、第６、第７、第８又は第９の発明に加え、前記本体部は、自動車のボンネット及びフロントバンパーを覆う追加部を有しており、前記追加部は、フロントバンパーの底面を覆う底面部を備え、前記底面部の左右両端の後方側を結ぶ後端縁は、前記底面部の左右両端の前方側を結ぶ前端縁よりもその長さが長くなるように伸縮可能であり、前記追加部を装着した場合、前記後端縁は、その中央部分が前輪のタイヤハウスの前方の角よりも前方に位置するようにカーブした状態で収縮している。

　ここで、「前輪のタイヤハウスの前方の角」とは、前輪を収容するタイヤハウスの前端のうち、車体の外側部分をいう。

　（第１１の発明）
　さらに、本発明の一実施形態のうち、第１１の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５、第６、第７、第８、第９又は第１０の発明に加え、前記本体部の端部に相当する裾部には、前後方向に伸縮する伸縮部材が設けられており、側端の前記裾部の前後には、連結部材が前記本体部に固定されており、前記伸縮部材は、金属製のカシメ金具により前記連結部材に固定され、前記カシメ金具は、熱収縮性の保護チューブの加熱時の収縮性を利用して、前記保護チューブにより前記カシメ金具の外周が覆われている。

　ここで「連結部材」とは、縫製可能な材料から形成されたものをいう。連結部材は、たとえば、ポリプロピレンで形成された、いわゆるＰＰバンド等が採用される。

　（第１２の発明）
　また本発明の一実施形態のうち第１２の発明は、前記した第１、第２、第３、第４、第５、第６、第７、第８、第９、第１０又は第１１の発明に加え、少なくとも前記本体部の端部に相当する裾部には、人が前記裾部に接触したことを検知するケーブル状のセンサが設けられている。

　ここで、「センサ」とは、人が裾部に接触した場合に、その接触を出力するものである。

　本発明は、以上のように構成されているので、一切のバンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を使わないうえに簡単に装着でき、強風でも外れない自動車用ボディカバーを提供することができる。

第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の前方斜視図。第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の後方斜視図。第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバーの展開図。後方固定部のバリエーションを示した概略図。後方固定部のバリエーションを示した概略図。後方固定部のバリエーションを示した概略図。後方固定部を開口状態の自動車のトランクに装着した際の図。第１及び第２の実施の形態に係る側方固定部（右側）を構成する部材の概略図。第１及び第２の実施の形態に係る側方固定部（右側）の概略図。第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の前方拡大図。第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の後方拡大図。伸縮部材と連結部材との固定方法のバリエーションを示した概略図。伸縮部材、連結部材及びカシメ金具を保護チューブで覆った概略図。伸縮部材と連結部材との固定方法のバリエーションを示した概略図。伸縮部材、連結部材及びカシメ金具を保護チューブで覆った概略図。伸縮部材と連結部材との固定方法のバリエーションを示した概略図。通風部を示した図。第２の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の前方斜視図。第２の実施の形態に係る自動車用ボディカバーの展開図。第２の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の概略底面図。第３の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の前方斜視図。第３の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の後方斜視図。第３の実施の形態に係る自動車用ボディカバーの展開図。第３の実施の形態に係る自動車用ボディカバーを自動車に装着した際の概略底面図。

　（第１の実施の形態）
　本明細書では、各説明箇所において、自動車用ボディカバー5についての方向等の定義が示されていない場合には、自動車用ボディカバー5を自動車1に装着したときの自動車1の前側を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、自動車用ボディカバー5についての「左」や「右」の左右方向は、自動車用ボディカバー5を自動車1に装着したときの自動車1の左側を「左」方向とし、その逆方向を「右」方向とする。また自動車用ボディカバー5についての「上」や「下」の上下方向は、自動車用ボディカバー5を自動車1に装着したときの自動車1の上側を「上」方向とし、その逆方向を「下」方向とする。また、自動車用ボディカバー5の「表」や「裏」の表裏については、自動車用ボディカバー5を自動車1に装着した場合において、外部に露出される側を「表」側とし、その反対側を「裏」側とする。同様に、各部材の説明においても、方向又は表裏についての定義が示されていない場合には、上記の定義に沿った方向又は表裏を意味する。
　また、各図面において、共通する符号がある場合には、全図面を通じてそれら共通する符号は同一の構成要素を表すものとする。

　（自動車用ボディカバー5）
　図１は、第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5の前方斜視図であり、図２は、第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5の後方斜視図である。
　第１の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、図１及び図２に示すように、カバー装着時に自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102及びフロントガラス104を覆っている。以下の説明では、自動車用ボディカバー5のうち、自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102及びフロントガラス104を覆うものを「ウインドウカバー6」と称する。

　以下、図３を用いて、自動車用ボディカバー5としてのウインドウカバー6の構成について説明する。「左」方向に相当する。

　（本体部10）
　本体部10は、自動車1の少なくともリアガラス100、ドアガラス102及びフロントガラス104を覆うものである。第１の実施の形態に係る本体部10は、自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102及びフロントガラス104を覆うものである。図３に示すように、この本体部10は、展開した状態では略楕円形状を呈している。

　なお、第１の実施の形態に係る本体部10が被覆可能な箇所は上記のものには限られず、車種毎にその被覆箇所を変更することができる。たとえば、セダンタイプであれば、上記の被覆箇所に加えて、トランクの表面を覆うことも可能である。また、ワゴンタイプであれば、上記の被覆箇所に加えて、リアゲートの下端までを覆うことも可能である。

　ここで、ウインドウカバー6は、本体部10を自動車1の車体に固定するために、その後方に自動車1の後方の開閉部へ本体部10を固定する後方固定部20と、その側方に自動車1の左右のドアミラー120へ本体部10を固定する側方固定部30とを備えている。
　ここで、「後方の開閉部」とは、「トランク130」や「リアゲート」等の自動車1の後方に設けられた開閉部分をいう。

　本体部10は、その側端及び前端に、筒状に形成された裾部15を備えている。そして、左右の側端の裾部15には前後方向に伸縮する伸縮部材40が設けられており、前端の裾部15には棒材60が設けられている。また、本体部10は、フロントガラス104に対応する部分に、カバー装着時に自動車1を正面から見た場合において、Ｕ字状を呈する棒材60が設けられている。

　また、本体部10は、その側方であって、自動車1のドアガラス102に対応する部分に通風部50が形成されている。この通風部50は、本体部10の下から巻き込んだ風を外部へ放出するためのものである。また、後方固定部20の後端には、本体部10を折り畳んで収容するためのカバーケース23が固定されている。なお、「棒材60」、「伸縮部材40」、「通風口50a」及び「カバーケース23」については後述する。

　図１及び図２に示すように、本体部10は、カバー装着時に裾部15のうち、左右の側端の裾部15が自動車1のルーフ110方向に凸となるアーチ状に形成されている。ここで、「自動車1のルーフ110方向に凸となるアーチ状」とは、側端の裾部15の中央部分が上方向に向けてカーブしている状態をいう。たとえば、図２に示すように、ドアミラー120とテールライト175とを両端としてみた場合に、両者の中央であるドア付近が上に位置するようにカーブしている状態を指す。

　また、本体部10は、伸縮性を有しない非伸縮生地12と、非伸縮生地12よりも伸縮性が高い伸縮生地14との２種類の生地を組み合わせて形成されている。
　ここで非伸縮生地12の基布としては、ナイロンやポリエステル等の合成繊維からなる、薄手で丈夫な布地に防水性又は撥水性を施したものを採用することができる。防水性を施す方法としては、防水性を有する表面コートであるシリコーンゴム等を布地の表面にコーティングすることで施すことができる。また撥水性は、布地を構成する合成繊維として、一本一本に撥水加工を施した繊維を使用することで施すことができる。なお、防水性及び撥水性を施す方法は上記に限ったものではない。

　ここで、第１の実施の形態の伸縮生地14は、伸縮性を有する素材から形成された生地であって、たとえば、ナイロンやポリエステルが採用されている。
　第１の実施の形態に係る裾部15は、非伸縮生地12又は伸縮生地14で形成された短冊状の生地の長辺部分を本体部10の端部の表側又は裏側に縫合して筒状になるように形成されている。

　（後方固定部20）
　後方固定部20は、本体部10の後部をトランク130やリアゲートに固定するものである。具体的には、後方固定部20は、本体部10とカバーケース23との間を連結する生地をトランク130やリアゲートに挟み込むことで本体部10を車体に固定する。以下、図４、図５、図６及び図７を用いて、後方固定部20について説明する。

　図４に示すように、後方固定部20は、本体部10から後方に延出する生地である延出部21と、この延出部21に設けられた芯材22と、延出部21の後端に縫合されることで本体部10と一体となっているカバーケース23とを備えている。また、延出部21の左右中央から前方にには開口部24が形成されている。

　（延出部21）
　延出部21は、本体部10から後方に延出する生地、具体的には、本体部10の後方側とカバーケース23との連結部分であって、カバー装着時に自動車1のトランク130に収容される部分をいう。この延出部21は、ウインドウカバー6を展開した場合に略方形状を呈している。また、延出部21には芯材22が固定されている。この延出部21の幅は、トランク130の幅未満となっており、またその前後の長さは、１０～１５ｃｍ程度である。

　そして延出部21は、その後端部分が折り返されるとともに、その折り返された先端が縫合されて筒状に形成されており、この筒状の部分に芯材22が挿入されている。なお、延出部21の後端は、その端部を折り返して筒状に形成するものに限らず、他の生地を用いてその生地が筒状になるように本体部10の表側又は裏側に縫合して形成してもよい。

　（芯材22）
　図４及び図５に示すように、芯材22は、延出部21の後端に設けられるものである。なお、芯材22は、延出部21の後端に設けるものに限らず、たとえば、延出部21の前方側に設けてもよい。

　芯材22は、軽くて、適度なしなりがあり、つぶれない材質の素材で形成されている。芯材22は、たとえば、硬度のあるスポンジ材や発泡材などで棒状に形成される。芯材22の外径はトランク130やリアゲートを閉じた状態において生じるトランク130又はリアゲートと車体との隙間よりも大きいものである。具体的な芯材22の太さは直径２０ｍｍである。芯材22の長さは、延出部21の後端の幅と略同一であればよい。

　この芯材22は、トランク130又はリアゲートを閉じ、延出部21がトランク130やリアゲートに挟み込まれた場合には、トランク130又はリアゲートと車体との隙間よりも大きい芯材22の太さによって抜け止めとして作用する。そのため、本体部10は、カバーを外そうと引っ張られても、芯材22の太さによる抜け止め作用により、トランク130やリアゲートから引き出されることがない。

　なお、芯材22の形状は、棒状に限らず、球状や角状としてもよい。また、芯材22は、延出部21の１箇所に設けるものに限らず、延出部21の２箇所以上に設けてもよい。たとえば、球状に形成された芯材22を延出部21の左右両端と中央との３箇所に設置してもよい。この場合は、延出部21の左右両端と中央との３箇所に設けた芯材22が抜け止めとして作用するため、本体部10の後部をトランク130に固定することができる。このように、芯材22を延出部21の左右両端と中央との３箇所に設置した場合には、本体部10の後部をバランスよく固定できるうえ、カバー装着時のフィット感を高めることができる。

　（カバーケース23）
　カバーケース23は、本体部10を折り畳んで収容するものである。ここで、本体部10は、左右の長さを三等分又は四等分に折り畳むと容易に収容可能であり、この折り畳んだ状態の本体部10の左右の長さが６０ｃｍ～８０ｃｍ、前後の長さが４０ｃｍ程度となっている。このカバーケース23は、本体部10と同材質の基布を折り返して、その折り返した基布の左右両端を縫合することにより袋状に形成したものである。また、カバーケース23は延出部21の後端に縫合されることで本体部10と一体化されている。

　カバーケース23の大きさは、本体部10を折り畳んだ際の大きさを考慮してその前後の長さが６０ｃｍ～８０ｃｍ、その左右の長さが４０ｃｍ程度で形成されている。すなわち、カバー収容時は、本体部10を簡易に折り畳み、ある程度の厚みを有する状態でカバーケース23への収容を行うのが一般的であるため、カバーケース23は、この状態でも容易に収容可能な大きさで形成されている。なお、カバーケース23は、本体部10と同材質の基布を用いることに限られず、本体部10の基布よりも伸縮性や耐久性に優れた材質で形成してもよい。

　なお、カバーケース23は、本体部10と別体となっていてもよいが、収容の利便性及びカバーケース23の紛失の可能性等を考慮すると、カバーケース23は、本体部10と一体となっていることが望ましい。

　（開口部24）
　開口部24は、カバー装着時のトランクストライカーに対応する部分として、延出部21の左右中央から前方にかけて形成された開口である。なお、開口部24は、トランクストライカーに対応する部分のみを開口したものでも、トランクストライカーに対応する部分よりも大きく開口してもよい。開口部24の形状は図４及び図５に示すような方形状に限られず、たとえば、三角形状であっても、四角形以上の多角形状であってもよい。

　（後方固定部20の他の態様）
　なお、後方固定部20は上記した構成に限られず、たとえば、以下のような構成を採用してもよい。
　図６及び図７に示すように、後方固定部20は、その裏側に前方に向けて開口を有するポケット25としてもよい。具体的にこの態様の後方固定部20は、図６に示すように、本体部10の後端を裏側に折り返し、その折り返した左右両端を縫合することで、トランク130の下部を被覆可能とした袋状のポケット25である。また、ポケット25の中央付近であり、カバー装着時のトランクストライカーに対応する部分には、開口部24が形成されている。なお、ポケット25は、必ずしも本体部10を折り返して形成する必要はなく、他の生地を用いてその生地が袋状になるように、その生地の下端及び左右両端を縫合して形成してもよい。
　ポケット25は、本体部10と同材質の基布で形成されている。また、ポケット25の左右の長さはトランク130の幅と略同一で形成されている。

　（側方固定部30）
　側方固定部30は、本体部10の側方をドアミラー120に固定するものである。具体的には側方固定部30は、側方固定部30を構成する上下の生地が重なり合わない部分に形成された開口である窓部36を閉じてドアミラー120の基部を挟み込むことで本体部10をドアミラー120に固定する。

　この側方固定部30は、窓部36の上部を構成する生地である第１生地31と、窓部36の下部を構成する生地であって、かつ第１生地31の下側に位置する第２生地33とを備える。以下、図８及び図９を用いて、側方固定部30について説明する。また、図８及び図９は、右側の側方固定部30を示した図であり、以下では右側の側方固定部30について説明する。なお、左側の側方固定部30は、右側の側方固定部30を左右対称にした構成であるため、説明は省略する。

　（第１生地31）
　図８に示すように、側方固定部30を構成する第１生地31は、窓部36の上部を構成する生地であって、本体部10のうち、ドアガラス102に対応する部分を構成する非伸縮生地12の一部分である。また、第１生地31は、その下端にチューブ35を取り付けるための、第１チューブ取付部32を備えている。
　ここでチューブ35はその直径が５ｍｍの筒状のゴムチューブである。このチューブ35は、可撓性を有する素材であればよく、また、筒状でなく紐状であってもよい。チューブ35は、カバー装着後、ドアミラー120に固定された側方固定部30を構成する第１生地31の形状を維持するためのものである。

　第１チューブ取付部32は、チューブ35を取り付けるために筒状に形成された部分であって、第１生地31の下方の曲線部分に設けられている。図８に示すように、第１チューブ取付部32において、チューブ35は第１生地31の下方の曲線部分に沿って配されている。実際に第１チューブ取付部32は、短冊状の第１カバー生地32aがチューブ35を包んだ状態で第１生地31と縫合されることで形成されている。この第１カバー生地32aは、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　このとき、チューブ35は、第１生地31と別部材の第１カバー生地32aを用いて第１生地31に固定されている。具体的には、第１カバー生地32aを折り返してチューブ35を包み、この第１カバー生地32aを第１生地31に縫合している。なお、単に第１生地31の端を折り返してチューブ35を包むことも可能であるが、以下の点から別部材の第１カバー生地32aにチューブ35を包んで第１生地31に固定するのが望ましい。

　第１の実施の形態の第１生地31の端部は上に凸となる曲線を描いている。ここで第１生地31の端を均等に折り返してチューブ35を包む場合、第１生地31の端の前後の長さと、折り返された第１生地31の端が縫合される部分の長さに差が生ずる。詳しくは、第１生地31の端の前後の長さよりも、折り返された第１生地31の端が縫合される部分の長さの方が長い。したがって、折り返された第１生地31の端を伸ばすか、折り返された第１生地31の端が縫合される部分を前後に寄せて、長さを調整した状態で縫合する必要がある。そして、この状態で第１生地31の端を縫合すると縫いシワが生じてしまい、見た目が綺麗ではない。

　そこで、第１の実施の形態では、第１生地31へのチューブ35の固定に際し、第１カバー生地32aを用いている。その結果、チューブ35が包まれている部分に縫いシワが発生しない。また、第１生地31と第１カバー生地32aとの縫合箇所の生地が重なることとなるため、第１生地31の端を折り返してチューブ35を包む場合と比べて、第１生地31の端部分の強度を強化できる。

　（第２生地33）
　図８に示すように、側方固定部30を構成する第２生地33は、窓部36の下部を構成するとともに、第１生地31の下側に位置するものである。
　また、第２生地33は、前方側の第２生地前部33aと、この第２生地前部33aと接続されており、第２生地前部33aよりも伸縮性の高い素材から形成された後方側の第２生地後部33bとを備えている。

　なお、第２生地33の下端部分、換言すると左右の側端の裾部15には、伸縮部材40及びチューブ35の一部が挿入されている（図１０参照）。
　また、第２生地33の上方の曲線部分は、下方に凸となる曲線を描いている。また、第２生地33の上方の曲線部分には、その曲線部分にチューブ35を取り付けるための第２チューブ取付部34を備えている。

　第２チューブ取付部34は、チューブ35を取り付けるために筒状に形成された部分であって、第２生地33の上方の曲線部分に設けられている。図８に示すように、第２チューブ取付部34において、チューブ35は、第２生地33の上方の曲線部分に沿って配されている。実際に第２チューブ取付部34は、短冊状の第２カバー生地34aがチューブ35を包んだ状態で第２生地33の上方の曲線部分に縫合されることで形成されている。この第２カバー生地34aは、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　このとき、チューブ35は、第２生地33と別部材の第２カバー生地34aを用いて第２生地33に固定されている。具体的には、第２カバー生地34aを折り返してチューブ35を包み、この第２カバー生地34aを第２生地33に縫合している。なお、単に第２生地33の端を折り返してチューブ35を包むことも可能であるが、以下の点から別部材の第２カバー生地34aにチューブ35を包んで第２生地33に固定するのが望ましい。

　第１の実施の形態の第２生地33の上方の曲線部分は、下方に凸となる曲線を描いている。ここで、第２生地33の上方の曲線部分を均等に折り返してチューブ35を包む場合、第２生地33の上方の曲線部分の前後の長さと、折り返された第２生地33の上方の曲線部分が縫合される部分の長さに差が生ずる。詳しくは、第２生地33の上方の曲線部分の前後の長さよりも、折り返された第２生地33の上方の曲線部分が縫合される部分の長さの方が長い。したがって、折り返された第２生地33の上方の曲線部分を伸ばすか、折り返された第２生地33の上方の曲線部分が縫合される部分を前後に寄せて、長さを調整した状態で縫合する必要がある。そしてこの状態で第２生地33の上方の曲線部分を縫合すると縫いシワが生じてしまい、見た目が綺麗ではない。

　そこで、第１の実施の形態では、第２生地33へのチューブ35の固定に際し、第２カバー生地34aを用いている。その結果、チューブ35が包まれている部分に縫いシワが発生しない。また、第２生地33と第２カバー生地34aとの縫合箇所の生地が重なることとなるため、第２生地33の上方の曲線部分を折り返してチューブ35を包む場合と比べて、第２生地33の上方の曲線部分の強度を強化できる。

　（第２生地前部33a）
　第２生地前部33aは、アルファベットのＵ字状に折れ曲がった部材であって、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　（第２生地後部33b）
　第２生地後部33bは、第２生地前部33aと接続されており、略台形状に形成されている。この第２生地後部33bは、第２生地前部33aよりも伸縮性の高い素材で形成されている。たとえば、トリコットやメリヤス等の伸縮性に富んだ織布に、耐候性及び耐摩耗性に優れたゴム、シリコーンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム等の合成ゴム、あるいは、ウレタン樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマからなる表面コートがコーティングされて形成されている。

　また、第２生地前部33a及び第２生地後部33bは、図９に示すように、第２生地前部33aの後端部分を第２生地後部33bの先端部分の表側にくるように重ねた状態で固定されている。具体的には、第２生地後部33bの先端部分と重ねた状態の第２生地前部33aの後端付近をこの後端縁に沿って縫合することで固定されている。なお、これに限られず、第２生地後部33bの先端部分が第２生地前部33aの後端部分の表側にくるように重ねて縫合してもよい。

　（第１生地31と第２生地33との固定方法）
　以下、図９を参照して、第１の実施の形態に係る側方固定部30を構成する第１生地31と第２生地33との固定方法について説明する。
　図９に示すように、側方固定部30は、その前方側は第２生地33が第１生地31の表側に固定されており、その後方側は第１生地31が第２生地33の表側に固定されている。

　図９に示すように、第１生地31と第２生地33を構成する第２生地前部33aとは、第２生地前部33aの上端が上方向を向き、かつ、第２生地前部33aが第１生地31の表側に位置するように固定されている。

　具体的には、第１生地31と第２生地前部33aとは、第１生地31と第２生地前部33aとを重ねた状態において、
　（１）第２生地前部33aのうち、第１生地31と第２生地前部33aとの重なり部分の後端付近の略中間地点から後端縁に沿って上方に縫合すること
　（２）第２生地前部33aのうち、第１生地31と第２生地前部33aとの重なり部分の上端付近を上端縁に沿って縫合すること
　（３）第２生地前部33aのうち、第１生地31と第２生地前部33aとの重なり部分の前端付近を前端縁に沿って縫合すること
　（４）（３）で縫合した箇所の下端から後方に向けて、（２）で縫合した長さの半分程度の長さで縫合すること、で固定されている。

　また、第１生地31と第２生地33を構成する第２生地後部33bとは、第１生地31の下部が第２生地後部33bの表側に位置するように固定されている。
　具体的には、第１生地31と第２生地後部33bとは、第１生地31と第２生地後部33bとを重ねた状態において、
　（１）第２生地後部33bの後端付近をこの後端縁に沿って縫合すること
　（２）（１）で縫合した箇所の下端から前方に向けて第２生地後部33bが表側に現れる箇所まで縫合すること、で固定されている。すなわち、側方固定部30は、側方固定部30の前後で第１生地31と第２生地33との表側と裏側との関係が逆になるような状態で縫合されている。
　そして、側方固定部30には、第１生地31と第２生地33との間であって、第１生地31と第２生地33とが重なり合わない部分に窓部36が形成されている。

　（窓部36）
　図９に示すように、窓部36は、第１生地31と第２生地33との間であって、第１生地31と第２生地33とが重なり合わない部分に形成されている。具体的には、窓部36は、略半円状を呈し、カバー装着時ではドアミラー120の基部が通る大きさだけ開口している。一方、窓部36は、本体部10を自動車1に装着する際には、第１生地31を捲ることにより、ドアミラー120の全体が通る大きさまで開口することができる。

　（伸縮部材40）
　図３に示すように、伸縮部材40は、本体部10の左右の側端の裾部15に設けられ、本体部10の側方部を締め付けるためのものである。
　ここで、「伸縮部材40」とは、引張力に応じて伸縮を伴う材料から形成されたものをいい、従来の自動車用ボディカバーで採用される縫製用ゴムとは異なり、適度な引張強度があり、経年劣化の少ない高い耐久性を備えたゴムバンドが採用される。第１の実施の形態では、所定の幅に裁断されたタイヤチューブを伸縮部材40としている。この伸縮部材40であるタイヤチューブの幅は、２０ｍｍである。

　なお伸縮部材40は、裁断されたタイヤチューブに限らず、たとえば、天然ゴム、合成天然ゴム、スチレンブタジエンゴム又はブタジエンゴム等の工業用の素材で形成したゴムバンドでもよい。

　ここで縫製用ゴムは繊維状の糸ゴムを織り込むことで形成されており、繰り返しの使用により伸びやすく、強度が劣化してしまう等、耐久性に乏しい。一方、ゴムバンドは縫製用ゴムより耐久性に優れ、また、同じ幅であれば縫製用ゴムよりも引張強度が高い。そのため、第１の実施の形態の伸縮部材40ではゴムバンドを採用した。なお、ゴムバンドは、他の部材と糸で縫合した場合、縫合により空けられた孔を起点に裂け目が生じることがある。これに対応すべく、第１の実施の形態では伸縮部材40の固定方法を工夫している。詳細は後述する。

　なお左右の側端の裾部15の前後には、連結部材41が縫合されており、伸縮部材40は、図１２及び図１３に示すように、金属製のカシメ金具42を用いて、連結部材41に固定される。また、カシメ金具42は、熱収縮性の保護チューブ43によりその外周が覆われる。

　（連結部材41）
　図１０及び図１１に示すように、連結部材41は、左右の側端の裾部15の前後に固定されたものであり、伸縮部材40の本体部10への固定を介在するものである。
　ここで、「連結部材41」とは、縫製可能な材料から形成されたものをいう。連結部材41は、たとえば、ポリプロピレンで形成された、いわゆるＰＰバンド等が採用される。なお、連結部材41の素材は、ポリプロピレンに限らず、ポリエステル、アクリル又は綿混紡で形成されたものでもよい。

　図１０に示すように、前側の連結部材41は、裾部15の前側、具体的には、本体部10のドアミラー120の基部に対応する部分よりもやや前方側に縫合して固定されている。また、図１１に示すように、後ろ側の連結部材41は、裾部15の後ろ側、具体的には、本体部10のテールライト175に対応する部分に縫合して固定されている。なお、後ろ側の連結部材41は、本体部10のテールライト175に対応する部分に固定されるものに限らず、テールライト175から本体部10の後端までの間に対応する部分に固定してもよい。

　（カシメ金具42）
　図１２Ａ～図１２Ｄに示すように、カシメ金具42は筒状の金属製の金具であって、伸縮部材40と連結部材41とを固定するためのものである。

　ここで図１２Ａに示すように、連結部材41と伸縮部材40とは、連結部材41の端と伸縮部材40の端とを重ね、この重なり部分にカシメ金具42を被せ、カシメ金具42を内方に縮径変形させることで固定されている。これにより伸縮部材40は、本体部10に固定される。このカシメ金具42は、シーリングマシンといわれる専用工具で内方に縮径変形される。縮径変形されたカシメ金具42が伸縮部材40と連結部材41との重なり部分を固定する結果、伸縮部材40は連結部材41を介して本体部10に固定される。
　なおシーリングマシンで縮径変形される前のカシメ金具42の内径は、折り返して二重となった伸縮部材40を被覆可能な大きさとなっている。

　カシメ金具42は、内方に縮径変形されたことにより凹凸部分及び鋭利な端部分が生ずる。第１の実施の形態のカシメ金具42は、図１２Ｂに示すように、その周縁と伸縮部材40及び連結部材41の重なり部分とを保護チューブ43で覆われている。そのため、カシメ金具42は、その周縁が保護チューブ43で覆われることで、縮径変形により生じた凹凸部分及び鋭利な端部分が露出しないため、本体部10や車体を傷つけることがない。

　そして、伸縮部材40は、裾部15の前側と裾部15の後ろ側とに固定された連結部材41と連結して本体部10に固定されることで、カバー装着時に上方向に向けてカーブしている状態となる。そして、伸縮部材40は、このカーブしている状態から元の直線形状へ戻ろうと収縮しようとするため、本体部10に対し、下方に下向きの力を加える。これにより、伸縮部材40は、本体部10の側面を下方に締め付けることができ、本体部10の側面に張りを出すことができる。

　また、図１２Ｃに示すように、伸縮部材40の一端を折り返して二重となった部分と連結部材41の端とを重ねて三重とし、この重なり部分にカシメ金具42を被せ、カシメ金具42を内方に縮径変形させることで伸縮部材40と連結部材41とを固定してもよい。この方法により伸縮部材40は本体部10に固定されることとしてもよい。

　また伸縮部材40の一端を折り返して二重となった部分と、連結部材41の一端を折り返して二重となった部分とを重ねて四重とする。そして、この伸縮部材40と連結部材41とが重なった部分に四重にカシメ金具42を被せ、カシメ金具42を内方に縮径変形させることで伸縮部材40と連結部材41とを固定してもよい。この方法により伸縮部材40は、本体部10に固定されることとしてもよい。

　また、図１２Ｄに示すように、カシメ金具42は、その周縁を保護チューブ43で覆うことで、縮径変形により生じた凹凸部分及び鋭利な端部分により本体部10や車体を傷つけないように保護されている。

　（保護チューブ43）
　図１２Ｂ及び図１２Ｄに示すように、保護チューブ43はカシメ金具42の外周を覆う筒状の部材である。
　具体的には保護チューブ43は、フッ素樹脂ＰＦＡやＦＥＰ等の、汚れがつきにくく非粘着性を有する等の特徴を備えた材料で形成されている。また、保護チューブ43は、熱収縮性を有するものであって、具体的には加熱により縮径するものであればよい。この保護チューブ43は、初めはカシメ金具42の外径よりも大きい寸法となっている。一方、保護チューブ43は、カシメ金具42を覆った後、その状態で加熱されることにより縮径し、カシメ金具42に密着してカシメ金具42の周縁と伸縮部材40及び連結部材41の重なり部分を覆う。
　以上の工程により、伸縮部材40は、裾部15の前側と後ろ側との２箇所に固定された連結部材41と固定されるため、結果的に本体部10と固定される。

　なお、連結部材41は、上記の構成に限られず、図１３に示すように、本体部10に直接固定されるベルト41aと、ベルト41aの一端に固定しており、伸縮部材40とベルト41aとを固定する連結具41bとを備えたものでもよい。
　（ベルト41a）
　図１３に示すように、ベルト41aは、本体部10に直接縫合されるものである。このベルト41aは、その幅が２０ｍｍであって、方形状を呈している。具体的には、ベルト41aは、ポリプロピレンで形成された、いわゆるＰＰバンドである。
　このベルト41aは２つ存在しており、ベルト41aはそれぞれ裾部15の前側と後ろ側との２箇所に縫合して固定されている。

　（連結具41b）
　図１３に示すように、連結具41bは、伸縮部材40とベルト41aとを固定するものである。具体的には、連結具41bは、リング状であって、その内径がベルト41aの幅より少し大きい周縁部41cと、周縁部41cの内周をその中央部分で左右に分節する分節部41dとを備えている。また、連結具41bには、分節部41dにより２つに分けられた空間として、第１開口41eと第２開口41fとを有する。

　ここで、ベルト41aと連結具41bとは、本体部10に固定されていないベルト41aの一端を第１開口41eに通して、このベルト41aの端部を折り返し、折り返して二重に重なった部分を縫合して固定されている。なお、連結具41bは、分節部41dにより２つの空間に分けられたものに限られない。たとえば、連結具41bは、分節部41dを用いず１つの空間のみを有するいわゆる平カンと呼ばれるものでもよい。

　（カシメ金具42）
　図１３に示すように、カシメ金具42は筒状の金属製の金具であって、伸縮部材40とベルト41aとを固定するためのものである。
　ここで、伸縮部材40は、連結具41bの第２開口41fを通って折り返されている。カシメ金具42はこの折り返されて二重となった部分を覆い、シーリングマシンで内方に縮径変形される。縮径変形されたカシメ金具42が伸縮部材40の重なり部分を固定する結果、伸縮部材40は連結具41bを介してベルト41aと固定される。

　（防犯装置）
　また、ウインドウカバー6は、たとえば、裾部15に、ケーブル状のセンサを挿入し、いわゆる防犯装置としての機能を付加してもよい。
　ここで、防犯装置は、送信機と送信機からの信号を受信する受信機と、送信機に接続された長さ１０ｍ程度のセンサとを備えている。

　送信機は、所定の閾値に達することで異常を検知するセンサユニットが組み込まれている。このセンサユニットが異常を検知した場合に、アラームを鳴らすとともに受信機に異常を知らせる信号を発信する。この送信機は、トランクルーム又はフロントグリル内に設置され、カバー装着後に受信機からのリモコン信号により作動する。また、送信機の電源はカーバッテリーから取得される。
　受信機は、カバー装着後にリモコン信号を発信することで送信機を作動させるとともに送信機からの信号を受信するものであればよい。

　センサは、左右の側端の裾部15に人が接触した場合に、人の接触により生じた静電気のノイズを電流として送信機に組み込まれたセンサユニットに出力するものである。このセンサは、車体の周囲を一周できる長さよりもややゆとりを持たせて裾部15内に配された、長さ１０ｍ程度の電線である。また、センサは、その一端がトランクルーム又はフロントグリル内まで延出しており、その先端にジャックが取り付けられている。センサは、カバー装着時にこのジャックを送信機側に設けられたジャックに差し込むことで、センサユニットと接続される。

　なお、センサは、人以外の物体、すなわち、犬や猫、鳥などの小動物が裾部15に接触した場合にも、その接触により生じた電流を送信機に組み込まれたセンサユニットに出力している。ただし、センサユニットは、これらの小動物が裾部15に接触したことにより生じた電流では閾値に達しないこととされているため、異常を検知することがない。

　送信機に組み込まれたセンサユニットは、物体が裾部15に接触したことにより生ずる静電気のノイズを検知している。そして、このセンサユニットは、静電気のノイズが少ない犬や猫、鳥などの小動物が裾部15に接触した場合には反応しない閾値に設定されている。そのため、センサユニットは、犬や猫、鳥などの小動物が裾部15に接触して生ずる電流値よりも大きな電流値が生ずる人が裾部15に接触した場合にのみ検知を行うことができる。

　そして、防犯装置は、カバーを外そうとして人がセンサの挿入された裾部15に接触した場合に、センサで発生した電流が送信機に組み込まれたセンサユニットに出力される。センサユニットでは、センサから入力した電流が所定の閾値を超えたか否かが判断される。そして、防犯装置は、センサユニットにおいて電流が所定の閾値を超えたと判定される場合、送信機に組み込まれたアラームを鳴らすとともに送信機から受信機に異常を知らせる信号を発信する。受信機ではこの異常を知らせる信号を受信して、カバー所有者に異常があったことを伝達する。

　また、防犯装置の送信機と受信機とは、直線距離で１ｋｍ、住宅街などでも３００ｍ～５００ｍ程度の距離で送受信が可能である。そのため、この防犯装置によれば、異常を検知してアラームを鳴らすことに加え、自動車1から離れた場所でもあっても異常を検知して駆けつけることが可能となる。なおセンサの配置箇所は、裾部15のみに限らず、これに加えて、たとえば、本体部10のルーフ110に対応する部分に配してもよい。

　（通風口50a）
　図１４に示すように、上側の上カバー生地51の裏地と上カバー生地51の下側に位置する下カバー生地52の表地との間には、複数の隙間である通風口50aが形成されている。この通風口50aは、本体部10の下から巻き込んだ風を外部へ放出するためのものである。本体部10には、通風口50aが複数個連なる通風部50が形成されている（図３参照）。

　図１４に示すように、通風部50における通風口50aは、上カバー生地51が下カバー生地52の表側にくるように重ね、その重なった部分を一定間隔で縫合することで形成されている。具体的には通風部50では、上カバー生地51の下端と下カバー生地52とを前後方向に幅５ｃｍで縫合し、この縫合部分から前後方向に１５ｃｍの間隔を空け、再び上カバー生地51の下端と下カバー生地52とを前後方向に幅５ｃｍで縫合する工程を繰り返している。そして、縫合箇所で仕切られた部分が通風口50aとして形成される。

　なお、通風口50aの数や大きさは上記の場合に限らない。なお、通風口50aを形成する上カバー生地51の下端と下カバー生地52とを前後方向に縫合する幅は、５ｃｍに限られない。たとえば５ｃｍ未満の３ｃｍでも、５ｃｍより大きな７ｃｍでもよい。なお、上カバー生地51の下端と下カバー生地52との縫合部分からの間隔は、１５ｃｍに限られない。たとえば１５ｃｍ未満の１０ｃｍでも、１５ｃｍより大きな２０ｃｍでもよい。なお、通風口50aは、本体部10の自動車1のルーフ110に対応する部分に形成することも可能である。ただし、ルーフ110に対応した部分に形成した場合、雨が本体部10の内部に挿入してしまうため、本体部10の自動車1のルーフ110の側端近傍に形成することが望ましい。

　（棒材60）
　図３に示すように、棒材60は、本体部10のフロントガラス104に対応する部分に設けられている。この棒材60は、カバー装着時に自動車1を正面から見た場合において、Ｕ字状を呈する状態で本体部10に固定されている。また、棒材60は、フロントガラス104の前端に対応する部分、換言すると本体部10の前端の裾部15にも設けられている。

　ここで、「棒材60」は、適度な重さを備えるとともに、弾性を有する素材で形成された棒状の部材である。具体的には、棒材60は、その直径が１０ｍｍ程度の筒状の樹脂チューブである。また、棒材60は、力を加えると弾性作用を生じる樹脂素材で形成されている。

　第１の実施の形態では、本体部10のフロントガラス104に対応する部分にＵ字状を呈する状態の棒材60が左右方向に３本並んで固定されている。この棒材60は、それぞれ短冊状の生地に包まれており、この短冊状の生地が本体部10に縫合されることで、本体部10に固定されている。また、この３本の棒材60が本体部10に固定された際のそれぞれの棒材60の左右の幅は、カバーケース23に収まる長さ、すなわち、その幅が４０ｃｍ以下で形成されている。

　棒材60を固定する短冊状の生地は、その一端が折り返され、その折り返されて重なった部分が縫合されることで筒状となる。棒材60は、この筒状部分に挿入されている。そして、棒材60を内包した短冊状の生地を本体部10の裏地に直接縫合することで、棒材60は本体部10に固定される。

　なお、棒材60の本体部10への固定方法は、上記のものに限られない。たとえば、短冊状の生地を本体部10に縫合せず、他の生地を棒材60を内包した短冊状の生地に乗せ、この他の生地を本体部10に縫合することで棒材60を本体部10に固定してもよい。

　ここで、棒材60は、側方固定部30を結ぶ線を固定線αとしたときに、棒材60の後端は、固定線αより後方に配され、棒材60の前端は固定線αより前方に配されている。
　ここで、「固定線α」とは、本体部10を自動車1に装着した場合において、側方固定部30を結ぶ線のことを意味する。

　本体部10の固定線αより前方が風により浮き上がろうした場合、棒材60は固定線αより後方が本体部10に固定されているため、固定線αを支点に前方が上方に曲がることになる。一方、棒材60には曲がりを戻そうとする復元力が生じるため、ウインドウカバー6においては、本体部10の固定線αより前方の風による浮き上がりは防止される。

　なお、棒材60は、その後端が固定線αの後方に達していれば、その形状はＵ字状に限らず、円状でも、棒状でもよい。なお、棒材60のうち、本体部10の前端の裾部15に設けられるものは、１０ｍｍ程度の筒状の樹脂チューブで形成されるものに限らず、直径が５ｍｍの筒状のゴムチューブで形成してもよい。

　（伸縮生地14）
　図３に示すように、ウインドウカバー6は本体部10のうち、自動車1の少なくとも１箇所の角部に相当する部分、具体的には、テールライト175及びリアスポイラ185に対応する部分が伸縮生地14とされている（図２参照）。
　ここで、伸縮生地14は、伸縮性を有する素材から形成された生地であって、たとえば、ナイロンやポリエステルが採用されている。

　ここで、「角部」とは、車体の４隅や、ヘッドライト170、テールライト175、フロントスポイラ155又はリアスポイラ185等の車体の突出部分や、たとえば、ルーフ110とドアガラス102との間の縁部分等の車体を構成する各面の接続部分を意味する。
　すなわち、角部には、自動車1の車体のうち、複雑な面形状を有する部分、凹凸部分又はエアロパーツ等の装備の有無を有する部分が含まれる。
　伸縮生地14は、この角部に相当する部分に用いられることで、たとえば、車体の大きさの変化に対応できたり、生地と車体との密着性を高めることで生地の擦れを防止したりできる。

　（第１の実施の形態の作用効果）
　ウインドウカバー6は、後方固定部20と左右の側方固定部30との３点で固定することにより、一切のバンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を使わずに本体部10を固定することができる。

　またウインドウカバー6は、自動車1のトランク130を閉めた場合に、トランク130と車体との隙間より太い芯材22がトランク130内で抜け止めとなるため、本体部10をトランク130内に固定することができる。

　また、第１の実施の形態の後方固定部20の他の態様に係るウインドウカバー6は、トランク130を閉めた場合に、ポケット25がトランク130の下部を被覆することにより、本体部10をトランク130に固定することができる。

　また、ウインドウカバー6は、図４、図５及び図６に示すように、後方固定部20に開口部24を設けたことにより、トランク130の固定及び解除に用いるトランクストライカーの作動を妨げることがない。
　また、ウインドウカバー6は、後方固定部20をトランク130に挟み込むことにより、ロックされたトランク130から抜き出すことができないため、カバー自体の盗難を防止することができる。

　さらに、ウインドウカバー6は、本体部10とカバーケース23とが一体となっているため、カバーケース23を紛失してしまうことがない。またウインドウカバー6は、延出部21を除く部分を折り畳み、カバーケース23に収容後、残った延出部21を収容することでカバー全体を収容することができる。反対に、カバーをカバーケース23から取り出す場合は、収容されたカバー全体をスライドさせて引き出すことができる。すなわち、ウインドウカバー6は、本体部10とカバーケース23とが一体となっているものの、延出部21を有することで、カバーケース23からの出し入れが容易となっている。なお、カバーケース23にロゴなどの表示を付して、装着時のカバーの向きを分かるようにすることで、誤った向きでの装着を防止することができる。

　また、ウインドウカバー6は、カバー装着の際、後方固定部20をトランク130に挟み込んで固定し、かつ、側方固定部30が伸縮部材40の引張力により後方に引っ張られることで、本体部10を強固に固定することができる。そのため、ウインドウカバー6は、カバーを上下左右にずれなく固定することができる。

　また、ウインドウカバー6は、カバー装着時に上方向に向けてカーブしている伸縮部材40が元の直線形状に戻るべく収縮しようとするため、本体部10の側面に対して下方への力が加わる。そのため、本体部10は、この伸縮部材40の下方への力により、その側面にハリを持たせることができ、風による本体部10の側面を捲り上げようとする力に対抗することができる。さらに、伸縮部材40は、この下方への力により、本体部10の側面を捲れにくくすることができるため、本体部10を強固に固定することができる。

　また、ウインドウカバー6では、側方固定部30において、第２生地後部33bが伸縮性を有する素材で形成されていることから、第２生地33を前方に伸ばすことができる。そのため、ウインドウカバー6は、カバー装着時において、窓部36の前端をドアミラー120より前方へ位置させることができる。したがって、窓部36は容易にドアミラー120をくぐることができる。一方、側方固定部30は、その前後で第１生地31と第２生地33との表側と裏側との関係が逆になるような状態で縫合されている。

　このため、伸縮部材40の引張力により第１生地31及び第２生地33が前後方向に引っ張られて窓部36の上下部分が閉じた際、第１生地31を捲り上げることが困難となり、車内を覗かれることもない。また、窓部36の上下部分が閉じ、上方の第１生地31が下方の第２生地33の表側を覆うことで、雨や埃の侵入を防止することができる。

　なお、ウインドウカバー6では、前側の連結部材41と固定される伸縮部材40の前端を、本体部10のドアミラー120の基部に対応する部分よりも前方寄りに固定するとよい。これは、伸縮部材40の両端を車体に対して動かないように固定できるからである。

　具体的には、上述のとおり、前側の連結部材41と固定される伸縮部材40の前端は、本体部10のドアミラー120の基部に対応する部分よりもやや前方側に固定されている。一方、後ろ側の連結部材41と固定される伸縮部材40の後端は、本体部10のテールライト175に対応する部分に固定されている。このように、伸縮部材40は、本体部10に固定された連結部材41と固定されることで、伸縮部材40の両端を車体に対して動かないように本体部10に固定している。

　第１の実施の形態では、この連結部材41の固定位置により、カバー装着時に上方向に向けてカーブしている本体部10の側端のアーチ形状を維持することができる。さらに、本体部10の側端のアーチ形状を維持できることで、カバー装着時に上方向に向けてカーブしている伸縮部材40が元の直線形状に戻ろうとするために生ずる下向きの力を維持できる。

　また、ウインドウカバー6は、通風口50aにより、本体部10の下から巻き込んだ風を外部へ放出できるため、強風時でも本体部10が浮き上がることを防止できる。すなわち、通風口50aを設けない場合に比べて、カバーが外れる方向に働く力を抑制することができ、カバーのフィット感を維持することができる。
　さらに、第１の実施の形態では、通風口50aにより、本体部10の下から巻き込んだ風を外部へ放出できるため、カバーの装着が困難な強風時において、風でカバーが煽られることを軽減できるので、カバーの装着が容易となる。

　またウインドウカバー6は、側方固定部30を結ぶ線を固定線αとしたときに、本体部10の固定線αに沿う部分には引張力が働いているため、本体部10の固定線αに沿う部分は、自動車1の車体に強固に固定されている。本体部10の固定線αの前方には、この引張力が及ばないため、風により浮き上がる可能性が生ずる。

　そこで、第１の実施の形態では、弾性を有する棒材60をその後端が固定線αより後方に、その前端が固定線αより前方に位置するように配置した。本体部10の固定線αより前方が風により浮き上がろうした場合、棒材60は固定線αより後方が自動車1の車体に固定されているため、固定線αを支点に前方が上方に曲がることになる。一方、棒材60には曲がりを戻そうとする復元力が生じるため、ウインドウカバー6においては、本体部10の固定線αより前方の風による浮き上がりは防止される。

　すなわち、ウインドウカバー6は、棒材60を用いることで、本体部10の左右のドアミラー120より前方を２つのワイパーで狭持することなく固定できる。

　このとき、本体部10の固定線αより後方は、後方固定部20をトランク130に挟むこと及びカバー装着後に第２生地後部33bの後方への引張力が生じることにより固定されているため、風によって本体部10が浮き上がることがない。本体部10の固定線αより前方は、上述の通り、棒材60の曲がりを戻そうとする復元力により、本体部10が風により浮き上がろうとする力に対抗できる。

　したがって、ウインドウカバー6は、一切の固定具を使わずに、ドアミラー120より後方を後方固定部20及び側方固定部30で固定でき、ドアミラー120より前方を棒材60で押さえて固定することができる。
　さらに、ウインドウカバー6は、棒材60が適度なしなりを有する素材で形成されていること及び３本に分かれていることにより、本体部10を容易に折り畳むことができ、カバーケース23に容易に収容できる。

　また、ウインドウカバー6は、本体部10の側端及び前端等の端部に、筒状に形成された裾部15を備えている。この裾部15は、伸縮部材40、チューブ35及び棒材60を包んだ状態で本体部10に縫合されることで本体部10に固定されている。具体的には、裾部15は、短冊状の生地の長辺部分を本体部10の端部の表側又は裏側に縫合して筒状になるように形成されており、この筒状部分に伸縮部材40、チューブ35及び棒材60が包まれている。そのため、本体部10の端を折り返して上記の部材を包む場合と異なり、折りしろの幅を計算することなく、車体の実寸で型紙を形成することができる。

　なお、単に本体部10の側端を折り返して伸縮部材40を包むことも可能であるが、以下の点から裾部15に伸縮部材40を包んで本体部10に固定するのが望ましい。
　第１の実施の形態の本体部10の側端は上方向に向けてカーブする曲線を描いている。ここで、本体部10の側端を均等に折り返して伸縮部材40を包む場合、本体部10の側端の前後の長さと、折り返された本体部10の側端が縫合される部分の長さに差が生ずる。詳しくは、本体部10の側端の前後の長さよりも、折り返された本体部10の側端が縫合される部分の長さの方が長い。したがって折り返された本体部10の側端を伸ばすか、折り返された本体部10の側端が縫合される部分を前後に寄せて、長さを調整した状態で縫合する必要がある。そして、この状態で本体部10の側端を縫合すると縫いシワが生じてしまい、見た目が綺麗ではない。

　そこで、第１の実施の形態では、本体部10への伸縮部材40の固定に際し、裾部15を用いている。その結果、伸縮部材40が包まれている部分に縫いシワが発生しない。また、本体部10と裾部15との縫合箇所の生地が重なることとなるため、本体部10の側端を折り返して伸縮部材40を包む場合と比べて、本体部10の側端部分の強度を強化できる。

　ウインドウカバー6では、本体部10のリアスポイラ185のエアロパーツが装着される突出部分に伸縮生地14が用いられ、当該部分が伸縮可能となっている。そのため、ウインドウカバー6は、サイズや形状の異なるエアロパーツに対応することができる。

　またウインドウカバー6は、テールライト175などの自動車1の角部に対応する部分に伸縮生地14を備え、当該部分が伸縮可能となっている。角部の形状に沿って角部を覆うことにより、角部に加わる摩擦力が軽減され、角部と非伸縮生地12とが大きくこすれることがないため、傷付きを防止することができる。図２に示すように、伸縮生地14がテールライト175部分を覆う場合に限らず、ヘッドライト170部分を覆う場合も同様に傷付きを防止することができる。

　また、第１の実施の形態に係る本体部10は、自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102及びフロントガラス104を被覆可能な最小限の寸法で形成されている。そのため、カバー装着時は、車体の突出部分であるテールライト175には摩擦力が加わることとなる。しかし、ウインドウカバー6は、テールライト175に対応する部分に用いた伸縮生地14が伸びることで、テールライト175に加わる摩擦力を軽減することができるため、テールライト175を傷つけることがない。

　また、ウインドウカバー6に用いる伸縮部材40は、引張力に応じて伸縮を伴う材料から形成されたものをいい、従来の自動車用ボディカバーで採用される縫製用ゴムとは異なり、適度な引張強度があり、経年劣化の少ない高い耐久性を備えたゴムバンドで形成している。

　ここで縫製用ゴムは繊維状の糸ゴムを織り込むことで形成されており、繰り返しの使用により伸びやすく、強度が劣化してしまう等、耐久性に乏しい。一方、ゴムバンドは縫製用ゴムより耐久性に優れ、また、同じ幅であれば縫製用ゴムよりも引張強度が高い。そのため、第１の実施の形態の伸縮部材40ではゴムバンドを採用した。
　そして、この伸縮部材40は、本体部10には直接固定はしていない。なぜなら、伸縮部材40として、ゴムバンドを用いた場合には、ゴムバンドをカバー生地に直接縫合すると、縫合の際に空けられた孔によってゴムバンドが裂けてしまうからである。

　しかし、ウインドウカバー6によれば、伸縮部材40は、連結部材41を介して本体部10と固定されるため、本体部10に縫合して固定する必要がない。そのため、伸縮部材40は、孔を空けられることなく本体部10に固定することができるので、ゴムバンドを伸縮部材40として用いることができる。
　また、ウインドウカバー6は、カシメ金具42を保護チューブ43で覆うことで、カシメ金具42を縮径変形させた際に生じる凹凸部分や鋭利な端部分を包むことができる。そのため、ウインドウカバー6は、カシメ金具42を使用しても本体部10や車体を傷つけることがない。

　また、ウインドウカバー6に防犯装置の構成を付加した場合、カバーを外そうとしてセンサが配された裾部15に人が接触すると、アラームが報知されるため、ウインドウカバー6自体の盗難を防止することができる。この防犯装置は、センサがケーブル状であるため、カバーと一体に形成することができる。また、センサがケーブル状であるため、車体の形状に合わせて、カバーに付加するセンサの配置を変更することができる。また、自動車1の全周に渡るようにセンサを配置することにより、前後左右の何れの方向から人がセンサが配された裾部15に接触した場合でも検知することができるため、防犯機能として死角がない。

　（第２の実施の形態）
　以下、図１５、図１６及び図１７を参照して、第２の実施の形態を説明する。また、第２の実施の形態において、第１の実施の形態と同一の構成要素には、第１の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして第１の実施の形態と重複する部分は説明を省略して説明する。

　図１５に示すように、第２の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、第１の実施の形態の構成に加えて、本体部10は、自動車1のボンネット140及びフロントバンパー150を覆う追加部70を備えている。以下の説明では自動車用ボディカバー5のうち、自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102、フロントガラス104及びボンネット140及びフロントバンパー150を覆うものを「ハーフカバー7」と称する。

　以下、図１６を用いて、追加部70について説明する。なお、図１６において、ハーフカバー7の向きは、ハーフカバー7を展開した状態における方向で示す。具体的には図１６を正面から見た場合における下側がハーフカバー7の「前」方向に相当し、その逆方向が「後」方向に相当する。また、図１６を正面から見た場合における左側がハーフカバー7の「右」方向に相当し、その逆方向が「左」方向に相当する。

　（追加部70）
　図１６に示すように、追加部70は、本体部10のうち、自動車1のボンネット140及びフロントバンパー150を覆うものである。追加部70は、本体部10と同材質の基布で略楕円形状に形成されている。なお、追加部70は、予め本体部10のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102及びフロントガラス104を覆う部分と一体に形成してもよい。また、追加部70の後端とフロントガラス104の先端とをファスナーやボタン等で着脱可能に固定してもよい。
　また、図１６に示すように、追加部70は、ヘッドライト170及びフロントスポイラ155に対応する部分が伸縮生地14とされている（図１５参照）。

　ここで、追加部70は、自動車1のフロントバンパー150の底面を覆う底面部71を備えている。なお、図１７は、ハーフカバー7を自動車1に装着した際の概略底面図であって、図１７の上側がハーフカバー7の「前」方向に相当し、その逆方向が「後」方向に相当する。また、図１７の左側がハーフカバー7の「右」方向に相当し、その逆方向が「左」方向に相当する。追加部70は、フロントバンパー150の上面を覆った後、フロントバンパー150の形状に沿って底面部71がフロントバンパー150の底面に潜り込んで、フロントバンパー150の底面を覆っている。そのため、図１６に示す展開図と、図１７に示す概略底面図とでは、前後の関係が逆になっている。

　底面部71は、図１７に示すように、フロントバンパー150の底面に装着された底面部71の左右両端の後方側を結ぶ後端縁72と、フロントバンパー150の底面に装着された底面部71の左右両端の前方側を結ぶ前端縁73とで囲まれた部分を指す。この底面部71は、フロントバンパー150の底面に装着された際の形状が略半月状となっている。

　一方、フロントバンパー150の底面に装着される前の底面部71は略台形状となっている。そして、この略台形状の台形の底に相当する部分の一辺が前端縁73であり、この前端縁73以外の底面部71の辺が後端縁72である。すなわち、フロントバンパー150の底面に装着される前の底面部71は、後端縁72の長さが前端縁73の長さよりも長くなっている。また、底面部71は、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　ここで、底面部71の左右両端は前輪のタイヤハウスの前方の角165のやや後方寄りに位置する点となる。すなわち、底面部71は前輪のタイヤハウスの前方の角165を覆うように形成されている。なお、「前輪のタイヤハウスの前方の角165」とは、前輪を収容するタイヤハウス160の前端のうち、車体の外側部分をいう。

　ここで、底面部71の左右両端、具体的には、カバー装着時に前輪のタイヤハウスの前方の角165には、本体部10とは別部材の係止生地75が引っかけられている。この係止生地75は、本体部10の基布よりも強度の高い素材、換言すると、厚み及び張りがあり、耐久性に優れた素材で形成されている。係止生地75としては、たとえば、帆布生地が採用される。この係止生地75は、略三角錐状を呈しており、カバー装着時に前輪のタイヤハウスの前方の角165を覆えるように形成されている。そして、係止生地75は、その一部が追加部70に縫合されることで追加部70と固定されている。

　また、後端縁72は、底面部71の左右両端を結んだ線の中心部分をタイヤハウスの前方の角165よりさらに前方に位置するようカーブさせた曲線である。さらに、前端縁73は、底面部71のうち、フロントバンパー150の形状に沿った曲線である。

　また、図１６に示すように、ハーフカバー7は、本体部10の側端及び前端に、筒状に形成された裾部15を備えている。そして、左右の側端の裾部15には前後方向に伸縮する伸縮部材40が挿入されており、前端の裾部15、換言すると、後端縁72には伸縮部材45が挿入されている。

　ここで、「伸縮部材45」とは、引張力に応じて伸縮を伴う材料から形成されたものをいい、従来の自動車用ボディカバーで採用される縫製用ゴムとは異なり、適度な引張強度があり、経年劣化の少ない高い耐久性を備えたゴムバンドが採用される。第２の実施の形態では、所定の幅に裁断されたタイヤチューブを伸縮部材45としている。この伸縮部材45であるタイヤチューブの幅は、２０ｍｍである。

　なお伸縮部材45は、裁断されたタイヤチューブに限らず、たとえば、天然ゴム、合成天然ゴム、スチレンブタジエンゴム又はブタジエンゴム等の工業用の素材で形成したゴムバンドでもよい。

　ここで縫製用ゴムは繊維状の糸ゴムを織り込むことで形成されており、繰り返しの使用により伸びやすく、強度が劣化してしまう等、耐久性に乏しい。一方、ゴムバンドは縫製用ゴムより耐久性に優れ、また、同じ幅であれば縫製用ゴムよりも引張強度が高い。そのため、第２の実施の形態の伸縮部材45ではゴムバンドを採用した。なお、ゴムバンドは、他の部材と糸で縫合した場合、縫合により空けられた孔を起点に裂け目が生じることがある。これに対応すべく、第２の実施の形態では伸縮部材40の固定方法を工夫している。これについては上述の通りである。

　追加部70をフロントバンパー150に装着する前は、上述のように後端縁72の長さが前端縁73の長さよりも長いため、底面部71をフロントバンパー150の底面に容易に潜り込ませられるので、追加部70を容易にフロントバンパー150に装着することができる。そして、追加部70をフロントバンパー150に装着した後は、後端縁72は伸縮部材45により縮められることで、左右の中央部分がタイヤハウスの前方の角165よりも前にくる。また、伸縮部材45が縮むことで、後端縁72の長さは前端縁73より短くなり、追加部70をフロントバンパー150の底面に密着させることができる。

　第２の実施の形態では、伸縮部材40と伸縮部材45とは一体に形成されている。すなわち、伸縮部材40と伸縮部材45とは、１本のゴムバンドから構成されている。裾部15に挿入されたゴムバンドは、その両端が本体部10の左右のテールライト175に対応する部分に固定された連結部材41にそれぞれ固定される。ゴムバンドと連結部材41との固定方法は上述の通りである。

　なお、伸縮部材40と伸縮部材45とは、一体に形成せずに、伸縮部材40として２本のゴムバンドと、伸縮部材45として１本のゴムバンドとの別体としてもよい。この場合、各ゴムバンドは、別々に本体部10に固定される。具体的には、まず、本体部10のドアミラー120の基部に対応する部分よりもやや前方側の部分に固定された連結部材41と、テールライト175に対応する部分に固定された連結部材41に伸縮部材40を固定させる。

　一方、伸縮部材45は、後端縁72の左右両端に固定された連結部材41に伸縮部材45を固定させる。ゴムバンドと連結部材41との固定方法は上述の通りである。
　また、この場合は裾部15において、伸縮部材40と伸縮部材45との間にはチューブ35が挿入されている。

　（その他適用される構成）
　なお、ハーフカバー7及び後述するフルカバー8は、本体部10に以下の構成を適用してもよい。
　たとえば、本体部10には、カバー装着時のコーナーポールに対応する部分に、このコーナーポールを避けるための開口を設けてもよい。この場合の本体部10に形成される開口は、カバー所有者自身がコーナーポールに対応する部分を切断する仕様となっている。

　具体的には、本体部10の裏側のコーナーポールに対応する部分に、コーナーポールの径より大きい開口を有する裏地を縫合する。この裏地は、カバー所有者が裏地を切断した場合にその切断部分がほつれない材質で形成されており、たとえば、柔軟性を有するスポンジ素材が用いられる。またこの裏地は、その切断部分の周囲近傍とその端部の周囲近傍とを縫合して本体部10に固定されている。
　そして、カバー使用時にカバー所有者が、裏地と本体部10との縫合部分のうち、内側の縫合線で囲まれた領域内をハサミやカッター等で切断することで開口が完成する。

　（第２の実施の形態の作用効果）
　ハーフカバー7は、第１の実施の形態で説明したウインドウカバー6の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
　ハーフカバー7は、トランク130、左右のドアミラー120及びフロントバンパー150の底面の４点で固定することにより、バンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を一切用いずに、簡単でありながら強風でも外れない強固な固定を行うことができる。

　また、ハーフカバー7は、追加部70がフロントバンパー150の前端に引っかかること及び係止生地75が前輪のタイヤハウスの前方の角165に引っかかることで自動車1の前方側に固定されている。そのため、ハーフカバー7は、自動車1の前方側を強固に覆うことができ、バンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を一切用いず強固な固定をすることができる。

　さらに、ハーフカバー7は、前輪のタイヤハウスの前方の角165に引っかかる部分に、本体部10の基布よりも強度の高い帆布生地で形成された係止生地75を設けた。
　前輪のタイヤハウスの前方の角165は、追加部70をフロントバンパー150に固定する際に用いられる係止部分である。この前輪のタイヤハウスの前方の角165は、フロントバンパー150の角であるが故に鋭利な部分である。

　このとき係止生地75の代わりに、係止生地75より強度の低い生地で形成された追加部70の基布、すなわち、非伸縮生地12又は伸縮生地14で前輪のタイヤハウスの前方の角165を覆う場合には以下の問題を有する。
　すなわち非伸縮生地12又は伸縮生地14では、装着時に生じるズレや、装着中に風でなびいた際に生じるズレにより、前輪のタイヤハウスの前方の角165と接触する部分が擦れることで破れてしまう恐れがある。

　そこで、ハーフカバー7は、追加部70をフロントバンパー150に装着した場合に、係止生地75が前輪のタイヤハウスの前方の角165と接触することとしているため、非伸縮生地12及び伸縮生地14が前輪のタイヤハウスの前方の角165と接触することがない。そのため、ハーフカバー7によれば、非伸縮生地12及び伸縮生地14が前輪のタイヤハウスの前方の角165と接触して破れてしまうことがない。

　またハーフカバー7は、追加部70をフロントバンパー150に装着する際に、伸縮部材45の伸縮作用により、縮んだ後端縁72を伸ばせるので、後端縁72をフロントバンパー150の幅よりも長くすることができるため、容易に装着を行うことができる。

　また、ハーフカバー7は、追加部70をフロントバンパー150に装着した場合、図１７に示すように、後端縁72の中央部分が前輪のタイヤハウスの前方の角165よりも前方に位置するようにカーブした状態となる。
　ハーフカバー7では、後端縁72に挿入された伸縮部材45が元の直線形状に戻るべく収縮するため、後端縁72では後方への力が加わる。追加部70は、この伸縮部材45の後方への力により、フロントバンパー150の底面にしっかり固定され、風による追加部70を取り外そうとする力に対抗できる。

　さらに、第２の実施の形態では、追加部70の中央部分の引っかかりを浅くできるため、容易に取り外しを行うことができる。すなわち、フロントバンパー150の底部の奥まで手を入れることなく、ハーフカバー7の着脱を行うことができる。
　また、ハーフカバー7は、追加部70が本体部10に着脱可能に形成されているため、状況や用途に合わせて、自動車1の被覆部分を変えることができる。

　また、ハーフカバー7は、第１の実施の形態と同様に、角部として、ヘッドライト170及びテールライト175に対応する部分に伸縮生地14を備え、当該部分が伸縮可能となっている。角部の形状に沿って角部を覆うことにより、角部に加わる摩擦力が軽減され、角部と非伸縮生地12とが大きくこすれることがないため、傷付きを防止することができる。

　また、第２の実施の形態に係る本体部10は、自動車1のリアガラス100、ルーフ110、ドアガラス102、フロントガラス104、ボンネット140及びフロントバンパー150を被覆可能な最小限の寸法で形成されている。そのため、カバー装着時は、車体の突出部分であるヘッドライト170及びテールライト175には摩擦力が加わることとなる。しかし、ハーフカバー7は、ヘッドライト170及びテールライト175に対応する部分に用いた伸縮生地14が伸びる。その結果、ハーフカバー7は、ヘッドライト170及びテールライト175に加わる摩擦力を軽減することができるため、ヘッドライト170及びテールライト175を傷つけることがない。

　（第３の実施の形態）
　以下、図１８、図１９、図２０及び図２１を参照して、第３の実施の形態を説明する。また、第３の実施の形態において、第１又は第２の実施の形態と同一の構成要素には、第１又は第２の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第１又は第２の実施の形態と重複する部分は説明を省略して説明する。

　第３の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5の本体部10は、図１８及び図１９に示すように、自動車1の底面を除いた車体全体を覆うものである。以下の説明では、自動車用ボディカバー5のうち、自動車1の底面を除いた車体全体を覆うものを「フルカバー8」と称する。

　以下、図２０を用いて、フルカバー8の構成について説明する。なお、図２０において、フルカバー8の向きは、フルカバー8を展開した状態における方向で示す。具体的には、図２０を正面から見た場合における下側がフルカバー8の「前」方向に相当し、その逆方向が「後」方向に相当する。また図２０を正面から見た場合における左側がフルカバー8の「右」方向に相当し、その逆方向が「左」方向に相当する。

　（本体部10）
　本体部10は、自動車1の底面を除いた車体全体を覆うものである。図２０に示すように、この本体部10は、展開した状態では略楕円形状を呈している。また、本体部10において、ドアミラー120に対応する部分は袋状に形成されている。また本体部10の前方には、ボンネット140を含む自動車1の前方を覆うフロント被覆部80が設けられている。さらに、本体部10の後方には、トランク130やリアゲートを含む自動車1の後方を覆うリア被覆部90が設けられている。
　また、本体部10の後方、具体的には、自動車1の後方の開閉部に対応する部分には、本体部10を車体に固定する後方固定部20が形成されている。なお、「後方固定部20」については後述する。

　また、第３の実施の形態に係る本体部10は、図１８又は図１９に示すように、ルーフ110とドアガラス102との間の縁部分、すなわち車体の上面と側面との接続部分に対応する部分が伸縮生地14とされている。

　なお、第３の実施の形態では、本体部10のうち、ヘッドライト170、テールライト175、フロントスポイラ155、リアスポイラ185及びルーフ110とドアガラス102との間の縁部分に対応する部分が伸縮生地14とされているが、これには限られない。たとえば、これに加え、本体部10のうち、車体の側面と後面との接続部分を覆う部分、フロントスポイラ155の底面を覆う部分、リアスポイラ185の底面を覆う部分を伸縮生地14としてもよい。

　図２０に示すように、フルカバー8は、本体部10の側端、前端及び後端に、筒状に形成された裾部15を備えている。そして、左右の側端の裾部15には前後方向に伸縮する伸縮部材40が挿入されており、前端及び後端の裾部15には伸縮部材45が挿入されている。また、本体部10は、その側方であって、自動車1のドアガラス102に対応する部分に通風部50が形成されている。この通風部50は、本体部10の下から巻き込んだ風を外部へ放出するためのものである。「伸縮部材40」及び「通風部50」の説明については省略する。

　なお、第３の実施の形態に係る本体部10の裏地には、図示しないが、自動車1のマフラー等の熱源に接触する部分に、本体部10とは別部材であって、本体部10の基布よりも断熱性の高い材料から形成された保護生地が縫合して固定されている。この保護生地の材質としては、たとえば、アラミド繊維が挙げられる。

　（側方固定部30）
　上述のとおり、本体部10においてドアミラー120に対応する部分は袋状に形成されている。図２０に示すように、第３の実施の形態に係る側方固定部30は、この袋状の部分の前後に形成された２つの弾性リングである。具体的には、ドアミラー120の基部よりも前方側にゴムが輪っか状になるように固定された弾性リングと、ドアミラー120の基部よりも後方側にゴムが輪っか状になるように固定された弾性リングとからなる。そして側方固定部30は、この２本のゴムを前後からドアミラー120にたすき掛けすることで、本体部10をドアミラー120に固定している。

　なお、第３の実施の形態に係る側方固定部30は、２つの弾性リングを設けるものに限らず、ドアミラー120の基部よりも前方側にゴムが輪っか状になるように固定された弾性リングを１つ設けるものであってもよい。

　（側方固定部30の他の態様）
　なお、側方固定部30は、上記した構成に限られず、たとえば、延出する生地の一部を自動車1の側方の開閉部であるドアやドアガラス102に挟むことにより、本体部10を車体に固定するものでもよい。具体的に、他の態様としての側方固定部30は、本体部10から側方に延出する図示しない挿入部と、この挿入部に固定された芯材22とから構成されている。

　挿入部は、短冊形状であって、ベルト41aと同じＰＰバンドで形成されている。この挿入部は、本体部10のドアミラー120に対応する場所付近から裏方に延出している。また、挿入部の先端には芯材22が固定されている。なお、挿入部の先端に芯材22を固定せずに、たとえば、短冊形状の挿入部の先端を複数回折り返し、縫合したものであってもよい。

　すなわち、自動車1の側方の開閉部であるドアやドアガラス102に挟まれた際、引き抜くことができない大きさであればよい。したがって、側方固定部30は、ドアミラー120付近のドアの隙間から、挿入部の先端側を車内に入れ、ドアを閉めることで、挿入部の先端側が抜け止めとなり、本体部10をドアミラー120付近のドアに固定することができる。
　さらに、第３の実施の形態に係る側方固定部30は、上記した構成に限られず、第１の実施の形態に係る側方固定部30の構成としてもよい。

　（フロント被覆部80）
　図２０に示すように、フロント被覆部80は、本体部10のうち、自動車1のボンネット140及びフロントバンパー150を覆うものである。フロント被覆部80は、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　また、フロント被覆部80は、自動車1のフロントバンパー150の底面を覆うフロント底面部81を備えている。なお、図２１は、フルカバー8を自動車1に装着した際の概略底面図であって、図２１の上側がハーフカバー7の「左」方向に相当し、その逆方向が「右」方向に相当する。また図２１の左側がハーフカバー7の「前」方向に相当し、その逆方向が「後」方向に相当する。フロント被覆部80は、フロントバンパー150の上面を覆った後、フロントバンパー150の形状に沿ってフロント底面部81がフロントバンパー150の底面に潜り込んで、フロントバンパー150の底面を覆っている。そのため、図２０に示す展開図と、図２１に示す概略底面図とでは、前後の関係が逆になっている。

　フロント底面部81は、図２１に示すように、フロントバンパー150の底面に装着されたフロント底面部81の左右両端の後方側を結ぶ後端縁82と、フロントバンパー150の底面に装着されたフロント底面部81の左右両端の前方側を結ぶ前端縁83とで囲まれた部分を指す。このフロント底面部81は、フロントバンパー150の底面に装着された際の形状が略半月状となっている。

　一方、フロントバンパー150の底面に装着される前のフロント底面部81は略台形状となっている。そして、この略台形状の台形の底に相当する部分の一辺が前端縁83であり、この前端縁83以外のフロント底面部81の辺が後端縁82である。すなわち、フロントバンパー150の底面に装着される前のフロント底面部81は、後端縁82の長さが前端縁83の長さよりも長くなっている。また、フロント底面部81は、本体部10と同材質の基布で形成されている。

　ここで、後端縁82の左右両端は前輪のタイヤハウスの前方の角165のやや後方寄りに位置する点となる。
　すなわち、後端縁82は前輪のタイヤハウスの前方の角165を覆うように形成されている。また、後端縁82は、フロント底面部81の左右両端を結んだ線の中心部分をタイヤハウスの前方の角165よりさらに前方に位置するようカーブさせた曲線である。さらに、前端縁83は、フロント底面部81のうち、フロントバンパー150の形状に沿った曲線である。
　後端縁82には、左右方向に伸縮する伸縮部材45が固定されている。なお、「伸縮部材45」の説明については上述のとおりである。

　フロント被覆部80をフロントバンパー150に装着する前は、上述のように後端縁82の長さが前端縁83の長さよりも長いため、フロント底面部81をフロントバンパー150の底面に容易に潜り込ませられるので、フロント被覆部80を容易にフロントバンパー150に装着できる。そして、フロント被覆部80をフロントバンパー150に装着した後は、後端縁82は伸縮部材45により縮められることで、左右の中央部分がタイヤハウスの前方の角165よりも前にくる。また、伸縮部材45が縮むことで、後端縁82の長さは前端縁83より短くなり、フロント被覆部80をフロントバンパー150の底面に密着させることができる。

　（リア被覆部90）
　図２０に示すように、リア被覆部90は、本体部10のうち、自動車1のトランク130やリアゲートを覆うものである。リア被覆部90は、本体部10と同材質の基布で形成されている。
　また、リア被覆部90は、自動車1のリアバンパー180の底面を覆うリア底面部91を備えている。

　リア底面部91は、図２１に示すように、リアバンパー180の底面に装着されたリア底面部91の左右両端の前方側を結ぶ前端縁92と、リアバンパー180の底面に装着されたリア底面部91の左右両端の後方側を結ぶ後端縁93とで囲まれた略半月状の部分を指す。このリア底面部91は、後端縁93の長さが前端縁92の長さよりも長くなるように形成されている。またリア底面部91は、本体部10と同材質の基布で形成されている。なお、図２１についての方法の定義は上述の通りである。

　ここで、前端縁92の左右両端は後輪のタイヤハウス160の後端に位置する点となる。前端縁92は、リア底面部91の左右両端を結んだ線の中心部分を後方にカーブさせた曲線である。また、後端縁93は、リア底面部91のうち、リアバンパー180の形状に沿った曲線である。
　前端縁92には、左右方向に伸縮する伸縮部材45が固定されている。なお、「伸縮部材45」の説明については上述のとおりである。

　上述のように、リア底面部91は、後端縁93の長さが前端縁92の長さよりも長いが、リア被覆部90は、カバー装着時の初期段階で車体に装着されるものである。そのため、未だ他の部分が車体に固定されていないので、リア底面部91をリアバンパー180の底面に潜り込ませることに困難がなく、リア被覆部90を容易にリアバンパー180に装着できる。そしてリア被覆部90をリアバンパー180に装着した後は、前端縁92は伸縮部材45により縮められることで、リア被覆部90をリアバンパー180の底面に密着させることができる。

　また、リア被覆部90は、リア底面部91の後端縁93の長さを前端縁92の長さよりも長く形成したため、車体後方の底面の形状をそのままリア被覆部90の形状とすることができる。そのため、このリア被覆部90によれば、カバー装着時のリア被覆部90の形状をそのままで維持でき、しわが生じず、細部まで密着性を高めることができる。

　フルカバー8においては、図２０に示すように、左右の側端の裾部15には伸縮部材40が、前端及び後端の裾部15には伸縮部材45が内包されている。
　第３の実施の形態では、伸縮部材40と伸縮部材45とは、一体に形成されている。すなわち、伸縮部材40と伸縮部材45とは、１本のゴムバンドから構成されている。裾部15に挿入されたゴムバンドは、その両端を重ね、この重なり部分にカシメ金具42を被せ、カシメ金具42を内方に縮径変形させることで固定されている。なお、このカシメ金具42の周縁は保護チューブ43で覆われる。

　また、伸縮部材40の一端を折り返して二重となった部分と、伸縮部材45の一端を折り返して二重となった部分とを重ねて四重とする。そしてこの伸縮部材40と伸縮部材45とが重なった部分に四重にカシメ金具42を被せ、カシメ金具42を内方に縮径変形させることで伸縮部材40と伸縮部材45とを固定してもよい。この方法により伸縮部材40は、本体部10に固定されることとしてもよい。なお、このカシメ金具42の周縁は保護チューブ43で覆われる。

　なお、伸縮部材40と伸縮部材45とは、一体に形成せずに、伸縮部材40として２本のゴムバンドと、伸縮部材45として２本のゴムバンドとの別体としてもよい。この場合、各ゴムバンドは、別々に本体部10に固定される。具体的には、まず、本体部10のドアミラー120の基部に対応する部分よりもやや前方側の部分に固定された連結部材41と、テールライト175に対応する部分に固定された連結部材41に伸縮部材40を固定させる。
　一方、伸縮部材45は、後端縁82及び前端縁92の左右両端に固定された連結部材41に伸縮部材45を固定させる。ゴムバンドと連結部材41との固定方法は上述の通りである。

　（後方固定部20）
　後方固定部20は、本体部10の後部をトランク130やリアゲートに固定するものである。具体的には第３の実施の形態に係る後方固定部20は、本体部10の後部から延出する生地をトランク130やリアゲートに挟み込むことで本体部10を車体に固定する。以下、図２０を用いて、後方固定部20について説明する。

　図２０に示すように、後方固定部20は、本体部10の後部から延出する生地である延出部21と、この延出部21に設けられた芯材22とを備えている。また延出部21の左右中央には開口部24が形成されている。なお、「芯材22」及び「開口部24」の説明については上述のとおりである。

　（延出部21）
　延出部21は、本体部10のトランク130やリアゲートに対応する場所付近から裏方に延出する生地をいう。この延出部21は、フルカバー8を展開した場合に略方形状を呈している。また、延出部21には芯材22が固定されている。この芯材22の固定方法については上述のとおりである。そして延出部21は、本体部10とは別の生地を用いて、その別の生地が筒状になるように本体部10の表側又は裏側に縫合して形成されている。また延出部21のこの筒状の部分には、芯材22が挿入されている。

　なお、この態様における後方固定部20は、カバーケース23と一体となっていないが、芯材22や延出部21にカバーケース23を縫合して、後方固定部20とカバーケース23とを一体としてもよい。すなわち、後方固定部20とカバーケース23とが一体となることで、本体部10とカバーケース23とを一体としてもよい。

　（後方固定部20の他の態様）
　なお、後方固定部20は、上記した構成に限られず、たとえば、図６に示すように、その裏側に前方に向けて開口を有するポケット25としてもよい。なお、この態様における後方固定部20は、カバーケース23と一体となっていないが、ポケット25にカバーケース23を縫合して、後方固定部20とカバーケース23とを一体としてもよい。すなわち、後方固定部20とカバーケース23とが一体となることで、本体部10とカバーケース23とを一体としてもよい。

　（第３の実施の形態の作用効果）
　フルカバー8は、フロントバンパー150の底面及びリアバンパー180の底面の２点で固定することにより、バンド、紐又は樹脂製のフック等の固定具を一切用いずに、簡単に固定を行うことができる。

　また、フルカバー8は、フロントバンパー150の底面及びリアバンパー180の底面に加えて、トランク130及び左右のドアミラー120を用いて合計４点で固定することもできる。この場合には、フロントバンパー150の底面及びリアバンパー180の底面の２点で固定したときに比べ、さらに強固な固定を行うことができる。

　さらに、フルカバー8は、側方固定部30を設けたことでドアミラー120に強固に固定できる。また、フルカバー8は、カバー装着時、側方固定部30をドアミラー120に固定することで、先に車体を覆った部分が車体から滑り落ちることがない。すなわち、フルカバー8は、カバー装着時にカバーをずれることなく容易に装着することができる。

　また、フルカバー8は、第１、第２の実施の形態に加え、角部として、車体の上面と側面との接続部分に対応する部分に伸縮生地14を備え、当該部分が伸縮可能となっている。
　ここで、現在販売されている自動車は、ある自動車と同じクラスの自動車であっても、バンパー、ボンネット、トランクなどの面の形状、ピラーの角度、ヘッドライトの形状等が相違している。そのため、従来は自動車用ボディカバーを特定の車種に限定したサイズで形成して、その自動車用ボディカバーに対応した車種と異なる車種の自動車を購入した場合には、以前の自動車用ボディカバーを使用できなかった。

　しかし、第３の実施の形態に係る本体部10は、ヘッドライト170、テールライト175及びルーフ110とドアガラス102との間の縁部分など、自動車の角に対応する部分に伸縮生地14が用いられている。そのため、フルカバー8は、伸縮生地14が伸縮することで、車種毎に形状が異なる箇所がその自動車に対応して伸縮するため、車体のサイズ及び形状が近似する車種で共通使用可能な汎用カバーを提供できる。

　さらに、フルカバー8は、上記した範囲だけ伸縮生地14を用い、フルカバー8が共通使用可能な全車種に共通する範囲は伸縮生地14よりも廉価な非伸縮生地12を用いている。そのため、フルカバー8は、従来の汎用カバーよりもフィット感の高いものを提供できながら、安価な価格設定にすることができる。

　（第４の実施の形態）
　以下、第４の実施の形態を説明する。また第４の実施の形態において、第１、第２及び第３の実施の形態と同一の構成要素には、第１、第２及び第３の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして第１、第２及び第３の実施の形態と重複する部分は説明を省略して説明する。

　（本体部10）
　第４の実施の形態に係る本体部10は、第１、第２及び第３の実施の形態とは異なり、自動車1を覆う部分に非伸縮生地12を用いずに、すべて伸縮生地14を用いている。
　ここで、第４の実施の形態の本体部10を構成する伸縮生地14は、伸縮性を有する素材から形成された生地の表面に、伸縮性を有し、かつ、防水性、撥水性、防汚性、耐久性及び耐候性を有するフィルムをラミネート加工したものである。さらに、このフィルムは、多様な色彩から形成することができ、たとえば、赤色や青色等から形成できる。

　なお、伸縮生地14は、裏地をメッシュ状に形成して、このメッシュ状の伸縮生地14の表面に上記のフィルムをラミネート加工したものでもよい。伸縮生地14がメッシュ状になることで、伸縮生地14をメッシュ状にしない場合と比べて、さらに耐久性及び耐候性に優れるため、自動車用ボディカバー5の屋外使用に好適となる。

　（第４の実施の形態の作用効果）
　第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、本体部10の自動車1を覆う部分が伸縮生地14のみで形成されているため、本体部10を非伸縮生地12のみ、又は非伸縮生地12と伸縮生地14とを組み合わせて形成した場合よりも車体に本体部10をフィットさせることができる。そのため、第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、車体と本体部10との隙間を最小限にできるため風に強い構造となり、風でバタついたり本体部10の内部に巻き込んだ風によりカバーが外れてしまったりすることがない。

　さらに、第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、本体部10の基布として、伸縮性を有する素材から形成された生地に、防水性、撥水性、防汚性、耐久性及び耐候性を有するフィルムをラミネート加工した伸縮生地14を用いている。

　ここで、現在販売されている自動車用ボディカバーの色は、その多くが銀色である。この理由は、銀色は、太陽光を反射する力が強い、すなわち耐候性に優れているため、色落ちが少ないこと及び仮に色落ちをしたとしてもその色落ちが目立たない色だからである。そのため、現在販売されている自動車用ボディカバーのうち、銀色以外の赤や青色等のものは、屋外で使用すると色落ちしてしまうので、屋内使用に限られてしまう。

　しかし、第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、防水性、撥水性、防汚性、耐久性及び耐候性を有するフィルムを本体部10に用いているため、多様な色彩を用いても太陽光でその色が褪せることがない。そのため、第４の実施の形態によれば、防水性、撥水性、防汚性、耐久性及び耐候性といった高い機能性を有するとともに、多様な色彩から形成できるという高いデザイン性をも有する自動車用ボディカバー5が提供できる。

　さらに、第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、防水性、撥水性、防汚性、耐久性及び耐候性を有するフィルムを本体部10に用いているため、銀色以外の多様な色彩のものを屋外で使用しても色落ちすることがない。そのため、第４の実施の形態に係る自動車用ボディカバー5は、銀色以外の多様な色彩のものであっても、屋外で使用することができる。

　本発明は車両用のボディカバーに関し、自動車、二輪車等に用いることができるものである。

Claims

　自動車の少なくともリアガラス、ドアガラス及びフロントガラスを覆う本体部と、
　前記本体部の後方に設けられ、かつ自動車の後方の開閉部に固定される後方固定部と、
　前記本体部の側方であって、自動車の左右のドアミラーに固定される側方固定部とを備えている自動車用ボディカバー。
　前記本体部は、伸縮性を有する伸縮生地で形成されている請求項１に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部のうち、自動車の少なくとも１箇所の角部に相当する部分に、伸縮性を有する伸縮生地を備えている請求項１に記載の自動車用ボディカバー。
　前記後方固定部は、前記本体部から後方に延出する延出部と、前記延出部に設けられた芯材とを備えている請求項１、２又は３に記載の自動車用ボディカバー。
　前記後方固定部は、その裏側に前方に向けて開口を有するポケットである請求項１、２又は３に記載の自動車用ボディカバー。
　前記側方固定部は、第１生地と、前記第１生地の下側に位置する第２生地とを備え、
　前記側方固定部の前方側は、前記第２生地が前記第１生地の表側に固定され、
　前記側方固定部の後方側は、前記第１生地が前記第２生地の表側に固定され、
　前記第１生地と前記第２生地との間に窓部が形成されている請求項１、２、３、４又は５に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部の側端近傍には、前後方向に伸縮する伸縮部材が設けられており、前記本体部を自動車に装着した場合に、前記本体部の側端が自動車のルーフ方向に凸となるアーチ状に形成されている請求項１、２、３、４、５又は６に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部には、少なくとも１箇所の通風口が形成されている請求項１、２、３、４、５、６又は７に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部のフロントガラスに対応する部分には棒材が設けられ、
　前記側方固定部を結ぶ線を固定線としたときに、前記棒材の後端は、前記固定線より後方に配し、前記棒材の前端は前記固定線より前方に配している請求項１、２、３、４、５、６、７又は８に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部は、自動車のボンネット及びフロントバンパーを覆う追加部を有しており、
　前記追加部は、フロントバンパーの底面を覆う底面部を備え、
　前記底面部の左右両端の後方側を結ぶ後端縁は、前記底面部の左右両端の前方側を結ぶ前端縁よりもその長さが長くなるように伸縮可能であり、
　前記追加部を装着した場合、前記後端縁は、その中央部分が前輪のタイヤハウスの前方の角よりも前方に位置するようにカーブした状態で収縮している請求項１、２、３、４、５、６、７、８又は９に記載の自動車用ボディカバー。
　前記本体部の端部に相当する裾部には、前後方向に伸縮する伸縮部材が設けられており、
　側端の前記裾部の前後には、連結部材が前記本体部に固定されており、
　前記伸縮部材は、金属製のカシメ金具により前記連結部材に固定され、
　前記カシメ金具は、熱収縮性の保護チューブの加熱時の収縮性を利用して、前記保護チューブにより前記カシメ金具の外周が覆われている請求項１、２、３、４、５、６、７、８、９又は１０に記載の自動車用ボディカバー。
　少なくとも前記本体部の端部に相当する裾部には、人が前記裾部に接触したことを検知するケーブル状のセンサが設けられている請求項１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０又は１１に記載の自動車用ボディカバー。