JP3143908U - 自転車用車体カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】車体カバーの両側面前方下端部に形成したワイヤー錠等の環状部が挿通される錠挿通穴を補強し、改良した自転車用車体カバーを提供する。
【解決手段】構成生地が上面被覆部11と両側面被覆部12と両側面下端被覆部13とからなる。側面下端被覆部13の前方にはワイヤー錠の環状部を挿通できる錠挿通穴を設ける。両側面下端被覆部13の略中央下端部には両側面下端被覆部13を相互に固定できる固定部15,16を設ける。両側面下端被覆部13の後方裾部にはそれぞれ紐挿通部17を形成し、これら紐挿通部17内に紐状部材18を挿通し、これら両後端部同士を固定する固定手段19を設けた。構成生地はすべて薄地の柔軟な布帛素材を使用した。錠挿通穴の部位を覆うように、その表面側にシート状のPVC製補強部材20を縫着し、その補強部材20には放射状の切れ目21を複数形成した。
【選択図】図1

Description

本考案は自転車の車体カバーの改良に関するものである。
従来の自転車の車体カバーとしては各種のものが存在するが、通常は表面に防水加工が施された合成繊維製の織地を使用し、上面被覆部、両側面被覆部等の複数枚の構成生地を縫製し、車体の外形形状に適合するように立体的に形成したものである。
そして、カバーが風等によって飛ばされないように、或いは埃の侵入防止等のために、カバーの下方周縁部には、カバーを車体に固定するための各種の固定手段が設けられているものが存在している。
下記特許文献1に記載の車体カバーにおいては、上記固定手段を有すると共に、外部から受ける傷等を有効に防御する耐衝撃性を付加し、加えて縫製ラインの縫い目から雨水等が浸入することを防止するために考案されたものである。
他方下記特許文献2に記載の車体カバーにおいては、構成生地同士の縫い目から雨水等が浸入しないように、その縫製ラインの裏面に防水テープを溶着したものである。
実用新案登録第3112350号公報 実用新案登録第3124817号公報
本考案においては、車体カバーの両側面前方下端部に形成したワイヤー錠等の環状部が挿通される錠挿通穴を補強し、改良することをその課題としている。
また、本考案においては、カバーの裾部をより簡易な操作により、簡単に収束して自転車に固定できることもその課題である。
更には、前カゴ及び後ろカゴが装着されたタイプの自転車においても都合よくカバーできるものを提供することもその課題としている。
上記課題を解決するために、本考案の第1のものは、複数枚の構成生地を縫製して車体を被覆できる立体的形状に形成した自転車用車体カバーにおいて、構成生地が、少なくとも上面被覆部と、両側面被覆部と、前記両側面被覆部の下端に位置する両側面下端被覆部とからなり、両側面下端被覆部の前方には、それぞれワイヤー錠等の環状部を挿通できる錠挿通穴を設け、両側面下端被覆部の略中央下端部には両側面下端被覆部を相互に固定できる固定部を設け、両側面下端被覆部の後方裾部には、それぞれ紐挿通部を形成し、これら紐挿通部内に紐状部材を挿通してその前端部を固定し、それらの後端部同士を紐挿通部外部に導出して固定する固定手段を設けたことを特徴とする自転車用車体カバーである。
本考案の第2のものは、上記第1の考案において、車体カバーを構成する少なくとも両側面下端被覆部を柔軟な布帛素材を使用したことを特徴とする自転車用車体カバーである。
本考案の第3のものは、上記第1及び第2の考案において、両側面下端被覆部に形成された錠挿通穴の部位を覆うように、その表面側にシート状の補強部材をそれぞれ縫着し、その錠挿通穴に対応する補強部材には放射状の切れ目を複数形成したことを特徴とする自転車用車体カバーである。
本考案の第1のものにおいては、車体カバーの構成生地の枚数をより少ないものから構成し、且つ前カゴ及び後ろカゴが装着された形態の自転車に被覆できるものとして構成生地のパターンを設計し、容易に立体的に縫製することができる。
勿論この考案においては、両側面下端被覆部の前方に設けられた錠挿通穴の存在により、ワイヤー錠等によって自転車をロックすると同時にカバー自体をもロックすることができ、盗難予防の効果をも有する。
また、両側面下端被覆部の後方裾部に設けられた紐状部材により、これらを引き絞って容易にその後端部同士を固定し、これによりカバーの裾部全体を簡単に収束し、車体にフィットさせて固定することが可能となる。
本考案の第2のものにおいては、少なくとも両側面下端被覆部を柔軟な布帛素材を使用しているために、両側面下端被覆部の後方裾部に設けた紐状部材がより都合よくカバーの裾部全体を良好に絞り、収束させることができる。
本考案の第3のものにおいては、両側面下端被覆部の前方に形成されている錠挿通穴の表面に補強部材を重ね合わせるように縫着し、その錠挿通穴に対応する補強部材には放射状の切れ目を設けているために、錠挿通穴が補強される。
仮にワイヤー錠等の環状部が太径のものであっても、錠挿通穴が形成されている両側面下端被覆部の錠挿通穴の周縁部に適宜切れ目を入れて、錠挿通穴の内径を拡大するように対応させることもできるのである。この際に、補強部材は、前記錠挿通穴の表面に縫着され、放射状切れ目が設けられているために、内側の錠挿通穴の周縁部に切り込みを設けても何ら問題は生じないのである。
以下、添付の図面と共に、本考案の最良の実施形態について説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係る車体カバーを、前カゴ及び後ろカゴが装着された自転車に被覆した状態の全体斜視図である。
本考案に係る車体カバー10は、自転車の上面を被覆する2枚の同一形状からなる上面被覆部11、11と、自転車の両側面をそれぞれ被覆する同一形状の側面被覆部12、12と、これらの側面被覆部12、12のそれぞれの下端部に位置する側面下端被覆部13、13とから構成されている。即ち構成生地は全部で6枚である。
それぞれの構成生地は、ポリエステル・タフタからなり、薄地の柔軟な素材から形成されている。
それぞれの構成生地の表面は、従来と同様に防水加工が施されている。
また、構成生地は、自転車として前カゴ及び後ろカゴが装着されたものに都合よく被覆できるように、その形状パターン及びサイズが設計されている。
本考案の特徴部分は、その車体カバー10の裾の部分にある。
即ち、その一方の側面下端被覆部13の略中央裾部には、固定部として帯状部材15を縫着し、その帯状部材15の先端裏面には面ファスナーが設けられており、他方の側面下端被覆部13の対応位置には、前記帯状部材15の先端裏面に設けられた面ファスナーと係着できる面ファスナー16が設けられている。
この帯状部材15の先端を面ファスナー16に係着することにより、車体カバー10の裾部略中央部が相互に係着され、固定される。
車体カバー10の裾部後方には、約50cmから70cm程度の長さに渡り、紐挿通部17をそれぞれの側面下端被覆部13に設け、このそれぞれの紐挿通部17内には紐状部材18を挿通させる。
紐状部材18の前方端部は、紐挿通部17の前端内部に縫着して固定する。それぞれの紐状部材18の後端部は、紐挿通部17から外部に導出し、これらの紐状部材18、18の後端部に固定手段としてのストッパー19を設ける。
このストッパー19としては、従来から存在する筒体本体部の外周から直径方向に貫通孔が設けられ、軸方向に押しボタンをバネにより没入可能に構成し、この押しボタンを没入させることにより貫通孔に挿通された紐状部材のロックが解除される形式のものであり、押しボタンを押さない状態では紐状部材がロックされたままに機能するものである。
従って、使用者は、自転車に本考案の車体カバー10を被覆したのち、上記紐状部材18、18を後方に引き出すように、カバー裾部を引き絞り、収束させるように、上記ストッパー19の押しボタンを押したままの状態で、ストッパー19を紐状部材18に沿って前方に移行させ、その後押しボタンから手を離すことにより、ロックが掛かり、カバーの裾部が自転車にフィットして固定されるのである。
前記のカバー裾部中央の帯状部材15による固定は、上記の紐状部材18とストッパー19によって固定する前でも、或は後でもどちらでもよい。
両側面下端被覆部13の前方部位には、錠挿通穴が形成されており、その錠挿通穴の表面には、略矩形形状の補強部材20が縫着されている。
この補強部材20は、PVC製のシート状のものからなり、上記のように錠挿通穴を被覆するように側面下端被覆部13に縫着されている。
そして、錠挿通穴に対応する部位には放射状に切れ目21を十文字状に設けている。
即ち、この実施形態では、放射状に4本の切れ目21を設けている。
この切れ目21を押し広げて、ワイヤー錠等の環状部を挿通させて、自転車のロックと共に車体カバー10のロックも同時にできることとなるのである。
図2は、上記の錠挿通穴及び補強部材を図示する説明図であり、その(A)が表面側を図示し、その(B)がその裏面側を図示している。
この補強部材20は、縦約50mm、横約80mm程度の略長方形形状のPVC(塩化ビニル)製のものであり、容易には引き千切ることのできないものである。
この補強部材20が、側面下端被覆部13に設けられた錠挿通穴14を覆うように表面側に接合され、その補強部材20の外周縁部で二重に側面下端被覆部13に縫い付けられている。
そして、補強部材20の錠挿通穴14に対応する位置に放射状に切れ目21を4本設けており、この切れ目21の長さは、錠挿通穴14の内径よりも長く設けている。
使用するワイヤー錠等の環状部の外形が大きなものの場合には、補強部材20の裏面側の側面下端被覆部13に設けられている錠挿通穴14の内周から外側方向に向かって切り込みを設けて対応させることもできるのである。
尚、補強部材20の側に切れ目を更に放射状に付加することも可能である。
以上、一実施形態について説明したが、本考案においては以下の通り設計変更可能である。
本考案においては、その構成生地を最も少なくして製造を簡易なものとしているが、更にこれに加えて適宜必要な構成生地を付加して実施することも当然可能なことである。
両側面下端被覆部のみを柔軟なタフタ素材から形成し、その他の構成生地をオックス生地等の厚地のものを利用して実施することもできる。
このように側面下端被覆部以外の構成生地として厚地の生地を使用することにより、被覆される自転車の傷等を予防することもできる。
カバー裾部中央の固定部の構成も自由に設計変更することができ、単に紐状部材をそれぞれの側面下端被覆部に固定して、相互に縛り付けることにより固定することもできる。
カバー裾部後方の固定手段にしても、紐状部材を固定するストッパーの構成も自由に変更することができる。
この部分も、両紐状部材を相互に縛り付けて固定することも可能である。
最後に補強部材であるが、この補強部材の形状、大きさ、材質等種々設計変更することができる。
その形状は、上記実施形態のように略長方形でなく、円形又は楕円形でもよく、或は多角形形状を採用することもできる。
補強部材の表面に放射状に切り込み案内線を予め設けておくことも可能である。
その素材も、合成樹脂製以外に天然の皮革製のものでもよく、自由に選択して採用することができる。要は補強効果を有する程度の強度を備える素材であればよい。
尚、この補強部材は、従来のハトメ形態のように、環状の金属製のものから形成して、錠挿通穴の内周縁部にカシメて設けることもできることは勿論である。但し、この金属製カシメ形態のハトメでは、金属強度が生地に比較して大きいためにカシメ部位で生地が損傷することがあり、上記実施形態が好適となる。
以上、本考案は、従来から存在する各種の自転車用の車体カバーの改良に関するものであるが、その構成生地を出来る限り少なくしつつ、種々の形態の自転車に対応する立体形状とすることができ、更にその上に、錠挿通穴には補強部材を適用し、且つ自転車への被覆後の固定方法も極めて簡単に行うことができる諸効果を発揮する自転車用カバーを提供することができた。
本考案の一実施形態に係る車体カバーを、前カゴ及び後ろカゴが装着された自転車に被覆した状態の全体斜視図である。 上記実施形態に係る錠挿通穴及び補強部材を図示する説明図であり、その(A)が表面側を図示し、その(B)がその裏面側を図示している。
符号の説明
10 車体カバー
11 上面被覆部
12 側面被覆部
13 側面下端被覆部
14 錠挿通穴
15 帯状部材
16 面ファスナー
17 紐挿通部
18 紐状部材
19 ストッパー
20 補強部材
21 切れ目

Claims (3)

  1. 複数枚の構成生地を縫製して車体を被覆できる立体的形状に形成した自転車用車体カバーにおいて、
    構成生地が、少なくとも上面被覆部(11, 11)と、両側面被覆部(12, 12)と、前記両側面被覆部(12, 12)の下端に位置する両側面下端被覆部(13, 13)とからなり、
    両側面下端被覆部(13, 13)の前方には、それぞれワイヤー錠等の環状部を挿通できる錠挿通穴(14)を設け、
    両側面下端被覆部(13, 13)の略中央下端部には両側面下端被覆部(13, 13)を相互に固定できる固定部(15, 16)を設け、
    両側面下端被覆部(13, 13)の後方裾部には、それぞれ紐挿通部(17)を形成し、これら紐挿通部(17)内に紐状部材(18)を挿通してその前端部を固定し、それらの後端部同士を紐挿通部(17)外部に導出して、それら両後端部同士を固定する固定手段(19)を設けたことを特徴とする自転車用車体カバー。
  2. 車体カバーを構成する少なくとも両側面下端被覆部(13, 13)として柔軟な布帛素材を使用したことを特徴とする請求項1に記載の自転車用車体カバー。
  3. 両側面下端被覆部(13, 13)に形成された錠挿通穴(14)の部位を覆うように、その表面側にシート状の補強部材(20)をそれぞれ縫着し、その錠挿通穴(14)に対応する補強部材(20)には放射状の切れ目(21)を複数形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用車体カバー。
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