WO2016175304A1 - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

本発明の歯ブラシ(10)は、植毛面(3a)に複数の毛束(A、B)が植設されているヘッド部(3)と、前記ヘッド部(3)から延在するハンドル体(2)を有し、前記ハンドル体(2)の延在方向に交差する幅方向における前記ヘッド部(3)の寸法が13mm以上とされており、前記ヘッド部(3)は、任意の高さの用毛からなる外側毛束Aと、一つの毛束内で最も高さを有する用毛が、前記外側毛束A内で最も高さを有する用毛よりも低い高さである内側毛束Bと、を有し、複数の前記外側毛束Aが複数の前記内側毛束Bの周囲を囲うようにして設けられ、前記外側毛束A及び前記内側毛束Bのうち少なくともいずれか一方は、互いに毛丈の異なる2つの半毛束部(a1、a2)(b1、b2)を有している。

Description

歯ブラシ
 本発明は、歯ブラシに関する。
 本願は、2015年4月28日に、日本に出願された特願2015-092333号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 現在では、歯ブラシのヘッド部のサイズが使用者の嗜好及び目的に合わせて様々なタイプのものがある。口腔衛生の点では、「一歯ずつ、丁寧に磨ける」コンパクトヘッドが一般的に適しているが、磨き方のテクニックが不足している人、短時間で効率よく磨けることを重視している人にとっては、歯頸部、歯間及び歯面を同時に磨くことのできる、ヘッド部が幅広とされた「ワイドヘッド型」の歯ブラシが適する場合がある。
 この「ワイドヘッド型」の歯ブラシの課題は、複数の清掃部位を同時に刷掃できるため清掃効率性は高いが、各々の部位の「清掃の精度」、特に、歯間および歯頸部などの隙間部分の清掃については、劣りやすい点にある。これは、磨きたい場所以外の周辺部位にも歯ブラシの毛先が当たってしまい、物理的干渉が起きやすいためである。
 ところで、既存の一般的な大きさの歯ブラシにおいて、清掃効率を高めるためにブラシ内で毛先に高低差を設けた構成が提案されている(特許文献1)。これは、中央の植毛の高さが周囲の植毛の高さよりも短くなっていることで、歯列を跨いで歯を磨くことができるという利点がある。つまり、1つ歯の上面及び両側面の3面を同時に磨くことが可能である。
日本国実用新案登録第3142875号公報
 しかしながら特許文献1のような一般的な大きさの歯ブラシでは、歯頸部、歯間及び歯面を同時に磨くことが難しく、複数の清掃部位を短時間で効率よく磨くことを重視している人を満足させることができない。また、ブラシ全体におけるクッション性を重視したものではないため、歯茎への当たり心地も良好とは言えない。
 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ワイドヘッド仕様で複数の清掃部位を同時に刷掃することができ、個々の隙間形状に対しても高い清掃性及び優しい当たり心地を提供することを目的とする。
 本発明の一態様における歯ブラシは、植毛面に複数の毛束が植設されているヘッド部と、前記ヘッド部から延在するハンドル体を有し、前記ハンドル体の延在方向に交差する幅方向における前記ヘッド部の寸法が13mm以上とされており、前記ヘッド部は、任意の高さの用毛からなる外側毛束と、一つの毛束内で最も高さを有する用毛が、前記外側毛束内で最も高さを有する用毛よりも低い高さである内側毛束と、を有し、複数の前記外側毛束が複数の前記内側毛束の周囲を囲うようにして設けられ、前記外側毛束及び前記内側毛束のうち少なくともいずれか一方は、互いに毛丈の異なる2つの半毛束部を有していることを特徴とする。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の長手方向に前記複数の内側毛束を2つに分離する複数の中央毛束を有し、前記中央毛束の毛丈は前記外側毛束の毛丈と等しい構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記外側毛束の一方の半毛束部と前記内側毛束の一方の半毛束部とが同じ毛丈とされている構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記外側毛束の各半毛束部及び前記内側毛束の各半毛束部の毛丈が全て異なっている構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記外側毛束の各半毛束部どうしの差、前記内側毛束の各半毛束部どうしの差が、それぞれ1mm以上である構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の前記幅方向の1列を構成する毛束の数が5つ以上である構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記外側毛束及び前記内側毛束のうち少なくともいずれか一方が、毛先が先鋭化された複数の用毛を含む構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記外側毛束及び前記内側毛束は、二つ折りされた毛束の間に挟み込まれた平線が、前記植毛面に形成された植毛穴に打ち込まれたことにより植設され、2つの前記半毛束部が前記平線を挟んで形成された構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の幅方向両側で最も外側に存在する2つの前記植毛穴における、外側の穴縁間の距離が10mm以上である構成としてもよい。
 本発明の一態様における歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の最も外側に位置する複数の前記植毛穴の各穴縁を結んで囲まれた植毛領域が、1.5cm以上とされている構成としてもよい。
 本発明によれば、ワイドヘッド仕様で複数の清掃部位を同時に刷掃することができ、個々の隙間形状に対しても高い清掃性及び優しい当たり心地の歯ブラシを提供することができる。
第1実施形態における歯ブラシの全体構成を示す側面図。 毛束の配列パターンを示すヘッド部の平面図。 平線直毛式における毛束を示す模式図。 図2のA-A’線に沿う断面図であって、第1実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図4A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第2実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図5A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第3実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図6A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第4実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図7A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第5実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図8A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第6実施形態の歯ブラシのヘッド部における構成を示す平面図。 図9のB-B’線に沿う断面図であって、第6実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図10A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 図9のA-A’線に沿う断面図。 図11A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第7実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図12A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第8実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図13A中における破線で囲んだ領域の拡大図。 第9実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図。 図14A中における破線で囲んだ領域の拡大図。
[第1実施形態]
 以下に、本発明に係る第1実施形態の歯ブラシについて説明する。
 図1は、第1実施形態における歯ブラシの全体構成を示す側面図である。図2は、毛束の配列パターンを示すヘッド部の平面図である。図3は、平線直毛式における毛束を示す模式図である。図4Aは、図2のA-A’線に沿う断面図であって、第1実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図4Bは、第1実施形態におけるヘッド部のブラシ構成を部分的に拡大して示す図である。なお、図4Bは、図4A中における破線で囲んだ領域の拡大図である。ここで、ヘッド部の幅方向(X方向)における一方向(半毛束部a1,a2、b1、b2…の並び順に沿う方向)を+X方向とし、他方向を-X方向とする。つまり、図4Bでは、図4Aにおけるヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示している。
 本実施形態の歯ブラシ10は、図1に示すように、ハンドル体2と、ハンドル体2に延設されたヘッド部3とが一体成形されたものである。本実施形態の歯ブラシは、ヘッド部3が幅広とされた「ワイドヘッド仕様」の歯ブラシである。「ワイドヘッド仕様」の歯ブラシとは、ハンドル体2の延在方向(Y方向)に交差する方向(X方向)におけるヘッド部3の幅寸法(以下単にヘッド幅と言う。)が13mm以上16mm以下とされた歯ブラシのことである。ここで、「ヘッド幅(=幅寸法)」とは、X方向におけるヘッド部3の最大幅を示す。ヘッド幅は、最もハンドル体2側に位置する毛束の生え際からヘッド部3の先端までの領域を含む。本実施形態では、ヘッド部3とハンドル体2との境に設けられた段差部分からヘッド部3の先端までの領域とする。
一般的な歯ブラシのヘッド幅は9mm~11mmであり、これに比べるとヘッド幅の広いブラシである。
 本実施形態のヘッド部3は、ヘッド幅が13mm、ヘッド長さが25mmとされている。先に述べたように、ワイドヘッド仕様の歯ブラシにおいてヘッド幅は13mm以上とされ、例えば13mm~16mmとされる。より具体的には、14mm以上16mm以下がさらに好ましい。
 一方、ヘッド長さは、例えば15mm~26mmとされる。また、「ヘッド長さ」とは、Y方向におけるヘッド部3の最大幅を示す。ヘッド部3は長すぎると口腔内での操作性が損なわれやすく、短すぎると植毛される毛束の数が少なくなりすぎて、清掃効果が損なわれやすい。そのため、ヘッド部3の長さ寸法は上記範囲内で設定される。
 ヘッド部3の厚さは、薄いほど口腔内での操作性を高められるが、薄すぎるとヘッド部3の強度が不十分になりやすい。そのため、ヘッド部3の厚さは、ハンドル体2の材質等を勘案して決定でき、例えば、1.5mm~5mmが好ましく、2mm~3mmがより好ましい。
 図2に示すように、ヘッド部3の一面側は植毛面3aとされており、複数本の毛束が植設されている。ヘッド部3の平面視における大きさは、植毛面3aの面積にほぼ一致する。本実施形態のヘッド部3の植毛面3aには、3つの高低差を設けた毛束によって構成されるブラシ4が設けられている。
 ヘッド部3のブラシ4は、任意の高さの用毛からなる複数の外側毛束Aと、一つの毛束内で最も高さを有する用毛が、外側毛束A内で最も高い高さを有する用毛よりも低い高さである内側毛束Bと、からなる段差状毛束により構成されている。また、内側毛束Bでは、一つの毛束内で最も高さの低い用毛が、外側毛束A内で最も高さの低い用毛よりもさらに低い高さとなっている。
 複数の外側毛束Aは、植毛面3aの周縁(最外周)に設けられた各植毛穴5に植設されることで内側毛束群12の周囲を囲むようにして設けられ、外側毛束群11を構成している。また、本実施形態の外側毛束群11は、植毛面3aの最外周に設けられた複数の外側毛束Aによって構成されているが、これに限られず、最外周よりも内側に設けた複数の外側毛束Aを含んでいてもよい。
 複数の内側毛束Bは、植毛面3aの中央側に設けられた複数の植毛穴6に植設され、内側毛束群12を構成している。本実施形態では、植毛穴5,6が格子状の等ピッチ間隔で配列されている。「格子状」で配列とは、X方向及びY方向において、隣り合う直毛穴5,6同士の位置X方向及びY方向で互いの位置がずれた配列であってもよいし、X方向及びY方向のいずれか一方では互いの位置が一致する配列であってもよい。また、複数の直毛穴5,6の配置間隔は、等ピッチであることが好ましいが、部分的に異なっていてもよい。
 ワイドヘッド仕様の本実施形態の歯ブラシ10では、ヘッド部3の幅方向両側で最も外側に存在する2つの植毛穴5,5における、外側の穴縁~穴縁間の距離Lが11mm、あるいはそれ以上とされている。好ましくは12mm以上16mm以下である。上記ヘッド幅は、X方向で最も外側に位置する2つの植毛穴5,5のうち、一方の植毛穴5のX方向外側の穴縁と、他方の植毛穴5のX方向外側の穴縁との間の距離を含む長さである。
 また、ヘッド部3の周縁に設けられた複数の植毛穴5の各穴縁の外側を結んで囲まれた植毛領域が1.5cmあるいはそれ以上とされている。好ましくは2.0cm以上2.8cm以下、更に好ましくは2.1cm以上2.6cm以下である。植毛領域が1.5cm未満の場合、清掃部分を広範囲で磨く効果が得られない。
 1つの外側毛束Aは、互いに毛丈の異なる半毛束部a1及び半毛束部a2を有している。半毛束部a1は、半毛束部a2の毛丈よりも長い。1つの内側毛束Bにおいても互いに毛丈の異なる半毛束部b1及び半毛束部b2を有している。半毛束部b1の毛丈は、半毛束部b2の毛丈よりも長い。
ここで、「毛丈」とは、植毛面3aから用毛の先端までの長さである。また、複数の用毛からなる半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈は、直毛誤差に伴う各用毛の毛丈のバラつきを鑑みてそれぞれ平均化したものである。
 本実施形態のブラシ4では、外側毛束Aの半毛束部a2の毛丈と、内側毛束Bの半毛束部b1の毛丈と、が互いに等しく、全体として3段階の毛丈差を設けている。このように、外側毛束群11及び内側毛束群12のいずれにおいても一つの毛束内で毛丈を異ならせることで、つまり半毛束部b1よりも半毛束部a1の方が毛丈が長いため、総じて、中央側に向かってヘッド部3の一面側へと凹む凹部形状が形成されている。本実施形態では、図4Bに示すように、配列方向中央側へ向かって順次短くなる半毛束部a1,a2,b1,b2によって凹部形状を構成する部分と、配列方向で半毛束部の長さが徐々に短くなるわけではないが、外側毛束Aと、外側毛束Aよりも短い毛丈の半毛束部b2を有する内側毛束Bとによって、凹部形状を構成する部分を有している。
 本実施形態では、図2及び図3に示すように、外側毛束Aが、それぞれ平線7を挟んだ一方の半毛束部a1と他方の半毛束部a2とで高低差を設けて植設された用毛によって構成されている。また、複数の内側毛束Bにおいても、それぞれ平線7を挟んだ一方の半毛束部b1と他方の半毛束部b2とで高低差を設けて植設された用毛によって構成されている。
 具体的には、二つ折りされた毛束の間に平線7が挟み込まれ、この平線7が植毛穴5(植毛穴6)に打ち込まれたことにより、毛束がヘッド部3の植毛面3aに植設されている。本実施形態では、図2に示すように、全ての平線7が、ヘッド部3の長手方向に対して所定の角度で斜めに傾けた状態で植毛穴5(植毛穴6)に打ち込まれている。各平線7の向きは統一されている。
 平線7の角度は、特に限定するものではないが、ヘッド長さ方向に対して、0度以上45度以下が好ましい。45度以上の場合は、ヘッド部3のヘッド幅方向外側から内側に向けて窪み形状の細かい段差形成が困難となる。
 内側毛束Bにおいて二つ折りされた毛束のうち、平線7を境界とした際の一方を半毛束部b1とし、他方を半毛束部b2とする(図3)。半毛束部b1及び半毛束部b2は平線7を挟んで形成されている。先に述べたように、半毛束部b1と半毛束部b2とは互いの毛丈が異なっており、半毛束部b1の方が半毛束部b2よりも毛丈が長い(図4A及び図4B)。
 外側毛束Aにおいて、二つ折りされた毛束の、平線7を境界とした際の一方を半毛束部a1とし、他方が半毛束部a2とする(図3)。半毛束部a1及び半毛束部a2は平線7を挟んで形成されている。先に述べたように、半毛束部a1と半毛束部a2とは互いの毛丈が異なっており、半毛束部a1の方が半毛束部a2よりも毛丈が長い(図4A及び図4B)。
 内側毛束Bを構成する用毛は8.5milの両端ST毛(毛先に向かって漸次径が細くなるテーパー用毛)であり、半毛束部b1の毛丈t(b1)が10.5mm、半毛束部b2の毛丈t(b2)が9.5mmである。
 半毛束部b1の毛丈t(b1)は、8mm~12mmの範囲内が好ましく、9mm~11mmの範囲内がさらに好ましく、上記した10.5mmが最も好ましい。半毛束部b2の毛丈t(b2)は、半毛束部b1の毛丈t(b1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部b1の毛丈t(b1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
内側毛束Bを構成する用毛の太さは、6mil~10milの範囲内が好ましく、7mil~9milの範囲内がさらに好ましく、上記した8.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 外側毛束Aを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部a1の毛丈t(a1)が11.5mm、半毛束部a2の毛丈t(a2)が10.5mmとされている。
半毛束部a1の毛丈t(a1)は、9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。半毛束部a2の毛丈t(a2)は、半毛束部a1の毛丈t(a1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部a1の毛丈t(a1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
外側毛束Aを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 内側毛束B及び外側毛束Aにおける各半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈の関係は、t(a1)>t(a2)=t(b1)>t(b2)を満たしており、外側毛束Aの半毛束部a2と内側毛束Bの半毛束部b1の毛丈が等しい。
図2に示すように、外側毛束A及び内側毛束Bを含む全毛束は、植毛領域内において格子状(X方向及びY方向で隣り合う毛束の位置がそれぞれ異なる配置を含む)の等ピッチ間隔で植設されており、ヘッド部3の幅方向(X方向)に6列、長手方向(Y方向)に9列の毛束が配列されている。
 ここで、上記した「ヘッド長さ」は、Y方向で最も外側に位置する2つの植毛穴5,5のうち、一方の植毛穴5のY方向外側の穴縁と、他方の植毛穴5のY方向外側の穴縁との間の距離を含む長さである。
 本実施形態のワイドヘッド仕様の歯ブラシ10は、ヘッド部3の最外周に位置する外側毛束Aを構成する用毛の一部(半毛束部a1)の毛丈が、内側毛束Bを構成する用毛の一部(半毛束部b1)の毛丈よりも長く、外側毛束Aの方が内側毛束Bを構成する用毛の毛丈よりも総じて長く設定されている。これにより、外側毛束Aよりもブラシ4の内側の毛束が凹部状に窪む形状となり、その結果、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包みこむことになる。このため、ブラシ4の毛先が歯間等の隙間に到達しやすい仕様となっている。
 具体的には、ヘッド部3に植毛された毛束のうち、外側毛束群11のうちヘッド長さ方向に配列された部分15(図2中の破線で囲んだ部分)が歯頸部の清掃を担い、外側毛束群11のヘッド幅方向に配列された部分14(図2中の破線で囲んだ部分)が歯間部の清掃を担う。一方、内側毛束群12は、歯牙を支えて歯面清掃の役割を担う。
 このようなワイドヘッド仕様の歯ブラシ10において、ブラシ4を構成する毛束の毛丈に3段階の高低差を設けたことにより、口腔内の清掃部位に対して広範囲に毛束が接触するのみならず、それぞれの清掃部位に対する高い清掃性も確保することができる。
 ブラシ4内での毛丈差が2段階の構成の場合、つまり外側毛束A及び内側毛束Bがそれぞれ通常の「等分折り」にした毛束から構成された場合と比べて、本実施形態の歯ブラシ10は、ブラシ4内での毛丈差が3段階とされているため、より滑らかにかつ圧力に対するクッション性を有しながら、ブラシ4の内側の毛束を窪ませる形状とすることが可能である。このため、より優しい当たり心地を得ることができるとともに、清掃部位の細かな凹凸に対する毛先フィット性を付与することができる。
 一般的なワイドヘッド仕様の歯ブラシは、磨きたい場所以外の周辺部位にも毛束が当たるため、一つのヘッド部3内で物理的干渉が起きやすく、形状が異なる隣接した複数の隙間に対して同時に毛先を当てることが難しい。
 これに対して、本実施形態の歯ブラシ10によれば、ワイドヘッド仕様で複数の清掃部位を同時に刷掃することができるとともに、口腔内における清掃部位の様々な隙間形状に対して毛先フィット性が高く、高い清掃性を得ることができる。
 以上述べたように、歯ブラシ10の機能的特徴は、口腔内における清掃部位に対して広範囲にブラシ4の毛束が当たるので、「清掃効率性」を整えながら、歯間や歯頸部のスキマを精度良く磨ける点である。
 なお、本実施形態では、内側毛束Bを構成する用毛として外側毛束Aよりも太い用毛を用いている。これは、内側毛束Bが歯牙表面に優先的に当たるため、しっかりと植毛部分を支える必要があるためである。一方、外側毛束Aは、より柔軟性をもって清掃部位における隙間に毛先を到達させる必要があるため、内側毛束Bよりも細めの用毛を用いて構成している。
 本実施形態のヘッド部3の植毛面3aには、3段階の高低差を設けた毛束によって構成されるブラシ4が設けられていたが、これに限らない。植毛面3aには少なくとも3つの高低差を設けた毛束が植設されていれば良く、4段階以上の高低差を設けても構わない。
 なお、植毛穴5,6の形状は、特に限定されず、真円又は楕円等の円形、三角形や四角形等の多角形等が挙げられる。また、ヘッド部3の全体における植毛穴5,6の穴数は特に限定されず、例えば、40穴~60穴とされる。但し、本実施形態においては、ヘッド部3の幅方向(X方向)における1列を構成する最大穴数は6つであり、ヘッド部3の幅方向(Y方向)における1列を構成する最大穴数は9つである。
つまり、ヘッド部3の長手方向(Y方向)においてブラシ4を構成する毛束列(ヘッド部3の幅方向(X方向)に存在する複数の植毛穴5,6によって構成される毛束列)の多くが、ヘッド部3の幅方向(X方向)に5つ以上(図2においては6つ)の穴数を有する配列である。これら複数の植毛穴5,6は、ヘッド部3の短手方向(X方向)に直線状に並んでいなくてもよい。
  なお、ヘッド部3の長手方向(Y方向)においてブラシ4を構成する複数の毛束列の多くが、ヘッド部3の幅方向(X方向)で1列を構成する最大穴数は、植毛穴5,6併せて6つ以上8つ以下であることがより好ましい。また、ヘッド部3の長手方向(Y方向)で1列を構成する最大穴数は7つ以上11つ以下であることがより好ましい。本実施形態では、ヘッド部3の長手方向(Y方向)に植毛穴5,6併せて9つ設けられている。これら複数の植毛穴5,6は、ヘッド部3の長手方向(Y方向)に直線状に並んでいなくてもよい。
 ヘッド部3の幅方向(X方向)で1列を構成する最大穴数が4つ以下である列がヘッド部3に多く存在する場合、外側毛束Aと内側毛束Bとの役割が不明確となる。
 また、植毛穴5,6の直径は、求める毛束の太さに応じて決定され、例えば、1mm~3mmとされる。
 また、植毛穴5,6の配列パターンは、先に述べた配列パターンに限定されない。ヘッド部3に凹部形状を有するブラシ4を構成することのできる配列パターンであればよい。
 図2及び図4Aに示したように、本実施形態の構成においては、ヘッド幅方向-X側で、毛丈が等しい外側毛束Aの半毛束部a2と、内側毛束Bの半毛束部b1と、が対向する配列パターンとされているが、外側毛束Aの一方の半毛束部a1が、内側毛束Bの一方の半毛束部b1よりも毛丈が長いことが担保されていれば、これに限らない。
 具体的に、本実施形態の配列パターンには、上記の他に3種類存在する。例えば、外側毛束Aの半毛束部a1と内側毛束Bの半毛束部b1とを対向させてもよいし、外側毛束Aの半毛束部a1と内側毛束Bの半毛束部b2とを対向させてもよいし、内側毛束Bの半毛束部b2と外側毛束の半毛束部a2とを対向させてもよい。
 外側毛束Aの半毛束部a1及び半毛束部a2と、内側毛束Bの半毛束部b1及び半毛束部b2とのうち、いずれの半毛束部a1,a2,b1,b2同士を対向させるかは、適宜選択することができる。
 以上述べた4つの配列パターンは、外側毛束Aの半毛束部a1が内側毛束Bの半毛束部b1の毛丈よりも長いので、巨視的にみると、歯ブラシのヘッド幅方向にて中央部分が窪んだ形状となっており、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。従って、派性パターンどうしにおける使用性及び機能面に明確な差はない。
 なお、植毛穴の穴径(毛束径)は、特に制限するものではない。しかしながら、外側毛束Aは隙間への高い侵入性が必要であるため、植毛穴の直径を1.0mm~1.6mmとすることが望ましい。また、内側毛束Bは歯面清掃を担うとともに歯牙を支える必要があるため、植毛穴の直径を1.4mm~2.0mmとすることが望ましい。
 各毛束の用毛径も特に制限するものではないが、外側毛束Aは隙間への高い侵入性が必要であるため、柔軟性が確保できる4mil~8milが望ましい。また、内側毛束Bは歯面清掃および歯牙を支える必要があるため、より剛性が確保できる6mil~10milが望ましい。
 また、同一毛束内の段差は0.5mm~3mm、より好ましくは1mm~2mmが良い。段差が少なすぎるとクッション性が低下し、歯茎に対する優しい当たり心地が得られにくい。段差が大きすぎると、隙間に入る毛先の剛性が確保しづらく、清掃性が低下する。
 外側毛束Aの半毛束部a1と、内側毛束Bの半毛束部b1の毛丈差は、0.5mm~2mmが好ましい。毛丈差が少なすぎると、ヘッド部3の外周から中央にかけての凹部形成が浅くなり、歯牙を包み込んで外側毛束Aの毛先を隙間に届かせることができない。一方、半毛束部a1と半毛束部b1との毛丈差が大きすぎると凹部形成が深くなりすぎてしまい、歯牙形状に沿った毛先フィット感が低下する。
[第2実施形態]
 次に、本発明の第2実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシ20の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、ブラシの高低差が4段階とされている点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図4A及び図4Bと共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図5Aは、第2実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図5Bは、図5A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図5A及び図5Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ20は、外側毛束Aを構成する半毛束部a1及び半毛束部a2と、内側毛束Bを構成する半毛束部b1及び半毛束部b2と、の毛丈をいずれも異ならせた構成とされている。本実施形態では、各半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈t(a1),t(a2),t(b1),t(b2)が、t(a1)>t(a2)>t(b1)>t(b2)の関係を満たしている。
 外側毛束Aを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部a1の毛丈t(a1)が11.5mm、半毛束部a2の毛丈t(a2)が10.5mmとされている。
半毛束部a1の毛丈t(a1)は、9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。半毛束部a2の毛丈t(a2)は、半毛束部a1の毛丈t(a1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部a1の毛丈t(a1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
外側毛束Aを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 内側毛束Bを構成する用毛は8.5milの両端ST毛(毛先に向かって漸次径が細くなるテーパー用毛)であり、半毛束部b1の毛丈t(b1)が9.5mm、半毛束部b2の毛丈t(b2)が8.5mmである。
半毛束部b1の毛丈t(b1)は、8mm~12mmの範囲内が好ましく、9mm~11mmの範囲内がさらに好ましく、上記した9.5mmが最も好ましい。
 半毛束部b2の毛丈t(b2)は、半毛束部b1の毛丈t(b1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部b1の毛丈t(b1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
 内側毛束Bを構成する用毛の太さは、6mil~10milの範囲内が好ましく、7mil~9milの範囲内がさらに好ましく、上記した8.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 このように、半毛束部a1,a2,b1,b2間の毛丈差M1,M2,M3がいずれも等しく、ここでは1mmの毛丈差となっている。毛丈差M1,M2,M3は、0.5mm~1.5mmの範囲内が好ましく、1mmの差があることが最も好ましい。
 外側毛束A及び内側毛束Bを構成する全ての半毛束部a1,a2,b1,b2における毛丈を異ならせることにより、先の第1実施形態の歯ブラシ20に比べて圧力負荷に対するクッション性が増し、より優しい当たり心地の歯ブラシ10が得られる。
 また、一つの毛束内で段差を設けるオフセット植毛によって構成されるブラシ4の段差は、多段になる程クッション性が向上する。そのため、各毛束を構成する用毛の毛先と清掃部位の形状とが合致していなくても、ブラシ4の毛先が動く自由度とクッション性とを利用して、刷掃時に柔軟に毛先をフィットさせることが可能となる。
[第3実施形態]
 次に、本発明の第3実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシ30の基本構成は、上記第2実施形態と同様にブラシの高低差は4段階であるが、外側毛束Aの半毛束部a2よりも内側毛束Bの半毛束部b1の方が毛丈が長く、一つの毛束内での毛丈差が2mmとされている点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。
また、説明に用いる各図面において、図1~図4A及び図4Bと共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図6Aは、第3実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図6Bは、図6A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 先の第2実施形態の歯ブラシでは、外側毛束内及び内側毛束内における毛丈差がそれぞれ1mmとされていたのに対し、本実施形態の歯ブラシ30は、各毛束内における毛丈差がそれぞれ2mm差となっている。
 図6A及び図6Bに示すように、総じて、外側毛束Aよりも内側毛束Bの方が毛丈が短いものの、内側毛束Bの半毛束部b1が外側毛束Aの半毛束部a2よりも長く、内側毛束Bの半毛束部b2が外側毛束Aの半毛束部a2よりも短い。すなわち、各半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈t(a1),t(b1),t(a2),t(b2)が、t(a1)>t(b1)>t(a2)>t(b2)の関係を満たしている。
 外側毛束Aを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部a1の毛丈t(a1)が11.5mm、半毛束部a2の毛丈t(a2)が9.5mmとされている。
半毛束部a1の毛丈t(a1)は、9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。半毛束部a2の毛丈t(a2)は、半毛束部a1の毛丈t(a1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部a1の毛丈t(a1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
外側毛束Aを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
内側毛束Bを構成する用毛は8.5milの両端ST毛(毛先に向かって漸次径が細くなるテーパー用毛)であり、半毛束部b1の毛丈t(b1)が10.5mm、半毛束部b2の毛丈t(b2)が8.5mmである。
半毛束部b1の毛丈t(b1)は、8mm~12mmの範囲内が好ましく、9mm~11mmの範囲内がさらに好ましく、上記した10.5mmが最も好ましい。半毛束部b2の毛丈t(b2)は、半毛束部b1の毛丈t(b1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部b1の毛丈t(b1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
 内側毛束Bを構成する用毛の太さは、6mil~10milの範囲内が好ましく、7mil~9milの範囲内がさらに好ましく、上記した8.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 このように本実施形態では、外側毛束Aの半毛束部a1,a2どうしの毛丈差M1は2mmであり、内側毛束Bの半毛束部b1,b2どうしの毛丈差M2も2mmとされている。全ての半毛束部a1,a2,b1,b2どうしで毛丈が異なる点は第2実施形態と同じであるが、一つの毛束内での高低差が2mmと長い。
 これにより、外側毛束A内における半毛束部a1,a2どうし、内側毛束B内における半毛束部b1,b2どうしの突出量が大きいため、ブラシ4全体において毛先が動く自由度とクッション性が増し、隙間への清掃性ならびに優しい当たり心地が向上する。
[第4実施形態]
 次に、本発明の第4実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシの基本構成は、上記第1実施形態と略同様にブラシの高低差は3段階であるが、外側毛束の毛丈が全て等しい点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図4A及び図4Bと共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図7Aは、第4実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図7Bは、図7A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図7A及び図7Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ40は、外側毛束Aを構成する全ての用毛の毛丈が等しく、半毛束部a1,a2の毛丈が同じとされている。つまり、毛束が等分折りで植設されている。具体的には、各半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈t(a1),t(a2),t(b1),t(b2)が、t(a1)=t(a2)>t(b1)>t(b2)を満たす関係となっている。
 外側毛束Aを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部a1の毛丈t(a1)及び半毛束部a2の毛丈t(a2)がいずれも11.5mmとされている。
半毛束部a1の毛丈t(a1)及び半毛束部a2の毛丈t(a2)は、いずれも9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。
外側毛束Aを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
内側毛束Bを構成する用毛は8.5milの両端ST毛(毛先に向かって漸次径が細くなるテーパー用毛)であり、半毛束部b1の毛丈t(b1)が10.5mm、半毛束部b2の毛丈t(b2)が9.5mmである。
半毛束部b1の毛丈t(b1)は、8mm~12mmの範囲内が好ましく、9mm~11mmの範囲内がさらに好ましく、上記した10.5mmが最も好ましい。半毛束部b2の毛丈t(b2)は、半毛束部b1の毛丈t(b1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部b1の毛丈t(b1)との毛丈差が1~2mmであることが好ましい。
 内側毛束Bを構成する用毛の太さは、6mil~10milの範囲内が好ましく、7mil~9milの範囲内がさらに好ましく、上記した8.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 このように、歯ブラシ40は、ヘッド部3の外側毛束Aがストレート毛で構成されているが、外側毛束Aの各半毛束部a1,a2は、内側毛束Bの各半毛束部b1、b2よりも長いので、巨視的に見ると、ヘッド幅方向において中央部分が窪んだ形状となっている。
このため、ブラッシング時にブラシ4全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。
[第5実施形態]
 次に、本発明の第5実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシの基本構成は、上記第1実施形態とブラシの高低差は3段階であるが、内側毛束の毛丈が全て等しい点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図4A及び図4Bと共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図8Aは、第5実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図8Bは、図8A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図8A及び図8Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ50は、内側毛束Bを構成する全ての用毛の毛丈が等しく、半毛束部b1、b2の毛丈が同じとされている。つまり、毛束が等分折りで植設されている。具体的には、各半毛束部a1,a2,b1,b2の毛丈t(a1),t(a2),t(b1),t(b2)が、t(a1)>t(a2)>t(b1)=t(b2)を満たす関係となっている。
 内側毛束Bを構成する半毛束部b1の毛丈t(b1)及び半毛束部b2の毛丈t(b2)はいずれも9.5mmである。半毛束部b1の毛丈t(b1)及び半毛束部b2の毛丈t(b2)は、8mm~12mmの範囲内が好ましく、9mm~11mmの範囲内がさらに好ましく、上記した9.5mmが最も好ましい。
 内側毛束Bを構成する用毛の太さは、6mil~10milの範囲内が好ましく、7mil~9milの範囲内がさらに好ましく、上記した8.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 外側毛束Aを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部a1の毛丈t(a1)が11.5mm、半毛束部a2の毛丈t(a2)が10.5mmとされている。
 半毛束部a1の毛丈t(a1)は、9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。
半毛束部a2の毛丈t(a2)は、半毛束部a1の毛丈t(a1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部a1の毛丈t(a1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
外側毛束Aを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
 歯ブラシ50は、外側毛束Aの各半毛束部a1,a2の毛丈が、内側毛束Bの各半毛束部b1、b2の毛丈よりも長いため、巨視的に見ると、ヘッド幅方向において中央部分が窪んだ形状となっている。このため、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。
[第6実施形態]
 次に、本発明の第6実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシは、上記第1実施形態における毛束の配列パターンと異なり、中央毛束群によって内側毛束群が2つに分かれている点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図4A及び図4Bと共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図9は、第6実施形態の歯ブラシのヘッド部3における構成を示す平面図である。図10Aは、図9のB-B’線に沿う断面図であって、第6実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図、図10Bは、図10A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(+Y側)に位置する毛束を示す。なお、図10Aは、図9のB-B’線に沿う正確な断面図とは若干異なっているが、外側毛束及び内側毛束における各半毛束部の関係(毛丈差)を判りやすく図示したものである。
 図11Aは、図9のA-A’線に沿う断面図、図11Bは、図11A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図9に示すように、本実施形態の歯ブラシ60は、ヘッド部3の長手方向に内側毛束群12を2つに分離する中央毛束群13を有している。
 ヘッド部3は、ヘッド部3の外周に配列された外側毛束群11と、長手方向中央位置においてヘッド幅方向に亘って列をなす中央毛束群13と、外側毛束群11及び中央毛束群13によって周囲を囲まれた2つの内側毛束群12,12と、を有する。外側毛束A及び内側毛束Bの毛束構成は、第1実施形態と同様である。
 中央毛束群13は、外側毛束Aと同じ構成を成す複数の中央毛束Cによって構成されており、図10A及び図10Bに示すように、半毛束部c1、c2の毛丈t(c1)、t(c2)が、t(c1)>t(c2)を満たす関係となっている。具体的には、中央毛束Cの半毛束部c1の毛丈t(c1)が11.5mm、半毛束部c2の毛丈t(c2)が10.5mmである。
 中央毛束Cを構成する用毛は7.5milの両端ST毛であり、半毛束部c1の毛丈t(c1)が11.5mm、半毛束部c2の毛丈t(c2)が10.5mmとされている。中央毛束Cを構成する用毛の太さは、4mil~8milの範囲内が好ましく、6mil~8milの範囲内がさらに好ましく、上記した7.5milが最も好ましい。但し、これは「ふつう」の硬さの歯ブラシの場合であり、「やわらかめ」の歯ブラシの場合は、この限りではない。
半毛束部c1の毛丈t(c1)は、9mm~13mmの範囲内が好ましく、10mm~12mmの範囲内がさらに好ましく、上記した11.5mmが最も好ましい。半毛束部c2の毛丈t(c2)は、半毛束部c1の毛丈t(c1)から0.5~3mmの範囲で差を設けるのが好ましく、半毛束部c1の毛丈t(c1)との毛丈差が1~2mmであることがさらに好ましい。
 このように、中央毛束群13がヘッド幅方向の両外縁側に位置する2つの外側毛束A同士を繋ぐようにしてこれらの間で列をなすことで、内側毛束群12,12の周囲が外側毛束群11によって囲まれることと同じになる。これにより、ヘッド部3の長手方向に2つの凹部状の窪みが形成される。よって、ブラッシング時に、各窪み部分が一つの歯の周囲を包み込むようにしてフィットすることとなる。
 なお、本実施形態では、複数の中央毛束CがX方向に1列に並ぶ構成となっているが、これに限られず、複数の中央毛束CがX方向に複数列(2列以上3列以下)並んだ構成であってもよい。
また、複数の中央毛束Cが直線状に並んでいなくてもよく、隣り合う中央毛束CがY方向に互いの位置を異ならせた配置となっていてもよい。
 本実施形態の歯ブラシ60によれば、中央毛束群13により、歯間清掃を担う毛束が増えることに加えて、外側毛束群11の窪み領域が約1歯分に縮まることでより隙間への毛先フィット性が増すこととなる。
 本実施形態では、複数の中央毛束Cによって構成される毛束群が1列だけ設けられているが、複数列設けてもよい。
 なお、本実施形態の中央毛束Cを備えた構成は、他の実施形態においても適宜応用することができる。
[第7実施形態]
 次に、本発明の第7実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシの基本構成は、上記第1実施形態と略同様、外側毛束を構成する用毛はST毛であるが、内側毛束を構成する用毛がストレート毛である点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図3と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図12Aは、第7実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図12Bは、図12A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図12A及び図12Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ70は、第1実施形態と同様に外側毛束Aとして、毛先に向かって漸次径が細くなるテーパー用毛が用いられているが、内側毛束Bとして、毛先の丸め部を除いて径がほぼ同一であるストレート毛が用いられている。
 このような本実施形態の歯ブラシ70によれば、内側毛束Bの半毛束部b1、b2がいずれもストレート毛によって構成されているため、毛先の歯面に対する接触面積が増えて、歯面清掃性が向上する。
[第8実施形態]
 次に、本発明の第8実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、外側毛束がストレート毛及びST毛の混合毛から構成され、内側毛束がストレート毛から構成されている点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図3と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図13Aは、第8実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図13Bは、図13A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図13A及び図13Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ80は、ブラシ4を構成する毛束のうち、最も毛丈の長い外側毛束Aの半毛束部a1のみがST毛とされ、それ以外の半毛束部a2、b1、b2がストレート毛となっている。すなわち、内側毛束Bの半毛束部b1及び半毛束部b2はいずれもストレート毛から構成されている。外側毛束Aは、片側のみが各用毛の毛先にかけて先鋭化された片端ST毛を2つに折りにして平線7を挟んで植設されている。
 本実施形態の歯ブラシ80によれば、最も毛丈が長い半毛束部a1の毛先が各用毛の毛先にかけて先鋭化されていることで、高いスキマ清掃性は確保される。一方、それ以外の半毛束部a2、b1、b2がいずれもストレート毛なので、歯面に対する接触面積が増えて、歯面の清掃効率が向上する。
[第9実施形態]
 次に、本発明の第9実施形態の歯ブラシについて説明する。
 以下に示す本実施形態の歯ブラシの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、ブラシを構成する全ての毛束がストレート毛から構成されている点において異なる。よって、以下の説明では、異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1~図3と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
 図14Aは、第9実施形態におけるヘッド部の構成を模式的に示す図である。図14Bは、図14A中における破線で囲んだ領域の拡大図であって、ヘッド部の幅方向一方側(-X側)に位置する毛束を示す。
 図14A及び図14Bに示すように、本実施形態の歯ブラシ90は、ブラシ4を構成する全ての毛束がストレート毛とされている。すなわち、外側毛束Aの各半毛束部a1,a2及び内側毛束Bの各半毛束部b1、b2の全てがストレート毛から構成されている。
 本実施形態の歯ブラシ90によれば、外側毛束A及び内側毛束Bにおける全ての半毛束部a1,a2,b1,b2がストレート毛で構成されているため、歯面に対する接触面積が増えて、歯面の清掃効率がさらに向上する。また、歯ブラシ90は、巨視的に見ると中央部分が窪んだ形状となっているため、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。
 以上述べたように、各実施形態におけるワイドヘッド仕様の歯ブラシによれば、多くの毛束で複数の清掃部位を磨くことができるため清掃効率に優れているとともに、歯茎に対する優しい当たり心地を得ることができる。
 以下、実施例によって本願発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(実施例1~9、および比較例1~4の歯ブラシの作製)
 表1に示す仕様に基づいて、上記した第1実施形態~第9実施形態を基礎とする実施例1~9の歯ブラシD1~D9を作製した。ここでは、各実施例において、毛束の配列パターンがそれぞれ異なる、2種類~4種類の歯ブラシD1(1)~D9(4)を用意した。
 また、表2に示す仕様に基づいて、比較例1~5の歯ブラシE1~E4を作製した。比較例においても、1種類あるいは複数種類の歯ブラシE1(1)~E4(4)を用意した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
 表2に示すように、比較例1の歯ブラシE1は、外側毛束A及び内側毛束Bがいずれも11.5mmで同じ毛丈とされている。
 比較例2の歯ブラシE2は、外側毛束Aよりも内側毛束Bの方が短い毛丈を有し、いずれの毛束A,Bも同一毛束内で毛丈の等しい用毛により構成されている。具体的には、外側毛束Aの半毛束部a1,a2はそれぞれ11.5mm、内側毛束Bの半毛束部b1、b2がそれぞれ10.5mmである。
 比較例3の歯ブラシE3は、外側毛束A及び内側毛束Bが同様の構成とされ、一方の半毛束部a1、b1が11.5mm、他方の半毛束部a2、b2が10.5mmである。
 比較例4の歯ブラシE4は、実施例1(1)の構成を基本とし、ヘッド幅が12mmであり、ヘッド幅方向に4列、ヘッド長さ方向に9列の毛束が配置されている。
 ここでは、実施例1~9の歯ブラシD1~D9、及び比較例1~4の歯ブラシD1~D4における歯間及び歯頸部の清掃性、歯茎への優しい当たり心地についてそれぞれの評価を行った。
 評価は、10人のモニターが各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の評価を下記基準で評価した。
 モニター10人の平均点が6.0以上を◎+、5.5以上を◎、平均点5.0以上を○+、平均点4.5以上を○、平均点4.0以上を○-、平均点3.5以上を△、平均点3.0以上を△-、平均点3.0未満を×とした。評価基準は以下の通り。
 比較例1と比較した場合の「歯間・歯頸部の汚れを落とした感じ」を評価する。
 7点:非常に強く感じる、6点:強く感じる、5点:感じる、4点:同等、3点:あまり感じない、2点:感じない、1点:全く感じない(他の評価においても同様)
 この結果を、表1及び表2に示す。
 表1に示すように、実施例1に示す条件にすると、歯間及び歯頸部の清掃性、歯茎への優しい当たり心地に関して、比較例よりも良い評価となった。パターン(1)~(4)は、いずれも巨視的に見ると、外側毛束Aの半毛束部a1の毛丈(>半毛束部a2の毛丈)が、内側毛束Bの半毛束部b1,b2の毛丈よりも長いため、ヘッド幅方向において中央部分が窪んだ形状となっている。そのため、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすいという特徴は確保されている。したがって、各派生パターン間における使用性及び機能面での明確な差は生じない。
 実施例2に示す条件では、歯間及び歯頸部の清掃性が良好となり、歯茎への当たり心地は得に良好な結果が得られた。実施例2の歯ブラシD2は、全ての半毛束部a1,a2,b1,b2間で毛丈が異なっており、これにより実施例1と比べて圧力負荷に対するクッション性が増し、優しい当たり心地が向上した。実施例2における各派生パターン間における使用性及び機能面での明確な差は生じない。
 実施例3に示す条件では、歯間及び歯頸部の清掃性に関して特に良好な結果が得られた。また、歯茎への優しい当たり心地に関しても良好な結果が得られた。
 実施例3の歯ブラシD3は、全ての半毛束部a1,a2,b1,b2間で毛丈が異なる点は実施例2と同じであるが、半毛束部a2よりも半毛束部b1の毛丈が長いこと、さらに、同一毛束内での段差が2mmと長い点が異なる。特に後者は、使用面及び機能面で違いを与えており、半毛束部の突出量が大きいため、毛先が動く自由度とクッション性が増し、スキマへの清掃性、ならびに優しい当たり心地が向上する。
 実施例4及び実施例5に示す条件では、歯間及び歯頸部の清掃性、歯茎への優しい当たり心地に関して、比較例よりも良好な結果が得られた。
 歯ブラシD4,D5は、外側毛束A及び内側毛束Bのいずれかが「等分折り」で植設されており、各毛束内で段差のない構成となっている。
 ブラシ全体において、巨視的に見ると半毛束部a1の毛丈(>半毛束部a2の毛丈)の方が半毛束部b1,b2の毛丈よりも長いので、ヘッド幅方向で中央部分が窪んだ形状となっている。このため、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、ブラシの毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。
 実施例6に示す条件では、歯間及び歯頸部の清掃性が特に良好となり、歯茎への優しい当たり心地に関しても良い結果が得られた。
 歯ブラシD6は、外側毛束A及び内側毛束Bの他に中央毛束Cを有している。中央毛束Cにより、歯間清掃を担う毛束が増える。また、ヘッド長さ方向に2つに分断される内側毛束Bの窪み領域が約1歯分に縮まることで、より隙間への毛先フィット性が向上する。
 実施例7に示す条件では、歯間及び歯頸部の清掃性が良好であるものの、歯茎への当たり心地は若干低下する。歯ブラシD7は、内側毛束Bが両端ストレート毛により構成されているためであるが、オフセット植毛によりブラシ内に段差が設けられており、また前記毛束は歯面清掃を担う部分であることから、歯茎への優しい当たり心地は比較例より確保されている。
 実施例8に示す条件においても、歯間及び歯頸部の清掃性は良好であるが、歯茎への当たり心地は若干低下する。歯ブラシD8は、外側毛束Aの半毛束部a1のみがST毛であり、他の半毛束部a2及び内側毛束Bの半毛束部b1,b2のいずれもストレート毛とされている。そのため、全ての毛先がST毛で構成された他の実施例の歯ブラシと比べて、隙間への進入性及び歯茎への優しい当たり心地は劣る。しかしながら、最も長い毛丈を有する外側毛束Aの半毛束部a1の毛先が先鋭化されていることで、比較例1~4に比べれば隙間への進入性は高い。
 実施例9に示す条件では、実施例1の条件を基礎として、外側毛束A及び内側毛束Bにおける全ての半毛束部a1,a2,b1,b2がストレート毛で構成されているため、すき間の清掃性は低下する。しかしながら、歯ブラシD9は、巨視的に見ると中央部分が窪んだ形状となっているため、ブラッシング時にブラシ全体で歯を包み、毛先が隙間に到達しやすい特徴は確保されている。
 比較例1に示す条件では、外側毛束A及び内側毛束Bの毛丈が等しいため、歯間及び歯頸部の清掃性、歯茎への優しい当たり心地が、実施例よりも劣る評価となった。
 比較例2に示す条件では、外側毛束A及び内側毛束Bは互いの毛丈が異なるものの、それぞれ等分折りで植設されているため、ブラシ全体の段差形成が2段階である。そのため、比較例1と比べて隙間清掃性及び歯茎への当たり心地は改善されるものの、上記各実施例よりは劣る結果となった。
 比較例3に示す条件では、外側毛束A及び内側毛束Bの毛束構成が同じであり、互いの半毛束部どうしが同じ段差幅で植設されているため、ブラシ全体の段差形状が2段階である。そのため、内側毛束群において凹部形成が不十分となり、比較例1と比べて隙間清掃性及び歯茎への当たり心地は改善されるものの、上記各実施例よりは劣る結果となった。
 比較例4に示す条件では、実施例1の条件を基礎にしてヘッド幅のみを縮小している。
具体的には、ヘッド幅方向の毛束を4列にして、ヘッド幅を12mmにした。この場合、毛束数が少ないため、清掃効率を向上させることができない。また、クッション性も低くなる。このため、隙間の清掃性や歯茎への当たり心地は、上記各実施例よりもかなり劣る結果となった。
 以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
 外側毛束Aと内側毛束Bの穴配列(格子・千鳥)も特に限定されるものではない。
 また、外側毛束Aは1列に限るものではなく、ヘッド幅に余裕があれば、毛束径を調整したうえで、複数列(例えば2列)の構成にしても良い。
 上述した各実施形態では、両端ST毛、片端ST毛・両端ストレート毛を用いたが、両端ST毛における各両端の毛先径を互いに異ならせても良い。また、毛先形状も、これに限定されるものではなく、最も毛丈が高い外側毛束Aの半毛束部a1を除いて、分岐毛先毛を用いても良い。
 用毛の断面形状も、円形に限定されるものではない。
 2…ハンドル体、3…ヘッド部、3a…植毛面、4…ブラシ、5,6…植毛穴、7…平線、A…外側毛束、B…内側毛束、C…中央毛束、10,20,30,40,50,60,70,80,90,D1~D9,E1~E4…歯ブラシ、t(a1),t(a2),t(b1),t(b2),t(c1),t(c2),…毛丈、a1,a2,b1,b2,c1,c2…半毛束部、M1,M2…毛丈差

Claims (10)

  1.  植毛面に複数の毛束が植設されているヘッド部と、前記ヘッド部から延在するハンドル体を有し、
     前記ハンドル体の延在方向に交差する幅方向における前記ヘッド部の寸法が13mm以上とされており、
     前記ヘッド部は、任意の高さの用毛からなる外側毛束と、一つの毛束内で最も高さを有する用毛が、前記外側毛束内で最も高さを有する用毛よりも低い高さである内側毛束と、を有し、
     複数の前記外側毛束が複数の前記内側毛束の周囲を囲うようにして設けられ、
     前記外側毛束及び前記内側毛束のうち少なくともいずれか一方は、互いに毛丈の異なる2つの半毛束部を有していることを特徴とする歯ブラシ。
  2.  前記ヘッド部の長手方向に前記複数の内側毛束を2つに分離する複数の中央毛束を有し、
     前記中央毛束の毛丈は前記外側毛束の毛丈と等しい
     請求項1に記載の歯ブラシ。
  3.  前記外側毛束の一方の半毛束部と前記内側毛束の一方の半毛束部とが同じ毛丈とされている
     請求項1または2に記載の歯ブラシ。
  4.  前記外側毛束の各半毛束部及び前記内側毛束の各半毛束部の毛丈が全て異なっている
     請求項1または2に記載の歯ブラシ。
  5.  前記外側毛束の各半毛束部どうしの差、前記内側毛束の各半毛束部どうしの差が、それぞれ1mm以上である
     請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
  6.  前記ヘッド部の前記幅方向の1列を構成する毛束の数が最大5つ以上である
     請求項1から5のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
  7.  前記外側毛束及び前記内側毛束のうち少なくともいずれか一方が、毛先が先鋭化された複数の用毛を含む
     請求項1から6のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
  8.  前記外側毛束及び前記内側毛束は、二つ折りされた毛束の間に挟み込まれた平線が、前記植毛面に形成された植毛穴に打ち込まれたことにより植設され、2つの前記半毛束部が前記平線を挟んで形成された
     請求項1から7のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
  9.  前記ヘッド部の幅方向両側で最も外側に存在する2つの前記植毛穴における、外側の穴縁間の距離が10mm以上である
     請求項8に記載の歯ブラシ。
  10.  前記ヘッド部の最も外側に位置する複数の前記植毛穴の各穴縁を結んで囲まれた植毛領域が、1.5cm以上とされている
     請求項8または9に記載の歯ブラシ。
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