JP2021083937A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
歯ブラシ10は、図1に示すように、ハンドル体2と、ハンドル体2に延設されたヘッド部3とが一体成形されたものである。
複数の外側毛束20は、植毛面3aの周縁に設けられた各植毛穴5に植設されることで内側毛束30の周囲を囲む外側毛束群を構成している。複数の内側毛束30は、植毛面3aの中央寄りに植毛穴5よりも内側に設けられた複数の植毛穴6に植設されることで内側毛束群を構成している。本実施形態では、植毛穴5,6が格子状に配列されている。
本実施形態では、図2に示すように、外側毛束20は、互いに毛丈の異なる半毛束部21aおよび半毛束部21bを有している。毛丈は、植毛面3aから外側毛束20の先端までのZ方向の距離である。すなわち、外側毛束20は、それぞれ平線7を挟んだ一方の半毛束部21aと他方の半毛束部21bとで高低差を設けて植設された複数の用毛22によって構成されている。
図3に示すように、先端分岐毛22の先端には、分岐部22aおよび分岐部22bが設けられている。分岐部22aは、半毛束部21aの一部を構成する。分岐部22bは、半毛束部21bの一部を構成する。
分岐部22aおよび分岐部22bの分岐長L1としては、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。また、分岐部22aおよび分岐部22bの分岐長L1としては、6.0mm以下が好ましく、4.0mm以下がより好ましく、3.0mm以下がさらに好ましく、2.5mm以下が特に好ましく、2.0mm以下が最も好ましい。
分岐部22aを含む用毛22の毛丈は、分岐部22bを含む用毛22の毛丈よりも短い。すなわち、半毛束部21aの毛丈は、半毛束部21bの毛丈よりも短い。
毛丈差L2が0.5mm未満の場合、外側毛束20において、毛先が撓む際に分岐部22aと分岐部22bとが干渉する領域が長くなり、緩衝材としての機能が低下して当たり心地が損なわれる可能性がある。毛丈差L2が2.0mmを超えた場合、外側毛束20において、分岐部22bが分岐部22aに支えられる長さが短くなることで毛腰が低下して、口腔内の清掃力を確保できない可能性がある。また、分岐部22bの毛先が撓んでも分岐部22aが歯茎と接触しにくく、歯茎への圧力が局所的となり、当たり心地が損なわれる可能性がある。そのため、毛丈差L2を0.5mm以上、2.0mm以下とすることにより、当たり心地の向上および清掃力の向上を図ることができる。
すなわち、L2/L1で表される数値の下限値は、0.08以上であることが好ましく、0.17以上であることがより好ましい。
L2/L1で表される数値の上限値は、4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。
L2/L1で表される数値が0.08未満の場合、外側毛束20において、毛先が撓む際に分岐部22aと分岐部22bとが干渉する領域が長くなり、緩衝材としての機能が低下して当たり心地が損なわれる可能性がある。L2/L1で表される数値が4.0を超えた場合、外側毛束20において、分岐部22bにおいて分岐部22aに支えられる長さが短くなることで毛腰が低下して、口腔内の清掃力を確保できない可能性がある。また、分岐部22bの毛先が撓んでも分岐部22aが歯茎と接触しにくく、歯茎への圧力が局所的となり、当たり心地が損なわれる可能性がある。そのため、L2/L1で表される数値を0.08以上、4.0以下とすることにより、当たり心地の向上および清掃力の向上を図ることができる。
分岐部22aと分岐部22bとのオーバーラップ量(すなわち、L1−L2)としては、0.1mm以上、5.5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上、3.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下であることがさらに好ましい。
すなわち、オーバーラップ量の下限値は、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
オーバーラップ量の上限値は、5.5mm以下であることが好ましく、3.0mm以下であることがより好ましく、2.0mm以下であることがさらに好ましい。
分岐部22aと分岐部22bとのオーバーラップ量としては、最大毛丈の0.8%以上、61.1%以下が好ましく、3.8%以上、33.3%以下であることがより好ましく、3.8%%以上、22.2%以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
[表1]に示す仕様にしたがって実施例1〜6、比較例1〜3のサンプルを作製した。
具体的には、外側毛束の折りたたみについて、実施例1〜6、比較例2〜3のサンプルは非対称(半毛束部の毛丈が異なる)とし、比較例1のサンプルは対称(半毛束部の毛丈が同一)とした。
(実施例1)
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・分岐ストレート毛:分岐数5つ、L1=2mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐ストレート毛:分岐数5つ、L1=2mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=12mm、半毛束21a=11mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=2mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=2mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=12mm、半毛束21a=11mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・テーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=2mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=12mm、半毛束21a=11mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・テーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=0mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=11mm、半毛束21a=10mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・テーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=2mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=11mm、半毛束21a=10mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・スパイラルテーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐テーパー毛:分岐数3つ、L1=2mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm、L1−L2=1mm、図3に示す態様。
・毛丈:半毛束21b=11mm、半毛束21a=10mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・分岐ストレート毛:分岐数5つ、L1=2mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・分岐ストレート毛:分岐数5つ、L1=2mm
・折りたたみ(対称):L2=0mm
・毛丈:半毛束21b=半毛束21a=12mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・ストレート毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・ストレート毛:分岐数0つ、L1=0mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm
・毛丈:半毛束21b=12mm、半毛束21a=11mm
内側毛束の用毛
・用毛径(直径):6.5mil
・テーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・最大毛丈=12mm
外側毛束の用毛
・用毛径(直径):8.0mil
・テーパー毛:分岐数0つ、L1=0mm
・折りたたみ(非対称):L2=1mm
・毛丈:半毛束21b=12mm、半毛束21a=11mm
歯ブラシの当たり心地、清掃実感、歯周ポケット清掃力のそれぞれについて、実施例1〜6、比較例1〜3のサンプルに対して評価した。
<当たり心地の評価>
10人の専門化パネルが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯茎への当たり心地を下記の評価基準で評価した。10人の専門化パネルの平均点に基づき下記の評価とした。専門化パネル10人の平均点が5.5点以上を「◎(Very Good)」、平均点4.0点以上5.5点未満を「○(Good)」、平均点2.5点以上4.0点未満を「△(Not Bad)」、平均点2.5点未満を「×(Bad)」とした。
<評価基準>
7点:当たり心地が非常によい。
6点:当たり心地がかなりよい。
5点:当たり心地がややよい。
4点:どちらともいえない。
3点:当たり心地がやや悪い。
2点:当たり心地がかなり悪い。
1点:当たり心地が非常に悪い。
10人の専門化パネルが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の清掃実感(口腔内全体の清掃実感)を下記の評価基準で評価した。10人の専門化パネルの平均点に基づき下記の評価とした。専門化パネル10人の平均点が5.5点以上を「◎(Very Good)」、平均点4.0点以上5.5点未満を「○(Good)」、平均点2.5点以上4.0点未満を「△(Not Bad)」、平均点2.5点未満を「×(Bad)」とした。
<評価基準>
7点:清掃実感が非常によい。
6点:清掃実感がかなりよい。
5点:清掃実感がややよい。
4点:どちらともいえない。
3点:清掃実感がやや悪い。
2点:清掃実感がかなり悪い。
1点:清掃実感が非常に悪い。
10人の専門化パネルが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯周ポケットの清掃効果を下記の評価基準で評価した。10人の専門化パネルの平均点に基づき下記の評価とした。専門化パネル10人の平均点が6.0点以上を「◎+(Special Good)」、5.5点以上6.0点未満を「◎(Very Good)」、平均点4.0点以上5.5点未満を「○(Good)」、平均点2.5点以上4.0点未満を「△(Not Bad)」、平均点2.5点未満を「×(Bad)」とした。
<評価基準>
7点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触を非常に強く感じる。
6点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触をかなり強く感じる。
5点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触をやや強く感じる。
4点:どちらともいえない。
3点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触をあまり感じない。
2点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触をほとんど感じない。
1点:歯周ポケットの汚れが落ちた感触を全く感じない。
実施例5の内側毛束の用毛をテーパー毛からスパイラルテーパー毛に変えた実施例6は、歯周ポケット清掃力について実施例5よりも、さらに良好な評価が得られた。
オーバーラップ量L3としては、0.5mm以上、5.5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上、3.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下であることがさらに好ましい。
オーバーラップ量L3としては、最大毛丈の3.8%以上、61.1%以下が好ましく、3.8%以上、33.3%以下であることがより好ましく、3.8%以上、22.2%以下であることがさらに好ましい。
図4において、L2<L1≦(L2+L3)の場合(すなわち図5の態様の場合)も、上述したオーバーラップ量を選択することが好ましい。
Claims (9)
- 植毛面に複数の毛束が植設されているヘッド部と、前記ヘッド部から延びるハンドル体を有し、
前記毛束は、最外周に配置される外側毛束と、前記外側毛束の内側に配置される内側毛束とを有し、
前記外側毛束は、長さ方向の両側で用毛の先端を分岐させた先端分岐毛が二つ折りされて形成され、互いに毛丈の異なる2つの半毛束部を有していることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記用毛は、先端に向かって先細るテーパー毛である、
請求項1に記載の歯ブラシ。 - 前記内側毛束は、複数の第2用毛を有し、
前記第2用毛は、先端に向かって先細るテーパー毛である、
請求項1または2に記載の歯ブラシ。 - 前記内側毛束の毛丈は、前記外側毛束の毛丈よりも長い、
請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記2つの半毛束部のうち、外側の前記半毛束部は内側の前記半毛束部よりも短い、
請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記2つの半毛束部の毛丈の差は、0.5mm以上、2.0mm以下であり、
前記先端分岐毛において分岐した長さをL1、前記2つの半毛束部の毛丈の差をL2とすると、L2/L1で表される数値は、0.08以上、4.0以下である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記先端分岐毛の先端は、二つ以上に分岐されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記用毛の直径は、6mil以上、9mil以下である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記内側毛束を構成する第2用毛の直径は、5mil以上、7mil以下である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
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