JP2016209097A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、歯肉に対するマッサージ効果、及び歯周ポケットの清掃力を向上可能で、かつブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を継続的に供給することの可能な歯ブラシを提供することを目的とする。
【解決手段】植毛面11aの中央部に配置された第1の植毛領域11−1と、第1の植毛領域11−1の外側に配置され、ヘッド部11の幅方向の両側に設けられた第2の植毛領域11−2と、第1の植毛領域11−1に設けられ、ヘッド部11の長さ方向に配列された複数の第1の毛束15と、一対の第2の植毛領域11−2に設けられ、ヘッド部11の長さ方向に配列された複数の第2の毛束16と、を有し、複数の第2の毛束19は、先端分岐部を有する先端分岐毛で構成されており、第2の毛束19の高さは、第1の毛束の高さ18よりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低い。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯ブラシに関する。
歯周病の予防・改善には、歯間や歯頸部(歯周ポケット)のプラークを掻き出した後、殺菌剤などの有効成分を含有する口腔用製剤によって原因となる病原性細菌を死滅させることが有効であるとされている。
そのため、効果的に口腔用製剤を届けることが重要となる。また、歯ブラシの使用者が歯周病を発症し、歯肉に炎症がある場合、歯肉全体に薬剤をより作用させ、さらに歯肉を傷めずにマッサージ効果を得ることが症状改善に繋がる。
歯間や、歯周ポケットを含む歯頸部へ口腔製剤を最大限に届け、及び清掃効果を改善するために開発された従来の歯ブラシでは、歯間・歯頸部だけでなく、歯肉に対して口腔用製剤を十分に持続的に供給させ、かつ歯肉に対するソフトな当たり心地を得るには不十分であった。また、従来の歯ブラシでは、長時間ブラッシングを行うと唾液で口腔用製剤が希釈されるため、口腔用製剤の濃度が薄くなってしまう。
こうした問題に対して、特許文献1には、植毛面の中央部に配置された複数の第1の毛束からなる第1の毛束群と、第1の毛束群の両側に配置され、第1の毛束よりも高さが高く、毛先細分化された用毛で構成された複数の第2の毛束からなる第2の毛束群と、を有する歯ブラシが開示されている。特許文献1の発明によれば、歯周ポケットへの清掃性の向上と歯肉に対するソフトな当たり心地とが図られている。
特開平11−244048号公報
しかしながら、特許文献1に開示された歯ブラシでは、長時間のブラッシングを行っていると、口腔用製剤が唾液などで希釈され、第2の毛束群の外側に流れて、口腔内に分散してしまう。
これを勘案すると、特許文献1の第2の毛束群は、口腔内に分散した口腔用製剤が第1の毛束群に移動することを邪魔する壁となる。このため、ブラッシング中に継続して、第一の毛束群に口腔用製剤を保持させることが困難であった。
したがって、ブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を継続して供給することができないという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、歯肉に対するマッサージ効果、及び歯周ポケットの清掃力を向上可能で、かつブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を継続的に供給することが可能な歯ブラシを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る歯ブラシは、ヘッド部の植毛面の中央部に配置され、該ヘッド部の長さ方向に延在する第1の植毛領域と、前記第1の植毛領域の外側に配置され、かつ前記ヘッド部の幅方向の両側に設けられた一対の第2の植毛領域と、前記第1の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第1の毛束と、前記一対の第2の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第2の毛束と、を有し、前記複数の第2の毛束は、分岐された先端分岐部を有する先端分岐毛で構成されており、前記第2の毛束の高さは、前記第1の毛束の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低いことを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1の毛束を構成する用毛は、テーパー毛であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記植毛面の面積を100%としたときの前記第2の植毛領域の面積の割合は、30%以上80%以下の範囲内であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1の植毛領域に設けられ、前記第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴と、前記第2の植毛領域に設けられ、前記第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴と、を有し、前記第2の植毛穴の穴径は、前記第1の植毛穴の穴径よりも大きくてもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記先端分岐部の長さは、1.0mm以上4.0mm以下の範囲内であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記一対の第2の植毛領域は、前記第1の植毛領域の先端及び後端を開放するように配置してもよい。
本発明によれば、歯肉に対するマッサージ効果、及び歯周ポケットの清掃力を向上でき、かつブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を長時間供給することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。 図1に示す歯ブラシのA−A線方向の断面図である。 第2の毛束を構成する先端分岐毛の一例を示す側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。 比較例1の歯ブラシの主要部をヘッド部の先端側から見た図である。 比較例2の歯ブラシの主要部をヘッド部の先端側から見た図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の歯ブラシの寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図2は、図1に示す歯ブラシのA−A線方向の断面図である。
図1において、X方向はヘッド部11の長さ方向(延在方向)、Y方向はヘッド部11の幅方向を示している。図2において、Z方向は第1及び第2の毛束18,19の高さ方向、H1は植毛面11aを基準としたときの第1の毛束18の高さ(以下、「高さH1」という)、H2は植毛面11aを基準としたときの第2の毛束19の高さ(以下、「高さH2」という)、Dは第1の毛束18の高さH1から第2の毛束19の高さH2を引いた高さの差(以下、「差D」という)をそれぞれ示している。
また、図2では、第2の毛束19の一例として、第2の毛束19をテーパー毛で構成した場合を例に挙げて図示する。
図1及び図2において、同一構成部分には、同一符号を付す。
図1及び図2を参照するに、第1の実施の形態の歯ブラシ10は、長尺のハンドル体13と、ブラシ部14と、を有する。
ハンドル体13は、先端に配置されたヘッド部11と、ネック部21と、ハンドル部(図示せず)と、が一体に構成された部材である。
ヘッド部11は、X方向に延在する部材である。ヘッド部11の大きさは、口腔内での操作性等を考慮して設定され、例えば、最大幅が8〜15mm、長さが15〜40mm、厚さが4〜8mmの範囲内で適宜設定することができる。
ヘッド部11は、植毛面11aと、複数の第1の植毛穴15と、複数の第2の植毛穴16と、を有する。植毛面11aは、第1の植毛領域11−1と、一対の第2の植毛領域11−2と、を有する。
第1の植毛領域11−1は、複数の第1の植毛穴15の外縁を結ぶことで区画される領域である。第1の植毛領域11−1は、X方向に延在するように、植毛面11aの中央部に配置されている。X方向に位置する第1の植毛領域11−1の両端部は、先の細い略三角形状とされている。
一対の第2の植毛領域11−2は、第1の植毛領域11−1の外側に配置され、ヘッド部11の幅方向(Y方向)の両側に設けられている。これにより、一対の第2の植毛領域11−2は、第1の植毛領域11−1を介して、対向するように配置されている。
一対の第2の植毛領域11−2は、第1の植毛領域11−1の先端及び後端を開放するように配置されている。一対の第2の植毛領域11−2は、X方向に延在するように配置されている。一対の第2の植毛領域11−2の両端は、X方向に延在するヘッド部11の中心線に向かう方向に湾曲している。
第2の植毛領域11−2は、第2の植毛領域11−2を構成する複数の第2の植毛穴16の外縁を結ぶことで区画される領域である。
複数の第1の植毛穴15は、第1の植毛領域11−1に設けられている。X方向に位置する第1の植毛領域11−1の両端には、それぞれ1つの第1の植毛穴15が設けられている。そして、この2つの第1の植毛穴15間には、残りの第1の植毛穴15が、X方向に延在するように2列で配置されている。
複数の第2の植毛穴16は、第2の植毛領域11−2に設けられている。複数の第2の植毛穴16は、第2の植毛領域11−2の延在方向に対して1列となるように、所定の間隔で配置されている。
第2の植毛穴16の穴径は、第1の植毛穴15の穴径と等しくなるように構成されている。第1及び第2の植毛穴16の穴径は、例えば、φ1.0mm〜2.0mmの範囲内で適宜設定することができる。
ブラシ部14は、複数の第1の毛束18と、複数の第2の毛束19と、で構成されている。
第1の毛束18は、複数の第1の植毛穴15に設けられている。第1の毛束18の高さH1は、第2の毛束19の高さH2を考慮して、例えば、8mm〜13mmの範囲内で適宜設定することができる。
第1の毛束18は、複数の用毛23で構成されている。用毛23としては、例えば、ストレート毛やテーパー毛(先端に向かうにつれて先鋭形状とされた用毛)等を用いることが可能であるが、テーパー毛を用いることが好ましい。
このように、第1の毛束18をテーパー毛で構成することで、第1の毛束18の先端部を歯頸部に挿入しやすくなるため、歯頸部の清掃力を向上させることができる。
用毛23の横断面形状は、特に限定されず、例えば、真円形、楕円形、多角形等を用いることができる。用毛23の横断面形状が真円形状の場合、用毛23の最大径(直径が最も大きい部分)は、例えば、4〜10mil(1mil=0.0254mm)の範囲内で適宜設定することができる。用毛23の長さ方向において、用毛23の径は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、第1の植毛穴15に植毛する用毛23の本数(言い換えれば、第1の毛束18を構成する用毛23の数)は、特に限定されない。第1の植毛穴15に植毛する用毛23の本数は、第1の植毛穴15の穴径や用毛23の太さに合わせて適宜設定することができる。
第2の毛束19は、複数の第2の植毛穴16に設けられている。複数の第2の毛束19は、ヘッド部11の先端及び後端に配置された第1の毛束18を露出するように配置されている。言い換えれば、複数の第1の毛束18からなる第1の毛束群のX方向側に位置する両端は、複数の第2の毛束19から開放されている。つまり、複数の第2の毛束19は、複数の第1の毛束18を囲むように配置されていない。
このような構成とすることで、歯ブラシ10を用いてバス法でブラッシングを行う際、第1の毛束18がブラッシング方向に撓みやすくなる。そして、第1の毛束18がブラッシング方向に撓むと、歯間部や歯周ポケットに入りやすくなるため、これらの部位の清掃力を確保することができる。
図3は、第2の毛束を構成する先端分岐毛の一例を示す側面図である。図3において、Cは先端分岐部25Aの長さ(以下、「長さC」という)を示している。
図1及び図2に示す第2の毛束19は、図3に示す形状とされた複数の先端分岐毛25で構成されている。複数の先端分岐毛25は、分岐された先端部である先端分岐部25Aを有する。
このように、第1の植毛領域11−1の外側に位置する一対の第2の植毛領域11−2に、先端分岐部25Aを有する複数の先端分岐毛25からなる第2の毛束19を複数配置することで、ブラシ部14から口腔内に分散し、唾液などによって希釈された口腔用製剤を複数の先端分岐部25Aを用いて、再度保持することが可能となる。
これにより、ブラッシング時において、歯間部、歯頸部、及び歯肉に十分な量の口腔用製剤を長時間供給することができる。
また、先端分岐部25Aを有する先端分岐毛25を用いて、第2の毛束19を構成することで、歯肉に対するマッサージ効果を得ることができる。これにより、歯周病の改善を図ることが可能となる。
先端分岐毛25としては、例えば、公知のものを用いることができる。具体的には、先端分岐毛25としては、例えば、長さ方向に延在する複数の中空部を有する用毛の先端に裁断処理を施したフェザード毛や、分岐した各々の分岐部が先端に向かうにつれて縮径されたテーパー分岐毛等を例示することができる。
フェザード毛としては、例えば、特開2005−131059号公報等に開示されたものを用いることができる。
テーパー分岐毛としては、例えば、特開2003−339445号公報、特開2010−82094号公報、特開2003−199626号公報、特開2001−169827号公報、特開平9−98837号公報、特許第3547672号公報、特開2003−339445号公報、特開2013−39268号公報等に開示されたものを用いることができる。
先端分岐毛25の先端分岐部25Aの分岐数は、例えば、3以上15以下が好ましく、フェザード毛の場合は、4〜10の範囲内がより好ましい。先端分岐部25Aの分岐数が3よりも少ないと、口腔用製剤を保持可能な時間が短くなる恐れがある。
一方、先端分岐部25Aの分岐数が15よりも多いと、先端分岐部25Aの径が細くなることから毛腰が柔らかくなりすぎるため、十分な清掃力を発揮することが困難となる恐れがある。さらに先端分岐部25Aが千切れやすくなるという品質面の懸念も発生する恐れがある。
したがって、先端分岐毛25の先端分岐部25Aの分岐数を3以上15以下とすることで、口腔用製剤を十分な時間保持可能になるとともに、先端分岐部25Aが十分な清掃力を発揮することができる。
先端分岐部25Aの長さCは、例えば、1.0mm以上4.0mm以下の範囲内で設定するとよい。先端分岐部25Aの長さCが1.0mmよりも短いと、先端分岐部25Aが十分な量の口腔用製剤を保持することが困難となる恐れがある。
一方、先端分岐部25Aの長さCが4.0mmよりも長いと、先端分岐部25Aの毛腰が柔らかくなりすぎるため、十分な清掃力を発揮することが困難となる恐れがある。
したがって、先端分岐部25Aの長さCを1.0mm以上4.0mm以下の範囲内とすることで、ブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を保持できるとともに、十分な清掃力を発揮することができる。
先端分岐部25A以外の部分の先端分岐毛25の横断面形状は、特に限定されず、例えば、真円形、楕円形、多角形等を用いることができる。横断面形状が真円形状の場合、先端分岐毛25(但し、先端分岐部25Aを除く)の最大径(直径が最も大きい部分)は、例えば、4〜10mil(1mil=0.0254mm)の範囲内で適宜設定することができる。分岐数及び分岐径を確保する観点で、先端分岐毛25の最大径は、例えば、6〜10milの範囲内がより好ましい。
先端分岐毛25の長さ方向において、先端分岐部25Aを除く先端分岐毛25の径は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
第2の毛束19の高さH2は、第1の毛束18の高さH1よりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低くなるように構成されている。
言い換えれば、ブラシ部14は、第1の毛束18の高さH1と第2の毛束19の高さH2との差D(=H1−H2)が、0.5mm以上2.5mm以下の範囲内となるように構成されている。
第1及び第2の毛束18,19の高さH1,H2の差Dが0.5mmよりも小さいと、第2の毛束19の先端からの第1の毛束18の先端部の突出量が小さくなる。このため、歯周ポケット内に第1の毛束18を挿入しにくくなり、歯周ポケットの清掃力を向上させることが困難となる恐れがある。
また、第1及び第2の毛束18,19の高さH1,H2の差Dが2.5mmよりも大きいと、歯頸部及び歯間部に第2の毛束19が進入ににくくなるため、歯頸部及び歯間部の清掃力を向上させることが困難となる恐れがある。
したがって、第1の毛束18の高さH1と第2の毛束19の高さH2との差Dを、0.5mm以上2.5mm以下の範囲内にすることで、歯周ポケット、歯頸部、及び歯間部の清掃力を向上させることができる。
第2の毛束19の高さH2は、上記差Dが0.5mm以上2.5mm以下となるように、例えば、8mm〜13mmの範囲内で適宜設定することができる。
植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域11−2の面積(第2の植毛領域11−2を構成する複数の第2の植毛穴16の外縁を結んだ領域の面積)の割合は、例えば、30%以上80%以下にするとよい。
第2の植毛領域11−2の面積の割合が30%よりも少ないと、第2の毛束19の先端を構成する複数の先端分岐部25Aが十分な量の口腔用製剤を保持することが困難となる恐れがある。
一方、第2の植毛領域11−2の面積の割合が80%よりも多いと、ブラシ部14全体の毛腰が柔らかくなりすぎるため、第2の毛束19による清掃力が低下する恐れがある。
したがって、植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域11−2の面積の割合を30%以上80%以下にすることで、第2の毛束19が十分な量の口腔用製剤を保持することができるとともに、第2の毛束19による清掃力を十分に確保することができる。
第1の実施の形態の歯ブラシによれば、第1の植毛領域11−1の外側に位置する一対の第2の植毛領域11−2に、先端分岐部25Aを有する複数の先端分岐毛25からなる第2の毛束19を複数配置させることで、先端分岐部25Aを用いて、複数の第2の毛束19の外側に漏れ出した口腔用製剤を再度保持することが可能となる。これにより、ブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を長時間供給することができる。
また、歯肉と接触する先端分岐部25Aが複数に分岐されることで、歯肉に対するマッサージ効果を得ることができる。これにより、歯周病の改善を図ることが可能となる。
さらに、第1の毛束18の高さH1と第2の毛束19の高さH2との差Dを、0.5mm以上2.5mm以下の範囲内にすることで、歯周ポケット、歯頸部、及び歯間部の清掃力を向上させることができる。
なお、図1では、一例として、1つの第2の植毛領域11−2に対して、第2の植毛穴16を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴16を配列させる際の列の数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図4において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
図4を参照するに、第2の実施の形態の歯ブラシ30は、第1の実施の形態の歯ブラシ10を構成する第1の植毛領域11−1、一対の第2の植毛領域11−2、複数の第1の植毛穴15、及び複数の第1の毛束18に替えて、第1の植毛領域31−1、一対の第2の植毛領域31−2、複数の第1の植毛穴33、及び複数の第1の毛束34を有するとともに、複数の第2の植毛穴16の形成位置を変更したこと以外は、歯ブラシ10と同様に構成される。
第1の植毛領域31−1は、X方向に延在する略矩形の領域であり、植毛面11aの中央部に配置されている。第1の植毛領域31−1は、第1の実施の形態で説明した第1の植毛領域11−1よりもY方向の幅が広くなるように構成されている。
一対の第2の植毛領域31−2は、第1の植毛領域31−1の外側に位置する植毛面11aに設けられている。一対の第2の植毛領域31−2は、ヘッド部11の幅方向(Y方向)の両側に設けられている。これにより、一対の第2の植毛領域31−2は、第1の植毛領域31−1を介して、対向するように配置されている。
一対の第2の植毛領域31−2は、第1の植毛領域31−1の先端及び後端を開放するように配置されている。
一対の第2の植毛領域31−2は、X方向に延在する領域である。一対の第2の植毛領域31−2の長さは、第1の植毛領域31−1の長さよりも短くなるように構成されている。これにより、X方向における第1の植毛領域31−1の両端部は、一対の第2の植毛領域31−2からX方向に突出している。
複数の第2の植毛穴16は、第2の植毛領域31−2に設けられている。複数の第2の植毛穴16は、X方向に延在するように、1列で配置されている。第2の植毛穴16には、第2の毛束19が植毛されている。
植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域31−2の面積(第2の植毛領域31−2を構成する複数の第2の植毛穴16の外縁を結んだ領域の面積)の割合は、例えば、30%以上80%以下にするとよい。
複数の第1の植毛穴33は、図1に示す第1の植毛穴15よりも穴径の大きな植毛穴であり、第1の植毛領域31−1に設けられている。第2の植毛穴16の穴径がφ1.0mm〜1.4mmの範囲内である場合、第1の植毛穴33の穴径は、例えば、φ1.5mm〜2.0mmの範囲内とすることができる。
複数の第1の植毛穴33は、X方向に対して2列となるように配置されている。複数の第1の植毛穴33は、格子状に配置されている。
第1の毛束34は、第1の実施の形態で説明した第1の毛束18(図1及び図2参照)よりも径が太いこと以外は、第1の毛束18と同様な構成とされている。
つまり、第2の実施の形態の歯ブラシ30においても、第2の毛束19の高さH2は、第1の毛束18の高さH1よりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低くなるように構成されている。
第2の実施の形態の歯ブラシによれば、第1の植毛領域31−1に配置された第1の植毛穴33の穴径を、第2の植毛領域31−2に配置された第2の植毛穴16の穴径よりも大きくすることで、第1の植毛穴33に植毛される第1の毛束34の径を太くして、第1の毛束34の腰を強くすることが可能となる。これにより、歯周ポケットの清掃力を向上させることができる。
また、第2の実施の形態の歯ブラシ30は、第1の実施の形態の歯ブラシ10と同様な効果を得ることができる。
なお、図4では、一例として、第1の植毛穴33を2列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第1の植毛穴33を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、2列に限定されない。
また、図4では、一例として、1つの第2の植毛領域31−2に対して、第2の植毛穴16を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴16を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図5において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
図5を参照するに、第3の実施の形態の歯ブラシ40は、第1の実施の形態の歯ブラシ10を構成する第1の植毛領域11−1、一対の第2の植毛領域11−2、複数の第2の植毛穴16、及び複数の第2の毛束19に替えて、第1の植毛領域41−1、一対の第2の植毛領域41−2、複数の第2の植毛穴45、及び複数の第2の毛束47を有するとともに、複数の第1の植毛穴15の形成位置を変更したこと以外は、歯ブラシ10と同様に構成される。
第1の植毛領域41−1は、X方向に延在する略矩形の領域であり、植毛面11aの中央部に配置されている。第1の植毛領域41−1は、第2の実施の形態で説明した第1の植毛領域31−1(図4参照)よりもY方向の幅が狭くなるように構成されている。
複数の第1の植毛穴15は、第1の植毛領域41−1に設けられている。複数の第1の植毛穴15は、X方向に延在するように2列で配置されている。
一対の第2の植毛領域41−2は、第1の植毛領域41−1の外側に位置する植毛面11aに設けられており、ヘッド部11の幅方向(Y方向)の両側に設けられている。これにより、一対の第2の植毛領域41−2は、第1の植毛領域41−1を介して、対向するように配置されている。
一対の第2の植毛領域41−2は、第1の植毛領域41−1の先端及び後端を開放するように配置されている。一対の第2の植毛領域41−2は、X方向に延在する領域である。
第2の植毛領域41−2のY方向の幅は、図4に示す第2の植毛領域31−2のY方向の幅よりも広くなるように構成されている。
X方向における一対の第2の植毛領域41−2の長さは、第1の植毛領域41−1の長さよりも短くなるように構成されている。これにより、X方向に配置された第1の植毛領域41−1の両端部は、一対の第2の植毛領域41−2から突出している。
一対の第2の植毛領域41−2に植毛される複数の第2の毛束47は、X方向における第1の植毛領域41−1の両端に設けられた第1の毛束18を露出している。
植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域41−2の面積(第2の植毛領域41−2を構成する複数の第2の植毛穴45の外縁を結んだ領域の面積)の割合は、例えば、30%以上80%以下となるように設定するとよい。
複数の第2の植毛穴45は、一対の第2の植毛領域41−2に設けられており、1つの第2の植毛領域41−2に対して、X方向に延在するように1列で配置されている。
複数の第2の植毛穴45の穴径は、図1に示す第2の植毛穴16、及び第1の植毛穴15のも穴径よりも大きくなるように構成されている。
第2の毛束47は、複数の第2の植毛穴45に植毛されている。第2の毛束47は、第1の実施の形態で説明した第2の毛束19(図1及び図2参照)よりも径が太い(言い換えれば、先端分岐毛の本数が多い)こと以外は、第2の毛束19と同様な構成とされている。
つまり、第3の実施の形態の歯ブラシ40においても、第2の毛束47の高さは、第1の毛束18の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低くなるように構成されている。
第3の実施の形態の歯ブラシによれば、第2の植毛領域42−2に配置された第2の植毛穴45の穴径を、第1の植毛領域41−1に配置された第1の植毛穴15の穴径よりも大きくして、第2の植毛穴45に植毛される第2の毛束47の径を太くすることで、第2の毛束47を構成する先端分岐毛(先端分岐部)の数を増加させることが可能となる。
これにより、第2の毛束47が保持可能な口腔用製剤の量を増加させることが可能となるので、ブラッシング時において、歯頸部及び歯肉に十分な量の口腔用製剤を長時間供給することができるとともに、歯肉に対するマッサージ効果を増大させることができる。
また、第3の実施の形態の歯ブラシ40は、第1の実施の形態の歯ブラシ10と同様な効果を得ることができる。
なお、図5では、一例として、第1の植毛穴15を2列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第1の植毛穴15を配列させる際の列数は、2列以上であればよく、2列に限定されない。
また、図5では、一例として、1つの第2の植毛領域41−2に対して、第2の植毛穴45を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴45を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図6において、図5に示す第3の実施の形態の歯ブラシ40と同一構成部分には、同一符号を付す。
図6を参照するに、第4の実施の形態の歯ブラシ50は、第4の実施の形態の歯ブラシ40を構成する第1の植毛領域41−1、及び一対の第2の植毛領域41−2に替えて、第1の植毛領域51−1、及び一対の第2の植毛領域51−2を有するとともに、複数の第1及び第2の植毛穴15,45の形成位置を変更したこと以外は、歯ブラシ10と同様に構成される。
第1の植毛領域51−1は、植毛領域の最外周であって、隣り合う第1の植毛穴15を接線で結んだ領域である(図6参照)。第1の植毛領域51−1は、X方向に3列の植毛列からなる千鳥配列を含む一例である。
複数の第1の植毛穴15は、第1の植毛領域51−1に、千鳥状に設けられている。
一対の第2の植毛領域51−2は、第1の植毛領域51−1の外側に位置する植毛面11aに配置されている。一対の第2の植毛領域51−2の形状は、X方向の両端部が第1の植毛領域51−1側に少し湾曲した形状とされている。一対の第2の植毛領域51−2の形状は、略X方向に延在している。
複数の第2の植毛穴45は、第2の植毛領域51−2の形状に沿って、所定の間隔で設けられている。
複数の第2の植毛穴45に植毛された複数の第2の毛束47は、X方向における第1の植毛領域51−1の両端に設けられた第1の毛束18を露出している。
第4の実施の形態の歯ブラシによれば、第1の植毛領域51−1に、千鳥状に複数の第1の植毛穴15を配置させることで、第1の植毛領域51−1に植毛する第1の毛束18の密度を高めることが可能となる。これにより、ブラッシング時の第1の毛束18の撓みが良くなるため、歯周ポケットの清掃力を向上させることができる。
また、第4の実施の形態の歯ブラシ50は、第3の実施の形態の歯ブラシ40と同様な効果を得ることができる。
なお、図6に示す第1の植毛領域51−1の形状は、一例であって、図6に示す形状に限定されない。
また、図6では、一例として、1つの第2の植毛領域51−2に対して、第2の植毛穴45を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴45を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1の植毛穴15,33及び第2の植毛穴16,45の配列は、図1、図4、図5、及び図6に示すような配列に限定されない。第1の植毛穴15,33及び第2の植毛穴16,45の配列は、目的に応じて、格子配列、千鳥配列、及び不規則配列のうちのいずれか1つの配列、或いはこれらを2種以上組み合わせた配列にすることができる。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されない。
(実施例1〜6の歯ブラシの作製)
初めに、図1及び図2に示す構成とされ、かつ表1に示す植毛部の仕様とされた実施例1の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP1」という)を作製した。
このとき、デュポン社製の用毛(以下、この先端分岐される前の用毛を「先端分岐前用毛」という)の先端部を植毛後にカッターで1.5mm裁断したものを第2の毛束19を構成する先端分岐毛25として用いた。このとき、分岐数は、5〜15本とした。
第1の毛束18を構成するテーパー毛としては、東レ社製の用毛を用いた。
Figure 2016209097
次いで、図4に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた実施例2の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP2」という)を作製した。
次いで、図5に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた実施例3の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP3」という)を作製した。
次いで、図6に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた実施例4〜6の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP4〜P6」という)を作製した。
上記実施例2〜6では、実施例1で使用した先端分岐前用毛と同じ種類の用毛を用いた。実施例2〜6では、先端分岐部の長さを2.0mmとした。実施例2〜6では、実施例1で使用したテーパー毛と同じ種類のものを用いた。
実施例1〜4では、毛束の高さの差D(=(第1の毛束の高さH1)−(第2の毛束の高さH2))を1.5mmとした。実施例5では、毛束の高さの差Dを0.5mmとし、実施例6では、毛束の高さの差Dを2.5mmとした。また、実施例4〜6では、千鳥状に第1の植毛穴を配置した。
(比較例1〜4の歯ブラシの作製)
図7は、比較例1の歯ブラシの主要部をヘッド部の先端側から見た図である。図7において、図1及び図2に示す歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
ここで、図7を参照して、比較例1の歯ブラシ100の主要部(植毛部)の構成について簡単に説明する。
歯ブラシ100を構成する複数の第1及び第2の植毛穴15,16は、図1に示す歯ブラシ10と同様な配置とした。
歯ブラシ100は、複数の第1の植毛穴15に第2の毛束19を植毛し、複数の第2の植毛穴16に第1の毛束18を植毛したこと以外は、歯ブラシ10と同様な構成とされている。つまり、歯ブラシ100では、ヘッド11の中央部に先端分岐毛25が配置された構成とされている。
また、歯ブラシ100では、外側に配置された第1の毛束18の高さが、内側に配置された第2の毛束19の高さよりも高くなるように構成されている。これらの点が、歯ブラシ10とは異なる。
比較例1では、周知の手法により、図7に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた歯ブラシ100を作製した。比較例1では、毛束の高さの差Dを−1.5mmにした。
図8は、比較例2の歯ブラシの主要部をヘッド部の先端側から見た図である。図8において、図1及び図2に示す歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
ここで、図8を参照して、比較例2の歯ブラシ110の主要部(植毛部)の構成について簡単に説明する。
歯ブラシ110を構成する複数の第1及び第2の植毛穴15,16は、図1に示す歯ブラシ10と同様な配置とした。
歯ブラシ110は、歯ブラシ10を構成する第1の毛束18に替えて、複数の第1の植毛穴15に、第2の毛束19よりも高さの低い第1の毛束111を植毛すること以外は、歯ブラシ10と同様に構成される。つまり、歯ブラシ110の刷掃面の中央部には、凹部が形成される。第1の毛束111は、複数のラウンド毛113で構成されている。
比較例2では、図8に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた歯ブラシ110を作製した。比較例2では、毛束の高さの差Dを−1.5mmにした。
比較例3では、図1及び図2に示す歯ブラシ10を構成する第1及び第2の毛束18,19の高さを同じ(言い換えれば、毛束の高さの差Dが0mm)にするとともに、表1に示す植毛部の仕様とすることで、比較例3の歯ブラシ(以下、「歯ブラシQ」という)を作製した。
比較例4では、図1及び図2に示す歯ブラシ10の毛束の高さの差Dを3.0mmにするとともに、表1に示す植毛部の仕様とすることで、比較例4の歯ブラシ(以下、「歯ブラシR」という)を作製した。
上記比較例1〜4で使用したテーパー毛及び先端分岐前用毛(先端分岐毛の母材)は、実施例1で使用したテーパー毛及び先端分岐前用毛と同じ種類の用毛を用いた。また、比較例1〜4では、先端分岐部の長さを2.0mmとした。
(歯周ポケット清掃時における口腔用製剤の保持評価)
初めに、各歯ブラシに一定量の歯磨剤希釈液を載せ、モデル歯周ポケットに対してモデル試験機を用いてブラッシングし、その後、モデル歯周ポケットを交換した。
次いで、1回目と同様にブラッシングを行い、その後、2回目のスリットに残った歯磨剤量(2回分の送達量)を測定し、下記(1)式を用いて、2回分の歯周ポケット送達率(%)を算出した。
歯周ポケット送達率(%)=(2回分の送達量)/(歯ブラシに載せた歯磨希釈液の量)×100 ・・・(1)
このとき歯ブラシとしては、上述した実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシ100,110,Q,Rを用いた。
そして、算出した歯周ポケット送達率が50%以上の場合を◎と判定し、30%以上50%未満の場合を○と判定し、30%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
Figure 2016209097
(歯肉清掃時における口腔用製剤の保持評価)
初めに、各歯ブラシに一定量の歯磨剤希釈液を載せ、モデル歯周ポケットに対してモデル試験機を用いてブラッシングし、次いで、各歯ブラシに残った歯磨剤の重量を測定した。 その後、下記(2)式を用いて、残存率(%)を算出した。
残存率(%)=(ブラッシング後の歯ブラシに残った歯磨剤の重量)/(歯ブラシに載せた歯磨希釈液の量)×100 ・・・(2)
このとき歯ブラシとしては、上述した実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシ100,110,Q,Rを用いた。
そして、算出した歯周ポケット残存率が35%以上の場合を◎と判定し、25%以上35%未満の場合を○と判定し、15%以上25%未満の場合を△と判定し、15%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
(清掃力評価)
初めに、各歯ブラシでモデル歯垢を付着させたモデル歯牙をブラッシングし、次いで、ブラッシング前後の歯垢付着量に基づいて、下記(3)式から歯垢除去率を算出した。
歯垢除去率(%)=(歯垢が除去された部分の面積)/(モデル歯牙全体の面積)×100 ・・・(3)
このとき歯ブラシとしては、上述した実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシ100,110,R,Rを用いた。
そして、算出した歯垢除去率が80%以上の場合を◎と判定し、60%以上80%未満の場合を○と判定し、40%以上60%未満の場合を△と判定し、40%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
(清掃実感(マッサージ性)の評価)
初めに、上述した実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシ100,110,Q,Rを専門家パネル10名が使用し、口腔内歯頸部の清掃実感(マッサージ性)について、下記基準により点数を付けた。
各専門家パネルは、非常に良いと感じた場合には5点、良いと感じた場合には4点、やや良いと感じた場合には3点、どちらともいえないと感じた場合には2点、良くないと感じた場合には1点を付けた。
その後、専門家パネル10名の点数を平均化して、平均値を算出した。そして、平均値が3.5点以上の場合を◎、2.5点以上3.5点未満の場合を○、1.5点以上2.5点未満の場合を△、1.0点以上1.5点未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
(実施例1〜6、及び比較例1〜4の歯ブラシの評価結果のまとめ)
表2を参照するに、実施例1〜6では、2種の口腔用製剤の保持特性、清掃力、及び清掃実感(マッサージ性)の評価結果が○か◎となり、良好な結果が得られた。
この結果から、第1の植毛領域に植毛する用毛としては、テーパー毛またはラウンド毛が好ましく、第2の植毛領域に植毛する用毛としては、先端分岐毛が好ましいことが確認できた。
実施例1,2の結果から、第1の植毛穴の穴径が第2の植毛穴の穴径よりも大きいと、清掃力が向上することが確認できた。
実施例1,3の結果から、第2の植毛穴の穴径が第1の植毛穴の穴径よりも大きいと、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持特性、及び清掃力が向上することが確認できた。
実施例3,4の結果から、第1の植毛領域における第1の毛束の密度が高くなると、清掃力が向上することが判った。
実施例4〜6の結果から、第2の毛束の高さが、第1の毛束の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低いと、全ての評価項目の結果が良好であることが確認できた。
一方、毛束の高さの差Dが0mmとされた比較例3の結果から、毛束の高さに差がないと、歯周ポケット清掃時における口腔用製剤の保持特性、清掃力、及び清掃実感(マッサージ性)の結果が悪くなることが確認できた。
さらに、毛束の高さの差Dが3mmとされた比較例4の結果から、毛束の高さの差が3mmになると、清掃実感(マッサージ性)が悪くなることが確認できた。
比較例1の結果から、先端分岐毛を第1の植毛領域に配置し、テーパー毛を第2の植毛領域に配置し、毛束の高さの差Dを−1.5mmにすると、清掃実感(マッサージ性)が悪くなることが確認できた。
比較例1の歯ブラシでは、磨き始めの段階において、第2の毛束群を構成するフェザード毛の先端に口腔用製剤を保持させることは可能であるが、ブラッシング時間が経過すると、第1の毛束群が第2の毛束群側に口腔用製剤が移動することを邪魔する壁となることが確認できた。
このため、ブラッシング中に継続して、先端が細分化された第2の毛束の先端に口腔用製剤を保持させることが困難であった。
比較例2の結果から、先端分岐毛を第2の植毛領域に配置し、ラウンド毛を第1の植毛領域に配置し、毛束の高さの差Dを−1.5mmにすると、歯周ポケット清掃時における口腔用製剤の保持特性、及び清掃力が低下すること判った。
(実施例7,8、及び比較例5,6の歯ブラシの作製)
次いで、図1及び図2に示す構成とされ、表3に示す植毛部の仕様とされた実施例7,8の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP7,P8」という)、及び比較例5,6「の歯ブラシ以下、「歯ブラシS,T」という)を作製した。
Figure 2016209097
実施例7,8、及び比較例5,6では、実施例1で使用した先端分岐前用毛及びテーパー毛と同じ種類の用毛を用いた。
実施例7では、先端分岐部の長さを1.0mmとし、実施例8では、先端分岐部の長さを3.0mmとし、比較例5では、先端分岐部の長さを0.5mmとし、比較例6では、先端分岐部の長さを4.5mmとしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な構成とした。
(実施例1,7,8及び比較例5,6の歯ブラシの評価及び結果)
先端分岐部の長さが異なる実施例1,7,8及び比較例5,6の歯ブラシP1,P7,P8,S,Tを用いて、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持評価、マッサージ性(使用感)の評価、及び先端分岐毛の先端分岐部の毛裂けの評価を行った。
このとき、口腔用製剤の保持評価、及びマッサージ性(使用感)の評価については、上述した手法で行った。
先端分岐毛の先端部の毛裂け評価は、下記手法で行った。まず、各歯ブラシでモデル歯牙をブラッシングし、その後、目視で先端分岐毛の毛裂けの有無を確認した。そして、毛裂けが無い場合には○と判定し、毛裂けがある場合には×と判定した。これらの結果を表3に示す。
表3を参照するに、実施例1,7,8及び比較例5,6の結果から、先端分岐部の長さが短すぎる(比較例5の場合、5mm)と、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持特性、及びマッサージ性(使用感)が悪くなることが判った。
先端分岐部の長さが長すぎる(比較例6の場合、4.5mm)と、実施例1,7,8よりも、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持特性が良くなるが、マッサージ性(使用感)が悪くなり、先端分岐部に毛裂けが発生した。
これは、先端分岐部の長さが長くなることで、口腔用製剤を保持しやすくなるが、長さが長くなることで、破損しやすくなったためであると推測される。
表3の結果から、表3の評価項目の全てが○以上の結果(良好な結果)となる先端分岐毛の先端分岐部の長さは、0.5mmよりも長く、かつ4.5mmよりも短い範囲内に存在することが判った。
10,30,40,50…歯ブラシ、11…ヘッド部、11a…植毛面、11−1,31−1,41−1,51−1…第1の植毛領域、11−2,31−2,41−2,51−1…第2の植毛領域、13…ハンドル体、14…ブラシ部、15,33…第1の植毛穴、16,45…第2の植毛穴、18,34…第1の毛束、19,47…第2の毛束、21…ネック部、23…用毛、25A…先端分岐部、C…長さ、D…差、H1,H2…高さ

Claims (6)

  1. ヘッド部の植毛面の中央部に配置され、該ヘッド部の長さ方向に延在する第1の植毛領域と、
    前記第1の植毛領域の外側に配置され、かつ前記ヘッド部の幅方向の両側に設けられた一対の第2の植毛領域と、
    前記第1の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第1の毛束と、
    前記一対の第2の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第2の毛束と、
    を有し、
    前記複数の第2の毛束は、分岐された先端分岐部を有する先端分岐毛で構成されており、
    前記第2の毛束の高さは、前記第1の毛束の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低いことを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記第1の毛束を構成する用毛は、テーパー毛であることを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記植毛面の面積を100%としたときの前記第2の植毛領域の面積の割合は、30%以上80%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
  4. 前記第1の植毛領域に設けられ、前記第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴と、
    前記第2の植毛領域に設けられ、前記第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴と、
    を有し、
    前記第2の植毛穴の穴径は、前記第1の植毛穴の穴径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
  5. 前記先端分岐部の長さは、1.0mm以上4.0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
  6. 前記一対の第2の植毛領域は、前記第1の植毛領域の先端及び後端を開放するように配置することを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
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