JP2016209097A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植毛面11aの中央部に配置された第1の植毛領域11−1と、第1の植毛領域11−1の外側に配置され、ヘッド部11の幅方向の両側に設けられた第2の植毛領域11−2と、第1の植毛領域11−1に設けられ、ヘッド部11の長さ方向に配列された複数の第1の毛束15と、一対の第2の植毛領域11−2に設けられ、ヘッド部11の長さ方向に配列された複数の第2の毛束16と、を有し、複数の第2の毛束19は、先端分岐部を有する先端分岐毛で構成されており、第2の毛束19の高さは、第1の毛束の高さ18よりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低い。
【選択図】図1
Description
そのため、効果的に口腔用製剤を届けることが重要となる。また、歯ブラシの使用者が歯周病を発症し、歯肉に炎症がある場合、歯肉全体に薬剤をより作用させ、さらに歯肉を傷めずにマッサージ効果を得ることが症状改善に繋がる。
これを勘案すると、特許文献1の第2の毛束群は、口腔内に分散した口腔用製剤が第1の毛束群に移動することを邪魔する壁となる。このため、ブラッシング中に継続して、第一の毛束群に口腔用製剤を保持させることが困難であった。
したがって、ブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を継続して供給することができないという問題があった。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図2は、図1に示す歯ブラシのA−A線方向の断面図である。
図1において、X方向はヘッド部11の長さ方向(延在方向)、Y方向はヘッド部11の幅方向を示している。図2において、Z方向は第1及び第2の毛束18,19の高さ方向、H1は植毛面11aを基準としたときの第1の毛束18の高さ(以下、「高さH1」という)、H2は植毛面11aを基準としたときの第2の毛束19の高さ(以下、「高さH2」という)、Dは第1の毛束18の高さH1から第2の毛束19の高さH2を引いた高さの差(以下、「差D」という)をそれぞれ示している。
また、図2では、第2の毛束19の一例として、第2の毛束19をテーパー毛で構成した場合を例に挙げて図示する。
図1及び図2において、同一構成部分には、同一符号を付す。
ハンドル体13は、先端に配置されたヘッド部11と、ネック部21と、ハンドル部(図示せず)と、が一体に構成された部材である。
第1の植毛領域11−1は、複数の第1の植毛穴15の外縁を結ぶことで区画される領域である。第1の植毛領域11−1は、X方向に延在するように、植毛面11aの中央部に配置されている。X方向に位置する第1の植毛領域11−1の両端部は、先の細い略三角形状とされている。
一対の第2の植毛領域11−2は、第1の植毛領域11−1の先端及び後端を開放するように配置されている。一対の第2の植毛領域11−2は、X方向に延在するように配置されている。一対の第2の植毛領域11−2の両端は、X方向に延在するヘッド部11の中心線に向かう方向に湾曲している。
第2の植毛領域11−2は、第2の植毛領域11−2を構成する複数の第2の植毛穴16の外縁を結ぶことで区画される領域である。
第2の植毛穴16の穴径は、第1の植毛穴15の穴径と等しくなるように構成されている。第1及び第2の植毛穴16の穴径は、例えば、φ1.0mm〜2.0mmの範囲内で適宜設定することができる。
第1の毛束18は、複数の第1の植毛穴15に設けられている。第1の毛束18の高さH1は、第2の毛束19の高さH2を考慮して、例えば、8mm〜13mmの範囲内で適宜設定することができる。
このように、第1の毛束18をテーパー毛で構成することで、第1の毛束18の先端部を歯頸部に挿入しやすくなるため、歯頸部の清掃力を向上させることができる。
また、第1の植毛穴15に植毛する用毛23の本数(言い換えれば、第1の毛束18を構成する用毛23の数)は、特に限定されない。第1の植毛穴15に植毛する用毛23の本数は、第1の植毛穴15の穴径や用毛23の太さに合わせて適宜設定することができる。
このような構成とすることで、歯ブラシ10を用いてバス法でブラッシングを行う際、第1の毛束18がブラッシング方向に撓みやすくなる。そして、第1の毛束18がブラッシング方向に撓むと、歯間部や歯周ポケットに入りやすくなるため、これらの部位の清掃力を確保することができる。
このように、第1の植毛領域11−1の外側に位置する一対の第2の植毛領域11−2に、先端分岐部25Aを有する複数の先端分岐毛25からなる第2の毛束19を複数配置することで、ブラシ部14から口腔内に分散し、唾液などによって希釈された口腔用製剤を複数の先端分岐部25Aを用いて、再度保持することが可能となる。
これにより、ブラッシング時において、歯間部、歯頸部、及び歯肉に十分な量の口腔用製剤を長時間供給することができる。
また、先端分岐部25Aを有する先端分岐毛25を用いて、第2の毛束19を構成することで、歯肉に対するマッサージ効果を得ることができる。これにより、歯周病の改善を図ることが可能となる。
テーパー分岐毛としては、例えば、特開2003−339445号公報、特開2010−82094号公報、特開2003−199626号公報、特開2001−169827号公報、特開平9−98837号公報、特許第3547672号公報、特開2003−339445号公報、特開2013−39268号公報等に開示されたものを用いることができる。
一方、先端分岐部25Aの分岐数が15よりも多いと、先端分岐部25Aの径が細くなることから毛腰が柔らかくなりすぎるため、十分な清掃力を発揮することが困難となる恐れがある。さらに先端分岐部25Aが千切れやすくなるという品質面の懸念も発生する恐れがある。
したがって、先端分岐毛25の先端分岐部25Aの分岐数を3以上15以下とすることで、口腔用製剤を十分な時間保持可能になるとともに、先端分岐部25Aが十分な清掃力を発揮することができる。
一方、先端分岐部25Aの長さCが4.0mmよりも長いと、先端分岐部25Aの毛腰が柔らかくなりすぎるため、十分な清掃力を発揮することが困難となる恐れがある。
したがって、先端分岐部25Aの長さCを1.0mm以上4.0mm以下の範囲内とすることで、ブラッシング時に十分な量の口腔用製剤を保持できるとともに、十分な清掃力を発揮することができる。
先端分岐毛25の長さ方向において、先端分岐部25Aを除く先端分岐毛25の径は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
言い換えれば、ブラシ部14は、第1の毛束18の高さH1と第2の毛束19の高さH2との差D(=H1−H2)が、0.5mm以上2.5mm以下の範囲内となるように構成されている。
したがって、第1の毛束18の高さH1と第2の毛束19の高さH2との差Dを、0.5mm以上2.5mm以下の範囲内にすることで、歯周ポケット、歯頸部、及び歯間部の清掃力を向上させることができる。
第2の毛束19の高さH2は、上記差Dが0.5mm以上2.5mm以下となるように、例えば、8mm〜13mmの範囲内で適宜設定することができる。
第2の植毛領域11−2の面積の割合が30%よりも少ないと、第2の毛束19の先端を構成する複数の先端分岐部25Aが十分な量の口腔用製剤を保持することが困難となる恐れがある。
一方、第2の植毛領域11−2の面積の割合が80%よりも多いと、ブラシ部14全体の毛腰が柔らかくなりすぎるため、第2の毛束19による清掃力が低下する恐れがある。
また、歯肉と接触する先端分岐部25Aが複数に分岐されることで、歯肉に対するマッサージ効果を得ることができる。これにより、歯周病の改善を図ることが可能となる。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図4において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
一対の第2の植毛領域31−2は、第1の植毛領域31−1の先端及び後端を開放するように配置されている。
一対の第2の植毛領域31−2は、X方向に延在する領域である。一対の第2の植毛領域31−2の長さは、第1の植毛領域31−1の長さよりも短くなるように構成されている。これにより、X方向における第1の植毛領域31−1の両端部は、一対の第2の植毛領域31−2からX方向に突出している。
植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域31−2の面積(第2の植毛領域31−2を構成する複数の第2の植毛穴16の外縁を結んだ領域の面積)の割合は、例えば、30%以上80%以下にするとよい。
複数の第1の植毛穴33は、X方向に対して2列となるように配置されている。複数の第1の植毛穴33は、格子状に配置されている。
つまり、第2の実施の形態の歯ブラシ30においても、第2の毛束19の高さH2は、第1の毛束18の高さH1よりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低くなるように構成されている。
また、第2の実施の形態の歯ブラシ30は、第1の実施の形態の歯ブラシ10と同様な効果を得ることができる。
また、図4では、一例として、1つの第2の植毛領域31−2に対して、第2の植毛穴16を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴16を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図5において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
複数の第1の植毛穴15は、第1の植毛領域41−1に設けられている。複数の第1の植毛穴15は、X方向に延在するように2列で配置されている。
一対の第2の植毛領域41−2は、第1の植毛領域41−1の先端及び後端を開放するように配置されている。一対の第2の植毛領域41−2は、X方向に延在する領域である。
第2の植毛領域41−2のY方向の幅は、図4に示す第2の植毛領域31−2のY方向の幅よりも広くなるように構成されている。
一対の第2の植毛領域41−2に植毛される複数の第2の毛束47は、X方向における第1の植毛領域41−1の両端に設けられた第1の毛束18を露出している。
植毛面11aの面積を100%としたときの第2の植毛領域41−2の面積(第2の植毛領域41−2を構成する複数の第2の植毛穴45の外縁を結んだ領域の面積)の割合は、例えば、30%以上80%以下となるように設定するとよい。
複数の第2の植毛穴45の穴径は、図1に示す第2の植毛穴16、及び第1の植毛穴15のも穴径よりも大きくなるように構成されている。
つまり、第3の実施の形態の歯ブラシ40においても、第2の毛束47の高さは、第1の毛束18の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低くなるように構成されている。
また、第3の実施の形態の歯ブラシ40は、第1の実施の形態の歯ブラシ10と同様な効果を得ることができる。
また、図5では、一例として、1つの第2の植毛領域41−2に対して、第2の植毛穴45を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴45を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る歯ブラシの主要部(植毛部)の前面図である。図6において、図5に示す第3の実施の形態の歯ブラシ40と同一構成部分には、同一符号を付す。
複数の第1の植毛穴15は、第1の植毛領域51−1に、千鳥状に設けられている。
複数の第2の植毛穴45は、第2の植毛領域51−2の形状に沿って、所定の間隔で設けられている。
複数の第2の植毛穴45に植毛された複数の第2の毛束47は、X方向における第1の植毛領域51−1の両端に設けられた第1の毛束18を露出している。
また、第4の実施の形態の歯ブラシ50は、第3の実施の形態の歯ブラシ40と同様な効果を得ることができる。
また、図6では、一例として、1つの第2の植毛領域51−2に対して、第2の植毛穴45を1列で配置させた場合を例に挙げて説明したが、第2の植毛穴45を配列させる際の列数は、1列以上であればよく、1列に限定されない。
初めに、図1及び図2に示す構成とされ、かつ表1に示す植毛部の仕様とされた実施例1の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP1」という)を作製した。
このとき、デュポン社製の用毛(以下、この先端分岐される前の用毛を「先端分岐前用毛」という)の先端部を植毛後にカッターで1.5mm裁断したものを第2の毛束19を構成する先端分岐毛25として用いた。このとき、分岐数は、5〜15本とした。
第1の毛束18を構成するテーパー毛としては、東レ社製の用毛を用いた。
次いで、図5に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた実施例3の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP3」という)を作製した。
次いで、図6に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた実施例4〜6の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP4〜P6」という)を作製した。
実施例1〜4では、毛束の高さの差D(=(第1の毛束の高さH1)−(第2の毛束の高さH2))を1.5mmとした。実施例5では、毛束の高さの差Dを0.5mmとし、実施例6では、毛束の高さの差Dを2.5mmとした。また、実施例4〜6では、千鳥状に第1の植毛穴を配置した。
図7は、比較例1の歯ブラシの主要部をヘッド部の先端側から見た図である。図7において、図1及び図2に示す歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
歯ブラシ100を構成する複数の第1及び第2の植毛穴15,16は、図1に示す歯ブラシ10と同様な配置とした。
歯ブラシ100は、複数の第1の植毛穴15に第2の毛束19を植毛し、複数の第2の植毛穴16に第1の毛束18を植毛したこと以外は、歯ブラシ10と同様な構成とされている。つまり、歯ブラシ100では、ヘッド11の中央部に先端分岐毛25が配置された構成とされている。
また、歯ブラシ100では、外側に配置された第1の毛束18の高さが、内側に配置された第2の毛束19の高さよりも高くなるように構成されている。これらの点が、歯ブラシ10とは異なる。
比較例1では、周知の手法により、図7に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた歯ブラシ100を作製した。比較例1では、毛束の高さの差Dを−1.5mmにした。
歯ブラシ110を構成する複数の第1及び第2の植毛穴15,16は、図1に示す歯ブラシ10と同様な配置とした。
歯ブラシ110は、歯ブラシ10を構成する第1の毛束18に替えて、複数の第1の植毛穴15に、第2の毛束19よりも高さの低い第1の毛束111を植毛すること以外は、歯ブラシ10と同様に構成される。つまり、歯ブラシ110の刷掃面の中央部には、凹部が形成される。第1の毛束111は、複数のラウンド毛113で構成されている。
比較例2では、図8に示す構成とされ、表1に示す植毛部の仕様とされた歯ブラシ110を作製した。比較例2では、毛束の高さの差Dを−1.5mmにした。
初めに、各歯ブラシに一定量の歯磨剤希釈液を載せ、モデル歯周ポケットに対してモデル試験機を用いてブラッシングし、その後、モデル歯周ポケットを交換した。
次いで、1回目と同様にブラッシングを行い、その後、2回目のスリットに残った歯磨剤量(2回分の送達量)を測定し、下記(1)式を用いて、2回分の歯周ポケット送達率(%)を算出した。
歯周ポケット送達率(%)=(2回分の送達量)/(歯ブラシに載せた歯磨希釈液の量)×100 ・・・(1)
そして、算出した歯周ポケット送達率が50%以上の場合を◎と判定し、30%以上50%未満の場合を○と判定し、30%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
初めに、各歯ブラシに一定量の歯磨剤希釈液を載せ、モデル歯周ポケットに対してモデル試験機を用いてブラッシングし、次いで、各歯ブラシに残った歯磨剤の重量を測定した。 その後、下記(2)式を用いて、残存率(%)を算出した。
残存率(%)=(ブラッシング後の歯ブラシに残った歯磨剤の重量)/(歯ブラシに載せた歯磨希釈液の量)×100 ・・・(2)
そして、算出した歯周ポケット残存率が35%以上の場合を◎と判定し、25%以上35%未満の場合を○と判定し、15%以上25%未満の場合を△と判定し、15%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
初めに、各歯ブラシでモデル歯垢を付着させたモデル歯牙をブラッシングし、次いで、ブラッシング前後の歯垢付着量に基づいて、下記(3)式から歯垢除去率を算出した。
歯垢除去率(%)=(歯垢が除去された部分の面積)/(モデル歯牙全体の面積)×100 ・・・(3)
そして、算出した歯垢除去率が80%以上の場合を◎と判定し、60%以上80%未満の場合を○と判定し、40%以上60%未満の場合を△と判定し、40%未満の場合を×と判定した。この結果を表2に示す。
初めに、上述した実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシ100,110,Q,Rを専門家パネル10名が使用し、口腔内歯頸部の清掃実感(マッサージ性)について、下記基準により点数を付けた。
各専門家パネルは、非常に良いと感じた場合には5点、良いと感じた場合には4点、やや良いと感じた場合には3点、どちらともいえないと感じた場合には2点、良くないと感じた場合には1点を付けた。
表2を参照するに、実施例1〜6では、2種の口腔用製剤の保持特性、清掃力、及び清掃実感(マッサージ性)の評価結果が○か◎となり、良好な結果が得られた。
この結果から、第1の植毛領域に植毛する用毛としては、テーパー毛またはラウンド毛が好ましく、第2の植毛領域に植毛する用毛としては、先端分岐毛が好ましいことが確認できた。
実施例1,3の結果から、第2の植毛穴の穴径が第1の植毛穴の穴径よりも大きいと、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持特性、及び清掃力が向上することが確認できた。
実施例3,4の結果から、第1の植毛領域における第1の毛束の密度が高くなると、清掃力が向上することが判った。
一方、毛束の高さの差Dが0mmとされた比較例3の結果から、毛束の高さに差がないと、歯周ポケット清掃時における口腔用製剤の保持特性、清掃力、及び清掃実感(マッサージ性)の結果が悪くなることが確認できた。
さらに、毛束の高さの差Dが3mmとされた比較例4の結果から、毛束の高さの差が3mmになると、清掃実感(マッサージ性)が悪くなることが確認できた。
比較例1の歯ブラシでは、磨き始めの段階において、第2の毛束群を構成するフェザード毛の先端に口腔用製剤を保持させることは可能であるが、ブラッシング時間が経過すると、第1の毛束群が第2の毛束群側に口腔用製剤が移動することを邪魔する壁となることが確認できた。
このため、ブラッシング中に継続して、先端が細分化された第2の毛束の先端に口腔用製剤を保持させることが困難であった。
比較例2の結果から、先端分岐毛を第2の植毛領域に配置し、ラウンド毛を第1の植毛領域に配置し、毛束の高さの差Dを−1.5mmにすると、歯周ポケット清掃時における口腔用製剤の保持特性、及び清掃力が低下すること判った。
次いで、図1及び図2に示す構成とされ、表3に示す植毛部の仕様とされた実施例7,8の歯ブラシ(以下、「歯ブラシP7,P8」という)、及び比較例5,6「の歯ブラシ以下、「歯ブラシS,T」という)を作製した。
実施例7では、先端分岐部の長さを1.0mmとし、実施例8では、先端分岐部の長さを3.0mmとし、比較例5では、先端分岐部の長さを0.5mmとし、比較例6では、先端分岐部の長さを4.5mmとしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な構成とした。
先端分岐部の長さが異なる実施例1,7,8及び比較例5,6の歯ブラシP1,P7,P8,S,Tを用いて、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持評価、マッサージ性(使用感)の評価、及び先端分岐毛の先端分岐部の毛裂けの評価を行った。
このとき、口腔用製剤の保持評価、及びマッサージ性(使用感)の評価については、上述した手法で行った。
先端分岐毛の先端部の毛裂け評価は、下記手法で行った。まず、各歯ブラシでモデル歯牙をブラッシングし、その後、目視で先端分岐毛の毛裂けの有無を確認した。そして、毛裂けが無い場合には○と判定し、毛裂けがある場合には×と判定した。これらの結果を表3に示す。
先端分岐部の長さが長すぎる(比較例6の場合、4.5mm)と、実施例1,7,8よりも、歯肉清掃時における口腔用製剤の保持特性が良くなるが、マッサージ性(使用感)が悪くなり、先端分岐部に毛裂けが発生した。
表3の結果から、表3の評価項目の全てが○以上の結果(良好な結果)となる先端分岐毛の先端分岐部の長さは、0.5mmよりも長く、かつ4.5mmよりも短い範囲内に存在することが判った。
Claims (6)
- ヘッド部の植毛面の中央部に配置され、該ヘッド部の長さ方向に延在する第1の植毛領域と、
前記第1の植毛領域の外側に配置され、かつ前記ヘッド部の幅方向の両側に設けられた一対の第2の植毛領域と、
前記第1の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第1の毛束と、
前記一対の第2の植毛領域に設けられ、前記ヘッド部の長さ方向に配列された複数の第2の毛束と、
を有し、
前記複数の第2の毛束は、分岐された先端分岐部を有する先端分岐毛で構成されており、
前記第2の毛束の高さは、前記第1の毛束の高さよりも0.5mm以上2.5mm以下の範囲内で低いことを特徴とする歯ブラシ。 - 前記第1の毛束を構成する用毛は、テーパー毛であることを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
- 前記植毛面の面積を100%としたときの前記第2の植毛領域の面積の割合は、30%以上80%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
- 前記第1の植毛領域に設けられ、前記第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴と、
前記第2の植毛領域に設けられ、前記第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴と、
を有し、
前記第2の植毛穴の穴径は、前記第1の植毛穴の穴径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。 - 前記先端分岐部の長さは、1.0mm以上4.0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
- 前記一対の第2の植毛領域は、前記第1の植毛領域の先端及び後端を開放するように配置することを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
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