WO2019230845A1 - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
薄肉なヘッド部を備え奥歯等の清掃実感が高く、かつヘッド部に形成されている植毛穴の多くが大径であっても植毛時のヘッド部の反り及び毛束の抜けが抑制される歯ブラシを提供することを目的とする。ヘッド部(10)を含む樹脂製のハンドル体(1a)を備える平線式植毛を採用した歯ブラシ(1)であって、ヘッド部(10)の厚みが2mm以上、4mm以下であり、直径1.8mm以上の第1植毛穴(11a)の割合が10%以上であり、ヘッド部(10)の正面視での植毛部の領域aにおける、植毛面(10a)から背面(10b)に向かって深さ1mmまでの領域Aに占める第1植毛穴(11a)及び第2植毛穴の部分の体積の総和をVA(mm3)、背面(10b)から植毛面(10a)に向かって深さ1mmまでの領域Bに占める樹脂部分(10c)の体積をVB(mm3)としたとき、VA/VBが0.50以上、1.00以下である、歯ブラシ(1)。
Description
本発明は、歯ブラシに関する。
本願は、2018年5月31日に、日本に出願された特願2018-105171号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2018年5月31日に、日本に出願された特願2018-105171号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
歯ブラシの口腔内操作性を高め、口腔内の奥歯等の狭い部位の清掃実感を高める歯ブラシとしては、厚み2~3mm程度の薄肉のヘッド部を備える歯ブラシが知られている(特許文献1)。また、歯茎を優しくマッサージできる歯ブラシとしては、ブラッシング圧が分散しやすい直径1.8mm以上の大径の毛束を備える歯ブラシが知られている(特許文献2)。
しかし、薄肉のヘッド部に多数の大径の植毛穴を形成し、奥歯等の清掃実感と歯茎のマッサージ実感向上等の効果とを両立させることは難しい。薄肉のヘッド部に大径の植毛穴を多く形成すると、植毛時にハンドル体がヘッド部とネック部の境界部分から反りやすく、特にヘッド部領域内での反りが起こりやすいために歯ブラシの使用性が低下する。また、大径の植毛穴においては毛束を保持する力が低下するため、使用時に毛束が抜けやすくなる。
本発明は、薄肉なヘッド部を備え奥歯等の清掃実感が高く、かつヘッド部に形成されている植毛穴の多くが大径であっても植毛時のヘッド部の反り及び毛束の抜けが抑制される歯ブラシを提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を含む樹脂製のハンドル体を備え、前記植毛穴のそれぞれに平線の打ち込みにより毛束が植設された植毛部が設けられている歯ブラシであって、
前記ヘッド部の厚みが2mm以上、4mm以下であり、
前記植毛面に設けられた植毛穴の総数に対する、直径が1.8mm以上の植毛穴の合計数の割合が10%以上であり、
前記ヘッド部の正面視での前記植毛部の領域aにおける、前記植毛面から背面に向かって深さ1mmまでの領域Aに占める前記植毛穴の体積の総和をVA(mm3)、前記背面から前記植毛面に向かって深さ1mmまでの領域Bに占める樹脂部分の体積をVB(mm3)としたとき、
VA/VBが0.50以上、1.00以下である、歯ブラシ。
[2]前記領域Aにおける正面視での1cm2あたりの前記植毛穴の体積の割合が、35mm3/cm2以上、60mm3/cm2以下である、[1]に記載の歯ブラシ。
[3]前記領域Bにおける正面視での1cm2あたりの樹脂部分の体積の割合が、65mm3/cm2以上、85mm3/cm2以下である、[1]又は[2]に記載の歯ブラシ。
[4]ヘッド部の輪郭によって囲まれ、前記ヘッド部の正面視での最も先端寄りの前記植毛穴の先端に接する短軸方向の直線から、最も後端寄りの前記植毛穴の後端に接する短軸方向の直線までの領域bにおける、前記植毛面から深さ1mmの領域Cに占める前記植毛穴の体積の総和をVC(mm3)、背面から深さ1mmの領域Dに占める樹脂部分の体積をVD(mm3)としたとき、
VC/VDの値がVA/VBの値の0.60倍以上、0.85倍以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の歯ブラシ。
[5]前記植毛面の短軸方向の両側にそれぞれ長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm以上の第1植毛穴が形成され、前記植毛面の短軸方向の前記第1植毛穴よりも内側に長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm未満の第2植毛穴が形成されている、[1]~[4]のいずれかに記載の歯ブラシ。
[1]植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を含む樹脂製のハンドル体を備え、前記植毛穴のそれぞれに平線の打ち込みにより毛束が植設された植毛部が設けられている歯ブラシであって、
前記ヘッド部の厚みが2mm以上、4mm以下であり、
前記植毛面に設けられた植毛穴の総数に対する、直径が1.8mm以上の植毛穴の合計数の割合が10%以上であり、
前記ヘッド部の正面視での前記植毛部の領域aにおける、前記植毛面から背面に向かって深さ1mmまでの領域Aに占める前記植毛穴の体積の総和をVA(mm3)、前記背面から前記植毛面に向かって深さ1mmまでの領域Bに占める樹脂部分の体積をVB(mm3)としたとき、
VA/VBが0.50以上、1.00以下である、歯ブラシ。
[2]前記領域Aにおける正面視での1cm2あたりの前記植毛穴の体積の割合が、35mm3/cm2以上、60mm3/cm2以下である、[1]に記載の歯ブラシ。
[3]前記領域Bにおける正面視での1cm2あたりの樹脂部分の体積の割合が、65mm3/cm2以上、85mm3/cm2以下である、[1]又は[2]に記載の歯ブラシ。
[4]ヘッド部の輪郭によって囲まれ、前記ヘッド部の正面視での最も先端寄りの前記植毛穴の先端に接する短軸方向の直線から、最も後端寄りの前記植毛穴の後端に接する短軸方向の直線までの領域bにおける、前記植毛面から深さ1mmの領域Cに占める前記植毛穴の体積の総和をVC(mm3)、背面から深さ1mmの領域Dに占める樹脂部分の体積をVD(mm3)としたとき、
VC/VDの値がVA/VBの値の0.60倍以上、0.85倍以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の歯ブラシ。
[5]前記植毛面の短軸方向の両側にそれぞれ長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm以上の第1植毛穴が形成され、前記植毛面の短軸方向の前記第1植毛穴よりも内側に長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm未満の第2植毛穴が形成されている、[1]~[4]のいずれかに記載の歯ブラシ。
本発明の歯ブラシは、薄肉なヘッド部を備え奥歯等の清掃実感が高く、かつヘッド部に形成されている植毛穴の多くが大径であっても植毛時のヘッド部の反り及び毛束の抜けが抑制されている。
以下、本発明の歯ブラシの一例を示して詳細に説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態の歯ブラシ1は、図1、図5及び図6に示すように、樹脂製のハンドル体1aを備える。ハンドル体1aは、ヘッド部10と、ネック部12と、ハンドル部14とで形成されている。
ネック部12は、ヘッド部10の長軸方向の後端側に延接されている。ネック部12は、ハンドル部14とヘッド部10との間を連結する部分である。
ハンドル部14は、ネック部12の長軸方向の後端側に延接されている。ハンドル部14は、使用者が把持する部分である。
ハンドル体1aは、ヘッド部10、ネック部12及びハンドル部14が一体に成形されたものでもよく、それらのうちのいずれかを別に成形して接合させたものでもよい。
ハンドル部14は、ネック部12の長軸方向の後端側に延接されている。ハンドル部14は、使用者が把持する部分である。
ハンドル体1aは、ヘッド部10、ネック部12及びハンドル部14が一体に成形されたものでもよく、それらのうちのいずれかを別に成形して接合させたものでもよい。
本発明において、最も先端側に配置された植毛穴の外縁の先端とヘッド部の先端との長軸方向における距離をL1(図2)とすると、ヘッド部の後端は、最も後端側の植毛穴の外縁の後端から長軸方向の後端側に距離L1の位置である。
ヘッド部10は、厚み方向の一方の側に植毛面10aを有している。
ヘッド部10の植毛面10aには、複数の円形の第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bが形成されている。歯ブラシ1のヘッド部10には、植毛部18が設けられている。植毛部18では、複数の第1植毛穴11aのそれぞれに第1毛束16aが植設され、複数の第2植毛穴11bのそれぞれに第2毛束16bが植設されている。
ヘッド部10は、厚み方向の一方の側に植毛面10aを有している。
ヘッド部10の植毛面10aには、複数の円形の第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bが形成されている。歯ブラシ1のヘッド部10には、植毛部18が設けられている。植毛部18では、複数の第1植毛穴11aのそれぞれに第1毛束16aが植設され、複数の第2植毛穴11bのそれぞれに第2毛束16bが植設されている。
ヘッド部10の厚みは、2mm以上、4mm以下であり、2.5mm以上、3.5mm以下が好ましい。ヘッド部10の厚みが前記範囲の上限値以下であれば、歯ブラシ1の口腔内操作性に優れ、奥歯等の口腔内の狭い場所の清掃実感が高い。ヘッド部10の厚みが前記範囲の下限値以上であれば、ヘッド部に形成されている植毛穴の多くが直径1.8mm以上の大径であっても植毛時のヘッド部の反り及び毛束の抜けを抑制できる。
なお、前記のヘッド部の厚みの範囲は、ヘッド部のどの位置で測定しても厚みが前記範囲内になっていることを意味する。
なお、前記のヘッド部の厚みの範囲は、ヘッド部のどの位置で測定しても厚みが前記範囲内になっていることを意味する。
ヘッド部10の幅は、6~16mmが好ましく、8~15mmがより好ましく、10~12mmが更に好ましい。ヘッド部10の幅が前記範囲の下限値以上であれば、直径1.8mm以上の大径の植毛穴をヘッド部の短軸方向に多数設けることが容易となり、大径の毛束を活かした歯茎のマッサージ実感の高い歯ブラシを提供できる。また、大径の植毛穴を短軸方向に複数配置しても、植毛穴のピッチを十分に確保しやすいため、ヘッド部の反りを抑制しやすい。ヘッド部10の幅が前記範囲の上限値以下であれば、薄肉のヘッド部の利点である口腔内操作性を損ないにくい。
なお、前記のヘッド部の幅の範囲は、ヘッド部における最大の幅が前記範囲内になっていることを意味する。また、本明細書において、「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
なお、前記のヘッド部の幅の範囲は、ヘッド部における最大の幅が前記範囲内になっていることを意味する。また、本明細書において、「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
ヘッド部10の長さは、10~33mmが好ましく、12~28mmがより好ましい。ヘッド部10の長さが前記範囲の下限値以上であれば、大径の植毛穴をヘッド部の長軸方向に多数設けることが可能となり、歯茎のマッサージ実感の高い歯ブラシを提供できる。また、大径の植毛穴を長軸方向に複数配置しても、植毛穴のピッチを十分に確保しやすいため、ヘッド部の反りを抑制しやすい。ヘッド部10の長さが前記範囲の上限値以下であれば、薄肉のヘッド部の利点である口腔内操作性を損ないにくい。
ヘッド部10の背面厚みは、0.3~0.6mmが好ましく、0.4~0.5mmがより好ましい。ヘッド部10の背面厚みが前記範囲の下限値以上であれば、ヘッド部10の反りを抑制しやすい。ヘッド部10の背面厚みが前記範囲の上限値以下であれば、付随してヘッド部の厚みが薄くなるため、薄肉のヘッド部の利点である口腔内操作性を損なわない。
なお、ヘッド部の背面厚みとは、ヘッド部の背面から植毛穴の底までの距離を意味する。ヘッド部の背面とは、ヘッド部における植毛面と反対側の面である。前記のヘッド部の背面厚みは、ヘッド部のどの位置で測定しても背面厚みが前記範囲内になっていることを意味する。
なお、ヘッド部の背面厚みとは、ヘッド部の背面から植毛穴の底までの距離を意味する。ヘッド部の背面とは、ヘッド部における植毛面と反対側の面である。前記のヘッド部の背面厚みは、ヘッド部のどの位置で測定しても背面厚みが前記範囲内になっていることを意味する。
本発明では、ヘッド部の植毛面に形成される複数の植毛穴は、直径が単一の植毛穴でもよく、直径の異なる植毛穴の組み合わせでもよい。直径の異なる植毛穴を組み合わせる場合は、長軸方向に並ぶ植毛穴の直径を揃えることが好ましい。長軸方向に並ぶ植毛穴の直径を揃えると、同じ太さの毛束が長軸方向に並ぶため、歯みがき時の各毛束の撓み方が均一となり、歯茎のマッサージ実感が向上しやすい。また、歯茎に対するマッサージ実感を得やすい点から、ブラッシング圧が分散しやすい、より直径が大きい植毛穴を短軸方向における外側に配置することが好ましい。また、薄肉のヘッド部を活かした奥歯の清掃実感を更に高め、かつ前記マッサージ実感と両立させるためには、清掃効果を担う直径が小さい毛束を短軸方向において内側に配置することが好ましい。なお、短軸方向とは、植毛面と平行で、長軸方向と直交する方向である。
植毛穴の配列パターンは、特に限定されず、千鳥状、格子状を例示できる。
植毛穴の配列パターンは、特に限定されず、千鳥状、格子状を例示できる。
この例では、図2に示すように、ヘッド部10の植毛面10aの短軸方向の両側のそれぞれに、長軸方向に並ぶ直径1.8mm以上の第1植毛穴11aが5個ずつ形成されている。植毛面10aの短軸方向の第1植毛穴11aよりも内側の中央部には、長軸方向に3列に並ぶ直径1.8mm未満の第2植毛穴11bが合計17個形成されている。第2植毛穴11bは千鳥状に形成されている。
直径1.8mm以上の大径の第1植毛穴11aの直径は、1.8~3.2mmが好ましく、2.0~2.5mmがより好ましい。第1植毛穴11aの直径が前記範囲の下限値以上であれば、歯茎のマッサージ実感が向上する。第1植毛穴11aの直径が前記範囲の上限値以下であれば、毛束を植設したときに平線下の毛束折り返し部分が太くなりすぎず、平線を植毛穴深さの方向に深く打ち込むことが可能となるため、毛束の抜けを抑制することが可能となる。
長軸方向に並ぶ大径の植毛穴の直径は、同一であることが好ましい。
長軸方向に並ぶ大径の植毛穴の直径は、同一であることが好ましい。
直径1.8mm未満の小径の第2植毛穴11bの直径は、1.0~1.7mmが好ましく、1.2~1.5mmがより好ましい。第2植毛穴11bの直径が前記範囲の下限値以上であれば、歯垢清掃に必要な毛束の剛性を確保することができる。第2植毛穴11bの直径が前記範囲の上限値以下であれば、歯垢清掃に必要な、適度な毛束の撓みを確保することができる。
長軸方向に並ぶ小径の植毛穴の直径は、同一であることが好ましい。
なお、植毛穴の直径は、正面視での植毛穴の形状が円形である場合はその直径であり、正面視での植毛穴の形状が円形以外の場合は正面視における当該植毛穴の外接円の直径である。
長軸方向に並ぶ小径の植毛穴の直径は、同一であることが好ましい。
なお、植毛穴の直径は、正面視での植毛穴の形状が円形である場合はその直径であり、正面視での植毛穴の形状が円形以外の場合は正面視における当該植毛穴の外接円の直径である。
本発明では、植毛面に設けられた植毛穴の総数に対する直径1.8mm以上の大径の植毛穴の合計数の割合(以下、「割合P」とも記す。)を10%以上とする。本実施形態の歯ブラシ1では、割合Pは34%である。割合Pを10%以上とすることで、歯茎のマッサージ実感が高くなる。割合Pの上限は100%である。
割合Pの下限値は10%以上であり、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。割合Pの上限値は100%であり、80%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下が更に好ましい。割合Pは10~80%が好ましく、20~50%がより好ましく、30~40%が更に好ましい。これにより、歯茎のマッサージ実感と歯垢清掃を両立することができる。
割合Pの下限値は10%以上であり、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。割合Pの上限値は100%であり、80%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下が更に好ましい。割合Pは10~80%が好ましく、20~50%がより好ましく、30~40%が更に好ましい。これにより、歯茎のマッサージ実感と歯垢清掃を両立することができる。
本発明では、植毛面に設けられた植毛穴の総数に対して、直径2.0mm以上の植毛穴の合計数の割合が10%以上であることが好ましく、直径2.0mm以上の植毛穴の合計数の割合が20%以上であることがより好ましく、直径2.0mm以上の植毛穴の合計数の割合が30%以上であることが更に好ましい。これにより、歯茎のマッサージ実感が得られやすい。
本発明では、ヘッド部の植毛面の短軸方向の外側に、直径1.8mm以上の大径の植毛穴をヘッド部の側縁に沿って長軸方向に配置し、それら大径の植毛穴で中央部の小径の植毛穴を挟むように配列することが好ましい。歯ブラシ1では、ヘッド部10の側縁に沿って長軸方向に形成された2列の第1植毛穴11aにより、中央部の第2植毛穴11bが挟まれている。これにより、刷掃時の歯茎のマッサージ実感をより高くできる。
なお、本発明では、中央部の植毛穴を1列の対の大径の植毛穴で挟んでもよく、2列の対の大径の植毛穴で挟んでもよい。
なお、本発明では、中央部の植毛穴を1列の対の大径の植毛穴で挟んでもよく、2列の対の大径の植毛穴で挟んでもよい。
短軸方向の外側に形成される植毛穴はヘッド部の縁に近いため、当該植毛穴がヘッド部に与えるひずみの影響は正面視で内側(中央部側)の180度方向の範囲である。一方、ヘッド部の短軸方向の中央部に形成される植毛穴は、正面視で360度全方向にひずみを与える。これらのことから、ヘッド部の短軸方向の中央部に形成される植毛穴は、短軸方向の外側に形成される植毛穴に比べて、ヘッド部の反りへの影響が大きい。そのため、中央部の植毛穴の周囲に与えるひずみをできるだけ小さくし、ヘッド部の反りを抑制しやすくする点では、ヘッド部の短軸方向の中央部に形成される植毛穴の深さを短軸方向の外側に形成される植毛穴の深さよりも浅くすることが好ましい。
また、大径の植毛穴は毛束を植設したときに平線下の毛束折り返し部分が太くなるため、毛束の抜けを抑制するには植毛穴の深さを深めに設定する必要があるが、小径の植毛穴は大径の植毛穴に比べて穴深さを浅く設定できる。そのため、ヘッド部の短軸方向の中央部に穴深さが浅い小径の植毛穴を形成し、短軸方向の外側に穴深さが小径の植毛穴よりも深い大径の植毛穴を形成することがより好ましい。これにより、薄型ヘッドにおいてもヘッド部の反り抑制と毛束の抜けの抑制を両立でき、さらに歯茎のマッサージ実感も得られる。
また、大径の植毛穴は毛束を植設したときに平線下の毛束折り返し部分が太くなるため、毛束の抜けを抑制するには植毛穴の深さを深めに設定する必要があるが、小径の植毛穴は大径の植毛穴に比べて穴深さを浅く設定できる。そのため、ヘッド部の短軸方向の中央部に穴深さが浅い小径の植毛穴を形成し、短軸方向の外側に穴深さが小径の植毛穴よりも深い大径の植毛穴を形成することがより好ましい。これにより、薄型ヘッドにおいてもヘッド部の反り抑制と毛束の抜けの抑制を両立でき、さらに歯茎のマッサージ実感も得られる。
植毛穴の深さに差を設ける場合、穴深さの差は、0.3mm以内が好ましく、0.2mm以内がより好ましい。穴深さの差を上記範囲内にすることにより、薄型ヘッドにおいてもヘッド部の反り抑制と毛束の抜けの抑制を両立させやすい。
なお、本発明では、ヘッド部の植毛面の短軸方向の中央部に複数の大径の植毛穴を形成し、それらの大径の植毛穴の短軸方向の両側に小径の植毛穴を形成してもよい。
本発明の歯ブラシにおいて、ヘッド部の正面視での植毛部の領域aにおける、植毛面から背面に向かって深さ1mmまでの領域Aに占める植毛穴の体積の総和をVA(mm3)とする。ヘッド部の正面視での植毛部の領域aにおける、背面から植毛面に向かって深さ1mmまでの領域Bに占める樹脂部分の体積をVB(mm3)とする。このようにVA及びVBを定義したとき、VA/VBは0.50以上、1.00以下である。
なお、「ヘッド部の正面視での植毛部の領域a」とは、ヘッド部の正面視における、最も外周に位置する各植毛穴を囲う領域である。領域aを形成する囲み線は、隣り合う植毛穴同士の共有接線を連結したものである。
ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化している場合、領域Bはテーパー化した背面に沿う深さ1mmの領域とする。
なお、「ヘッド部の正面視での植毛部の領域a」とは、ヘッド部の正面視における、最も外周に位置する各植毛穴を囲う領域である。領域aを形成する囲み線は、隣り合う植毛穴同士の共有接線を連結したものである。
ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化している場合、領域Bはテーパー化した背面に沿う深さ1mmの領域とする。
この例では、ヘッド部10の正面視での植毛部18の領域a(図3)における、植毛面10aから深さ1mmの領域A(図5)に占める第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bの体積の総和をVA(mm3)とする。また、ヘッド部10の正面視での植毛部18の領域aにおける、背面10bから深さ1mmの領域B(図5)に占める樹脂部分10cの体積をVB(mm3)とする。
VA/VBは0.50以上、1.00以下であり、0.52以上、0.93以下が好ましく、0.52以上、0.80以下がより好ましい。VA/VBが前記範囲の下限値以上であれば、使用時に植毛穴から毛束が抜けにくくなる。VA/VBが前記範囲の上限値以下であれば、植毛時のヘッド部の反りが抑制される。
領域Aにおける正面視での1cm2あたりの植毛穴の体積の割合QAは、35mm3/cm2以上、60mm3/cm2以下が好ましく、35mm3/cm2以上、53mm3/cm2以下がより好ましく、35mm3/cm2以上、47mm3/cm2以下がさらに好ましい。割合QAが前記範囲の下限値以上であれば、高密度な植毛が可能となり、奥歯の歯茎など毛先の接触できる面積が小さな部位でも、歯茎のマッサージ実感を確保することができる。割合QAが前記範囲の上限値以下であれば、植毛時のヘッド部の反りを抑制しやすい。
なお、割合QAは、VA(mm3)を領域aの面積(植毛面積)で除すことにより求められる。
なお、割合QAは、VA(mm3)を領域aの面積(植毛面積)で除すことにより求められる。
領域Bにおける正面視での1cm2あたりの樹脂部分の体積の割合QBは、65mm3/cm2以上、85mm3/cm2以下が好ましく、65mm3/cm2以上、80mm3/cm2以下が好ましく、70mm3/cm2以上、80mm3/cm2以下がさらに好ましい。割合QBが前記範囲の下限値以上であれば、植毛時のヘッド部の反りを抑制しやすい。割合QBが前記範囲の上限値以下であれば、十分な背面厚みの直上に大径の植毛穴を配置することができ、背面の強度を確保しながら歯茎のマッサージ実感の高い歯ブラシを提供できる。
なお、割合QBは、VB(mm3)を領域aの面積(植毛面積)で除すことにより求められる。
なお、割合QBは、VB(mm3)を領域aの面積(植毛面積)で除すことにより求められる。
本発明の歯ブラシにおいて、ヘッド部の輪郭によって囲まれ、ヘッド部の正面視での最も先端寄りの植毛穴の先端に接する短軸方向の直線から、最も後端寄りの植毛穴の後端に接する短軸方向の直線までの領域を領域bとする。ヘッド部の領域bにおける植毛面から背面に向かって深さ1mmまでの領域Cに占める植毛穴の体積の総和をVC(mm3)とする。ヘッド部の領域bにおける背面から植毛面に向かって深さ1mmまでの領域Dに占める樹脂部分の体積をVD(mm3)とする。このようにVC及びVDを定義したとき、VC/VDの値はVA/VBの値の0.60倍以上、0.85倍以下であることが好ましい。
なお、ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化している場合、領域Dはテーパー化した背面に沿う深さ1mmの領域とする。
なお、ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化している場合、領域Dはテーパー化した背面に沿う深さ1mmの領域とする。
この例では、図4に示すように、ヘッド部10の正面視において、ヘッド部10の輪郭によって囲まれ、最も先端寄りの植毛穴である第2植毛穴11bの先端に接する短軸方向の直線pから、最も後端寄りの植毛穴である第1植毛穴11aの後端に接する短軸方向の直線qまでを領域bとする。ヘッド部10の領域bの植毛面10aから深さ1mmの領域C(図6)に占める第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bの体積の総和をVC(mm3)とする。領域bの背面10bから深さ1mmの領域D(図6)に占める樹脂部分10cの体積をVD(mm3)とする。
VA/VBの値に対するVC/VDの値は、0.60倍以上、0.85倍以下が好ましく、0.65倍以上、0.85倍以下がより好ましく、0.70倍以上、0.80倍以下が更に好ましい。VA/VBの値に対するVC/VDの値が0.60倍より小さいと、縁幅が大きいため反りの発生はVA/VBが0.50以上1.00以下の範囲を満たすことで奏される抑制の程度よりもさらに抑制されるが、同時にヘッド部の幅も大きくなるため、口腔内操作性は低下する。一方、VA/VBの値に対するVC/VDの値が0.85倍より大きいと、十分な縁幅を確保しにくいため、ヘッド部の反り発生の程度はVA/VBが0.50以上1.00以下の範囲を満たすことで奏される抑制の程度と同程度となり、さらなる抑制は見込めなくなる。
VC/VDは、0.35以上、0.75以下が好ましく、0.37以上、0.68以下がより好ましい。
VC/VDは、0.35以上、0.75以下が好ましく、0.37以上、0.68以下がより好ましい。
ハンドル体1aの材質としては、曲げ弾性率(JIS K7171)が1500MPa以上の樹脂が好ましい。ハンドル体1aの材質として用いる樹脂の曲げ弾性率は、1500MPa以上、3000MPa以下がより好ましく、2000MPa以上、2700MPa以下がさらに好ましい。樹脂の曲げ弾性率が前記下限値以上であれば、ヘッド部10の反りが抑制されやすい。樹脂の曲げ弾性率が前記上限値以下であれば、刷掃時のネック部12が適度に撓むことにより、歯茎のマッサージ実感が向上する。また、毛先の歯列への追従性を高めることができ、効率良く歯みがきできるようになる。
ハンドル体1aの材質として用いる好ましい樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)を例示でき、樹脂強度の点でPOMが特に好ましい。
ハンドル体1aの材質として用いる樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
ハンドル体は、把持性を向上させるため、例えばエラストマー等の柔軟な樹脂が部分的又は全体に被覆されていてもよい。前記の柔軟な樹脂としては、接着性が向上する点から、PPであればオレフィン系のエラストマーが好ましく、POMであればスチレン系のエラストマーが好ましい。
ハンドル体は、把持性を向上させるため、例えばエラストマー等の柔軟な樹脂が部分的又は全体に被覆されていてもよい。前記の柔軟な樹脂としては、接着性が向上する点から、PPであればオレフィン系のエラストマーが好ましく、POMであればスチレン系のエラストマーが好ましい。
ハンドル体1aの全長は、操作性等を勘案して適宜決定でき、例えば、100~200mm程度である。
歯ブラシ1では、図7に示すように、第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bのそれぞれに、複数本の用毛15を束ねて二つ折りにした第1毛束16a及び第2毛束16bが平線20の打ち込みにより植設されている。このように、本発明の歯ブラシは、平線式植毛の歯ブラシである。
用毛の材質としては、特に限定されず、ポリアミド(6-12ナイロン、6-10ナイロン、12-ナイロン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(ポリプロピレン等)、エラストマー(オレフィン系、スチレン系等)等の合成樹脂材料や天然材質を例示できる。用毛15の材質は、1種でもよく、2種以上でもよい。
用毛の横断面形状は、円形であることが多いが、円形には限定されず、三角形、四角形、六角形、花びら状等でもよく、これらを組み合わせた形状でもよい。用毛全体の外観形状も特に限定されず、ウエーブ状、ツイスト状、ギザギザ状等に加工されたものを用いることもできる。
用毛の直径は、3~12mil(0.076~0.305mm)が好ましく、5~10mil(0.127~0.254mm)がより好ましい。大径の植毛穴には用毛径の小さな用毛を植設することが好ましい。太い毛束であっても刷掃時に毛束を撓ませることが可能となり、歯茎のマッサージ実感が高い歯ブラシを提供できる。
なお、用毛の直径は、用毛の横断面形状が円形である場合はその直径であり、用毛の横断面形状が円形以外の場合は用毛の横断面の外接円の直径である。
なお、用毛の直径は、用毛の横断面形状が円形である場合はその直径であり、用毛の横断面形状が円形以外の場合は用毛の横断面の外接円の直径である。
用毛は、毛先丸め部を除いて1本の用毛内ではほぼ同一径の通常毛でもよい。なお、ヘッド部10の植毛面10a付近では上記太さであって、毛先へ向かうに従って徐々に径が細くなるように先鋭化されたテーパー毛であっても構わない。この場合、歯の隙間への毛先の侵入性が良く、ソフトなあたり心地が実現できるため、歯頸部の清掃や歯茎のマッサージには好適となる。また、通常毛とテーパー毛とを植毛穴毎に適宜選択したり、同一毛束内で混毛したり、自由に組み合わせることができる。
用毛の植毛面10aからの長さ(毛丈)は、適宜設定でき、例えば、6~15mm程度である。用毛の毛丈は、大人用では9mm~15mm、子供用では6mm~9mmの範囲内が好ましい。
第1毛束16a及び第2毛束16bの直径は、植設する第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bの直径に応じて設定すればよい。
第1毛束16a及び第2毛束16bの直径は、植設する第1植毛穴11a及び第2植毛穴11bの直径に応じて設定すればよい。
以上説明したように、本発明の歯ブラシでは、ヘッド部の厚みが2mm以上、4mm以下の薄肉であるため、口腔内操作性に優れ、奥歯等の清掃実感が高い。また、直径1.8mm以上の植毛穴の割合を10%以上とすることにより、歯茎のマッサージ実感向上等の効果を確保することが容易になる。さらに、VA/VBを0.50以上、1.00以下の範囲に制御する。これにより、ヘッド部に形成されている植毛穴の多くが大径であっても、植毛時のヘッド部の反りや、毛束の抜けを抑制できる。
植毛時のヘッド部の反りが抑制される要因は、以下のように考えられる。
平線式植毛においては、植毛穴に対して穴を広げようとする力が働く。そのため、歯ブラシの側面視において、ヘッド部とネック部の連結部分からヘッド部の先端にかけて背面側に漸次下降するアーチ状の反りが形成されやすい。この穴を広げようとする力は植毛面に近いほど大きく、また植毛穴の体積が大きいほど、周囲の樹脂部分のより広い領域まで影響するため、反りが起こりやすくなる。またヘッド部が反る際、ヘッド部の背面寄りの部分では、樹脂部分を圧縮する力が生じる。そのため、樹脂体積が大きいほど、反りが生じにくくなる。VA/VBを上記範囲に制御し、植毛面寄りの植毛穴の体積と背面寄りの樹脂部分の体積を適切な範囲に調節することで、平線の打ち込みによる植毛時のヘッド部の反りが抑制される。
平線式植毛においては、植毛穴に対して穴を広げようとする力が働く。そのため、歯ブラシの側面視において、ヘッド部とネック部の連結部分からヘッド部の先端にかけて背面側に漸次下降するアーチ状の反りが形成されやすい。この穴を広げようとする力は植毛面に近いほど大きく、また植毛穴の体積が大きいほど、周囲の樹脂部分のより広い領域まで影響するため、反りが起こりやすくなる。またヘッド部が反る際、ヘッド部の背面寄りの部分では、樹脂部分を圧縮する力が生じる。そのため、樹脂体積が大きいほど、反りが生じにくくなる。VA/VBを上記範囲に制御し、植毛面寄りの植毛穴の体積と背面寄りの樹脂部分の体積を適切な範囲に調節することで、平線の打ち込みによる植毛時のヘッド部の反りが抑制される。
さらに、毛束の抜けが抑制される要因は、以下のように考えられる。
平線式植毛においては、植毛穴の穴径が大きいほど、毛束を植設したときに平線下の毛束折り返し部分が太くなるため、平線を植毛穴深さの方向に深く打ち込むことが困難となり、毛束の抜けが起こりやすくなる。毛束の抜けを抑制するためには、植毛穴の穴深さを深くする方法が考えられるが、それによる背面厚みの縮小はヘッド部の強度低下に繋がる。以上から、毛束の抜けを抑制するためにはVA/VBの適切な範囲が存在する。
平線式植毛においては、植毛穴の穴径が大きいほど、毛束を植設したときに平線下の毛束折り返し部分が太くなるため、平線を植毛穴深さの方向に深く打ち込むことが困難となり、毛束の抜けが起こりやすくなる。毛束の抜けを抑制するためには、植毛穴の穴深さを深くする方法が考えられるが、それによる背面厚みの縮小はヘッド部の強度低下に繋がる。以上から、毛束の抜けを抑制するためにはVA/VBの適切な範囲が存在する。
なお、本発明の歯ブラシは、前記した歯ブラシ1には限定されない。
例えば、本発明の歯ブラシにおいては、ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化していてもよい。
本発明の歯ブラシにおいてヘッド部の植毛面に植設される毛束の数や、植毛穴の配列パターンは、歯ブラシ1のものには限定されない。具体的には、本発明の歯ブラシにおける毛束の数や、植毛穴の配列パターンは、図8~14に例示した歯ブラシ1A~1Gのような態様であってもよい。
本発明の歯ブラシは、図15に示すように、小径の第2植毛穴11bが短軸方向の外側に配置され、大径の第1植毛穴11aが短軸方向の内側に配置された歯ブラシ1Hであってもよい。
例えば、本発明の歯ブラシにおいては、ヘッド部の厚みが後端に向かうに従って厚くなるように背面がテーパー化していてもよい。
本発明の歯ブラシにおいてヘッド部の植毛面に植設される毛束の数や、植毛穴の配列パターンは、歯ブラシ1のものには限定されない。具体的には、本発明の歯ブラシにおける毛束の数や、植毛穴の配列パターンは、図8~14に例示した歯ブラシ1A~1Gのような態様であってもよい。
本発明の歯ブラシは、図15に示すように、小径の第2植毛穴11bが短軸方向の外側に配置され、大径の第1植毛穴11aが短軸方向の内側に配置された歯ブラシ1Hであってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[奥歯の清掃しやすさの評価]
専門家パネル10人による官能試験を行い、奥歯(第二大臼歯)の清掃しやすさを以下の基準で評価した。専門家パネル10名の平均点が4.0点以上、5.0点以下を「◎」、3.0点以上、4.0点未満を「○」、2.0点以上、3.0点未満を「△」、2.0点未満を「×」とした。○又は◎であるものを奥歯の清掃しやすさが高い歯ブラシであると判断した。
(評価基準)
5点:非常に磨きやすい。
4点:やや磨きやすい。
3点:どちらでもない。
2点:やや磨きにくい。
1点:非常に磨きにくい。
[奥歯の清掃しやすさの評価]
専門家パネル10人による官能試験を行い、奥歯(第二大臼歯)の清掃しやすさを以下の基準で評価した。専門家パネル10名の平均点が4.0点以上、5.0点以下を「◎」、3.0点以上、4.0点未満を「○」、2.0点以上、3.0点未満を「△」、2.0点未満を「×」とした。○又は◎であるものを奥歯の清掃しやすさが高い歯ブラシであると判断した。
(評価基準)
5点:非常に磨きやすい。
4点:やや磨きやすい。
3点:どちらでもない。
2点:やや磨きにくい。
1点:非常に磨きにくい。
[歯茎のマッサージ実感の評価]
専門家パネル10人による官能試験を行い、歯茎のマッサージ実感を以下の基準で評価した。専門家パネル10名の平均点が4.0点以上、5.0点以下を「◎」、3.0点以上、4.0点未満を「○」、2.0点以上、3.0点未満を「△」、2.0点未満を「×」とした。○又は◎であるものを歯茎のマッサージ実感が高い歯ブラシであると判断した。
(評価基準)
5点:非常に感じる。
4点:やや感じる。
3点:どちらでもない。
2点:あまり感じない。
1点:全く感じない。
専門家パネル10人による官能試験を行い、歯茎のマッサージ実感を以下の基準で評価した。専門家パネル10名の平均点が4.0点以上、5.0点以下を「◎」、3.0点以上、4.0点未満を「○」、2.0点以上、3.0点未満を「△」、2.0点未満を「×」とした。○又は◎であるものを歯茎のマッサージ実感が高い歯ブラシであると判断した。
(評価基準)
5点:非常に感じる。
4点:やや感じる。
3点:どちらでもない。
2点:あまり感じない。
1点:全く感じない。
[ヘッド部の反りの評価]
図16に示すように、歯ブラシの側面視において、ヘッド部10とネック部12の繋ぎ領域(植毛穴の最後端からネック部の最小径までの領域)におけるパーティングラインをヘッド部10の先端側に延長した延長線kと、植毛前の反りがない状態における延長線kとヘッド部10の先端面との交点を点sとした。図17に示すように、各例の植毛後の歯ブラシにおいて延長線kと点sとの距離dを測定し、ヘッド部の反りとした。ヘッド部の反りを以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:反りが0mm。
○:反りが0mmより大きく、0.5mm未満。
△:反りが0.5mm以上、1.0mm未満。
×:反りが1.0mm以上。
図16に示すように、歯ブラシの側面視において、ヘッド部10とネック部12の繋ぎ領域(植毛穴の最後端からネック部の最小径までの領域)におけるパーティングラインをヘッド部10の先端側に延長した延長線kと、植毛前の反りがない状態における延長線kとヘッド部10の先端面との交点を点sとした。図17に示すように、各例の植毛後の歯ブラシにおいて延長線kと点sとの距離dを測定し、ヘッド部の反りとした。ヘッド部の反りを以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:反りが0mm。
○:反りが0mmより大きく、0.5mm未満。
△:反りが0.5mm以上、1.0mm未満。
×:反りが1.0mm以上。
[毛束の抜けにくさ]
1つの大径の植毛穴に植設された毛束を専用器具によってつかみ、引張試験機を用いて植毛穴から毛束が抜けるまでの最大引張応力(N)を測定(引張速度20mm/分)(n=10)し、その値に応じて毛束の抜けにくさを以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:最大引張応力の平均値が25N以上。
○:最大引張応力の平均値が20N以上25N未満。
△:最大引張応力の平均値が15N以上20N未満。
×:最大引張応力の平均値が15N未満。
1つの大径の植毛穴に植設された毛束を専用器具によってつかみ、引張試験機を用いて植毛穴から毛束が抜けるまでの最大引張応力(N)を測定(引張速度20mm/分)(n=10)し、その値に応じて毛束の抜けにくさを以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:最大引張応力の平均値が25N以上。
○:最大引張応力の平均値が20N以上25N未満。
△:最大引張応力の平均値が15N以上20N未満。
×:最大引張応力の平均値が15N未満。
[実施例1]
ハンドル体を形成する樹脂としてPOM(曲げ弾性率:2500MPa)を用い、表1及び表2に示す仕様に従って、射出成形により図1~6に例示したハンドル体1aを作製した。ポリブチレンテレフタレート製の用毛(直径:大穴5.0mil、小穴6.0mil)を束ねた毛束を二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線をヘッド部の植毛穴に打ち込み、毛束を植設して歯ブラシを製作した。
ハンドル体を形成する樹脂としてPOM(曲げ弾性率:2500MPa)を用い、表1及び表2に示す仕様に従って、射出成形により図1~6に例示したハンドル体1aを作製した。ポリブチレンテレフタレート製の用毛(直径:大穴5.0mil、小穴6.0mil)を束ねた毛束を二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線をヘッド部の植毛穴に打ち込み、毛束を植設して歯ブラシを製作した。
[実施例2~5、比較例1~4]
表1及び表2に示す仕様に変更した以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを作製した。
表1及び表2に示す仕様に変更した以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを作製した。
各例の歯ブラシの仕様及び評価結果を表1及び表2に示す。なお、表2における「割合P」は、植毛面に設けられた植毛穴の総数に対する、直径が1.8mm以上の大径の植毛穴の合計数の割合である。
表2に示すように、ヘッド部の厚み、割合P及びVA/VBを本発明で規定する範囲に制御した実施例1~5の歯ブラシは、ヘッド部の反りが抑制されていた。また奥歯の清掃実感、歯茎のマッサージ実感が高く、毛束が抜けにくかった。
直径1.8mm以上の大径の植毛穴がない比較例1の歯ブラシでは、実施例に比べて歯茎へのマッサージ実感が不足していた。VA/VBが大きすぎる比較例2の歯ブラシでは、ヘッド部の反りを抑制できなかった。VA/VBが小さすぎる比較例3の歯ブラシでは、毛束が抜けやすかった。ヘッド部の厚みが厚すぎる比較例4では、実施例に比べて奥歯の清掃しやすさが不足していた。
直径1.8mm以上の大径の植毛穴がない比較例1の歯ブラシでは、実施例に比べて歯茎へのマッサージ実感が不足していた。VA/VBが大きすぎる比較例2の歯ブラシでは、ヘッド部の反りを抑制できなかった。VA/VBが小さすぎる比較例3の歯ブラシでは、毛束が抜けやすかった。ヘッド部の厚みが厚すぎる比較例4では、実施例に比べて奥歯の清掃しやすさが不足していた。
1…歯ブラシ、1a…ハンドル体、10…ヘッド部、10a…植毛面、10b…背面、10c…樹脂部分、11a…第1植毛穴、11b…第2植毛穴、12…ネック部、14…ハンドル部、16a…第1毛束、16b…第2毛束、18…植毛部、20…平線。
Claims (5)
- 植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を含む樹脂製のハンドル体を備え、前記植毛穴のそれぞれに平線の打ち込みにより毛束が植設された植毛部が設けられている歯ブラシであって、
前記ヘッド部の厚みが2mm以上、4mm以下であり、
前記植毛面に設けられた植毛穴の総数に対する、直径が1.8mm以上の植毛穴の合計数の割合が10%以上であり、
前記ヘッド部の正面視での前記植毛部の領域aにおける、前記植毛面から背面に向かって深さ1mmまでの領域Aに占める前記植毛穴の体積の総和をVA(mm3)、前記背面から前記植毛面に向かって深さ1mmまでの領域Bに占める樹脂部分の体積をVB(mm3)としたとき、
VA/VBが0.50以上、1.00以下である、歯ブラシ。 - 前記領域Aにおける正面視での1cm2あたりの前記植毛穴の体積の割合が、35mm3/cm2以上、60mm3/cm2以下である、請求項1に記載の歯ブラシ。
- 前記領域Bにおける正面視での1cm2あたりの樹脂部分の体積の割合が、65mm3/cm2以上、85mm3/cm2以下である、請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
- ヘッド部の輪郭によって囲まれ、前記ヘッド部の正面視での最も先端寄りの前記植毛穴の先端に接する短軸方向の直線から、最も後端寄りの前記植毛穴の後端に接する短軸方向の直線までの領域bにおける、前記植毛面から深さ1mmの領域Cに占める前記植毛穴の体積の総和をVC(mm3)、背面から深さ1mmの領域Dに占める樹脂部分の体積をVD(mm3)としたとき、
VC/VDの値がVA/VBの値の0.60倍以上、0.85倍以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記植毛面の短軸方向の両側にそれぞれ長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm以上の第1植毛穴が形成され、前記植毛面の短軸方向の前記第1植毛穴よりも内側に長軸方向に並ぶ複数の直径1.8mm未満の第2植毛穴が形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
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