JP6429359B2 - 歯ブラシ - Google Patents

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本発明は、歯ブラシに関する。
歯周病の罹患率の低い若年層では、主に、歯垢除去機能(具体的には、歯面、歯間、歯頸部における歯垢の除去性能)の高い歯ブラシが好まれる。
そして、加齢に伴い、歯周ポケットが深くなり、歯肉炎や歯周病の罹患率が高まるにつれて、歯垢除去ばかりではなく、歯周ポケットの汚れも除去できる歯ブラシが要望される。
特許文献1には、歯槽膿漏等の歯周疾患により、歯茎が縮退して歯の根元部が露出し、歯と歯との間の隙間が深くなった部位をブラッシングすることの可能な歯ブラシとして、植毛台の長手方向に対して、毛丈の長いテーパー毛束と、毛丈の短いテーパー毛束と、が交互に植設された歯ブラシが開示されている。
また、特許文献1には、歯面の清掃力を向上させるために、用毛の先端を球状、或いは扁平にすることも開示されている。
特許文献2には、植毛部の略中央部の毛丈を短くして、中央部を凹状にくぼませることで 歯ブラシを歯や歯茎に強く押し付けることなく、歯間部や奥歯の裏側等の奥まった部位に毛先を入り込ませることの可能な歯ブラシが開示されている。
特開平11−75939号公報 実開平5−39329号公報
しかしながら、特許文献1に開示された歯ブラシは、歯間への進入性が高いが、歯面の清掃力が十分ではなかった。また、用毛の先端を球状、或いは扁平にすると、歯周ポケットへの用毛の進入性が低下するため、歯周ポケットにおいて十分な清掃力を確保することが困難であった。
また、特許文献2に開示された歯ブラシでは、植毛部の略中央部の毛丈を短くして、中央部を凹状にくぼませているため、歯間や歯頸部等のすき間に侵入する毛束が少ないため、歯間や歯頸部等のすき間において汚れを十分に掻き出すことが困難であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、歯面、歯間、及び歯頸部等の隙間から効率良く歯垢を除去することの可能な歯ブラシを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る歯ブラシは、ヘッド部の植毛面に、複数の毛束が植設された歯ブラシであって、前記植毛面の中央部に位置する第1の領域に植設され、かつ第1の毛丈に揃えられた第1の毛束群と、前記植毛面のうち、前記第1の領域よりも前記ヘッド部の先端側に位置する第2の領域、及び前記第1の領域よりも前記ヘッド部の後端側に位置する第3の領域に、前記第1の毛束群の一部を囲むようにV字状または円弧状に植設され、かつ前記第1の毛丈よりも高さの高い第2の毛丈に揃えられた第2の毛束群と、を有し、前記第2の毛束群を構成する用毛は、テーパー毛であり、前記第2の毛丈と前記第1の毛丈との差が、1〜2.5mmであることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1の毛束群を構成する第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴の総面積を、前記第2の毛束群を構成する第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴の総面積で割った値が、0.3〜1.5の範囲内であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1の毛束群を構成する用毛の先端径は、前記第2の毛束群を構成する用毛の先端径以上であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第2の毛束群を構成する用毛は、芯鞘テーパー用毛であってもよい。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記芯鞘テーパー用毛は、芯部と、鞘部と、を有し、前記芯部の材料がポリブチレンテレフタレートであり、前記鞘部の材料がポリエチレンテレフタレートであってもよい。
本発明の歯ブラシによれば、歯面、歯間、及び歯頸部等の隙間から効率良く歯垢を除去することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。 図1に示すヘッド部において、領域Dに対応する第1及び第2の毛束群のみを植設させた構造体をE視した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。 図1に示すヘッド部において、領域Jに対応する第1及び第2の毛束群のみを植設させた構造体をK視した図である。 比較例4の歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。 図5に示す構造体をM視した図である。
本発明において、「毛束群の毛丈を揃える」とは、目視により、毛束群を構成する複数の毛束の毛丈を揃えることを意味する。すなわち、「毛束群の毛丈を揃える」とは、各毛束の毛丈が完全に同一のものだけでなく、各毛束間において毛丈がわずかに異なるものも含む。毛丈が揃えられた毛束群を構成する複数の毛束間における毛丈の誤差は、例えば、±10%以下が好ましく、±5%以下がより好ましい。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の歯ブラシの寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。
図1において、X方向は、ハンドル体11の延在方向(言い換えれば、ハンドル体11を構成するハンドル部17及びヘッド部18の長手方向)を示しており、Y方向は、X方向に対して直交する方向(言い換えれば、ヘッド部18の幅方向)を示している。
図1において、領域Dは、ヘッド部18の植毛面18aのうち、中央に位置する領域を示している。
図2は、図1に示すヘッド部において、領域Dに対応する第1及び第2の毛束群のみを植設させた構造体をE視した図である。
図2では、図1に示すハンドル部17の図示を省略する。図2において、Z方向は、図1に示すX方向及びY方向に対して直交する方向(言い換えれば、第1及び第2の毛束群12〜14の高さ方向)を示している。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図1及び図2を参照するに、第1の実施の形態の歯ブラシ10は、ハンドル体11と、第1の毛束群12と、第2の毛束群13,14と、を有する。
(ハンドル体)
ハンドル体11は、ハンドル部17と、ヘッド部18と、を有する。ハンドル部17は、X方向に延在した部材であり、人が歯を磨く際に手で持つ領域(図示せず)を有する。
ヘッド部18は、ハンドル部17の一方の端に設けられている。ヘッド部18は、ハンドル部17の一方の端部と一体とされている。ヘッド部18は、X方向に延在しており、X方向における長さの値よりもY方向における幅の値の方が小さくなるように構成されている。
図1を参照するに、ヘッド部18は、平坦な面とされた植毛面18aと、第1の植毛穴21と、第2の植毛穴22,23と、を有する。
植毛面18aは、第1の領域Aと、第2の領域Bと、第3の領域Cと、を有する。
第1の領域Aは、植毛面18aのうち、中央に配置された領域(中央領域)である。第1の領域Aは、X方向に配置された両端部がV字状に突出した形状とされている。第1の領域Aの形状は、例えば、菱形にすることができる。
第1の領域Aは、第2の領域Bと第3の領域Cとの間に配置されている。
第2の領域Bは、植毛面18aのうち、第1の領域Aよりもヘッド部18の先端側に配置された領域である。第2の領域Bは、図1に示す状態において、V字を右に90度回転させ、かつ該V字を太くした領域である。第2の領域Bのうち、第1の領域A側に配置された2辺は、V字形状とされた第1の領域Aの2辺と対向している。
第3の領域Cは、植毛面18aのうち、第1の領域Aよりもヘッド部18の後端側(言い換えれば、バンドル部17側)に配置された領域である。第3の領域Cは、図1に示す状態において、V字を左に90度回転させ、かつ該V字を太くした領域である。
第3の領域Cのうち、第1の領域A側に配置された2辺は、V字形状とされた第1の領域Aの2辺と対向している。第3の領域Cは、先に説明した第2の領域Bを右方向に180度回転させた領域である。第2及び第3の領域B,Cは、第1の領域Aにより完全に分離されている。
ハンドル体11を構成するハンドル部17及びヘッド部18の形状及び大きさは、歯ブラシ10に適用可能な形状及び大きさであればよく、特に、限定されない。
ハンドル体11は、例えば、樹脂を射出成形することで製造可能である。ハンドル体11の材料となる樹脂は、例えば、ハンドル体11に要求される剛性や機械特性等を考慮して、選定することができる。
具体的には、ハンドル体11の材料となる樹脂としては、例えば、曲げ弾性率(JIS K7203)が500〜3000MPaの範囲である高硬度樹脂を用いることができる。
上記高硬度樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等を例示することができる。
ハンドル体11の材料となる樹脂として、これらの高硬度樹脂のうちのいずれか1種を単独で使用してもよいし、これらの高硬度樹脂のうちの2種以上を併用してもよい。
第1の植毛穴21は、第1の領域Aに所定の間隔で複数設けられている。複数の第1の植毛穴21のうち、1つの第1の植毛穴21が第1の領域Aの中央に配置されており、その周囲に他の第1の植毛穴21が平面視菱形状に配置されている。第1の植毛穴21は、第1の毛束群25を構成する第1の毛束25を植毛するための穴である。
なお、図1では、第1の領域Aの中央に配置された第1の植毛穴21の外側に、第1の植毛穴21を菱形状に配置した第1の植毛穴群を1つ配置した場合を例に挙げて図示したが、必要に応じて、第1の領域Aの中央に配置された第1の植毛穴21の外側に、第1の植毛穴群を2つ配置させてもよい。
第2の植毛穴22は、第2の領域Bに所定の間隔で複数設けられている。複数の第2の植毛穴22は、X方向に対してV字状(具体的には、図1において、「V」を右に90度回転させた形状となるよう)に3列配置されている。第2の植毛穴22は、第2の毛束群13を構成する第2の毛束26を植毛するための穴である。
なお、図1では、V字状に配置された5つの第2の植毛穴22よりなる第2の植毛穴群を、X方向に対して、3つ配列させた場合を例に挙げて説明したが、X方向に配列させる該第2の植毛穴群の数は、2つ以上であればよく、3つに限定されない。
また、1つの該第2の植毛穴群を構成する第2の植毛穴22の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
第2の植毛穴23は、第3の領域Cに所定の間隔で複数設けられている。複数の第3の植毛穴23は、X方向に対してV字状(具体的には、図1において、「V」を左に90度回転させた形状となるよう)に3列配置されている。
これにより、複数の第1の植毛穴21は、複数の第2の植毛穴22と複数の第3の植毛穴23との間に挟まれるように配置されている。
第2の植毛穴23は、第2の毛束群14を構成する第2の毛束27を植毛するための穴である。
なお、図1では、V字状に配置された5つの第3の植毛穴23よりなる第3の植毛穴群を、X方向に対して、3つ配列させた場合を例に挙げて説明したが、X方向に配列させる該第3の植毛穴群の数は、2つ以上であればよく、3つに限定されない。
また、1つの該第3の植毛穴群を構成する第3の植毛穴23の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
また、第1の毛束群12を構成する第1の毛束25が植毛される複数の第1の植毛穴21の総面積S1を、第2の毛束群13,14を構成する第2の毛束26,27が植毛される複数の第2の植毛穴22,23の総面積S2で割った値が、0.3〜1.5(=S1/S2)の範囲内となるように構成するとよい。
S1/S2の値が、0.3よりも小さいと、歯面の清掃力が低下してしまう。また、S1/S2の値が、1.5よりも大きいと、歯間、及び歯頸部の清掃力が低下してしまう。
したがって、S1/S2の値を0.3〜1.5の範囲内にすることで、歯面、歯間、及び歯頸部をバランスよく磨くことができる。
(第1の毛束群)
図1及び図2を参照するに、第1の毛束群12は、主に歯面に接し、歯面に付着した歯垢を除去する機能を有する毛束群であり、複数(図1の場合、9個)の第1の毛束25を有する。複数の第1の毛束25は、第1の毛丈dとなるように揃えられており、それぞれ第1の植毛穴21に植設されている。
これにより、複数の第1の毛束25は、平面視した状態において、菱形状に配置されている。複数の第1の毛束25で構成された菱形の2つの対角線のうち、一方の対角線は、X方向に配置されており、他方の対角線は、Y方向に配置されている。
図1では、一例として、第1の毛束群12を9個の第1の毛束25で構成した場合を例に挙げて説明したが、第1の毛束群12を構成する第1の毛束25の数は、9個に限定されない。第1の毛束群12を構成する第1の毛束25の数は、8個以下でもよいし、10個以上でもよい。
第1の毛束群16を構成する第1の毛束25の数は、例えば、第1の毛束25の直径等を考慮して適宜設定することが可能である。第1の毛束群16を構成する第1の毛束25の数は、例えば、4〜16個が好ましい。
また、平面視した状態における第1の毛束群12の形状は、菱形には限定されない。平面視した状態における第1の毛束群12の形状は、例えば、正方形、六角形、円形、楕円形等であってもよい。
第1の毛束25は、複数の第1の用毛が束ねられることで構成されている。第1の用毛は、特に限定されない。第1の用毛としては、例えば、毛先に向かって漸次縮径して先端が先鋭化された用毛(以下、「テーパー毛」という)、毛先に向かって漸次縮径し、テーパー毛よりも先端径が太い用毛(以下、「セミテーパー毛」という)、毛先の丸め部を除いて外径がほぼ同一である用毛(以下、「ストレート毛」という)を用いることができる。
セミテーパー毛は、例えば、テーパー毛の先端を部分的に削り取ることや、化学処理時の処理条件(時間)を調整することで形成することができる。
第1の毛束25は、テーパー毛のみで構成してもよいし、セミテーパー毛のみで構成してもよいし、ストレート毛のみで構成してもよいし、テーパー毛、ストレート毛、セミテーパー毛のうち、2種以上を組み合わせて構成してもよい。
なお、第1の毛束25は、ストレート毛、またはセミテーパー毛で構成することが好ましい。このように、ストレート毛、またはセミテーパー毛を用いて、第1の毛束25を構成することで、第1の毛束群12により、歯面に付着している歯垢の除去性能を向上させることができる。
第1の用毛の材質は、一般的に歯ブラシの用毛の材質として用いられているものであればよく、特に限定されない。具体例には、第1の用毛の材質としては、例えば、6−12ナイロン、6−10ナイロン等のポリアミド、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル、PP等のポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の樹脂材料を用いることができる。
また、第1の用毛の横断面形状(具体的には、図1に示すX方向及びY方向を通過する仮想平面で第1の用毛を切断した際の形状)は、例えば、円形が好ましい。
なお、第1の用毛の横断面形状は、円形に限定されない。第1の用毛の横断面形状は、例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等)、異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形等)等であってもよい。
1つの第1の毛束25を構成する第1の用毛の数は、例えば、第1の毛束25の直径が所望の値となるように適宜設定することができる。
また、使用感、刷掃感、清掃効果、及び耐久性等を考慮して、太さの異なる複数本の第1の用毛を任意に組み合わせることで、第1の毛束25を構成してもよい。
(第2の毛束群)
図1及び図2を参照するに、第2の毛束群13は、複数(図1の場合、15個)の第2の毛束26を有する。複数の第2の毛束26は、それぞれ第2の植毛穴23に植設されている。
これにより、複数の第2の毛束26は、平面視した状態において、X方向に対して、3列のV字状(具体的には、図1において、V字を右に90度回転させた形状)に配置されている。第1の毛束群12に近接して、V字状に配置された5つの第2の毛束26は、第1の毛束群12の一部(言い換えれば、外形がV字状とされた一方の端部)を囲むように配置されている。
複数の第2の毛束26は、第1の毛丈dよりも高さの高い第2の毛丈dとなるように揃えられている。
これにより、第1の毛束群12と第2の毛束群13の境界部分には段差が形成される。このように、第1の毛束群12と第2の毛束群13との間に段差が形成されることで、歯間や歯頸部等の隙間に存在する歯垢を効率良く掻き出すことが可能となるため、歯垢除去効率を向上させることができる。
第2の毛束26は、先に説明した第1の毛束25と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
なお、図1では、V字状に配置された5つの第2の毛束26よりなるV字状毛束群を、X方向に対して、3つ配列させた場合を例に挙げて説明したが、X方向に対して配列させる該V字状毛束群の数は、2つ以上であればよく、3つに限定されない。
また、1つの該V字状毛束群を構成する第2の毛束26の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
第2の毛束群14は、複数(図1の場合、15個)の第2の毛束27を有する。複数の第2の毛束27は、それぞれ第2の植毛穴23に植設されている。
これにより、複数の第2の毛束27は、平面視した状態において、X方向に対して、3列のV字状(具体的には、図1において、V字を左に90度回転させた形状)に配置されている。第1の毛束群12に近接して、V字状に配置された5つの第2の毛束27は、第1の毛束群12の一部(言い換えれば、外形がV字状とされた他方の端部)を囲むように配置されている。
複数の第2の毛束27は、第1の毛丈dよりも高さの高い第2の毛丈dとなるように揃えられている。
これにより、第1の毛束群12と第2の毛束群14の境界部分には段差が形成される。このように、第1の毛束群12と第2の毛束群14との間に段差が形成されることで、歯間や歯頸部等の隙間に存在する歯垢を効率良く掻き出すことが可能となるため、歯垢除去効率を向上させることができる。
第2の毛束27は、先に説明した第2の毛束26と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
なお、図1では、V字状に配置された5つの第2の毛束27よりなるV字状毛束群を、X方向に対して、3つ配列させた場合を例に挙げて説明したが、X方向に対して配列させる該V字状毛束群の数は、2つ以上であればよく、3つに限定されない。
また、1つの該V字状毛束群を構成する第2の毛束27の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
上記説明したように、第2の毛束群13,14は、植毛面18aの中央部(言い換えれば、第1の領域A)を開放して第1の毛束群12を囲うように、第2の毛束26,27が配列されている。
このように、植毛面18aの中央部(言い換えれば、第1の領域A)を開放して、第1の毛束群12を両側から囲うように、第2の毛束群13,14を配置させることにより、第2の毛束群13,14により掻き出される歯垢等の汚れが、第1の毛束群12と対向する第2の毛束群13,14の窪み部分に集まりやすくなる。
これにより、歯垢等の汚れを第2の毛束群13,14で掻き出している途中において、第2の毛束群13,14のY方向の両端部から汚れが逃れて、該汚れが歯間等の隙間に残ることを抑制できる。
V字状とされた第2の毛束群13の角度θ、及びV字状とされた第2の毛束群14の角度θは、例えば、外形が菱形とされた第1の毛束群16のX方向に配置された角部の角度θと同じ値にすることができる。
なお、上記角度θ,θは、上記角度θと異なる値でもよい。
第2の毛束群13,14を構成する第2の毛束26,27の配列は、上記説明したV字状に限定されない。第2の毛束26,27は、例えば、円弧状に配列させてもよい。この場合、第2の毛束26,27をV字状に配列させた場合よりも少し効果が劣るが、V字以外の他の配列と比較して、歯間や歯頸部等の隙間から歯垢を掻き出す効果を高めることができる。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、第2の毛束群13,14の構成は、対称になっていなくてもよい。つまり、第2の毛束群13と第2の毛束群14とは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、態様が異なっていてもよい。
具体的には、例えば、第2の毛束群13を構成する第2の毛束26の個数と、第2の毛束群14を構成する第2の毛束27の個数と、が異なってもよい。
また、第2の毛束26の配列形状と、第2の毛束27の配列形状と、が異なっていてもよい。
なお、第2の毛束群13,14を構成する第2の毛束26,27は、その種類が同一で、かつ個数が同じで、さらに、第1の毛束群12を挟んで、配列形状が対称であることが好ましい。
第2の毛束26,27は、複数の第2の用毛が束ねられることで構成されている。第2の毛束26,27を構成する第2の用毛は、例えば、テーパー毛(例えば、芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)、スーパーテーパード毛(ST毛)、セミスーパーテーパード毛(SST毛)等)で構成するとよい。
このように、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛として、テーパー毛を用いることで、歯と歯グキとの間の狭い隙間(歯周ポケット)に、毛先を入り込ませることが可能となるので、歯頸部の汚れ(言い換えれば、歯肉縁上の歯垢、及び歯肉縁下の歯垢)を除去することができる。
また、第1の毛束25を構成する第1の用毛の先端径は、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の先端径以上にするとよい。
このように、第1の毛束25を構成する第1の用毛の先端径は、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の先端径以上にすることで、第1の毛束25によって歯面の歯垢を充分に除去することができると共に、第2の毛束26,27の毛先を歯間や歯頸部等の隙間に挿入して該隙間の歯垢を容易に除去することができる。
また、第2の用毛として、例えば、先端部がテーパー形状とされ、芯部及び鞘部を有する芯鞘テーパー用毛を用いるとよい。
このような構成とされた芯鞘テーパー用毛を第2の用毛として用いることで、毛の剛性が高くなるため、歯間部や歯頸部の清掃性が高くなるとともに、毛開きが抑制され、歯ブラシとしての耐久性を向上させることができる。
また、第2の用毛として用いる芯鞘用毛は、芯部の材料がポリブチレンテレフタレートであり、該鞘部の材料がポリエチレンテレフタレートであるとよい。
このような材料で構成された芯鞘用毛を第2の用毛として用いることで、用毛の使用感、及び清掃力を向上できるとともに、毛を折れにくくすることができ、かつ芯部と鞘部との間から裂けることを抑制できる。
第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の横断面形状(具体的には、図1に示すX方向及びY方向を通過する仮想平面で第2の用毛を切断した際の形状)は、第1の毛束25を構成する第1の用毛の横断面形状と同様な形状を用いることが可能であり、例えば、円形であることが好ましい。
第2の毛束26,27は、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性等を考慮して、太さの異なる第2の用毛を任意に組み合わせることで構成してもよい。また、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の数は、第2の毛束26,27の直径が所望の値となるように、適宜設定することができる。
(第1及び第2の毛束群の寸法)
図2を参照するに、第1の毛束群12の第1の毛丈dは、目的に応じて適宜設定することができるが、例えば、7〜12mmが好ましく、8〜11mmがより好ましい。
第1の毛丈dが7mmよりも小さいと、毛が撓まなさ過ぎる為、歯肉に当たった時に痛みを感じることがある。また、第1の毛丈dが7mmよりも小さいと、磨き心地が悪くなることがある。第1の毛丈dが12mmよりも大きいと、口腔内操作性が悪くなることがある。
第2の毛束群13,14の第2の毛丈dは、第1の毛丈dよりも高くなるように揃えられている。
第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差H(=d−d)は、1.0〜2.5mmが好ましく、1.5〜2.5mmがより好ましい。
第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差Hが1.0mmよりも小さいと、第2の毛束26,27が歯間や歯頸部に進入しにくくなる。
また、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差Hが2.5mmよりも大きいと、第1の毛束25が歯面に当たらなかったり、第2の毛束26,27が歯肉に当たって痛みを感じたりすることがある。
第1の毛束25の直径は、例えば、1.0〜2.0mmが好ましく、1.4〜1.8mmがより好ましい。第1の毛束25の直径が1.0mmよりも小さいと、歯面の歯垢の除去性能が低下してしまう。また、第1の毛束25の直径が2.0mmよりも大きくなると、撓まなさ過ぎて使用感を損ねてしまう。
第2の毛束26,27の直径は、例えば、1.0〜1.6mmが好ましく、1.1〜1.3mmがより好ましい。第2の毛束26,27の直径が1.0mmよりも小さくなると、歯肉に痛みを感じてしまう。また、第2の毛束26,27の直径が1.6mmよりも大きくなると、撓まなさ過ぎて使用感を損ねてしまう。
(歯ブラシの製造方法)
次に、図1及び図2を参照して、第1の実施の形態の歯ブラシ10の製造方法について簡単に説明する。
始めに、周知の手法により、ハンドル体11、第1の毛丈dとされた複数の第1の毛束25、及び第2の毛丈dとされた複数の第2の毛束26,27を形成する。
次いで、周知の手法により、ハンドル体11に形成された複数の第1の植毛穴21に第1の毛束25を植設し、ハンドル体11に形成された複数の第2の植毛穴22に第2の毛束26を植設し、ハンドル体11に形成された複数の第2の植毛穴23に第2の毛束27を植設する。これにより、第1の実施の形態の歯ブラシ10が製造される。
第1及び第2の毛束25〜27を植設(植毛)する方法としては、例えば、平線を打ち込む方法、熱溶着する方法等を用いることができる。
なお、第1及び第2の植毛穴21〜23の直径は、植設する毛束の直径に応じて適宜設定することができる。
第1の実施の形態の歯ブラシによれば、植毛面18aの中央部に位置する第1の領域Aに植設され、かつ第1の毛丈dに揃えられた第1の毛束群12と、植毛面18aのうち、第1の領域Aよりもヘッド部18の先端側に位置する第2の領域B、及び第1の領域Aよりもヘッド部18の後端側に位置する第3の領域Cに、第1の毛束群12の一部を囲むようにV字状または円弧状に植設され、かつ第1の毛丈dよりも高さの高い第2の毛丈dに揃えられた第2の毛束群13,14と、を有し、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差を1〜2.5mmにすることにより、歯面に対してしっかりと第1の毛束25を当接することが可能になると共に、歯肉に当たることなく、第2の毛束26,27を歯間や歯頸部に対して十分に進入させることが可能となる。
これにより、第1の毛束25によって歯面の歯垢を充分に除去することができると共に、第2の毛束26,27の毛先を歯間や歯頸部等の隙間に挿入して該隙間の歯垢を容易に除去することができる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。
図3において、図1に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。図3において、領域Jは、ヘッド部18の植毛面18aのうち、中央に位置する領域を示している。
図4は、図1に示すヘッド部において、領域Jに対応する第1及び第2の毛束群のみを植設させた構造体をK視した図である。
図4では、図3に示すハンドル部17の図示を省略する。図4において、図2及び図3に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図3及び図4を参照するに、第2の実施の形態の歯ブラシ30は、ハンドル体31と、第1の毛束群34と、第2の毛束群35,36と、を有する。
ハンドル体31は、第1の実施の形態で説明したハンドル体11を構成する第1ないし第3の領域A〜Cに替えて、第1ないし第3の領域F,G,Iを有し、かつ第1及び第2の植毛穴21〜23の数がハンドル体11に配置された第1及び第2の植毛穴21〜23の数とは異なること以外は、ハンドル体11と同様に構成される。
第1の領域Fは、植毛面18aの中央領域に配置されている。第1の領域Fは、図1に示す第1の領域AをX方向に広げた領域であり、六角形とされている。第1の領域Fには、24個の第1の植毛穴21が設けられている(図3参照)。
第2の領域Gは、植毛面18aのうち、第1の領域Fよりもヘッド部18の先端側に位置するV字状(図3において、V字を右に90度回転させた形状)の領域である。
第2の領域Gは、図1に示す第2の領域Bのうち、第1の領域A側に位置する部分をX方向に狭めた形状とされている。第2の領域Gは、第1の領域Fが図1に示す第1の領域AよりもX方向に広がった分、X方向の幅が狭い領域となっている。
第2の領域Iは、植毛面18aのうち、第1の領域Fよりもヘッド部18の後端側に位置するV字状(図3において、V字を左に90度回転させた形状)の領域である。
第2の領域Iは、図1に示す第2の領域Cのうち、第1の領域A側に位置する部分をX方向に狭めた形状とされている。第2の領域Iは、第1の領域Fが図1に示す第1の領域AよりもX方向に広がった分、X方向の幅が狭い領域となっている。
第2の領域G,Iに配置された複数の第2の植毛穴22,23は、図1に示す複数の第2の植毛穴22,23と同様に、V字状に配置されている。
第1の毛束群34は、第1の領域Fに配置された複数の第1の植毛穴21に植設された第1の毛束25で構成されている。第1の毛束群34の外形は、六角形とされている。
第2の毛束群35は、第2の領域Gに配置された複数の第2の植毛穴22に植設された第2の毛束26で構成されている。第2の毛束群35の外形は、V字形状とされている。
第2の毛束群36は、第2の領域Iに配置された複数の第2の植毛穴23に植設された第2の毛束27で構成されている。第2の毛束群36の外形は、V字形状とされている。
上記構成とされた第2の実施の形態の歯ブラシ30は、先に説明した第1の実施の形態の歯ブラシ10と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例を説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されない。
(実施例1)
図1及び図2を参照して、実施例1の歯ブラシPについて説明する。
実施例1では、図1に示す配置で設けられた第1の植毛穴21に、第1の毛丈dが9.0mmとされたPBT製のセミスーパーテーパード毛(SST毛)よりなる第1の毛束25を植設し、第2の植毛穴22,23に、第2の毛丈dが11.0mmとされた芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)よりなる第2の毛束25,26を植設することで、実施例1の歯ブラシPを作製した。
つまり、実施例1では、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差H(=d−d)を、2.0mmとした。
また、実施例1では、芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)として、芯部がポリブチレンテレフタレートで構成され、鞘部がポリエチレンテレフタレートで構成されたものを用いた。
表1に、実施例1〜6の歯ブラシP〜Pにおける第1及び第2の植毛穴の条件と、第1及び第2の毛束群の条件と、歯頸部、歯面、歯間、及び当たり心地に関する評価結果と、を示す。
なお、上記説明した以外の実施例1の歯ブラシPにおける第1及び第2の植毛穴21〜23の条件、及び第1及び第2の毛束群12〜14の条件については、表1を参照。
Figure 0006429359
(実施例2)
図3、図4、及び表1を参照して、実施例2の歯ブラシPについて説明する。
実施例2では、第1及び第2の毛束25〜27の配列パターンを図3に示すパターンに変更すると共に、第1の植毛穴21の直径を1.25mmとし、該第1の植毛穴21に、実施例1で使用した第1の毛束25よりも太さの細い第1の毛束を植設したこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、実施例2の歯ブラシPを作製した。
(実施例3)
図3、図4、及び表1を参照して、実施例3の歯ブラシPについて説明する。
実施例3では、第2の毛丈dを11.5mmとすることで、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差H(=d−d)を、2.5mmとしたこと以外は、実施例2の歯ブラシPと同様な手法により、実施例3の歯ブラシPを作製した。
(実施例4)
図1、図2、及び表1を参照して、実施例4の歯ブラシPについて説明する。
実施例4では、第1の毛束25を構成する第1の用毛の種類をストレート毛に変更したこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、実施例4の歯ブラシPを作製した。
(実施例5)
図1、図2、及び表1を参照して、実施例5の歯ブラシPについて説明する。
実施例5では、第1及び第2の毛束25〜27を構成する第1及び第2の用毛の種類をスーパーテーパード毛(ST毛)に変更すると共に、第1の毛丈dの高さを10.0mmに変更して、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差Hを1.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、実施例5の歯ブラシPを作製した。
(実施例6)
図1、図2、及び表1を参照して、実施例6の歯ブラシPについて説明する。
実施例6では、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の種類をセミスーパーテーパード毛(SST毛)に変更すると共に、第1の毛丈dの高さを10.0mmに変更して、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差を1.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、実施例6の歯ブラシPを作製した。
(比較例1)
図1、図2、及び表1を参照して、比較例1の歯ブラシQについて説明する。
比較例1では、第1及び第2の毛束25〜27を構成する第1及び第2の用毛の種類をストレート毛に変更したこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、比較例1の歯ブラシQを作製した。
表2に、比較例1〜4の歯ブラシQ〜Qにおける第1及び第2の植毛穴の条件と、第1及び第2の毛束群の条件と、歯頸部、歯面、歯間、及び当たり心地に関する評価結果と、を示す。
Figure 0006429359
(比較例2)
図1及び図2を参照して、比較例2の歯ブラシQについて説明する。
比較例2では、第1の毛丈dの高さを11.0mmに変更して、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差を0.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、比較例2の歯ブラシQを作製した。比較例2の歯ブラシQの他の条件については、表2を参照。
(比較例3)
図1、図2、及び表2を参照して、比較例3の歯ブラシQについて説明する。
比較例3では、第1の植毛穴21の直径を1.25mmとし、該第1の植毛穴21に、実施例1で使用した第1の毛束25よりも太さの細い第1の毛束を植設し、さらに、第2の毛丈dの高さを12.0mmに変更して、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差を3.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、比較例3の歯ブラシQを作製した。
(比較例4)
図5は、比較例4の歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。図6は、図5に示す構造体をM視した図である。図5及び図6において、図1及び図2に示す歯ブラシ10と同一構成部分には同一符号を付す。
始めに、図5及び図6を参照して、比較例4の歯ブラシ100の構造について説明する。
比較例4の歯ブラシ100は、図1及び図2に示す歯ブラシ10を構成する第1及び第2の毛束群12〜14に替えて、第1及び第2の毛束群105〜107を有すること以外は、歯ブラシ10と同様に構成した。
第1の毛束群105は、図1及び図2に示す第1の毛束群12を構成する複数の第1の毛束25をX方向及びY方向に所定の間隔で配置させたこと以外は、第1の毛束群12と同様に構成した。
第2の毛束群106は、図1及び図2に示す第2の毛束群13を構成する複数の第2の毛束26をX方向及びY方向に所定の間隔で配置させたこと以外は、第2の毛束群13と同様に構成した。
第2の毛束群107は、図1及び図2に示す第2の毛束群14を構成する複数の第2の毛束27をX方向及びY方向に所定の間隔で配置させたこと以外は、第2の毛束群14と同様に構成した。
具体的には、図5、図6、及び表2を参照するに、比較例4では、第1及び第2の毛束25〜27の配列パターンを図5に示すパターンに変更すると共に、第1の植毛穴(図5及び図6に図示していない第1の毛束を植設するための穴)の直径を1.25mmとし、該第1の植毛穴に、実施例1で使用した第1の毛束25よりも太さの細い第1の毛束を植設したこと以外は、実施例1の歯ブラシPと同様な手法により、比較例4の歯ブラシQ(言い換えれば、歯ブラシ100の構成要素を表2に示す内容にした歯ブラシ)を作製した。
このとき、第2の毛丈dと第1の毛丈dとの差H(=d−d)を2.0mmにした。
(実施例1〜6の歯ブラシP〜P、及び比較例1〜4の歯ブラシQ〜Qの評価試験)
10人のモニターが、実施例1〜6の歯ブラシP〜P、及び比較例1〜4の歯ブラシQ〜Qで口腔内を清掃し、その際の歯頸部、歯面、及び歯間の清掃実感、並びに歯ブラシの当たり心地を下記の評価基準で評価した。
(歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価方法)
歯頸部、歯面、及び歯間の清掃実感に関しては、上記モニターに5段階で評価してもらった。具体的には、「清掃感を非常に感じる」を5点、「清掃感をやや感じる」を4点、「清掃感を感じる」を3点、「清掃感をあまり感じない」を2点、「清掃感を感じない」を1点とした。
また、モニター10人の平均点が、4.0以上の場合を◎とし、3.0以上4.0未満の場合を○とし、2.0以上3.0未満の場合を△とし、2.0未満の場合を×と評価した。この評価結果を表1及び表2に示す。
(歯ブラシの当たり心地の評価方法)
歯ブラシの当たり心地に関しては、上記モニターに5段階で評価してもらった。具体的には、「非常に感じる」を5点、「やや感じる」を4点、「感じる」を3点、「あまり感じない」を2点、「感じない」を1点とした。
また、モニター10人の平均点が、4.0以上の場合を◎とし、3.0以上4.0未満の場合を○とし、2.0以上3.0未満の場合を△とし、2.0未満の場合を×と評価した。この評価結果を表1及び表2に示す。
(実施例1〜6の歯ブラシP〜Pの評価結果について)
表1を参照するに、実施例1〜6の歯ブラシP〜Pの歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果は◎または○であり、良好な結果が得られた。
また、第1の用毛の種類は、セミスーパーテーパード毛(SST毛)、ストレート毛のいずれかであれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
また、第2の用毛の種類は、芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)、スーパーテーパード毛(ST毛)、セミスーパーテーパード毛(SST毛)のいずれかであれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
実施例1〜6の歯ブラシP〜Pの歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果、及び当たり心地の評価結果から、第1の用毛としては、セミスーパーテーパード毛(SST毛)が最も好ましく、第2の用毛としては、芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)が最も好ましいことが確認できた。
また、第2の毛丈と第1の毛丈との差は、1.0〜2.5mmの範囲内であれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
(比較例1〜4の歯ブラシQ〜Qの評価結果について)
表2を参照するに、比較例1の評価結果から、第1及び第2の用毛をストレート毛にすると、当たり心地の評価結果が△となり、良好な結果にならなかった。
比較例2の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が、0.0mmの場合は、歯面及び歯間の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができなかった。
また、比較例3の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が、3.0mmの場合は、歯面の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができなかった。この場合、当たり心地の評価結果が×となり、この点でも良くないことが判った。
比較例4の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が2.0mmの場合であっても、図5に示すように第1及び第2の毛束25〜27を配置させると、歯面の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができないことが判った。
本発明は、歯ブラシに適用できる。
10,30…歯ブラシ、11,31…ハンドル体、12,34…第1の毛束群、13,14,35,36…第2の毛束群、17…ハンドル部、18…ヘッド部、18a…植毛面、21…第1の植毛穴、22,23…第2の植毛穴、25…第1の毛束、26,27…第2の毛束、A,F…第1の領域、B,G…第2の領域、C,I…第3の領域、D,J…領域、d…第1の毛丈、d…第2の毛丈、H…差、θ,θ,θ…角度

Claims (6)

  1. ヘッド部の植毛面に、複数の毛束が植設され長手方向に延びる歯ブラシであって、
    前記植毛面の中央部に位置する第1の領域に植設され、かつ第1の毛丈に揃えられた第1の毛束群と、
    前記植毛面のうち、前記第1の領域よりも前記ヘッド部の先端側に位置する第2の領域、及び前記第1の領域よりも前記ヘッド部の後端側に位置する第3の領域に、前記第1の毛束群の前記長手方向の両端部をそれぞれ囲むように植設され、かつ前記第1の毛丈よりも高さの高い第2の毛丈に揃えられた第2の毛束群と、
    を有し、
    前記第2の毛束群は、前記第2の領域及び前記第3の領域のそれぞれにおいて、前記中央部側を開放したV字状または円弧状に植設され、
    前記第2の領域及び前記第3の領域における前記V字状または円弧状に植設された毛束群は、それぞれ前記長手方向に沿って2列以上配列され、
    前記第1の毛束群の毛束は、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記ヘッドの幅方向に重ならない列と、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記ヘッドの幅方向に少なくとも一部が重なる列とを含み、
    前記幅方向に重ならない列の数は、前記幅方向に少なくとも一部が重なる列の数よりも多く、
    前記第2の毛束群を構成する用毛は、テーパー毛であり、
    前記第2の毛丈と前記第1の毛丈との差が、1〜2.5mmであることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記第1の毛束群を構成する第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴の総面積を、前記第2の毛束群を構成する第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴の総面積で割った値が、0.3〜1.5の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記第1の毛束群を構成する用毛の先端径は、前記第2の毛束群を構成する用毛の先端径以上であることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
  4. 前記第2の毛束群を構成する用毛は、芯鞘テーパー用毛であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
  5. 前記芯鞘テーパー用毛は、芯部と、鞘部と、を有し、
    前記芯部の材料がポリブチレンテレフタレートであり、
    前記鞘部の材料がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項4記載の歯ブラシ。
  6. 前記第1の毛束群の毛束は、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記幅方向に重ならない毛束の列が長手方向に複数列配置され、当該列の少なくとも一列は、前記第1の毛束群において形成される最大幅よりも短い幅を形成する列を含む、ことを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
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