JP6429359B2 - 歯ブラシ - Google Patents
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Description
そして、加齢に伴い、歯周ポケットが深くなり、歯肉炎や歯周病の罹患率が高まるにつれて、歯垢除去ばかりではなく、歯周ポケットの汚れも除去できる歯ブラシが要望される。
また、特許文献1には、歯面の清掃力を向上させるために、用毛の先端を球状、或いは扁平にすることも開示されている。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。
図1において、X方向は、ハンドル体11の延在方向(言い換えれば、ハンドル体11を構成するハンドル部17及びヘッド部18の長手方向)を示しており、Y方向は、X方向に対して直交する方向(言い換えれば、ヘッド部18の幅方向)を示している。
図1において、領域Dは、ヘッド部18の植毛面18aのうち、中央に位置する領域を示している。
図2では、図1に示すハンドル部17の図示を省略する。図2において、Z方向は、図1に示すX方向及びY方向に対して直交する方向(言い換えれば、第1及び第2の毛束群12〜14の高さ方向)を示している。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
ハンドル体11は、ハンドル部17と、ヘッド部18と、を有する。ハンドル部17は、X方向に延在した部材であり、人が歯を磨く際に手で持つ領域(図示せず)を有する。
ヘッド部18は、ハンドル部17の一方の端に設けられている。ヘッド部18は、ハンドル部17の一方の端部と一体とされている。ヘッド部18は、X方向に延在しており、X方向における長さの値よりもY方向における幅の値の方が小さくなるように構成されている。
植毛面18aは、第1の領域Aと、第2の領域Bと、第3の領域Cと、を有する。
第1の領域Aは、植毛面18aのうち、中央に配置された領域(中央領域)である。第1の領域Aは、X方向に配置された両端部がV字状に突出した形状とされている。第1の領域Aの形状は、例えば、菱形にすることができる。
第1の領域Aは、第2の領域Bと第3の領域Cとの間に配置されている。
第3の領域Cのうち、第1の領域A側に配置された2辺は、V字形状とされた第1の領域Aの2辺と対向している。第3の領域Cは、先に説明した第2の領域Bを右方向に180度回転させた領域である。第2及び第3の領域B,Cは、第1の領域Aにより完全に分離されている。
ハンドル体11は、例えば、樹脂を射出成形することで製造可能である。ハンドル体11の材料となる樹脂は、例えば、ハンドル体11に要求される剛性や機械特性等を考慮して、選定することができる。
上記高硬度樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等を例示することができる。
ハンドル体11の材料となる樹脂として、これらの高硬度樹脂のうちのいずれか1種を単独で使用してもよいし、これらの高硬度樹脂のうちの2種以上を併用してもよい。
また、1つの該第2の植毛穴群を構成する第2の植毛穴22の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
これにより、複数の第1の植毛穴21は、複数の第2の植毛穴22と複数の第3の植毛穴23との間に挟まれるように配置されている。
第2の植毛穴23は、第2の毛束群14を構成する第2の毛束27を植毛するための穴である。
また、1つの該第3の植毛穴群を構成する第3の植毛穴23の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
S1/S2の値が、0.3よりも小さいと、歯面の清掃力が低下してしまう。また、S1/S2の値が、1.5よりも大きいと、歯間、及び歯頸部の清掃力が低下してしまう。
したがって、S1/S2の値を0.3〜1.5の範囲内にすることで、歯面、歯間、及び歯頸部をバランスよく磨くことができる。
図1及び図2を参照するに、第1の毛束群12は、主に歯面に接し、歯面に付着した歯垢を除去する機能を有する毛束群であり、複数(図1の場合、9個)の第1の毛束25を有する。複数の第1の毛束25は、第1の毛丈d1となるように揃えられており、それぞれ第1の植毛穴21に植設されている。
これにより、複数の第1の毛束25は、平面視した状態において、菱形状に配置されている。複数の第1の毛束25で構成された菱形の2つの対角線のうち、一方の対角線は、X方向に配置されており、他方の対角線は、Y方向に配置されている。
第1の毛束群16を構成する第1の毛束25の数は、例えば、第1の毛束25の直径等を考慮して適宜設定することが可能である。第1の毛束群16を構成する第1の毛束25の数は、例えば、4〜16個が好ましい。
また、平面視した状態における第1の毛束群12の形状は、菱形には限定されない。平面視した状態における第1の毛束群12の形状は、例えば、正方形、六角形、円形、楕円形等であってもよい。
第1の毛束25は、テーパー毛のみで構成してもよいし、セミテーパー毛のみで構成してもよいし、ストレート毛のみで構成してもよいし、テーパー毛、ストレート毛、セミテーパー毛のうち、2種以上を組み合わせて構成してもよい。
なお、第1の用毛の横断面形状は、円形に限定されない。第1の用毛の横断面形状は、例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等)、異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形等)等であってもよい。
また、使用感、刷掃感、清掃効果、及び耐久性等を考慮して、太さの異なる複数本の第1の用毛を任意に組み合わせることで、第1の毛束25を構成してもよい。
図1及び図2を参照するに、第2の毛束群13は、複数(図1の場合、15個)の第2の毛束26を有する。複数の第2の毛束26は、それぞれ第2の植毛穴23に植設されている。
これにより、複数の第2の毛束26は、平面視した状態において、X方向に対して、3列のV字状(具体的には、図1において、V字を右に90度回転させた形状)に配置されている。第1の毛束群12に近接して、V字状に配置された5つの第2の毛束26は、第1の毛束群12の一部(言い換えれば、外形がV字状とされた一方の端部)を囲むように配置されている。
これにより、第1の毛束群12と第2の毛束群13の境界部分には段差が形成される。このように、第1の毛束群12と第2の毛束群13との間に段差が形成されることで、歯間や歯頸部等の隙間に存在する歯垢を効率良く掻き出すことが可能となるため、歯垢除去効率を向上させることができる。
第2の毛束26は、先に説明した第1の毛束25と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
また、1つの該V字状毛束群を構成する第2の毛束26の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
これにより、複数の第2の毛束27は、平面視した状態において、X方向に対して、3列のV字状(具体的には、図1において、V字を左に90度回転させた形状)に配置されている。第1の毛束群12に近接して、V字状に配置された5つの第2の毛束27は、第1の毛束群12の一部(言い換えれば、外形がV字状とされた他方の端部)を囲むように配置されている。
これにより、第1の毛束群12と第2の毛束群14の境界部分には段差が形成される。このように、第1の毛束群12と第2の毛束群14との間に段差が形成されることで、歯間や歯頸部等の隙間に存在する歯垢を効率良く掻き出すことが可能となるため、歯垢除去効率を向上させることができる。
第2の毛束27は、先に説明した第2の毛束26と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
また、1つの該V字状毛束群を構成する第2の毛束27の数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
このように、植毛面18aの中央部(言い換えれば、第1の領域A)を開放して、第1の毛束群12を両側から囲うように、第2の毛束群13,14を配置させることにより、第2の毛束群13,14により掻き出される歯垢等の汚れが、第1の毛束群12と対向する第2の毛束群13,14の窪み部分に集まりやすくなる。
これにより、歯垢等の汚れを第2の毛束群13,14で掻き出している途中において、第2の毛束群13,14のY方向の両端部から汚れが逃れて、該汚れが歯間等の隙間に残ることを抑制できる。
なお、上記角度θ2,θ3は、上記角度θ1と異なる値でもよい。
具体的には、例えば、第2の毛束群13を構成する第2の毛束26の個数と、第2の毛束群14を構成する第2の毛束27の個数と、が異なってもよい。
また、第2の毛束26の配列形状と、第2の毛束27の配列形状と、が異なっていてもよい。
なお、第2の毛束群13,14を構成する第2の毛束26,27は、その種類が同一で、かつ個数が同じで、さらに、第1の毛束群12を挟んで、配列形状が対称であることが好ましい。
このように、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛として、テーパー毛を用いることで、歯と歯グキとの間の狭い隙間(歯周ポケット)に、毛先を入り込ませることが可能となるので、歯頸部の汚れ(言い換えれば、歯肉縁上の歯垢、及び歯肉縁下の歯垢)を除去することができる。
このように、第1の毛束25を構成する第1の用毛の先端径は、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の先端径以上にすることで、第1の毛束25によって歯面の歯垢を充分に除去することができると共に、第2の毛束26,27の毛先を歯間や歯頸部等の隙間に挿入して該隙間の歯垢を容易に除去することができる。
このような構成とされた芯鞘テーパー用毛を第2の用毛として用いることで、毛の剛性が高くなるため、歯間部や歯頸部の清掃性が高くなるとともに、毛開きが抑制され、歯ブラシとしての耐久性を向上させることができる。
このような材料で構成された芯鞘用毛を第2の用毛として用いることで、用毛の使用感、及び清掃力を向上できるとともに、毛を折れにくくすることができ、かつ芯部と鞘部との間から裂けることを抑制できる。
第2の毛束26,27は、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性等を考慮して、太さの異なる第2の用毛を任意に組み合わせることで構成してもよい。また、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の数は、第2の毛束26,27の直径が所望の値となるように、適宜設定することができる。
図2を参照するに、第1の毛束群12の第1の毛丈d1は、目的に応じて適宜設定することができるが、例えば、7〜12mmが好ましく、8〜11mmがより好ましい。
第1の毛丈d1が7mmよりも小さいと、毛が撓まなさ過ぎる為、歯肉に当たった時に痛みを感じることがある。また、第1の毛丈d1が7mmよりも小さいと、磨き心地が悪くなることがある。第1の毛丈d1が12mmよりも大きいと、口腔内操作性が悪くなることがある。
第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1(=d2−d1)は、1.0〜2.5mmが好ましく、1.5〜2.5mmがより好ましい。
第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1が1.0mmよりも小さいと、第2の毛束26,27が歯間や歯頸部に進入しにくくなる。
また、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1が2.5mmよりも大きいと、第1の毛束25が歯面に当たらなかったり、第2の毛束26,27が歯肉に当たって痛みを感じたりすることがある。
次に、図1及び図2を参照して、第1の実施の形態の歯ブラシ10の製造方法について簡単に説明する。
始めに、周知の手法により、ハンドル体11、第1の毛丈d1とされた複数の第1の毛束25、及び第2の毛丈d2とされた複数の第2の毛束26,27を形成する。
次いで、周知の手法により、ハンドル体11に形成された複数の第1の植毛穴21に第1の毛束25を植設し、ハンドル体11に形成された複数の第2の植毛穴22に第2の毛束26を植設し、ハンドル体11に形成された複数の第2の植毛穴23に第2の毛束27を植設する。これにより、第1の実施の形態の歯ブラシ10が製造される。
第1及び第2の毛束25〜27を植設(植毛)する方法としては、例えば、平線を打ち込む方法、熱溶着する方法等を用いることができる。
なお、第1及び第2の植毛穴21〜23の直径は、植設する毛束の直径に応じて適宜設定することができる。
これにより、第1の毛束25によって歯面の歯垢を充分に除去することができると共に、第2の毛束26,27の毛先を歯間や歯頸部等の隙間に挿入して該隙間の歯垢を容易に除去することができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。
図3において、図1に示す第1の実施の形態の歯ブラシ10と同一構成部分には、同一符号を付す。図3において、領域Jは、ヘッド部18の植毛面18aのうち、中央に位置する領域を示している。
図4では、図3に示すハンドル部17の図示を省略する。図4において、図2及び図3に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
ハンドル体31は、第1の実施の形態で説明したハンドル体11を構成する第1ないし第3の領域A〜Cに替えて、第1ないし第3の領域F,G,Iを有し、かつ第1及び第2の植毛穴21〜23の数がハンドル体11に配置された第1及び第2の植毛穴21〜23の数とは異なること以外は、ハンドル体11と同様に構成される。
第2の領域Gは、植毛面18aのうち、第1の領域Fよりもヘッド部18の先端側に位置するV字状(図3において、V字を右に90度回転させた形状)の領域である。
第2の領域Gは、図1に示す第2の領域Bのうち、第1の領域A側に位置する部分をX方向に狭めた形状とされている。第2の領域Gは、第1の領域Fが図1に示す第1の領域AよりもX方向に広がった分、X方向の幅が狭い領域となっている。
第2の領域Iは、図1に示す第2の領域Cのうち、第1の領域A側に位置する部分をX方向に狭めた形状とされている。第2の領域Iは、第1の領域Fが図1に示す第1の領域AよりもX方向に広がった分、X方向の幅が狭い領域となっている。
第2の領域G,Iに配置された複数の第2の植毛穴22,23は、図1に示す複数の第2の植毛穴22,23と同様に、V字状に配置されている。
第2の毛束群35は、第2の領域Gに配置された複数の第2の植毛穴22に植設された第2の毛束26で構成されている。第2の毛束群35の外形は、V字形状とされている。
第2の毛束群36は、第2の領域Iに配置された複数の第2の植毛穴23に植設された第2の毛束27で構成されている。第2の毛束群36の外形は、V字形状とされている。
図1及び図2を参照して、実施例1の歯ブラシP1について説明する。
実施例1では、図1に示す配置で設けられた第1の植毛穴21に、第1の毛丈d1が9.0mmとされたPBT製のセミスーパーテーパード毛(SST毛)よりなる第1の毛束25を植設し、第2の植毛穴22,23に、第2の毛丈d2が11.0mmとされた芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)よりなる第2の毛束25,26を植設することで、実施例1の歯ブラシP1を作製した。
つまり、実施例1では、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1(=d2−d1)を、2.0mmとした。
表1に、実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6における第1及び第2の植毛穴の条件と、第1及び第2の毛束群の条件と、歯頸部、歯面、歯間、及び当たり心地に関する評価結果と、を示す。
なお、上記説明した以外の実施例1の歯ブラシP1における第1及び第2の植毛穴21〜23の条件、及び第1及び第2の毛束群12〜14の条件については、表1を参照。
図3、図4、及び表1を参照して、実施例2の歯ブラシP2について説明する。
実施例2では、第1及び第2の毛束25〜27の配列パターンを図3に示すパターンに変更すると共に、第1の植毛穴21の直径を1.25mmとし、該第1の植毛穴21に、実施例1で使用した第1の毛束25よりも太さの細い第1の毛束を植設したこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、実施例2の歯ブラシP2を作製した。
図3、図4、及び表1を参照して、実施例3の歯ブラシP3について説明する。
実施例3では、第2の毛丈d2を11.5mmとすることで、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1(=d2−d1)を、2.5mmとしたこと以外は、実施例2の歯ブラシP2と同様な手法により、実施例3の歯ブラシP3を作製した。
図1、図2、及び表1を参照して、実施例4の歯ブラシP4について説明する。
実施例4では、第1の毛束25を構成する第1の用毛の種類をストレート毛に変更したこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、実施例4の歯ブラシP4を作製した。
図1、図2、及び表1を参照して、実施例5の歯ブラシP5について説明する。
実施例5では、第1及び第2の毛束25〜27を構成する第1及び第2の用毛の種類をスーパーテーパード毛(ST毛)に変更すると共に、第1の毛丈d1の高さを10.0mmに変更して、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差H1を1.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、実施例5の歯ブラシP5を作製した。
図1、図2、及び表1を参照して、実施例6の歯ブラシP6について説明する。
実施例6では、第2の毛束26,27を構成する第2の用毛の種類をセミスーパーテーパード毛(SST毛)に変更すると共に、第1の毛丈d1の高さを10.0mmに変更して、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差を1.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、実施例6の歯ブラシP6を作製した。
図1、図2、及び表1を参照して、比較例1の歯ブラシQ1について説明する。
比較例1では、第1及び第2の毛束25〜27を構成する第1及び第2の用毛の種類をストレート毛に変更したこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、比較例1の歯ブラシQ1を作製した。
表2に、比較例1〜4の歯ブラシQ1〜Q4における第1及び第2の植毛穴の条件と、第1及び第2の毛束群の条件と、歯頸部、歯面、歯間、及び当たり心地に関する評価結果と、を示す。
図1及び図2を参照して、比較例2の歯ブラシQ2について説明する。
比較例2では、第1の毛丈d1の高さを11.0mmに変更して、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差を0.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、比較例2の歯ブラシQ2を作製した。比較例2の歯ブラシQ2の他の条件については、表2を参照。
図1、図2、及び表2を参照して、比較例3の歯ブラシQ3について説明する。
比較例3では、第1の植毛穴21の直径を1.25mmとし、該第1の植毛穴21に、実施例1で使用した第1の毛束25よりも太さの細い第1の毛束を植設し、さらに、第2の毛丈d2の高さを12.0mmに変更して、第2の毛丈d2と第1の毛丈d1との差を3.0mmにしたこと以外は、実施例1の歯ブラシP1と同様な手法により、比較例3の歯ブラシQ3を作製した。
図5は、比較例4の歯ブラシの主要部を第1及び第2の毛束群側から平面視した図である。図6は、図5に示す構造体をM視した図である。図5及び図6において、図1及び図2に示す歯ブラシ10と同一構成部分には同一符号を付す。
比較例4の歯ブラシ100は、図1及び図2に示す歯ブラシ10を構成する第1及び第2の毛束群12〜14に替えて、第1及び第2の毛束群105〜107を有すること以外は、歯ブラシ10と同様に構成した。
第1の毛束群105は、図1及び図2に示す第1の毛束群12を構成する複数の第1の毛束25をX方向及びY方向に所定の間隔で配置させたこと以外は、第1の毛束群12と同様に構成した。
第2の毛束群107は、図1及び図2に示す第2の毛束群14を構成する複数の第2の毛束27をX方向及びY方向に所定の間隔で配置させたこと以外は、第2の毛束群14と同様に構成した。
このとき、第2の毛丈d4と第1の毛丈d3との差H2(=d4−d3)を2.0mmにした。
10人のモニターが、実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6、及び比較例1〜4の歯ブラシQ1〜Q4で口腔内を清掃し、その際の歯頸部、歯面、及び歯間の清掃実感、並びに歯ブラシの当たり心地を下記の評価基準で評価した。
歯頸部、歯面、及び歯間の清掃実感に関しては、上記モニターに5段階で評価してもらった。具体的には、「清掃感を非常に感じる」を5点、「清掃感をやや感じる」を4点、「清掃感を感じる」を3点、「清掃感をあまり感じない」を2点、「清掃感を感じない」を1点とした。
また、モニター10人の平均点が、4.0以上の場合を◎とし、3.0以上4.0未満の場合を○とし、2.0以上3.0未満の場合を△とし、2.0未満の場合を×と評価した。この評価結果を表1及び表2に示す。
歯ブラシの当たり心地に関しては、上記モニターに5段階で評価してもらった。具体的には、「非常に感じる」を5点、「やや感じる」を4点、「感じる」を3点、「あまり感じない」を2点、「感じない」を1点とした。
また、モニター10人の平均点が、4.0以上の場合を◎とし、3.0以上4.0未満の場合を○とし、2.0以上3.0未満の場合を△とし、2.0未満の場合を×と評価した。この評価結果を表1及び表2に示す。
表1を参照するに、実施例1〜6の歯ブラシP1〜P6の歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果は◎または○であり、良好な結果が得られた。
また、第1の用毛の種類は、セミスーパーテーパード毛(SST毛)、ストレート毛のいずれかであれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
また、第2の用毛の種類は、芯鞘スーパーテーパード毛(芯鞘ST毛)、スーパーテーパード毛(ST毛)、セミスーパーテーパード毛(SST毛)のいずれかであれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
また、第2の毛丈と第1の毛丈との差は、1.0〜2.5mmの範囲内であれば、歯頸部、歯面、歯間の清掃実感の評価結果が良好になることが確認できた。
表2を参照するに、比較例1の評価結果から、第1及び第2の用毛をストレート毛にすると、当たり心地の評価結果が△となり、良好な結果にならなかった。
比較例2の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が、0.0mmの場合は、歯面及び歯間の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができなかった。
また、比較例3の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が、3.0mmの場合は、歯面の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができなかった。この場合、当たり心地の評価結果が×となり、この点でも良くないことが判った。
比較例4の評価結果から、第2の毛丈と第1の毛丈との差が2.0mmの場合であっても、図5に示すように第1及び第2の毛束25〜27を配置させると、歯面の清掃実感の結果が△となり、良好な結果を得ることができないことが判った。
Claims (6)
- ヘッド部の植毛面に、複数の毛束が植設され長手方向に延びる歯ブラシであって、
前記植毛面の中央部に位置する第1の領域に植設され、かつ第1の毛丈に揃えられた第1の毛束群と、
前記植毛面のうち、前記第1の領域よりも前記ヘッド部の先端側に位置する第2の領域、及び前記第1の領域よりも前記ヘッド部の後端側に位置する第3の領域に、前記第1の毛束群の前記長手方向の両端部をそれぞれ囲むように植設され、かつ前記第1の毛丈よりも高さの高い第2の毛丈に揃えられた第2の毛束群と、
を有し、
前記第2の毛束群は、前記第2の領域及び前記第3の領域のそれぞれにおいて、前記中央部側を開放したV字状または円弧状に植設され、
前記第2の領域及び前記第3の領域における前記V字状または円弧状に植設された毛束群は、それぞれ前記長手方向に沿って2列以上配列され、
前記第1の毛束群の毛束は、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記ヘッドの幅方向に重ならない列と、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記ヘッドの幅方向に少なくとも一部が重なる列とを含み、
前記幅方向に重ならない列の数は、前記幅方向に少なくとも一部が重なる列の数よりも多く、
前記第2の毛束群を構成する用毛は、テーパー毛であり、
前記第2の毛丈と前記第1の毛丈との差が、1〜2.5mmであることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記第1の毛束群を構成する第1の毛束が植毛される複数の第1の植毛穴の総面積を、前記第2の毛束群を構成する第2の毛束が植毛される複数の第2の植毛穴の総面積で割った値が、0.3〜1.5の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
- 前記第1の毛束群を構成する用毛の先端径は、前記第2の毛束群を構成する用毛の先端径以上であることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
- 前記第2の毛束群を構成する用毛は、芯鞘テーパー用毛であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
- 前記芯鞘テーパー用毛は、芯部と、鞘部と、を有し、
前記芯部の材料がポリブチレンテレフタレートであり、
前記鞘部の材料がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項4記載の歯ブラシ。 - 前記第1の毛束群の毛束は、前記V字状または円弧状に植設された毛束群の毛束と前記幅方向に重ならない毛束の列が長手方向に複数列配置され、当該列の少なくとも一列は、前記第1の毛束群において形成される最大幅よりも短い幅を形成する列を含む、ことを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の歯ブラシ。
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