WO2016006046A1

WO2016006046A1 - 食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法

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Publication number: WO2016006046A1
Application number: PCT/JP2014/068238
Authority: WO
Inventors: 純二辻田; 美里山田; 泰典松本; 由美武村
Original assignee: 株式会社中温; 公立大学法人高知工科大学
Priority date: 2014-07-08
Filing date: 2014-07-08
Publication date: 2016-01-14

Abstract

（課題）生産地で収穫した野菜や果物等の青果物、又は加工処理した野菜、果物等の青果物の鮮度を維持した状態で長期間保存することができる食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法を提供することを目的とする。（解決手段）生鮮食品を収納する収納部と、収納部を冷却する冷却手段と、収納部及び冷却手段を収納する筐体からなる、食品保存容器であって、収納部は前記食品保存容器の外部に連通される通気手段を有し、冷却手段は、微細なシャーベット状の氷粒子と海水等のブライン又は清水とからなるスラリーアイスであり、筐体は断熱部材からなることを特徴とする食品保存容器と、生鮮食品を食品保存容器に収納する収納工程と、生鮮食品が収納された食品保存容器を輸送手段により輸送する輸送工程とを含むことを特徴とする生鮮食品の保存・流通方法である。

Description

食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法

　本発明は、食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法に関し、より詳しくは生産地で収穫した野菜や果物等の青果物、又は加工処理した野菜、果物等の青果物の鮮度を維持した状態で長期間保存することができる食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法に関する。

　野菜や果物等の青果物は鮮度が重要であり、生産地から市場、販売店に至る流通の過程において鮮度を維持することが必要とされている。

　これまで、青果物に加えて、魚介類等の生鮮食品を保存する方法として、－２℃～０℃の保存水中に生鮮食品を浸漬保存する方法（下記特許文献１）や、０℃以下の非凍結状態に維持された超低温水で冷却処理することで生鮮食品を保存する方法（下記特許文献２）、被包装物を、吸水性及び可撓性を有し且つ含水させられた包材に包んだ後、０℃以下で且つ被包装物の凍結点に達しない温度域で冷蔵する保存方法（下記特許文献３）等が知られている。

　また、レタス、キャベツ等の野菜は、カット処理すると劣化が早くなりその野菜の品質保持が困難となるため、生産地で野菜を収穫すると、消費地の近くにあるカット加工場に輸送され、カット処理されていた。

　特許文献４には、カットされた野菜の保存性を高めるためにカット野菜貯蔵用の密閉区画を庫内に備えた冷蔵庫に関する技術が開示されている。

特開昭６０－４９７４０号公報特開平８－１１６８６９号公報特開昭６０－３４６８号公報特開２００２－２６７３５１号公報

　しかしながら、生鮮野菜を密閉した状態で保存すると、保存中に野菜から発せられるガスにより発酵がすすむことで品質の低下を招き、野菜を新鮮な状態で長期間保存することができない。また、食品等を冷蔵庫で保存する際、冷蔵庫の開閉動作による庫内温度の変動により、食品の保存温度が変動し、低温安定性を図ることが困難であった。更に野菜や果物等の青果物を加工処理（芯抜き、皮むき、カット等）すると劣化が早くなり、加工処理後の品質保持が困難であった。

　本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、生産地で収穫した野菜や果物等の青果物、又は加工処理した野菜、果物等の鮮度を維持した状態で長期間保存することが可能な食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法を提供することを目的とする。

　請求項１に係る発明は、生鮮食品を収納する収納部と、前記収納部を冷却する冷却手段と、前記収納部及び前記冷却手段を収納する筐体からなる、食品保存容器であって、前記収納部は前記食品保存容器の外部に連通される通気手段を有し、前記冷却手段は、微細なシャーベット状の氷粒子と海水等のブライン又は清水とからなるスラリーアイスであり、前記筐体は断熱部材からなることを特徴とする食品保存容器に関する。

　請求項２に係る発明は、前記冷却手段は、水溶性の溶質を含むことを特徴とする請求項１記載の食品保存容器に関する。

　請求項３に係る発明は、前記冷却手段は、塩水溶液を原料とし、塩濃度は０．５～３．５ｗｔ％であることを特徴とする請求項１又は２に記載の食品保存容器に関する。

　請求項４に係る発明は、前記筐体は、前記冷却手段を供給又は取出すための貫通孔を有することを特徴とする請求項１乃至３何れかに記載の食品保存容器に関する。

　請求項５に係る発明は、前記筐体は、前記収納部と一体形成されていることを特徴とする請求項１乃至４何れかに記載の食品保存容器に関する。

　請求項６に係る発明は、前記収納部を包装する包装手段を備えていることを特徴とする請求項１乃至５何れかに記載の食品保存容器に関する。

　請求項７に係る発明は、生鮮食品を請求項１乃至６何れかに記載の食品保存容器に収納する収納工程と、前記生鮮食品が収納された食品保存容器を輸送手段により輸送する輸送工程とを含むことを特徴とする生鮮食品の保存・流通方法に関する。

　請求項８に係る発明は、前記生鮮食品が収納された食品保存容器と、前記スラリーアイスを製造するスラリーアイス製造装置と、前記食品保存容器と前記スラリーアイス製造装置に接続されている配管とを、コンテナに収納するコンテナ収納工程とを含み、前記コンテナ収納工程後に前記コンテナを前記輸送手段により輸送することを特徴とする請求項７記載の生鮮食品の保存・流通方法に関する。

　請求項９に係る発明は、前記輸送工程は前記食品保存容器をチルド輸送するチルド輸送工程を含むことを特徴とする請求項７又は８に記載の生鮮食品の保存・流通方法に関する。

　請求項１０に係る発明は、前記生鮮食品は、加工処理した野菜、果物等の青果物を含むことを特徴とする請求項７乃至９何れかに記載の生鮮食品の保存・流通方法に関する。

　請求項１に係る発明によれば、収納部に食品保存容器の外部に連通される通気手段を設けていることから、生鮮食品から発生するガスを通気手段を介して排気することで、生鮮食品の発酵による品質の低下を防止することができる。また、冷却手段は、微細なシャーベット状の氷粒子と海水等のブライン又は清水とからなるスラリーアイスであることから、冷却手段の温度の均一化により収納容器の低温安定性を図ることができ、野菜を氷結点付近で保存することで収納部に収納されている生鮮食品を新鮮な状態で長期間保持することができる。

　請求項２に係る発明によれば、冷却手段は、水溶性の溶質を含むことから、仮に収納部に収納されている生鮮食品に冷却手段が接触することがあったとしても、水洗浄で溶質を容易に取り除くことができる。

　請求項３に係る発明によれば、冷却手段は、塩水溶液を原料とし、塩濃度は０．５～３．５ｗｔ％であることから、収納部に収納されている生鮮食品を－２～０℃の温度帯で保存することができる。

　請求項４に係る発明によれば、前記冷却手段を供給又は取出すための貫通孔を有することから、筐体に収納されている冷却手段を取り替えることが可能となる。

　請求項５に係る発明によれば、筐体は収納部と一体形成されていることから、食品保存容器を輸送する際に冷却手段が筐体から漏出することを防止することができる。

　請求項６に係る発明によれば、収納部を包装する包装手段を備えていることから、収納部に収納されている生鮮食品と冷却手段との接触を防止することができる。

　請求項７に係る発明によれば、生鮮食品を請求項１乃至６何れかに記載の食品保存容器に収納する収納工程と、前記生鮮食品を収納した食品保存容器を輸送手段により輸送する輸送工程とを含むことから、収穫した野菜や果物等の青果物及び加工処理した野菜、果物等を長期間保存することができる。

　請求項８に係る発明によれば、生鮮食品が収納された食品保存容器と、スラリーアイスを製造するスラリーアイス製造装置と、食品保存容器とスラリーアイス製造装置に接続されている配管とを、コンテナに収納するコンテナ収納工程とを含み、前記コンテナ収納工程後にコンテナを前記輸送手段により輸送することから、食品保存容器にスラリーアイスを供給することが可能となり、収納部内を一定した低温状態で維持することができることで、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存・輸送することが可能となる。

　請求項９に係る発明によれば、輸送工程は食品保存容器をチルド輸送するチルド輸送工程を含むことから、より確実に低温輸送でき、安定して生鮮食品を新鮮な状態で消費地へ輸送することができる

　請求項１０に係る発明によれば、生鮮食品は、加工処理した野菜、果物等の青果物を含むことから、特に、従来傷みやすかった加工処理した野菜、果物等の青果物を長期間新鮮な状態で保存することができ、特に加工処理工場を産地近くに設置することが可能となる。さらに地方でのみ消費されていた農産物を消費地に輸送することが可能となり、産地の活性化を図ることができる。

本発明に係る食品保存容器を示す図である。図１のＡ－Ａ線断面図である。本発明の利用されるスラリーアイス製造装置の実施例を示す図であり、（ａ）は斜視図、（ｂ）は製氷機近傍の部分拡大断面図である。筐体と収納部が一体形成されている食品保存容器を示す図である。図４のＢ－Ｂ線断面図である。食品保存容器にスラリーアイス製造装置が接続されている状態を示す図である。収納部を包装手段により包装した食品保存容器を示す図である。筐体の他の実施形態を示す図である。緩衝手段を示す図であり、（ａ）は斜視図、（ｂ）はＣ－Ｃ線断面図、（ｃ）は緩衝材を使用する際のＣ－Ｃ線断面図である。本発明の食品保存容器を用いた野菜や果物等の青果物の保存・流通方法の実施形態を示すフロー図である。本発明の食品保存容器を用いた加工処理した野菜、果物等の青果物の保存・流通方法の実施形態を示すフロー図である。従来の加工処理した野菜、果物等の青果物の流通方法を示すフロー図である。

　本発明に係る食品保存容器の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図１は、本発明に係る食品保存容器を示す図であり、図２は図１のＡ－Ａ線断面図である。
　本発明に係る食品保存容器（１）は、生鮮食品を収納する収納部（２）と、収納部（２）を冷却する冷却手段（３）と、収納部（２）及び冷却手段（３）を収納する筐体（４）からなる。

　筐体（４）は、蓋体（４ａ）と本体（４ｂ）からなり、蓋体（４ａ）は本体（４ｂ）の上方開口部に対して着脱自在に被せられている。筐体内は密閉されているが、筐体（４）の蓋体（４ａ）には後述する通気手段（５）が連通する貫通孔（６）が設けられている。筐体（４）に使用される材料は、筐体内部を保冷するため断熱部材が使用され、繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）や、発泡ポリスチレン等の発泡性材料が好適に利用される。

　収納部（２）は、筐体（４）内部に配置され保存対象物（生鮮食品）を収納している。収納部（２）は、食品保存容器（１）の外部に連通される通気手段（５）を有している。これにより、特に生鮮食品が野菜や果物等の青果物の場合、青果物から発生するガス（エチレンガス等）は通気手段（５）を介して排気することができ、ガスに起因する生鮮食品の発酵による品質の低下を防止することが可能となる。

　通気手段（５）はプラスチックやゴム等の弾性材料からなるチューブ等が好適に利用され、収納部（２）と連通・連結されている。通気手段（５）は収納部（２）と一体形成されていてもよく、収納部（２）に着脱自在に取り付けられていてもよい。収納部（２）が筐体（４）に複数個収納される場合、各収納部（２）に夫々通気手段（５）が設けられる。この場合、通気手段（５）の数に対応するように、筐体（４）の蓋体（４ａ）に貫通孔（６）を複数箇所設けることができる。また、収納部（２）に収納される生鮮食品の種類によって、保存中に発生する発酵ガスの量が異なるため、通気手段（５）に使用されるチューブの径の大きさは、収納する生鮮食品の種類に応じて設計変更される。本発明に係る食品保存容器（１）は、通気手段（５）を備えることにより、様々な生鮮食品を長期間に亘り新鮮な状態で保持することが可能な汎用性に優れた容器となる。

　冷却手段（３）は筐体（４）に収納され、収納部（２）を冷却するための手段であり、スラリーアイスが利用される。ここで、スラリーアイスとは海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液を原料とし、微細なシャーベット状の氷粒子を含んでいる。

　この発明において、スラリーアイスの原料として用いる塩水溶液の塩濃度は０．１～５ｗｔ％であり、より好ましくは０．５～３．５ｗｔ％である。これにより、生鮮食品を－２～０℃の温度帯で保存することが可能となる。塩水溶液の塩濃度が高くなると水溶液の凝固点が降下し、氷粒子が生鮮食品の氷結点付近で存在することができなくなるため好ましくない。

　この発明において、冷却手段（３）に用いられる微細なシャーベット状の氷粒子は、粒子径が５００μｍ以下であり、より好ましくは３００μｍ以下である。このように氷粒子を微小とすることで、氷粒子と塩水溶液との接触面が大きくなり、融解又は凝固による氷粒子と塩水溶液との熱交換の効率が向上する。更に氷粒子を均一に分散した状態で収納部（２）の周囲に存在させることができ、冷却手段（３）の温度が均一化される。これにより、冷却される収納部（２）の温度も均一化され、収納部（２）全体を安定した均一な低温状態とすることができる。
　氷粒子が大きくなると（例えば５００μｍ超）、塩水溶液との熱交換の効率が低下し、収納部（２）の温度が不均一となり易く、収納部（２）全体を安定した均一な低温状態とすることが困難となるため好ましくない。
　また、冷却手段（３）に用いられるスラリーアイスの氷充填率は氷粒子と塩水溶液との熱交換の効率及び分散性から５０ｍａｓｓ％以下であることが好ましい。

　冷却手段（３）に含まれる溶質は水溶性であれば特に限定されず、例えば分子量の大きい界面活性剤等を使用することができる。また、食塩、ショ糖等の食品調味料を使用することもできる。水溶性の溶質を使用することにより、仮に冷却手段（３）と生鮮食品とが接触したとしても、溶質を水洗浄で容易に洗い流すことができ、食品衛生上の問題が生じない。塩水溶液に用いられる塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸塩、亜硫酸塩等が挙げられるが、食品保存料に使用される塩類であれば特に限定されない。

　冷却手段（３）に含まれる溶質及びその濃度により水溶液の凝固点が変化することから、生鮮食品の種類に応じて溶質の種類及びその濃度を変えることにより、生鮮食品を氷結点付近で保存することが可能である。これにより、収納部（２）に収納されている生鮮食品を新鮮な状態で長期間保存することができる。更に冷却手段（３）に用いられるスラリーアイスの氷充填率を変化させることで、より細かな温度設定を行うことが可能となる。

　冷却手段（３）に用いられるスラリーアイスの製造方法については特に限定されないが、例えば特許第５３９５１３１号公報に記載されているスラリーアイス製造装置（１２）を用いることにより製造することができる。

　スラリーアイス製造装置（１２）は図３（ａ）に示すように海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液を貯える箱型の貯氷タンク（３１）と、海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液から氷粒子を生成して、この氷粒子と前記ブライン又は清水からなるスラリーアイスを製造する製氷機（３２）を有している。
　製氷機（３２）は、図３（ｂ）に示すように、内管（３３）とその内部に回転可能に配設された回転部材（３４）と、回転部材（３４）の外周面から半径方向に突出する掻き取り部（３５）とを備え、内管（３３）の中心軸が略横向きになるように配設されている。製氷機（３２）の横側には、回転部材（３３）の回転軸と同軸になるように電動モータ（３６）が配設されており、回転部材（３３）は電動モータ（３６）の回転に伴って回転する。
内管（３３）は、円筒状体に形成され、その内部に海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液を収容して凍らせるための空間を有する製氷部（３７）と、製氷部（３７）の左端（貯氷タンク３１側）に連結された移送部（３８）とを備え、移送部（３８）には筒状部（３９）とスクリュー（４０）とからなるオーガ（４１）を備えている。

　上記のように構成されたスラリーアイス製造装置（１２）は、次のようにして動作する。まず、貯氷タンク（３１）と製氷機（３２）の製氷部（３７）内に海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液が充填される。次に、冷媒を冷媒流路に循環させるとともに、オーガ（４１）を回転させると、製氷部（３７）内の海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液が冷媒と熱交換しながら冷却されてその一部が氷粒子となり、この氷粒子と海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液とからなるスラリーアイスが製造される。製氷部（３７）内のスラリーアイスは、オーガ（４１）のスクリュー（４０）の送り作用により、オーガ（４１）の筒状部（３９）の外周面と移送部（３８）の内面との間を通って貯氷タンク（３１）に移送される。
　スラリーアイスが貯氷タンク（３１）に移送されると、海水等のブライン又は清水からなる塩水溶液よりも比重が小さい氷粒子が比重差によって貯氷タンク（３１）の上方に移動し、貯氷タンク（３１）の上部に集まる。

　収納部（２）は生鮮食品を収納し、箱等の定形性を有する容器が好適に利用される。収納部（２）に使用される材料は特に限定されないが、生鮮食品を低温に保つため熱伝導性に優れた材料であることが好ましく、ステンレス等の金属材料が好適に利用される。また、収納部（２）は、その形状は特に限定されないが、例えば角形状や円筒形状等が利用される。これにより、収納部（２）を低温状態に保つことがより確実に可能となる。また、筐体（４ａ）に対する収納部（２）の大きさについては特に限定されない。

　本発明に係る食品保存容器（１）は、図４、５に示す如く、収納部（２）と筐体（４）が一体形成されていてもよい。これにより、食品保存容器（１）を輸送する際に冷却手段（３）が筐体（４）から漏出することを防止することができる。この場合、蓋体（４ａ）は収納部（２）の上面に収納部（２）に対して係脱自在に設けられており、筐体（４）の蓋体（４ａ）に貫通孔（６）が設けられている。食品保存容器（１）の外部に連通される通気手段（５）は蓋体（４ａ）に設けられている。このとき、蓋体（４ａ）を収納部（２）から容易に着脱する為に、蓋体（４ａ）に把持部を設けてもよい。

　また、筐体（４）の本体（４ｂ）に冷却手段（３）を供給又は取出すための貫通孔（１０）が設けられていてもよい（図４、５参照）。この場合、外部から冷却手段（３）を供給する供給側貫通孔（１０ａ）と、冷却手段（３）を外部に取出す取出し側貫通孔（１０ｂ）が設けられている。これにより、外部から冷却手段（３）を供給することができ、筐体（４）に収納されている冷却手段（３）を取り替えることが可能となる。
　生鮮食品を食品保存容器（１）に収納する際、冷却手段（３）が融解すると、筐体（４）内を低温状態に保持できなくなり、収納部（２）に収納されている生鮮食品を長期間十分に冷却できなくなる。そのため、筐体（４）には、冷却手段（３）を供給又は取出すための貫通孔（１０）が設けられていることが好ましい。

　本発明に係る食品保存容器（１）の筐体（４）に貫通孔（１０）が設けられている場合、食品保存容器（１）は貫通孔（１０）から冷却手段（３）を供給又は取出すために接続されている配管（１１）を介してスラリーアイスを製造するスラリーアイス製造装置（１２）と連結されている（図６参照）。これにより、スラリーアイスを製氷しながら常時食品保存容器（１）にスラリーアイスを供給することが可能となる。これにより、収納部（２）内を一定した低温状態で維持することができ、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存することが可能となる。

　配管（１１）は、冷却手段（３）を食品保存容器（１）に供給する供給側配管（１１ａ）と、食品保存容器（１）から冷却手段（３）を取出す取出し側配管（１１ｂ）からなる。また、食品保存容器（１）側、及びスラリーアイス製造装置（１２）側にバルブ（１３）が夫々設けられており（図６参照）、バルブ（１３）を開閉することで、冷却手段（３）の供給又は取出しを調節することができる。更にバルブ（１３）に対して配管（１１）を着脱自在に取り付けることで、スラリーアイス製造装置（１２）から食品保存容器（１）に冷却手段（３）を供給した後、食品保存容器（１）に接続されている配管（１１）をバルブ（１３）から取外すことが可能となる。

　冷却設備を持たないコンテナ等で食品保存容器（１）を輸送する際、筐体（４）は外気の影響を受けやすく、冷却手段（３）のスラリーアイスが融解することがある。そこで、コンテナ内にスラリーアイス製造装置（１２）を設け、配管（１１）を介して食品保存容器（１）と接続することで、食品保存容器（１）にスラリーアイスを供給することが可能となる。これにより、収納部（２）内を一定した低温状態で維持することができ、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存・輸送することが可能となる。

　本発明において、使用されるスラリーアイス製造装置（１２）は、小型化されているものが好ましく、更に一般家庭用電源１００Ｖでも駆動できるものとすることで、後述する様々な輸送手段（９）に対して使用することが可能である。スラリーアイス製造装置（１２）は複数の食品保存容器（１）の夫々に配管を介して接続されていてもよい。また、冷却手段（３）は、予めスラリーアイス製造装置（１２）にてスラリーアイスを製氷し、そのスラリーアイスが貯蔵されている貯蔵タンクから食品保存容器（１）に供給してもよい。

　本発明の食品保存容器（１）は、図７に示すように、収納部（２）を包装する包装手段（８）を備えていることが好ましい。特に、収納部（２）が蓋付きのプラスチック容器である場合、蓋体（４ａ）と本体（４ｂ）の隙間から冷却手段（３）が収納部（２）内に浸入するおそれがあるが、包装手段（８）として例えば合成樹脂からなるフィルムを使用して収納部（２）を包装することにより、収納部（２）に収納されている生鮮食品と冷却手段（３）との接触を防止することができる。

　図８は、筐体（４）の他の実施形態である。この筐体（４）は、蓋体（４ａ）と本体（４ｂ）が互いに係脱自在な係合部（４１）を有している。具体的には、図６に示すように本体（４ｂ）の上面に切欠き部（４１ｂ）を有し、蓋体（４ａ）に突起部（４１ａ）を有している。これにより、突起部（４１ａ）を切欠き部（４１ｂ）に対して係合することで、蓋体（４ａ）を本体（４ｂ）に対して位置決めして固定することができる。

　更に筐体（４）は、上面に凸部（４２）、底面に凹部（４３）を設けることが好ましい。凸部（４２）及び凹部（４３）の形状は、特に限定されないが、凸部（４２）と凹部（４３）とは互いに係脱自在に設けられている。これにより、凸部（４２）と凹部（４３）を係合させて筐体（４）同士を積み重ねることができるため、筐体（４）を積み重ねて保管することが可能であり、また、積み重ねて輸送する際に荷崩れを防止することができる。筐体（４）の形状は特に限定されず、例えば円筒形状や直方体形状とすることができ、また、食品保存容器（１）を容易に持ち運ぶために筐体（４）の本体（４ｂ）に把持部が設けられていてもよい。

　収納部（２）に生鮮食品を収納する際、フィルム状の袋体や、プラスチック製の容器、ダンボール、バスケット等を利用してもよい。これにより、収納部（２）に複数の生鮮食品を収納することができる。例えば加工処理（カット、芯抜き、皮むき等）を行った野菜を収納する際にバスケットを利用したり、収穫直後の野菜を収納する際はダンボールを利用したりすることができるが、特に限定されない。更にこの生鮮食品を収納している袋体、容器等に通気手段（５）を設けてもよい。また、収納部（２）と生鮮食品との接触により生じる圧力を緩衝する緩衝手段（７）を備えていてもよい。これにより、生鮮食品と収納部（２）との接触部分への圧力集中を防止することができ、特にいちご等の果物や、トマト等の野菜が収納部（２）と接触することによる傷みの発生を抑制することができる。

　緩衝手段（７）は、図９に示すように、対象物を収容する複数の凹状の収容部（７ａ）と平面部（７ｂ）とからなる。収容部（７ａ）の大きさや形状は、収容する生鮮食品に応じて適宜変更される。平面部（７ｂ）は収容部同士を隔てるように収容部（７ａ）の間に設けられる。これにより、生鮮食品同士の接触を回避することができる。緩衝手段（７）の材質は特に限定されず、生鮮食品の傷み易さに応じて適宜選択される。例えば、トマトのような比較的傷みにくいものは、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂を用い、いちごのような傷み易いものはウレタンや、発泡ポリエチレン、ゴムスポンジ等の緩衝機能に優れた素材を用いることが好ましい。図９（ｂ）はポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いて成形したシートを緩衝手段（７）とした場合を示す断面図、図９（ｃ）はウレタン等の緩衝機能に優れた素材を緩衝手段（７）とした場合を示す断面図である。

　本発明に係る食品保存容器（１）の大きさは、使用される輸送手段（９）、輸送先、輸送量等に応じて適宜変更してもよい。

　次に、本発明の食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法について説明する。
　図１０は、本発明の食品保存容器を用いた野菜や果物等の青果物の保存・流通方法の実施形態を示すフロー図である。
　野菜や果物等の青果物は生産地で収穫される。収穫後、青果物は直ちに本発明に係る食品保存容器（１）に収納・保管される（収納工程）。そして輸送手段（９）により、青果物は食品保存容器（１）に収納された状態で消費地へ輸送され（輸送工程）、小売店舗等に供給される。
　収穫直後に青果物を本発明に係る食品保存容器（１）に収納することで、青果物を長期間に亘り新鮮な状態で保存することが可能となり、また、氷結点付近で生鮮食品を保存することができるため、収穫直後の新鮮な状態で消費地に青果物を提供することが可能となる。

　本発明に係る食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法は、青果物を輸送手段（９）により輸送する工程の前に、食品保存容器（１）を中間貯蔵施設に保管する中間貯蔵工程を含んでいてもよい。収穫した野菜や果物等の青果物を中間貯蔵施設に保存することで、消費地からの需要に応じて青果物を安定して消費地へ供給することができる。

　図１１は、本発明の食品保存容器を用いた加工処理した野菜、果物等の青果物の保存・流通方法の実施形態を示すフロー図である。
　生産地で収穫された野菜や果物等の青果物は、生産地近郊の加工場で加工処理（芯抜き、皮むき、カット等）される（加工処理工程）。加工処理後の野菜や果物等は直ちに本発明に係る食品保存容器（１）に収納され、中間貯蔵施設で保管される。そして輸送手段（９）により、食品保存容器（１）に収納された状態で消費地へ輸送され、小売店舗等に供給される。また、加工処理工程の前に、生産地で収穫された野菜や果物等の青果物を食品保存容器（１）に収納する収納工程と、食品保存容器（１）を中間貯蔵施設に保管する中間貯蔵工程を含んでいてもよい。

　図１２は、従来の加工処理した野菜、又は果物等の青果物の流通方法の実施形態を示すフロー図である。従来は、加工処理すると劣化が早くなりその青果物の品質保持が困難となるため、生産地で青果物を収穫すると、消費地近郊の加工場に輸送され、加工処理後、小売店舗等に供給されていた。

　本発明に係る食品保存容器（１）を用いた加工処理した野菜、果物等の青果物の保存・流通方法によれば、従来よりも加工処理した野菜、果物等の青果物の品質の劣化を長期間にわたって抑制することができるため、これらの廃棄ロスを大幅に減少させることができる。また、野菜、果物の加工を従来のように消費地の近くでなく産地近くでも行うことができるため、産地の就労機会を増加することによる雇用拡大と、地域の活性化を図ることが期待できる。更に、生産地と消費地のネットワークを確立することで、国内外の生鮮食品を新鮮な状態で消費地に提供することができる。

　本発明に係る生鮮食品の保存・流通方法においては、収穫直後の野菜や果物等の青果物及び加工処理した野菜、果物等の青果物を食品保存容器（１）に収納する前にこれらに付着している一般細菌を殺菌する殺菌処理工程を含んでいてもよい。具体的には、殺菌処理工程では、生鮮食品を次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌剤を水に希釈させた水溶液に浸漬させて生鮮食品に付着している一般細菌を殺菌する。これにより、食品保存容器（１）に収納する前の生鮮食品に付着している細菌数を大幅に減少させることができ、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存することが可能となる。

　輸送手段（９）については、特に限定されず、トラック等の車両や鉄道、船舶、飛行機等が好適に利用される。

　本発明に係る生鮮食品の保存・流通方法に使用される輸送方法は、チルド輸送であってもよい。具体的には、０℃前後の温度に保ったコンテナ等に食品保存容器（１）を収容して輸送することで、より確実に低温輸送でき、安定して生鮮食品を新鮮な状態で消費地へ輸送することができる。
　更に、食品保存容器（１）をコンテナにより輸送する際、食品保存容器（１）と、スラリーアイスを製造するスラリーアイス製造装置（１２）と、食品保存容器（１）とスラリーアイス製造装置（１２）に接続されている配管（１１）とをコンテナに収納してもよい（コンテナ収納工程）。冷却設備を持たないコンテナ等で食品保存容器（１）を輸送する際、筐体（４）は外気の影響を受けやすく、冷却手段（３）が融解し、食品保存容器（１）を長期間に亘って低温状態に保つことができなくなる。そこで、コンテナ内にスラリーアイス製造装置（１２）を設け、配管（１１）を介して食品保存容器（１）と接続することで、食品保存容器（１）にスラリーアイスを供給することが可能となり、収納部（２）内を一定した低温状態で維持することができる。これにより、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存・輸送することが可能となる。

　本発明に係る食品包装容器に関する実施例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明はこの実施例に何ら限定されるものでない。

　以下の野菜及び果物を用いて、日持ち試験を行った。
＜日持ち試験１＞
　収穫した、レタス、きぬさや、パプリカ、トマト、ニラ、ねぎを水で洗浄し土汚れ等を除去し、トリミング・カットを行った（レタス：ざく切り、きぬさや：カットなし、パプリカ：色紙切り、トマト：カットなし、ニラ：５ｃｍ程度にざく切り、ねぎ：小口切り）。カット後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液（２００ｐｐｍ）に５分間浸して殺菌し、流水にて５分間洗浄した後、家庭用手動遠心脱水器にて脱水した。
　トリミング・カット、脱水した野菜は、図１及び２に示される食品保存容器（１）（筐体：ＦＲＰ、収納部：ステンレス、通気手段：プラスチックチューブ、冷却手段：海水（食塩濃度３．５ｗｔ％）からなるスラリーアイス（氷粒子の粒子径：１００－３００μｍ））に種類別に各サンプルを内部に水きりザルが入ったプラスチック製の２重容器に収納し、保管した（実施例１）。また、比較例１として、トリミング・カットした野菜を冷蔵庫にて１℃で保管した。実施例１及び比較例１について、菌検査による評価（一般生菌数及び大腸菌数）を行った。

　実施例１の実験結果を表１、比較例１の実験結果を表２に示す。

　表１に示す通り、カットの有無にかかわらず、実施例１の全てのサンプルについて保存から１４日経過しても一般生菌数を１０^５未満に抑えることができ、生鮮食品を長期間新鮮な状態で保存することができた。レタスについては一般生菌数の増加は見られたものの、１４日後も１０^５未満に抑えることができた。また、全てのサンプルについて重量の大きな変化は見られなかった。
　一方、比較例１については、表２に示すように、全てのサンプルについて保存７日後の一般生菌数が１０^５以上となり、生鮮食品を新鮮な状態で保存することができなかった。特に、カットありサンプルの大部分（パプリカ、ニラ、ねぎ）は一般生菌数が１０^６以上と著しく増加した。

＜日持ち試験２＞
　収穫した、レタス、きぬさや、パプリカ、トマト、ニラ、ねぎを水洗浄で土汚れ等を除去し、トリミング・カットを行った（レタス：ざく切り、きぬさや：カットなし、パプリカ：色紙切り、トマト：カットなし、ニラ：５ｃｍ程度にざく切り、ねぎ：小口切り）。カット後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液（２００ｐｐｍ）に５分間浸して殺菌し、流水にて５分間洗浄した後、家庭用手動遠心脱水器にて脱水した。
　トリミング・カット、脱水した野菜は、日持ち試験１で使用した食品保存容器（１）に種類別に内部に水きりザルが入ったプラスチック製の２重容器に収納した。食品保存容器（１）は、収納部（２）に通気手段（５）を有するものと、有さないものを用いて夫々冷蔵暖房機にて―１℃で２５日間保管した。各サンプルとも、食品保存容器（１）にて保管した後、冷蔵庫に移動させて１０℃で保管した。冷蔵庫に保管後、菌検査による評価、サンプル重量の減少率による評価、視覚による官能検査を行った。
　収納部（２）に通気手段（５）を有する食品保存容器（１）に保管したサンプル（実施例２）の評価結果を表３、収納部（２）に通気手段（５）を有さない食品保存容器（１）に保管したサンプル（比較例２）の評価結果を表４に示す。尚、表３及び４において、菌検査については、一般細菌数が１０^５以上となるまでの日持ち日数、視覚による官能検査では、変色（褐変、退色等）するまでの日数を示している。

　表３、４に示す通り、通気手段がある場合（実施例２）と無い場合（比較例２）において、菌数の差異は見られなかったが、カットありのサンプル（レタス、ねぎ）において、視覚による官能検査の結果に差異がみられた。レタスは通気手段を有さない食品保存容器では褐色しにくくなり、ねぎは通気手段を有する食品保存容器では退色しにくくなった。

＜日持ち試験３＞
　収穫した、レタスを水洗浄で土汚れを除去し、カット処理（ざく切り）を行った。カット後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液（２００ｐｐｍ）に５分間浸して殺菌し、流水にて５分間洗浄した後、家庭用手動遠心脱水器にて脱水した。ザル付きのプラスチック容器にレタスを詰め、ふたをし、密閉した。これを日持ち試験１で使用した食品保存容器（１）に収納し、保管した。このサンプルについて、食品保存容器（１）にて保管した後、冷蔵庫に移動させて１０℃で保管した（実施例３）。冷蔵暖房機での保管期間を５日、１０日、１５日とし、冷蔵暖房機保管時及び冷蔵庫に保管後、５日おきに菌検査、官能検査、温度湿度測定、味覚センサによる評価を行った。
　また、比較例３として、同じようにカット処理したレタスを冷蔵庫にて１０℃で保管し、５日おきに菌検査、官能検査、温度測定による評価を行った。実施例の結果について、冷蔵暖房機での保存期間が５日、１０日、１５日のサンプルは夫々表６、７、８、比較例のサンプルは表５に示す。尚、表中の一般生菌数は菌数の乗数を示している。

　表５～８の結果に加え、温度測定結果については、食品保存容器（１）内での各サンプルの保存温度は－１～０℃であり、冷蔵庫での保存温度は１０～１２℃であった。
　表５～８に示すように、一般生菌数は何れのサンプルも１０℃保存を始めた時点から５日以上日持ちすることが分かった。更に、本発明に係る食品保存容器（１）にて保存することにより、－１℃で保存している間に一般生菌が減少する傾向が見られた。これは、生鮮食品に付着している一般生菌が増殖しない環境下で保存されていることが考えられる。更に－１℃に１０日間保存したサンプルは、１０℃保存始めた時点から１０日以上日持ちすることが分かった。

　本発明に係る食品保存容器及びこの食品保存容器を用いた生鮮食品の保存・流通方法は、収穫した野菜や果物等の青果物、又はカット野菜、カットフルーツの鮮度を維持した状態で長期間保存し、更に生鮮食品の鮮度を維持した状態で保存・流通させるために好適に利用される。

１　食品保存容器
２　収納部
３　冷却手段
４　筐体
５　通気手段
８　包装手段
９　輸送手段
１０　貫通孔
１１　配管
１２　スラリーアイス製造装置

Claims

　生鮮食品を収納する収納部と、前記収納部を冷却する冷却手段と、前記収納部及び前記冷却手段を収納する筐体からなる、食品保存容器であって、
　前記収納部は前記食品保存容器の外部に連通される通気手段を有し、
　前記冷却手段は、微細なシャーベット状の氷粒子と海水等のブライン又は清水とからなるスラリーアイスであり、
　前記筐体は断熱部材からなる
ことを特徴とする食品保存容器。
　前記冷却手段は、水溶性の溶質を含むことを特徴とする請求項１記載の食品保存容器。
　前記冷却手段は、塩水溶液を原料とし、塩濃度は０．５～３．５ｗｔ％であることを特徴とする請求項１又は２に記載の食品保存容器。
　前記筐体は、前記冷却手段を供給又は取出すための貫通孔を有する
ことを特徴とする請求項１乃至３何れかに記載の食品保存容器。
　前記筐体は、前記収納部と一体形成されていることを特徴とする請求項１乃至４何れかに記載の食品保存容器。
　前記収納部を包装する包装手段を備えていることを特徴とする請求項１乃至５何れかに記載の食品保存容器。
　生鮮食品を請求項１乃至６何れかに記載の食品保存容器に収納する収納工程と、前記生鮮食品が収納された食品保存容器を輸送手段により輸送する輸送工程とを含むことを特徴とする生鮮食品の保存・流通方法。
　前記生鮮食品が収納された食品保存容器と、前記スラリーアイスを製造するスラリーアイス製造装置と、前記食品保存容器と前記スラリーアイス製造装置に接続されている配管とを、コンテナに収納するコンテナ収納工程とを含み、
　前記輸送工程は、前記コンテナ収納工程後に前記コンテナを前記輸送手段により輸送することを特徴とする請求項７記載の生鮮食品の保存・流通方法。
　前記輸送工程は前記食品保存容器をチルド輸送するチルド輸送工程を含むことを特徴とする請求項７又は８に記載の生鮮食品の保存・流通方法。
　前記生鮮食品は、加工処理した野菜、果物等の青果物を含むことを特徴とする請求項７乃至９何れかに記載の生鮮食品の保存・流通方法。