JP3939245B2 - 魚の生流通方法と生流通用包装体 - Google Patents

魚の生流通方法と生流通用包装体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鮪、ブリ、鰹、サケ等の新鮮魚類の柵状食材を、品質を劣化させることなく、生の状態で消費地の顧客まで配送するための魚の生流通方法及び、その包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近は、流通システムの発達に伴い、魚を生の状態で消費地に運び、生産地から遠く離れた都会の消費地でも新鮮な魚介類を食材として使用できるようになり、鮮魚の魚肉より、皮をつけたまま小さなブロック状の所謂切り身や、又は刺身等の生食材を形成させ、生の状態で最終顧客まで運ぶ方法に付き、種々の提案がされている。
【0003】
上記提案の一として、魚介類を消費地まで生きた状態で保存あるいは輸送する提案がされ、該提案では魚介類に対し、生命維持のための酸素と水分を一定状態に保持できるようにした魚介類保存装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
上記提案は、図6に示すように、魚介類保存部54はロストル(目皿)58と浸透膜容器52および酸素ガス容器55とで囲む空間で形成され、その内部には魚介類を保存するための天然骨材粒子又は人工セラミック粒子等よりなる骨材粒子60を配設し、浄水と遠赤外線照射を介しての水に抗菌作用を付与している。
そして、前記保存部54は毛細管ろ過シート53によって内部が湿潤状態を保持され、その上方に配置されている酸素ガス容器55と冷却体56で、酸素ガスが供給されるとともに、内部温度を一定に保持できるようにしてある。
上記構成により、高濃度水溶液を入れた浸透膜容器52と毛細管ろ過シート53を用い、該水溶液の濃度差を利用して、魚介類保存部54内への水溶液の供給を行い、魚介類に対し良好な状態の水分を与え、且つ魚介類の呼吸に必要な酸素を酸素ガス容器55より補給して、その生命維持活動を良好にして長時間輸送を可能にしている。
【0004】
または、魚介類を、その生命限界点以下の温度領域で、水無しで生きたまま保存をする方法や貯蔵又は輸送する方法に係わる別の提案がされている。(例えば特許文献1参照。)
なお、上記生命限界点以下の温度とは、魚介類が生息する水温を冷却処理して、魚介類の動作が鈍くなり、停止して、蘇生しなくなった状態の温度をいう。
【0005】
上記提案は、従来から行なわれてきた、魚介類を水槽中で保存させることなく、また、凍結保存させることなく、無水状態で生きたまま長時間にわたり保存するようにしたもので、生きている魚介類を、水槽内で24時間以上で0.1〜2.0℃の割合で、該魚介類の生命限界点の手前の温度まで緩慢徐冷し、疑似冬眠状態にさせてから取り出し、プラスチックシートで包装して、これを該魚介類の生命限界点の温度以下に保存するようにしたものである。
【0006】
また、上記鮮魚を生の状態で運ぶ際、全く加工しない場合もあるが、鮮度維持、効率の面で問題がある。通常は、鮮魚の魚肉を皮をつけたままの状態で、小さなブロックに分割し、一片の肉厚が1cm以上の切断片を形成する切り身として消費地に運ばれている。然し単純に包装した場合の切り身は持ちが悪く、また冷凍搬送の場合も考えられるが味が落ち商品価値が低下するという問題がある。
そこで、上記鮮度維持の手段を講ずるとともに、最終加工を必要としない例えば刺身を対称とした、鮮魚刺身の包装方法とその包装体に係わる提案がされている。(例えば、特許文献3参照。)
【0007】
上記提案は、鮮魚刺身において、とりわけ血合いを多く含む鮮魚刺身においても、長期間品質保持が可能な鮮魚刺身の包装方法と包装体の提供を目的としたもので、その包装体の構成は、図7に示すように、トレイ61を包み込む袋状の容器62と、トレイ61上におかれた脱酸素材63及び吸水シート64とから構成されている。鮮魚刺身72は、トレイ61内の吸水シート64上に並べられており、容器62は、内部を窒素ガス置換された状態で密封されている。
容器62は温度が30℃かつ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が1500ml/m・day・atm以下である酸素ガスバリア性材料から形成されている。容器62内には脱酸素材63の封入及び窒素ガス置換によって、残留酸素濃度が0.003%以下に維持されている。
なお、上記提案においては、包装体についての品質保持のための冷却手段についての記載はない。
【0008】
また、最近、高鮮度・高品質の食品流通加工方法に係わる下記提案がされている。(例えば、特許文献4参照。)
上記提案は、生産・収穫・漁獲した畜産物、農産物、水産物、又はその加工品等の生鮮食品を高鮮度・高品質に保持させて流通加工する方法であって、当該生鮮食品を、その生産・収穫・漁獲直後に0℃以下の未凍結温度まで予冷し、ついで輸送、貯蔵、加工及び/又は全部を0℃以下未凍結温度にて処理することを特徴としたもので、
その結果、生産・収穫・漁獲後の生鮮食品を高鮮度に維持することを可能とするばかりでなく、生鮮食品及び生鮮加工品の0℃以下の未凍結温度での熟成効果を高め、品質劣化の原因となる細菌の増殖を抑制し、高鮮度、高品質、及び安全なる食品の提供を可能にしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−166731号公報
【特許文献2】
特開平4−316439号公報
【特許文献3】
特開平10−286058号公報
【特許文献4】
特開平11−46676号公報
【0010】
上記先行技術に見るように、特許文献1記載の提案及び特許文献2記載の提案は、魚介類を生きた状態で消費地まで輸送ないし配送するようにしたもので、後者は生命の維持に必要な水と酸素を適切に供給するようにしたものであるが、
前者においては、消費地まで輸送ないし配送する魚介類を水槽中で保存させることなく、また、凍結保存させることなく、無水状態で生きたまま長時間にわたり保存するようにしたもので、そのため、生きている魚介類を、水槽内で24時間以上で0.1〜2.0℃の割合で、該魚介類の生命限界点の手前の温度まで緩慢徐冷し、疑似冬眠状態にさせてから取り出し、プラスチックシートで包装して、これを前記生命限界点の温度の手前で保存するようにしたものである。
【0011】
ところが、特許文献3記載の提案においては、消費地までの輸送ないし配送の直前において生きた魚体より得られた血合いを多く含む鮮魚刺身に対して、長期品質保持が可能な鮮魚刺身の包装方法と包装体の提供を目的としたもので、
そのため、袋状容器の中に脱酸素材及び吸水シートを刺身とともに入れ、内部は窒素ガス置換された状態で密封されている。
そして、前記袋状容器は、温度が30℃かつ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が1500ml/m・day・atm以下である酸素ガスバリア性材料から形成され、容器内には脱酸素材の封入及び窒素ガス置換によって、残留酸素濃度が0.003%以下に維持され、長期品質保持を可能としている。
【0012】
また、特許文献4記載の提案は、生産・収穫・漁獲した畜産物、農産物、水産物、又はその加工品等の生鮮食品を高鮮度・高品質に保持させて流通加工する方法であって、当該生鮮食品を、その生産・収穫・漁獲直後に0℃以下の未凍結温度まで冷やし、ついで輸送、貯蔵、加工及び/又は全部を0℃以下未凍結温度にて処理することを特徴としたもので、本提案の場合は、対称が活魚の場合は氷結点以下に冷却した海水を使用して魚体を0℃付近になるまで予冷して、瞬時に冬眠状態として、爾後生存に適しない0℃以下の未凍結温度又は冷蔵条件下(+5〜10℃)、(+2〜3℃)での輸送を行なっている。
上記冷蔵とは一般には、冷蔵庫による冷却貯蔵を指している。この場合に中温菌や低温菌の増殖に対し強い抑制をすることは困難である。
則ち、上記提案は、0℃以下の未凍結温度による予冷(予冷手段についての記載はない)を特徴とするもので、その後の温度処理がラフな冷蔵条件下の処理でも高品質の保持ができるとの記載がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
魚介類の中でも、特に鮮度が決め手になる刺身を食材として流通させるためには、その流通環境を常に良好な状態に置く必要がある。
食品の品質低下の原因として、微生物の増殖、化学反応の進行、自己消化酵素の作用、野菜等の生体物の呼吸作用、水分蒸発等がある。
特に、病原性菌類の発生、食品の腐敗とそれに伴う毒素の生成について、低温保持による鮮度を保ち、品質の低下を後らせることが必要である。
ところが、上記食品の低温保存に利用される温度帯は、非凍結領域と凍結領域に大別でき、食品の品質は前記二つの領域の間では大きな差異を発生する。則ち、自由水の凍結により細胞内外に生成した氷の体積は水よりも大きいため、細胞壁や、細胞内部の微細構造を物理的に破壊するため、凍結領域での低温保存の場合は前記氷の生成により保存食材に対し品質的に大きな変化をもたらすため、上記鮮度を決め手とする刺身等の食材の流通には非凍結領域における冷却温度帯を利用しての低温保存が要求される。
則ち、氷点に近く且つ氷結晶の析出が全くないチルド温度帯に前記食材の温度を維持するチルド低温冷却方法が好適である。
【0014】
然し、上記チルド温度帯使用の場合、高温側にはボツリヌス菌の毒素生成限界とエルシニア菌の繁殖限界として知られている3.3℃の危険な温度域を含み、一方低温側には多くの食品の氷結点があり、非凍結保存に対しては温度管理に困難な問題が存在している。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、鮪、ブリ、鰹、サケ等の新鮮魚類の魚体を3〜5枚卸しをして柵状食材を形成させ、形成された食材を、氷の出来始めるまでの温度域である非凍結領域を代表とする冷却温度帯で冷却し、
当該食材本来の味、香、色、有効成分を保持した状態での保存を可能とする魚介類の生流通方法とその包装体の提供を目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の魚介類の生流通方法は、
刺身等の生の魚介類を顧客に配送する魚の生流通方法において、
魚体より形成した柵状食材を、酸素との接触を断つ個装をした後、食材の氷点に近く且つ氷結晶の析出が全くない3℃以下のチルド温度帯に該個装体を維持させるチルド低温冷却により行うようにし、
更に前記チルド低温冷却は、前記個装体に行う氷詰めパック包装と、該パック包装体の複数に行う氷詰めボックス包装とにより形成される氷核無形成貯蔵により構成させるようにしたことを特徴とする。
【0017】
上記本発明は、刺身等の生の柵状食材を顧客に配送する魚の生流通方法に係わるもので、
流通過程における食材へのカビの発育、好気性細菌の増殖、自壊を抑止するため、その増殖に欠かせない酸素の接触を断つ脱酸素の個装を脱気手段とガスバリア性フィルムにより行ない、
該個装体を、それが内蔵する食材が氷核を形成しない温度で保存する3℃以下のチルド温度帯で低温保存をして、3.3℃の温度域におけるボツリヌス菌の毒素生成とエルシニア菌の繁殖の抑制及び中温菌、低温菌の増殖を強く抑制するなかで、当該食材本来の味、香、色、有効成分を保持した状態での保存を可能としている。
【0018】
そして、本発明においては、特に、前記チルド低温冷却は、前記個装体に行う氷詰めパック包装と、該パック包装体の複数に行う氷詰めボックス包装とにより形成される氷核無形成貯蔵により構成させるようにした点を要旨とする
【0019】
上記発明は、前記チルド低温冷却の詳細について記載したもので、各柵状食材を個別に内蔵する脱酸素の個装体を氷詰めパック包装とし、さらに複数個の前記パック包装体を氷詰めボックス包装とし、前記脱酸素の個装体の二段の氷核無形成貯蔵を行ない、当該食材の本来の凍結前の氷核無形成温度帯による低温冷却を有効に使用したものである。
即ち、凍結を開始する氷結晶の形成に必要とする氷核の形成を許さない低温冷却を行う構成にしている。
【0020】
また、上記本発明の魚介類の生流通方法における、
前記氷核無形成貯蔵を形成する氷は、海水以下の塩分濃度を有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷を使用し、前記柵状食材の固有の氷結晶温度に対し前記塩含有氷の凍結温度が僅かに高くなるように前記塩分濃度を設定し、前記柵状食材を前記凍結温度に保持できるようにした方が良い。
【0021】
上記発明は、前記氷核無形成貯蔵に使用する氷について記載したもので、
前記氷詰めパック包装及び氷詰めボックス包装に使用する氷は海水以下の塩分濃度を有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷を使用し、前記塩分濃度は前記柵状食材固有の氷結晶温度に対し塩含有氷の凍結温度が僅かに高くなるように前記塩分濃度を設定し、該塩分濃度を持つ塩含有氷を使用して、形成される氷核無形成温度帯により行なうようにしたものである。
【0022】
前記氷詰めパック包装は、パック内に個装体とその周囲に詰め込んだ氷粒により形成するようにしても良い。
【0023】
または、前記氷詰めパック包装は、前記個装体を収納する下蓋、上蓋よりなり、内側に氷壁を持つアイス容器より構成し、両者の間の相対応する凹部に前記個装体を介在させた後、前記下蓋に上蓋を係合して氷嚢を形成させ、前記個装体を氷嚢に内蔵するようにした方が良い。
【0024】
または、前記氷詰めパック包装は、容器の内側より氷壁を内部へ向け成長させる製氷過程にある製氷箱の内部に個装体を置き、成長する氷の中に閉じ込めて、氷嚢体を形成するようにした方が良い。
【0025】
また、上記本発明の魚介類の生流通方法における、
前記個装は、真空包装を行うようにしたほうが良く、該包装により食材の酸素との接触を断つとともに水分の蒸発を抑制するとともに、空気の介在を無くしたため、熱伝導率及び冷却効率の向上を可能にしている。
または、不活性ガスの置換包装としても良い。
【0026】
そして、本発明の魚介類の生流通方法を利用した好適な包装体は、
魚の生身を生の状態に維持した食材を顧客へ配送するチルド流通用包装体において、
柵状食材を内蔵して個装体を形成する真空包装体と、該真空包装体を外装するパック包装体と、該パック包装体の複数を外装するボックス包装体より構成し、前記パック包装体とボックス包装体はそれぞれの内蔵物を氷詰めする構成としたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を、図示例と共に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。以下図面に基づいて本発明の詳細を説明する。
図1は、本発明の魚の生流通用包装体の概略構成を示す模式図で、図2は図1の真空包装体の概略構成を示す図である。
図3は、魚体より加工形成した柵状食材に対し図1に示す生流通用包装体を形成させ、流通システムを介して顧客へ配送する工程を示す図である。
図4は図1の氷詰めパック包装体の別の一実施例の概略構成を示す図で、図5は図1の氷詰めパック包装体の他の実施例の概略構成を示す図である。
【0028】
図1に見るように、本発明の魚の生流通用包装体は、鮪、鰹、ブリ、サケ等の魚体を加工形成した柵状食材の低温保存に関するもので、氷詰めパック包装体15の複数個をボックス30b内に氷13を介して氷詰めをした後、図示していないポリエチレンフイルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋30aでその外側より覆い、パック包装して、氷詰めボックスパック包装体16を形成したものである。
なお、前記氷詰めパック包装体15は、図1、図2も参照して、例えばポリエチレンフィルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋14内に真空包装体11を氷粒13により氷詰めしたものである。
前記真空包装体11は、前記魚体より加工形成した柵状食材10を前記ポリエチレンフィルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋12により真空包装をして、脱酸素手段を形成して、食材の周囲からの脱酸素を行ない、流通過程におけるカビの発生、好気性細菌の増殖、自壊を抑止する構成にするとともに、食材よりの水分の蒸発を抑制し、品質の劣化を抑制する。
なお、図1における真空包装体11は理解し易くするため、模式図的に外形を直方体状に表現してある。
【0029】
図3において、柵状食材加工形成工程25と、加工形成した柵状食材の個々に付き真空包装よりなる個装体を形成する真空包装工程26と、真空包装体を袋に氷詰めする氷詰めパック包装工程27と、前記氷詰めパック包装体の複数をボックス内に氷詰めする氷詰めボックスパック包装工程28と、配送工程とより構成し、
真空包装工程26により脱酸素、外気遮断手段を形成し微生物の活動を抑制し、氷詰めパック包装工程27と氷詰めボックスパック包装工程28とにより氷核無形成温度冷却手段を形成している。
【0030】
前記柵状食材加工形成工程25は、図示していない魚体を3〜5枚に卸した後(図には5枚卸しを示す)、皮、血合い肉の一部の除去をする。
前記除去の後、背部の卸し体10aを4分割して柵状食材10を形成し、腹部の卸し体10bを3分割して柵状食材10を得る。
次に、真空包装工程26は、前記柵状食材加工形成工程25で形成され各柵状食材10に対して、例えばポリエチレンフイルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋12を使用して個別に前記真空密閉包装をして真空包装体11を形成するとともに、食材を取り巻く雰囲気空気を略皆無とし、後記する氷核無形成温度冷却の際の高効率冷却を行うようにしてある。
【0031】
前記氷詰めパック包装工程27と氷詰めボックスパック包装工程28は、本発明における氷核無形成温度冷却手段を形成し、前記個装された柵状食材を凍結することなく該食材の凍結点前の氷核無形成温度帯を利用して、当該食材本来の味、香、色、有効成分を保持した状態での保存を可能としたものである。
即ち、氷結晶の形成に必要な氷核の存在を皆無とした温度帯で冷却を行うようにしたものである。
前記氷詰めパック包装工程27は、図1、図2も参照して、前記真空包装体11を例えばポリエチレンフィルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋14に氷粒13とともに氷詰めして、氷詰めパック包装体15を形成する。
ついで、前記氷詰めパック包装体15の複数個をボックス30b内に氷13により氷詰めをして、さらに前記ガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋30aを介して氷詰めボックスパック包装体16を得て、配送工程を介して最終顧客まで配送する。
ついで、配送工程で、各家庭へ氷詰めパック包装体15を個別に所要量だけ配送する。
【0032】
上記氷詰め包装体の氷は、それが残っている間は、氷核無形成温度の維持が図られるので、流通時間の大きさにより氷充填量も予測でき対応できる。
なお、前記氷とともに最終パックするのは、流通期間中の氷融解水による流通への支承防止と、食材の品質保持のために構成したものである。
【0033】
図4において、下蓋17b、上蓋17aよりなり、内側に氷壁18を持つアイス容器より構成し、両者間の相対応する凹部に前記真空包装体11を収納させた後、前記下蓋17bに上蓋17aを係合して氷嚢を形成させ、該氷嚢に例えばポリエチレンフイルム等のガスバリア性の包装資材よりなる密閉袋19により、アイスパック包装体31を形成させる。
【0034】
図5に見るように、この場合の氷詰めパック包装は、製氷容器20の内側より氷壁21を内部へ向け成長させる製氷過程(a)の内部に、真空包装体11を投入する投入工程(b)と投入後残った空隙22に注水する注水工程(c)を設け、該注水部の氷生成工程(d)を経て、真空包装体11を成長する氷の中に閉じ込め氷嚢体23を形成する。ついで取り出し工程(e)で閉じ込めた氷嚢体23を製氷容器20より取り出し、さらに最終工程(f)でポリエチレンフィルム等のガスバリア性包装資材よりなる密閉袋19によりアイスパック32を形成する。
【0035】
なお、前記氷核無形成貯蔵を形成する氷詰めパック包装や氷詰めボックスパック包装に使用する氷は、海水以下の塩分濃度を有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷を使用し、前記塩分濃度の調整により前記柵状食材固有の氷結晶温度に対し前記塩含有氷の凍結温度が僅かに高くなるように前記塩分濃度を設定し、設定された塩分濃度を持つ塩含有氷を使用して、氷核無形成貯蔵を行うように構成しても良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、下記効果を奏する。
鮪、ブリ、鰹、サケ等の新鮮魚類の魚体を3〜5枚に卸して柵状食材を形成させ、形成された食材を、その流通段階で、氷の出来始める前の非凍結領域の氷核無形成温度帯で冷却する構成としたため、当該食材本来の味、香、色、有効成分を保持した柵状食材を顧客へ提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の魚の生流通用包装体の概略構成を示す模式図である。
【図2】 図1の真空包装体の概略構成を示す図である。
【図3】 魚体より加工した柵状食材に対し図1に示す生流通用包装体を形成させ、流通システムを介して最終顧客へ配送する工程を示す図である。
【図4】 図1の氷詰めパック包装体の別の一実施例の概略構成を示す図である。
【図5】 図1の氷詰めパック包装体の他の実施例の概略構成を示す図である。
【図6】 従来の魚介類保存装置の概略構成を示す図である。
【図7】 従来の鮮魚刺身の包装体の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10 柵状食材
10a 背部の卸し体
10b 腹部の卸し体
11 真空包装体
12、14、19、30a ガスバリア性包装資材よりなる密閉袋
15 氷詰めパック包装体
16 氷詰めボックスパック包装体
17a 上蓋
17b 下蓋
18、21 氷壁
20 製氷容器
22 空隙
23 氷嚢体
25 柵状食材加工形成工程
26 真空包装工程
27 氷詰めパック包装工程
28 氷詰めボックスパック包装工程
30b ボックス
31 アイスパック包装体

Claims (7)

  1. 刺身等の生の魚介類を顧客に配送する魚の生流通方法において、
    魚体より形成した柵状食材を、酸素との接触を断つ個装をした後、食材の氷点に近く且つ氷結晶の析出が全くない3℃以下のチルド温度帯に該個装体を維持させるチルド低温冷却により行うようにし、
    更に前記チルド低温冷却は、前記個装体に行う氷詰めパック包装と、該パック包装体の複数に行う氷詰めボックス包装とにより形成される氷核無形成貯蔵により構成させるようにしたことを特徴とする魚の生流通方法。
  2. 前記氷核無形成貯蔵を形成する氷は、海水以下の塩分濃度を有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷を使用し、前記柵状食材の固有の氷結晶温度に対し前記塩含有氷の凍結温度が僅かに高くなるように前記塩分濃度を設定し、前記柵状食材を前記凍結温度に保持できるようにしたことを特徴とする請求項記載の魚の生流通方法。
  3. 前記氷詰めパック包装は、パックの内に個装体とその周囲に詰め込んだ氷粒により形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の魚の生流通方法。
  4. 前記氷詰めパック包装は、前記個装体を収納する下蓋、上蓋よりなり、内側に氷壁を持つアイス容器より構成し、両者の間の相対応する凹部に前記個装体を介在させた後、前記下蓋に上蓋を係合して氷嚢を形成させ、前記個装体を氷嚢に内蔵するようにしたことを特徴とする請求項1記載の魚の生流通方法。
  5. 前記氷詰めパック包装は、容器の内側より氷壁を内部へ向け成長させる製氷過程にある製氷箱の内部に個装体を置き、成長する氷の中に閉じ込めて、氷嚢体を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の魚の生流通方法。
  6. 前記個装は、真空包装を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の魚の生流通方法。
  7. 魚の生身を生の状態に維持した食材を顧客へ配送するチルド包装体において、
    柵状食材を内蔵して個装体を形成する真空包装体と、該真空包装体を外装するパック包装体と、該パック包装体の複数を外装するボックス包装体より構成し、前記パック包装体とボックス包装体はそれぞれの内蔵物を氷詰めする構成としたことを特徴とする魚の生流通用包装体。
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