以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、部品実装機の部品供給装置に着脱可能に装着されるテープフィーダ10を示すもので、テープフィーダ10には、キャリアテープTcを巻回したリール12が着脱可能に取付けられている。
キャリアテープTcは、図2に示すように、所定の幅で細長く形成され、長手方向に多数のキャビティCtを一定のピッチ間隔で配設しており、これらキャビティCtに、回路基板に実装される部品(電子部品)eがそれぞれ収納されている。キャビティCtの上部は開口されていて、キャリアテープTcの表面に貼り付けられたトップテープTt(図3参照)によって覆われている。
キャリアテープTcの幅方向の一端側には、送り穴HcがキャビティCtと同一のピッチ間隔、あるいはキャビティCtの2倍のピッチ間隔で形成され、これら送り穴HcはキャビティCtと一定の位置関係に配置されている。
テープフィーダ10には、リール12に巻回されたキャリアテープTcを定量ずつ送り出して、電子部品eをテープフィーダ10の先端部に設けられた部品供給位置17に1個ずつ供給する定量送り機構18が内蔵されている。定量送り機構18は、テープフィーダ10の本体に回転可能に支承され、キャリアテープTcの送り穴Hcに係合するスプロケット19と、スプロケット19を1ピッチ分ずつ回転させる図略のモータを備えている。
なお、部品実装機に用いられるキャリアテープTcは、キャビティCtのピッチが互いに異なる複数種類からなっており、キャリアテープTcの種類によって、キャビティCtのピッチ間隔およびキャビティCtと送り穴Hcの関係が定められている。従って、後述するように、キャビティCtのピッチ間隔を画像処理等によって認識することにより、どの種類のキャリアテープTcであるかを把握することができ、それに基づいて、キャリアテープTcの送り穴Hcの位置を認識でき、スプライシング時に、キャリアテープTcの切断位置を決定できるようになる。
スプライシング装置20は、部品供給装置に装着されたテープフィーダ10に装着されている現リールに巻回されたキャリアテープの終端部を、交換する次リールに巻回されたキャリアテープの始端部に自動的に接続する装置である。
スプライシング装置20は、図4に示すように、箱状の筺体21と、筺体21の上面を開閉可能な蓋体22とを備え、図略の台車等に載置されて部品実装機の部品供給装置に装着されたテープフィーダ10間を移動可能に構成されている。蓋体22は、スプライシング時には閉じられ、スプライシング後のキャリアテープTcの取り出し時に開かれるようになっている。
スプライシング装置20によってスプライシングされる2つのキャリアテープTc(以下、第1キャリアテープT1、第2キャリアテープT2という)は、図11に示すように、同一部品種の部品e1(第2部品e2)が収容される第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)が、所定ピッチPcで設けられているとともに、後述する第1テープ送り装置50(第2テープ送り装置51)の第1スプロケット61a(第2スプロケット62b)の歯67a(67b)と噛合可能な第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)が、第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)に平行に所定ピッチPhで穿孔されている。
第1、第2キャリアテープT1,T2は、スプライシング装置20により任意の第1、第2切断箇所Q1,Q2を切断されて突き合わされ、後述するスプライシングテープ30によって接続される。第1切断箇所Q1(第2切断箇所Q2)としては、例えば、第1部品e1(第2部品e2)が有る第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)と第1部品e1(第2部品e2)が無い空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)との中間位置が選択される。切断後の空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)が連なる第1キャリアテープT1(第2キャリアテープT2)が第1不要部分Tf1(第2不要部分テープTf2)として廃棄される。なお、任意の数の空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)を残すために、第1切断箇所Q1(第2切断箇所Q2)として隣り合う空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)の中間位置も選択可能である。
図12に示すように、スプライシング装置20で接続可能な第1キャリアテープT1(第2キャリアテープT2)としては、第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)は同一の所定ピッチPhで穿孔されているが、第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)が異なるピッチPc(Pca,Pcb,Pcc)で設けられた3種類のキャリアテープが挙げられる。すなわち、1種類目の第1キャリアテープT1a(第2キャリアテープT2b)は、隣り合う第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)の中間位置に1つの第1キャビティCta1(第2キャビティCta2)が存在するように、所定ピッチPca(=Ph)で設けられているテープである(図12(A)参照)。
2種類目の第1キャリアテープT1b(第2キャリアテープT2b)は、第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)と一致する位置および隣り合う第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)の中間位置にそれぞれ1つの第1キャビティCtb1(第2キャビティCta2)が存在するように、所定ピッチPcb(=Ph/2)で設けられているテープである(図12(B)参照)。
3種類目の第1キャリアテープT1c(第2キャリアテープT2c)は、第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)と一致する位置に1つの第1キャビティCt1(第2キャビティCta2)が存在し、かつ隣り合う第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)の間に3つの第1キャビティCtc1(第2キャビティCtc2)が存在するように、所定ピッチPcc(=Ph/4)で設けられているテープである(図12(C)参照)。
また、第1部品e1(第2部品e2)の高さが高いため、第1キャビティCte1(第2キャビティCte2)が厚さ方向に突設されている第1エンボステープT1e(第2エンボステープT2e)も、スプライシング装置20で接続可能である(図12(D)参照)。第1エンボステープT1e(第2エンボステープT2e)も上述の3種類のテープと同様に、第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)は同一の所定ピッチPhで穿孔され、第1キャビティCte1(第2キャビティCte2)が異なるピッチPc(Pca,Pcb,Pcc)で設けられているテープがある。
スプライシング装置20には、図5の左右より、スプライシングすべき2つのキャリアテープT1、T2が送り込まれるとともに、それに直交する図5の上方向より、2つのキャリアテープT1、T2を接続するスプライシングテープ30を貼付した保護テープ31が送り込まれるようになっている。そして、キャリアテープT1、T2と保護テープ31とが交差するスプライシング位置LSにおいて、2つのキャリアテープT1、T2の端部同士がスプライシングテープ30によって互いに接続されるようになっている。
なお、保護テープ31に貼付されたスプライシングテープ30は、図30に示すように、接着面を上側にして、スプライシング位置LSに送り込まれ、このスプライシングテープ30の上方に2つのキャリアテープT1、T2が位置決めされるようになっている。
スプライシングテープ30は、図8に示すように、連続した保護テープ31の上面に、2つのキャリアテープT1、T2に跨ってその両面に接着される2枚で1組のスプライシングテープ30a、30bが、保護テープ31の長手方向に所定の間隔を有して貼付されている。そして、これら2枚のスプライシングテープ30a、30bが、保護テープ31の長手方向に間隔を有して多数貼付されている。
スプライシングテープ30a、30bの上面は、2つのキャリアテープT1、T2に跨ってその両面に接着される粘着面をなし、この接着面に、連続した紙台紙32が接着され、これら紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体(図9参照)が、図7に示すように、供給リール33にロール状に巻回されている。
保護テープ31の幅方向寸法は、紙台紙32の幅方向寸法より大きく、保護テープ31の幅方向の両端は紙台紙32の幅方向の両端より突出され、その突出部に、保護テープ送り用の穴31aが長手方向に一定の間隔を有して形成されている。一方、スプライシングテープ30の幅方向寸法は、紙台紙32の幅方向寸法と等しく、スプライシングテープ30は、送り用の穴31aの内側で幅方向に沿って2枚1組として、保護テープ31に貼付されている。2枚1組の一方のスプライシングテープ30aには、キャリアテープT1、T2に形成された送り穴Hc1、Hc2と同じピッチ間隔に位置決め穴30a1がそれぞれ形成され、また、保護テープ31には、2枚1組の他方のスプライシングテープ30bに近接した位置に、キャリアテープT1、T2に形成された送り穴Hc1、Hc2と同じピッチ間隔に位置決め穴31bがそれぞれ形成されている。
なお、保護テープ31に形成される送り用の穴31aや位置決め穴31bは、保護テープ31にスプライシングテープ30a、30bが所定位置に貼り付けられた後に、スプライシングテープ30aに位置決め穴30a1を形成するのに合わせてパンチングプレス等によって形成される。
スプライシング装置20には、図6に示すように、2つのキャリアテープT1、T2をスプライシングするスプライシング位置LSを横切る線上に、スプライシングテープ30を含む3層構造体をロール状に巻回した回転可能な供給リール33と、スプライシングテープ30より剥がされた紙台紙32を送り出す紙台紙送り装置35と、スプライシングテープ30が剥がされた保護テープ31を送り出す保護テープ送り装置36が配設されている。
スプライシングテープ30の両面に接着される紙台紙32および保護テープ31との接着力は、保護テープ31に対する接着力の方が強く、スプライシングテープ30より紙台紙32を剥がしても、スプライシングテープ30が保護テープ31より剥がれることがないようにしている。
しかしながら、紙台紙32が剥がされたスプライシングテープ30の接着面に、キャリアテープT1、T2が接着されると、その粘着力は、保護テープ31に対する粘着力よりも強くなり、スプライシングテープ30より保護テープ31が容易に剥がれるようにしている。
紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体は、供給リール33に巻回された状態で、スプライシング装置20に装着され、先端を供給リール33より引き出される。そして、作業者によって紙台紙32が剥がされて折り返され、紙台紙32は紙台紙送り装置35によって送り出され、図略の紙台紙収納ボックスに廃棄される。
紙台紙送り装置35は、図10に示すように、外周面にそれぞれギヤを形成した駆動ギヤ37と従動ギヤ38を有している。従動ギヤ38は駆動ギヤ37に対して、接近離間可能に支持され、通常は図略のスプリングの付勢力によって、従動ギヤ38の外周が駆動ギヤ37の外周に圧接されている。これにより、駆動ギヤ37に対して従動ギヤ38を離間させて、紙台紙32を両ギヤ37、38の間に挟み込み、その状態で、駆動ギヤ37を図略のモータによって駆動することにより、紙台紙32が両ギヤ37、38の回転につれて送り出される。
駆動ギヤ37と従動ギヤ38の上流側には、ガイドローラ39にガイドされた紙台紙32に当接可能な当接ローラ40が設けられている。当接ローラ40は、ヒンジピン41によって回動可能に枢着されたドッグ42の一端に支持され、ドッグ42は通常、図略のスプリングとストッパとによって、センサ43がONされる所定の角度位置に保持されている。しかしながら、紙台紙32にテンションが作用されると、テンションによって当接ローラ40が押圧されてドッグ42が回動され、センサ43がOFFされるようになっている。これによって、紙台紙32に一定の張力を付与して、紙台紙32を保護テープ31より必要な量だけ剥がせるようにしている。
紙台紙32が剥がされた保護テープ31、すなわち、スプライシングテープ30を接着面を上側にして多数貼付した保護テープ31(図30参照)は、スプライシング位置LSの中心を横切るようにして、後述する接合装置58を通って、先端部を保護テープ送り装置36の送り用リール46に係合されるようになっている。送り用リール46の両端部の円周上には、保護テープ31の送り用の穴31aに係合する突起46aが等間隔に形成され、この送り用リール46に連結された図略の送り用モータを駆動することにより、突起46aに係合された保護テープ31が送り出され、保護テープ31は図略の収容ボックス内に廃棄される。
スプライシングテープ30には、金属粉が埋設され、埋設された金属が金属検知センサ47によって検知されるようになっている。金属検知センサ47は、図8に示すように、スプライシング位置LSの手前側に、スプライシング位置LSに対して一定の距離S1だけ離間した位置に設置されており、検出用スリット48を通して金属検知センサ47にてスプライシングテープ30の端部が検出されると、その検出位置から、保護テープ送り装置36のモータによって保護テープ31が一定量S1だけ送り出されることにより、スプライシングテープ30をスプライシング位置LSに正確に位置決めできるようになっている。
図4に示すように、自動スプライシング装置20は、第1、第2テープ送り装置50,51と、第1、第2部品検知装置52,53と、第1、第2切断装置54,55と、第1、第2取込装置56,57と、接合装置58と、制御装置59(図1参照)とを備えて構成される。第1、第2テープ送り装置50,51、第1、第2切断装置54,55、第1、第2取込装置56,57、接合装置58(一部を除く)および制御装置59は、筺体21および蓋体22の内部に収納され、配置されている。
すなわち、図13に示すように、筺体21内および蓋体22内の両側に、第1、第2テープ送り装置50,51がそれぞれ配置され、第1、第2テープ送り装置50,51の間(後述する第1、第2切断位置Lc1,Lc2)に、第1、第2切断装置54,55がそれぞれ配置されている。さらに、第1、第2切断装置54,55の間(後述する第1、第2切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置LSとの間)に、第1、第2取込装置56,57がそれぞれ配置され、第1、第2取込装置56,57の間に、接合装置58が配置された構成となっている。また、第1、第2部品検知装置52,53は、第1、第2テープ送り装置50,51の第1、第2搬送経路60a,60bの第1、第2検知位置Ld1,Ld2の上方に配置された構成となっている。
図13に示すように、第1、第2テープ送り装置50,51は、筺体21両側面から中央に向かって水平方向に延在するように設けられた第1、第2搬送経路60a,60bと、第1、第2搬送経路60a,60bの下方に配置された第1、第2スプロケット61a,61bと、第1、第2スプロケット61a,61bに連接された第1、第2ギヤモータ62a,62bと、第1、第2スプロケット61a,62bの近傍に配置された第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bと、第1、第2搬送経路60a,60bの上方に配置された第1、第2テープ検知装置64a,64b等とを備えて構成される。第1、第2テープ送り装置50,51は、第1、第2キャリアテープT1,T2を第1、第2搬送経路60a,60bに沿って搬送して第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2を第1、第2切断位置Lc1,Lc2およびスプライシング位置LSに順次位置決め可能に構成されている。
第1、第2搬送経路60a,60bは、第1、第2キャリアテープT1,T2の幅より若干広い幅を有し、筺体21の両側面に設けられた第1、第2テープ入口84a,84bから後述する第1、第2切断装置54,55の第1、第2カッター68a,68bによる第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断位置Lc1,Lc2まで一直線に延びる溝状に形成されている。さらに、図5の拡大図A(第2搬送経路60bのみ示すが第1搬送経路60aも同様)に示すように、第1、第2搬送経路60a,60bには、第1、第2部品e1,e2が収納された第1、第2エンボステープT1e,T2eの第1、第2キャビティCte1,Cte2を通すための第1、第2細溝65a,65bが形成されている。
すなわち、第1、第2細溝65a,65bにおける第1、第2切断位置Lc1,Lc2側には、第1、第2板ばね66a,66bが配置固定されている。第1、第2板ばね66a,66bは、凹形状に湾曲され、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に向かうに従って斜め上方に傾斜するように配置固定されている。第1、第2板ばね66a,66bは、第1、第2エンボステープT1e,T2eの切断および搬送のときに作用する部材であり、詳細は後述する。
第1、第2スプロケット61a,61bには、第1、第2キャリアテープT1,T2に穿孔されている第1、第2送り穴Hc1,Hc2のピッチPhと同一ピッチの複数の第1、第2歯67a,67bが円周方向に形成されている。第1、第2スプロケット61a,61bは、回転している第1、第2歯67a,67bのうち最上部に回転してきた第1、第2歯67a,67bと、第1、第2搬送経路60a,60bに沿って挿入されてくる第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2送り穴Hc1,Hc2とが噛合可能なように第1、第2搬送経路60a,60bの下方に配置されている。
第1、第2ギヤモータ62a,62bは、例えば、ステッピングモータであり、連接されている第1、第2スプロケット61a,61bにより搬送される第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の位置制御が可能なモータである。
第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bは、例えば、フォトセンサであり、第1、第2スプロケット61a,61bの第1、第2歯67a,67bの1つが垂直上向きとなったこと、すなわち第1、第2スプロケット61a,61bが原位置になったことを、第1、第2スプロケット61a,61bの側面に付された第1、第2マークM1,M2を読み取ることにより検知するセンサである。
第1、第2テープ検知装置64a,64bは、例えば、タッチセンサであり、筺体21の両側面に設けられた第1、第2テープ入口84a,84bから第1、第2キャリアテープT1,T2が挿入されたことを、第1、第2キャリアテープT1,T2の接触により検知するセンサである。なお、タッチセンサの代わりにフォトセンサとしてもよい。
第1、第2部品検知装置52,53は、例えば、フォトセンサであり、第1、第2搬送経路60a,60bを搬送される第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2キャビティCt1、Ct2、第1、第2キャビティCt1,Ct2間のテープ部分および第1、第2キャビティCt1,Ct2内の第1、第2部品e1,e2を、光量の変化により検知するセンサである。なお、フォトセンサの代わりにカメラとしてもよい。
図13および図14に示すように、第1、第2切断装置54,55は、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に設けられた第1、第2カッター68a,68bと、第1、第2カッター68a,68bに摺接可能な第1、第2カム69a,69bと、第1、第2カム69a,69bに連接された第1、第2ギヤモータ70a,70bと、第1、第2カッター68a,68bに一端が取着され、蓋体22内に他端が取着された第1、第2カッターバネ71a,71bと、第1、第2カッター68a,68bに隣接して設けられた第1、第2押圧部材72a,72bと、第1、第2カッター68a,68bに一端が取着され、第1、第2押圧部材72a,72bに他端が取着された第1、第2押圧バネ73a,73bと、第1、第2カッター68a,68bの近傍に配置された第1、第2カッター検知装置74a,74b等とを備えて構成される。第1、第2切断装置54,55は、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2において第1、第2不要部分Tf1,Tf2を切断可能に構成されている。
第1、第2カッター68a,68bは、第1、第2キャリアテープT1,T2の幅より広い幅を有する片刃のカッターである。第1、第2カッター68a,68bは、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2を切断するために、上下方向に移動可能に装架されている。
第1、第2カム69a,69bは、第1、第2ギヤモータ70a,70bに連接されて回転可能に配置され、第1、第2カッター68a,68bに摺接して第1、第2カッター68a,68bを上下方向に移動させる確動カムである。
第1、第2カッターバネ71a,71bは、引張バネであり、第1、第2カッター68a,68bを上方に付勢し、切断完了後の第1、第2カッター68a,68bを待機位置に戻すためのバネである。
第1、第2押圧部材72a,72bは、第1、第2キャリアテープT1,T2の幅より若干広い幅を有する板状部材である。第1、第2押圧部材72a,72bは、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧して固定するために、上下方向に移動可能に設けられている。
第1、第2押圧バネ73a,73bは、圧縮バネであり、第1、第2カッター68a,68bの下降に伴い第1、第2押圧部材72a,72bを下方に付勢し、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧するバネである。
第1、第2カッター検知装置74a,74bは、例えば、フォトセンサであり、第1、第2カッター68a,68bが切断待機位置に位置していることを検知するセンサである。なお、フォトセンサの代わりにタッチセンサとしてもよい。
図13および図14に示すように、第1、第2取込装置56,57は、第1、第2切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置LSとの間に設けられ、第1、第2可動部材77a,77bおよび第1、第2固定部材78a,78bでなる第1、第2取込部材75a,75bと、第1、第2可動部材77a,77bを駆動する第1、第2取込部材駆動装置76a,76b等とを備えて構成される。第1、第2取込装置56,57は、第1、第2キャリアテープT1,T2の切断された第1、第2不要部分Tf1,Tf2をそれぞれ取り込み可能に構成されている。
第1、第2可動部材77a,77bは、第1、第2固定部材78a,78bに回転可能に支承されている。第1、第2可動部材77a,77bには、第1、第2搬送経路60a,60bの一部をなす第1、第2可動搬送経路79a,79bと、第1、第2搬送経路60a,60b上を搬送される第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2不要部分Tf1,Tf2を取り込むための第1、第2開口80a,80bとが形成されている。さらに、第1、第2可動部材77a,77bには、取り込んだ第1、第2不要部分Tf1,Tf2を第1、第2搬送経路60a,60bより下方の第1、第2廃却箇所81a,81bに案内する第1、第2ダクト82a,82bが設けられている。また、第1、第2固定部材78a,78bには、第1、第2可動搬送経路79a,79bと整列可能な第1、第2搬送経路60a,60bの一部をなす第1、第2固定搬送経路83a,83bが形成されている。なお、第1、第2可動部材77a,77bは、第1、第2固定部材78a,78bに上下方向に移動可能に支持された構成としてもよい。
第1、第2取込部材駆動装置76a,76bは、例えば、ソレノイドであり、第1、第2可動部材77a,77bを、第1、第2可動搬送経路79a,79bが第1、第2搬送経路60a,60bと整列する第1、第2搬送位置Ra1,Ra2と、第1、第2開口80a,80bを第1、第2搬送経路60a,60bに第1、第2切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置Lsとの間に形成する第1、第2開口形成位置Rb1,Rb2との間で移動可能なように、第1、第2可動部材77a,77bに接続されている。
接合装置58は、第1切断装置54と第2切断装置55との間に設けられ、第1、第2搬送経路60a,60bの一部をなす搬送経路60が形成されている。接合装置58は、搬送経路60に沿って搬送され、搬送経路60の中央のスプライシング位置LSにて第1、第2切断箇所Q1,Q2が突き合わされている第1、第2キャリアテープT1,T2をスプライシングテープ30によって接続可能に構成されている。
次に、接合装置58の構成について、図25から図29に基づいて説明する。接合装置58は、第1昇降台91、押さえプレート97、第2昇降台101、旋回台103等を有している。第1昇降台91は、その脚部92を筐体21に昇降可能に案内支持されている。第1昇降台91上には、2つのキャリアテープT1、T2の接合位置(突合せ位置)を中心にして両側に、スプライシングテープ30aに形成された位置決め穴30a1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcに係合可能な各2つずつの第1位置決めピン93、94がキャリアテープT1、T2の送り方向に沿って突設されている。これら2組の第1位置決めピン93、94の各ピッチは、キャリアテープT1、T2の送り穴HcのピッチPの2倍に定められている。
また、第1昇降台91には、第1位置決めピン93、94の各間に、ピン穴95が形成されており、これらピン穴95に後述する旋回台103側の第2位置決めピン105が突入可能となっている。
また、筐体21には、キャリアテープT1、T2の長手方向と直交する水平方向に、可動台96が移動可能に案内支持され、この可動台96に、第1位置決めピン93、94の上方位置において、押さえプレート97が取付けられている。押さえプレート97の先端には、第1位置決めピン93、94を収容できるU字形状の溝98が形成され、押さえプレート97は、溝98が第1位置決めピン93、94より離脱する後退端と、溝98が第1位置決めピン93、94を収容する前進端位置との間で進退できるようになっている。
さらに、筐体21には、第2昇降台101の脚部102が昇降可能に案内支持されている。第2昇降台101上には、旋回台103がキャリアテープT1、T2の長手方向に平行なピボット軸104を旋回中心にして180度旋回可能に両端支持されている。旋回台103には、旋回中心よりオフセットした位置に押圧板103aが設けられ、この押圧板103aに複数の第2位置決めピン105とピン穴106が設けられている。第2位置決めピン105は、上記した第1昇降台91に設けた第1位置決めピン93、94の各間に対応する位置に配列され、第1昇降台91に設けたピン穴95に突入可能となっている。また、ピン穴106は、第2位置決めピン105の各間に対応する位置に配列され、第1昇降台91に設けた第1位置決めピン93、94が突入可能となっている。
第2位置決めピン105は、旋回台103の180度旋回によって、スプライシング位置LSに位置決めされた2つのキャリアテープT1、T2の送り穴Hcおよびスプライシングテープ30aの位置決め穴30a1に係合され、2つのキャリアテープT1、T2とこれを接続するスプライシングテープ30の三者の位置関係を一定に保つようになっている。
旋回台103のピボット軸104には、ピニオン107が取付けられ、このピニオン107に噛合うラック108がキャリアテープT1、T2の搬送方向と直交する水平方向に移動可能な可動台109に取付けられている。これにより、可動台109が移動されると、ピニオン107とラック108からなるラックピニオン機構により、旋回台103が旋回されるようになっている。
筐体21には、カムドラム110が旋回台103の旋回中心と平行な軸線の回りに回転可能に支持され、図略の駆動モータによって一定方向に低速回転されるようになっている。カムドラム110の両面には、内外2つずつのカム溝110a、110b、110c、110dがそれぞれ円周方向に無端状に形成されている。
第1カム溝110aには、第1昇降台91の脚部92に軸支された図略の第1フォロアローラが係合されている。第2カム溝110bには、押さえプレート97に連結された可動台96に軸支された図略の第2フォロアローラが係合されている。第3カム溝110cには、第2昇降台101の脚部102に軸支された図略の第3フォロアローラが係合されている。第4カム溝110dには、可動台109に連結された連結部材112に軸支された図略の第4フォロアローラが係合されている。
これにより、カムドラム110が回転されると、第1~第4カム溝110a~110dにそれぞれ係合する第1~第4フォロアローラを介して、第1および第2昇降台91、101の各昇降運動、押さえプレート97の進退運動、ならびに旋回台103の旋回運動が連動して行われるようになっており、カムドラム110の1回転で、第1および第2昇降台91、101、押さえプレート97および旋回台103は、原位置に復帰されるようになっている。
次に上記した実施の形態におけるスプライシング動作について説明する。テープフィーダ10に取付けたリール12に巻回された第1キャリアテープT1に保持された部品eの残量が少なくなると、第1キャリアテープT1の終端部に、同一種の部品eを収容した別のリールに巻回した第2キャリアテープT2の始端部をスプライシングテープ30によって接続するスプライシング処理が実施される。かかるスプライシングによって部品を補給し、テープフィーダ10からの部品の供給を継続して行えるようにしている。
かかるスプライシングにおいては、通常正しい部品を収容したキャリアテープが接続されたかどうかをチェックする、いわゆるスプライシングベリファイが実行される。スプライシングベリファイは、旧リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、旧リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。次いで、新リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、新リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。
管理コンピュータのデータベースには、シリアルID毎に部品に関するデータが保存されているので、読み取ったシリアルIDより、2つのキャリアテープT1、T2に収容された部品が同じ種類のものであるか否かを照合できる。間違った部品であれば、照合エラーが操作パネルに表示されてオペレータに報知され、これに基づいてオペレータはスプライシングをやり直す。
このようなスプライシングベルファイが終了すると、2つのキャリアテープT1、T2の各端部をハサミによって切断する。この際、各キャリアテープT1、T2の端部には、通常、部品が収納されていない空のキャビティ部分が数十mm程度設けられているため、この部分を作業者によって切断する。この場合、切断面は、後述する説明から明らかなように、2つのキャリアテープT1、T2の合わせ面となるものではなく、カットされるものであるので、特に正確性は要求されない。
まず、始めに、自動スプライシング装置20の動作のうち、スプライシング準備工程について図15のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、作業者が自動スプライシング装置20に第2キャリアテープT2(図11(図12(A)に示す種類とする)をセットしてから第1キャリアテープT1(図11(図12(A)に示す種類とする)をセットする場合について説明するが、第1キャリアテープT1をセットしてから第2キャリアテープT2をセットする場合も同様である。
作業者によるスプライシング装置20の電源オンにより、制御装置59は、第1、第2スプロケット61a,61bを回転開始し(ステップS1)、第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bからの検知信号の受信の有無、すなわち第1、第2スプロケット61a,61bが原位置になったか否かを判定する(ステップS2)。そして、第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bから検知信号を受信したら、第1、第2スプロケット61a,61bを回転停止する(ステップS3)。
制御装置59は、第2テープ検知装置64bからの検知信号の受信の有無、すなわち第2テープ入口84bから第2搬送経路60bに第2テープT2の先端部が挿入されたか否かを判定する(ステップS4)。そして、第2テープ検知装置64bから検知信号を受信したら、図16に示すように、第2スプロケット61bを回転開始し(ステップS5)、第2取込部材75bの第2可動部材77bを上方向に移動させ第2開口形成位置Rb2に位置決めする(ステップS6)。
制御装置59は、挿入されたテープが第2テープT2であるか否かを判定し(ステップS7)、この場合は第2テープ検知装置64bから検知信号を受信しているので、挿入されたテープが第2テープT2であると判定し、第2部品検知装置53からの第2テープT2の第2部品e2が無い空の第2キャビティCt2の検知信号の受信の有無を判定する(ステップS8)。そして、図17に示すように、空の第2キャビティCt2を検出したら、その検出が2回目の検出であるか否か判定し(ステップS9)、2回目の検出でない場合には、ステップS8に戻って次の空の第2キャビティCt2を検出したか否かを判定する。
制御装置59は、ステップS9において、空の第2キャビティCt2の検出が2回目の検出である場合には、検出した1回目および2回目の第2キャビティCt2に基づいて、第2キャビティCt2間の所定ピッチPcを演算する。そして、第2部品検知装置53からの空の第2キャビティCt2から第2部品e2が有る第2キャビティCt2に移行した検知信号の受信の有無を判定する(ステップS11)。
制御装置59は、第2部品e2が有る第2キャビティCt2に移行したことを検出したら、ステップS10で求めた第2キャビティCt2間の所定ピッチPcと、既知の第2検知位置Ld2と第2切断位置Lc2との間の第2距離D2とから、第2テープT2の第2切断箇所Q2を演算する。そして、図18に示すように、第2テープT2を第2距離D2移動させて第2不要部分Tf2を第2開口80bから第2取込部材75b内に取り込ませ、第2切断箇所Q2を第2切断位置Lc2に搬送位置決めする。
ここで、上述のステップS8からステップS13までの処理の一例を具体的に説明する。図19に示すように、第2部品検知装置53からの検知信号(光量)Sは、第2テープT2の第2キャビティCt2間のテープ部分でSoを示すとすると、第2部品e2が無い空の第2キャビティCt2では透過光量が増大するのでSaを示し、第2部品e2が有る第2キャビティCt2では透過光量が減少するのでSbを示す。
そこで、テープ部分から1つ目の空の第2キャビティCt2に移行するときの検知信号Sの立ち上がり時点t1、およびテープ部分から2つ目の空の第2キャビティCt2に移行するときの検知信号Sの立ち上がり時点t2を検出し、時点t1と時点t2との間の第2スプロケット61b用の第2ギヤモータ62bのパルス数をカウントする。そして、このパルスカウント数に基づいて第2テープT2の送り量を求めることにより、第2キャビティCt2間の所定ピッチPcを求めることができる。
次に、空の第2キャビティCt2から第2部品e2が有る第2キャビティCt2に移行したら、そのときの検知信号Sの立ち上がり時点t3と現時点t4との間の第2スプロケット61b用の第2ギヤモータ62bのパルス数をカウントする。そして、このパルスカウント数に基づいて第2テープT2の送り量を求めることにより、第2部品e2が有る第2キャビティCt2の図示右端位置Lctと第2検知位置Ld2との距離xを求めることができる。また、第2キャビティCt2間の所定ピッチPcから、第2部品e2が有る第2キャビティCt2の図示右端位置Lctと第2キャビティCt2間のテープ部分の中央位置、すなわち第2切断箇所Q2との距離yを求めることができる。
そして、既知の第2検知位置Ld2と第2切断位置Lc2との間の第2距離D2から上記距離xおよびyを減算した距離D2-x-yだけ第2テープT2を搬送することにより、第2切断箇所Q2を第2切断位置Lc2に搬送位置決めすることができる。あるいは、上記距離xおよびyだけ第2テープT2を逆搬送した後、第2距離D2だけ第2テープT2を搬送することにより、第2切断箇所Q2を第2切断位置Lc2に搬送位置決めすることができる。
なお、第2テープT2として図11(図12(A))に示す種類のテープの場合を説明したが、図12(B),(C)に示す種類のテープの場合、スプライシング後の第1キャリアテープT1の第1送り穴Hc1と第2キャリアテープT2の第2送り穴Hc2とのピッチが所定ピッチPhとなるように第1、第2切断箇所Q1,Q2をそれぞれ求める必要がある。そのときは、空の第1、第2キャビティCt1,Ct2から第1、第2部品e1,e2が有る第1、第2キャビティCt1,Ct2に移行したときの第1、第2スプロケット61a,61bの原位置からのずれ量を、第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bによる第1、第2マークM1,M2の読み取りおよび第2ギヤモータ62bのパルス数のカウントにより求める。そして、このずれ量および既知の第1、第2スプロケット61a,61bの原位置と第2検知位置Ld2との距離に基づいて、スプライシング後の第1キャリアテープT1の第1送り穴Hc1と第2キャリアテープT2の第2送り穴Hc2とのピッチが所定ピッチPhとなるように第1、第2切断箇所Q1,Q2を求める。
制御装置59は、第2キャリアテープT2および第1キャリアテープT1の搬送位置決めが完了したか否かを判定し(ステップS14)、この場合は第2キャリアテープT2の搬送位置決めが完了したのみであるため、ステップS4に戻って第1テープ検知装置64aからの検知信号の受信の有無、すなわち第1テープ入口84aから第1搬送経路60aに第1キャリアテープT1の後端部が挿入されたか否かを判定する。そして、第1テープ検知装置64aから検知信号を受信したら、第1スプロケット61aを回転開始し(ステップS5)、第1取込部材75aの第1可動部材77aを上方向に移動させ第1開口形成位置Rb1に位置決めする(ステップS6)。
制御装置59は、挿入されたテープが第2キャリアテープT2であるか否かを判定し(ステップS7)、この場合は第1テープ検知装置64aから検知信号を受信しているので、挿入されたテープが第1キャリアテープT1であると判定し、第1キャビティCt1間の所定ピッチPcは既に求めた第2キャビティCt2間の所定ピッチPcと同一であるため、第1部品検知装置52からの空の第1キャビティCt1から第1部品e1が有る第1キャビティCt1に移行した検知信号の受信の有無を判定する(ステップS11)。
制御装置59は、第1部品eが有る第1キャビティCt1に移行したことを検出したら、第1キャビティCt1間の所定ピッチPcと、既知の第1検知位置Ld1と第1切断位置Lc1との間の第1距離D1とから、第1キャリアテープT1の第1切断箇所Q1を演算する。そして、第1キャリアテープT1を第1距離D1移動させて第1不要部分Tf1を第1開口80aから第1取込部材75a内に取り込ませ、第1切断箇所Q1を第1切断位置Lc1に搬送位置決めする。
制御装置59は、第2キャリアテープT2および第1キャリアテープT1の搬送位置決めが完了したか否かを判定し(ステップS14)、この場合は第2キャリアテープT2および第1キャリアテープT1の搬送位置決めが完了したので、図20に示すように、第1、第2カッター68a,68bを第1、第2押圧部材72a,72bとともにそれぞれ下降させ、第1、第2押圧部材72a,72bで第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧して固定する。そして、図21に示すように、さらに第1、第2カッター68a,68bをそれぞれ下降させ、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2をそれぞれ切断する(ステップS15)。第1、第2キャリアテープT1,T2の切断された第1、第2不要部分Tf1,Tf2は、第1、第2ダクト82a,82bに案内されて第1、第2廃却箇所81a,81bに廃棄される。
なお、第1、第2キャリアテープT1,T2として図11(図12(A))に示す種類のテープの場合を説明したが、図12(D)に示す第1、第2エンボステープT1e,T2eを切断するときの動作について説明する。図22に示すように、第1、第2エンボステープT1e,T2eが、第1、第2搬送経路60a,60bに沿って搬送されるときは、第1、第2キャビティCte1,Cte2は、第1、第2細溝65a,65b内に沿って搬送される(図22(A)参照)。そして、第1、第2エンボステープT1e,T2eが、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に近付くと、第1、第2キャビティCte1,Cte2は、第1、第2板ばね66a,66bに乗り上げて第1、第2切断位置Lc1,Lc2を超え、第1、第2切断箇所Q1,Q2が第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされる(図22(B)参照)。
そして、第1、第2カッター68a,68bが第1、第2押圧部材72a,72bとともにそれぞれ下降してくると、第1、第2押圧部材72a,72bが、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2エンボステープT1e,T2eの第1、第2切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧して固定する。このとき、第1、第2キャビティCte1,Cte2は、第1、第2板ばね66a,66bを下方に弾性変形させて第1、第2細溝65a,65b内に収納される(図22(C)参照)。これにより、第1、第2エンボステープT1e,T2eの第1、第2切断箇所Q1,Q2は、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に高精度に位置決めされるので、第1、第2エンボステープT1e,T2eの切断精度を高めることができる。
そして、第1、第2カッター68a,68bが第1、第2押圧部材72a,72bとともにそれぞれ上昇すると、第1、第2板ばね66a,66bが復元して第1、第2切断位置Lc1,Lc2近傍の第1、第2キャビティCte1,Cte2を第1、第2細溝65a,65bより上方に持ち上げる(図22(D)参照)。これにより、第1、第2キャビティCte1,Cte2は、第1、第2板ばね66a,66bに乗り上げて第1、第2切断位置Lc1,Lc2を超えることができるので、第1、第2エンボステープT1e,T2eの搬送をスムーズに行うことができる。
制御装置59は、第1、第2カッター検知装置74a,74bからの検知信号の受信の有無、すなわち第1、第2カッター68a,68bによる第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の切断が完了したか否かを判定する(ステップS16)。そして、第1、第2カッター検知装置74a,74bから検知信号を受信したら、図23に示すように、第1、第2取込部材75a,75bの第1、第2可動部材77a,77bを下方向に移動させ第1、第2搬送位置Ra1,Ra2にそれぞれ位置決めする(ステップS17)。そして、図24に示すように、第1、第2スプロケット61a,61bをそれぞれ回転開始し(ステップS18)、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2を、第1、第2切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置Lsとの間の第3、第4距離D3,D4だけそれぞれ移動させる(ステップS19)。そして、第1、第2スプロケット61a,61bをそれぞれ回転停止し、第1、第2切断箇所Q1,Q2をスプライシング位置Lsに搬送位置決めする。
上記した第1、第2テープ送り装置50,51および上記ステップS19等により、第1および第2キャリアテープT1、T2を、第1および第2のキャリアテープT1、T2の各送り穴Hc1、Hc2に位置決めピン93,94が係合するスプライシング位置LSに位置決めする位置決め装置を構成している。
これによって、第1、第2テープ入口84a,84bより挿入された第1および第2キャリアテープT1、T2の先端が、スプライシング位置LSにおいて、ピッチずれを生ずることなく位置決めされる。以上により、スプライシング準備工程が完了するので、次に、スプライシング工程に移行する。
供給リール33に巻回された紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体は、供給リール33より引き出され、紙台紙32が剥がされて紙台紙送り装置35により送り出される。一方、スプライシングテープ30を貼付した保護テープ31は、保護テープ送り装置36により送り出され、スプライシング位置LSに搬送される。
保護テープ31に貼付された2枚1組の一方のスプライシングテープ30a、すなわち、位置決め穴30a1を形成したスプライシングテープ30aが、金属検知センサ47によって検知されると、その検知位置から保護テープ31が保護テープ送り装置36によって一定量S1送り出される。これによって、スプライシングテープ30aがスプライシング位置LSに設けられた接合装置58の第1位置決めピン93、94に係合可能な位置に位置決めされ、その状態で、第1および第2キャリアテープT1、T2の各先端が、スプライシング位置LSに位置決めされるまで待機する。
第1および第2のキャリアテープT1、T2がそれぞれ所定位置に位置決めされると、図略の駆動モータによってカムドラム110が回転される。カムドラム110の回転によって、まず、第1カム溝110aに係合する図略の第1フォロアローラを介して、第1昇降台91が上昇される。
第1昇降台91の上昇により、第1位置決めピン93、94が、スプライシングテープ30aの位置決め穴30a1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcにそれぞれ係合される。この際、スプライシングテープ30aとキャリアテープT1、T2との間には、図31(A)に示すように、押さえプレート97が介在されているため、スプライシングテープ30aにキャリアテープT1、T2が接着することはない。これによって、2つのキャリアテープT1、T2とこれを接続するスプライシングテープ30aの三者の位置関係が一定の関係に保たれる。
次いで、第2カム溝110bに係合する図略の第2フォロアローラを介して、可動台96が水平方向に移動され、スプライシングテープ30aとキャリアテープT1、T2との間に介在された押さえプレート97が、第1昇降台91に対して後退され、スプライシングテープ30aとキャリアテープT1、T2とが接着可能な状態となる。
次いで、第3カム溝110cに係合する図略の第3フォロアローラを介して、可動台109が水平移動され、この可動台109の水平移動により、ラックピニオン機構(107、108)によって旋回台103が図28の時計回りに旋回される。かかる旋回台103の旋回により、図31(B)に示すように、第2位置決めピン105に係合された保護テープ31が折り曲げられ、2枚で1組のスプライシングテープの他方(30b)が、キャリアテープT1、T2の上方位置に接着面を下向きにして反転される。すなわち、保護テープ31は、キャリアテープT1、T2を挟み込むように折り曲げされ、キャリアテープT1、T2の下面側に一方のスプライシングテープ30aが、キャリアテープT1、T2の上面側に他方のスプライシングテープ30bが位置される。この際、保護テープ送り装置36のモータが逆回転されて、保護テープ31に弛みが与えられ、保護テープ31の折り曲げが許容される。
続いて、第4カム溝110dに係合する図略の第4フォロアローラを介して、第2昇降台101が下降される。第2昇降台101が下降されると、図31(C)に示すように、第2位置決めピン105が、保護テープ31の裏側から保護テープ31の位置決め穴31b、キャリアテープT1、T2の送り穴Hcおよびスプライシングテープ30aの位置決め穴30a1に係合される。
さらに、第2昇降台101の下降により、キャリアテープT1、T2を挟持した状態で、折り曲げた保護テープ31が、旋回台103の押圧板103aと第1昇降台91との間で押付けられる。この押付けにより、保護テープ31に貼付された一方のスプライシングテープ30aが、キャリアテープT1、T2の下面(底面)に跨るように接着され、他方のスプライシングテープ30bが、キャリアテープT1、T2の上面の各トップテープTtに跨るように接着され、第1キャリアテープT1の終端部と第2キャリアテープTs2の始端部が互いに接続される。かかる押付け状態は、一定時間(数秒間)持続される。
スプライシングテープ30による2つのキャリアテープT1、T2の接続は、キャリアテープT1、T2とスプライシングテープ30a、30bを、第1および第2位置決めピン93、94、105によって相対的なずれを拘束した状態で行われるので、2つのキャリアテープT1、T2をピッチずれを生ずることなく正確に接合できる。
上記したスプライシングテープ30による2つのキャリアテープT1、T2の接合は、カムドラム110のほぼ180度の回転によって達成され、残りの180度の回転によって、上記したと逆の動作で各構成部材が原位置に復帰される。
すなわち、まず、第2昇降台101が上昇されて、旋回台103が第1昇降台91に対して上昇され、折り曲げた保護テープ31の押付けが解除されるとともに、第2位置決めピン105がスプライシングテープ30aの位置決め穴30a1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcより離脱される。この際、スプライシングテープ30のキャリアテープT1、T2に対する粘着性が高いため、保護テープ31の圧着の解除による保護テープ31のばね復帰力によって、保護テープ31はスプライシングテープ30より容易に剥離され、スプライシングテープ30がキャリアテープT1、T2より剥がれることはない。
続いて、ラックピニオン機構(108、107)を介して旋回台103が図28の反時計回りに旋回されるとともに、保護テープ送り装置36のモータが正回転されて、保護テープ31の弛みが除去される。
その後、押さえプレート97が前進されるとともに、第1昇降台91が下降され、第1位置決めピン93、94がスプライシングテープ30aの位置決め穴30a1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcより離脱される。一方、紙台紙送り装置35においてはモータが駆動されて、紙台紙32にテンションが与えられ、紙台紙32が必要な量だけ剥がされる。このようにして、第1のキャリアテープT1の終端部と第2のキャリアテープT2の始端部との接合が完了する。
2つのキャリアテープT1、T2がスプライシングテープ30によって互いに接続されると、スプライシング装置20の蓋体22が開かれ、スプライシングした第1および第2キャリアテープT1、T2を、スプライシング装置20より取り出す。そして、第2キャリアテープT2を巻回したリール12をテープフィーダ10にセットし、スプライシング処理を完了する。これによって、テープフィーダ10に部品が補給され、部品実装機においては、機械を停止させることなく、部品実装作業を継続して行えるようになる。
なお、キャリアテープT1、T2に接合されたスプライシングテープ30には、金属粉が埋め込まれているため、テープフィーダ10に金属検知センサを設けることにより、スプライシング位置を簡単に検知することが可能となる。
上記した実施の形態によれば、2つのキャリアテープT1、T2をスプライシングするための、キャリアテープの切断や、スプライシングテープ30による接合を自動的に行うことができ、従来の手作業による発生する2つのキャリアテープT1、T2の接続部のピッチのずれをなくすることができる。これによって、接続部のピッチのずれによる画像処理エラーの発生や、吸着エラーの発生を抑制することができる。
しかも、スプライシングを自動的に行うことにより、スプライシングに要する時間を短縮することができ、これによって、部品実装機を停止させずにスプライシング処理を完了させることができ、画像処理エラーの発生や、吸着エラーの発生の抑制と相俟って、部品実装の効率を大幅に向上することが可能となる。
また、所定のスプライシング位置に位置決めされた2つのキャリアテープT1、T2とスプライシングテープ30とを、位置決めピン93、94によって互いに係合させるようにしたので、2つのキャリアテープT1、T2の接合時に、2つのキャリアテープT1、T2に対してスプライシングテープ30を正確な位置に接合することができ、スプライシング精度を高めることができる。
上記した実施の形態によれば、スプライシングテープ30の粘着面には連続した紙台紙32が接着され、紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31をロール状に巻回した供給リール33を有しているので、供給リール33をスプライシング装置20にセットすることによって、多数のスプライシングテープ30を接合装置58に供給することができるようになり、スプライシング位置へのスプライシングテープ30の供給を容易に行うことができる。
上記した実施の形態においては、紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体を、供給リール33にロール状に巻回した例について述べたが、紙台紙32をなくして、スプライシングテープ30と保護テープ31との2層構造とすることにより、より多数のスプライシングテープ30を供給リール33に用意することができる。なお、この場合、スプライシングテープ30の接着面(キャリアテープT1、T2との接着面)がロール状に巻かれた保護テープ31の裏面側に当接するが、接着剤を考慮することにより、保護テープ31の引き出し時にスプライシングテープ30が剥がれないようにすることができる。
また、上記した実施の形態によれば、接合装置58の各構成部材を、カムドラム110を用いてメカニカル的に連動させ、保護テープ31を折り曲げてスプライシングテープ30をキャリアテープT1、T2に接合させるようにした例について述べたが、接合装置58の各構成部材を別々のアクチュエータによって作動させることもできる。
上記した実施の形態によれば、スプライシングテープ30には、金属が埋め込まれ、金属を検出する金属検知センサ47の信号に基づいて保護テープ31が所定量送られ、スプライシングテープ30をスプライシング位置に位置決めするようになっているので、保護テープ31の伸び等に拘わらず、スプライシングテープ30をスプライシング位置に正確に位置決めすることができる。
斯様に、本発明は実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。