WO2013121851A1 - ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物 - Google Patents

ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物 Download PDF

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WO2013121851A1
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和彦 兒島
尾崎 勝
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東レ・ダウコーニング株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C3/00Selection of compositions for coating the surfaces of moulds, cores, or patterns
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/20Accessories: Details

Abstract

本発明は、(A)炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサン、(B)ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン、ならびに(C)水を含むことを特徴とする、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物に関する。本発明により、特に高温での金型への付着性に優れ、離型性が良好なダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を提供することができる。

Description

ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物
 本願は、2012年2月16日に日本国に出願された特願2012-31823号に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 本発明は、離型剤エマルジョン組成物に関し、詳しくはダイカスト用離型剤エマルジョン組成物に関し、さらに詳しくは、金型に塗布した際に金型に対して良好な付着性を示すダイカスト用離型剤エマルジョン組成物に関する。
 離型剤エマルジョン組成物は、通常、水で数倍に希釈され、金型などにスプレーを用いて塗布されて使用されている。離型剤エマルジョン組成物としては、例えば、アクリルシリコーンエマルジョンと、オルガノ変性シリコーンと、界面活性剤と、ワックス、油脂、鉱油、合成エステルオイルおよびポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種または2種とを含む金型用離型剤組成物が提案されている(特開2004-18797号公報)。
 また、熱安定性を改善した離型剤組成物として、ジメチルシリコーンオイルと、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、およびカルボキシル変性シリコーンのうち1種または2種以上を組み合わせて構成されるペインタブル性シリコーンオイルとを混合した離型剤組成物が提案されている(特開2003-48218号公報)。
特開2004-18797号公報 特開2003-48218号公報
 しかし、特に、ダイカスト製造においては、高温の金型に離型剤エマルジョン組成物を塗布することとなるため、塗布したエマルジョン組成物の多くは金型に付着せず、はじき落ちたり流れ落ちたりするという問題があった。また、金型への付着性を向上させるために基油の粘度を高くすると、乳化性が悪化するという問題があった。
 本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、特に高温の金型に塗布する際の付着性に優れ、さらにダイカストの離型性が良好な離型剤エマルジョン組成物を提供することを目的とする。
 本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、
(A)炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサン、
(B)ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン、ならびに
(C)水
を含む、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物によって達成される。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、さらに(D)界面活性剤(ただし、(B)成分を除く)を含むことができる。
 前記(A)成分は、下記式(2):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(式中、
R’は、それぞれ独立して、炭素数1~5の1価飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2~10の1価不飽和脂肪族炭化水素基または炭素数6~20の1価芳香族炭化水素基であり、
R2は、それぞれ独立して、炭素数6~20のアルキル基であり、
R3は、それぞれ独立して、炭素数7~20のアラルキル基であり、
A2は、それぞれ独立して、R’、R2またはR3であり、
x、yおよびzは任意の数であり、x/(x+y+z)=0.70以下、y/(x+y+z)=0.10以上、z/(x+y+z)=0.10以上を満たす数である)
で表されるアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
 前記式(2)において、x、yおよびzは、x/(x+y+z)=0.10~0.70、y/(x+y+z)=0.10~0.80、z/(x+y+z)=0.10~0.80を満たす数であることがより好ましい。
 前記(B)成分は、下記式(1):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(式中、
Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価炭化水素基であり、
R1は、式:-(CH-(OC-(OCHCH(CH))-B(Bは、H、OH、OR、COOH、COORまたはOCORを表し、oは0~4であり、pは0~100であり、qは0~100であり、p+qは2~100である)で表されるポリオキシアルキレン基であり、
A1は、それぞれ独立して、RまたはR1であり、
mは1~500であり、
nは0~100であり、ただし、n=0のとき少なくとも1つのA1はR1である)
で表されるポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンから選択される1種または2種以上の組合せであることが好ましい。
 前記式(1)において、pは0~50であり、qは0~50であり、p+qは10~50であり、mは5~200であり、nは0~20であることがより好ましい。
 本発明によれば、特に高温での金型への付着性に優れ、離型性が良好なダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を提供することができる。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、
(A)炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサン、
(B)ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン、ならびに
(C)水
を含むことを特徴とする。
 (A)成分の炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンは、その分子構造中に炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基を含有したオルガノポリシロキサンであれば特に限定されず、炭素数6~20のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましい。また、例えば以下の式(2):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式中、
R’は、それぞれ独立して、炭素数1~5の1価飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2~10の1価不飽和脂肪族炭化水素基または炭素数6~20の1価芳香族炭化水素基であり、
R2は、それぞれ独立して、炭素数6~20のアルキル基であり、
R3は、それぞれ独立して、炭素数7~20のアラルキル基であり、
A2は、それぞれ独立して、R’、R2またはR3であり、
x、yおよびzは任意の数であり、x/(x+y+z)=0.70以下、y/(x+y+z)=0.10以上、z/(x+y+z)=0.10以上を満たす数である)
で表されるアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンであってもよい。
 式(2)中のR’の炭素数1~5の1価飽和脂肪族炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、およびペンチル基等のアルキル基;シクロペンチル基等のシクロアルキル基;ならびにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素原子等のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、およびメルカプト基からなる群から選択される官能基を含む有機基で置換された基が挙げられる。
 式(2)中のR’の炭素数2~10の1価不飽和脂肪族炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、およびヘキセニル基等の直鎖または分岐状のアルケニル基;シクロペンテニル基、およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;シクロペンテニルエチル基、シクロヘキセニルエチル基、およびシクロヘキセニルプロピル基等のシクロアルケニルアルキル基;エチニル基、およびプロパルギル基等のアルキニル基;ならびにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素原子等のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、およびメルカプト基からなる群から選択される官能基を含む有機基で置換された基が挙げられる。
 式(2)中のR’の炭素数6~20の1価芳香族炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、およびメシチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;ならびにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素原子等のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基からなる群から選択される官能基を含む有機基で置換された基が挙げられる。
 式(2)で表されるアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンのR’は、離型性の点で、少なくとも50%はメチル基であることが好ましく、すべてメチル基であることが特に好ましい。
 式(2)中のR2の炭素数6~20のアルキル基は、特に限定されないが、例えばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、およびエイコシル基等;ならびにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
 式(2)中のR3の炭素数7~20のアラルキル基は、特に限定されないが、例えばベンジル基、4-メチルベンジル基、p-メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基、および3-フェニルプロピル基等が挙げられる。
 式(2)中のA2は、R’、R2またはR3であるが、R’であることが好ましい。
 式(2)中のx、yおよびzは、任意の数とすることができるが、xは0~250の範囲、特に0~200の範囲、yは1~100の範囲、特に10~80の範囲、zは1~100の範囲、特に10~80の範囲であることが好ましい。x+y+zの値が大きすぎると、粘度が高くなりすぎて乳化が困難となるため、x+y+zの値は300以下であることが好ましい。
 また、式(2)中のx/(x+y+z)の値は、ペインタブル性の観点から0.70以下であることが好ましく、さらに耐熱性、離型性および粘度調節の容易さの観点から、0.10~0.70の範囲であることがより好ましい。y/(x+y+z)およびz/(x+y+z)の値は、ペインタブル性の観点からそれぞれ0.10以上であることが好ましく、0.10~0.80の範囲であることがより好ましい。x/(x+y+z)、y/(x+y+z)、およびz/(x+y+z)の値が上記範囲内にある場合、得られる離型剤の高温における離型性が優れる傾向がある。
前記x、y、zの値は29Si-NMRおよび13C-NMRにより求めることができる。
 式(2)のそれぞれのシロキサン構造単位の配列は特に限定されるものではなく、ランダムまたはブロックであってもよい。
 式(2)で表されるシリコーン化合物の25℃における動粘度は500~10000mm/sであることが好ましく、1000~8000mm/sであることが特に好ましい。動粘度が上記範囲より低い場合、熱せられた金型上に付着したシリコーンが流れ落ちやすく、良好な離型性が得難くなるためであり、一方、動粘度が上記範囲より高い場合、乳化が困難になったり、安定な乳化物が得難くなったりするためである。
 式(2)で表されるシリコーン化合物は、1種類を単独で使用することができるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
 (A)成分として、炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンのみを使用することもでき、またはアルキル基含有オルガノポリシロキサンと炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンとを組み合わせて使用することもできる。
 (A)成分の炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンと組み合わせて使用されてもよいアルキル基含有オルガノポリシロキサンは、その分子構造中にアルキル基を含有したオルガノポリシロキサンであれば特に限定されないが、例えば以下の式(3):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式中、R’およびR2は前述のとおりであり、A3はR’またはR2であり、aおよびbは任意の数である)
で表されるアルキル基含有オルガノポリシロキサンであってもよい。
 式(3)中のaおよびbは、任意の数とすることができるが、ペインタブル性の点から、aは0~200の範囲、bは1~200の範囲であることが好ましい。a+bの値が大きすぎると粘度が高くなりすぎて、乳化が困難となるため、a+bの値は300以下であることが好ましい。
 式(3)のそれぞれのシロキサン構造単位の配列は特に限定されるものではなく、ランダムまたはブロックであってもよい。
 式(3)で表されるシリコーン化合物の25℃における動粘度は500~10000mm/sであることが好ましく、1000~8000mm/sであることが特に好ましい。動粘度が上記範囲より低い場合、熱せられた金型上に付着したシリコーンが流れ落ちやすく、良好な離型性が得難くなるためであり、一方、動粘度が上記範囲より高い場合、乳化が困難になったり、安定な乳化物が得難くなったりするためである。
 式(3)の化合物は、1種類を単独で使用することができるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
 本発明のダイカスト用エマルジョン組成物において、(A)成分は水中に液滴の状態で分散している。この液滴の平均粒径は1~2000nmの範囲内であることが好ましく、10~1000nmの範囲内であることがより好ましく、10~400nmの範囲内であることが特に好ましい。平均粒径が上記範囲内にある場合、得られるエマルジョンの安定性が良好になるからである。
 (A)成分の含有量は、特に限定されないが、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物100質量部に対して0.1~90質量部の範囲内であることが好ましく、10~70質量部の範囲内であることが特に好ましい。
 (B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンは、その分子構造中にポリエーテル基を含有したオルガノポリシロキサンであれば、特に限定されず、ポリエーテル基は、側鎖、片末端、両末端、または側鎖と両末端の両方に結合した構造を有するオルガノポリシロキサンであってもよい。また、ブロック共重合タイプのポリエーテル基およびアルキル基含有オルガノポリシロキサンであってもよい。
 (B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば以下の式:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(式中、
Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価炭化水素基であり、
R1は、式:-(CH-(OC-(OCHCH(CH))-B(Bは、H、OH、OR、COOH、COORまたはOCORを表し、oは0~4であり、pは0~100であり、qは0~100であり、p+qは2~100である)で表されるポリオキシアルキレン基であり、
A1は、それぞれ独立して、RまたはR1であり、
mは1~500であり、
nは0~100であり、ただし、n=0のとき少なくとも1つのA1はR1である)
で表されるポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンから選択される1種または2種以上の組合せであってもよい。
 式(1)のR1において、pは0~50であり、qは0~50であり、p+qは10~50であることが好ましい。p+qは20~50であることがより好ましい。
 式(1)中のmおよびnは、任意の数とすることができるが、生産性および取扱い性の点から、mは1~500の範囲、nは0~100の範囲であることが好ましく、さらにmは5~200の範囲、nは0~20の範囲であることがより好ましい。m+nの値が大きすぎると粘度が高くなりすぎ、生産性や取扱い性、さらにエマルジョン組成物中における乳化性や分散性が低下するため、m+nの値は600以下であることが好ましい。
 式(1)のそれぞれのシロキサン構造単位の配列は特に限定されるものではなく、ランダムまたはブロックであってもよい。
 式(1)のR1のポリオキシアルキレン基の構造単位の配列は特に限定されるものではなく、ランダムまたはブロックであってもよい。
 (B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は100~10000mm/sであることが好ましく、500~8000mm/sであることが特に好ましい。動粘度が上記範囲より低い場合、熱せられた金型上に付着したシリコーンが流れ落ちやすく、良好な離型性が得難くなるためであり、一方、動粘度が上記範囲より高い場合、エマルジョン組成物中における乳化性や分散性が低下するためである。
 (B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンは、1種類を単独で使用することができるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
 (B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンの含有量は、特に限定されないが、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物100質量部に対して0.1~20質量部の範囲内であることが好ましく、0.5~10質量部の範囲内であることが特に好ましい。
 (C)成分の水の含有量は、特に限定されないが、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物100質量部に対して10~99質量部の範囲内であることが好ましく、30~80質量部の範囲内であることが特に好ましい。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、さらに(D)界面活性剤(ただし、(B)成分を除く)を含むことができる。界面活性剤は、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および半極性界面活性剤からなる群より選択することができる。界面活性剤は単独で使用されてもよく、2種類以上のものを併用してもよい。
 アニオン性界面活性剤としては、例えば、飽和または不飽和脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム等)、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)およびその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルまたはアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が例示される。塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、更にはアンモニウム塩が挙げられる。
 カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
 ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリグリセリル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン、フッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル等が挙げられる。
 両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン型、アミドベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、カルボベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸型、アミドアミノ酸型両性界面活性剤が挙げられる。具体的には、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、硬化牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン等のアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシホスホベタイン等のホスホベタイン型両性界面活性剤;N-ラウロイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-オレオイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ココイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ラウロイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N-オレオイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム等のアミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。
 半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤であるアルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルヒドロキシアミンオキサイド等が例示され、炭素数10~18のアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数8~18のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が好ましく用いられる。具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジエチルデシルアミンオキサイド、ビス-(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ジプロピルテトラデシルアミンオキサイド、メチルエチルへキサデシルアミンオキサイド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、タロウジメチルアミンオキサイド、ジメチル-2-ヒドロキシオクタデシルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、イソステアリルジメチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アルキルジメチルアミンオキサイド、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、12-ヒドロキシステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ヒマシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドエチルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドエチルジメチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドエチルジエチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドエチルジエチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジエチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド、およびヤシ脂肪酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が挙げられる。
 (D)成分の界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物100質量部に対して0.1~20質量部の範囲内であることが好ましく、0.5~10質量部の範囲内であることが特に好ましい。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、上記(A)~(C)成分、および任意で(D)成分を含むエマルジョン組成物であるが、これらの成分に加えて他のジオルガノポリシロキサンを含んでもよい。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物の製造方法としては、例えば、上記(A)成分および(B)成分をホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、ホモジナイザー等の乳化機を用いて通常の方法により(C)成分中に乳化する方法が挙げられる。また、(B)成分のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンは、(A)成分および他の成分を(C)成分中に乳化した後に加えて、配合することもできる。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、上記(A)~(D)成分に加えて、その他の成分として、通常シリコーン化合物を含む離型剤エマルジョン組成物に使用される添加剤、例えばpH調整剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、着色剤、鉱物油、高級脂肪酸、増粘剤、アルミニウム粉末、黒鉛等を本発明の目的を損なわない限り、任意の1種以上を添加配合することができる。
 本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物は、例えばスプレーガンを用いて金型に均一に吹き付けたり、本発明のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を含浸させた布や紙もしくは刷毛を用いて金型に塗布して使用される。
 以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。実施例において、部はいずれも質量部を意味する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサン)
 以下のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンAならびにアラルキル基含有オルガノポリシロキサンBを使用した。これらのオルガノポリシロキサンは、対応するメチルハイドロジェンポリシロキサンを、アルファメチルスチレンとヒドロシリル化反応させ、その後さらにアルケンとヒドロシリル化反応させることによって製造した。
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 アラルキル基含有オルガノポリシロキサンB
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン)
 以下のポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンCおよびポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンDを使用した。これらのポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンは、対応するメチルハイドロジェンポリシロキサンを、アリルエーテル基を有するポリオキシアルキレンとヒドロシリル化反応させることによって製造した。
 ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンC
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンD
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
[実施例1]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)3.5部、ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンC 0.5部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が236nmの乳白色エマルジョンを得た。
[実施例2]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)3.5部、ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンD 0.5部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が235nmの乳白色エマルジョンを得た。
[実施例3]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)2.0部、ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンD 2.0部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が254nmの乳白色エマルジョンを得た。
[比較例1]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)4.0部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が216nmの乳白色エマルジョンを得た。
[比較例2]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)3.5部、ポリオキシエチレン(3モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB5.9)0.5部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が222nmの乳白色エマルジョンを得た。
[比較例3]
 アルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンA 50部、ポリオキシエチレン(7モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB12.9)2.0部、ポリオキシエチレン(3モル)プロピルヘプチルエーテル(HLB5.9)2.0部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水4.43部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水41.44部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに防腐剤を加えて、粒子径が225nmの乳白色エマルジョンを得た。
[比較例4]
 アラルキル基含有オルガノポリシロキサンB 50.7部、ポリオキシエチレン(6モル)イソデシルエーテル(HLB12.9)4.2部、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル硫酸ナトリウム0.025部、および水5.90部を混合し、連続混合装置を用いて、乳化を行った。水38.87部を加えて希釈を行い、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.005部を加え、さらに安息香酸ナトリウムおよび防腐剤を加えて、粒子径が225nmの乳白色エマルジョンを得た。
(付着性評価方法)
 水で50倍に希釈した離型剤エマルジョン組成物を、自動スプレー装置の加圧タンクに入れて、スプレーの圧力等の測定条件を設定した(スプレー形状の圧力:0.16MPa、ミストの大きさを決める圧力:0.56MPa、スプレー圧:0.42MPa)。次いで、ヒーター上に縦100mm×横100mm×厚さ3.5mmの鋼板を設置し、200℃にて20分間静置したところで、鋼板上に離型剤組成物60ccをスプレー塗布(ノズル-鋼板間距離200mm、噴霧時間9秒間)した。その後、鋼板を装置から取り外して室温まで冷却した後、鋼板に付着した成分の重量を測定し、付着性を評価した。
(離型性評価方法)
 離型抵抗評価として、ルブ(Lub)テスターによる離型剤の離型抵抗を評価した。具体的には、温度200℃に加熱した200mm×200mm×30mmの鉄板(材質SKD61)に、水で150倍に希釈した離型剤エマルジョン組成物をスプレー塗布(スプレー圧:0.4MPa、ノズル-鋼板間距離:200mm、噴霧時間:1秒間)した後、離型剤エマルジョン組成物を塗布した鉄板にリング体(内径:60ミリメートル、高さ:50ミリメートル、材質:SS400)で区画された空間に、温度680℃のアルミニウム溶湯(品番:ADC12)を注湯して固化させ、試験片を形成した。その後、リング体を鉄板に沿って移動させるときの摺動荷重で鋳造品の離型抵抗を評価した。摺動荷重が小さい程、離型抵抗が少なく、離型性が高いことになる。
 実施例1~3および比較例1~4で調製した離型剤エマルジョン組成物に対して、上記の方法で付着性および離型性を測定した。測定結果を以下の表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
 表1より、実施例1~3のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を使用した場合は、鋼板への付着量が25mgを超え、優れた付着性を示したのに対し、比較例1~4のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を使用した場合には、鋼板への付着量は20mgを下回り、低い付着性しか示さなかった。
 実施例1および比較例1のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物に対して引張抵抗値を測定し、離型性を比較した結果、実施例1のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物を使用した場合の方が引張抵抗値が低く、離型性に優れる結果となった。

Claims (6)

  1. (A)炭素数6以上のアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサン、
    (B)ポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン、ならびに
    (C)水
    を含むことを特徴とする、ダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
  2. (D)界面活性剤(ただし、(B)成分を除く)
    をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
  3.  (B)成分が、下記式(1):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、
    Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価炭化水素基であり、
    R1は、式:-(CH-(OC-(OCHCH(CH))-B(Bは、H、OH、OR、COOH、COORまたはOCORを表し、oは0~4であり、pは0~100であり、qは0~100であり、p+qは2~100である)で表されるポリオキシアルキレン基であり、
    A1は、それぞれ独立して、RまたはR1であり、
    mは1~500であり、
    nは0~100であり、ただし、n=0のとき少なくとも1つのA1はR1である)
    で表されるポリエーテル基含有オルガノポリシロキサンから選択される1種または2種以上の組合せであることを特徴とする、請求項1または2に記載のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
  4.  前記式(1)において、pが0~50であり、qが0~50であり、p+qが10~50であり、mが5~200であり、nが0~20である、請求項3に記載のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
  5.  (A)成分が、下記式(2):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、
    R’は、それぞれ独立して、炭素数1~5の1価飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2~10の1価不飽和脂肪族炭化水素基または炭素数6~20の1価芳香族炭化水素基であり、
    R2は、それぞれ独立して、炭素数6~20のアルキル基であり、
    R3は、それぞれ独立して、炭素数7~20のアラルキル基であり、
    A2は、それぞれ独立して、R’、R2またはR3であり、
    x、yおよびzは任意の数であり、x/(x+y+z)=0.70以下、y/(x+y+z)=0.10以上、z/(x+y+z)=0.10以上を満たす数である)
    で表されるアルキル基およびアラルキル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
  6.  前記式(2)において、x、yおよびzが、x/(x+y+z)=0.10~0.70、y/(x+y+z)=0.10~0.80、z/(x+y+z)=0.10~0.80を満たす数である、請求項5に記載のダイカスト用離型剤エマルジョン組成物。
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