JP4717435B2 - シリコーンエマルジョン組成物および離型剤 - Google Patents

シリコーンエマルジョン組成物および離型剤 Download PDF

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本発明は、離型剤等の用途に好適なシリコーンエマルジョン組成物およびそれを用いた離型剤に係り、さらに詳しくは、高濃度安定性および配合作業性を改善したシリコーンエマルジョン組成物およびそれを用いた離型剤に関する。
金属やゴム・プラスチックなどの製品を成形する際の金型用離型剤として使用するため、オルガノポリシロキサンを乳化剤により水中に均一に分散させたシリコーンエマルジョン組成物が種々提案されている。
例えば、特許文献1では、ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョンにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムを添加した組成物が、また、特許文献2では、環状ジメチルポリシロキサンと乳化剤と水からなるシリコーンエマルジョン組成物が提案されている。
しかしながら、これらのシリコーンエマルジョン組成物は、機械的安定性に乏しく、機械的剪断力が加わった場合にはそのエマルジョン形態が破壊され易いという欠点があった。
これらの問題を解決させるため、すなわち、例えばこれらのシリコーンエマルジョン組成物をアルミニウムダイキャスト成形用離型剤として使用する場合、組成物を数十倍の水で希釈し、この希釈液をギアポンプにより送液して金型内壁に吹き付け、金型内壁表面にオルガノポリシロキサンの油膜を均一に形成させるとともに、余剰の希釈液は回収してギアポンプにより繰り返し送液する方法が一般に採用されているが、この過程でエマルジョン破壊が起こり、金型に均一に塗布することができなくなるという問題があった。また、このように希釈液を循環させて使用する設備においては、エアーの巻き込みによる泡立ちが大きいという問題もあった。
かかる問題を解決するため、ジメチルポリシロキサンと、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルと、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル硫酸塩および水からなるシリコーンエマルジョン組成物(特許文献3)が提案されている。しかしながら、このような組成物では、エマルジョンの安定性、特に希釈時の機械的、経時的安定性は十分でなく、さらにエマルジョン溶液に発生する泡の除去の為に使用する消泡剤や、装置の汚れ成分によりその安定性は著しく低下する傾向にあった。この問題を解決するためには、界面活性剤量を増やすという対策がとられている。
また、ポリオルガノシロキサンとアニオン性乳化剤と多価アルコールおよび水からなる組成物が特許文献4に提案されているが、泡立ちを抑制するためのもので、高濃度、高界面活性剤組成物の粘度、安定性に関するものではなかった。
このように、エマルジョン組成物の安定性などの特性を向上させるためには、界面活性剤の量を増やすことが有効であるため、各種界面活性剤の配合量を増やす検討が行なわれている。しかし、界面活性剤量の増加は、エマルジョン溶液の増粘、特にチクソトロピック性を持つような粘性化をもたらす。このような流動性の低下は、計量性、仕込み性分散性などの作業性を著しく低下させる。さらには、乳化に必要以上の過剰な界面活性剤は、エマルジョン自体の破壊や、エマルジョン層と水層に別れるような層分離といったような均一性不良によるエマルジョン溶液の安定性を低下させてしまう問題を持っていた。これらの問題を解消するためには、エマルジョンの濃度を下げるという方法が一般的に用いられている。しかし、濃度を下げたものは、コンパクト性に欠け輸送保管のコストアップや外装容器の増加をもたらす、さらに外装容器の増加は廃棄に伴う環境負荷も増大させることとなる。このため、高濃度で安定性、作業性に優れるエマルジョンが広く求められている。
特公昭53−13501号公報 特開昭56−95952号公報 特開平5−295264号公報 特開平11−148012号公報
上述したように、金型用離型剤に使用するため各種のシリコーンエマルジョン組成物が提案されているが、機械的安定性、金型への付着性、廃液の排水処理性などの特性を付加したエマルジョンにおいては、高濃度での流動性や安定性において十分なものは未だ得られていない。
本発明はこのような従来の事情に対処すべくなされたもので、十分な流動性を有し、かつ、自体の保存安定性に優れたシリコーンエマルジョン組成物、およびこれを用いた離型剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的達成のため検討した結果、界面活性剤の濃度が高い高濃度エマルジョンに対し、特定のアルキレンオキサイド誘導体を添加することが低粘性および安定性に有効であり、十分な流動性を有し、かつ、自体の保存安定性に優れたシリコーンエマルジョン組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)(A−1)平均重合度が5〜1000のオルガノポリシロキサン;40〜60重量%、(A−2)界面活性剤;(A−1)のオルガノポリシロキサンに対し12〜20重量%、(A−3)水;残部を主要構成成分とする、粒径が100〜300nmの乳化エマルジョン組成物100重量部に、
(B)下記式(1)で示されるアルキレンオキサイド誘導体1〜13重量部を配合したことを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物である。
R1O-[(AO)m(EO)n]-R2 (1)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、0≦m≦25、4≦n≦100、3m≦nである。炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基はブロック状に付加してもランダム状に付加してもよい。R1、R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。)
本発明のシリコーンエマルジョン組成物は、濃度、界面活性剤含有量が高いにも関わらず、低粘度で安定性に優れたものとなる。
また、本発明の離型剤は、上記のような高濃度で界面活性剤を多く含むにも関わらず、低粘性および安定性に優れるシリコーンエマルジョン組成物であるので、各種界面活性剤を用いて希釈時の機械安定性、塗布性、離型特性、排水処理性などの特性をもたせた離型剤、特にアルミニウムダイキャスト成形のような用途において、輸送、保管時のコンパクト性、外装容器の廃棄量の軽減性に優れたものとなる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、(A)成分である特定の乳化エマルジョン組成物に対し、(B)成分の式(1)で示されるアルキレンオキサイド誘導体を配合することを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物であり、先ず(B)成分について説明する。
(B)成分のアルキレンオキサイド誘導体は、(A)成分のエマルジョン溶液の粘度を下げるとともに、組成物に安定性を持たせる成分である。本発明で用いるアルキレンオキサイド誘導体は、下記式(1)で示されるものである。
R1O-[(AO)m(EO)n]-R2 (1)
ここで、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、0≦m≦25、好ましくは0≦m≦10である。また、nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、4≦n≦100、好ましくは10≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基が25を超えると減粘性がなく安定性が低下する。またオキシエチレン基が4未満あるいは100を超えると、減粘性がない。
炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の割合は、3m≦nであり、好ましくは5m≦nである。3m>nでは、減粘性がない。オキシエチレン基および炭素数3〜4のオキシアルキレン基の付加する順序は特に指定はない。また、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していても良い。ブロック状には2段階ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。好ましくはランダム状に付加されている物が挙げられる。
R1およびR2は炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソピロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数が5以上の炭化水素基では親水性が低下し、減粘性が劣る。本発明に用いるアルキレンオキサイド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキサイドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在化にエーテル反応させることによって得られる。
本発明に用いるアルキレンオキシド誘導体は、直鎖状が好ましいが、ポリエチレングリコールトリオールのように部分的な分岐があっても良い。
本発明において、(B)アルキレンオキシド誘導体の配合量は(A)成分の乳化エマルジョン組成物100重量部に対し、1〜13重量部が好ましい。更に好ましくは3〜12重量部である。1重量部未満では減粘性がなく、13重量部を超えて配合すると減粘性がないとともにエマルジョンの安定性を損なうためである。
(A)成分の乳化エマルジョン組成物は、(A−1)平均重合度が5〜1000のオルガノポリシロキサン;40〜60重量%、(A−2)界面活性剤;(A−1)のオルガノポリシロキサンに対し12〜20重量%、(A−3)水;残部を主要構成成分とする、粒径が100〜300nmのエマルジョン組成物であれば特に限定はなく、一般的に用いられる乳化方法により製造することができる。例えば、特開平5−295264号公報に示される乳化組成物およびそれに類する乳化組成物に界面活性剤を添加し(A)成分組成としたものがより安定性が高いものとして好適に用いられる。さらに、この種のシリコーンエマルジョン組成物に通常配合される成分、例えば防腐剤;防黴剤;防錆剤;キレート剤;着色剤;鉱物油;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;増粘剤;アルミニウム粉末、黒鉛等の無機粉末等を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合したものであっても良い。
(A)成分のシリコーンエマルジョン組成物は、(A−1)〜(A−3)各成分を、ホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、ホモジナイザー等の乳化機を用いて乳化することにより製造することができる。
エマルジョンの粒径はその平均粒径100〜300nmが好ましく、更に好ましくが150〜250nm である。100nm未満のものはは、製造が困難であるとともに、増粘が激しくなる。また300nmを超えると十分な安定性が得られない。
平均粒径とは、一般的な粒度測定装置により測定されて得られる平均粒子径やメジアン径を示し、例えばCOULTER(株)製;LS230の場合、屈折率を1.45に設定して得られたデータの平均粒子径に代表される値である。
(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、平均重合度が5〜1000、好ましくは30〜600のものであって、基本的に直鎖状のシロキサン骨格を有するものである。若干の分岐を有していてもよいが、分子全体が直鎖状の構造からなるものが好ましい。平均重合度が5未満では、離型剤としての効果が十分でなく、平均重合度が1000を越えると、粘度が大きくなりすぎるために乳化が困難になる。
分子中のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルへキシル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基、n-オクタデシル基等の炭素数1〜24の直鎖または分岐状のアルキル基、;シクロヘキシル基等の炭素数4〜7のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜8のアルケニル基;2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基等の、アリール基がフェニル基または低級アルキル基(炭素数4以下)置換フェニル基で、アルキル基が低級アルキル(炭素数4以下)基であるアラルキル基;フェニル基、トリル基等の低級アルキル基(炭素数4以下)置換フェニル基等のアリール基;およびこれらの基の炭化水素に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基、アミノ基等で置換された基、例えばクロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル基、3-アミノプロピル基等が例示される。また、ケイ素原子に結合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素原子等を部分的に含んでいてもよい。なかでも、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐状のアルキル基もしくは2-フェニルプロピル基置換フェニル基の単独もしくは2種以上の混合物が好ましい。
本発明のシリコーンエマルジョン組成物を離型剤として使用する場合、1分子中のケイ素原子に結合する有機基の少なくとも50モル%がメチル基であることが離型性の点で好ましい。
(A−1)成分のオルガのポリシロキサンは、製造のしやすさ、取り扱い性、コンパクト性から40〜60重量%であることが好ましい。
(A−2)界面活性剤は、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンを乳化する成分とエマルジョン組成物に機械的安定性、金型への付着性、廃液の排水処理性などの特性を付与するための成分である。通常(A−1)成分の乳化用界面活性剤成分と乳化物に特性を付与するための追添加用界面活性剤成分からなる。乳化用の界面活性剤としては、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンの乳化に適した界面活性剤および量であれば特に指定はないが、機械乳化よりエマルジョンを製造する場合、界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適に用いられる。本発明においては、炭素数8〜24のアルキル基(例えば、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、セチル基、ステアリル基等)を有し、かつ、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜20であるものが好ましく使用される。これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、乳化重合によりエマルジョンを製造する場合、ドデシルベンゼンスルホン酸やアルキル硫酸塩、アルキルポリエーテル硫酸塩などのアニオン系界面活性剤が用いられる。その量は(A−1)成分に対し5〜10重量%が一般的に用いられる。
安定性などの特性を付与する界面活性剤としては、その目的および効果により適宜選択されたものであれば特に指定はないが、ノニオン、アニオン、カチオン、両性などの界面活性剤を単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いたものである。機械乳化で得られたエマルジョンにはアニオン系あるいは両性界面活性剤が単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。また、乳化重合で得られたエマルジョンにはノニオン系の界面活性剤を単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。
特にアニオン系とノニオン系を併用した場合、単一系で製造したエマルジョンによりも、安定性が大きく向上する。さらに、ノニオン系にアニオン系を併用するとイオン性が付与でき、排水処理の際の吸着剤への吸着性が向上し、エマルジョンの処理性が大幅に向上する。また、アニオン系にノニオンを併用すると、被着体への濡れ性、レべリング性、乾燥後の被着体表面の白化性を大幅に低減できるなどのメリットが得られる。
追添加用界面活性剤の量は、(A−1)のオルガノポリシロキサンに対し界面活性剤の総量が12〜20重量%になるよう調整することが好ましい。12重量%未満では機械安定性などの効果が十分でなく、20重量%を超えると粘度が高くなりすぎ、取り扱い性が悪くなるとともに、エマルジョンの安定性も低下する。
本発明のシリコーンエマルジョン組成物は、オルガノポリシロキサンおよび界面活性剤が高濃度であっても、低粘度であり、保存時に均一性を損なう層分離などがない安定性なものである。計量、配合などの作業性を損なうことなく、界面活性剤濃度を増加できるので、希釈使用時の機械安定性などの特性を向上させた製品を生産性の低下がなく適用することができる。また、高濃度であるため、輸送、保管に有利であるとともに、外装容器も軽減できるので、外装容器の廃棄にともなう環境負荷も軽減することができる。また、粘性が低いのでそのままでも容易に使用できる。本組成物は、そのままあるいは水で希釈して金型用離型剤として有効に使用されるが、その他、電線の芯線の引抜きやアイロン掛けの際の潤滑剤、ゴム・プラスチック製品あるいは家具などの艶出剤、繊維に撥水性や柔軟性などを付与するための繊維処理剤、塗料成分、化粧料成分、医薬品成分などの用途にも適宜使用することができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味し、また、粘度は25℃における測定値である。
実施例1
下記式で表されるオルガノポリシロキサン(粘度700mPa、シリコーンオイルAと表記)47.5部に、ポリオキシエチレン(3)デシルエーテル1.5部、ポリオキシエチレン(15)デシルエーテル3.0部及び水5.0部を添加し均一に混合した後、コロイドミル乳化器を用いて乳化した(ミル乳化物1)。
このミル乳化物のエマルジョン粒径を、COULTREER(株)製 LS230を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、粒径が236nmであった。
このミル乳化物1にポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム27%aq. 1.0部(固形分0.3部)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン40%aq. 4.2部(固形分1.7部)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン30%aq. 4.2部(固形分1.3部)、ポリエチレングリコール(平均分子量2000)9.2部及び水24.4部を添加し均一に混合してシリコーンエマルジョン組成物を得た。
Figure 0004717435
以下、ミル乳化物1を用いて、表2〜4に示す組成で、実施例2〜6及び比較例1〜9、11、14のシリコーンエマルジョン組成物も同様にして調製した。
実施例7
下記式で表されるオルガノポリシロキサン(粘度1500mPa、シリコーンオイルBと表記)42.7部に、ポリオキシエチレン(3)デシルエーテル1.3部、ポリオキシエチレン(15)デシルエーテル2.6部及び水4.5部を添加し均一に混合した後、コロイドミル乳化器を用いて乳化し(ミル乳化物2)、このミル乳化物のエマルジョン粒径を、COULTREER(株)製 LS230を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、粒径が229nmであった。
このミル乳化物2にラウリル硫酸トリエタノールアミン40%aq. 3.7部(固形分1.5部)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン30%aq. 3.7部(固形分1.1部)、ポリエチレングリコール(平均分子量400)4.1部及び水37.4部を添加し均一に混合して、シリコーンエマルジョン組成物を得た。
Figure 0004717435
以下、ミル乳化物2を用いて、表2に示す組成で、実施例8のシリコーンエマルジョン組成物も同様にして調製した。
比較例10
シリコーンオイルB 32.1部に、ポリオキシエチレン(3)デシルエーテル1.0部、ポリオキシエチレン(15)デシルエーテル2.0部及び水4.3部を添加し均一に混合した後、コロイドミル乳化器を用いて乳化した。このミル乳化物のエマルジョン粒径を、COULTER(株)製 LS230を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、粒径が497nmであった(ミル乳化物3)。さらにラウリル硫酸トリエタノールアミン40%aq. 4.1部(固形分1.6部)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン30%aq. 4.1部(固形分1.2部)及び水52.4部を添加し均一に混合して、シリコーンエマルジョン組成物を得た。
以下、ミル乳化物3を用いて、表4に示す組成で、比較例12、13のシリコーンエマルジョン組成物も同様にして調製した。
実施例1及び2のシリコーンエマルジョン組成物に関して、表1の一般特性を調べた。また防錆性、ペインタブル性、離型性は下記方法により評価した。
・防錆性
150mlのガラス瓶にシリコーンエマルジョン組成物を130ml入れ、長さ3cm、直径2.5mmの軟鉄製の釘3本を沈め、50℃オーブンに48時間静置し、次のように防錆性をチェックした。
○:全く錆びの発生無し。
△:部分的に錆びの発生がやや認められる。
×:ほぼ全面に錆びの発生があり、錆びの沈降もある。
・ペインタブル性
シリコーンエマルジョン組成物を、水で50倍に希釈し、簡易型スプレーガンを用いてクレーコート紙に均一に吹き付け、室温で乾燥後、油性の太書き用マジックインキで定規を使って等間隔で紙を引き、線のかすれた具合いを、次のように判定した。
○:線のかすれは全く無く均一にマジックインキが付着している。
△:部分的に僅かに線のかすれがあり、やや不均一なマジックインキの付着となっている。
×:マジックインキのかすれが大。
・離型性
内径5cm×5cm、深さ5mmであり、底を鏡面仕上げした金型に、水で5倍希釈したシリコーンエマルジョン組成物を吹き付け、約350℃に予熱し、電気炉で約750℃で熔融させたアルミニウムの湯を該金型に注ぎ込み、除冷後、金型からアルミニウム片を引きはがし、はがれ程度で離型性を評価した。
○:型汚れ性良好
△:やや型汚れ性が悪い
×:型離れが困難
Figure 0004717435
また全ての実施例、比較例について下記に示す方法で各種特性を評価した。また平均粒子径はコロイドミルのミルギャップ値及び加圧窒素量を調整する事で制御した。
・泡切れ性
200gの組成物を泡立て、250CCとしたものを300CCのガラス瓶に入れ、25℃に室内に1日3日放置し、その泡切れ性を見た。
泡切れ性を、以下に示す基準によりチェックした。
(評価基準)
◎ :5時間以内
○ :24時間以内
× :3日以内
××:3以上
・機械安定性
シリコーンエマルジョン組成物を有効成分濃度が1.0%になるように水で希釈し、次いで、この希釈液300gを底面積約55cm2の500mlビーカーに入れ、ホモミキサーを用い8000rpmの回転速度で10分間撹拌した。その間、希釈液の泡立ちに伴い、ジーイー東芝シリコーン(株)製消泡剤TSA772(下記式で表されるシリコーンオイルC、シリコーンオイルD及び二酸化珪素粉をベースとする有効成分25%のシリコーンエマルジョン)を添加し(添加量:水で2倍に希釈した消泡剤液を希釈液300gに対して80ppm量添加)、泡消しを行った。その後、希釈液表面の泡が完全に消えるまでビーカーを静置し、泡が消えた時点のエマルジョンの状態を目視にて測定し、以下に示す判断基準により評価した。
Figure 0004717435
Figure 0004717435
(評価基準)
◎ :液表面に干渉膜がなくオイル浮きほとんど認められなかった。
○ :液表面に僅かな干渉膜もしくは底面積の1%未満に相当するオイル状物の浮きが認められた。
△ :液表面に干渉膜もしくは底面積の1〜5%未満に相当するオイル状物浮きが認められた。
× :底面積の5〜30%未満に相当するオイル状物浮きが認められた。
××:底面積の30%以上に相当するオイル状物浮きが認められた。
・保存安定性
300mlの寸胴のガラス瓶に底から液面の高さが100mmとなるようにシリコーンエマルジョン組成物を入れ、50℃オーブンに4週間静置し、水層、油層の分離あるいは凝固物の発生の有無等を確認した。
(評価基準)
◎:油の分離、表層のクリーミングがなく、排水分離による底部の水層の発生が0〜1mm未満
○:油の分離、表層のクリーミングがなく、排水分離による底部の水層の発生が1〜2mm未満
△:油の分離、表層のクリーミングがなく、排水分離による底部の水層の発生が2〜5mm未満
×:油の分離、表層のクリーミング、排水分離による底部の水層の発生が5mm以上の少なくともいずれか一つが発生
・コンパクト性
シリコーン成分含効率からコンパクト性を以下の基準で判断した。
◎:60〜80%
○:40〜60%
×:10〜40%
これらの結果をシリコーンエマルジョン組成物の組成とともに表2〜4に示す。
Figure 0004717435
Figure 0004717435
Figure 0004717435
表から明らかなように各実施例のシリコーンエマルジョン組成物は保存安定性の良好なエマルジョンであった。

Claims (4)

  1. (A)(A−1)平均重合度が5〜1000のオルガノポリシロキサン;40〜60重量%、(A−2)界面活性剤(但し、下記(B)成分であるアルキレンオキサイド誘導体は除く);(A−1)のオルガノポリシロキサンに対し12〜20重量%、(A−3)水;残部を主要構成成分とする、粒径が100〜300nmの乳化エマルジョン組成物100重量部に、
    (B)下記式(1)で示されるアルキレンオキサイド誘導体1〜13重量部を配合したことを特徴とするシリコーンエマルジョン組成物。
    R1O-[(AO)m(EO)n]-R2 (1)
    (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、0≦m≦25、4≦n≦100、3m≦nである。炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基はブロック状に付加してもランダム状に付加してもよい。R1、R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。)
  2. (B)アルキレンオキサイド誘導体がポリエチレングリコールである請求項1記載のシリコーンエマルジョン組成物
  3. 請求項1又は2記載のシリコーンエマルジョン組成物を含有することを特徴とする離型剤。
  4. 請求項1又は2記載のシリコーンエマルジョン組成物を含有することを特徴とするアルミニウムダイキャスト成型用離型剤。
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