JP3835646B2 - シリコーン乳化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどの成形用の離型剤や合成樹脂フィルム、シート或いは紙表面のコーティング剤として好適なシリコーン乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジオルガノポリシロキサンの乳化物は合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどの成形時に金型表面に塗布したり、また合成樹脂製フィルム、シート或いは紙表面に塗布し、離型性や滑り性を付与するために広く使用されている。(特公昭52-40918号公報、第2507248 号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの乳化物を工業的に離型剤などに使用する際には水で希釈し、スプレー、ロール、ディッピング等の方法で塗布するが、余剰の離型剤は回収され、ポンプ等で循環使用される場合が多い。その際、乳化物の表面張力が低すぎると、泡が多量に発生し、塗布量が不安定になり塗布面の均一性が損なわれることがある。また循環中に乳化物の安定性が損なわれ、乳化物中のシリコーンオイルが分離析出し、塗布量が不均一になるという問題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シリコーン乳化物の乳化剤量を調節することにより、泡立ち性を抑制し、更に多価アルコールを適量添加することにより表面張力を低下させることなく機械安定性を向上させることができることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は
下記(A)〜(D)を主成分とし、脱イオン水で50倍に希釈した際の25℃における表面張力が 45dyne/cm以上であるシリコーン乳化物である。
(A)25℃における粘度が 100〜 1,000,000センチポイズである下記式[化2]で表されるジオルガノポリシロキサン 10〜60重量%
【化2】
[式中、R1は炭素数1〜20の置換または非置換の1価炭化水素基、R2は炭素数1〜20の置換または非置換の1価炭化水素基及びまたは OR3(R3は水素、炭素数1〜6のアルキル基から選択される基)で表される水酸基またはアルコキシ基、mは50〜2,500 の正の整数]
(B)アニオン性乳化剤 0.1〜10重量%
(C)多価アルコール 1〜20重量%
(D)水 残部
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する(A)のオルガノポリシロキサンは式[化2]で表されるが、炭素数1〜20より成る一価炭化水素基R1、R2の例としては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基;フェニル、トリル等のアリール基;ビニル、アリル等のアルケニル基;それらの水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換した基が挙げられる。これらの中ではメチル基、エチル基、フェニル基等が好ましい。また、炭素数1〜6のアルキル基R3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基である。そして特に、R1、R2の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0006】
このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は 100〜 1,000,000センチポイズである。これは 100センチポイズより粘度が低いと、充分な離型性を付与することができず、 1,000,000センチポイズより粘度が高いと、乳化物の安定性が低下するためである。より好ましくは 1,000〜 100,000センチポイズの範囲である。
(A)のオルガノポリシロキサンの配合量は10〜60重量%であるが、これは10重量%未満であると充分な離型性を付与することができず、60重量%を超えると乳化物が不安定となるからである。より好ましくは20〜40重量%の範囲である。
【0007】
(B)のアニオン性乳化剤の例としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられ、これらを単独もしくは2種以上の組み合わせで用いることができる。
(B)のアニオン性乳化剤の配合量は 0.1〜10重量%であるが、これは 0.1重量%未満であると乳化物の安定性が不充分となり、また10重量%を超えると希釈液の表面張力が小さくなり、泡立ちが顕著となるためでる。より好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0008】
(C)の多価アルコールの例としてはグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、エチレングリコールモノオレイルエーテル、ヘキサグリセリン、オクタグリセリン、デカグリセリン、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンジオレエートが挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0009】
(C)の多価アルコールの配合量は1〜20重量%であるが、これは1重量%未満であると安定性付与効果が充分ではなく、20重量%を超えると離型性付与効果を阻害するためである。より好ましくは3〜10重量%の範囲である。
【0010】
本発明のシリコーン乳化物は脱イオン水で50倍に希釈した時の25℃における表面張力が 45dyne/cm以上である必要がある。この表面張力が 45dyne/cmより低いと、発泡しやすくなるためである。好ましくは 50dyne/cm以上である。
本発明における最も好ましい形態としては、(A)、(B)及び(D)がアニオン性乳化重合物を形成している状態で得られたものである。このアニオン性乳化重合物の製法は例えば、強酸または強アルカリを重合触媒として、オルガノシロキサンを水性媒体中で重合する方法(特公昭34-2041 号公報)、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、脂肪族スルホン酸、シリルアルキルスルホン酸、脂肪族置換ジフェニルエーテルスルホン酸、アルキルハイドロジェンサルフェート等を重合触媒としてオルガノシロキサンを水性媒体中で重合する方法(特公昭41-13995号公報、ベルギー特許第686812,USP第3360491 号)または塩型界面活性剤水溶液中にジオルガノシロキサンの3〜6量体を乳化分散させ、この分散系にイオン交換樹脂を添加して前記塩型界面活性剤野イオン交換を行い、ジオルガノシロキサンを水性媒体中で重合する方法(特公昭54-19440号公報)などの方法によればよい。
また上記の場合(C)の配合は上記のアニオン性乳化重合物に添加配合すればよい。また本発明のシリコーン乳化物には本発明を逸脱しない範囲で防曇剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の具体的態様を実施例により更に詳しく説明するが、本発明は、以下の例によって限定されるものではない。実施例中の粘度は25℃における値である。
以下で示す実施例1〜7、及び比較例1〜3で得られたシリコーン乳化物をそれぞれ脱イオン水で50倍に希釈し、以下の特性について測定した。結果は表1に示した。なお表中の配合量は重量%である。
【0012】
(1)表面張力の測定
Sensa Dyne6000液体表面張力計(Chem-Dyne Research Corporation社製)で25℃で測定した。
(2)機械安定性の測定
1.2Lジューサーミキサー[日立ミキサー(VA−W26)日立製作所製]に500gを投入し、9,000rpmで30秒間撹拌した後、1L ポリジョッキに移した。25℃で約1時間静置し、泡が消えた後の液面の状態を目視観察した。判定は以下の基準で行った。
○:試験前(攪拌前)と変化無し。
△:オイルスポット有り。
×:2相に分離した。
(3)発泡性の測定
100gを1L メスシリンダーに入れ、エアーバブリングし(1.0L/min)、泡容量が 1,000ミリリットルになるまでの時間を測定。時間が長いほど泡立ちにくいことを示す。
(4)離型性の測定
ポリスチレンシートに紙ガーゼで手塗り塗布し、室温で3時間乾燥した後、オートグラフ(「DSC−500」島津製作所製)により動摩擦係数を測定した。(対SBRゴム/荷重200g/引っ張り速度 100mm/min)
【0013】
(実施例1)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン 0.86gの混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液100gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液 50g及び脱イオン水454gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 46gを加えてpH7に調整した後、(C)としてグリセリン 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し、乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 9,800cPであった。
【0014】
(実施例2)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン2.2gの混合物に10%ラウリル硫酸水溶液100gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘した後撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、10%ラウリル硫酸水溶液100g及び脱イオン水368gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 80gを加えてpH7に調整した後、(C)としてプロピレングリコール 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌することにより、乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 1,100cPであった。
【0015】
(実施例3)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン 0.86gの混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液100gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液200g及び脱イオン水207gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力にて2回処理した後、50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 93gを加えてpH7に調整した後、(C)としてグリセリン100gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において10,200cPであった。
【0016】
(実施例4)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン 0.86gの混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液 50g及び脱イオン水 50gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、脱イオン水575gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 15gを加えてpH7に調整した後、(C)としてグリセリン 10gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 9,600cPであった。
【0017】
(実施例5)
オクタメチルシクロテトラシロキサン400g、ヘキサメチルジシロキサン5.7gの混合物に10%ラウリル硫酸水溶液100gをホモミキサーで低速撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間高速撹拌した後10%ラウリル硫酸水溶液100g及び脱イオン水264gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力にて2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 80gを加えてpH7に調整した後、(C)として1,3−ブチレングリコール 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 320cPであった。
【0018】
(実施例6)
オクタメチルシクロテトラシロキサン400g、ヘキサメチルジシロキサン 0.38gの混合物に10%ラウリル硫酸水溶液100gをホモミキサーで低速撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間高速撹拌した後10%ラウリル硫酸水溶液100g及び脱イオン水270gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後、50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 80gを加えてpH7に調整した後、(C)としてエチレングリコール 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 102,000cPであった。
【0019】
(実施例7)
オクタメチルシクロテトラシロキサン100g、ヘキサメチルジシロキサン2.2gの混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液100gをホモミキサーで低速撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液 50g及び脱イオン水652gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液 46gを加えてpH7に調整した後、(C)としてグリセリン 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmの速度で撹拌することにより、乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を示した。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 950cPであった。
【0020】
(比較例1)
脱イオン水を504gとし、グリセリンを添加しないこと以外、全て実施例1と全く同様にして乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、安定性の高いものであった。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 9,800cPであった。
【0021】
(比較例2)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン 0.86gの混合物に30%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液100gをホモミキサーで低速撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、30%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液300g及び脱イオン水126gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置した。次いで30%の炭酸ナトリウム水溶液124gを加えてpH7に調整した後、(C)としてグリセリン 50gを添加し、ホモミキサーで15分間1,000rpmで撹拌し乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、安定性の高いものであった。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において11,300cPであった。
【0022】
(比較例3)
実施例1における脱イオン水の量を254gに変え、グリセリンの量を250gに変える以外は実施例1と全く同様にして乳白色の乳化物を得た。この乳化物は室温で1ヶ月放置しても層分離は全く認められず、安定性の高いものであった。この乳化物200gにイソプロピルアルコール300gを加えてオイルの抽出を行い、水洗、乾燥後得られたジメチルポリシロキサンの粘度は25℃において 9,700cPであった。
【0023】
(比較例4)
オクタメチルシクロテトラシロキサン300g、ヘキサメチルジシロキサン 0.86gの混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液7g 及び脱イオン水100gをホモミキサーで低速撹拌しながら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、脱イオン水587gを加えて希釈した。次いでこれを高圧ホモジナイザーで 300kg/cm2の圧力で2回処理した後50℃で20時間静置し、更に20℃で20時間静置したが、2層分離が発生し、オイルが析出したため実験を中止した。
【0024】
実施例1〜7では50倍希釈液の表面張力が 45dyne/cm以上であるため、発泡試験においていずれも2分以上を示し発泡性が低かった。また機械安定性試験においても良好な安定性を示した。比較例1は(C)の多価アルコールが配合されていないため、機械安定性に劣っている。比較例2は(B)の量が多すぎるため発泡量が多く工程上のトラブルが予想される。比較例3は(C)の量が多すぎるため動摩擦係数が高く、離型性が低下していることがわかった。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
本発明の乳化物を離型剤として使用すると発泡性が低いため離型剤のポンプによる循環時の泡立ちが少なく工程の効率化ができ、安定性に優れているため長時間にわたって均一な塗布ができる。
Claims (1)
- 下記(A)〜(D)を主成分とし、(A)、(B)及び(D)がアニオン性乳化重合物を形成しており、脱イオン水で50倍に希釈した際の25℃における表面張力が45dyne/cm以上であるシリコーン乳化物。
(A)25℃における粘度が 100〜1,000,000センチポイズである下記一般式[化1]で表されるジオルガノポリシロキサン 10〜60重量%
(B)アニオン性乳化剤 0.1〜10重量%
(C)多価アルコール 1〜20重量%
(D)水 残部
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