JP6387929B2 - オルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、化粧料、パーソナルケア組成物、ホームケア組成物、離型剤、滑り剤、コーティング剤、繊維処理剤、樹脂改質剤等の製品に用いる分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法に関するものである。
化粧料、パーソナルケア組成物、ホームケア組成物、離型剤、滑り剤、コーティング剤、繊維処理剤、樹脂改質剤等の製品に用いる分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンを小粒径、かつ、経時安定性が良好なエマルションとする要求がある。しかしながら、分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンを直接乳化すると、エマルション粒子の粒径は数ミクロン程度が限界で、それより小粒径なものは得難く、また、得られたエマルションの経時安定性が悪い。そこで、小粒径、かつ、経時安定性が良好なエマルション粒子を得るべく、乳化重合による分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンエマルションの製造方法が種々検討されてきた。
例えば、環状シロキサンオリゴマーとトリアルコキシシランを乳化した状態で強酸あるいは強アルカリ性によって乳化重合を行う方法が知られている(特許文献1:特公昭56−038609号公報、特許文献2:特開昭63−286434号公報)。これらの手法を用いるとエマルション粒子の粒径が300nm以下であるエマルションを得ることができる。
ところで、近年は、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量を抑制した製品が求められるようになっている。特許文献1及び2に記載の方法では、得られるエマルションに含まれるオルガノポリシロキサンに40,000ppm以上ものオクタメチルシクロテトラシロキサンが含有されていることが知られており、その含有量を減らす方法が検討されている。
例えば、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が3,000〜100,000mm2/sで、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下である分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを乳化した後、40℃未満の温度で酸触媒の存在下、乳化重合を行う方法が知られており(特許文献3:特許第5382273号公報)、これらの手法を用いると該オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が3,000ppm以下であるエマルションを得ることができるとされている。また、本エマルションにトリアルコキシシロキサンを添加することで、得られるオルガノポリシロキサン鎖に分岐単位を導入することが可能であると記載されている。しかしながら、高粘度オルガノポリシロキサンにトリアルコキシシランを反応させても、生成する分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンとトリアルコキシシランの反応性の違いから、分岐単位がシロキサン鎖に均一に取り込まれず、生成するオルガノポリシロキサン鎖が増粘しない問題がある。
そのため、オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの副生を抑制し、小粒径、かつ、経時安定性良好な分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法を確立する必要がある。
特公昭56−038609号公報 特開昭63−286434号公報 特許第5382273号公報
従って、本発明の目的は、オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの副生を抑制し、高粘度オルガノポリシロキサンが分岐構造を有する、小粒径、かつ、経時安定性が良好なオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、乳化重合モノマーとしてオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下である直鎖状のオルガノポリシロキサンと分岐状のオルガノポリシロキサンの組合せ、もしくは、分岐状のオルガノポリシロキサンを用いることで、分岐構造を有する高粘度オルガノポリシロキサンからなるエマルション組成物の該オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が3,000ppm以下であり、粒径が1μm以下という非常に小粒径であり、かつ、従来よりも経時安定性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、本発明において、単位がmm2/sである粘度はオストワルド粘度計により測定した25℃の値である。
従って、本発明は下記オルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法を提供する。
〔1〕
(I)(A)下記一般式(2)、又は下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンの混合物で、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下であるオルガノポリシロキサン 100質量部、
Figure 0006387929
(式中、R1及びR2は独立に、水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。nはオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上100,000mm2/s以下となる数である。a、b、c、dはそれぞれa≧3、b≧5、c+d≧1、かつ、10≦a+b+c+d≦1,000を満たす数である。)
(B)界面活性剤 1〜8質量部
及び
(C−1)水 1〜10,000質量部
を含む混合物を乳化してエマルション組成物を調製し、
(II)得られたエマルション組成物に、必要により、
(C−2)水 0〜10,000質量部
を加えた後、40℃未満の温度で、(D)酸触媒の存在下(但し、(B)界面活性剤が触媒作用を有する場合には、該酸触媒の添加は省略することができる)、乳化重合して、生成するオルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が200mPa・s以上であり、該オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が3,000ppm以下であり、かつ、得られたエマルションの粒径が1μm以下であることを特徴とする分岐構造を有するオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
〔2〕
(A)一般式(1)のn、又は、一般式(2)のa、b、c、dが、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上2,000mm2/s未満となる数である〔1〕記載の製造方法。
〔3〕
(A)一般式(1)のn、及び、一般式(2)のa、b、c、dが、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上2,000mm2/s未満となる数である〔1〕記載の製造方法。
〔4〕
(A)成分が一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンのみを用い、このオルガノポリシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕
(B)界面活性剤が、更に非イオン性界面活性剤を含んでもよいアニオン性界面活性剤である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕
(C−1)成分の水の使用量が、高圧を用いてエマルション粒子を小粒径化する乳化機を用いて工程(I)のエマルション組成物を調製する場合、(A)成分100質量部に対して1〜10,000質量部である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕
(C−1)成分の水の使用量が、せん断力を用いてエマルション粒子を小粒径化する乳化機を用いて工程(I)のエマルション組成物を調製する場合、(A)成分100質量部に対して1〜10質量部である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕
(D)成分の酸触媒の存在量((B)成分の界面活性剤が触媒作用を有し、(D)成分の酸触媒に包含する場合は、この(B)成分の界面活性剤の存在量を含む)が、(A)成分100質量部に対し0.1質量部以上である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造方法。
〔9〕
工程(I)において、エマルション組成物のエマルション粒径を1μm以下にする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の製造方法。
〔10〕
前記重合工程が、25℃未満の温度である〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法。
〔11〕
前記重合工程における重合時間が48時間以内である〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の製造方法。
〔12〕
目的のエマルション組成物のエマルション粒子の平均粒径が800nm以下である〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
〔13〕
目的のエマルション組成物中のオルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が300mPa・s以上である〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
〔14〕
目的のエマルション組成物中のオルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が2,000ppm以下である〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
本発明によれば、経時安定性が良好であり、25℃における15質量%トルエン溶解粘度が200mPa・s以上の分岐構造を有するオルガノポリシロキサンであり、該オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が3,000ppm以下であり、かつ、粒径が1μm以下のエマルション組成物を得ることができる。
以下、本発明の製造方法に用いる原料について説明する。
<(A)オルガノポリシロキサン>
本発明の(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記一般式(2)、又は下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンの混合物で、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下であるオルガノポリシロキサンである。
Figure 0006387929
(式中、R1及びR2は独立に、水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。nはオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上100,000m2,/s以下となる数である。a、b、c、dはそれぞれa≧3、b≧5、c+d≧1、かつ、10≦a+b+c+d≦1,000を満たす数である。)
1及びR2は独立に、水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。置換された炭素原子数1〜20の1価炭化水素基としては、上記に例示した炭素原子数1〜20の1価炭化水素基中の水素原子の一部をハロゲン原子、アミノ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等で置換したものが例示される。好ましくは、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基である。全R1の80%以上がメチル基のものが更に好ましい。R2は、水素原子もしくは炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基のものが更に好ましい。
一般式(1)のnは、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上100,000mm2/s以下、特に200mm2/s以上100,000mm2/s未満となる数であり、400〜50,000mm2/sとなる数が好ましく、600〜10,000mm2/sとなる数がより好ましく、700〜2,000mm2/sとなる数が最も好ましい。粘度が200mm2/s未満であると、目的とするエマルション中に含まれるオルガノポリシロキサンを所望の粘度にするために、乳化重合の時間を長くする必要が生じたり、乳化重合中に副生するオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が多くなったりする。一方で、粘度が100,000mm2/sを超えると、得られる目的エマルションの粒径を小さくするのに多量の乳化剤を必要とする。
一般式(2)のa、b、c、dは、それぞれa≧3、b≧5、c+d≧1、かつ、10≦a+b+c+d≦1,000を満たす数である。
一般式(2)のa、b、c、dは、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上100,000mm2/s未満となる数であり、400〜50,000mm2/sとなる数が好ましく、600〜10,000mm2/sとなる数がより好ましく、700〜2,000mm2/sとなる数が最も好ましい。粘度が200mm2/s未満であると、目的とするエマルション中に含まれるオルガノポリシロキサンを所望の粘度にするために、乳化重合の時間を長くする必要が生じたり、乳化重合中に副生するオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が多くなったりする。一方で、粘度が100,000mm2/s以上であると、得られる目的エマルションの粒径を小さくするのに多量の乳化剤を必要とする。
(A)成分のオルガノポリシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量は3,000ppm(質量、以下同様)以下、特に1,000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。下限は特に限定されず、0ppmでもよい。
(A)成分としては、上述したように、式(2)で示されるオルガノポリシロキサンを単独で用いるか、又は、式(1)で示されるオルガノポリシロキサンと式(2)で示されるオルガノポリシロキサンとを併用、混合して用いることができるが、式(1),(2)のオルガノポリシロキサンを混合して使用する場合、式(1)のオルガノポリシロキサンと式(2)のオルガノポリシロキサンとの使用割合は、質量比として99.9:1〜1:99.9、特に99:1〜1:99であることが好ましい。
本発明の(A)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものなどが挙げられるが、これらに限定されない。なお、式中のMe、Et、Ph、OHはそれぞれメチル基、エチル基、フェニル基、ヒドロキシル基を示す。
Figure 0006387929
(式中、e、f、g、h、i、jはそれぞれ1以上であり、上記各オルガノポリシロキサンのそれぞれの粘度が上記値となる数である。)
<(B)界面活性剤>
(B)成分の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、又はアニオン性界面活性剤が望ましく、これらは1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。特に、アニオン性界面活性剤、又はこれと非イオン性界面活性剤とを用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が例示され、1種単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。中でも、下記一般式(3):
3O(EO)p(PO)qH (3)
(式中、R3は炭素原子数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、EOはエチレンオキシド基、POはプロピレンオキシド基を示し、それらの配列はブロック状でもランダム状でもよい。p及びqは独立に0〜100の整数であり、但し、p+q>0である。)
で表されるものが好ましい。特には、上記一般式(3)において、R3は炭素原子数8〜13の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、p,qは独立に0〜25、0<p+q≦50、特に1≦p+q≦30が好ましい。
上記一般式(3)の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどが挙げられる。また、官能基を有する反応性の界面活性剤を使用することも可能である。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なお、アルキル基は直鎖でも分岐鎖でも可能である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、下記のものが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
(1)下記一般式(4)で表されるアルキル硫酸又はその塩
4OSO3M (4)
(式中、R4は炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは水素イオン、カリウム,ナトリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム,カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又はトリエタノールアンモニウム等の第3級アンモニウムイオンである。)
上記一般式(4)において、R4は好ましくは炭素原子数6〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは、乳化効果の点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンが好ましい。
上記一般式(4)で表されるアルキル硫酸又はその塩の具体例としては、ヘキシル硫酸、オクチル硫酸、デシル硫酸、ドデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ヘキサデシル硫酸、オクタデシル硫酸、イコシル硫酸、又はこれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアンモニウム塩、アンモニウム塩等が例示される。
(2)下記一般式(5)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩
4−C64−SO3M (5)
(式中、R4は、一般式(4)で定義の通り、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは、一般式(4)で定義の通り、水素イオン、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又はトリエタノールアンモニウム等の第3級アンモニウムイオンである。)
上記一般式(5)において、R4は好ましくは炭素原子数6〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは、乳化効果から、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンが好ましい。
上記一般式(5)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の具体例としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸及びその塩等が例示される。
(3)高級脂肪酸及びその塩
高級脂肪酸及びその塩の具体例としては、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等、及びそのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアンモニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(4)下記一般式(6)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及びその塩
4O(EO)r(PO)sSO3M (6)
(式中、R4は、一般式(4)で定義の通り、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは、一般式(4)で定義の通り、水素イオン、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又はトリエタノールアンモニウム等の第3級アンモニウムイオンである。EOはエチレンオキシド基、POはプロピレンオキシド基を示し、それらの配列はブロック状でもランダム状でもよい。r及びsは独立に0〜100の整数であり、但し、r+s>0、特に50≧r+s≧1である。)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及びその塩の具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸、及びそのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアンモニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(5)下記一般式(7)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸及びその塩
4−C64−O(EO)r(PO)sSO3M (7)
(式中、R4は、一般式(4)で定義の通り、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは、一般式(4)で定義の通り、水素イオン、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、又はトリエタノールアンモニウム等の第3級アンモニウムイオンである。EO、PO、r、sは、一般式(6)で定義の通り、EOはエチレンオキシド基、POはプロピレンオキシド基を示し、それらの配列はブロック状でもランダム状でもよい。r及びsは独立に0〜100の整数であり、但し、r+s>0、特に50≧r+s≧1である。)
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸及びその塩の具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸、及びそのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアンモニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、1〜8質量部用いることができ、好ましくは1.5〜7.5質量部であり、より好ましくは2〜7質量部である。
<(C)水>
(C)成分の水は、工程(I)で使用する(C−1)と、必要により工程(II)で使用する(C−2)とである。
工程(I)において、(C−1)成分の水の使用量は、(A)100質量部に対して1〜10,000質量部であり、エマルション粒子を小粒径化する際に用いる乳化機の種類によって異なる。
例えば、高圧を用いてエマルション粒子を小粒径化する高圧ホモジナイザー(処理液を高圧もしくは超高圧に加圧し、スリットを通過させてせん断力を得る乳化機や加圧した処理液同士を超高速で斜向衝突させて微粒化する乳化機等)を用いる場合は、(C−1)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、1〜10,000質量部が好ましく、より好ましくは4〜6,000質量部、更に好ましくは6〜4,000質量部である。
また、せん断力を用いてエマルション粒子を小粒径化するホモディスパー(外周にノコギリ状の歯を持つ円形状ディスクを高速回転させてせん断力を得る乳化機)、ホモミキサー(ステーターを外周に設置し、内部に設置したローターを高速回転させてせん断力を発生させる乳化機)、コロイドミル(高速回転するディスクと固定されたディスクの間隙に各成分を送り込み、せん断力を発生させて乳化する乳化機)等の乳化機を用いる場合の(C−1)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、より好ましくは2〜8質量部であり、更に好ましくは4〜6質量部である。ここで10質量部を超えて添加すると、エマルション粒子の粒径が1μm以下と小粒径であるエマルション組成物を得ることが困難となるおそれがあり、1質量部未満であるとO/W型のエマルションとなりにくくなるおそれがある。
工程(II)において、(C−2)成分の水は加えなくてもよいし、加えてもよく、(A)100質量部に対して、10,000質量部以下(0〜10,000質量部)が好ましい。(C−2)成分は加える場合には、0.1〜1,000質量部が好ましい。なお、(C−2)成分の水は、通常ホモディスパー、ホモミキサー及びコロイドミル等の乳化機を用いる場合は添加することが好ましい。
<(D)酸触媒>
(B)成分が触媒作用を有する場合(例えば、(B)成分として上記アニオン性界面活性剤のうち酸を用いた場合)、(D)成分が不要な場合がある。また(D)成分を用いる場合、1種単独で又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
(D)成分としては、下記成分が挙げられる。
(1)下記一般式(8)で表されるアルキル硫酸、下記一般式(9)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸
5OSO3H (8)
(式中、R5は炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。)
5−C64−SO3H (9)
(式中、R5は、一般式(8)で定義の通り、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。)
上記一般式(8)及び(9)において、R5は炭素原子数6〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。
上記一般式(8)で表されるアルキル硫酸の具体例としては、ヘキシル硫酸、オクチル硫酸、デシル硫酸、ドデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ヘキサデシル硫酸、オクタデシル硫酸、イコシル硫酸等が挙げられる。
上記一般式(9)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸の具体例としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸等が例示される。
(2)高級脂肪酸
具体例としては、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等が挙げられる。
(3)下記一般式(10)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
5O(EO)t(PO)uSO3H (10)
(式中、R5は、一般式(8)で定義の通りで、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。EOはエチレンオキシド基、POはプロピレンオキシド基を示し、それらの配列はブロック状でもランダム状でもよい。t及びuは独立に0〜100の整数であり、但し、t+u>0、特に50≧t+u≧1である。)
具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸等が挙げられる。
(4)下記一般式(11)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
5−C64−O(EO)t(PO)uSO3H (11)
(式中、R5は、一般式(8)で定義の通りで、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。EO、PO、t及びuは、一般式(10)で定義の通りで、EOはエチレンオキシド基、POはプロピレンオキシド基を示し、それらの配列はブロック状でもランダム状でもよい。t及びuは独立に0〜100の整数であり、但し、t+u>0、特に50≧t+u≧1である。)
具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸等が挙げられる。
(5)ブレンステッド酸
例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クロロスルホン酸、リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、及びポリリン酸、ホウ酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カルボン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸、アクリル酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、クロトン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、タンニン酸、イタコン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フタル酸、及びコハク酸、陽イオン交換樹脂、酸性ゼオライト、酸活性フィラー土、及び酸活性カーボンブラック等が例示される。
(D)成分の使用量(但し、(B)成分の界面活性剤が触媒作用を有し、(D)成分の酸触媒に包含される場合は、この(B)成分の使用量を含んだ合計量である)としては、(A)成分100質量部に対して、少なくとも0.1質量部以上である。好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部より少ない場合、重合速度が極めて遅くなる。なお、上限は特に限定されないが、125質量部以下である。
以下、本発明の製造方法について説明する。
<工程(I)>
(A)、(B)及び(C)成分を含む混合物を乳化してエマルション組成物を調製する。ここでの乳化は、ホモディスパー、ホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、万能混合機、ウルトラミキサー、プラネタリーミキサー、コンビミックス、高圧ホモジナイザー等の乳化機を用いることができ、好ましくは、ホモディスパー、ホモミキサー、コロイドミル等のせん断力を用いてエマルション粒子を小粒径化する乳化機、より好ましくはホモディスパーである。
この工程で、乳化温度は1〜80℃が好ましい。なお、(B)成分に触媒作用がある場合は、環化反応も同時に進行するため、40℃未満の温度で乳化を行うのが好ましい。もし、40℃以上の温度で乳化を行うと、オクタメチルシクロテトラシロキサンの生成が多くなるおそれがある。そのため、好ましくは30℃未満であり、特に25℃未満がより好ましい。
この工程(I)において、エマルション組成物のエマルション粒径が好ましくは1μm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは600nm以下になるまで、上記混合物に高せん断力をかけて混合する。工程(I)で得られるエマルション粒子の粒径が小さければ小さいほど、工程(II)における重合速度が上昇するため、重合時間の短縮につながる。また、工程(I)で得られるエマルション組成物のエマルション粒子の粒径が500nm以下になる結果、次の工程で得られる最終的なエマルション粒子の粒径も500nm以下になる。なお、本発明において、エマルション粒子の粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−920(株式会社堀場製作所製)により測定した、メジアン径の値である。
<工程(II)>
得られたエマルション組成物に、必要に応じて(C−2)水を加えて分散させた後、40℃未満の温度で必要に応じて(D)成分を加えて、オルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が回転粘度計による測定で200mPa・s以上になるまで乳化重合する。
このように、エマルション組成物に(C−2)成分を添加した場合には、その後に、高圧ホモジナイザー等の乳化機により更に乳化分散することもできる。
エマルション組成物を乳化重合する場合、重合工程は、40℃未満の温度で、48時間以内で行うことが推奨される。40℃より高い温度で重合を行うと、オクタメチルシクロテトラシロキサンの生成が多くなってしまうおそれがある。そのため、25℃未満が好ましく、15℃未満がより好ましい。また、重合時間が48時間を超えると、オクタメチルシクロテトラシロキサンの副生量が多くなってしまうおそれがあるため、1〜40時間が好ましく、5〜30時間がより好ましい。
工程(II)の乳化重合により生成したオルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が回転粘度計による測定で200mPa・s以上であり、好ましくは300mPa・s以上、より好ましくは500mPa・s以上、特に好ましくは1,000mPa・s以上である。上限は特に限定されないが、100,000mPa・s以下である。
<その他の処理>
重合が終了したら、通常、得られたエマルション組成物を塩基性物質で中和する。塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物等が挙げられる。
この時に水を添加してシリコーン濃度を調整することができ、エマルション組成物の保存性を高めるために防腐剤、防黴剤等を添加することができる。
乳化を行う工程(I)や乳化重合する工程(II)、あるいは中和を行った後のエマルション組成物に、R6 3Si(OR7)、R6 2Si(OR72、R6Si(OR73のようなアルコキシシランを添加することで、得られるオルガノポリシロキサン鎖にアルケニル基、エポキシ基、アミノ基、ポリエーテル基、カルビノール基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、カルボキシ基、フッ素基などの各種官能基の導入も可能である。なお、ここで、R6は、水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基である。R7は、同一又は異種の炭素原子数1〜20のアルキル基又は水素原子である。
本発明の製造方法により得られた、25℃における15質量%トルエン溶解粘度が200mPa・s以上のオルガノポリシロキサンを含有する、エマルション組成物において、エマルション組成物中のオルガノポリシロキサンの15質量%トルエン溶解粘度は200mPa・s以上であり、300mPa・s以上が好ましく、500mPa・s以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、100,000mPa・s以下程度である。
エマルション組成物のエマルション粒子の平均粒径は、1μm以下であり、800nm以下が好ましい。下限は特に限定されないが、30nm以上程度である。本発明によれば、エマルション組成物のエマルション粒子の平均粒径は1μm以下であり、非常に微細なものが得られる。なお、エマルション粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径の値である。
オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量は3,000ppm以下であり、2,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、0ppm以上である。
オルガノポリシロキサンに含まれるデカメチルシクロペンタシロキサンの含有量は、3,000ppm以下が好ましく、2,000ppm以下がより好ましく、1,000ppm以下が更に好ましい。下限は特に限定されないが、0ppm以上である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。「部」は質量部を意味する。粘度はオストワルド粘度計により測定した25℃の値である。
[実施例1]
(A)粘度が700mm2/sの分子鎖末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサン(一般式(1)中、R1=メチル基、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)96.1部と分岐単位を持つオルガノポリシロキサン(一般式(2)中、R1=メチル基、R2=メトキシ基、a=3、b=30、c=1、d=0、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)3.9部に、(B)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6部と、(C−1)水16部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに、(C−2)水74.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させた後、高圧ホモジナイザーにより乳化分散した。次に、(D)濃塩酸1.2部を加え、10℃にて24時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン2.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
[実施例2]
(A)粘度が1,500mm2/sの分子鎖末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサン(一般式(1)中、R1=メチル基、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)57.2部と分岐単位を持つオルガノポリシロキサン(一般式(2)中、R1=メチル基、R2=エトキシ基、a=3、b=380、c=1、d=0、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)42.8部に、(B)ポリオキシエチレントリデシルエーテル(EO10モル)3部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部と、(C−1)水5部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに(C−2)水83.9部を添加しホモミキサーにより希釈分散させ、(D)濃塩酸1.2部を加えた後、10℃にて21時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン2.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
[実施例3]
(A)粘度が1,500mm2/sの分子鎖末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサン(一般式(1)中、R1=メチル基、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)57.2部と分岐単位を持つオルガノポリシロキサン(一般式(2)中、R1=メチル基、R2=エトキシ基、a=4、b=380、c=0、d=1、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)42.8部に、(B)ポリオキシエチレントリデシルエーテル(EO10モル)3部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部と、(C−1)水5部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに(C−2)水84.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、(D)濃硫酸0.6部を加えた後、10℃にて17時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン2.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
[実施例4]
(A)分岐単位を持つオルガノポリシロキサン(一般式(2)中、R1=メチル基、R2=メトキシ基、a=3、b=450、c=1、d=0、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)100部に、(B)ドデシルベンゼンスルホン酸7部と、(C−1)水5部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに(C−2)水85部を添加しホモミキサーにより希釈分散させ、(D)濃硫酸0.6部を加えた後、10℃にて10時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン3.8部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
[比較例1]
粘度が700mm2/sの分子鎖末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサン(一般式(1)中、R1=メチル基、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)99.73部に、メチルトリエトキシシラン0.27部と、(B)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6部と、(C−1)水16部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに、(C−2)水74.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させた後、高圧ホモジナイザーにより乳化分散した。次に、(D)濃塩酸1.2部を加え、10℃にて24時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン2.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
[比較例2]
(A)粘度が1,500mm2/sの分子鎖末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサン(一般式(1)中、R1=メチル基、オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量50ppm以下)99.64部に、フェニルトリエトキシシラン0.36部と、(B)ポリオキシエチレントリデシルエーテル(EO10モル)3部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部と、(C−1)水5部をホモディスパーにより乳化させた。得られた第1のエマルションに(C−2)水84.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、(D)濃塩酸1.2部を加えた後、10℃にて24時間乳化重合した。その後、得られたエマルションにトリエタノールアミン2.4部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散することにより、エマルション組成物を得た。結果は表1の通りである。
上記例で得られたエマルション組成物の下記特性を、以下に示す方法で測定又は評価した。結果を表1に示す。
[エマルションの平均粒径]
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−920(株式会社堀場製作所製)により測定した、メジアン径の値である。
[オルガノポリシロキサンの粘度]
調製したエマルション組成物300gにイソプロピルアルコール300gを攪拌しながら添加し、析出したオルガノポリシロキサンのみを分取し、105℃で3時間乾燥し、トルエンで溶解した後、25℃において回転粘度計により測定した、25℃における15質量%トルエン溶解粘度である。
[オルガノポリシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサン含有量]
エマルション組成物0.1gを、テトラデカンを内部標準として20ppm(質量)含有するアセトン10mLで抽出(3時間振とう)した後、一晩放置した後にアセトン層を採取してガスクロマトグラフィー分析により、オクタメチルシクロテトラシロキサンを定量した。
[エマルションの安定性]
100mLガラス瓶に、エマルション組成物100gを入れ、50℃で3ヶ月放置した後に外観を観察した。エマルションが均一な一相を形成し分離が認められない場合に安定性良好と評価し、「○」で示し、二相への分離が認められた場合に安定性「不良」と評価し、「×」で示した。
Figure 0006387929

本発明の組成物は、安定性、使用感に優れているので、化粧料やハウスホールド用品として特に有用であり、例えば、シャンプー、リンス等のヘアケア用品に利用可能である。
また、家具や雑貨等の保護材、ゴム、プラスチック、コンクリート、モルタル、木材や紙等のコーティング剤、ゴム製品やプラスチック製品を加工するときに用いる金型用の離型剤、繊維に撥水性や柔軟性の付与を目的とした繊維処理剤としての利用も可能である。

Claims (14)

  1. (I)(A)下記一般式(2)、又は下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンの混合物で、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下であるオルガノポリシロキサン 100質量部、
    Figure 0006387929
    (式中、R1及びR2は独立に、水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。nはオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上100,000mm2/s以下となる数である。a、b、c、dはそれぞれa≧3、b≧5、c+d≧1、かつ、10≦a+b+c+d≦1,000を満たす数である。)
    (B)界面活性剤 1〜8質量部
    及び
    (C−1)水 1〜10,000質量部
    を含む混合物を乳化してエマルション組成物を調製し、
    (II)得られたエマルション組成物に、必要により、
    (C−2)水 0〜10,000質量部
    を加えた後、40℃未満の温度で、(D)酸触媒の存在下(但し、(B)界面活性剤が触媒作用を有する場合には、該酸触媒の添加は省略することができる)、乳化重合して、生成するオルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が200mPa・s以上であり、該オルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量が3,000ppm以下であり、かつ、得られたエマルションの粒径が1μm以下であることを特徴とする分岐構造を有するオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
  2. (A)一般式(1)のn、又は、一般式(2)のa、b、c、dが、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上2,000mm2/s未満となる数である請求項1記載の製造方法。
  3. (A)一般式(1)のn、及び、一般式(2)のa、b、c、dが、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が200mm2/s以上2,000mm2/s未満となる数である請求項1記載の製造方法。
  4. (A)成分が一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンのみを用い、このオルガノポリシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1,000ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. (B)界面活性剤が、更に非イオン性界面活性剤を含んでもよいアニオン性界面活性剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. (C−1)成分の水の使用量が、高圧を用いてエマルション粒子を小粒径化する乳化機を用いて工程(I)のエマルション組成物を調製する場合、(A)成分100質量部に対して1〜10,000質量部である請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. (C−1)成分の水の使用量が、せん断力を用いてエマルション粒子を小粒径化する乳化機を用いて工程(I)のエマルション組成物を調製する場合、(A)成分100質量部に対して1〜10質量部である請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. (D)成分の酸触媒の存在量((B)成分の界面活性剤が触媒作用を有し、(D)成分の酸触媒に包含する場合は、この(B)成分の界面活性剤の存在量を含む)が、(A)成分100質量部に対し0.1質量部以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 工程(I)において、エマルション組成物のエマルション粒径を1μm以下にする請求項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 前記重合工程が、25℃未満の温度である請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 前記重合工程における重合時間が48時間以内である請求項1〜10のいずれか1項記載の製造方法。
  12. 目的のエマルション組成物のエマルション粒子の平均粒径が800nm以下である請求項1〜11のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
  13. 目的のエマルション組成物中のオルガノポリシロキサンの25℃における15質量%トルエン溶解粘度が300mPa・s以上である請求項1〜12のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
  14. 目的のエマルション組成物中のオルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が2,000ppm以下である請求項1〜13のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物の製造方法。
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