JP4395480B2 - 固形消泡剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

固形消泡剤組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は長期間消泡効果を持続できる固形型シリコーン消泡剤およびその製造方法に関する。
シリコーン系消泡剤は他の消泡剤に比べて種々の優れた性質を有するので、化学工業、食品工業、石油工業、織物工業、製紙工業、紙パルプ工業、医薬品工業などの発泡を伴う製造工程や排水処理、し尿処理工程等の幅広い用途で使用されている。このシリコーン系消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分散させてなるエマルジョン型消泡剤が汎用されている。このエマルジョン型消泡剤は発泡液への分散性に優れるため、発泡箇所に添加されることにより直ちに消泡効果を発揮する。ところが、時間が経過するにつれてその消泡効果は低下し、また、排水処理のように連続的に被処理液が供給される場合には、消泡成分の濃度が時間の経過と共に低下するため、定期的に消泡剤を添加するか、少量ずつ連続的に添加する必要がある。このため、製造工場等では発泡を伴う箇所に消泡剤を添加するための専用の設備を設けて対応している。
しかしながら、設備の構造上このような消泡剤投入装置が設置できない場合や発泡を伴う工程が一時的な場合、あるいは設備の規模が小さく必要とされる投入装置数が多い場合のように経済的な理由から専用設備が設置できない場合は、発泡が激しくなるたびに人手にて対応しなければならず多大な労力を必要とする。
また、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分散させてなるエマルジョン型消泡剤は、温度変化の影響を受けやすく、貯蔵中に濃淡分離、乳化粒子の破壊による分離、腐敗等の問題が発生しやすいため長期間の保管には不向きであり、保管条件に制約がある。
そのため、消泡剤を固形状とすることにより消泡成分が徐々に被処理液中に放出されるようにすることが提案されており、例えば、液体シリコーン、乳化剤およびポリエチレンワックスを加熱溶解、混合して成型した固形消泡剤がある(特許文献1)。しかし、この固形消泡剤はシリコーンとポリエチレンワックスとの相溶性が悪いため、加熱溶解後固形化するときに不均一層が生じ、保管中にオイル分が表面に滲み出す欠点がある。さらに、この不均一層によりシリコーンの分散性が低下するため、均一に分散させるには多量の乳化剤成分を添加する必要があるが、多量の乳化剤成分を配合することによって消泡性が著しく低下する問題がある。
また、シリコーンオイルコンパウンド、固体状の消泡助剤、水性ワックスおよび粉末状の親水性溶解促進剤からなる固形消泡剤が提案されている(特許文献2)が、各成分が相溶性に乏しいため、加熱混合後、急冷して成型しないとシリコーンオイルが分離し水分散性が低下する欠点および保管中にシリコーンオイルが表面に滲み出す問題がある。
特公昭36−15919号公報 特公平1−23163号公報
本発明の課題は、長期間消泡効果が持続し、保存安定性に優れる固形消泡剤組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討を行った結果、疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカと、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、特定の界面活性剤および微粉末シリカを配合することにより、成形時に不均一層の発生がなく、保管中にオイルが表面に滲むこともなく、消泡効果を長時間持続できる固形消泡剤として有用な組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン、
(B)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、
(C)25℃で固体状の界面活性剤、および
(D)微粉末シリカ
を含有してなる固形消泡剤組成物を提供する。
また、本発明は、上記固形消泡剤組成物の好ましい製造方法として、
疎水性オルガノポリシロキサン(A)100質量部と微粉末シリカ(D)の一部:2〜30質量部とを含むシリコーンオイルコンパウンド(イ)を調製し、
該シリコーンオイルコンパウンド(イ)100質量部と、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(B)25〜250質量部とを混合してシリコーン混合物(ロ)を調製し、
該シリコーン混合物(ロ)100質量部に、界面活性剤(C)50〜200質量部および微粉末シリカ(D)の別の部分:1〜50質量部を配合することを含むことを特徴とする製造方法を提供するものである。
本発明の組成物は、固形消泡剤として有用なものである。本発明の組成物からなる固形消泡剤は、1回の添加で長時間消泡効果を持続することができるため、作業の効率化が期
待される。さらに、この固形消泡剤は長期間保存してもオイル成分が表面に滲出し難く、保存安定性にも著しく優れている。また、組成物の成型時に不均一層(油滴)が発生することもないため、均一な分散性が持続する。したがって、特に排水処理、し尿処理、化学工業、織物工業等の分野において、広く使用することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。本発明の固形消泡剤組成物を構成する必須の成分を順次説明する。
−(A)疎水性オルガノポリシロキサン−
該オルガノポリシロキサンは成分(D)の微粉末シリカとともに組成物に消泡性を付与する働きをすると考えられる。
この疎水性オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば、平均組成式(I):
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は独立に水酸基または置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。)
で表される。
この一般式(I)において、R1で表される置換または非置換の1価炭化水素基は、好ましくは炭素原子数が1〜20のものであり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;スチリル基などのアラルキル基;あるいはこれらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが挙げられるが、消泡性及び経済性の面から、全R1の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。
上記一般式(I)中のaは、1.9〜2.2の数であることが必要である。aが1.9未満である場合には疎水性オルガノポリシロキサンの粘性が高くなり作業性や乳化特性が低下することがある。aが2.2より大きい場合には疎水性オルガノポリシロキサンの分子量が小さくなり十分な消泡性を発揮しないことがある。
疎水性オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、10〜100,000mm2/sであることが必要であり、消泡性、作業性の面から、より好ましくは50〜50,000mm2/sである。
上記一般式(I)で表される疎水性オルガノポリシロキサンの好ましい具体例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサンコポリマー、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
−(B)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン−
成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、成分(A)、(D)を水系へ乳化分散させる作用、および消泡効果を高める効果を有する。
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、水系への乳化分散作用および作業性の点で10〜10,000mm2/sであることが好ましいが、より好ましくは100〜7,000mm2/sである。
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(II):
(3−d)SiO−(R SiO)−(RSiO)
−SiR (3−d) (II)
[式中、Rは独立に置換または非置換の1価炭化水素基であり、Rは独立に下記一般式(III):
−R−O−(RO)−R (III)
(式中、R及びRは独立に2価炭化水素基であり、Rは水素原子または1価有機基であり,eは1以上の整数である。)
で表される基であり、bはb≧1の整数、cはc≧0の整数、dは0または1であり、c+d≧1である]で示される。
上記一般式(II)において、R2で表される置換または非置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数が1〜18のものであり、具体的には、例えば、R1で表される置換または非置換の1価炭化水素基として例示したものが挙げられる。特に、消泡効果および経済性の観点から、全R2の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
上記一般式(II)において、乳化分散作用及び作業性の面からbは5〜300の数であることが好ましく、より好ましくは10〜200であり、cは0〜50の数であることが好ましく、より好ましくは1〜30である。
上記一般式(III)において、R4およびR5で表される2価炭化水素基は、通常、炭素原子数が2〜6のものであり、具体的には、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基等が挙げられる。
上記一般式(III)において、R6で表される1価有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、イソシアノ基等が挙げられる。
上記一般式(III)において、eは1〜100の整数であることが好ましいが、より好ましくは5〜80である。
成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの好適なものとしては、例えば、
Figure 0004395480

Figure 0004395480

Figure 0004395480

Figure 0004395480

Figure 0004395480

等が挙げられる。
成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、常法に従って、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖末端にアリル基などの不飽和結合を有する基を有するポリオキシアルキレン化合物とを白金等の触媒の存在下、付加反応することによって得られる。
−(C)固体状界面活性剤−
成分(C)の界面活性剤は、組成物を固形状に保つ粘結剤の働きと、発泡液と接触して徐々に発泡液中に分散し消泡成分を発泡液中に放出する解放剤の働きをするものである。成分(C)の界面活性剤は、25℃で固体状のものである。
成分(C)の界面活性剤としては、一般的に公知のものでよく、例えば炭素原子数が8以上高級脂肪酸、高級アルコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等が挙げられるが、常温で固体状であるためには炭素原子数10以上の脂肪酸、脂肪族アルコールおよびそれらのエステル類であることが好ましく、より好ましくは炭素原子数が12以上の高級脂肪酸、高級アルコールとそのエステル類であることが望ましい。また成分(C)は一種単独で用いてもよいが、二種以上を組み合わせて使用するのが好ましい。
さらに、消泡成分を発泡液中に放出する作用からすると、少なくとも一種はポリオキシエチレン基を有するもの選択することが好ましく、特にポリオキシエチレンソルビットミツロウを界面活性剤全体量の5質量%以上配合すると、粘結剤としての効果が向上し成型時の不均一層生成が著しく抑制され、また保管時にシリコーンオイルの表面への滲み出しが著しく抑制させる。このポリオキシエチレンソルビットミツロウの割合が界面活性剤全体量の5〜60質量%、特に10〜50質量%であることがさらに好ましい。
ポリオキシエチレン基を有する化合物を選択した場合には、このポリオキシエチレン基のエチレンオキサイド(即ち、−CHCHO−単位)の付加モル数(以下、「EO付加モル数」という)が、10より少ないと組成物を固形状に保つ効果が弱くなり、200を超えると相溶性が低下するため10〜200が好ましいが、より好ましくは15〜150である。
−(D)微粉末シリカ−
使用される微粉末シリカは公知のものでよく、例えば、沈降シリカ等の湿式シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ等の乾式シリカのいずれでもよい。これらは親水性シリカであるが、そのまま用いても、その表面を有機シリル基を有する化合物で表面処理して疎水性シリカとして用いてもよい。微粉末シリカの具体例としては、商品名で、「アエロジル(日本アエロジル社製)」、「ニプシル、ニプジェル(東ソーシリカ社製)」、「サイリシア(富士シリシア社製)」等が挙げられる。微粉末シリカは、BET法による比表面積が100m2/g以上のものが好ましく、より好ましくは、150〜500m2/gのものである。
−その他の成分−
本発明の組成物には、必要に応じて上記成分(A)〜(D)以外の成分を配合してもよい。例えば、以下で説明する(E)崩壊剤等が挙げられる。
成分(E)の崩壊剤は、組成物が発泡液と接触したときに、組成物を徐々に崩壊させ成分(D)の界面活性剤が消泡成分を発泡液中に放出させやすくするものである。
成分(E)の崩壊剤としては、例えば、水溶性セルロースまたはその誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸またはその誘導体、キサンタンガム等の水溶性粉体が挙げられ、具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、部分ケン化型ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム等が挙げられる。これら成分(E)の崩壊剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、各成分の好ましい配合割合は、成分(A)の疎水性オルガノポリシロキサン100質量部に対して、
成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン25〜325質量部、より好ましくは、50〜300質量部、
成分(C)の固体状界面活性剤60〜900質量部、より好ましくは90〜800質量部、そして、
成分(D)の微粉末シリカ1〜220質量部、より好ましくは3〜180質量部である。
本発明の固形消泡剤組成物は、次の調製順序で製造することが好ましい。
該組成物の好ましい実施形態では、組成物の調製において、まず、成分(A)の疎水性オルガノポリシロキサンと成分(D)の微粉末シリカの一部とを混合してオイルコンパウンドを作ること、成分(D)分の微粉末シリカの別の部分(通常、残部)を最後に混合する。
より好ましくは、疎水性オルガノポリシロキサン(A)100質量部と微粉末シリカ(D)の一部:2〜30質量部とを含むシリコーンオイルコンパウンド(イ)を調製し、
該シリコーンオイルコンパウンド(イ)100質量部と、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(B)25〜250質量部とを含むシリコーン混合物を調製し、
該シリコーン混合物(ロ)100質量部に、界面活性剤(C)50〜200質量部および微粉末シリカ(D)の別の部分:1〜50質量部を配合して調製する。この最後の混合工程において、前記シリコーン混合物(ロ)にまず界面活性剤(C)を混合し、その後に微粉末シリカ(D)の残部を混合することがさらに好ましい。
以下、本発明の組成物の調製方法をより詳しく説明する。
<シリコーンオイルコンパウンド(イ)の調製>
上記の好ましい調製方法によった場合、このシリコーンオイルコンパウンドは、成分(A)の疎水性オルガノポリシロキサンと成分(D)微粉末シリカの一部とを含むものである。
成分(D)の微粉末シリカの添加量は、上記疎水性オルガノポリシロキサン100質量部に対して2質量部未満の場合には消泡性能が劣ることがあり、30質量部を超える場合にはオイルコンパウンドの粘度が増加して作業性が悪くなることがある。したがって、該添加量は、疎水性オルガノポリシロキサン100質量部に対して2〜30質量部の範囲とする必要があり、好ましくは3〜20質量部の範囲である。
シリコーンオイルコンパウンド(イ)は、例えば、上記疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカとを所定量混合し、室温〜200℃の温度で処理した後、必要に応じて低沸点留分を除くことによって製造することができる。このシリコーンオイルコンパウンドには、例えば、特公平4−42043号公報、特開平5−261206号公報等に記載のように、さらに無機質アンモニウム塩、有機ケイ素化合物、シロキサン樹脂などを消泡持続性、高温特性、希釈安定性などの向上のために添加してもよい。
成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、シリコーンオイルコンパウンド(イ)中の成分を水系へ乳化分散させる作用、および消泡効果を高める効果を有する。
成分(B)の含有量は、シリコーンオイルコンパウンド(イ)100質量部に対して、25質量部未満では消泡効果が十分に得られないことがあり、250質量部を超えると消泡性が低下することがあるので、25〜250質量部であることが必要であるが、より好ましくは50〜200質量部である。成分(B)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
成分(C)の界面活性剤の配合量は、シリコーンオイルコンパウンド(イ)および成分成分(B)の合計量100質量部に対して、50質量部より少ないと組成物を固形化することが難しく、200質量部より多くなると消泡効果が低下することがあるので、50〜200質量部であることが必要であるが、好ましくは60〜180質量部、より好ましくは70〜160質量部である。
後段で、好ましくは最後に配合される成分(D)である微粉末シリカの別の部分(通常、残部)は、得られる組成物に増粘・チキソトロピー効果を付与することにより固形化時の不均一層の生成を抑制する効果と、微粉末シリカの吸着性により長期保管中の固形消泡剤の表面へのシリコーンオイルの滲み出しを抑制する効果を有するものである。
この後段で配合される微粉末シリカは、早期段階でシリコーンオイルコンパウンドの調製のために成分(A)の疎水性オルガノポリシロキサンと混合される微粉末シリカとは同一種でも異なる種類でもよい。各段階で使用する微粉末シリカは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
この段階で配合する微粉末シリカの配合量は、シリコーンオイルコンパウンド(イ)および成分(B)からなるシリコーン混合物(ロ)100質量部に対して、1質量部より少ない場合には増粘・チキソトロピー効果が不十分で不均一層の生成が抑制できないことがあったり、あるいは長期保存中の固形消泡剤の表面へのシリコーンオイルの滲み出しが抑制できないことがあり、50質量部を超える場合には組成物が増粘しすぎて混合・成型が困難となることがあるので、1〜50質量部であることが必要であり、より好ましくは2〜40質量部である。
任意的であるが、成分(E)の崩壊剤を配合する場合には、その配合量は特に限定されないが、成分(A)〜(C)からなるシリコーン混合物(ロ)100質量部に対して40質量部を超えて配合すると、発泡液中で組成物の崩壊が早くなりすぎ消泡効果の持続性が低下することがあるので、0.1〜40質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部、さらにより好ましくは1〜20質量部である。該(E)成分は、界面活性剤(C)を混合するのと同時に、または界面活性剤(C)を混合した後の段階で混合する。
本発明の固形消泡剤組成物は、上記成分(A)〜成分(C)、成分(D)の一部および場合によって含まれる成分(例えば、成分(E))の所定量を所定の順序で50〜120℃の温度で加熱し、例えば、プロペラミキサー、アンカーミキサー、パドルミキサー、ゲートミキサー、ホモミキサー、ラインミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー、ホモディスパー等の撹拌混合機によって均一に混合することによって調製することができる。好ましくは、成分(A)〜(C)および場合によっては含まれる成分の所定量を50〜120℃の温度で加熱し、撹拌混合機によって均一に分散した後、こうして得られた混合液に成分(D)の残部を添加し均一に混合して該混合液にチキソ性を付与させることによって調製することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、シリコーンオイルコンパウンド(イ)および成分(B)は、上記攪拌混合機によって予め室温で均一に混合し、シリコーン混合物(ロ)としてから組成物の調製に用いられる。そうすることによって、シリコーンオイルコンパウンドの乳化分散作用と消泡効果がより向上する。
こうして得られた組成物を所定の形状に固化・成型することによって固形消泡剤が得られる。この組成物の固化・成型は、所定の形状の成型容器等に組成物を流し込み、室温で放置することにより行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例中の粘度は25℃における値である。
−シリコーンオイルコンパウンド(イ)−
・オイルコンパウンドa
疎水性オルガノポリシロキサンとして粘度が1,000mm2/sであるジメチルポリシロキサン100質量部、および微粉末シリカとして親水性湿式シリカ(商品名:Nipsil HD-2、東ソーシリカ(株)社製、BET比表面積:300m2/g)10質量部を、窒素ガス雰囲気下、150℃で3時間、加熱混合してオイルコンパウンドaを得た。
・オイルコンパウンドb
疎水性オルガノポリシロキサンとして粘度が5,000mm2/sであり、全シロキサン単位に対してCH3SiO3/2単位を1モル%含有する分岐状のジメチルポリシロキサン100質量部、および微粉末シリカとして親水性ヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル(株)社製、BET比表面積:200m2/g]をヘキサメチルジシラザンで表面処理して調製した表面疎水化処理シリカ5質量部を、窒素ガス雰囲気下、160℃で3時間、加熱混合してオイルコンパウンドbを得た。
・オイルコンパウンドc
疎水性オルガノポリシロキサンとして粘度が1,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100質量部、および微粉末シリカとして疎水性ヒュームドシリカ(商品名:AEROSIL R974、日本アエロジル(株)社製、BET比表面積:170m2/g)10質量部を、窒素ガス雰囲気下、160℃で3時間、加熱混合してオイルコンパウンドcを得た。
−成分(B)−
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンd
Figure 0004395480
(粘度:2,000mm2/s)
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンe
Figure 0004395480
(粘度:800mm2/s)
−シリコーン混合物(ロ)−
・シリコーン混合物A
オイルコンパウンドa50質量部、オイルコンパウンドb50質量部およびポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンd100質量部をホモミキサーを用いて室温下で均一になるまで混合し、シリコーン混合物Aを得た。
・シリコーン混合物B
オイルコンパウンドa40質量部、オイルコンパウンドc60質量部、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンd80質量部およびポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンe20質量部をホモミキサーを用いて室温下で均一になるまで混合し、シリコーン混合物Bを得た。
<実施例1>
シリコーン混合物A100質量部、ステアリン酸35質量部、ポリエチレングリコールステアリン酸エステル(EO付加モル数:55モル)45質量部、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ(EO付加モル数:20モル)25質量部およびカルボキシメチルセルロースナトリウム(1質量%水溶液、粘度:200mPa・s)10質量部を80℃に加熱した後、ホモディスパー(商品名:T.K.ホモディスパーfmodel、特殊機化工業株式会社製)を用いて均一に撹拌混合し、次いで微粉末シリカとして親水性ゲルシリカ(商品名:NIPGEL AZ-204、東ソーシリカ社製、BET比表面積:300m2/g)10質量部を加えて均一に混合して組成物を調製した。この組成物を成型容器に流し込み、室温で放置することにより白色固形状の消泡剤を得た。
<実施例2〜5、比較例1〜3>
実施例1において、使用した成分を表1に示す種類・配合量とした以外は実施例1と同様にして組成物および白色固形状の消泡剤を得た。
−評価方法−
1.不均一層(油滴)の生成の有無
上記組成物の成型時(放置時)の不均一層(油滴)の生成の有無を観察し評価した。不均一層(油滴)が認められなかった場合を良好と評価してAと示し、少し認められた場合をやや不良と評価してBと示し、著しく認められた場合を不良と評価してCと示す。その結果は表1に示す。
2.オイルの滲み出しの有無
上記消泡剤を25℃で7日間保存したときのオイルの滲み出しの有無を観察し評価した。オイルの滲み出しが認められなかった場合を良好と評価してAと示し、少し認められた場合をやや不良と評価してBと示し、著しく認められた場合を不良と評価してCと示す。その結果は表1に示す。
3.溶解速度
20L容器に水を入れ、上記消泡剤20gを金網で作製した容器に入れて水中に浸し、撹拌羽で撹拌しながら、該消泡剤が完全に溶解ないし分散するまでの時間を測定し、溶解速度を算出した。その結果を表2に示す。
4.消泡性
発泡液として家庭用台所用合成洗剤「ママレモン」(ライオン株式会社製)の0.1質量%水溶液2Lを円筒形の容器に入れ、そこに消泡剤3gを金網で作成した容器に入れて添加した。液面より11cmの高さから滝落とし状に4L/分の流量で発泡液を循環させ、5分毎に試験液500mlを抜き取り新たな発泡液を追加しながら、発生する泡の高さを計測した。比較のために、エマルジョン型シリコーン消泡剤(商品名:KM-73、信越化学工業社製)を使用して同様に泡の高さを計測した。その結果を経過時間と泡高さの関係を表すグラフとして図1に示し、詳細なデータは表3に示す。なお、図1において、実施例3〜5で得られた消泡剤のグラフは実施例1、2で得られた消泡剤のグラフと重なるため記載を省略した。
Figure 0004395480
(注)上表において、「D-1」は成分(D)の微粉末シリカのうち初段階で配合される部分を示し、「D-2」は後段で配合される部分を示す。
Figure 0004395480
Figure 0004395480
<評価>
表1から分かるように、実施例で得られた組成物は成型時の不均一層(油滴)の発生がなく、固形消泡剤の表面へのシリコーンオイルの滲み出しもなく、良好な保存性を長期間有するものであった。また、表2から分かるように、実施例で得られた固形消泡剤は溶解速度も200gの成型物であれば1週間連続使用できるほど著しく優れていた。さらに、図1および表3から分かるように、実施例で得られた固形消泡剤は従来のエマルジョン型消泡剤と比較して長時間安定した消泡効果を持続することができるものであった。
消泡性試験の結果を経過時間(分)と泡高さ(cm)との関係で表すグラフである。

Claims (9)

  1. (A)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン、
    (B)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、
    (C)25℃で固体状の界面活性剤、および
    (D)微粉末シリカ
    を含有してなる固形消泡剤組成物であって、
    成分(A)〜(D)の混合において、成分(A)の疎水性オルガノポリシロキサンと成分(D)の微粉末シリカの一部とを混合してオイルコンパウンドを作ること、成分(D)分の微粉末シリカの別の部分を最後に混合することにより調製された固体消泡剤組成物
  2. 界面活性剤(C)がポリオキシエチレンソルビットミツロウを5質量%以上含有する請求項1に係る固形消泡剤組成物。
  3. 疎水性オルガノポリシロキサン(A)100質量部と微粉末シリカ(D)の一部:2〜30質量部とを含むシリコーンオイルコンパウンド(イ)を調製し、
    該シリコーンオイルコンパウンド(イ)100質量部と、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(B)25〜250質量部とを含むシリコーン混合物(ロ)を調製し、
    該シリコーン混合物(ロ)100質量部に、界面活性剤(C)50〜200質量部および微粉末シリカ(D)の別の部分:1〜50質量部を配合して調製された請求項1または2に係る組成物。
  4. 前記シリコーン混合物(ロ)に、界面活性剤(C)および微粉末シリカ(D)の別の部分を配合する際に、界面活性剤(C)を混合した後に微粉末シリカ(D)の別の部分を混合して調製された請求項に係る組成物。
  5. さらに、(E)水溶性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸誘導体、キサンタンガム、またはこれらの二種以上の組み合わせを含有する請求項1〜のいずれか1項に係る組成物。
  6. 請求項1に記載の固形消泡剤組成物の製造方法であって、
    疎水性オルガノポリシロキサン(A)100質量部と微粉末シリカ(D)の一部:2〜30質量部とを含むシリコーンオイルコンパウンド(イ)を調製し、
    該シリコーンオイルコンパウンド(イ)100質量部と、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(B)25〜250質量部とを混合してシリコーン混合物(ロ)を調製し、
    該シリコーン混合物(ロ)100質量部に、界面活性剤(C)50〜200質量部および微粉末シリカ(D)の別の部分:1〜50質量部を配合することを含むことを特徴とする上記製造方法。
  7. 成分(C)の界面活性剤がポリオキシエチレンソルビットミツロウを5質量%以上含有する請求項に係る製造方法。
  8. 前記シリコーン混合物(ロ)に、界面活性剤(C)および微粉末シリカ(D)の別の部分を配合する際に、界面活性剤(C)を混合した後に微粉末シリカ(D)の別の部分を混合することを特徴とする請求項6または7に係る製造方法。
  9. さらに、(E)水溶性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸誘導体、キサンタンガム、またはこれらの二種以上の組み合わせを界面活性剤(C)を混合するのと同時に、または界面活性剤(C)を混合した後の段階で混合する請求項6〜のいずれか1項に係る製造方法。
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